JPH10208124A - 垂下式蓋用の緩衝装置 - Google Patents

垂下式蓋用の緩衝装置

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JPH10208124A
JPH10208124A JP2202097A JP2202097A JPH10208124A JP H10208124 A JPH10208124 A JP H10208124A JP 2202097 A JP2202097 A JP 2202097A JP 2202097 A JP2202097 A JP 2202097A JP H10208124 A JPH10208124 A JP H10208124A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動販売機等の商品取り出し口に取付けられ
る垂直下式蓋を、閉じる際には商品を取り出すのに十分
な時間が確保できるほどゆっくり落下させ、かつ、確実
に閉じて衝撃音が発生しないようにし、また開く際には
小さな力で開くことができるようにする。 【解決手段】 筒状ケーシングと、該筒状ケーシング内
に一部が収容された回転部材と、筒状ケーシング内に充
填された粘性流体と、回転部材の回転方向により高トル
ク又は低トルクを発生させるようにしたトルク発生手段
とを備える垂下式蓋用の緩衝装置において、トルク発生
手段は、蓋が閉じる方向での回転部材の回転ストローク
中に、高トルクを発生する領域と、トルクをほぼゼロと
するようにした少なくとも終端領域とを生ぜしめる流体
トルク調節手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば缶ジュース
などの自動販売機の商品取り出し口に備えられる垂下式
蓋に取り付けて、蓋の開閉において制動力を与える緩衝
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、缶ジュースなどの自動販売機(以
下、「自販機」と記す)の商品取り出し口には、雨やホ
コリが入るのを防止するための蓋が備えられている。こ
の蓋は、その上端部が自販機の開口部に枢支されており
この上端部を中心として上下方向に回動可能になってい
る。自販機内部の商品ケースから商品取り出し口に落下
した商品を取り出すには、蓋の下端部を持ち上げるよう
に回動して蓋を開け落下しないように手で支えながら中
の商品を取り出し、その後、手の支えを外して蓋を閉じ
るようにする。また、閉じる際に落下する蓋の下端部が
商品取り出し口の端部に勢いよく衝突するのを防止する
ため、蓋に多板式ダンパ又はオイル剪断抵抗を利用した
ダンパを取り付けたものも提案されている。このような
ダンパは、蓋の開閉方向に拘らず高トルクが発生する両
方向性のダンパであり、少なくとも蓋を閉じる際に急激
に落下するようなことはない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようなダンパが取り付けられていない蓋では、商品を取
り出す際に、蓋が落下しないように一方の手で押さえて
いなければならない。また、片方の手だけを用いて蓋を
支えながら商品を取り出そうとすると、蓋の下端部に付
着したホコリや雨水により腕の袖部分を汚してしまうな
どの不都合があった。さらに、蓋を閉める際には、急激
に落下した蓋の下端部が商品取り出し口の端部に勢いよ
く衝突するため、大きな衝突音が発生するなどの問題点
があった。
【0004】一方、両方向性ダンパを取り付けた蓋で
は、商品を取り出す際に蓋の下端部を手で支える必要が
なく、蓋の急激な落下による衝撃音も防止できるなどダ
ンパが取り付けられていないものの不都合は解決される
が、以下のような問題点があった。まず、蓋を開く際に
も高トルクが発生するため開けるのが重くなる。また、
蓋が閉じる際に発生トルクの大きさを変化させることが
