JP3001176B2 - 高所作業車 - Google Patents

高所作業車

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JP3001176B2
JP3001176B2 JP6314120A JP31412094A JP3001176B2 JP 3001176 B2 JP3001176 B2 JP 3001176B2 JP 6314120 A JP6314120 A JP 6314120A JP 31412094 A JP31412094 A JP 31412094A JP 3001176 B2 JP3001176 B2 JP 3001176B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自走可能な車体の上
に、先端に作業台を有したブームを旋回、起伏等が自在
に配設されて構成される高所作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】このような高所作業車としては、例え
ば、実開平3−62098号に開示されているようなも
のがあり、従来から多用されている。この高所作業車で
は、車体の上に旋回台が配設され、旋回台の上に起伏、
伸縮が自在に配設されたブームの先端に常時水平に保持
されて作業台が配設されており、作業台に作業者が搭乗
する。そして、旋回台の旋回作動、ブームの起伏、伸縮
作動により作業台とともに作業者を所定高所に移動さ
せ、高所作業を行うようになっている。高所作業を終了
するときには、ブームを車体前方に延びる位置で倒伏さ
せ、ブーム先端および作業台が運転キャビンの上に位置
するようにして格納保持する。このように格納した状態
で、運転キャビンに作業者が搭乗してこの車両を走行さ
せるようになっていた。
【0003】従来の高所作業車はトラックの車体を利用
して作られることが多く、車体の前部に運転キャビンが
設けられており、車体後部のフレーム上に旋回台が配設
されていた。このため、前述のようにブームおよび作業
台を格納した状態では、ブームの先端およびこれに取り
付けられた作業台は運転キャビンの上に位置することに
なり、高所作業車の全高が高くなり、走行移動時の高さ
制限が問題となったり、走行安定性が問題となったりす
ることがあった。なお、運転キャビンの後側の範囲内に
ブームおよび作業台を格納するようにして高所作業車の
全高を低くすることも可能であるが、この場合には、ブ
ームの長さを長くすることができず、高所作業時におけ
る作業範囲を広くすることが難しいという問題がある。
【0004】このようなことから本出願人は、自走可能
な車体の前部の左右いずれか一方の側に運転者用のキャ
ビンを配設するとともに車体の後部のほぼ中央に旋回台
を配設し、この旋回台に起伏自在に枢支されたブームの
先端に作業台を旋回自在に取り付けた構成の高所作業車
を提案した。この高所作業車では、車体ほぼ中央部を前
方に延びる位置までブームを旋回させるとともにこの位
置でブームを車体上に倒伏させ、且つ、作業台をブーム
におけるキャビンが配設された側とは反対側の側面に沿
う位置まで旋回させ、ブームの先端がキャビンの側方に
近接して位置するとともに作業台がブームを挟んでキャ
ビンと反対側に位置するようにして、ブームおよび作業
台を車体上に格納するようになっており、これにより、
ブーム長を短くすることなく格納時の全高を低く抑える
ことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この提
案の高所作業車の場合には、駆動車輪の駆動等に用いら
れるエンジンを旋回台の下側に配設しているため、エン
ジンの上側に旋回台を支持するための十分な強度を有す
る支持フレームを設ける必要があり、製造コストが高く
なるという問題や、構造が複雑になるという問題があ
る。また、このようにエンジンを支持フレームにより覆
うと、エンジンの冷却が行いにくくエンジンオーバーヒ
ートの問題が生じるおそれがあるという問題がある。
【0006】さらに、旋回台には旋回機構や、作業台へ
の油圧供給のためのスイベルジョイント等を取り付ける
必要があり、エンジンの上側にこれらを配設するスペー
