JP3921405B2 - 高所作業車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高所作業車に関し、更に詳細には、車両の前部に配設された運転キャビンと、車両の後部に配設されて上方へ突出する基台と、基台の上部に起伏動自在に枢結された平行リンク機構と、平行リンク機構の先端部に取り付けられた先端ブラケットと、平行リンク機構の側方に並設されるとともに先端ブラケットに上下に屈伸動自在に枢結されたブームと、ブームの先端部に上下に揺動自在に取り付けられた作業台とを有してなり、特に、平行リンク機構は、車両の後方側から前方側に延びて倒伏するとともに、平行リンク機構の先端部が運転キャビンの上方に位置して車両上に格納され、ブームは車両の前方側から後方側に延びて倒伏した状態で車両上に格納されるように構成された高所作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような高所作業車はトラック等の車体をベースに構成されることが多く、平行リンク機構及びブームが車両に格納された状態において、平行リンク機構及びブームの全体が運転キャビンよりも車両後方側に配置されるものがある。このような高所作業車としては、平行リンク機構を前側に水平状態で延ばして倒伏させるとともに、ブームを後側に水平状態で延ばして倒伏させると、作業台の上下位置が高くなって車両が不安定になり易い。このため、従来、図4(a)に示すように、平行リンク機構91を前側に傾斜させた状態で延ばして倒伏させるとともに、ブーム40を後側に傾斜した状態で延ばして倒伏させて平行リンク機構91及びブーム40(以下、これらをまとめ「作業装置93」と記す。)を車両に格納して、作業台50の上下位置を低い位置にするような高所作業車90が提供されている。
【0003】
しかしながら、このような高所作業車90は、作業台50の揚程を高い位置に設定している場合には、平行リンク機構91やブーム40の長さを短くすれば、作業台50を所望の高所位置に移動させることができなくなり、平行リンク機構91及びブーム40の長さを短くするには限界がある。また、このような作業装置93を運転キャビン5よりも車両後方側に格納すると、車両の前後方向の全長が長くなり車両の小回りが効かなくなる。更に、運転キャビン5の後端と旋回台11の前端部との間には大きな空間部92が形成されるが、作業装置93が車両に格納された状態になると、作業装置93がこの空間部92に移動するので、空間部92に容量の大きな工具箱等を設置することは困難である。そこで、図4(b)に示すように、作業装置93の先端部を運転キャビン5の上方に位置させて作業装置93を車両に格納して、車両の全長が短く、且つ容量の大きな工具箱等が設置可能な積載スペースを確保できるような高所作業車95が提案された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4(b)に示す高所作業車95では、平行リンク機構91の先端部に取り付けられた先端ブラケット94の上端部は平行リンク機構91の上方位置に突出し、この先端ブラケット94の上端部にブーム40の基部が枢結されている。このため、作業装置93が車両に格納されている状態において、車両の全高Hは高くなる。
【0005】
また、作業台50が、図5(a)に示すように、ブーム40の先端部に対して首振り動可能に取り付けられ、且つ作業台ブラケット51が車両後方側に延びた状態で作業台50が格納される場合、旋回台50の車両後端部と作業台50の後端部との間の寸法Aが大きくなり、その結果として車両前後方向の全長Lが長くなる。そこで、図5(b)及び図5(c)に示すように、作業台ブラケット51が車両の左右方向に向いた状態で作業台50が格納されるように構成された高所作業車が提案された。
【0006】