できないため、発生トルクが大き過ぎる場合には閉じつ
つある蓋が途中で停止しまい確実に閉じることができな
い。その結果、商品取り出し口にホコリや雨水が入り込
むため蓋の効果が十分に発揮されない。一方、発生トル
クが小さ過ぎる場合には蓋が早く閉じてしまい商品を取
り出すのに十分な時間が確保できない。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る垂下式蓋用の緩衝装置は、請求項1に
おいて、筒状ケーシングと、該筒状ケーシング内に一部
が収容された回転部材と、前記筒状ケーシング内に充填
された粘性流体と、前記回転部材の回転方向により高ト
ルク又は低トルクを発生させるトルク発生手段とを備え
た緩衝装置において、前記トルク発生手段は、蓋が閉じ
る方向での回転部材の回転ストローク中に、高トルクを
発生する領域と、トルクをほぼゼロとするようにした少
なくとも終端領域とを生じせしめる流体トルク調節手段
を備えるようにした。
【0006】蓋が閉じる方向に回転部材が回転する際に
高トルクを発生する領域があるため、蓋の回転に制動力
がはたらいてゆっくり閉じる。また、少なくとも回転ス
トロークの終端領域ではトルクをほぼゼロとするように
したため蓋を確実に完全に閉じることができる。
【0007】請求項2では、流体トルク調節手段を、筒
状ケーシングの内周面に軸方向に突設した凸部と、回転
部材の外周面に設けた第1の溝とからなるようにし、こ
の第1の溝を、回転部材の外周面上の少なくとも回転ス
トロークの終端領域において凸部の上面と対面する部分
に設けるようにした。これにより、終端領域においては
第1の溝を介して凸部の両側に通じる粘性流体のバイパ
ス流路が形成され、トルクをほぼゼロとすることができ
る。
【0008】請求項3では、流体トルク調節手段を、回
転部材の外周面に軸方向に突設した凸条と、筒状ケーシ
ングの内周面に設けられた第2の溝とからなるように
し、この第2の溝を、筒状ケーシングの内周面上の少な
くとも回転ストロークの終端領域において凸条の上面と
対面する部分に設けるようにした。これにより、終端領
域においては第2の溝を介して凸条の両側に通じる粘性
流体のバイパス流路が形成され、トルクをほぼゼロとす
ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例につい
て添付した図面に基づき説明する。図1〜図4は本発明
に係る垂下式蓋用の緩衝装置(以下、「緩衝装置」と記
す)の第1構成例を示し、図1は本緩衝装置を自販機の
商品取り出し口に取付けた状態を示す斜視図、図2は本
緩衝装置の内部構造を示す断面図、図3は本緩衝装置の
回転部材と弁体の構造を示す斜視図、図4は図2のX−
X断面を示し本緩衝装置のトルク発生手段の作用図であ
る。
【0010】図2に示すように、本発明の緩衝装置1
は、筒状ケーシング2内に回転部材3の一部を組み込
み、ケーシング2内に粘性の高いいわゆるシリコンオイ
ル等の粘性流体5を充填封入した構造を有する。回転部
材3には凸条31が形成されており、この凸条31には
弁体4が被せられている。筒状ケーシング2の一方の端
部7は封止され、他方の端部には穴空きキャップ6が取
り付けられ、この穴部分61から回転部材3がケーシン
グ外に突出している。また、回転部材3とキャップ6と
の間にはO−リング等のシーリング部材8を装着して、
筒状ケーシング2内から外部に粘性流体5が漏れるのを
防止している。
【0011】このような緩衝装置1は図1に示すよう
に、自販機Aの商品取り出し口Bの上部において、フラ
ンジ部分21、21を自販機Aに固定して取り付けられ
る。商品取り出し口Bを覆う蓋Cは、商品取り出し口B
の上端に略水平に取り付けられた中空軸Dに回転可能に
枢支され、閉じているときは垂下している。回転部材3
のケーシング外に突出する部分32に形成した不図示の
回り止を、軸Dの中空部分に嵌入して軸支し軸Dを介し
