JPH09133170A - 回転ダンパ - Google Patents

回転ダンパ

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JPH09133170A
JPH09133170A JP31736695A JP31736695A JPH09133170A JP H09133170 A JPH09133170 A JP H09133170A JP 31736695 A JP31736695 A JP 31736695A JP 31736695 A JP31736695 A JP 31736695A JP H09133170 A JPH09133170 A JP H09133170A
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flow resistance
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angle
circumferential direction
ridge
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JP31736695A
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Kenji Takahashi
謙次 高橋
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TOTSUKU BEARING KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、回転初期と終期に高トルクが作用
して強力なダンピング効果が得られ、一方この間では低
トルクが作用して蓋や扉の動きが緩慢にならないような
回転ダンパを提供することを目的とする。 【解決手段】 粘性流体12の流動抵抗を制御する第1
と第2の流動抵抗制御手段30、40とによって、凸部
41の周方向の厚み幅を軸中心Lからの角度に換算した
ものをθ0 とし、可動弁の凸条36をカバー35を介し
て凸部41に密接させた状態で、凸部41の周方向の厚
み中心線と凸条36の周方向の厚み中心線とのなす角を
θ1 とし、凸条36のカバー35に対する遊動角度をθ
2 とし、凹部42の凸条36からの離隔角度をθS とし
た場合に、下記式θS >θ1 +θ2 −θ0 /2 が成立
するようにした回転ダンパ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば洋式便器の
便座や便蓋など上下開閉式の蓋や扉に設ける回転ダンパ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上下開閉式の蓋や扉が加速度を得
て急激に閉じたり開いたりするのを防止するために、こ
れらの蓋や扉に衝撃緩和用のダンパが設けられている。
例えば、洋式便器の便座や便蓋を強く持ち上げると、背
面ストッパーに当たってその反動により便座や便蓋が手
前に勢いよく倒れてしまうような場合が生じる。そこ
で、便座や便蓋にダンパを設けてこのような前倒れを防
止するものである。
【0003】このようなダンパには、例えば粘性流体の
流体抵抗を利用したものが提案されている。特開平5−
180239号には、円筒内に粘性流体を充填し、円周
方向の一部分が円筒の内壁面に摺接しながら回転する回
転部材が組込まれたダンパが示されている。この摺接部
には回転方向の片側に切欠状の流体流路が設けられてお
り、ロータがこの切欠状流路の方向に回転する場合に
は、この流路を通って回転方向前側から後側に粘性流体
がスムーズに流動するが、逆方向に回転する場合にはこ
の流路が閉じられるので粘性流体の流動量が大きく制限
されるため、高トルクが作用してダンピング効果が得ら
れるようにしたものである。
【0004】また、特開平6−193666号には、回
転初期にはスムーズに回転するように低トルクで作用
し、回転終期には強力なダンピング効果が得られるよう
に高トルクが作用するダンパが示されている。これは、
