JP2562916Y2 - 高所作業車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、格納走行状態では、伸
縮ブームを縮小させ、伸縮ブームの上方に位置するレベ
リングシリンダの上方に作業台を位置させることで、伸
縮ブームの先端に比較的大きな作業台を装備できるよう
にした高所作業車に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】第４図および第５図に基いて説明する。
車両１の運転室２の直後方に旋回駆動自在に取付けた旋
回台３に、伸縮ブーム４を起伏駆動自在に取付け、縮小
状態の伸縮ブーム４を車両１の後方に旋回し当該伸縮ブ
ーム４の先端側が基端側に対して低くなるよう倒伏して
格納するよう構成し、支持ブラケット５の左右一対の脚
部５ａ，５ａの下端部を伸縮ブーム４の先端部４ａに水
平軸７を介して起伏自在に連結している。取付けブラケ
ット９は、伸縮ブーム４の先端部４ａにその基部を固着
され、伸縮ブーム４の上側で伸縮ブーム４の基端側へ延
出されている。

【０００３】レベリングシリンダ８は、そのシリンダ８
ａを取付けブラケット９の左右の側板間に位置させシリ
ンダ８ａの基端部を取付けブラケット９の延出端部に具
備したシリンダ連結部10にピン11を介して連結すると共
に、そのピストンロッド８ｂの先端部を支持ブラケット
５の左右一対の脚部５ａ，５ａの内側（間）に位置させ
ピストンロッド８ｂの先端部をピン12で以て左右一対の
脚部５ａ，５ａに連結している。作業台６は、その床面
の後端寄り位置が旋回中心Ｏとなるよう支持ブラケット
５の上側に旋回ベアリング（図示せず。）を介して旋回
自在に取付けられ、油圧モータと減速機とから構成され
ている旋回駆動装置13は、そのピニオン歯車が前記旋回
ベアリングに噛合うよう支持ブラケット５に配置されて
いる。

【０００４】上記のように構成した高所作業車は、下記
のように作動する。格納走行状態から作業状態にし作業
するには、伸縮ブーム４の起仰動によって伸縮ブーム４
を起こしたのち、旋回台３の旋回動による伸縮ブーム４
の旋回、伸縮ブーム４の伸縮動、伸縮ブーム４の起伏動
によって、伸縮ブーム４の先端を希望する位置に自在に
移動させる。伸縮ブーム４を起伏動させると、レベリン
グシリンダ８は、伸縮ブーム４の起伏動に関連して支持
ブラケット５を水平軸７回りで起伏させ支持ブラケット
５の姿勢を常に一定に維持するよう作動する。従って支
持ブラケット５に旋回ベアリングを介して取付けられた
作業台６は、その姿勢を常に一定に維持される。そして
旋回駆動装置13を駆動すると、作業台６は、旋回中心Ｏ
の回りに旋回される。このように旋回台３の旋回動によ
る伸縮ブーム４の旋回、伸縮ブーム４の伸縮動、伸縮ブ
ーム４の起伏動、作業台６の旋回動を用いて、作業台６
を作業に適した位置に自在に移動させて作業する。

【０００５】この種の高所作業車は、このように作業台
６の位置を多様に設定でき、とくに作業に際して車両を
作業対象に対して平行に駐車しなくとも作業台６の位置
を伸縮ブーム４の旋回および作業台６の旋回動によって
平行に設置できるうえ、比較的大きな作業台６による一
停止点での作業範囲の広さと合わせて作業性のよいもの
である。

