JPH0682981A - フイルム一体式カメラ - Google Patents

フイルム一体式カメラ

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JPH0682981A
JPH0682981A JP25346592A JP25346592A JPH0682981A JP H0682981 A JPH0682981 A JP H0682981A JP 25346592 A JP25346592 A JP 25346592A JP 25346592 A JP25346592 A JP 25346592A JP H0682981 A JPH0682981 A JP H0682981A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 支持体が薄くしかも高温下で巻きぐせがつき
にくく、フイルムの舌端抜出作業を改良し、現像処理ム
ラ、後端折れが発生せず、耐接着性に優れたフイルム一
体式カメラを提供する。 【構成】 パトローネ6から引き出した未露光フイルム
8を巻き込んでサプライ室4に装填し、空のパトローネ
を巻き上げ室5に装填してなり、前記未露光フイルムを
撮影ごとにサプライ室から引き出し、パトローネ内に巻
き上げるように構成してなるフイルム一体式カメラにお
いて、前記フイルムの支持体がポリエステル系支持体で
あり、ガラス転移温度が90℃以上200℃以下で、且
つ該ポリエステル支持体が50℃以上ガラス転移温度以
下の温度で熱処理され、かつフイルムのバック面あるい
は乳剤面の少なくとも一方にマット剤を含有した未露光
フイルムを装填されたフイルム一体式カメラ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に支持体が薄くしか
も高温下で巻きぐせがつきにくくしかもフイルムの舌端
抜出作業を容易にし、現像処理ムラ、後端折れを発生さ
せず更に耐接着性に優れたフイルム一体式カメラに関す
る。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料は一般的に、プラスチック
フイルム支持体上に少なくとも1層の写真感光性層を塗
布することによって製造される。このプラスチックフイ
ルムとしては一般的にトリアセチルセルロース(以下
「TAC」と記す)に代表される繊維系のポリマーとポ
リエチレンテレフタレート(以下「PET」と記す)に
代表されるポリエステル系のポリマーが使用されてい
る。
【0003】一般に写真感光材料としては、Xレイ用フ
イルム、製版用フイルム及びカットフイルムの如くシー
ト状の形態のものと、ロールフイルムの代表的なもの
は、35m/m巾又はそれ以下の巾でパトローネ内に収
められており、一般のカメラに装填して撮影に用いるカ
ラー又は黒白ネガフイルムである。
【0004】ロールフイルム用支持体としては、主にT
ACが用いられているが、この最大の特徴は、光学的に
異方性が無く透明度が高いことである。さらにもう一点
優れた特徴があり、それは現像処理後のカール解消性に
ついても優れた性質を有している点である。即ち、TA
Cフイルムはその分子構造からくる特徴として比較的プ
ラスチックフイルムとしては吸水性が高い為、ロールフ
イルムとして巻かれた状況で経時されることによって生
じる巻きぐせカールが現像処理における吸水で分子鎖が
流動し、巻き経時で固定化された分子鎖が再配列を起こ
す。
【0005】その結果一旦形成された巻きぐせカールが
解消するという優れた性質を有している。この様なTA
Cのごとき巻きぐせカール回復性を有さないフイルムを
用いた写真感光材料では、ロール状態で用いられた際
に、例えば現像後写真印画紙に画像を形成させる焼き付
け工程等で、スリ傷の発生、焦点ボケ、搬送時のジャミ
ング等の問題が生じてしまう。
【0006】一方、PETフイルムは優れた生産性、機
械的強度、ならびに寸度安定性を有するためTACに代
替するものと考えられてきたが、写真感光材料として広
範囲に用いられているロール形態では巻きぐせカールが
強く残留するため現像処理後の取り扱い性が悪く、上記
の優れた性質がありながらその使用範囲が限定されてき
た。
【0007】ところで、近年写真感光材料の用途は多様
化しており、撮影時のフイルム搬送の高速化、撮影倍率
の高倍率化、ならびに撮影装置の小型化が著しく進んで
いる。その際には、写真感光材料用の支持体としては、