上述のダンピング装置において、回転部材の外周面には
凹部を、円筒内壁面には凸部をそれぞれ新たに設けた構
造のものである。このようにすると、回転部材の凹部が
この凸部に面して回転する際には、粘性流体が凸条を越
えてこの凹部を流動するため、上記の高トルクは適度に
軽減されることになる。したがって、回転初期に凹部が
凸部に面して回転するようにこれらを適当な位置にそれ
ぞれ配設することによって、回転初期に低トルクが作用
するようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが従来の場合、
摺接部の切欠状流路のみによって粘性流体の流動抵抗を
制御する装置では、回転初期から終期まで常にほぼ一定
の高トルクが作用するため、ダンピングする蓋や扉の動
きが緩慢となるという不都合があった。具体的には、例
えば洋式便器の便座を便器台の上に倒すのに、時間をか
なり要するというものである。
【0006】このような不都合を解消するために、回転
初期と終期との間は低トルクで作用し、回転終期にだけ
高トルクで作用するように改良した上記装置が提案され
た。しかしながら、この装置では回転初期に強力なダン
ピング効果が得られないために、例えば洋式便器の便座
や便蓋を強く持ち上げた場合には、背面ストッパーに当
たってすぐに手前に倒れるようなことはないものの、暫
くすると徐々に倒れるという不都合があった。
【0007】そこで、ダンピングする蓋や扉の動きが緩
慢でなくある程度速く、かつ、背面ストッパーに当たっ
ても徐々に倒れないような自立機能をもつダンピング装
置が望まれていた。したがって、本発明の目的とすると
ころは、回転初期と終期に高トルクが作用して強力なダ
ンピング効果が得られ、一方この間では低トルクが作用
して蓋や扉の動きが緩慢にならないようにしたダンピン
グ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、請求項1において、粘性流体を収容したケー
シング内部に回転部材を組込み、この回転部材の外面に
突設した凸条の外側に、該凸条の厚みより広い開口幅を
備えた断面略コの字状の可動弁体を周方向に遊びをもた
せて被せて、この弁体の外面を前記ケーシングの内面に
密接せしめ、前記凸条と弁体とからなる弁機構によって
第1の流動抵抗制御手段を構成し、この第1の流動抵抗
制御手段によって前記回転部材を回転させる際の流動抵
抗を制御するとともに、前記ケーシングの内面の一部か
ら軸中心に向けて先細り状に突設した凸部と、前記回転
部材の外面に周方向に沿って刻設された凹部とによって
第2の流動抵抗制御手段を構成し、この第2の流動抵抗
制御手段によって前記回転部材を回転させる際の流動抵
抗を制御し、この凹部の一端側を前記凸条から所定角度
離隔せしめるようにした回転ダンパにおいて、前記凸部
の周方向の厚み幅を軸中心からの角度に換算したものを
θ0 とし、前記凸条を弁体を介して前記凸部に密接させ
た状態で、凸部の周方向の厚み中心線と凸条の周方向の
厚み中心線とがなす角度をθ1 とし、前記凸条の弁体に
対する遊動角度をθ2 とし、前記凹部の凸条からの離隔
角度をθS とした場合に、下記式 θS >θ1 +θ2 −θ0 /2 (1) が成り立つようにした。
【0009】ケーシングを固定して回転部材を停止位置
から回転させる場合、凸部の側面のうち弁機構の凸条側
に位置する方が凹部の軸方向の開始端に一致するまでの
間は、凸部と凹部との間の流通経路が形成されないた
め、粘性流体は凸部を越えて流動することができない。
そして、上記一致点を越えると、凸部と凹部との間には
流通経路が形成されるため、粘性流体は凸部を越えて流
動することができるようになる。したがって、上記離隔
角度θS を式(1)のように規定することによって、回
転開始からθ2 回転し、その後の時点で上記の一致が起
こるようにできる。したがって、少なくとも回転角度θ
2 を経て上記一致点に至るまでの間は、粘性流体が凹部
を通って凸部を越えて流動できないため高トルクが作用
するようになる。
【0010】また請求項2では、第1の流動抵抗制御手
