JP3593240B2 - 作業台のレベリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、起伏自在なブームの先端部に配設された作業台を、ブームの起伏角度の如何に拘らず常時所望の角度で維持させるための作業台のレベリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車体上に起伏、伸縮、旋回自在なブームを設け、このブームの先端に作業者が搭乗可能な作業台を有した高所作業車においては、ブームの起伏・伸縮・旋回作動を行うことにより作業台を所望の高所に移動させて高所作業を行う。このような高所作業車としては、実開平6−32488号公報に開示されているものがある。
【0003】
この高所作業車は、いわゆる重荷重用の大型の作業台を有した高所作業車であり、ブームの先端部に揺動自在な作業台支持ブラケット(回動ブラケット)と、ブームに対して作業台支持ブラケットの揺動作動を行わせるレベリングシリンダとを有して構成され、作業台支持ブラケットには大型の作業台が取り付けられている。
【0004】
このような高所作業車においては、ブームの起伏角度の如何に拘らず作業台を常時水平に維持するためのレベリング装置が設けられている。そして、実開平6−32488号公報における図1に開示されているレベリング装置においては、レベリングシリンダがブーム先端部材(枠体)の延出端部と作業台支持ブラケットとの間に配設されている。ブーム先端部材はブームの先端部に取り付けられ、ブーム先端部材の延出端部はブームの外側を通ってブームの基端側に延びている。そして、レベリングシリンダはこのブームの幅方向外側において、作業台支持ブラケットと延出端部とを繋いで枢支されている。
【0005】
同じく実開平6−32488号公報における図2に開示されているレベリング装置においては、レベリングシリンダがブームの先端部の中空部の内奥部に配設されている。そして、両レベリング装置ともに、ブームの起伏角度に応じたレベリングシリンダの伸縮作動を行うことにより、作業台を常時水平に維持する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の図1に開示されているように構成されたレベリング装置においては、レベリングシリンダがブームの外側に位置しているためブーム先端部が大型化するという問題があった。
【0007】
また、前記の図2に開示されているように構成されたレベリング装置においては、レベリングシリンダとブーム内に配設された伸縮シリンダとが干渉しないように、ブームの断面形状を大きくしたり、ブーム最縮長を長くしたりする必要があり、いずれの場合にもブームが必要以上に重くなったり大型化したりするという問題があった。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、作業台の枢支部であるブーム先端部をコンパクトに形成することができる作業台のレベリング装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の作業台のレベリング装置は、基台に対して起伏自在に配設され、先端部にブームヘッドを有したブームと、側面視における形状が略垂直に延びた垂直部およびこの垂直部の上部から一体に繋がって水平に延びた作業台支持部からなる逆L字状であり、正面視における形状が逆U字状であり、垂直部の下端部においてブームヘッドの下部に枢支されてブームの起伏方向と同一方向に揺動自在な作業台支持ブラケットと、ブームヘッドと垂直部の上部とを繋いで上下方向に伸びて配設され、ブームの起伏角度に応じた伸縮作動を行ってブームの起伏角度の如何に拘らず作業台支持ブラケットを作業台支持部が略水平となる所定角度で維持するレベリングシリンダと、作業台支持部の上面に水平旋回自在に取り付けられた作業台とから構成される。
【0010】
本発明のレベリング装置においてはさらに、ブームヘッドは正面視における形状が上方に開口して形成され、ブームヘッドが作業台支持ブラケットの正面視逆U字状の空間内に位置して、正面視において垂直部がブームヘッドを両側から覆うように幅方向外側に位置して形成され、レベリングシリンダが、ブームヘッドの内部に位置してブームヘッドの上方への開口を通って上方に延びるとともに上端が垂直部の上部に枢結され、ブームヘッドおよび作業台支持ブラケットの幅方向の中心を通るように配設されている。
【0011】
このように構成された作業台のレベリング装置は、ブームの起伏作動を行うとレベリングシリンダが伸縮するため、作業台を常時水平に維持させることができる。そして、レベリングシリンダは、ブームおよび作業台支持ブラケットの内側で上下方向に伸びて配設されているため、ブーム先端部の外にレベリングシリンダが露出せず、ブーム先端部をコンパクトに形成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図を参照して説明する。図1には、本発明に係る作業台のレベリング装置を備えた高所作業車1の構成を示している。高所作業車1は、走行自在な車体(基台)11上に、車体11に対して旋回自在な旋回台12を有しており、この旋回台12には、基端ブーム13a、中間ブーム13bおよび、先端ブーム13cから入れ子式に伸縮自在に構成されたブーム13が起伏自在に取り付けられている。このブーム13は、旋回台12と基端ブーム13aとの間に配設された起伏シリンダ16により起伏作動し、ブーム13に内蔵された伸縮シリンダ17により伸縮作動するようになっている。
