JP2004102656A - 緩衝装置及びそれを具備する自動販売機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この緩衝装置は、ピストン3に固定されずに保持されると共に、ばね4の付勢力によりロータ2に形成されるカム面2cに当接して設けられ、ロータ2の回転に伴いカム面2cに沿って転動する転動部材6を備え、且つカム面2cが、ロータ2の一方向への回転ストローク中に、傾斜角度が異なる2つの斜面2d,2eを有する。従って、制御対象物の一方向への回転動作中に、該制御対象物に対して、大きさの異なる制動力を付与することができる。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、回転動作する制御対象物に制動力を付与する緩衝装置及びそれを具備する自動販売機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、缶入り飲料などの自動販売機には、商品取り出し口に上下方向に回動する板状の蓋が取り付けられている。この蓋は、上端が商品取り出し口の枠に支持され、商品取り出し口から商品を取り出す際には、自由端である下端が手前に引き上げられて開放される。そして、この蓋に添えられている手を離すと、蓋は自重により下方向に回動し、下端が商品取り出し口の枠に衝突して閉じるようになっている。
【0003】
従来、この蓋を閉じる際に、蓋の下端が商品取り出し口の枠に衝突することにより発生する衝撃音を小さくし、また蓋の破損を防止するために、蓋の閉方向への回転速度を減速させる緩衝装置を用いることが提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−15363号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の蓋の閉方向への回転速度を単に減速させることを目的とした緩衝装置を備えていても、上記の蓋は、上述したように手を離すと自重により直ちに下方向に回動してしまうため、商品取り出し口から商品を取り出すときに邪魔になる。このため、別の手で蓋を支えるか、蓋を余分に大きく開いて蓋が落下してくる間を見計らって素早く取り出す必要があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、制御対象物の一方向への回転動作中に、該制御対象物に対して、大きさの異なる制動力を付与することができる緩衝装置を提供することを課題とする。また、本発明は、商品取り出し口に開閉可能に設けられる蓋の下方向への回転動作初期に、該蓋に対して大きな制動力を与えて該蓋の回転速度を減速せしめ、その後は、該蓋に対して全閉時に衝撃音が生じない程度の小さな制動力を与えて該蓋の回転速度を減速せしめることができる緩衝装置を備えた自動販売機を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明は、ケーシング内に設けられるロータと、該ロータと前記ケーシングの底部との間に形成される室内に充填される流体と、前記室を2つの室に区画すると共に、この2つの室を連通するオリフィスを有するピストンと、該ピストンを前記ケーシングの底部から離間させる方向へ付勢するばねと、前記流体が抵抗を生じることなく通過可能に前記ピストンに形成される通路と、該通路に設けられる逆止弁と、前記ロータ又は前記ピストンのいずれか一方に固定されずに保持されると共に、前記ばねの付勢力により前記ロータ又は前記ピストンのいずれか他方に形成されるカム面に当接して設けられ、前記ロータの回転に伴い前記カム面に沿って転動する転動部材とを備え、且つ前記カム面が、前記ロータの一方向への回転ストローク中に、傾斜角度が異なる2以上の斜面を有することを特徴とする緩衝装置を提供する。
請求項2に記載の本発明は、前記ピストンが前記ばねの付勢力に抗して前記ケーシングの底部側へ移動したときに、前記流体が前記オリフィスのみを通じて前記ピストンに区画された2つの室間を移動し得るようにするためのシール部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の緩衝装置を提供する。
請求項3に記載の本発明は、前記オリフィスが、前記逆止弁により閉塞されることがないように前記通路の内壁に形成された溝からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の緩衝装置を提供する。