段と第2の流動抵抗手段を、それぞれ円周方向に等間隔
に複数設けたことにより、これらの手段を一対設けた場
合に比べてトルクを増大できる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例につい
て添付の図面に基づき具体的に説明する。図1〜3は本
装置の概要図であり、図1が分解した斜視図、図2が軸
方向の断面図、図3が円周方向の断面図である。また、
図4(a)〜(f)は、ケーシング10を固定して軸部
21を軸中心Lに対して右回りに回転させた場合の円周
方向の断面図、同図(g)は同じく左回りに回転させた
場合の断面図を各回転段階について示したものであり、
理解を容易にするために、回転する軸部21の凸条36
が図中上方を常に向くようにしてケーシング10を図中
左回りに回転したように描いてある。
【0012】本発明の回転ダンパは、粘性流体12を収
容したケーシング10内部に回転部材20を組込み、回
転部材20の外周面に突設した凸条36にこの厚みより
広い開口幅を備えた断面略コの字状の可動弁体を周方向
に遊びをもたせて被せ、この凸条36と弁体35とから
なる弁機構により構成される第1の流動抵抗制御手段3
0によって回転部材20を回転する際の流動抵抗を制御
し、ケーシング10の内周面の一部から突設した凸部4
1と、回転部材20の外周面に周方向に沿って刻設され
た凹部42とにより構成される第2の流動抵抗制御手段
40によって回転部材20を回転する際の流動抵抗を制
御し、回転部材20に取付けた蓋類からなる作動部材6
0をスムーズに開閉するようにしたものである。以下
に、まず本装置の各構成について説明し、次いで第1及
び第2の流動抵抗制御手段30、40について詳述す
る。
【0013】ケーシング10は、組込まれる回転部材2
0がほぼ360度の範囲で回転可能な円筒状の室11を
内部に有し、この室11内に粘性流体を充填して封じ
る。ケーシング10は、一端部を端壁13によって閉じ
られ、他端部は室11がそのまま開口した端部15とな
っている。端壁13の中央部には、後述する回転部材2
0の細軸部22を軸受けするための軸穴14が設けられ
ている。ケーシング10の内周面の底部には、後述する
第2の流動抵抗制御手段40を構成する凸部41が軸方
向に突設されている。17は後述する蓋部材50との間
で回転部材20をネジ止めするためのネジ穴であり、開
口端部15の外周に複数個形成されている。16はケー
シング10を取付けるためにこれと一体に形成された取
付け手段である。なお、室11の断面形状は、回転部材
20が所定角度の範囲内で回転できるような形状であれ
ば特に円形に限定されるものではなく、扇形等でもよ
い。
【0014】回転部材20は、軸部21とその両端に形
成された細軸部22と太軸部23からなる。軸部21は
室11の軸方向の長さと同寸法であり、軸中心L上に配
置するようにケーシング10内に組込まれる。軸部21
の外面には、後述する第1の流動抵抗制御手段30であ
る弁材構を構成する凸条36が軸方向に突設されてお
り、可動弁体35がこれを跨ぐようにして遊びをもたせ
て被さっている。軸部21の表面には周方向に沿って凹
部42が刻設されており、凸部41とともに第2の流動
抵抗制御手段40を構成する。
【0015】細軸部22は、前述の軸穴14に枢支され
るようになっている。太軸部23は室11の開口部15
を塞ぐようにしてケーシング10の内面に摺接してい
る。また、太軸部23の周面には、O−リング等のシー
ル部材を嵌め込むための環状凹部24が形成されてお
り、ケーシング10内に充填された粘性流体12を封止
している。太軸部23の軸部21と接する反対側には、
端面に接続口29が開口されている軸部26が形成され
ており、この接続口29に開閉蓋類からなる作動部60
の入力軸55を係合、接続して作動部60を取付けるよ
うにしてある。
【0016】作動部60は、次のようにして取付けられ
る。まず、ケーシング10内に粘性流体12を充填し、
これを封じるように回転部材20を組入れる。次に、透
孔51を有し、軸部26と回動可能に嵌合するような蓋