スが必要である。このため、旋回台はエンジンの上方か
らさらに上側に突出することになり、格納時において旋
回台の上端の高さ位置が高くなり過ぎるおそれがあると
いう問題がある。
【0007】本発明はこのような問題に鑑みたもので、
エンジンの上に旋回台を置く必要がなく、車体フレーム
により旋回台を支持させることができるような構成の高
所作業車を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】このような目
的達成のため、本発明の高所作業車は、駆動車輪を有し
て自走可能な車体と、この車体の前部の左右いずれか一
方の側に配設された運転者用のキャビンと、この車体に
配設された旋回可能な旋回台と、この旋回台に起伏自在
に枢支されたブームと、このブームの先端に水平面内で
旋回自在に取り付けられた作業台とから構成され、ブー
ムが車体上に倒伏されるとともに作業台がブームの側面
に沿う位置まで旋回され、ブームが車体の前部における
キャビン配設側と反対側の空間を通って前後に延び、且
つブームおよび作業台が平面視においてキャビンと重な
らずに並列に車体上に格納されるように構成される。さ
らに、駆動車輪を駆動するエンジンが車体の後部に配設
され、旋回台が、エンジンより前方で且つ車体前後方向
における前輪および後輪の間に位置して配設されてい
る。
【0009】このような構成の高所作業車においては、
ブームおよび作業台が平面視においてキャビンと並列に
格納されるため、格納時の全高を低くすることができる
ので、走行安定性が高い。同時に、キャビンが車体の前
部の左右いずれか一方の側に配設され、ブームが車体の
前部におけるキャビン配設側と反対側の空間を通って前
後に延び且つブームおよび作業台が平面視においてキャ
ビンと重ならずに並列に車体上に格納されるので、長さ
の長いブームがキャビンと干渉することなく車体上にコ
ンパクトに格納される。また、キャビンとエンジンとを
車体前後方向に大きく離すことができ、エンジンから発
生される振動・騒音や熱がキャビンに伝わりにくくな
る。さらに、エンジンの前側に旋回台が配設されるた
め、車体フレーム上に旋回台を配設することが可能であ
り、旋回台支持のための特別な支持フレームは不要とな
り、全体構成が簡単で且つ製造コストが低くなる。ま
た、従来のように旋回台をエンジンの上側に配設する構
成の場合に比べて格納時の車体全高が低くなり、且つ旋
回台の下側に旋回機構、スイベルジョイント等を配設す
るための十分なスペースを確保することが容易である。
【0010】また、旋回台を車体前後方向における前輪
および後輪の間に位置させているため、ブームを車体前
方に延ばして作業するときにも、車体後方に延ばして作
業するときにも、前後輪により車体を安定支持させるこ
とができ、アウトリガを用いることなく、前後輪のみの
支持によりある程度の高所作業性能を得ることが可能で
ある。
【0011】なお、旋回台を、車幅方向ほぼ中央で且つ
前後輪間における前後方向ほぼ中央に配設してもよい。
これにより、旋回台を中心にしてほぼ等距離の位置に前
後輪や車体の前後左右に取り付けられるジャッキを位置
させることができるため、旋回台の前後における重量バ
ランスが良い。したがって、車体の前方と後方とで同等
の作業半径を確保することができ、高所作業車としての
使い勝手が良くなる。また、このようにホイールベース
の中央に旋回台が配設されているため、車体の安定性確
保のためにホイールベース自体を大きくしたりジャッキ
の前後間隔を大きくしたりする必要がなく、車体をコン
パクトにすることができる。しかも、ブームを車体の前
方に延ばすときには車体の後部がカウンタウエイトとし
て作用し、ブームを車体の後方に延ばすときには車体の
前部がカウンタウエイトとして作用するため、車体に特
別のカウンタウエイトを取り付ける必要性が少ない。
【0012】そして、ブームを、旋回台に起伏自在に枢
支された起伏ブーム部材と、入れ子式に伸縮自在に構成
され且つ起伏ブーム部材に長手方向にスライド自在に取
り付けられた伸縮ブーム部材とから構成し、伸縮ブーム
部材をこの伸縮ブーム部材における長手方向中間部から
基端部にかけての部分が起伏ブーム部材の基端部から突
出する位置に起伏ブーム部材に対してスライドさせた状