て回転部材3と蓋Cとを連結する。閉じた状態の蓋Cを
手で持ち上げるようにして回転させると軸Dとともに回
転部材3が回転しながら蓋Cが開き、蓋Cは開き切った
状態においては垂直方向より自販機Aの外側にいくぶん
傾斜している。そして、商品取り出し口Bに落下した商
品Eを取り出した後に蓋Cが自然にゆっくり落下して閉
止する。
【0012】次に、図3と図4に基づいて緩衝装置1の
トルク発生手段について説明する。回転部材3は外周面
から軸方向に沿って突設する凸条31を備え、この凸条
31には回転部材3の回転に伴ってこれと係合しつつ回
転する弁体4が被せられる。凸条31の軸方向の頂部中
間部には、切欠き部pが形成されている。弁体4は断面
略コの字型のカバー弁であり、凸条31の上部に回転方
向に遊びをもって被せられ、回転部材の回転に伴いその
外周部と筒状ケーシング2の内周面との間に僅かな隙間
をもって回転する。そして、この弁体4の左右の垂下壁
41、42のうちの一方の垂下壁41には、軸方向に沿
った切欠き部qが形成され、他方側の垂下壁42には切
欠き部が形成されていない。垂下壁41の側の方向に回
転部材3が回転する際には、切欠き部qから切欠き部p
へと粘性流体5のバイパス流路が確保され発生トルクが
小さくなる。一方、垂下壁42の側の方向に回転する際
には、この側には切欠き部qがないため切欠き部pとq
による粘性流体5のバイパス流路が確保されず、弁体4
の上面と筒状ケーシング2の内周面の間に形成される僅
かな隙間と、後述する凸部9の上面と回転部材3の外周
面との間に形成される僅かな隙間とが粘性流体5の流路
として確保されるにすぎない。その結果、非常に大きな
回転の抵抗力が発揮され、発生するトルクは高トルクと
なる。
【0013】また、回転部材3の外周面の中央部分に
は、図中Sを始端領域とし中間領域Mを経て終端領域E
に至る第1の溝rが周方向に刻設されている。この第1
の溝rは、軸方向の幅が一定で、かつ、始端領域Sから
終端領域Eに至るにしたがい深さが次第に深くなるよう
に形成されている。また、筒状ケーシング2の内面には
軸方向に沿った凸部9が設けられ、回転部材3が回転す
る際にこの凸部9の上面と第1の溝が対面しつつ、この
面の上を回転部材3の外周面が通過する。この上面と第
1の溝rとによって形成される隙間が粘性流体5のバイ
パス流路を形成し、第1の溝rの軸方向の断面積が大き
いほど発生トルクを低減できる。すなわち、回転部材3
の回転ストロークにおいて、始端領域Sが凸部9の上面
と対面するとき、バイパス流路の軸方向の断面積が小さ
いため高トルクが発生する。一方、上記回転ストローク
中、終端領域Eが凸部9の上面と対面するときには、バ
イパス流路の軸方向の断面積が大きいため発生するトル
クをほぼゼロにすることができる。上記第1の溝rの形
状と刻設する位置については、図示のものに限られな
い。すなわち、終端領域Eが凸部9の上面と対面する際
に、発生するトルクがほぼゼロとなり、始端領域Sから
終端領域Eに至るまでの間に、高トルクが発生する領域
が存在すればよく、例えば溝深を一定とし始端領域Sか
ら終端領域Eに至るにつれ次第に溝幅を広くしてもよ
い。また、蓋の重量が重い場合にはその自重により容易
に落下するので、終端領域Eにだけ断面積の大きな溝を
形成し回転部材3の外周面の他の部分には溝を形成しな
いようにしてもよい。なお、商品を取り出すには蓋Cが
十分に開いている方が取り出し易いので、始端領域Sか
ら中間領域Mまでの所定領域に高トルク領域を設けるよ
うにするのが好ましい。
【0014】以上説明した構成例では、流体トルク調節
手段は、凸部9と第1の溝rから構成される第1の調節
手段と、凸条31と弁体4から構成される第2の調節手
段からなる。なお、第2の調節手段は図5に示すような
凸条31に被せられた弁体4が遊びをもたないで凸条3
1と一体的に回転するような構成でもよい。図5(a)