強度、寸度安定性、薄膜化等の性質が要求される。さら
に、撮影装置の小型化に伴い、パトローネの小型化の要
求が強くなっている。従来、135システムでは、直径
25mmのパトローネが用いられてきたが、例えばこの
スプール(巻芯)を10mm以下にし、同時に、現行1
35システムで用いているTAC支持体厚みの122μ
mから90μmに薄手化すれば、パトローネを直径20
mm以下に小型化することができる。
【0008】このようなパトローネの小型化を行うため
には、2つの課題が存在する。第1の課題は、フイルム
の薄手化に伴う力学強度の低下である。特に、曲げ弾性
は厚みの3乗に比例して小さくなる。ハロゲン化銀写真
感材は、一般にゼラチンに分散した感光層を塗設してお
り、この層が低湿化で収縮を引き起こし、幅方向カール
(U字型)状カールを発生する。この収縮応力に抗する
だけの曲げ弾性が支持体に必要となる。
【0009】第2の課題は、スプールの小型化に伴う経
時保存中に発生する強い巻ぐせである。従来の135シ
ステムでは、パトローネ内部で最も巻径の小さくなる3
6枚撮りフイルムでも、巻径は14mmである。これを
10mm以下に小型化しようとすると著しい巻きぐせが
付き、これにより種々のトラブルが発生する。例えば、
ミニラボ自現機で現像処理を行うと、一端がリーダーに
固定されているだけで、もう一端は固定されないため、
フイルムが巻上り、ここに処理液の供給が遅れ“処理ム
ラ”の発生原因となる。また、このフイルムの巻上り
は、ミニラボ中のローラーで押しつぶされ、「折れ」が
発生する。
【0010】一般に、この種のフイルム一体型カメラは
サプライ室に装填した未露光フイルムの全コマの撮影が
終了し、その全部を巻上室に装填した空パトローネ内に
巻上げた後、カメラ自身を壊してそのパトローネを取り
出して現像するものであり、カメラ本体はフイルム1本
を使用する毎に壊され、使い捨てられることとなる。従
って、このフイルム一体型カメラは可能な限り簡潔かつ
安価にする必要がある。現在、この種のカメラに装填さ
れているフイルムは12駒撮りか24駒撮りに限られ、
36駒撮りは無い。その理由は、
【0011】 撮影条件が晴天の日とか、明るい室内
に限られ、駒数が多いと、全駒が使い切れず、フイルム
を無駄にする虞れがある。 フイルムの値段がそのままカメラの値段に反映する
ため、駒数が少なければそれだけカメラを安価に提供で
きる。 撮ったら出来るだけ早く現像したいと言うユーザー
側の希望を充たすためである。
【0012】しかしながら、近年、使い捨てカメラは、
その普及に伴い、機能や撮影条件が向上し、いつでも何
処でもきれいな写真が簡単に撮れるようになったため、
限られた時に全駒を使い切る必要が無くなってきている
し、値段よりも品質を重視する最近の傾向から上記〜
の理由は余り問題にならなくなった。また、12駒撮
りや24駒撮りのものでは“駒数が少なく撮り応えがな
い”と言う声もあるし、同様のカメラを2個購入する
と、カメラ本体分だけ写真コストが高くなった。従っ
て、上記種々の点を総合すると、36駒撮りフイルムを
装填したフイルム一体型カメラの出現が待たれていると
言える。
【0013】一方、同じ24駒どりであれば、カメラを
もっと小さくして更に容易にかさばらず、服あるいはズ
ボンなどのポケットに入り携帯性を増大させるというニ
ーズがある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、36駒撮り
フイルムは24駒撮りフイルムの6割ほど長いため、パ
トローネから引出した未露光フイルムをロール状に巻込
んでサプライ室に装填するときに、その長い分だけ巻回
数が多く密封状態(巻緩みし難い)となる。しかも、こ
の場合、サプライ室内のフイルムの最内層の径は24駒
撮りフイルムの時の径よりも当然小さくなるため、巻始
め端(フイルム舌端)がきついカールとなる。従って、
全駒の撮影終了後パトローネ内に収容されたフイルムは
きついカールの付いた舌端が、パトローネ内壁に密着し
てしまい、現像に際して治具による舌端抜出作業を極め
て困難にしていた。
【0015】即ち、フイルム一体型カメラでは通常のカ
メラのような裏蓋がなく、撮影済フイルムが収容された
パトローネは、巻上室の下端に設けたパトローネ挿脱蓋
を開けて軸方向に沿って取り出すことから、フイルム舌
端をパトローネ内に完全に収容しないと、これが邪魔と