態で、ブームを車体上に格納するようにするのが望まし
い。これにより、旋回台が車体の前後方向中央に配設さ
れた場合でも、伸縮ブーム部材の長さ(縮小時)が車体
の半分程度の長さに制限されることがなく、伸縮ブーム
部材の長さを車体の長さと同程度の長さにして十分な作
業半径を確保することができる。しかも、格納時には伸
縮ブームを車体の前後範囲内に納めることができる。
【0013】また、ブームの先端が車体後方に延びるよ
うにしてブームを車体上に倒伏させて格納するのが好ま
しい。このように格納すると、ブーム先端に取り付けら
れた作業台は車体後部に位置して格納されるので、作業
台に対して車体前部に配設された運転キャビンが邪魔に
なることがない。
【0014】さらに、車体の前部に配設したキャビンを
車体に対して前後にスライド自在にすることが望まし
い。これにより、例えば、走行時には旋回台に近接して
コンパクトに格納されていたキャビンも、高所作業時に
は車体の前方に移動することによって旋回台の旋回移動
範囲から外れることができ、旋回作動する旋回台やブー
ムの基端部との干渉が確実に回避される。
【0015】
【実施例】
(実施例1)以下、図面を参照して本発明の好ましい実
施例について説明する。まず、図1から図4に本発明の
好ましい第1の実施例に係る高所作業車を示しており、
これらの図で矢印Fが車体前方を、矢印Rが車体後方を
示している。この高所作業車は、左右各一対の前輪2お
よび後輪3を有して走行可能となった車体1を備えてい
る。なお、この車体1は前後に延びる車体フレーム1a
を有して構成されている。
【0016】この車体1の前部(矢印F側)の右側に運
転キャビン5が配設され、この運転キャビン5の後側に
は前後に延びて第1ツールボックス6aが配設されてい
る。また、車体1の左側の後側には前後に延びて第2ツ
ールボックス6bが配設されている。但し、説明の容易
化のため、図3においては第2ツールボックス6bを取
り外した状態で示している。車体1の後部中央にエンジ
ン4が、車体フレーム1a上にマウントされて配設され
ている。
【0017】図3に示すように、このエンジン4の出力
は、アッパードライブシャフト21を介してトランスミ
ッション22に伝達され、ここで変速された後、前後ロ
アドライブシャフト23,25を介して前後アクスル機
構24,26に伝達され、前後輪2,3が駆動される。
車体1の前後左右4箇所には、左右外方に展開可能で、
作業時に下方に突出して車体1を支持するアウトリガ7
が設けられている。
【0018】一方、車体1の左右方向ほぼ中央における
エンジン4の前側に位置して、旋回台11が車体フレー
ム1aに支持されて取り付けられている。この旋回台1
1は、旋回モータにより駆動される旋回機構(図示せ
ず)を内部に有しており、車体1上に旋回自在に配設さ
れている。なお、旋回台11内にはその上に取り付けら
れたブーム等の作動用の油圧を供給するためのスイベル
ジョイントが配設されている。この場合、車体フレーム
1a内にはこれら旋回機構、スイベルジョイント等を配
設するための十分なスペースがあり、旋回台11の配設
が容易である。
【0019】旋回台11は斜め上方に突出する旋回フレ
ーム11aを一体に有し、この旋回フレーム11aにピ
ン11bにより枢支されて起伏自在にブーム12が取り
付けられている。このブーム12は入れ子式に(テレス
コピックに)複数のブーム部材が組み合わされて伸縮自
在に構成されており、内蔵の伸縮シリンダ(図示せず)
により伸縮作動される。また、旋回フレーム11aとブ
ーム12との間に起伏シリンダ13が配設されており、
この起伏シリンダ13の伸縮によりブーム12が起伏作
動される。
【0020】このブーム12の先端12aには垂直ポス
ト14が枢支され、この垂直ポスト14は図示しないレ
ベリング機構によりブーム12の起伏に拘らず常に垂直
保持されるようになっている。垂直ポスト14にはこれ
に対して水平旋回自在にアーム15が取り付けられ、こ
のアーム15の先端に作業台16が取り付けられてい
る。なお、作業台16は水平旋回機構16aを介してア
ーム15の先端に取り付けられており、アーム15に対
して水平旋回自在である。さらに、図3に示すように、