【０００６】作業状態から格納走行状態にするには、作
業台６をその先端側（伸縮ブーム４との連結部と反対
側）が伸縮ブーム４の基端側に向くよう旋回し、伸縮ブ
ーム４を縮小させ車両１の後方に旋回し、伸縮ブーム４
の先端側が基端側に対して低くなるよう倒伏して格納す
る。このように格納した格納走行状態では、伸縮ブーム
４の上方に位置するレベリングシリンダ８の上方に旋回
駆動装置13が位置し、さらにその上方に作業台６が位置
している。この格納走行状態で、高所作業車は走行す
る。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】従来の高所作業車は、
上記のように作動するので作業にたいへん便利なもので
あるが、格納走行状態に近い作業状態および格納走行状
態において、伸縮ブーム４の上方に位置するレベリング
シリンダ８の上方に旋回駆動装置13が位置しさらにその
上方に作業台６が位置しているため、作業台６の高さが
やや高い位置にある。このため作業台６への作業員の乗
降や荷の積み降ろしがしにくいという問題点があった。
また車両の重心がやや高く走行安定性の面で好ましくな
いという問題点もあった。本考案の課題は、これらの問
題点を解消した高所作業車の構造を提供することであ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】車両に起伏駆動自在に設
けた伸縮ブーム、伸縮ブームの先端部から伸縮ブームの
上側で伸縮ブーム基端側へ延出された取付けブラケッ
ト、左右一対の脚部を備え当該脚部の下端部と伸縮ブー
ムの先端部とを水平軸を介して起伏自在に連結した支持
ブラケット、取付けブラケットの延出端部と支持ブラケ
ットとの間に介装し伸縮ブームの起伏動に関連して支持
ブラケットを前記水平軸回りで起伏させ支持ブラケット
の姿勢を常に一定に維持するようにしたレベリングシリ
ンダ、支持ブラケットの上側に旋回自在に設けた作業
台、支持ブラケットに配置され作業台を旋回駆動する旋
回駆動装置とを備え、格納走行状態では、伸縮ブームを
縮小させ、伸縮ブームの上方に位置するレベリングシリ
ンダの上方に作業台を位置させるようにした高所作業車
において、旋回駆動装置を、少なくとも格納走行状態で
は、平面視においてレベリングシリンダと重ならない位
置にすると共に、側面視においてレベリングシリンダと
少なくとも一部が重なるように配置し構成した。

【０００９】

【作用】作業状態では、旋回台３の旋回動による伸縮ブ
ーム４の旋回、伸縮ブーム４の伸縮動、伸縮ブーム４の
起伏動によって、伸縮ブーム４の先端を希望する位置に
自在に移動させる。伸縮ブーム４を起伏動させても、作
業台６は、レベリングシリンダ８によってその姿勢を常
に一定に維持される。旋回駆動装置を駆動すると、作業
台６は、旋回中心Ｏの回りに旋回される。以上の作動
は、従来の高所作業車と同様である。

【００１０】作業状態から格納走行状態にするには、作
業台６をその先端側が伸縮ブーム４の基端側に向くよう
旋回し、伸縮ブーム４を縮小させ、伸縮ブーム４を倒伏
して格納する。このように格納した状態では、レベリン
グシリンダ８と旋回駆動装置は、伸縮ブーム４の上方で
側面視において少なくとも一部が重なり、これらレベリ
ングシリンダ８と旋回駆動装置の上方に作業台６が位置
している。この格納走行状態で、高所作業車は走行す
る。

【００１１】上記のような格納走行状態であるから、格
納走行状態に近い作業状態および格納走行状態では、作
業台６の高さが低くなる。

【００１２】

【実施例】図１〜図３に基いて説明する。符号１〜４、
６、８は、従来の技術で用い説明したものと同義である
ので説明を省略し以下の説明に用いる。図１および図２
において、21は、作業台６の支持ブラケット、22は、伸
縮ブーム４の先端部４ａに設けられた水平軸、23は、伸
縮ブーム４の先端部４ａから伸縮ブーム４の上側で伸縮
ブーム基端側へ延出された取付けブラケット、24は、取
付けブラケット23の延出端部に設けられたシリンダ連結
部、25は、シリンダ連結部に位置するピン、26は、支持
ブラケット21の脚部21ａに位置するピン、27は、支持ブ
ラケット21に配置された旋回駆動装置である。

【００１３】支持ブラケット21は、左右一対の脚部21
ａ，21ａの下端部を伸縮ブーム４の先端部４ａに水平軸
22を介して起伏自在に連結している。レベリングシリン
ダ８は、そのシリンダ８ａの基端部をシリンダ連結部24
にピン25を介して連結すると共に、そのピストンロッド
８ｂの先端部をピン26で以て脚部21ａに連結している。
旋回駆動装置27は、油圧モータと減速機とから構成され
ており、そのピニオン歯車が旋回ベアリングに噛合い作
業台６を旋回駆動する。そして旋回駆動装置27を、少な
くとも格納走行状態では、平面視においてレベリングシ
リンダ８と重ならない位置にすると共に、側面視におい
てレベリングシリンダ８と少なくとも一部が重なるよう
に配置している。