しかしながら、図5(b)に示す高所作業車では、旋回台11の旋回中心位置が車両の前後方向に延びる車両中心軸線Jから車両左右方向にずれた位置になり、車両の片側の安定度が悪くなり、車両左右方向の作業範囲が異なり、車両転角も小さくなる。また、図5(c)に示す高所作業車では、作業台50への昇降経路が矢印のように車両の右側になり、即ち、道路の中心側になり、作業者の昇降動作における安全性が低下する。また、図5(c)に示す作業台50を車両の右側に配置した場合(図示せず)には、図示しない作業者がブーム50の先端部を乗り越えて作業台50に乗り込む動作が必要となり、昇降性が悪くなるという問題が生じる。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、平行リンク機構とブームを有する作業装置が車両の前後方向に延びた状態で格納される高所作業車において、車両の前後方向の全長が短く、作業装置が格納された状態での車両の全高が低く、且つ運転キャビンと旋回台との間に大きな積載スペースが確保でき、作業台への昇降性がよいように構成された高所作業車を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明に係わる高所作業車は、車両(例えば、実施形態における車体3)の前部に配設された運転キャビンと、車両における運転キャビン後方に所定の離間寸法を有した位置に配設されて車両前後に延びる車両中心軸線上に旋回中心を有して旋回可能であり、運転キャビンの天板の高さより高くなる位置まで突出する突出部を有した基台(例えば、実施形態における旋回台11)と、突出部に起伏動自在に枢結された平行リンク機構と、平行リンク機構の先端部に取り付けられた先端ブラケットと、平行リンク機構の側方に並設されるとともに先端ブラケットに上下に屈伸動自在に枢結されたブームと、ブームの先端部に上下に揺動自在に取り付けられて常に水平に保持されるとともにブームの先端に対して水平旋回動可能に取り付けられた作業台とを有してなり、平行リンク機構およびブームは基台の旋回中心を挟んで対向するように構成され、平行リンク機構が基台の突出部から前方に水平方向に延びて倒伏するとともに、平行リンク機構の先端部が運転キャビンの上方に位置して車両上に格納され、ブームは車両の前方側から後方側に延びるとともに平行リンク機構の側方に沿って延びて倒伏した状態で車両上に格納されるように構成される。
【0009】
その上で、このように格納された状態において、先端ブラケットとブームとの枢結位置は、側面視における平行リンク機構の先端部の上下方向幅内に位置し、ブームの先端部が基台よりも車両後方側へ突出し、且つ作業台はブームの先端部に対して水平旋回されてブームの側方に沿って位置するとともに作業台の後部側がブーム先端部への取付位置より後方に突出するように構成され、車両の後端部における格納状態の作業台の後部側の側方且つ基台の後方側に位置して、地上から作業台の後部側の側方を通って作業台に乗り込むための階段状のステップからなる作業台昇降領域が設けられている。
【0010】
上記構成の高所作業車によれば、先端ブラケットとブームとの枢結位置が側面視における平行リンク機構の先端部の上下方向幅内に位置することで、平行リンク機構が車両の後方側から前方側に延びた状態で倒伏するとともに、平行リンク機構の先端部が運転キャビンの上方に位置して車両上に格納され、ブームが車両の前方側から後方側に延びた状態で倒伏して車両上に格納された場合、ブームが平行リンク機構に沿った状態で格納されていれば、平行リンク機構よりもブームが上方位置に突出することはない。このため、先端ブラケットへのブームの枢結位置が平行リンク機構の先端部の上下方向幅よりも上方の位置である場合と比較して、平行リンク機構及びブームが格納された高所作業車の全高を低くすることができる。また、平行リンク機構及びブームが車両に格納された場合、平行リンク機構の先端部は運転キャビンの上方に位置して車両上に格納されるので、ブームが平行リンク機構に沿った状態で格納されれば、車両、運転キャビン、基台及び平行リンク機構により囲まれる領域を積載スペースとして利用することができ、また平行リンク機構及びブームが運転キャビンよりも車両後方側の車両に格納される場合と比較して、車両の全長を短くすることができる。
【0011】
さらに、格納状態において、ブームの先端部が基台よりも車両後方側へ突出し、且つ作業台はブームの側方に沿って位置するとともに作業台の後部側がブーム先端部への取付位置より後方に突出するように構成され、車両の後端部における格納状態の作業台の後部側の側方且つ基台の後方側に位置して、地上から作業台の後部側の側方を通って作業台に乗り込むための階段状のステップからなる作業台昇降領域が設けられているので、作業者は作業台昇降(乗降)領域のステップを利用し、格納状態の作業台の後部側の側方を通って作業台に簡単に乗り込むことが可能である。
【0012】