請求項4に記載の本発明は、商品取り出し口に開閉可能に設けられる蓋と、該蓋の上下方向への回転動作を制御する緩衝装置とを有する自動販売機であって、前記緩衝装置が、ケーシング内に設けられるロータと、該ロータと前記ケーシングの底部との間に形成される室内に充填される流体と、該流体が充填された室内を2つの室に区画すると共に、この2つの室を連通するオリフィスを有するピストンと、該ピストンを前記ケーシングの底部から離間させる方向へ付勢するばねと、前記流体が抵抗を生じることなく通過可能に前記ピストンに形成される通路と、該通路に設けられる逆止弁と、前記ロータ又は前記ピストンのいずれか一方に固定されずに保持されると共に、前記ばねの付勢力により前記ロータ又は前記ピストンのいずれか他方に形成されるカム面に当接して設けられ、前記ロータの回転に伴い前記カム面に沿って転動する転動部材とを備え、且つ前記カム面が、前記ロータの一方向への回転ストローク中に、傾斜角度が異なる2以上の斜面を有することを特徴とする自動販売機を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1は、本発明の一の実施の形態に係る緩衝装置を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A部断面図、(c)はB−B部断面図である。この図に示したように、本実施形態に係る緩衝装置は、ケーシング1、ロータ2、ピストン3、ばね4、逆止弁5及び転動部材6を備えて構成される。
【0009】
ケーシング1は、有底略円筒状の本体部1aと、該本体部1a一端側の開口部を閉塞する閉塞部1bを有して構成される。ケーシング1の底部1c(本体部1aの底部)中央には、後述するピストン3がケーシング1内で軸方向に移動する際のガイドとして機能するボトム部材7が設けられている。
【0010】
ロータ2は、ケーシング1内に回転自在に設けられる本体部2aと、この本体部2aと一体に成形され、ケーシング1の閉塞部1bに設けられた孔部からケーシング1外へ突出する軸部2bとを有して構成される。本体部2aの底面側には、図2に示したように、カム面2cが形成されている。このカム面2cは、同一円周上に2箇所設けられており、各カム面2cは、それぞれ傾斜角度の異なる連続した2つの斜面2d,2eを有する。2つの斜面2d,2eのうち、一方の斜面2dは傾斜角度の大きい急斜面とされ、他方の斜面2eは傾斜角度の小さい緩斜面とされている。
【0011】
このロータ2には、また、本体部2aの底面側略中央に、アキュムレータ8が設けられている(図1(b)及び(c)参照)。アキュムレータ8は、温度の上昇により膨張する流体を一時的に蓄積する役割を担うものである。これにより、温度の上昇により流体が膨張することによって生じる流体の漏れ等を防ぐことができる。
【0012】
ケーシング1内におけるロータ2とケーシング1の底部1cとの間には、軸方向に移動する後述のピストン3を収容可能な室9が形成され、この室9内には、流体が充填される。流体としては、例えば、シリコンオイルなどを用いることができる。
【0013】
ピストン3は、一端側が端壁3aにより閉塞されると共に、その外周面がケーシング1の内周面に摺接し得る外径を有し、且つその内周面がボトム部材7の外周面に摺接し得る内径を有する略円筒状に形成されている。
【0014】
このピストン3は、上記室9内に設けられ、該室9を2つの室、すなわち、ピストン3の他端側開口部からピストン3内に挿入して配置されるボトム部材7の端部とピストン3の端壁3aとの間に形成される第1の室9a、及びロータ2とピストン3との間に形成される第2の室9bに区画する。
【0015】
ピストン3の内周面に摺接するボトム部材7の端部外周には、ピストン3が後述するばねの付勢力に抗してケーシング1の底部1c側へ移動したときに、流体が後述するオリフィス3fのみを通じてピストン3に区画された第1及び第2の室9a,9b間を移動し得るようにするためのシール部材10が設けられている。
【0016】
ピストン3の端壁3aには、ピストン3の一端側に開口する小孔部3bと、該小孔部3bよりも大きい内径を有する大孔部3cとからなり、端壁3aを軸方向に貫通する通路3dが形成されている。通路3dの大孔部3c内には、球状の逆止弁5が設けられている。この逆止弁5は、流体が第1の室9aから第2の室9bへ移動する場合には、大孔部3c内へ流入した流体の圧力を受けて移動し、小孔部3bと大孔部3cとの境界部に押し当てられて、通路3dを閉鎖する。これにより、流体は通路3dを通過して第2の室9bへ移動できなくなる。また、逆止弁5は、流体が第2の室9bから第1の室9aへ移動する場合には、小孔部3b内へ流入した流体の圧力を受けて移動し、大孔部3cの開口部に設けられた脱落防止用のストッパ3eに当接して、通路3dを開放する。これにより、流体は通路3dを通過して第1の室9aへ移動することができる。
【0017】
