JPH0721640Y2 - 建設用車両 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、超小旋回の可能なパワーショベルトラックの
ような建設用車両に関するものである。

〔従来の技術〕

パワーショベルトラックでは、上部旋回体の旋回フレー
ムに搭載されるエンジンは、クランク軸が旋回フレーム
の前後方向に対して直角または平行になるように配置さ
れていた。一般のパワーショベルトラックでは場積もあ
り、特にこれで問題はなかった。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、上記旋回体の旋回円が、左右の足回りの幅内に
納まるようにした、超小旋回が可能なパワーショベルト
ラックにおいては、足回りは幅が小さいほど旋回体上の
場積スペースが少なくなって上記のようにエンジンを、
クランク軸が旋回フレームの前後方向に対して直角また
は平行になるように配置するとエンジンが旋回円内に納
まらず、またスペースに無駄なところが出て旋回円を小
さくできなかった。

このために、燃料タンクや作動タンクの設置場所を変更
しエンジンを旋回円に納めるようにしていた。

本考案は上記の事情に鑑みなされたものであって、その
目的とするところはエンジンを旋回フレームの前後方向
に対して斜めになるように配置して場積を有効に活用
し、タンク等の配置変えなしにエンジンを上部旋回体の
旋回円内に納めて超小旋回を可能にすることにある。

〔課題を解決するための手段及び作用〕

上記目的を達成するために、本考案に係る建設用車両
は、上部旋回体にブーム、アーム等からなるリンク形の
作業機を前方へ向けて上下方向に回動自在に枢支し、か
つこの上部旋回体の旋回円が、左右の足廻りの幅内に納
まる建設用車両において、上記上部旋回体の旋回中心よ
り後方側に、エンジンを旋回体の前後方向に対して斜め
に配設し、このエンジンより後方にカウンタウエイト
を、上記上部旋回体の旋回円より内側に沿わせて設置し
た構成となっており、また上記エンジンを、これの油圧
ポンプ側が運転部の後方に位置すると共に、斜め後方へ
向くようにして上部旋回体の前後方向に対して斜めにし
て配設し、及び、旋回中心に対してエンジンより後方に
配置されるカウンタウエイトを、これのエンジンの側面
部に対向する部分の内壁が、エンジンのクランク軸線と
略平行となるような構成となっていて、エンジンは、上
部旋回体の前後方向後側に配設されて、カウンタウエイ
トと共に、作業機に対するカウンタバランス作用をなす
と共に、このエンジンを上部旋回体の狭い場積を有効に
使って設置することができる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

パワーショベルトラックＡは第１図に示すように走行装
置１に旋回機構２を介して上部旋回体３を設けた構造で
ある。走行装置１は左右の足回り4,4′を備えている。

また上部旋回体３は前記旋回機構２に支持された旋回フ
レーム５を備えている。

上部旋回体３は旋回中心Ｐで旋回した場合、半径Ｒの円
内にあって、この旋回円ハは左右の足回り4,4′の幅Ｂ
内に納めてある。

そして、前記旋回フレーム５の後端部には、平面円弧状
のカウンタウエイト６が配設してあり、また旋回フレー
ム５の上面部の左側には運転室７が、また右側には燃料
タンク８と作動油タンク９がそれぞれ配設してある。

また前記旋回フレーム５の上面部の略中央部には、堀削
積込用作業機10の基部が配設してある。

更に前記旋回フレーム５の上面部の後部には、前記運転
室７とカウンタウエイト６との間の空所にエンジン11が
配設してある。このエンジン11は、クランク軸の軸線イ
が、上部旋回体３の前後方向の軸線ロに対して斜めにな
るように傾けて配置してあり、このためにエンジン11の
端部分11a,11bが旋回フレーム５の周側より外方に突出
することがなく、エンジン11は旋回フレーム５内に納ま
っている。

エンジン11のクランク軸心方向一方側の出力側には、こ
のエンジン11によって回転駆動される油圧ポンプ12が設
けてある。そしてエンジン11は、この油圧ポンプ12側が
運転部の後方に位置すると共に、斜め後方へ向く姿勢と
なるように斜めになっている。

また上記カウンタウエイト６の内壁で、かつ上記エンジ
ン11の側面部に対向する部分の内壁が、エンジン11のク
ランク軸線と略平行になっている。

〔考案の効果〕

本考案によれば、上部旋回体にブーム、アーム等からな
るリンク形の作業機を前方へ向けて上下方向に回動自在
に枢支し、かつこの上部旋回体の旋回円が、左右の足廻
りの幅内に納まる建設用車両において、上記上部旋回体
５の旋回中心より後方側に、エンジン11を上部旋回体５
の前後方向に対して斜めに配設し、このエンジン11より
後方にカウンタウエイト６を、上記上部旋回体５の旋回
円より内側に沿わせて設置した構成となっていることに
より、エンジン11がカウンタウエイト６と共に、上記作
業機に対するカウンタウエイトの作用をさせることがで
きて、上部旋回体５の旋回バランスをよくすることがで
きる。そしてエンジン11を、これの油圧ポンプ側が運転
部の後方に位置すると共に、斜め後方へ向くようにして
上部旋回体の前後方向に対して斜めにして配設したこと
により、運転部側の配置スペースを広くとることができ
る。

さらに、上記カウンタウエイト６が、これのエンジン11
の側面部に対向する部分の内壁がエンジン11のクランク
軸線と略平行にしてあることにより、エンジン11をさら
に旋回円周側へ寄せて位置させることができて上部旋回
体上での場積を広く使うことができ、他の部材とのレイ
アウトが容易となる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は側面図、第２
図は同一部省略した平面図である。 １は走行装置、２は旋回機構、３は上部旋回体、4,4′
は足回り、５は旋回フレーム、11はエンジン。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上部旋回体にブーム、アーム等からなるリ
   ンク形の作業機を前方へ向けて上下方向に回動自在に枢
   支し、かつこの上部旋回体の旋回円が、左右の足廻りの
   幅内に納まる建設用車両において、上記上部旋回体の旋
   回中心より後方側に、エンジンを旋回体の前後方向に対
   して斜めに配設し、このエンジンより後方にカウンタウ
   エイトを、上記上部旋回体の旋回円より内側に沿わせて
   設置したことを特徴とする建設用車両。
2. 【請求項２】出力側に油圧ポンプを設けたエンジンを、
   これの油圧ポンプ側が運転部の後方に位置すると共に、
   斜め後方へ向くようにして上部旋回体の前後方向に対し
   て斜めにして配設したことを特徴とする請求項１記載の
   建設用車両。
3. 【請求項３】旋回中心に対してエンジンより後方に設置
   されるカウンタウエイトを、これのエンジンの側面部に
   対向する部分の内壁が、エンジンのクランク軸線と略平
   行となるようにしたことを特徴とする請求項１記載の建
   設用車両。