また、上記構成の高所作業車において、運転キャビンよりも車両後方側であって格納状態にあるブームを中央にして格納状態にある作業台と反対側の車両上に配設され、前後方向に延びて後端部に開口する開口部を開閉可能にする扉(例えば、実施形態における後扉63)を有した工具箱(例えば、実施形態における長尺物工具箱60)を有し、扉には、扉により開口部が閉じられた状態にあるときに、車両後方側へ突出して階段状のステップの一部を構成するステップ部材が設けられている。
【0013】
上記構成の高所作業車によれば、格納状態にあるブームを中央にして格納状態にある作業台と反対側の車両上に工具箱を設置し、工具箱の後端部に扉を設けることで、車両の後方から長尺物の出し入れを行なうことができる。またこの扉に昇降用のステップを設けることで、このステップを利用すれば、車両の後方側から作業台への昇降を行なうことができる。
【0014】
また、上記構成の高所作業車において、ブームは基台と工具箱の間に配設され、基台の他方側の側面に工具箱の上面よりも上方位置に格納状態にあるブームの先端部を支持するブーム受けを設けてもよい。
【0015】
上記構成の高所作業車によれば、基台の他方側の側面であって工具箱の上面よりも上方位置にブーム受けを設けることで、基台が旋回動可能に構成されている場合、ブームが車両に格納された状態で基台が旋回動作しても、ブームが工具箱に当接することはない。このため、工具箱、ブームの損傷を未然に防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。本実施の形態は、平行リンク機構、ブーム及び作業台を有してなる作業装置を備え、作業台を高所位置に移動させる高揚程用の高所作業車の態様を示す。なお、図1及び図2は平行リンク機構、ブーム及び作業台が車両に格納された状態を示している。高所作業車1は、図1に示すように、トラック車両をベースとして構成され、車体3の前後左右の両側部に車輪4を配設して走行可能であり、車体3の前部に運転キャビン5を有して構成されている。車体3の前後の左右両側部には車体3を持ち上げ支持するアウトリガ装置6が配設されている。運転キャビン5よりも車両後方側には車両の前後方向に延びた荷台7が車体3上に取り付けられている。
【0017】
荷台7の中央部には上方へ突出して車両後方側へ延びる段部9が設けられている。この段部9の前側上部に上方へ突出した旋回台11が旋回動自在に取り付けられている。この段部9に取り付けられた旋回台11は運転キャビン5よりも車両後方側に所定の離間寸法を有した位置に配設されている。旋回台11はその頂部が運転キャビン5の天板5aよりも上方位置まで延び、車体3に内蔵された図示しない旋回モータにより旋回駆動可能に構成されている。旋回台11は、図2を更に追加して説明すると、円板状のテーブル基板12と、テーブル基板12の中心位置から車両右側にずれた位置に上方へ突設された突出部13とを有して構成され、突出部13は左右方向に所定の間隙を有して配設された一対の側板13aと、一対の側板13aの底部間に接続された裏板13bとを有して構成されている。このため、一対の側板13a間の上部は車両前後方向において貫通した状態に形成されている。テーブル基板12の中心位置Oが旋回台11の旋回中心になるように配設され、この旋回中心位置は図2に示す高所作業車1の前後方向に延びる車両中心軸線J上に位置している。このため、突出部13は車両中心軸線Jよりも車両右側にずれた位置にある。
【0018】
一対の側板13a間の上部には、上下に並んで車両前側へ延びる第1リンク部材21及び第2リンク部材25の各基端部が車両前後方向に前後にずれて枢結されている。第1リンク部材21は断面が矩形状の棒状部材であり、第2リンク部材25は上方が開口して断面形状がU字状に形成された中空の棒状部材であり、これのリンク部材は一対の側板13a間の上部に対して上下に揺動自在である。第1リンク部材21及び第2リンク部材25は同一長さを有し、これらのリンク部材の先端部が先端ブラケット31に車両前後方向にずれた状態で枢結されて、第1リンク部材21及び第2リンク部材25は平行リンク機構を構成している。以下、第1リンク部材21及び第2リンク部材25を併せて「平行リンク機構20」と記す。
【0019】