通路3dの小孔部3bは、流体が小孔部3bを通過して第2の室9bから第1の室9aへ移動する際に、流体の抵抗を殆ど発生させない程度の内径を有する。従って、上記のように第2の室9bから第1の室9aへ移動する流体は、抵抗を生じることなく通路3dを通過することができる。
【0018】
また、小孔部3bの内壁には、軸方向に沿って形成された溝からなり、第1の室9aと第2の室9bを連通させるオリフィス3fが設けられている(図1(c)参照)。このオリフィス3fは、上記のように逆止弁5が小孔部3bと大孔部3cとの境界部に押し当てられて通路3dを閉鎖した場合でも、その逆止弁5によって閉塞されることがないように形成される。従って、この場合に、流体はオリフィス3fを通じて第2の室9bへ移動することになるので、その際に抵抗を生ずることとなる。
【0019】
ばね4は、第1の室9a内において、一端側がピストン3の端壁3aに支持され、他端側がボトム部材7に支持されたコイルばねからなり、ピストン3をケーシング1の底部1cから離間させる方向へ付勢している。
【0020】
転動部材6は、円柱状のローラからなり、ピストン3の一端側に形成された凹部3g内に固定されることなく入れられて、位置ずれなどが生じないように保持されている。このように転動部材6は、固定されずに設けられるため、組み付けが容易である。なお、転動部材6としては、球状のボールや環状の車輪などを用いることもできる。
【0021】
また、転動部材6は、ロータ2とピストン3との間において、ピストン3を付勢するばね4の付勢力により、ロータ2に形成されたカム面2cに当接し、ロータ2の回転に伴いカム面2cに沿って転動するように設けられている。このように転動部材6は、カム面2cに沿って転動するため、カム面2cとの摩擦を小さくすることができる。従って、カム面同士又はカム面と単なる突起との組み合わせからなるカム機構に比べてカム面2cの摩耗を少なくすることができる。また、ロータ2を円滑に回転させることができ、さらに、ピストン3の往復動を一定にできるので、特性の安定を図ることが可能となる。
【0022】
なお、本実施形態では、ロータ2にカム面2cを形成し、ピストン3側に転動部材6を設けているが、ピストン3にカム面2cを形成し、ロータ2側に転動部材6を設けた構成を採用することもできる。
【0023】
次に、図3に基づいて上記のように構成される緩衝装置の作用を説明する。
まず、ピストン3が最もロータ2寄りに位置するときに、転動部材6は、カム面2cが形成されるロータ2の窪みの底部2f(図2及び図3参照)に当接して配置される。この状態からロータ2が一方向に回転すると、転動部材6は、カム面2cの一方の斜面2dに沿って転動する。これにより、ロータ2の回転がピストン3の軸方向への移動に変換され、ピストン3は、ケーシング1の底部1c側にばね4を圧縮しつつ移動する。この際、カム面2cの一方の斜面2dは急斜面となっているため、ロータ2の回転角度が小さくてもピストン3の移動距離は長いものとなり、またピストン3の移動速度も速いものとなる。また、ピストン3がケーシング1の底部1c側へ移動することにより、第1の室9a内の流体がピストン3に形成された通路3dの大孔部3c内に流入して逆止弁5を押圧する。これにより、逆止弁5は、通路3dの小孔部3bと大孔部3cとの境界部に押し当てられて通路3dを閉鎖する。一方、オリフィス3f(図1(c)参照)は、逆止弁5が通路3dを閉鎖した場合でも、その逆止弁5によって閉塞されないように形成されているため、第1の室9a内の流体は、オリフィス3fを通じて第2の室9b内に流入することになる。また、本実施形態では、ピストン3がばね4の付勢力に抗してケーシング1の底部1c側へ移動したときに、流体がオリフィス3fのみを通じてピストン3に区画された第1及び第2の室9a,9b間を移動し得るようにするためのシール部材10が設けられているため、この場合に流体は、オリフィス3fのみを通じて第2の室9b内に流入することになる。従って、緩衝装置は、転動部材6がカム面2cの一方の斜面2dに沿って転動している間は、大きな制動力を発揮することになる。
【0024】
ロータ2がさらに一方向に回転すると、転動部材6は、カム面2cの他方の斜面2eに沿って転動する。これにより、ピストン3は、ケーシング1の底部1c側にばね4を圧縮しつつ移動するが、この際、カム面2cの他方の斜面2eは緩斜面となっているため、ロータ2の回転角度が大きくてもピストン3の移動距離は短いものとなり、またピストン3の移動速度も遅いものとなる。このため、第1の室9a内の流体がオリフィス3fのみを通過して第2の室9b内に流入することになっても、緩衝装置は、転動部材6がカム面2cの他方の斜面2eに沿って転動している間は、転動部材6がカム面2cの一方の斜面2dに沿って転動するときよりも小さな制動力を発揮することになる。
