JPH068375Y2 - バタフライバルブ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、バタフライバルブの改良に係り、とくに流路
に横断架設されるバルブシャフトの軸方向のガタを抑え
るガタ防止機構を備えたバタフライバルブに関する。

〔従来の技術〕

従来からバタフライバルブの一例として、第５図および
第６図に示すように、ボディ(1)に設けた流路(2)を開閉
しかつ流量を制御する目的で、該流路(2)に該流路断面
を遮蔽する平面形状よりなるバタフライ(3)を内装し、
該バタフライ(3)を流路(2)に横断架設したシャフト(4)
に固着したものが知られている。流路(2)を挟んで同軸
的に二分された軸孔(5a)(5b)のうち奥側（図上右側）の
軸孔(5a)は先止まりになり、手前側（図上左側）の軸孔
(5b)はボディ(1)外面に開口しており、該開口から外側
へ突出したシャフト(4)の一端(4a)にレバー(6)が固着さ
れている。該レバー(6)は、その一面に突設したピン(6
a)をアクチュエータ(7)のロッド(8)端に係合連結して該
アクチュエータ(7)の駆動により所定の回転角変位をも
って往復回転しこれに伴なってバタフライ(3)を作動さ
せるとともに、側部に突設した係合片(6b)をボディ(1)
に突設したストッパピン(9)に当接させて前記回転角変
位量を微調整し、流路(2)内壁に対するバタフライ(3)の
かじりなどの不具合を防止している。

上記従来のバタフライバルブにおいて、シャフト(4)は
ボディ(1)に対して軸方向に位置決めされておらず、た
だ流路(2)に内装したバタフライ(3)が流路(2)内壁に接
触して該シャフト(4)の軸方向移動を規制するに過ぎな
い。したがって当該バルブに対し外部から何らかの理由
によって軸方向の振動が加わると、直ちに同方向にガタ
を生じてバタフライ(3)が流路(2)内壁をかじってこれを
傷付けるおそれがある。

このため前記シャフト(4)の軸方向のガタを抑える目的
で、従来、第７図に示すようなガタ防止機構を付設した
ものが知られている。すなわちボディ(1)に対して前記
奥側の軸孔(5a)に連なるスペース(10)を設け、シャフト
(4)の他端にスナップリング(11)を嵌合するとともにス
ペーサ(12)を挿入して盲栓(13)で塞いでなる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記ガタ防止機構を備えたバタフライバルブは、スナッ
プリング(11)のボディ(1)に対する当接とスペーサ(12)
の介在により軸方向のガタを抑えることができるが、該
機構の付設に伴なって当然ながら部品点数や組立工数が
増加するとともに、軸方向の寸法精度について各部品に
厳しい管理が要求され、さらに盲栓(13)を用いた密栓部
に新たに気密性の問題を生じる不都合がある。

本考案は、以上の点に鑑み、これらの不都合を生じるこ
とがない新規な構造のガタ防止機構を備えたバタフライ
バルブを提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案のバタフライバルブ
は、ボディに設けた流路に回転自在に架設されるととも
に軸方向の一端を前記ボディの外側へ突出させたシャフ
トと、前記シャフトの回転に伴って前記流路を開閉する
バタフライと、前記シャフトの一端に設けられるととも
にアクチュエータのロッドに連結されて前記アクチュエ
ータの作動に伴って回転するレバーと、前記ボディの外
面に設けられるとともに前記レバーの回転を所定角度迄
に制限するストッパピンと、を有するバタフライバルブ
において、前記レバーの外周縁に円弧状の係合縁部を設
けるとともに前記ストッパピンの外周に前記レバーの回
転方向に沿って溝を設け、前記係合縁部と前記溝とを軸
方向に係合させることにした。

〔作用〕

レバーの外周縁に円弧状の係合縁部を設けるとともにス
トッパピンの外周にレバーの回転方向に沿って溝を設
け、この係合縁部と溝とを軸方向に係合させると、この
係合を介してレバーがボディに対して軸方向に位置決め
され、レバーを軸方向の一端に設けたシャフトがボディ
に対して軸方向に位置決めされる。尚、レバーの外周縁
に設けられた係合縁部は円弧状に形成されており、よっ
てレバーが回転している間、常に溝に係合している。