第2リンク部材25の旋回台11側の上部には起伏シリンダ35が第2リンク部材25に沿って配設され、起伏シリンダ35のシリンダチューブ35aの後端部が一対の側板13a間に枢結され、起伏シリンダ35のロッド35bの先端部が第1リンク部材21の下面に枢結されている。このため、起伏シリンダ35が伸縮動すれば、第1リンク部材21が上下に揺動し、第2リンク部材25も先端ブラケット31を介して伝わる第1リンク部材21の上下動により第1リンク部材21とともに上下に揺動し、先端ブラケット31は同じ姿勢で上下に移動する。ここで、第2リンク部材25の中空の図示しない空間部は起伏シリンダ35を収容可能な大きさを有し、起伏シリンダ35が縮小動して起伏シリンダ35と第2リンク部材25とのなす角度が小さくなると、シリンダチューブ35aの一部が第2リンク部材25の空間部内に収容される。なお、平行リンク機構20を構成する第1リンク部材及21び第2リンク部材25の形状及び配置は前述に限ることはなく、第1リンク部材21の左右両側部の下方に一対の棒状の第2リンク部材(図示せず)を配置して平行リンク機構を構成してもよい。
【0020】
このような平行リンク機構20を構成する第1リンク部材21及び第2リンク部材25の先端部に取り付けられた先端ブラケット31は、起立状態で車両左右方向に所定の間隙を有して配置された三枚の板状部材31a、31b、31cを有している。真ん中の板状部材31bと車両右側の板状部材31aとの間に第1リンク部材21及び第2リンク部材25の各先端部が前後にずれた状態で枢結され、これらの枢結位置P1、P2の上下間であって車両前方側の先端ブラケット31には、車両左右方向に延びて3枚の板状部材31a、31b、31c間を挿通し、これら3枚の板状部材31a、31b、31cを一体として保持する固定ピン37が取り付けられている。平行リンク機構20が車両に格納された状態において、真ん中の板状部材31bは前後に延びる車両中心軸線Jに沿った位置に配置され、車両左側の板状部材31cは車両中心軸線Jよりも左側に配置される。
【0021】
真ん中の板状部材31bと車両左側の板状部材31cとの間にはブーム40の基部が枢結されて、ブーム40は平行リンク機構20を構成する第1リンク部材21及び第2リンク部材25の車両左側に沿うとともに、車両中心軸線Jよりも左側の位置を旋回台11側に延びた状態で上下に屈伸動可能である。真ん中の板状部材31bと車両左側の板状部材31cとの間の車両後方側の端部には、屈伸シリンダ43のシリンダチューブ43aの基部が枢結され、屈伸シリンダ43のロッド43bの先端部がブーム40の下面に枢結されている。このため、この屈伸シリンダ43が伸縮動すれば、ブーム40はブーム40と先端ブラケット31との枢結位置P3を揺動中心として上下に起伏動可能である。
【0022】
ブーム40は、基端ブーム40a及び先端ブーム40bを入れ子式に組み合わせて、内蔵された図示しない伸縮シリンダにより伸縮動可能に構成されている。ブーム40の上下寸法は平行リンク機構20を構成する第1リンク部材25及び第2リンク部材31の上下寸法よりも小さい。なお、ブーム40は2段ブームに限るものではなく、3段以上の多段ブームでもよい。
【0023】
このように構成された第1リンク部材21及び第2リンク部材25を有してなる平行リンク機構20は、車両の後方側から前方側に延びて倒伏して水平状態になるとともに、平行リンク機構20の先端部が運転キャビン5の上方に位置して車両上に格納され、ブーム40は全縮状態で車両の前方側から後方側に延びて斜め下方に倒伏した状態で車両上に格納される。ブーム40は車両に格納された状態では、ブーム40の先端部が旋回台11よりも車両後方側へ突出した状態になる。また、格納状態にあるブーム40は、運転キャビン5と旋回台11との間において第1リンク部材21及び第2リンク部材25の上下方向幅内に位置している。
【0024】
ここで、ブーム40の先端ブラケット31への枢結位置P3について説明する。この枢結位置P3は、平行リンク機構20を構成する第1リンク部材21の上面と第2リンク部材35の下面の上下寸法Wの位置内にあり、具体的には、固定ピン37よりも上方の先端ブラケット31の上端位置である。このため、平行リンク機構20が水平状態に延び、ブーム40が車両後方側へ斜めに傾斜した状態で平行リンク機構20及びブーム40が車両に格納されると、ブーム40の上面が平行リンク機構20の上面よりも上方へ突出することはなく、またブーム40の下面は前述したように運転キャビン5及び旋回台11との間において平行リンク機構20の下面よりも下方へ突出することもない。このため、平行リンク機構20及びブーム40(以下、これらをまとめて「平行リンク機構等」と記す。)をコンパクトに車両に格納することができるとともに、平行リンク機構等が格納状態にあるときの車両の高さ(以下、「全高H」と記す。)を低くすることができる。