【００１４】作動について説明する。格納走行状態から
作業状態にし作業するについては、従来の高所作業車と
ほぼ同様であるが、格納走行状態に近い作業状態では、
旋回駆動装置27を少なくとも格納走行状態では側面視に
おいてレベリングシリンダ８と少なくとも一部が重なる
ように配置したため、従来のレベリングシリンダ８の上
方に旋回駆動装置13が位置するものと比較して、作業状
態においても作業台６の高さをその分低くでき、地上付
近での作業台６への作業員の乗降や荷の積み降ろしがし
易いものである。そして作業台６の位置を多様に設定で
き、比較的大きな作業台６と合わせてたいへん作業性が
よいという従来の技術の利点は損なわれていない。

【００１５】作業状態から格納走行状態にするについて
は、従来の高所作業車とほぼ同様であるが、前述の格納
走行状態に近い作業状態と同じく格納走行状態において
作業台６の高さをレベリングシリンダ８と旋回駆動装置
13の重なり分低くできる。そこで高所作業車の重心高さ
が低くなるので、高所作業車は従来のものに比較してよ
り安定した走行をすることができる。

【００１６】図３は、レベリングシリンダ８を二本化
し、レベリングシリンダ31、31とした他の実施例を示
す。そして旋回駆動装置27を少なくとも格納走行状態で
は平面視においてレベリングシリンダ31、31の間でレベ
リングシリンダ31、31と重ならない位置にすると共に、
側面視においてレベリングシリンダ31、31と少なくとも
一部が重なるように配置し構成している。

【００１７】前記の実施例の効果に加えて、レベリング
シリンダ31を二本化したことにより、作業台６からの負
荷を支持する伸縮ブーム４の軸線と直角方向でのバラン
スが良くなる。

【００１８】

【考案の効果】以上のように構成した本考案の高所作業
車は、この種の高所作業車の作業台高さを格納走行状態
に近い作業状態および格納走行状態において低くできる
ため、作業時に作業性が改善できると共に走行時には重
心を低くして走行の安定性を良くすることができるの
で、実用上の効果が大きなものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の高所作業車の側面図である。

【図２】図１のＢ矢視図である。

【図３】図１のＢ矢視における他の実施例を示す矢視図
である。

【図４】従来の高所作業車の側面図である。

【図５】図４のＡ矢視図である。

【符号の説明】

４ 伸縮ブーム ４ａ 先端部 ６ 作業台 ８,31 レベリ
ングシリンダ ８ａ シリンダ ８ｂ ピスト
ンロッド 21 支持ブラケット 21ａ 脚部 22 水平軸 23 取付け
ブラケット 24 シリンダ連結部 27 旋回駆
動装置

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両に起伏駆動自在に設けた伸縮ブー
   ム、伸縮ブームの先端部から伸縮ブームの上側で伸縮ブ
   ーム基端側へ延出された取付けブラケット、左右一対の
   脚部を備え当該脚部の下端部と伸縮ブームの先端部とを
   水平軸を介して起伏自在に連結した支持ブラケット、取
   付けブラケットの延出端部と支持ブラケットとの間に介
   装し伸縮ブームの起伏動に関連して支持ブラケットを前
   記水平軸回りで起伏させ支持ブラケットの姿勢を常に一
   定に維持するようにしたレベリングシリンダ、支持ブラ
   ケットの上側に旋回自在に設けた作業台、支持ブラケッ
   トに配置され作業台を旋回駆動する旋回駆動装置とを備
   えた高所作業車であって、 格納走行状態では、伸縮ブームを縮小させ、伸縮ブーム
   の上方に位置するレベリングシリンダの上方に作業台を
   位置させるようにした高所作業車において、 旋回駆動装置を、少なくとも格納走行状態では、平面視
   においてレベリングシリンダと重ならない位置にすると
   共に、側面視においてレベリングシリンダと少なくとも
   一部が重なるように配置し構成したことを特徴とする高
   所作業車。