【0013】
先端ブーム13cの先端には、下方に伸びてブームヘッド13dが形成され、このブームヘッド13dの先端部の下方には作業台支持ブラケット14が、ブーム13の起伏方向と同一方向に揺動自在に枢支されている。図2に示すように、ブームヘッド13dは正面視における形状が上方が開口したU字状に形成され、その内側空間内に詳細を後述するレベリングシリンダ18を配設することができるようになっている。
【0014】
また、作業台支持ブラケット14は、垂直部14aと作業台支持部14bとからなり、作業台支持部14bは垂直部14aの上端からブーム13の基端部方向(後方)に伸び、側面視における形状が逆L字状に形成されている。また、作業台支持ブラケット14の正面視における形状はブームヘッド13dの両側を覆うように(幅方向外側に位置するように)逆U字状に形成されている。そして、作業台支持ブラケット14とブームヘッド13dとは、垂直部14aの下端部において回転支持ピン19によって枢支されている。
【0015】
作業台支持部14b上には、作業台15に取り付けられて作業台支持部14bに対して水平旋回自在な旋回レース(平歯車あるいはウォームホイール等)20が配設されている。作業台支持部14bの内部には、旋回モータ21が配設されており、この旋回モータ21に設けられて作業台支持部14bの上方に突出したギア21aが旋回レース21と噛合する。
【0016】
作業台15は、平面視における形状が長方形に形成されており、旋回レース20は、作業台15の前後方向における中心位置に対して変位して取り付けられている。そして、図1に実線で示す格納状態において、作業台15は、作業台15の前方でブームヘッド13dに支持されている。
【0017】
このように構成された高所作業車1においては、旋回モータ21の回転駆動を行うことにより、ブーム13に対して作業台15を水平旋回させることができる。従って、図1において実線で示すように、作業台15がブームヘッド13dに対して後方に伸びる状態から、鎖線で示すように、作業台15がブームヘッド13dに対して前方に伸びる状態まで水平旋回可能となる。
【0018】
なお、作業台15は、格納状態において作業台15の前端部が作業台支持ブラケット14の前端部とほぼ同一位置となる(作業台15の前端部が作業台支持ブラケット14の前端部から突出しない)位置に、作業台支持ブラケット14の作業台支持部14bに支持されている。
【0019】
そして、高所作業車1においては、図1において実線で示す格納状態から、鎖線で示すようにブーム13の起仰作動を行った場合でも、レベリング装置によって作業台15が常時水平に維持される。レベリング装置は、前記の作業台ブラケット14とブームヘッド13dとを繋いで配設されたレベリングシリンダ18を有して構成されている。
【0020】
レベリングシリンダ18は、ボトム側端部がボトム側枢支ピン18aによってブームヘッド13dの幅方向内側に揺動自在に枢支されている。なお、ブームヘッド13dにおけるレベリングシリンダ18のボトム側端部の枢支位置は、作業台支持ブラケット14の枢支位置よりも後方である。
【0021】
また、レベリングシリンダ18のロッド側端部は、ロッド側枢支ピン18bによって作業台支持ブラケット14の幅方向内側に枢支されている。なお、作業台支持ブラケット14におけるレベリングシリンダ18のロッド側端部の枢支位置は、垂直部14aの上部であって作業台支持部14bの前方である。
【0022】
すなわち、ブーム13を最も倒伏させた状態である格納状態において、ボトム側枢支ピン18aによって枢支されたボトム側端部よりも、ロッド側枢支ピン18bによるロッド側端部の枢支位置の方が前方に位置する(レベリングシリンダ18が前方に倒伏した状態となる)ように枢支されている。
【0023】
このように配設されたレベリングシリンダ18は、ブーム13の起伏角度に応じて伸縮作動がなされる。すなわち、ブーム13の起仰角度が大きくなるにつれてレベリングシリンダ18の伸長作動を行うことにより、作業台15を常時水平に維持させることができる。なお、このレベリングシリンダ18の伸縮作動制御は、レベリングシリンダ作動制御装置(図示せず)によってなされる。
【0024】
レベリングシリンダ作動制御装置は、種々の構成が考えられるが、例えば、ポテンショメータ等によってブーム13の起伏角度の検出を行い、検出された起伏角度に基づいてレベリングシリンダ18への作動油の給排制御を行うようにしてもよい。
【0025】
また、レベリングシリンダ18と同等の油室を有する油圧シリンダを、起伏シリンダとは別に旋回台12とブームとの間に配設し、レベリングシリンダ18のボトム側油室と油圧シリンダのロッド側油室とを繋ぐとともに、レベリングシリンダ18のロッド側油室と油圧シリンダのボトム側油室とを繋ぐようにしてもよい。
【0026】
このように構成された高所作業車1においては、レベリングシリンダ18は、前方に倒伏するように配設されているため、後方に倒伏するように配設した場合に比べて伸縮ストロークを短くすることができる。このため、レベリング装置をコンパクトに形成することができる。
【0027】
なお、上記の高所作業車1においては、幅方向内側にレベリングシリンダ18が配設されたブームヘッド13dの幅方向外側に作業台支持ブラケット14の垂直部14aが配設された構成について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、ブームヘッド13dの幅方向内側に作業台支持ブラケット14の垂直部14aを配設した構成(図2の上下を逆にしたような構成)としてもよい。