【0025】
このように格納されるブーム40の先端部には垂直ポスト47が上下方向に揺動自在に取り付けられ、この垂直ポスト47は図示しないレベリングシリンダによりブーム40の起伏角度に拘わらず垂直状態に保持されている。垂直ポスト47の先端部には作業台50が作業台ブラケット51を介して水平面内で旋回動自在に取り付けられている。作業台ブラケット51は作業台50の一部であり、作業台50の前面50aの上部に水平方向に突出した状態で取り付けられ、作業台ブラケット51の内部に図示しない首振りモータが内蔵されている。作業台50は首振りモータの駆動により垂直ポスト47に対して旋回動可能に構成されている。作業台50は有底容器状であって平面視において矩形状であり、作業台50が格納された状態において、ブーム20の先端部に対する作業台ブラケット51の作業台50への取り付け位置は、平面視における作業台50の車両左右方向に延びる作業台中心軸線Sよりも前側に偏位した位置である。このため、作業台50が格納位置に移動すると、作業台50は旋回台11よりも車両後方側で且つ車両中心軸線Jよりも車両右側であるとともに、作業台50の前面50aが平行リンク機構20に沿う位置に移動する。
【0026】
ここで、ブーム40は車両後方側に下方へ傾斜した状態で格納されるので、ブーム40の先端部は格納状態にあるブーム40の基端部よりも低い位置に移動させることができる。このため、作業台50を低い位置で車両に格納することができる。また、平行リンク機構20は格納状態においてその先端部が運転キャビン5の上方に位置して車両上に格納され、ブーム40も後端部が運転キャビンの上方位置から車両後方側に延びた状態で車両上に格納され、且つ作業台50は作業台ブラケット51が車両左右方向に向いた状態で格納されるので、例えば、前述した図4(a)に示す平行リンク機構等91,40が車両に格納された状態で運転キャビン5よりも車両後方側に位置し、図5(a)に示す作業台ブラケット51が車両後方側へ向いた状態で作業台50が車両に格納される場合と比較して、本発明に係わる高所作業車1は車両の全長Lを短くすることができる。
【0027】
このように車両に格納されるブーム40は、旋回台11の突出部13の車両左側の側板13aに水平方向に突設された図1に示すブーム受け55により支持される。なお、ブーム受け55の取り付け位置は後述する。
【0028】
また、このように車両に格納されたブーム40の車両左側の荷台7上には、車両前後方向に延びて図示しない梯子や脚立等の長尺物を収容可能な長尺物工具箱60が設置されている。長尺物工具箱60は、直方体形状であり、車両を側面視したときに対向する長尺物工具箱60の面を表板60aとした場合、表板60aの裏側に配設された裏板60bと格納状態になるブーム40との間に所定の間隙が形成されるように配設されている。ここで、長尺物工具箱60の天板60cは水平方向に延び、天板60cの上下位置は格納状態にある作業台50の略中間位置に位置するとともに、前述したブーム受け55よりも下方に位置している。このため、ブーム40がブーム受け55に支持された状態で旋回台11が旋回動した場合でも、ブーム40が長尺物工具箱60に当接することはなく、ブーム40や長尺物工具箱60の損傷を未然に防止することができる。
【0029】
長尺物工具箱60の後板60dは格納状態にあるブーム40の先端部と格納状態にある作業台50の後端との中間位置に延び、後板60dには、図3に示す後板60dに形成された開口部(図示せず)を開閉可能にする後扉63が設けられている。この後扉63は、図3(c)に示すように、後板60dの車両右側部に取り付けられたヒンジ65を介して車両後方側に開閉自在であり、後扉63の外面の中央部には車両後方側へ水平方向に突出する昇降用の第1ステップ67が取り付けられている。この第1ステップ67の先端部は、後扉63が閉じられた状態で図2に示す格納状態にあるブーム40の先端部と作業台50の後端部間に延びている。後扉63の外面の車両左側下部には把手69が設けられ、この把手69が車両後方側に引っ張られると、後扉63を開けることができるように構成されている。
【0030】