部材50を介して、接続口29に作動部60の入力軸5
5を係合、接続する。そして、蓋部材50に形成された
ネジ孔53を通してケーシング10のネジ穴に、取付け
ネジ52を螺合するものである。
【0017】次に、第1及び第2の流動抵抗制御手段3
0、40について説明する。第1の流動抵抗制御手段3
0は、回転部材20の軸部21の外周面に軸方向に突設
した凸条36と、この凸条36の厚みより広い開口幅を
備え断面形状が略コの字の可動弁体35とからなる弁機
構によって構成される。弁体35は、外面が室11の内
周面に適合した弧状の屋根部分と、回転方向前後に対向
するようにこの屋根部分の両端から突出する一対の突出
部31、32とからなり、突出部31、32の間には溝
部34が形成されている。凸条36には遊びをもってこ
れを跨ぐように可動弁体35が被せられている。なお、
一方の突出部31には粘性流体の出入り口31aが設け
られており、また凸条36の軸方向の中央部分にも、粘
性流体が出入り可能な切り欠き部36aが設けられてい
る。
【0018】溝部34の幅、すなわち弁体35の開口幅
は凸条36の円周方向の厚みより広いため、凸条36は
溝部34の幅の範囲で遊動するようになっている。図4
(a)に示すように、凸条36の側面が突出部31と当
接している場合における凸条36の周方向の厚み中心線
と、図4(b)に示すように、突出部32と当接してい
る場合の同じく厚み中心線とのなす角度が、凸条36の
遊動角度θ2 となる。
【0019】このような第1の流動抵抗制御手段30で
は、可動弁体35は以下のような動きをする。例えば凸
条36の一方の側面が突出部31に当接している状態か
ら、回転部材20を突出部32の方向に室11内で回転
させると、まず凸条36は遊動角度であるθ2 だけ回転
して、他方の側面を突出部32に当接する。さらに回転
させると、凸条36はこの側面を突出部32に当接しつ
つ弁体35の外面部分を室11の内面に摺接させながら
回転するようになっている。
【0020】第2の流動抵抗制御手段40は、ケーシン
グ10内の室11の内周面から軸方向に突設された凸部
41と、軸部21の外周面に周方向に沿って刻設された
凹部42によって構成される。凸部41の長さは室11
の軸方向の長さと同寸である。図4(a)に示すよう
に、その形状は周方向の厚み幅を軸中心Lからの角度に
換算してθ0 となるように、軸中心Lの方向に向かって
先細りの台形状をなしている。そして、軸部21の回転
方向前後の粘性流体12を分離するように、凸部41の
頂部の面に対して軸部21の外周面が摺接しながら回転
するようになっている。
【0021】一方、凹部42は図4(a)に示すよう
に、軸方向の一端側43を凸条36から軸中心Lに対し
て円周方向に離隔して配設されている。そして、この離
隔角度θS は上述の式(1)で規定されるものであり、
式(1)の意味するところは以下の通りである。すなわ
ち、図4(a)に示すように、凸条36の一方の側面が
可動弁体35の突出部31に当接している状態から、図
4(b)に示すように軸部21を図中右回りに遊動角度
θ2 だけ回転させると、凸条36の他方の側面が弁体3
5の突出部32に当接する。このとき凸部41の側面の
うち凸条36に当接していた側の面は、図4(a)の状
態では、凸条36の周方向の厚み中心線から図中左回り
に(θ1 −θ0 /2)の位置にある。そして、図4
(b)の状態では、この側面の位置はさらに左回りにθ
2 回転した位置である(θ1 +θ2 −θ0 /2)の位置
に回動する。したがって、上記離隔角度θS をこの(θ
1 +θ2 −θ0 /2)よりも大きくするということは、
軸部21を図4(a)の位置から遊動角度θ2 だけ右回
りに回転させたときに、凸部41の側面のうち凸条36
に当接していた側の面の位置が、図4(b)に示すよう
に凹部42の円周方向の開始位置である一端側43より
も右まわりの回転方向に対して前側に位置するようにし
たものである。
【0022】また凹部42は図1、図3及び図4(a)
〜(g)に示すように、その開始端である一端側43か