【0028】
なお、上記の高所作業車1においては、レベリングシリンダ18が、チューブ側端部とロッド側端部とにおいて取り付けを行う両端取り付けタイプである場合について説明したが、本発明はこのようなタイプのレベリングシリンダに限られるものではない。例えば、図3および図4に示すように、レベリングシリンダ18′のロッド側端部においてロッド側枢支ピン18b′によって作業台支持ブラケット14に枢支し、レベリングシリンダ18′のチューブにおけるほぼ中央部においてチューブ側枢支ピン18a′によってブームヘッド13dに枢支するように構成した、いわゆるトラニオンタイプのレベリングシリンダ18′を用いてもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、本発明の作業台のレベリング装置は、レベリングシリンダをブームおよび作業台支持ブラケットの幅方向内側において上下方向に伸びるように配設し、ブームの起伏角度に応じた伸縮作動によって作業台支持ブラケットを所定角度で維持する。これにより、レベリングシリンダはブームの幅方向の中心を通るようにしてブーム内に配設されるため、ブーム先端部および作業台支持ブラケットの幅方向の寸法を小さくすることができ、レベリング装置を小型化することができるとともに軽量化することができる。
【0030】
また、レベリングシリンダがブーム内ではなくブームの先端部に上下方向に伸びて配設されているため、レベリングシリンダへの送油(レベリングシリンダへ繋がる送油ホースの取り回し)を容易に行うことができ、レベリングシリンダの保守点検を容易に行うことができるとともに、ブーム内に伸縮シリンダ等が配設されている場合であっても、レベリングシリンダと伸縮シリンダとの干渉を防止することができるため、ブーム全体を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る作業台のレベリング装置を備えた高所作業車の側面図である。
【図2】上記作業台のレベリング装置の図1におけるII矢視図である。
【図3】本発明に係る作業台のレベリング装置の異なる構成を示す側面図である。
【図4】上記作業台のレベリング装置の図3におけるIV矢視図である。
【符号の説明】
1 高所作業車
11 車体
12 旋回台
13 ブーム
14 作業台支持ブラケット
15 作業台
18,18′ レベリングシリンダ
Claims (1)
- 基台に対して起伏自在に配設され、先端部にブームヘッドを有したブームと、
側面視における形状が略垂直に延びた垂直部および前記垂直部の上部から一体に繋がって水平に延びた作業台支持部からなる逆L字状であり、正面視における形状が逆U字状であり、前記垂直部の下端部において前記ブームヘッドの下部に枢支されて前記ブームの起伏方向と同一方向に揺動自在な作業台支持ブラケットと、
前記ブームヘッドと前記垂直部の上部とを繋いで上下方向に伸びて配設され、前記ブームの起伏角度に応じた伸縮作動を行って前記ブームの起伏角度の如何に拘らず前記作業台支持ブラケットを前記作業台支持部が略水平となる所定角度で維持するレベリングシリンダと、
前記作業台支持部の上面に水平旋回自在に取り付けられた作業台とからなり、
前記ブームヘッドは正面視における形状が上方に開口して形成され、
前記ブームヘッドが前記作業台支持ブラケットの正面視逆U字状の空間内に位置して、正面視において前記垂直部が前記ブームヘッドを両側から覆うように幅方向外側に位置して形成され、
前記レベリングシリンダが、前記ブームヘッドの内部に位置して前記ブームヘッドの上方への開口を通って上方に延びるとともに上端が前記垂直部の上部に枢結され、前記ブームヘッドおよび前記作業台支持ブラケットの幅方向の中心を通るように配設されていることを特徴とする作業台のレベリング装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP12547397A JP3593240B2 (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | 作業台のレベリング装置 |
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JPH10310384A JPH10310384A (ja) | 1998-11-24 |
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ID=14910967
Family Applications (1)
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JP12547397A Expired - Fee Related JP3593240B2 (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | 作業台のレベリング装置 |
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JP (1) | JP3593240B2 (ja) |
-
1997
- 1997-05-15 JP JP12547397A patent/JP3593240B2/ja not_active Expired - Fee Related
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