アーム15をアーム起伏シリンダ15aにより起伏自在
に構成しても良く、このようにすれば、アーム15の起
伏により、作業台16を垂直ポスト14に対して上下動
させることができる。
【0021】また、垂直ポスト14の上端にはウインチ
機構17が取り付けられている。作業台には、高所作業
時におけるブーム12の作動制御、アーム15の旋回制
御および作業台16の旋回制御等を行う上部操作装置1
8が設けられている。さらに、これと同様の作動制御を
行う下部操作装置19が旋回台11に設けられている。
【0022】図1〜図4は、このような構成の高所作業
車において、ブーム12および作業台16を格納位置に
格納した状態を示している。図から分かるように、格納
状態では、ブーム12は車体1の中央を前方に延びた状
態で車体1の上に倒伏されており、その先端部は運転キ
ャビン5の左側方に近接して位置する。作業台16は、
アーム15および作業台16自体を旋回させて、ブーム
12の左側面に沿って位置しており、この状態で、車体
1の左側部の上に載置される。
【0023】このように格納すると、従来のように作業
台16が運転キャビン5の上方に位置することがないた
め、高所作業車の全高を低くすることができる。これに
より、走行時における走行高さ制限の問題が生じること
が少なく、且つ走行安定性が向上する。なお、旋回台1
1は車体フレーム1の上に直接取り付けられるため、旋
回台11を支持する構造が簡単であり、且つ、図3から
よく分かるように、エンジン4の上側に旋回台を配設す
る構成に比較しても、格納状態での全高が低くなる。ま
た、ブーム12は車体1の後部から前端まで延びて格納
されるため、車体1の前後長を利用して格納することが
でき、ブーム12の長さを長くすることができる。
【0024】このように格納した状態でエンジン4によ
り車輪2,3が駆動されてこの高所作業車が走行され
る。このとき、作業者(運転者)が運転キャビン5に乗
り込み、この車両の運転を行う。この場合に、エンジン
4により前輪2および後輪3のいずれか一方を駆動して
走行するようにこの高所作業車を構成しても良いが、図
3に示したように、前輪2および後輪3をともに駆動
(4輪駆動)するように構成すれば走行性が向上する。
さらに、前輪2を操舵するのが一般的であるが、作業現
場での移動性を向上させるため、必要に応じて後輪3も
操舵(4輪操舵構成)することができるように構成する
のが好ましい。
【0025】そして、作業現場に到着すると、まず、ア
ウトリガ7を伸長させて車体1を支持する。次いで、作
業者が作業台16に搭乗し、上部操作装置18を操作し
て、旋回台11の旋回作動、ブーム12の起伏および伸
縮作動、アーム15の旋回作動、作業台16の旋回作動
等を制御し、作業台16とともに作業者を所定高所に移
動させ、高所作業を行う。
【0026】なお、この高所作業車では、旋回台11を
車体前後方向における前輪2および後輪3の間に位置さ
せているため、ブーム12を車体前方に延ばして作業す
るときにも、車体後方に延ばして作業するときにも、前
後輪2,3により車体を安定支持させることができる。
例えば、ブーム12を前方に延ばして作業を行うときに
は、エンジン4がカウンタウェイトとして作用して安定
性が増す。一方、ブーム12を後方に延ばして作業を行
うときには、キャビン5や、車体前部重量(車体前端部
にカウンタウェイトが配設されることが多い)がカウン
タウェイトとして作用して安定性が増す。このため、ア
ウトリガ7を用いなくても、前後輪2,3のみの支持に
よりある程度の高所作業性能を得ることができる。
【0027】(第2実施例)次に、図5から図9に本発
明の好ましい第2の実施例に係る高所作業車を示してお
り、これらの図でも矢印Fが車体前方を、矢印Rが車体
後方を示している。この高所作業車は、左右各一対の前
輪52および後輪53を有して走行可能となった車体5
1を備えている。なお、この車体51は前後に延びる車
体フレーム51aを有して構成されている。
【0028】この車体51の前部(矢印F側)の右側に
キャビン支持部材55aが配設されており、このキャビ
ン支持部材55aの上に運転キャビン55が前後方向に
スライド自在に配設されている。キャビン支持部材55
