JPH057338Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、美容院や一般家庭などで用いられる
シヤワー栓の保持装置に関するものである。

〔従来の技術〕

上記のようなシヤワー栓の保持装置として、従
来では例えば実公昭63−6283号公報で、使用者の
希望する最適な高さ位置でシヤワーヘツドを移動
し固定することができるシヤワー栓の保持装置が
考案されている。

このシヤワー栓の保持装置は、シヤワー栓の高
さ調整を可能とするために、ガイドレールを壁に
垂直に取り付け、そのガイドレールに、両端にガ
イドレール貫通穴を設けた復原性のある物質で作
られた、自在型ハンドシヤワーヘツド支持金物を
弓状に曲げて挿入している。そしてこの弓状に曲
げられた支持金物にはつまみが設けられており、
このつまみを適当な力でつまむことにより、曲げ
られた支持金物をさらに少し湾曲させることによ
り、この保持部材がガイドレールに沿つて移動可
能となる。

また、実公昭62−19734号公報では、シヤワー
ヘツドの基部を洗面台、化粧台または流し台など
の天板に管座金を介して収出自在に支持するとと
もに、前記管座金を延長した外筒内に前記基部に
連結した二重構造の内筒を弾力的に、かつ煽動自
在に介在させ、前記管座金に締め輪を有するロツ
クナツトを軸方向の変位自在に、かつ弾力的に係
合させ、前記ロツクナツトの操作により前記基部
を緩めたり締めたりし、前記吐出ヘツドの高さを
調節自在にし、吐出ヘツドの位置決めにロツクナ
ツトを締めつけるようにしたシヤワーヘツドの吐
出高さ調節装置も考案されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、前者の考案では、まず、壁構造の表
面が化粧板により形成されている場合などは、ガ
イドレールの取り付けによつて壁面を著しく損傷
させ、見栄えが悪くなるなどの不都合があり、後
者の考案では、構造が非常に複雑で加工が施しに
くく、また、組み立ても複雑なので、全体的にコ
ストが高くつき、しかも、後者の考案はシヤワー
ヘツドの基部の高さ調節をするものなので、シヤ
ワーヘツドのみを直接手にもつて、洗面器を洗浄
することはできない等の使い勝手が悪くなるなど
の問題があつた。

本考案は、上記の実情に鑑みて案出されたもの
であつて、極めて簡単な改良によつて上記の不都
合を解消することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために本考案は、水栓の
吐水口に可撓管を介してシヤワー栓を連通連結
し、このシヤワー栓を係脱自在に保持するホルダ
ーを支持杆の上部に連設し、該支持杆を水受けボ
ール奥側部分に上下移動自在に貫通させると共
に、該支持杆の上下位置を変更自在に固定するた
めの固定機構を設け、かつ、当該固定機構を構成
するに、支持杆を挿通するための切欠部を有する
平板状のストツパー部材を前記支持杆の軸線方向
に揺動自在に設けると共に、該ストツパー部材の
切欠部周辺を前記支持杆の外面部に付勢係止させ
るためのスプリングを設け、かつ、当該ストツパ
ー部材の前記付勢係止を解除するための操作片を
該ストツパー部材に一体的に連設してある点に特
徴を有する。

〔作用〕

上記の特徴構成によれば、可撓管を介して水栓
の吐水口に連通連設されているシヤワー栓が、ホ
ルダーに保持された姿勢のまま上下に位置変更固
定される。

このシヤワー栓の位置固定は、平板状のストツ
パー部材が支持杆の外面部に付勢係止して拗れの
応力が支持杆に付与されることで達成され、かつ
位置固定の解除は、操作具によつて前記ストツパ
ー部材を揺動させて該ストツパー部材の支持杆に
対する付勢係止を解除し、前記拗れの応力を支持
杆から取り除くことで達成される。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図はシヤワーユニツトＵの全体を分解して
示し、第２図は一部を破断した主要部を示すもの
であつて、図において、１は陶器製等の水受けボ
ールで、該水受けボール１の略水平の奥側部分１
ａには２個の貫通孔ａ，ｂが形成されている。

２は湯水混合用の水栓、３は可撓管４を介して
前記水栓２の吐水口２ａに連通連結されたシヤワ
ー栓、５はシヤワー栓保持装置である。

前記水栓２の本体２ｂには前記貫通孔ａ，ｂに
挿通される筒状部材６，７が螺設されていて、該
筒状部材６，７を前記貫通孔ａ，ｂに上方から挿
通すると共に、夫々座金ｃとバネ座金ｄを介して
ナツトｅを螺合して、当該水栓２を前記水受けボ
ール１の奥側部分１ａに固定してある。

前記シヤワー栓保持装置５は、一方の筒状部材
６に対して上下移動自在に挿通される薄肉パイプ
製の支持杆８と、該支持杆８の上下位置を変更自
在に固定するための固定機構９と、前記支持杆８
の上方への抜け止めを司る抜け止め機構１０、及
び、前記支持杆８の上部に連設されたシヤワー栓
ホルダー１１から成る。

前記固定機構９は第３図乃至第５図に示すよう
に構成されている。即ち、前記支持杆８の外径よ
りもやゝ大なる内径の切欠部をして貫通孔１２を
金属製の板状部材１３に形成すると共に、該板状
部材１３に操作具１４を連設し、かつ、この操作
具１４に操作つまみ１５を設けると共に、前記板
状部材１３に対して操作具連設部近傍とこれとは
反対側の部位に２個のビス挿通孔ｆを穿設して、
ストツパー部材１６を構成する一方、該ストツパ
ー部材１６の前記つまみ１５と２個のビス挿通孔
ｆ及び貫通孔１２の夫々に対応する固定つまみ１
７とネジ孔ｇ及び貫通孔１８を固定部材１９に形
成し、かつ、前記水栓本体２ｂの前記一方の筒状
部材６の螺合部近傍にも前記２個のビス挿通孔ｆ
と貫通孔１２の夫々に対応するビス挿通孔ｈと貫
通孔２０を形成すると共に、該水栓本体２ｂの一
方のビス挿通孔ｈの上面部を他方のビス挿通孔ｈ
の上面部よりもやゝ高く形成してある。