【0025】
そして、ロータ2がさらに一方向に回転することによって、転動部材6がロータ2の窪みを脱して平坦な面2gを転動するときには、ロータ2の回転がピストン3の軸方向への移動に変換されず、流体の移動が生じないため、緩衝装置は、制動力を発揮しなくなる。
【0026】
このように本実施形態に係る緩衝装置によれば、カム面2cが、ロータ2の一方向への回転ストローク中に、傾斜角度が異なる2つの斜面2d,2eを有するため、ロータ2の一方向への回転ストローク中に、大きさの異なる制動力を発揮することができる。また、カム面2cを構成する2つの斜面2d,2eの傾斜角度を変更することにより、ピストン3の移動距離及び移動速度が変わるため、ロータ2のみを交換することによって制動力の大きさを容易に変えることができる。また、上記シール部材10を有するため、第1の室9aから第2の室9bへ移動する流体はオリフィス3fのみを通過することになるので、大きな制動力を発揮することが可能である。また、ロータ2の回転をピストン3の軸方向への移動に変換する構成とし、ピストン3が移動を開始した直後から流体の圧力を生じさせることができるので、ロータ2の遊びを少なくし、ロータ2が回転を開始した直後から所定の制動力を発揮することができる。また、流体の粘性のみに依存しないで流体の抵抗を発生させる構造であるため、流体の粘度変化による特性の変化が少ない。
【0027】
一方、ロータ2が逆方向に回転するときには、ピストン3がばね4の付勢力によりケーシング1の底部1cから離間する方向へ移動しようとすることにより、転動部材6が上記とは逆の経路でカム面2cに沿って転動すると共に、ピストン3がばね4の付勢力によりケーシング1の底部1cから離間する方向へ移動する。この際、第2の室9b内の流体は、ピストン3に形成された通路3dの小孔部3b内に流入して逆止弁5を押圧する。これにより、逆止弁5は、小孔部3bと大孔部3cとの境界部から離間する方向へ移動し、大孔部3cの開口部に設けられた脱落防止用のストッパ3eに当接して、通路3dを開放する。このため流体は、通路3dを通過して第1の室9a内に流入することになるので、抵抗を殆ど生じない。従って、この場合に緩衝装置は、ロータ2の回転に影響を与える程の制動力を発揮しない。
【0028】
また、本実施形態に係る緩衝装置によれば、オリフィス3fが、逆止弁5により閉塞されることがないように通路3dを構成する小孔部3bの内壁に形成された溝からなるため、仮にオリフィス3f内に流体の通過の障害となる物(塵等)が存在していても、上記のように通路3dを通過する流体によってその障害物を除去することができる。従って、従来の小孔からなるオリフィスのように、オリフィスに障害物が詰まって流体の通過が困難になったり、あるいは流体の通過が不能になったりする不具合を解消することができる。
【0029】
本実施形態に係る緩衝装置を、例えば、缶入り飲料などの自動販売機に適用した場合には、図4に示したように、ケーシング1が自動販売機本体11に固定されると共に、ロータ2が自動販売機の商品取り出し口12に設けられた蓋13に連結されて使用される。
【0030】
自動販売機を利用して商品を購入する者は、蓋13の下端を手前に引き上げて蓋13を開け、商品取り出し口12から自動販売機の商品払出部14に手を差し入れて、商品を取り出す。この際、蓋13は、商品を取り出そうとする手とは別の手で支えられていなければ、全開位置Pから全閉位置Qの方向に回転し始めるが、その回動初期の回転角度範囲(全開位置Pから位置Rに至るまでの範囲)では、緩衝装置の転動部材6がカム面2cの一方の斜面2dに沿って転動するため、緩衝装置は、蓋13に対して大きな制動力を付与して、蓋13の回転速度を非常に遅くすることができる。具体的には、例えば、図5に示したように、全開位置Pの蓋13の開度が135度とすると、蓋13が全開位置Pから蓋13の開度が約110度の位置Rに至るまでに約2秒間要するように、蓋13を減速させることができる。従って、購入者は、蓋13を別の手で支えていなくても、この時間内に商品を取り出すことができる。
【0031】
蓋13の開度が約110度の位置から蓋13の開度が0度の全閉位置Qに至るまでの回転角度範囲では、緩衝装置の転動部材6がカム面2cの他方の斜面2eに沿って転動するため、緩衝装置は、蓋13に対して全閉時に衝撃音が生じない程度の小さな制動力を付与して、蓋13の回転速度を遅くすることができる。具体的には、蓋13の開度が約110度の位置から蓋13の開度が0度の全閉位置Qに至るまでに約4秒間要するように、蓋13を減速させることができる。従って、蓋13は、購入者の手が添えられていなくても、商品取り出し口12の枠に当接した際に衝撃音を発生させることなく静かに閉じる。