に示す調節手段は、断面略円形の凸条31と、粘性流体
5のバイパス流路を阻止する平坦部43とバイパス流路
を形成するような形状の上面44とを有する弁体4から
なる。図5(b)に示す調節手段は、断面略方形の凸条
31と、粘性流体5のバイパス流路を阻止する平坦部4
6とバイパス流路を形成する形状の湾曲部45とを有す
る弁体4からなる。
【0015】次に、図4に基づいてトルク発生手段の作
用について説明する。図1に示す自販機Aの蓋Cが完全
に開いているときは、緩衝装置1の断面状態は図4
(a)で示される。回転部材3は凸条31の先端を図中
右上方向に向け、凸条31は図中左側の端面を弁体4の
垂下壁41に接している。回転部材3の外周面に形成さ
れた第1の溝rの始端領域Sが、凸部9の上面に対面す
るように位置している。この状態から蓋Cは自重によっ
て自然に落下するが、まず回転部材3は凸条31の右側
の端面を弁体4の垂下壁42に接するまで僅かに図中時
計回りに回転する。さらに回転が続くと、回転部材3は
凸条31の前記右側の端面を垂下壁42に押圧しながら
弁体4を連れ回すようにして、図4(b)の状態を経て
図4(c)の状態で停止する。図4(b)は中間領域M
が凸部9の上面に対面し始める状態を示し、図4(c)
は回転ストロークの終点であって終端領域Eが凸部9の
上面と対面した状態を示す。
【0016】まず、上記第2の調節手段では、図4
(a)から同(c)に至る回転ストローク中、加圧室2
1側に位置する垂下壁42には切欠き部qが形成されて
いないため、室21には弁体4の上面と筒状ケーシング
2の内周面との間に形成される僅かな隙間と、凸部9の
上面と回転部材3の外周面との間に形成される僅かな隙
間とが、粘性流体5の流路として確保されるにすぎな
い。したがって、この間の回転ストローク全般にわたっ
て高トルクが発生する。一方、上記第1の調節手段で
は、以下のようにトルクが発生する。まず、図4(a)
から図4(b)に至るまでの回転ストロークでは、凸部
9の上面と対面しつつこの面上を通過する第1の溝rの
断面積が小さいためバイパス流路が狭く高トルクを発生
する。図4(b)から図4(c)に至るまでの回転スト
ロークでは、凸部9の上面を通過する第1の溝rの断面
積が次第に増加しバイパス流路も次第に広くなるため発
生トルクは次第に減少し、終端領域Eが凸部9の上面と
対面する位置に至ってはほぼゼロとなる。
【0017】回転ストローク中に以上のような第1と第
2の調節手段が同時に作用すると、図4(a)から図4
(b)に至るまでは、第1の調節手段により発生するト
ルクは徐々に低減するものの高トルクが維持され、第2
の調節手段による発生トルクは常に高トルクであるた
め、全体として高トルク領域となる。したがって、この
間の回転ストロークでは蓋Cがゆっくり落下し、商品取
り出し口の商品を手で取り出すのに十分な時間が確保で
き、取り出している最中に蓋Cが腕に当たるのを防止で
きる。一方、図4(b)から図4(c)に至るまでは、
第2の調節手段による発生トルクは依然として回転スト
ローク全般にわたって高トルクであるが、第1の調節手
段により発生するトルクは大きく低減するため、全体と
して発生トルクが急激に低減し終端領域Eが凸部9の上
面と対面する時点ではトルクがほぼゼロとなる。したが
って、商品を取り出した後、蓋Cは水平状態を経て次第
に落下速度を高め、停止位置に至る付近においてトルク
がほぼゼロとなる。その結果、蓋はほぼ垂直状態で商品
取り出し口の下端部に端部を接しこの位置で確実に停止
するので、完全に閉じることができる。なお、発生トル
クが急激に低減するのが回転ストロークの終端領域Eで
あるため、蓋Cが商品取り出し口の端部に急激に衝突し
て衝撃音を発生するようなことはない。
【0018】次に蓋Cを開く際のトルク発生手段の作用
について説明する。上述のように、蓋Cが完全に閉じて
いるときの緩衝装置1の断面状態は図4(c)で示され