a内には、この支持部材55aと運転キャビン55間に
取り付けられた油圧シリンダ(図示せず)が内蔵されて
おり、この油圧シリンダの伸縮によって運転キャビン5
5がキャビン支持部材55aに対してスライドされる。
また、車体51の後部中央には、エンジン54が、車体
フレーム51a上にマウントされて配設されている。
【0029】図7に示すように、このエンジン54の出
力は、アッパードライブシャフト81を介してトランス
ミッション82に伝達され、ここで変速された後、前後
ロアドライブシャフト83,85を介して前後アクスル
機構84,86に伝達され、前後輪52,53が駆動さ
れる。車体51の前後左右4箇所には、左右外方に展開
可能で、作業時に下方に突出して車体51を支持するア
ウトリガ57が設けられている。
【0030】一方、車体1の左右方向(車幅方向)ほぼ
中央且つ前後輪52,53の間における前後方向ほぼ中
央に、旋回台61が車体フレーム51aに支持されて取
り付けられている。この旋回台61は、旋回モータによ
り駆動される旋回機構(図示せず)を内部に有してお
り、車体51上に旋回自在に配設されている。なお、旋
回台61内にはその上に取り付けられたブーム等の作動
用の油圧を供給するためのスイベルジョイントが配設さ
れている。この場合、車体フレーム51a内にはこれら
旋回機構、スイベルジョイント等を配設するための十分
なスペースがあり、旋回台61の配設が容易である。
【0031】旋回台61はやや斜めになって上方に突出
する旋回フレーム61aを一体に有し、この旋回フレー
ム61aの上部にブーム70が取り付けられている。こ
のブーム70は、旋回フレーム61aにピン61bによ
り起伏自在に枢支されたアウタ起伏ブーム(以下、アウ
タブームと称する)71と、入れ子式に(テレスコピッ
クに)複数のブーム部材73a〜73c(図7参照)が
組み合わされて伸縮自在に構成され、全体としてアウタ
ブーム71内に長手方向にスライド自在に挿入されたイ
ンナ伸縮ブーム(以下、インナブームと称する)73と
から構成されている。なお、旋回フレーム61aとアウ
タブーム71との間に起伏シリンダ72が配設されてお
り、この起伏シリンダ72の伸縮によりアウタブーム7
1が起伏作動される。また、インナブーム73に図示し
ない伸縮シリンダが内蔵されており、この伸縮シリンダ
の伸縮によりインナブーム73が伸縮作動される。
【0032】さらに、アウタブーム71の先端上面とイ
ンナブーム73における基端ブーム部材73aの先端上
面間にスライドシリンダ74が配設されており、このス
ライドシリンダ74の伸縮により、インナブーム73が
アウタブーム71に対して長手方向にスライドされる。
具体的には、インナブーム73は、図5〜図8に示すよ
うに基端ブーム部材73aのほぼ中央部から基端部にか
けての部分がアウタブーム71の基端部から突出する位
置(以下、格納位置という)と、図9に示すように基端
ブーム部材73aの基端部のみがアウタブーム71の基
端部から突出する位置(以下、使用位置という)との間
でアウタブーム71に対してスライドされる。
【0033】このように構成されたブーム70(インナ
ブーム73)の先端70aには垂直ポスト64が枢支さ
れ、この垂直ポスト64は図示しないレベリング機構に
よりブーム70の起伏に拘らず常に垂直保持されるよう
になっている。垂直ポスト64にはこれに対して水平旋
回自在にアーム65が取り付けられ、このアーム65の
先端に作業台66が取り付けられている。この作業台6
6は水平旋回機構66aを介してアーム65の先端に取
り付けられており、アーム65に対して水平旋回自在で
ある。なお、アーム65をその基端部分において起伏自
在に構成しても良く、このようにすれば、アーム65の
起伏により、作業台66を垂直ポスト64に対して上下
動させることができる。
【0034】また、垂直ポスト64の上端にはウインチ
機構67が取り付けられている。作業台66には、高所
作業時におけるブーム70の作動制御、アーム65の旋
回制御および作業台66の旋回制御等を行う上部操作装
置68が設けられている。さらに、これと同様の作動制
御を行う下部操作装置69が旋回台61に設けられてい
る。
【0035】図5〜図8は、このような構成の高所作業