【0032】
一方、蓋13を開けるときには、その蓋13が全閉位置Qから全開位置Pに至るまでの回転動作に伴って、緩衝装置のロータ2が上記とは逆方向に回転するため、緩衝装置は、蓋13に対して、その回転動作に影響を与える程の制動力を発揮しない。従って、購入者は、蓋13を小さい力で開けることができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る緩衝装置によれば、制御対象物の一方向への回転動作中に、該制御対象物に対して、大きさの異なる制動力を付与することができる。また、本発明によれば、商品取り出し口に開閉可能に設けられる蓋の下方向への回転動作初期に、該蓋に対して大きな制動力を与えて該蓋の回転速度を減速せしめ、その後は、該蓋に対して全閉時に衝撃音が生じない程度の小さな制動力を与えて該蓋の回転速度を減速せしめることができる緩衝装置を備えた自動販売機を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一の実施の形態に係る緩衝装置を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A部断面図、(c)はB−B部断面図である。
【図2】図2は、上記実施形態において採用されたロータを示す図であり、(a)は右側面図、(b)は底面図である。
【図3】図3は、上記実施形態に係る緩衝装置の作用を説明するための図である。
【図4】図4は、上記実施形態に係る緩衝装置を自動販売機に適用した例を示す図である。
【図5】図5は、上記実施形態に係る緩衝装置が適用された自動販売機の蓋の開度と回動時間との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 ロータ
3 ピストン
4 ばね
5 逆止弁
6 転動部材
7 ボトム部材
8 アキュムレータ
9 室
10 シール部材
11 自動販売機本体
12 商品取り出し口
13 蓋
14 商品払出部
Claims (4)
- ケーシング内に設けられるロータと、該ロータと前記ケーシングの底部との間に形成される室内に充填される流体と、前記室を2つの室に区画すると共に、この2つの室を連通させるオリフィスを有するピストンと、該ピストンを前記ケーシングの底部から離間させる方向へ付勢するばねと、前記流体が抵抗を生じることなく通過可能に前記ピストンに形成される通路と、該通路に設けられる逆止弁と、前記ロータ又は前記ピストンのいずれか一方に固定されずに保持されると共に、前記ばねの付勢力により前記ロータ又は前記ピストンのいずれか他方に形成されるカム面に当接して設けられ、前記ロータの回転に伴い前記カム面に沿って転動する転動部材とを備え、且つ前記カム面が、前記ロータの一方向への回転ストローク中に、傾斜角度が異なる2以上の斜面を有することを特徴とする緩衝装置。
- 前記ピストンが前記ばねの付勢力に抗して前記ケーシングの底部側へ移動したときに、前記流体が前記オリフィスのみを通じて前記ピストンに区画された2つの室間を移動し得るようにするためのシール部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の緩衝装置。
- 前記オリフィスが、前記逆止弁により閉塞されることがないように前記通路の内壁に形成された溝からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の緩衝装置。
- 商品取り出し口に開閉可能に設けられる蓋と、該蓋の上下方向への回転動作を制御する緩衝装置とを有する自動販売機であって、前記緩衝装置が、ケーシング内に設けられるロータと、該ロータと前記ケーシングの底部との間に形成される室内に充填される流体と、該流体が充填された室内を2つの室に区画すると共に、この2つの室を連通するオリフィスを有するピストンと、該ピストンを前記ケーシングの底部から離間させる方向へ付勢するばねと、前記流体が抵抗を生じることなく通過可能に前記ピストンに形成される通路と、該通路に設けられる逆止弁と、前記ロータ又は前記ピストンのいずれか一方に固定されずに保持されると共に、前記ばねの付勢力により前記ロータ又は前記ピストンのいずれか他方に形成されるカム面に当接して設けられ、前記ロータの回転に伴い前記カム面に沿って転動する転動部材とを備え、且つ前記カム面が、前記ロータの一方向への回転ストローク中に、傾斜角度が異なる2以上の斜面を有することを特徴とする自動販売機。
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