る。この状態から蓋Cを持ち上げて開けると、まず回転
部材3は凸条31の右側の端面を弁体4の垂下壁41に
接するまで僅かに図中反時計回りに回転する。さらに回
転を続けると、凸条31の前記右側の端面を垂下壁41
に押圧しながら弁体4を連れ回すようにして、図4
(d)の状態を経て図4(a)の状態で回転が停止す
る。図4(a)の状態では、蓋Cは開き切った状態にあ
るとともに垂直方向より自販機Aの外側に向いて傾斜し
ているため、手などで支えていなければ前述のような作
用によりその自重で自然に落下して閉じる。
【0019】第1の調節手段においては、上述した閉じ
る場合とは逆の過程で以下のようにしてトルクが発生す
る。まず、図4(c)から図4(d)に至るまでの回転
ストロークでは、凸部9の上面と対面しつつこの面上を
通過する第1の溝rの断面積が次第に減少し発生トルク
は次第に増大する。図4(d)から図4(a)に至るま
ででは、凸部9の上面を通過する第1の溝rの断面積が
極めて小さいため高トルクが発生する。第2の調節手段
については、加圧室22側に位置する垂下壁41には切
欠き部qが形成されているため、図4(c)から同
(a)に至る回転ストロークの全般にわたり、切欠き部
qから切欠き部pに通じるバイパス流路が確保される。
したがって、この間の回転ストローク全般において、加
圧室22から減圧室21へと粘性流体5が流動できるの
で、発生トルクは非常に小さいものとなる
【0020】回転ストローク中に以上のような第1と第
2の調節手段が同時に作用すると、第1手段により発生
するトルクは徐々に増加するが、第2手段による発生ト
ルクが回転ストローク全般にわたり低トルクを維持する
ため、この第2手段による低トルクの効果により回転ス
トローク全般が低トルク領域となる。したがって、この
間の回転ストロークではほとんど抵抗力がない状態で、
蓋Cを開けるくことができる。
【0021】以上のような蓋の開閉に伴う発生トルクの
変化を図10に示す。蓋を閉じる場合は、図中(1)で
示すように、図4(a)の状態から同図(b)の状態ま
では高トルクが発生し、これから次第に発生トルクが減
少して図4(c)の状態に至る前で急激に減少しトルク
はほぼゼロとなる。これに対して、蓋を開ける場合に
は、図中(2)で示すように、図4(c)の状態から同
図(d)の状態を経て同図(a)の状態に至る回転スト
ローク全般にわたって、発生するトルクは低い。なお、
図10の縦軸の発生トルクの大きさは任意単位である。
【0022】以上のように、この構成例による緩衝装置
1は、蓋が閉じる方向に回転する際には高トルク発生領
域において蓋の回転に制動力がはたらいてゆっくり閉
じ、回転ストロークの終端領域でトルクがほぼゼロとな
るので蓋を確実に完全に閉じることができる。また、蓋
を開ける際には低トルクとなるため蓋を楽に開けられ
る。
【0023】次に本発明の他の構成例を図6〜図9に基
づいて説明する。図6に示す第2構成例は、流体トルク
調節手段が、凸条31と弁体4から構成される第2の調
節手段と、凸条31と筒状ケーシング2の内周面に設け
られた第2の溝sとからなる第3の調節手段から構成さ
れる。そして、この第2の溝は、始端領域においては高
トルクを発生するように軸方向の断面積を小さくし、回
転ストロークの終端領域においては発生トルクがほぼゼ
ロとなるように断面積を大きくしている。
【0024】図7に示す第3の構成例は、第1構成例に
おいて、凸条31と弁体4から構成される第2の調節手
段を変形した例である。この例の第2の調節手段は、図
9に示すように、回転部材3の外周面から突設された二
つの凸条33、34とこれら凸条の間に形成された凹部
35からなる波状と、この凹部にほぼ下半部を嵌入した
棒状の弁体47とから構成される。そして、一方の凸条
33の頂部中間部には、切欠き部tが形成されている。
図7において、回転部材3が図中時計回りに回転する
と、切欠き部tから凹部35内に流入した粘性流体5は