車において、ブーム70および作業台66を格納位置に
格納した状態を示している。図から分かるように、格納
状態では、ブーム70は、インナブーム73をアウタブ
ーム71に対して格納位置にスライドさせ、且つその先
端部を右後方に向かって延ばした状態で車体51の上に
倒伏されており、その先端部はエンジン54のやや上に
位置する。また、作業台66は、アーム65および作業
台66自体を旋回させて、ブーム70(アウタブーム7
1)の左側面に沿って位置しており、この状態で、車体
51の左側部の上方に保持される。但し、この保持状態
においては、図7からよく分かるように、作業台66の
上端が運転キャビン55の上端よりも下に位置する。
【0036】このように格納すると、従来のように作業
台66が運転キャビン55の上方に位置することがない
ため、高所作業車の全高を低くすることができる。これ
により、走行時における走行高さ制限の問題が生じるこ
とが少なく、且つ走行安定性が向上する。なお、旋回台
61は車体フレーム51の上に直接取り付けられるた
め、旋回台61を支持する構造が簡単であり、且つ、図
7からよく分かるように、エンジン54の上側に旋回台
を配設する構成に比較しても、格納状態での全高が低く
なる。また、旋回台61は車体51の中央に配設されて
いるが、インナブーム73をアウタブーム71に対して
格納位置にスライドさせることにより、縮小時でも車体
51とほぼ同じ長さを有する長いインナブーム73を、
車体51の前端から後端の範囲内に納まるように格納す
ることができる。
【0037】このように格納した状態でエンジン54に
より車輪52,53が駆動されてこの高所作業車が走行
される。このとき、作業者(運転者)が運転キャビン5
5に乗り込み、この車両の運転を行う。なお、実施例1
と同様に、2輪駆動によって走行させてもよいし、4輪
駆動によって走行させてもよい。また、2輪操舵によっ
て走行させてもよいし4輪操舵によって走行させてもよ
い。
【0038】この高所作業車では、運転キャビン55を
車体51の前端に配設しているため、運転キャビン55
内からの前方視界が良好である。また、エンジン54を
車体51の後端に配設して、エンジン54と運転キャビ
ン55とを十分離しているため、エンジン54から発生
する振動、騒音、熱が運転キャビン55に本来的に伝わ
りにくい。このため、これら振動等を運転キャビン55
に伝わりにくくするための特別の対策は不要である。
【0039】そして、作業現場に到着すると、まず、ア
ウトリガ57を伸長させて車体51を支持する。次い
で、作業者が作業台66に搭乗し、上部操作装置68を
操作して、旋回台61の旋回作動、ブーム70の起伏お
よび伸縮作動、アーム65の旋回作動、作業台66の旋
回作動等を制御し、作業台66とともに作業者を所定高
所に移動させ、高所作業を行う。この際、ブーム70
は、インナブーム73をアウタブーム71に対して使用
位置にスライドさせて使用される。これにより、インナ
ブーム73の伸長性能を十分活用することができ、広い
作業半径を確保することができる。
【0040】なお、この高所作業車では、旋回台61を
車幅方向中央且つ前輪52および後輪53の間の前後方
向中央に位置させているため、図7に示すように、旋回
台61を中心としてほぼ等距離の位置に車輪52,53
およびアウトリガ57が位置する。さらに、ブーム70
を車体の前方に延ばすときには車体51の後部重量が十
分なカウンタウエイトとして作用し、ブーム70を車体
51の後方に延ばすときには車体51の前部重量が十分
なカウンタウエイトとして作用する。このため、ブーム
70を車体51の前方に延ばす場合と後方に延ばす場合
とで作業半径にほとんど差が生じず、高所作業車として
は使い勝手が良い。また、車体51に特別のカウンタウ
エイトを取り付ける必要もない。しかも、上述のように
いわゆるホイールベースの中央に旋回台61が配設され
ているため、車体51の安定性確保のためにホイールベ
ース自体を大きくしたりアウトリガ57の前後間隔を大
きくしたりする必要がない。ホイールベースを最小限に
抑えることにより、車両をコンパクトにすることがで