なって取り出せない。従って、フイルム一体型カメラか
ら取り出したパトローネを現像するに際し、必ず治具を
用いた舌端抜出作業を伴うことから、該作業を困難にす
る36駒撮りフイルムの装填は現像側の立場からは敬遠
されていた。
【0016】また24駒撮りにおいて、更にカメラを薄
くするためには、巻き径を小さくする必要があるが、そ
うするとカールがつきやすくなり舌端抜出作業が極めて
困難になり問題である。特に、夏場に高温高湿雰囲気に
さらされるとカールが強くなり舌端抜出作業が更に困難
になるばかりでなく、前述のミニラボ等の後端フリーの
現像処理機において不均一および後端折れの致命的故障
を引き起こし、更に乳剤面とバック面との間の接着によ
る故障を生じる。
【0017】本発明は、上記の点に鑑み高温でコアセッ
トされてもフイルムの舌端抜出作業を困難にさせること
なく、乳剤面とバック面との間での接着が生じ難い、か
つミニラボにおいて不均一現像及び後端折れの発生しな
い24ないし36駒撮りフイルム一体式カメラを提供す
ることを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の前記目的は、パ
トローネから引き出した未露光フイルムを巻き込んでサ
プライ室に装填し、空のパトローネを巻き上げ室に装填
してなり、前記未露光フイルムを撮影ごとにサプライ室
から引き出し、パトローネ内に巻き上げるように構成し
てなるフイルム一体式カメラにおいて、前記フイルムの
支持体がポリエステル系支持体であり、ガラス転移温度
が90℃以上200℃以下で、かつ該ポリエステルフイ
ルム支持体の製膜後から乳剤塗布前に50℃以上ガラス
転移温度以下の温度で熱処理され、かつ感光材料のバッ
ク面あるいは乳剤面の少なくとも一方にマット剤を含有
した未露光フイルムを、中心部が空あるいはスプール上
に巻かれた状態で装填されたことを特徴とするフイルム
一体式カメラによって達成された。
【0019】理解を助けるために、最初に以降に用いる
巻きぐせ測定法およびそれに関する用語等について説明
を加える。
【0020】(1)コアセット フイルムをスプールに巻き付けて巻きぐせを付けるこ
と。 (2)コアセットカール コアセットにより付けた長さ方向の巻ぐせ。巻ぐせの程
度は、ANSI/ASC pH1.29−1985のT
est Method Aに従って測定し、1/R
〔m〕(Rはカールの半径)で表示した。
【0021】(3)ガラス転移温度(Tg) 示差熱分析計(DSC)を用い、サンプルフイルム10
mgをヘリウムチッ素気流中、20℃/分で昇温してい
った時、ベースラインから偏奇しはじめる温度と新たな
ベースラインに戻る温度の算術平均温度もしくはTgに
吸収ピークが現れた時はこの吸熱ピークの最大値に示す
温度をTgとして定義する。
【0022】まず本発明の支持体について記す。本発明
の支持体のTgは90℃〜200℃のポリエステルであ
り、かつ50℃以上Tg以下の温度で熱処理されること
を特徴とするが、その点について以下に述べる。強い力
学強度と少い巻ぐせを達成するためには、2つの方法が
存在する。第1の方法は、巻ぐせ回復性を有するTAC
を変性し、力学強度の向上を狙う方法である。第2の方
法は、力学強度に優れる、PETに代表されるポリエス
テル支持体に、巻ぐせが付きにくいように改良する方法
である。
【0023】前者の方法でこの課題を達成することは、
非常に困難であると予想される。すなわち、現行カラー
ネガ写真材料で用いているTAC支持体の厚みは122
μmあり、これを90μmにまで低下させると、曲弾性
率は、厚みの3乗に比例するため、122μm支持体の
4割にまで低下する。即ち、2.5倍強い弾性率を持つ
支持体を達成する必要がある。また、スプール径を10
mm以下にまで低下させると、巻きぐせ回復性を有する
TACですら、現像処理中に充分に回復しきれず、前述
の「処理ムラ」や「折れ」が発生する。このように、
「弾性率の2.5倍向上」と「巻きぐせ回復性の向上」
という2つの課題を同時に解決することはかなり困難で
あると考えられる。
【0024】一方、後者の方法で達成しようとする場
合、例えば、PETを用いた場合本来有する強い弾性率
のため、TAC122μm相当の曲げ弾性を90μmで
達成できる。さらに、ポリエチレンナフタレート(PE
N)を用いると、PETよりさらに弾性率が高く80μ
m近くまで薄くすることができる。従って後者の場合、
これらの支持体の巻きぐせ改良のみを行えば良いわけで