弁体47を押し上げて、凸条34とケーシング2の内面
との間に形成される隙間を塞ぎ、粘性流体5のバイパス
流路を遮断するため高トルクがを発生する。一方、回転
部材3が図中反時計回りに回転すると、凸条34側から
流入した粘性流体5により弁体47が押し上げられて
も、切欠き部tにより粘性流体のバイパス流路が確保さ
れるので発生するトルクは小さい。なお、この例で、凸
部9と第1の溝rから構成される第1の調節手段は、構
成例1と同様に作用する。
【0025】図8に示す第4の構成例は、上記第3構成
例において示した波状と弁体47とからなる調節手段
を、凸部9の代りにケーシング2の内周面に沿って形成
したものである。この調節手段は、上記第3構成例と同
様に、回転部材3が図中時計回りに回転する際には高ト
ルクを発生し、反時計回りに回転する際には発生するト
ルクは小さい。したがって、凸条31と弁体4からなる
第2の調節手段はなくてもよく、ケーシング2の内周面
に僅かな隙間をもって上面を対向する凸条31があれば
よい。また、この第4構成例では、凸条34又は弁体4
7とケーシング2の内周面に形成された溝rから構成さ
れる調節手段によって、上記第1構成例の第1の調節手
段と同様の効果が得られる。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明の垂下式蓋用緩衝装
置は、請求項1において、筒状ケーシングと、該筒状ケ
ーシング内に一部が収容された回転部材と、前記筒状ケ
ーシング内に充填された粘性流体と、前記回転部材の回
転方向により高トルク又は低トルクを発生させるトルク
発生手段とを備えた緩衝装置において、前記トルク発生
手段は、蓋が閉じる方向での回転部材の回転ストローク
中に、高トルクを発生する領域と、トルクをほぼゼロと
するようにした少なくとも終端領域とを生じせしめる流
体トルク調節手段を備えるようにした。
【0027】したがって、蓋が閉じる方向に回転する際
には高トルクが発生し、蓋の回転に制動力が作用するた
めゆっくり閉じる。このため、このゆっくり落下してい
る間に、片手でも商品取り出し口の商品を取り出すこと
が可能で、取り出している最中に蓋が腕に当たって、例
えば袖の部分をホコリや雨水で汚すのを防止できる。ま
た、少なくとも回転ストロークの終端領域ではトルクを
ほぼゼロとするようにしたので、この領域では蓋に制動
力がはたらかず確実に完全に閉じることができる。な
お、蓋が閉じる方向においては少なくとも高トルク領域
が存在するため、蓋が急激に落下して他の部材との衝突
により衝撃音などを発生することがない。
【0028】また請求項2では、流体トルク調節手段
を、筒状ケーシングの内周面に軸方向に突設した凸部
と、回転部材の外周面に設けた第1の溝とからなるよう
にし、この第1の溝を、回転部材の外周面上の少なくと
も回転ストロークの終端領域において凸部の上面と対面
する部分に設けたので、終端領域においては、第1の溝
を介して凸部の両側の加圧側と減圧側に通じる粘性流体
のバイパス流路が形成されることによってトルクをほぼ
ゼロとすることができ、蓋を確実に閉じることができ
る。
【0029】請求項3では、流体トルク調節手段を、回
転部材の外周面に軸方向に突設した凸条と、筒状ケーシ
ングの内周面に設けられた第2の溝とからなるように
し、この第2の溝を、筒状ケーシングの内周面上の少な
くとも回転ストロークの終端領域において凸条の上面と
対面する部分に設けたので、終端領域においては、第2
の溝を介して凸条の両側の加圧側と減圧側に通じる粘性
流体のバイパス流路が形成されてトルクをほぼゼロとす
ることができ、蓋を確実に閉じることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本垂下式蓋用緩衝装置を自販機に取付けた状態
を示す斜視図
【図2】本垂下式蓋用緩衝装置の第1構成例の内部構造
を示す断面図