図1及び図2に示すように、長尺物工具箱60の裏板60bの車両後端側上部には、上面が天板60cの上面と略同一平面内に位置して車両右側方向へ水平に突出した第2ステップ71が取り付けられている。この第2ステップ71はブーム40の先端部と作業台50の前面50aと車両の後端部とにより囲まれる領域(以下、この領域を「作業台昇降領域R」と記す。)内に拡開するように延びている。長尺物工具箱60の表板60aには車両前後に延びる表扉73が取り付けられている。このように長尺物工具箱60の後板60dに図3に示す後扉63が設けられているので、車両を図示しない道路の左側の壁際に沿って停車させて表扉73が使用出来ないような場合でも、後扉63を利用すれば長尺物の出し入れを車両後方側から行なうことができる。
【0031】
車両左側の荷台7の後端部には、下方へ延びて車両後方側へ水平方向に突出した第3ステップ75が取り付けられている。ここで、図2に示すように、作業台50が車両に格納されると、作業台50の前面50aよりも車両左側には前述した作業台昇降領域Rが形成され、この作業台昇降領域R内に第2ステップ71が配設され、第2ステップ71よりも車両左側に第1ステップ67が配設され、第1ステップ67の下方に荷台7の一部が配設され、この荷台7の下方に第3ステップ75が配設されているので、これらのステップ67、71、75及び荷台7により図示しない作業者が作業台50に昇降移動するための昇降経路が形成される。
【0032】
この昇降経路を移動する作業者の安全をより確保するため、長尺物工具箱60よりも車両後方側へ延びる荷台7の車両左側縁部と天板60cの車両後方側の側部との間に、上方へ延びて車両前方側へ斜めに屈曲し、車両前方側へ水平方向に屈曲し、下方へ屈曲して天板60cに接続された手摺り77が設けられている。
【0033】
さて、前述したように平行リンク機構20及びブーム40が車両に格納された状態になると、平行リンク機構20は、車両の後方側から前方側に延びて倒伏して水平状態になるとともに、平行リンク機構20の先端部が運転キャビン5の上方に位置して車両上に格納され、ブーム40は全縮状態で車両の前方側から後方側に延びて斜め下方に倒伏した状態で車両上に格納される。このとき、ブーム40の下面は運転キャビン5及び旋回台11との間において、水平状態に延びる第2リンク部材25の下面よりも下方へ突出せず、また旋回台11と運転キャビン5との間には所定の離間寸法を有した間隙が形成されている。このため、格納状態にある平行リンク機構等20、40の下方には大きな積載スペース80が形成され、この積載スペース80を有効利用するため、図1に示す場合では、荷台7の車両右側に前後に延びるとともに前述した積載スペース80まで延びた大容量工具箱81が荷台7に設置されている。
【0034】
この大容量工具箱81は、作業台50が格納状態にあるときに大容量工具箱81の後端が作業台50の前側端部に当接しないように、作業台50の前側端部よりも車両前側の位置に延びている。また大容量工具箱81の上端は、長尺物工具箱60の天板60cと同様に、旋回台11が旋回動したときにブーム受け55が大容量工具箱81に当接しないように、ブーム受け55よりも下方の位置に配設されている。
【0035】
なお、積載スペース80の有効利用として大容量工具箱81を例示したが、荷台として利用してもよい。その結果、大きな荷物を車両に搭載することが可能になる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る高所作業車によれば、先端ブラケットとブームとの枢結位置が側面視における平行リンク機構の先端部の上下方向幅内に位置することで、平行リンク機構が車両の後方側から前方側に延びた状態で倒伏するとともに、平行リンク機構の先端部が運転キャビンの上方に位置して車両上に格納され、ブームが車両の前方側から後方側に延びた状態で倒伏して車両上に格納された場合、ブームが平行リンク機構に沿った状態で格納されていれば、平行リンク機構よりもブームが上方位置に突出することはない。このため、先端ブラケットへのブームの枢結位置が平行リンク機構の先端部の上下方向幅よりも上方の位置である場合と比較して、平行リンク機構及びブームが格納された高所作業車の全高を低くすることができる。また、平行リンク機構及びブームが車両に格納された場合、平行リンク機構の先端部は運転キャビンの上方に位置して車両上に格納されるので、ブームが平行リンク機構に沿った状態で格納されれば、車両、運転キャビン、基台及び平行リンク機構により囲まれる領域を積載スペースとして利用することができ、また平行リンク機構及びブームが運転キャビンよりも車両後方側の車両に格納される場合と比較して、車両の全長を短くすることができる。