あり、検討の結果本発明に到った。
【0025】ポリエステルフイルムの巻ぐせを低減させ
る方法として、従来いくつかの試みがなされている。例
えば特開昭51−16358に記載されている方法、即
ちガラス転移温度を30℃ないし5℃下廻る温度で熱処
理する方法が知られている。この方法は、加熱処理中に
フイルム内でエンタルピー緩和をおこさせ、自由体積を
減少させることにより、分子の流動を抑制し、巻きぐせ
を付きにくくしようとするものである。
【0026】この方法を用いると、巻きぐせが付きにく
くなる効果は認められるものの、通常のポリエステル
は、一般ユーザーに使われた際に最も高温にさらされる
温度、即ち夏季の車中の温度80℃に達した場合は再び
強い巻きぐせカールがついてしまう。
【0027】ポリエステルフイルムの巻きぐせを低減さ
せる方法として、従来いくつかの試みがなされている。
例えば特開昭51−16358号に記載されている方
法、即ちガラス転移温度を30℃ないし5℃下回る温度
で熱処理する方法が知られている。
【0028】一方特開平1−131550号公報に示さ
れている様な方法、即ち、製品として巻取る方向と逆向
きにカールが付くようにベース内に構造を付けておき、
製品貯蔵時に付く経時カールと相殺させる方法がある。
この方法は逐次2軸延伸工程において、縦延伸と横延伸
の間でフイルム表裏面に温度勾配を付けることで結晶
性、配向性の差を付けることで永久カールを付けようと
するものである。この方法を用いた場合、本発明で課題
としているような細いスプールに巻きつけた場合には、
充分な巻きぐせ改良効果を得ることができなかった。
【0029】これは、この熱処理の効果が、ガラス転移
温度を越える温度にさらされると消失するため、なるべ
くガラス転移温度が高いポリエステルが望ましく、一般
ユーザーに使われた際に最も高温にさらされる温度、即
ち夏季の車中の温度80℃を越える温度として90℃以
上のガラス転移温度を有することが必要である。
【0030】一方、透明性を有し、200℃を越える汎
用ポリエステルフィルムは現在まで存在しない。例え
ば、ポリ(オキシイソフタロイルオキシ−2,6−ジメ
チル−1,4−フェニレンイソプロピリデン−3,5−
ジメチル−1,4−フェニレン(Tg=225)などは
透明性がなく感材には使用できない。従って本発明に用
いられるポリエステルの温度は、90℃以上200℃以
下であることが必要である。
【0031】このようなポリエステルとして種々のもの
が存在するが、巻きぐせの付きにくさと力学強度の両方
をバランスして高い性能を持つのがナフタレンジカルボ
ン酸とエチレングリコールを主原料とするポリエステ
ル、中でも特に、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジ
カルボキシレート(PEN)であった。これらの支持体
は、50μm以上90μm以下の厚みであることが必要
である。50μm以下では乾燥時に発生する感光層の収
縮応力に耐えることができず、一方90μm以上ではコ
ンパクト化のために厚みをうすくしようとする目的と矛
盾する。
【0032】また、この熱処理は、50℃以上ガラス転
移温度以下の温度で好ましくは0.1〜1500時間行
う必要がある。この効果は熱処理温度が高いほど速く進
む。しかし熱処理温度がガラス転移温度を越えるとフィ
ルム内の分子がむしろ乱雑に動き逆に自由体積が増大
し、分子が流動し易い、即ち巻きぐせの付易いフィルム
となる。従ってこの熱処理はガラス転移温度以下で行う
ことが必要である。一方、50℃以下の温度では、この
効果は著しく遅い速度でしか進行しないため多大な時間
を必要とし非現実的である。
【0033】従ってこの熱処理は、ガラス転移温度を少
し下廻る温度で行うことが処理時間短縮のために望まし
く、50℃以上ガラス転移温度以下、より好ましくは、
ガラス転移温度を30℃下廻る温度以上ガラス転移温度
以下である。一方、この温度条件で熱処理を行う場合、
0.1時間以降効果が認められる。一方、1500時間
以上では、その効果はほとんど飽和する。従って0.1
時間以上1500時間以下で熱処理することが必要であ
る。
【0034】以下にさらに詳細に本発明について説明を
加える。しかし本発明はこれらによって制限されるもの
ではない。まず、本発明で用いるガラス転移温度が90
℃以上200℃以下のポリエステルについて述べる。本
発明のガラス転移温度が90℃以上のポリエステルはジ