き、狭い通路内への進入も容易になる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ブームが車体上に倒伏されるとともに作業台がブームの
側面に沿う位置まで旋回され、ブームが車体の前部にお
けるキャビン配設側と反対側の空間を通って前後に延
び、且つブームおよび作業台が平面視においてキャビン
と重ならず、並列に車体上に格納されるように構成され
ており、且つ、駆動車輪を駆動するエンジンが車体の後
部に配設され、旋回台がエンジンより前方で且つ車体前
後方向における前輪および後輪の間に位置して配設され
ているので、格納時の全高を低くすることができ、走行
安定性が高い。同時に、キャビンが車体の前部の左右い
ずれか一方の側に配設され、ブームが車体の前部におけ
るキャビン配設側と反対側の空間を通って前後に延び且
つブームおよび作業台が平面視においてキャビンと重な
らずに並列に車体上に格納されるので、長さの長いブー
ムがキャビンと干渉することなく車体上にコンパクトに
格納される。また、キャビンとエンジンとを車体前後方
向に大きく離すことができ、エンジンから発生される振
動・騒音や熱がキャビンに伝わりにくくなる。さらに、
エンジンの前側に旋回台が配設されるため、車体フレー
ム上に旋回台を配設することが可能であり、旋回台支持
のための特別な支持フレームは不要となり、全体構成が
簡単で且つ製造コストが低くなる。また、旋回台位置も
エンジンの上側に配設する場合に比べて低くなり、且つ
旋回台の下側に旋回機構、スイベルジョイント等を配設
するための十分なスペースを確保することができる。
【0042】また、旋回台を車体前後方向における前輪
および後輪の間に位置させているため、ブームを車体前
方に延ばして作業するときにも、車体後方に延ばして作
業するときにも、前後輪により車体を安定支持させるこ
とができ、アウトリガを用いることなく、前後輪のみの
支持によりある程度の高所作業性能を得ることが可能で
ある。
【0043】なお、旋回台を、車幅方向ほぼ中央で且つ
前後輪間における前後方向ほぼ中央に配設してもよい。
これにより、旋回台を中心にしてほぼ等距離の位置に前
後輪や車体の前後左右に取り付けられるジャッキを位置
させることができるため、作業範囲(車体の安定を損な
わずにブームを作動させることができる範囲)に偏りが
なくなり、使い勝手が良くなる。また、このようにホイ
ールベースの中央に旋回台が配設されているため、車体
の安定性確保のためにホイールベース自体を大きくした
りジャッキの前後間隔を大きくしたりする必要がなく、
車体をコンパクトにすることができる。しかも、ブーム
を車体の前方に延ばすときには車体の後部がカウンタウ
エイトとして作用し、ブームを車体の後方に延ばすとき
には車体の前部がカウンタウエイトとして作用するた
め、車体に特別のカウンタウエイトを取り付ける必要性
が少ない。
【0044】そして、このように旋回台を車体の中央近
傍に位置させた場合に、ブームを、起伏ブーム部材とこ
の起伏ブーム部材に長手方向にスライド自在に取り付け
られた伸縮ブーム部材とから構成すれば、伸縮ブーム部
材の縮小時長さを車体の長さと同等に長くして十分な作
業半径を確保できるとともに、この長い伸縮ブーム部材
を、その中間部から基端部までの部分が起伏ブーム部材
の基端部から突出する位置にスライドさせて、車体の前
後範囲内に納めて格納することができる。
【0045】また、ブームの先端が車体後方に延びるよ
うにしてブームを車体上に倒伏させて格納するのが好ま
しい。このように格納すると、ブーム先端に取り付けら
れた作業台は車体後部に位置して格納されるので、作業
台に対して車体前部に配設された運転キャビンが邪魔に
なることがない。
【0046】さらに、車体の前部に配設したキャビンを
車体に対して前後にスライド自在にすれば、走行時には
旋回台に近接してコンパクトに格納されていたキャビン
も、高所作業時には旋回台の旋回移動範囲から外れるこ
とができる。このため、旋回作動する旋回台やブーム基
端部とキャビンとの干渉を確実に防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高所作業車(第1実施例)を斜め
前方から見た斜視図である。
【図2】上記第1実施例の高所作業車を斜め後方から見
た斜視図である。