さらに、格納状態において、ブームの先端部が基台よりも車両後方側へ突出し、且つ作業台はブームの側方に沿って位置するとともに作業台の後部側がブーム先端部への取付位置より後方に突出するように構成され、車両の後端部における格納状態の作業台の後部側の側方且つ基台の後方側に位置して地上から作業台の後部側の側方を通って作業台に乗り込むための階段状のステップからなる作業台昇降領域が設けられているので、作業者は作業台昇降(乗降)領域のステップを利用し、格納状態の作業台の後部側の側方を通って作業台に簡単に乗り込むことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における高所作業車の側面図を示す。
【図2】本発明の一実施の形態における高所作業車の平面図を示す。
【図3】本発明の一実施の形態における長尺物工具箱を示し、同図(a)は長尺物工具箱の要部平面図であり、同図(b)は長尺物工具箱の要部正面図であり、同図(c)は長尺物工具箱の側面図である。
【図4】従来における作業装置を搭載した高所作業車の側面図を示す。
【図5】従来における作業装置を搭載した高所作業車の平面図を示す。
【符号の説明】
1 高所作業車
3 車体(車両)
5 運転キャビン
11 旋回台(基台)
20 平行リンク機構
31 先端ブラケット
40 ブーム
50 作業台
55 ブーム受け
60 長尺物工具箱(工具箱)
63 後扉(扉)
67 第1ステップ(ステップ)
J 車両中心軸線
P3 枢結位置

Claims (3)

  1. 車両の前部に配設された運転キャビンと、前記車両における前記運転キャビン後方に所定の離間寸法を有した位置に配設されて車両前後に延びる車両中心軸線上に旋回中心を有して旋回可能であり、前記運転キャビンの天板の高さより高くなる位置まで突出する突出部を有した基台と、前記突出部に起伏動自在に枢結された平行リンク機構と、前記平行リンク機構の先端部に取り付けられた先端ブラケットと、前記平行リンク機構の側方に並設されるとともに前記先端ブラケットに上下に屈伸動自在に枢結されたブームと、前記ブームの先端部に上下に揺動自在に取り付けられて常に水平に保持されるとともに前記ブームの先端に対して水平旋回動可能に取り付けられた作業台とを有してなり、前記平行リンク機構および前記ブームは前記基台の旋回中心を挟んで対向するように構成された高所作業車において、
    前記平行リンク機構前記突出部から前方に水平方向に延びて倒伏するとともに、前記平行リンク機構の先端部が前記運転キャビンの上方に位置して前記車両上に格納され、前記ブームは前記車両の前方側から後方側に延びるとともに前記平行リンク機構の側方に沿って延びて倒伏した状態で前記車両上に格納されるように構成され
    このように格納された状態において、
    前記先端ブラケットと前記ブームとの枢結位置は、側面視における前記平行リンク機構の先端部の上下方向幅内に位置し、
    前記ブームの先端部が前記基台よりも前記車両後方側へ突出し、且つ前記作業台は前記ブームの先端部に対して水平旋回されて前記ブームの側方に沿って位置するとともに作業台の後部側が前記ブーム先端部への取付位置より後方に突出するように構成され、
    前記車両の後端部における格納状態の前記作業台の後部側の側方且つ前記基台の後方側に位置して、地上から前記作業台の後部側の側方を通って前記作業台に乗り込むための階段状のステップからなる作業台昇降領域が設けられていることを特徴とする高所作業車。
  2. 前記運転キャビンよりも車両後方側であって格納状態にある前記ブームを中央にして格納状態にある前記作業台と反対側の前記車両上に配設され、前後方向に延びて後端部に開口する開口部を開閉可能にする扉を有した工具箱を有し、
    前記扉には、前記扉により前記開口部が閉じられた状態にあるときに、車両後方側へ突出して前記階段状のステップの一部を構成するステップ部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の高所作業車。
  3. 前記ブームは前記基台と前記工具箱の間に配設され、前記基台の前記他方側の側面には前記工具箱の上面よりも上方位置に格納状態にある前記ブームの先端部を支持するブーム受けが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の高所作業車。
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