オールとジカルボン酸から形成されるが、使用可能な二
塩基酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、無水フタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、セバシン酸、無水コハク酸、マレイン酸、フマル
酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水シトラコン酸、
テトラヒドロ無水フタル酸、ジフェニレンp,p′−ジ
カルボン酸、テトラクロロ無水フタル酸、3,6−エン
ドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、
【0035】
【化1】
【0036】
【化2】
【0037】等を挙げることができる。使用可能なジオ
ールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパン
ジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オク
タンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−
ドデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロ
ヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノー
ル、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、1,4
−ベンゼンジメタノール、
【0038】
【化3】
【0039】
【化4】
【0040】等を挙げることができる(ただし、一部に
ジオールでなく、分子中に水酸基とカルボキシ基を同時
に有する化合物も含む)。
【0041】また、必要に応じて、単官能または、3以
上の多官能の水酸基含有化合物あるいは、酸含有化合物
が共重合されていても構わない。また、本発明のポリエ
ステルには、分子内に水酸基とカルボキシル基(あるい
はそのエステル)を同時に有する化合物が共重合されて
いても構わない。このような化合物の例としては、前記
の化合物中に挙げた。
【0042】これらのジオール、ジカルボン酸から成る
ポリエステルの中で、さらに好ましいものとしては、ポ
リエチレン、2,6−ジナフタレート(PEN)、ポリ
アクリレート(PAr)、ポリシクロヘキサンジメタノ
ールテレフタレート(PCT)等のホモポリマー、およ
び、ジカルボン酸として2,6−ナフタレンジカルボン
酸(NDCA)、テレフタル酸(TPA)、イソフタル
酸(IPA)、オルトフタル酸(OPA)、シクロヘキ
サンジカルボン酸(CHDC)、パラフェニレンジカル
ボン酸(PPDC)、ジオールとして、エチレングリコ
ール(EG)、シクロヘキサンジメタノール(CHD
M)、ネオペンチルグリコール(NPG)、ビスフェノ
ールA(BPA)、ビフェノール(BP)また、ヒドロ
キシカルボン酸としてパラヒドロキシ安息香酸(PHB
A)、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸(H
NCA)を共重合させたものが挙げられる。これらの中
でさらに好ましいものとして、ナフタレンジカルボン
酸、テレフタール酸とエチレングリコールのコポリマー
(ナフタレンジカルボン酸とテレフタール酸の混合モル
比は0.3:0.7〜1.0:0の間が好ましく、0.
5:0.5〜0.8:0.2が更に好ましい。)、テレ
フタル酸とエチレングリコール、ビスフェノールAのコ
ポリマー(エチレングリコールとビスフェノールAの混
合モル比は0.6:0.4〜0:1.0の間が好まし
く、更には0.5:0.5〜0:0.9が好まし
い。)、イソフタール酸、パラフェニレンジカルボン
酸、テレフタル酸とエチレングリコールのコポリマー
(イソフタール酸;パラフェニレンジカルボン酸のモル
比はテレフタル酸を1とした時それぞれ0.1〜10.
0、0.1〜20.0、更に好ましくは、それぞれ0.
2〜5.0、0.2〜10.0が好ましい)、ナフタレ
ンジカルボン酸、ネオペンチルグリコールとエチレング
リコールのコポリマー(ネオペンチルグリコールとエチ
レングリコールのモル比は1:0〜0.7:0.3が好
ましく、より好ましくは0.9:0.1〜0.6:0.