ら図中43a位置までは円周方向に一定深さで、かつ軸
方向に一定幅の凹部が形成され、43a位置から終端で
ある他の一端側44までは円周方向に深さが次第に浅く
なるように、かつ斜辺47を設けて軸方向に次第に幅が
狭くなるように形成されている。なお、凹部42はこの
ような形状に限られるものではなく、例えば一定深さを
有する長方形の平面形に形成したものや、一端側44が
遅れて終わる複数の凹部を軸部周方向に形成したもので
もよい。
【0023】このような第2の流動抵抗制御手段40で
は、凸部41の頂部の全面が凹部42に対向するように
軸部21が回転する場合には、凸部41によって分離さ
れる粘性流体12が凸部41の頂部の面と凹部42の間
を凸部41を越えるようにして流動する。一方、凸部4
1の頂部の全面が凹部42に対向していない場合には、
粘性流体12は凸部41を越えて流動することができな
い。
【0024】また、このような第1と第2の流動抵抗制
御手段30、40は、軸部21の外周面とケーシング1
0の内周面にそれぞれ等間隔に複数形成してもよく、こ
のように複数形成することによってトルクを増大でき
る。図6は、このような流動抵抗制御手段をそれぞれ二
個設けた例を示す。ケーシング10の内周面には、上部
とそれに対向する下部に第2の流動抵抗制御手段40を
設け、これらの間を二つの第1の流動抵抗制御手段30
がそれぞれ回動するようになっている。
【0025】以上のように構成した装置の作用等につい
て、図4(a)〜(g)及び図5に基づいて説明する。
図5は、軸部21の回転角度と発生する回転トルクの大
きさの関係を表したグラフであり、図5中(a)〜
(g)は図4の(a)〜(g)にそれぞれ対応するもの
である。また、図5の横軸に示される回転角度θC 、θ
Eは、同図中(d)、(e)におけるそれぞれの回転角
度を示す。
【0026】まず、例えば洋式便器の便座や便蓋である
作動部材60を倒す場合のように、回転初期と終期に強
力な高トルクが作用するように流動抵抗を制御する場合
を以下に説明する。まず、回転前においては、凸部41
と可動弁機構の凸条36とが弁体35の突出部31を介
して接しており、凸条36の一方の側面は粘性流体の出
入り口31a(図1)が設けられている突出部31に接
している(図4(a))。軸部21を図中右回りに遊動
角度θ2 だけ回転させると、凸条36も弁体35内を遊
動してその他方の側面を突出部32に接するまで右回り
に回転する(図4(b))。この回転の間、粘性流体1
2は、弁体35内を凸条36の切り欠き部36a(図
1)を越えるように抵抗なく流動できるため、図5の
(a)から(b)に示すようにトルクが殆ど発生しな
い。
【0027】さらに回転を続けて、図4(a)において
凸部41の側面のうち弁体35に接していた側の面が、
軸部21上の凹部42の開始端である一端側43と一致
するまでは(図4(c)、回転角度θS )、第1の流動
抵抗制御手段30においては、ケーシング10内周面と
弁体35の外面部分との間の僅かな間隙のみを粘性流体
12が流動するため高いトルクが発生する。ここで、θ
S を式(1)のように規定することによって、上述のよ
うにこの回転の間は凸部41の頂部の全面が凹部42に
対向することはない。したがって、第2の流動抵抗制御
手段40においては、凸部41の頂部の面と軸部21の
外周面で凹部42が刻設されていない摺動面との僅かな
間隙のみを粘性流体12が流動するため高トルクが発生
する。その結果、図5(b)から(c)の間は、これら
二つのトルクが加算された高トルク領域となる。
【0028】そして、上記図5(c)を過ぎると、第1
の流動抵抗制御手段30においては依然として高トルク
が発生し得る状態にあるが、第2の流動抵抗制御手段4
0においては、凸部41の頂部の全面が凹部42に対向
するように軸部21が回転し、凸部41によって分離さ
れる粘性流体12が凸部41の頂部の面と凹部42の間
を凸部41を越えて流動するので、ここでのトルクが殆
どなくなる。したがって、図5(c)に至るまでの高ト
ルク領域から、第1の流動抵抗制御手段30による低ト
ルク領域への急激な減少がみられる。