【図3】第1構成例の回転部材と弁体の構造を示す分解
斜視図
【図4】第1構成例の流体トルク調節手段の作用を示す
断面図
【図5】第1構成例の変形例において、流体トルク調節
手段の作用を示す断面図
【図6】第2の構成例の流体トルク調節手段の作用を示
す断面図
【図7】第3の構成例の流体トルク調節手段の作用を示
す断面図
【図8】第4の構成例の流体トルク調節手段の作用を示
す断面図
【図9】第3構成例の回転部材とトルク調整手段の構造
を示す分解斜視図
【符号の説明】
1・・緩衝装置、2・・筒状ケーシング、3・・回転部
材、31・・凸条、5・・粘性流体、9・・凸部、C・
・蓋、D・・軸、E・・終端領域、r・・第1の溝、s
・・第2の溝。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年3月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本垂下式蓋用緩衝装置を自販機に取付けた状
態を示す斜視図
【図2】 本垂下式蓋用緩衝装置の第1構成例の内部構
造を示す断面図
【図3】 第1構成例の回転部材と弁体の構造を示す分
解斜視図
【図4】 第1構成例の流体トルク調節手段の作用を示
す断面図
【図5】 第1構成例の変形例において、流体トルク調
節手段の作用を示す断面図
【図6】 第2の構成例の流体トルク調節手段の作用を
示す断面図
【図7】 第3の構成例の流体トルク調節手段の作用を
示す断面図
【図8】 第4の構成例の流体トルク調節手段の作用を
示す断面図
【図9】 第3構成例の回転部材とトルク調整手段の構
造を示す分解斜視図
【図10】 回転部材の回転ストロークに対する発生ト
ルクの変化を示すグラフ
【符号の説明】 1・・緩衝装置、2・・筒状ケーシング、3・・回転部
材、31・・凸条、5・・粘性流体、9・・凸部、C・
・蓋、D・・軸、E・・終端領域、r・・第1の溝、s
・・第2の溝。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略水平に設けられた軸により枢支され垂
    下している蓋用の緩衝装置であって、筒状ケーシング
    と、該筒状ケーシング内に一部が収容された回転部材
    と、前記筒状ケーシング内に充填された粘性流体と、前
    記回転部材の回転方向により高トルク又は低トルクを発
    生させるトルク発生手段とを備えた緩衝装置において、 前記トルク発生手段は、蓋が閉じる方向での回転部材の
    回転ストローク中に、高トルクを発生する領域と、トル
    クをほぼゼロとするようにした少なくとも終端領域とを
    生じせしめる流体トルク調節手段を備えることを特徴と
    する緩衝装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の緩衝装置において、前
    記流体トルク調節手段は、前記筒状ケーシングの内周面
    に軸方向に突設した凸部と、前記回転部材の外周面に設
    けた第1の溝とからなり、該第1の溝は、前記回転部材
    の外周面上の少なくとも前記回転ストロークの終端領域
    において前記凸部の上面と対面する部分に設けられてい
    ることを特徴とする緩衝装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の緩衝装置
    において、前記流体トルク調節手段は、前記回転部材の
    外周面に軸方向に突設した凸条と、前記筒状ケーシング
    の内周面に設けられた第2の溝とからなり、該第2の溝
    は、前記筒状ケーシングの内周面上の少なくとも前記回
    転ストロークの終端領域において前記凸条の上面と対面
    する部分に設けられていることを特徴とする緩衝装置。
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