4)テレフタル酸、エチレングリコールとビフェノール
のコポリマー(エチレングリコールとビフェノールのモ
ル比は、0:1.0〜0.8:0.2が好ましく、さら
に好ましくは0.1:0.9〜0.7:0.3であ
る。)、パラヒドロキシ安息香酸、エチレングリコール
とテレフタル酸のコポリマー(パラヒドロキシ安息香
酸、エチレングリコールのモル比は1:0〜0.1:
0.9が好ましく、さらに好ましくは0.9:0.1〜
0.2:0.8)等の共重合体およびPENとPET
(組成比0.3:0.7〜1.0:0が好ましく、0.
5:0.5〜0.8:0.2が更に好ましい)、PET
とPAr(組成比0.6:0.4〜0:1.0が好まし
く、0.5:0.5〜0:0.9が更に好ましい)等の
ポリマーブレンドでも良い。
【0043】PENは、これらのポリエステルの中で最
もバランスが取れており、力学強度、特に高い弾性率を
有し、かつガラス転移温度も120℃付近と充分高い。
しかし蛍光を発するという欠点を有している。一方、P
CTは力学強度も高く、ガラス転移温度も110℃付近
と高いが結晶化速度が極めて高く、透明なフィルムを得
にくい欠点を有している。PArはこれらのポリマーの
中で、高いガラス転移温度(192℃)を有するが、力
学強度がPETに比べて弱い欠点を有する。従って、こ
れらの欠点を補うためこれらのポリマーをブレンドもし
くはこれらを形成するモノマーを共重合したものを用い
ることができる。
【0044】これらのホモポリマーおよびコポリマー
は、従来公知のポリエステルの製造方法に従って合成で
きる。例えば酸成分をグリコール成分と直接エステル化
反応するか、または酸成分としてジアルキルエステルを
用いる場合は、まず、グリコール成分とエステル交換反
応をし、これを減圧下で加熱して余剰のグリコール成分
を除去することにより、合成することができる。あるい
は、酸成分を酸ハライドとしておき、グリコールと反応
させてもよい。この際、必要に応じて、エステル交換反
応、触媒あるいは重合反応触媒を用いたり、耐熱安定化
剤を添加してもよい。これらのポリエステル合成法につ
いては、例えば、高分子実験学第5巻「重縮合と重付
加」(共立出版、1980年)第103頁〜第136
頁、“合成高分子V”(朝倉書店、1971年)第18
7頁〜第286頁の記載を参考に行うことができる。
【0045】これらのポリエステルの好ましい平均分子
量の範囲は約10,000ないし500,000であ
る。
【0046】また、このようにして得られたポリマーの
ポリマーブレンドは、特開昭49−5482、同64−
4325、特開平3−192718、リサーチ・ディス
クロージャー283,739−41、同284,779
−82、同294,807−14に記載した方法に従っ
て、容易に形成することができる。さらに、これらのポ
リエステルには、他のポリエステルを一部ブレンドした
り、他のモノマーを共重合させたり、不飽和結合を有す
るモノマーを共重合させ、ラジカル架橋させたりするこ
とができる。
【0047】次に本発明に用いるポリエステルの好まし
い具体的化合物例を示すが、本発明がこれに限定される
ものではない。 ポリエステル化合物例 ・ホモポリマー PEN:〔2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDCA)/エチレングリコー ル(EG)(100/100)〕 Tg=119℃ PCT:〔テレフタル酸(TPA)/シクロヘキサンジメタノール(CHDM )(100/100)〕 Tg=93℃ PAr:〔TPA/ビスフェノールA(BPA) (100/100)〕 Tg=192℃ ・共重合体(( )内はモル比を表わす。) PBC−1 2,6−NDCA/TPA/EG(50/50/100) Tg=92℃ PBC−2 2,6−NDCA/TPA/EG(75/25/100) Tg=102℃ PBC−3 2,6−NDCA/TPA/EG/BPA(50/50/75/ 25) Tg=112℃ PBC−4 TPA/EG/BPA(100/50/50)Tg=105℃ PBC−5 TPA/EG/BPA(100/25/75)Tg=135℃ PBC−6 TPA/EG/CHDM/BPA(100/25/25/50) Tg=115℃ PBC−7 IPA/PPDC/TPA/EG(20/50/30/100) Tg=95℃ PBC−8 NDCA/NPG/EG(100/70/30) Tg=105℃ PBC−9 TPA/EG/BP(100/20/80) Tg=115℃ PBC−10 PHBA/EG/TPA(200/100/100) Tg=125℃ ・ポリマーブレンド(( )内は重量比を表わす。) PBB−1 PEN/PET(60/40) Tg=95℃ PBB−2 PEN/PET(80/20) Tg=104℃ PBB−3 PAr/PEN(50/50) Tg=142℃ PBB−4 PAr/PCT(50/50) Tg=118℃ PBB−5 PAr/PET(60/40) Tg=101℃ PBB−6 PEN/PET/PAr(50/25/25)Tg=108℃ 以上のようなポリエステルは全てTACよりも強い曲弾