【0029】このような低トルク領域は、凹部42の軸
方向の断面積が一定である図4(d)の43aの位置ま
で(図5(d)、回転角度θC )続く。凹部42におい
て図中43aの位置から終端である一端側44までの間
は、円周方向に深さが次第に浅くなるとともに軸方向に
次第に幅が狭くなるようになっており、次第に断面積が
減少するように形成されている。したがって、第2の流
動抵抗制御手段40において、凸部41の頂部の面と凹
部42の間を凸部41を越える粘性流体12の流動量が
減少するので、ここでの流動抵抗は徐々に増加する。そ
して、凸部41の側面の一方が凹部42の終端44と一
致して粘性流体12が凸部41を越えて流動できなくな
る状態で流動抵抗は最大値となり、図5(b)〜(c)
のトルク値と同じ高トルク値を示す(図5(e))。
【0030】さらに回転を続けると、凸条36が突出部
32を介して凸部41の側面と密接するところで軸部2
1の回転は停止する(図4(f))。ここで、突出部3
2は、図4(a)の状態において突出部31が当設して
いた凸部41の側面とは反対側の面と当設している。こ
の回転の間は、上記図5(e)の高トルク値が(f)ま
で続く高トルク領域をなす。
【0031】以上のように、便座や便蓋の作動部材60
を倒す場合には、図5に示すような回転初期と終期の二
つの高トルク領域と、この間の低トルク領域を発現させ
ることができる。
【0032】次いで、作動部材60である洋式便器の便
座や便蓋を持ち上げて開く場合のように、回転初期から
終期まで低トルクが作用するように流動抵抗を制御する
場合を以下に説明する。上記図4(f)で停止した状態
から、作動部材60を倒すような上述の場合とは逆に軸
部21を図中左回りに遊動角度θ2 だけ回転させると、
上記図4(a)〜(b)に示すのとは逆に可動弁の凸条
36もカバー35内を遊動してその側面を突出部31に
当設するまで左回りに回転する(図4(g))。この回
転の間、可動弁機構内において、粘性流体12は、弁体
35内を凸条36の切り欠き部36aを越えるように抵
抗なく流動できるため、図5の(f)から(g)に示す
ようにトルクが殆ど発生していない。
【0033】さらに上記図4(g)から同方向に軸部2
1の回転を続けると、軸部21の凸条36は弁体の突出
部31に接しながら回転し、突出部32を介して凸部4
1の側面と密接するところ、すなわち最初の図4(a)
に示す状態で停止する。この回転の間、凸条36は粘性
流体の出入り口31aを備える突出部31に当接しなが
ら、この突出部31を回転方向の前に突出部32を後に
して回転する。したがって、粘性流体12は出入り口3
6aから弁体35内に流入し、凸条36の粘性流体が出
入り可能な切り欠き部36aを通った後に、弁体35内
の溝部34から突出部32を越えて回転方向の後方に抵
抗なく流動する。したがって、このような第1の流動抵
抗制御手段30による流動抵抗は上記図4(c)〜
(d)と同程度の比較的低いものとなり、図5(g)〜
(a)では一定の低トルク領域を示す。
【0034】なお、この回転中には、第2の流動抵抗制
御手段40による流動抵抗によるトルクの変化も生じて
いる。しかしながら、凹部42の軸方向の断面積は、上
記出入り口31aの断面積や上記切り欠き部36aの断
面積に比べて十分に小さいので、第2の流動抵抗制御手
段40によるトルクの変化は全体の中で殆ど無視し得る
程小さくなる。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明のダンパは、請求項
1において、ケーシング内部に粘性流体を介して回転部
材を組込み、回転部材に設けられた凸条と弁体とからな
る可動弁機構によって構成される第1の流動抵抗制御手
段と、ケーシングの内面に突出された凸部と軸部外面の
周方向に沿った凹部から構成される第2の流動抵抗制御
手段とによって粘性流体の流動抵抗を制御するようし、
凸部41の周方向の厚み幅を軸中心からの角度に換算し
たものをθ0 とし、凸条を弁体を介して凸部に密接させ
た状態で、凸部の周方向の厚み中心線と凸条の周方向の