〔実施例〕

つぎに本考案の実施例を図面にしたがって説明する。

第１図および第２図に示すように、シャフト(4)の軸方
向の一端(4a)に固着されたレバー(6)の外周縁に、シャ
フト(4)の軸心を中心とした円弧状の係合縁部(6c)が設
けられるとともに、ボディ(1)の外面に突設されたスト
ッパピン(9)の先端に、軸方向に一対になる環状の係合
部材(15a)(15b)が外挿固着されており、係合縁部(6c)が
一対の係合部材(15a)(15b)の間の溝(16)に対して軸方向
に係合して、全体を符号(14)で示す係合部が設けられて
いる。他の構成は第１図に示した従来技術に係るバタフ
ライバルブと同じであるため、図面に同一符号を用いて
説明を省略する。

上記係合部(14)よりなるガタ防止機構は、溝(16)の幅と
レバー(6)の板厚を、該レバー(6)が溝(16)内をスライド
する（第３図参照）のに支障のない範囲でできる限り近
接させ、両者の軸方向の係合によってシャフトのガタを
軸方向のガタを抑えるようになる。尚、レバー(6)の外
周縁に設けられた係合縁部(6c)はシャフト(4)の軸心を
中心とした円弧状に形成されており、よってレバー(6)
が回転している間、常に溝(16)に係合している。係合部
(14)は、その構造を限定するものではなく、ストッパピ
ン(9)の先端にボビン形の部材を取り付けたり、第４図
に示すようにストッパピン(9)に溝(18)付きの筒状部材
(17)を外挿してこれを接着または抜け止めしてもよい。

〔考案の効果〕

本考案は以下の効果を奏する。すなわち、レバーの外周
縁に円弧状の係合縁部を設けるとともにストッパピンの
外周にレバーの回転方向に沿って溝を設け、この係合縁
部と溝とを軸方向に係合させたために、従来技術のよう
に構造や組立構造が複雑になったり密栓部の気密性が問
題となったりすることがなくシャフトの軸方向のガタを
抑えることができ、コスト的にも有利な製品を提供する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示すバタフライバルブの一部
切欠した正面図、第２図と第３図は同要部側面図、第４
図は他の例を示す要部正面図、第５図は従来例を示す一
部切欠した正面図、第６図は同要部側面図、第７図は他
の従来例を示す一部切欠した正面図である。 (1)……ボディ、(2)……流路、(3)バタフライ (4)……シャフト、(4a)……シャフト一端 (5a)(5b)……軸孔、(6)……レバー、(6a)……ピン、 (6b)……係合片、(6c)……係合片縁部、(7)……アクチ
ュエータ (8)……ロッド、(9)……ストッパピン (10)……スペース、(11)……スナップリング (12)……スペーサ、(13)……盲栓、(14)……係合部 (15a)(15b)……係合部材、(16)(18)……溝、 (17)……筒状部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ボディ(1)に設けた流路(2)に回転自在に架
   設されるとともに軸方向の一端(4a)を前記ボディ(1)の
   外側へ突出させたシャフト(4)と、前記シャフト(4)の回
   転に伴って前記流路(2)を開閉するバタフライ(3)と、前
   記シャフト(4)の一端(4a)に設けられるとともにアクチ
   ュエータ(7)のロッド(8)に連結されて前記アクチュエー
   タ(7)の作動に伴って回転するレバー(6)と、前記ボディ
   (1)の外面に設けられるとともに前記レバー(6)の回転を
   所定角度迄に制限するストッパピン(9)と、を有するバ
   タフライバルブにおいて、前記レバー(6)の外周縁に円
   弧状の係合縁部(6c)を設けるとともに前記ストッパピン
   (9)の外周に前記レバー(6)の回転方向に沿って溝(16)(1
   8)を設け、前記係合縁部(6c)と前記溝(16)(18)とを軸方
   向に係合させたことを特徴とするバタフライバルブ。