【図3】上記第1実施例の高所作業車の側面図である。
【図4】上記第1実施例の高所作業車の平面図である。
【図5】本発明に係る高所作業車(第2実施例)を斜め
前方から見た斜視図である。
【図6】上記第2実施例の高所作業車を斜め後方から見
た斜視図である。
【図7】上記第2実施例の高所作業車の側面図である。
【図8】上記第2実施例の高所作業車の平面図である。
【図9】上記第2実施例の高所作業車の側面図である。
【符号の説明】
1,51 車体 2,3,53,53 車輪 4,54 エンジン 5,55 運転キャビン 7,57 アウトリガ 11,61 旋回台 12,70 ブーム 71 アウタ起伏ブーム 73 インナ伸縮ブーム 16,66 作業台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 宏 埼玉県上尾市大字領家字山下1152番地の 10 株式会社アイチコーポレーション 上尾工場内 (72)発明者 田口 茂 埼玉県上尾市大字領家字山下1152番地の 10 株式会社アイチコーポレーション 上尾工場内 (72)発明者 天野 潤 埼玉県上尾市大字領家字山下1152番地の 10 株式会社アイチコーポレーション 上尾工場内 (72)発明者 中林 修治 埼玉県上尾市大字領家字山下1152番地の 10 株式会社アイチコーポレーション 上尾工場内 (72)発明者 宮木 律 埼玉県上尾市大字領家字山下1152番地の 10 株式会社アイチコーポレーション 上尾工場内 (56)参考文献 特開 平6−171895(JP,A) 実開 平4−34294(JP,U)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動車輪を有して自走可能な車体と、こ
    の車体の前部の左右いずれか一方の側に配設された運転
    者用のキャビンと、前記車体に配設された旋回可能な旋
    回台と、この旋回台に起伏自在に枢支されたブームと、
    このブームの先端に水平面内で旋回自在に取り付けられ
    た作業台とからなる高所作業車において、 前記ブームが前記車体上に倒伏されるとともに前記作業
    台が前記ブームの側面に沿う位置まで旋回され、前記ブ
    ームが前記車体の前部における前記キャビンが配設され
    た側と反対側の空間を通って前後に延び、且つ前記ブー
    ムおよび前記作業台が平面視において前記キャビンと重
    ならずに前記車体上に格納されるように構成され、 前記駆動車輪を駆動するエンジンが前記車体の後部に配
    設され、 前記旋回台が、前記エンジンより前方で且つ車体前後方
    向における前輪および後輪の間に位置して配設されてい
    ることを特徴とする高所作業車。
  2. 【請求項2】 前記旋回台が、前記車体の幅方向ほぼ中
    央且つ前記前輪および後輪の間における前後方向ほぼ中
    央に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の
    高所作業車。
  3. 【請求項3】 前記ブームが、前記旋回台に起伏自在に
    枢支された起伏ブーム部材と、入れ子式に伸縮自在に構
    成され且つ前記起伏ブームに長手方向にスライド自在に
    取り付けられた伸縮ブーム部材とからなり、 前記伸縮ブーム部材をこの伸縮ブーム部材における長手
    方向中間部から基端部にかけての部分が前記起伏ブーム
    部材の基端部から突出する位置に前記起伏ブーム部材に
    対してスライドさせた状態で、前記ブームを前記車体上
    に格納することを特徴とする請求項1〜2のいずれかに
    記載の高所作業車。
  4. 【請求項4】 前記ブームの先端が車体後方に延びるよ
    うにして前記ブームが前記車体上に倒伏されて格納され
    ることを特徴とする請求項3に記載の高所作業車。
  5. 【請求項5】 前記キャビンを前記車体に対して前後方
    向にスライド自在としたことを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の高所作業車。
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