厚み中心線とがなす角度をθ1 とし、凸条の弁体に対す
る遊動角度をθ2 とし、凹部の凸条からの離隔角度をθ
S とした場合に、下記式 θS >θ1 +θ2 −θ0 /2 (1) となるようにしたため、作動部材である蓋や扉を倒す場
合には、回転初期と終期において高トルクが作用して強
力なダンピング効果が得られ、起立状態で停止する作動
部材が徐々に倒れたりするのを防止できる。また、回転
初期と終期の間では低トルクが作用して作動部材の動き
が緩慢にならないようにできる。
【0036】また請求項2のように、第1の流動抵抗制
御手段と第2の流動抵抗手段を、それぞれ円周方向に等
間隔に複数設けるようにすれば、抵抗トルクを増大させ
てより強力なダンピング効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回転ダンパの分解斜視図。
【図2】本発明に係る回転ダンパの軸方向断面図。
【図3】本発明に係る回転ダンパの円周方向断面図。
【図4】本発明に係る回転ダンパの作用図で、(a)は
回転前の円周方向断面図、(b)は回転角度θ2 の位置
での円周方向断面図、(c)は回転角度θS の位置での
円周方向断面図、(d)は回転角度θC の位置での円周
方向断面図、(e)は回転角度θE の位置での円周方向
断面図、(f)は回転後の円周方向断面図、(g)は逆
方向の回転角度θ2 の位置での円周方向断面図。
【図5】回転角度と発生する回転トルクの大きさの関係
を表したグラフ。
【図6】複数の流動抵抗手段を設けた本発明に係る回転
ダンパの円周方向断面図。
【符号の説明】
10…ケーシング、12…粘性流体、20…回転部材、
30…第1の流動抵抗制御手段、35…弁体、36…凸
条、40…第2の流動抵抗制御手段、41…凸部、42
…凹部、L…軸中心、θ0 …凸部41の周方向の厚み幅
を軸中心Lからの角度に換算したもの、θ1 …凸部41
の周方向の厚み中心線と凸条36の周方向の厚み中心線
とのなす角、θ2 …凸条36のカバー35に対する遊動
角、θS…凹部42の凸条36からの離隔角度。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘性流体を収容したケーシング内部に回
    転部材を組込み、この回転部材の外面に突設した凸条の
    外側に、該凸条の厚みより広い開口幅を備えた断面略コ
    の字状の可動弁体を周方向に遊びをもたせて被せて、こ
    の弁体の外面を前記ケーシングの内面に密接せしめ、前
    記凸条と弁体とからなる弁機構によって第1の流動抵抗
    制御手段を構成し、この第1の流動抵抗制御手段によっ
    て前記回転部材を回転させる際の流動抵抗を制御すると
    ともに、前記ケーシングの内面の一部から軸中心に向け
    て先細り状に突設した凸部と、前記回転部材の外面に周
    方向に沿って刻設された凹部とによって、第2の流動抵
    抗制御手段を構成し、この第2の流動抵抗制御手段によ
    って前記回転部材を回転させる際の流動抵抗を制御し、
    この凹部の一端側を前記凸条から所定角度離隔せしめる
    ようにした回転型ダンピング装置において、前記凸部の
    周方向の厚み幅を軸中心からの角度に換算したものをθ
    0 とし、前記凸条を弁体を介して前記凸部に密接させた
    状態で、凸部の周方向の厚み中心線と凸条の周方向の厚
    み中心線とがなす角度をθ1 とし、前記凸条の弁体に対
    する遊動角度をθ2 とし、前記凹部の凸条からの離隔角
    度をθS とした場合に、下記式 θS >θ1 +θ2 −θ0 /2 (1) が成り立つようにしたことを特徴とする回転ダンパ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の回転型ダンピング装置
    において、前記第1の流動抵抗制御手段と第2の流動抵
    抗手段とを、それぞれ円周方向に等間隔に複数設けたこ
    とを特徴とする回転ダンパ。
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