そして、前記水栓本体２ｂに対する一方の筒状
部材６の螺合に先立つて、当該水栓本体２ｂのビ
ス挿通孔ｈに下方からビスｉを挿通すると共に、
該ビスｉに前記ストツパー部材１６のビス挿通孔
ｆを外嵌合させ、かつ、前記つまみ１５側のビス
ｉにコイルスプリングから成る付勢手段２１を嵌
合させた状態で、前記固定部材１９のネジ孔ｇに
前記ビスｉを螺合させてある。

而して、前記一方のビス挿通孔ｈの上面部が他
方よりもやゝ高く、かつ、他方のビス挿通孔ｈ側
のストツパー部材１６に前記付勢手段２１による
付勢力が付与されていることで、第３図に示すよ
うに、前記ストツパー部材１６が傾斜状態になつ
て当該ストツパー部材１６の貫通孔１２の一部ｊ
が前記支持杆８の外面部に付勢係合し、これによ
つて前記支持杆８に拗れの応力が付与されること
で、当該支持杆８ひいては該支持杆上部のホルダ
ー１１に保持されたシヤワー栓３の上下移動が阻
止される。

そして、前記つまみ１５と固定つまみ１７を合
わせ握つて、前記付勢手段２１に抗して操作具１
４を持ち上げるように前記ストツパー部材１６を
揺動させることで、第４図に示すように、前記支
持杆８の外面部に対するストツパー部材１６の付
勢係止による前記拗れ応力の付与が解除され、而
して、前記両つまみ１５，１７を握つた状態で前
記支持杆８ひいてはシヤワー栓３の上下位置を任
意高さに変更することができる。

尚、実施例では、前記ストツパー部材１６に切
欠部として貫通孔１２を形成して、該貫通孔１２
の一部ｊを支持杆８の外面部に付勢係止させてい
るが、第６図に示すように、切欠部の構成は貫通
孔１２に代えて前記ストツパー部材１６にコの字
状の係止部２２を形成し、このコの字状係止部２
２の一部を支持杆８の外面部に付勢係止させる構
成とするも良く、あるいはストツパー部材１６し
て、第７図に示すように、一端側に操作具１４が
連設されたストツパー部材１６の中間部ｍを枢支
保持させると共に、該ストツパー部材１６の他端
側を支持杆８の外面部に付勢係止させるように付
勢手段２１を設ける等の変形が可能である。尚、
第７図において、第３図の構成部品に対応する部
材に同符号を付してその説明を省略する。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によるシヤワー栓の
保持装置によれば、長い可撓管を介してシヤワー
栓を水栓に接続しても、支持杆を上下に位置変更
することで、壁面に傷を付けることなく、前記シ
ヤワー栓を任意の高さ位置に方向性を定めた状態
で位置固定でき、而して、シヤワー栓を手で支え
持たなくても、当該シヤワー栓を高位置に在らし
めて例えば洗髪したり、シヤワー栓を低位置に在
らしめて例えば洗顔したりすることが容易とな
り、しかも、該シヤワー栓をホルダーから外すこ
とで水受けボールの洗浄等も容易に行え、シヤワ
ー栓の使い勝手を良化させることができる。

そして、前記シヤワー栓の固定は、前記支持杆
に対するストツパー部材の付勢係止による拗れ応
力の付与によつて達成され、かつ固定の解除は、
前記付勢係止を解除して前記拗れの応力を支持杆
から取り除くことで達成されるものであつて、固
定機構そのものが構成的に簡単であると共に、該
支持杆の固定ならびに固定解除の操作を簡単かつ
迅速に行え、全体として、極めて簡単な改良によ
つて、シヤワー栓の使い勝手を大幅に向上できる
に至つたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はシヤワーユニツト全体の分解斜視図、
第２図は一部を破断した要部の側面図、第３図は
固定機構の断面図、第４図は固定解除状態への切
り換え説明図、第５図はストツパー部材の斜視図
である。第６図はストツパー部材の別実施例の斜
視図、第７図は固定機構の別実施例の断面図であ
る。第８図は従来のシヤワーユニツトの斜視図で
ある。 １……水受けボール、１ａ……奥側部分、２…
…水栓、２ａ……吐水口、３……シヤワー栓、４
……可撓管、８……支持杆、９……固定機構、１
１……ホルダー、１６……ストツパー部材、２１
……付勢手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水栓の吐水口に可撓管を介してシヤワー栓を連
   通連結し、このシヤワー栓を係脱自在に保持する
   ホルダーを支持杆の上部に連設し、該支持杆を水
   受けボール奥側部分に上下移動自在に貫通させる
   と共に、該支持杆の上下位置を変更自在に固定す
   るための固定機構を設け、かつ、当該固定機構を
   構成するに、支持杆を挿通するための切欠部を有
   する平板状のストツパー部材を前記支持杆の軸線
   方向に揺動自在に設けると共に、該ストツパー部
   材の切欠部周辺を前記支持杆の外面部に付勢係止
   させるためのスプリングを設け、かつ、当該スト
   ツパー部材の前記付勢係止を解除するための操作
   片を該ストツパー部材に一体的に連設してあるこ
   とを特徴とするシヤワー栓の保持装置。