性率を有し、当初の目的であるフィルムの薄手化を実現
可能である。しかし、これらの中で最も強い曲弾性を有
していたのがPENであり、これを用いるとTACで1
22μm必要だった膜厚を80μmにまで薄くすること
が可能である。
【0048】また、これらのポリマーフィルム中に蛍光
防止および経時安定性付与の目的で紫外線吸収剤を、練
り込んでも良い。紫外線吸収剤としては、可視領域に吸
収を持たないものが望ましく、かつその添加量はポリマ
ーフィルムの重量に対して通常0.5重量%ないし20
重量%、好ましくは1重量%ないし10重量%程度であ
る。0.5重量%未満では紫外線劣化を抑える効果が期
待できない。紫外線吸収剤としては2,4−ジヒドロキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベン
ゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベン
ゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベ
ンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジ
メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、2
(2′−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2(2′−ヒドロキシ3′,5′−ジ−t−
ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2′−ヒド
ロキシ−3′−ジ−t−ブチル−5′−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、サ
リチル酸フェニル、サリチル酸メチル等のサリチル酸系
紫外線吸収剤が挙げられる。
【0049】また、ポリエステルフィルムを写真感光材
料用支持体として使用する際に問題となる性質の一つに
支持体が高屈折率であるために発生するふちかぶりの問
題があげられる。ポリエステル特に芳香族系ポリエステ
ルの屈折率は、1.6〜1.7と高いのに対し、この上
に塗設する感光層の主成分であるゼラチンの屈折率は
1.50〜1.55とこの値より小さい。従って、光が
フィルムエッジから入射した時、ベースと乳剤層の界面
で反射しやすい。従って、ポリエステル系のフィルムは
いわゆるライトパイピング現象(ふちかぶり)を起こ
す。
【0050】この様なライトパイピング現象を回避する
方法としてはフィルムに不活性無機粒子等を含有させる
方法ならびに染料を添加する方法等が知られている。本
発明において好ましいライトパイピング防止方法はフィ
ルムヘイズを著しく増加させない染料添加による方法で
ある。フィルム染色に使用する染料については特に限定
を加えるものでは無いが色調は感光材料の一般的な性質
上グレー染色が好ましく、また染料はポリエステルフィ
ルムの製膜温度域での耐熱性に優れ、かつポリエステル
との相溶性に優れたものが好ましい。
【0051】染料としては、上記観点から三菱化成製の
Diaresin 、日本化薬製の Kayaset等ポリエステル用と
して市販されている染料を混合することにより目的を達
成することが可能である。染色濃度に関しては、マクベ
ス社製の色濃度計にて可視光域での色濃度を測定し少な
くとも0.01以上であることが必要である。更に好ま
しくは0.03以上である。
【0052】本発明によるポリエステルフィルムは、用
途に応じて易滑性を付与することも可能であり、易滑性
付与手段としては特に限定を加えるところでは無いが、
不活性無機化合物の練り込み、あるいは界面活性剤の塗
布等が一般的手法として用いられる。かかる不活性無機
粒子としてはSiO2 、TiO2 、BaSO4 、CaC
3、タルク、カオリン等が例示される。また、上記の
ポリエステル合成反応系に不活性な粒子を添加する外部
粒子系による易滑性付与以外にポリエステルの重合反応
時に添加する触媒等を析出させる内部粒子系による易滑
性付与方法も採用可能である。
【0053】これら易滑性付与手段には特に限定を加え
るものでは無いが、写真感光材料用支持体としては透明
性が重要な要件となるため、上記易滑性付与方法手段で
は外部粒子系としてはポリエステルフィルムと比較的近
い屈折率をもつSiO2 、あるいは析出する粒子径を比
較的小さくすることが可能な内部粒子系を選択すること
が望ましい。
【0054】更には、練り込みによる易滑性付与を行う
場合、よりフィルムの透明性を得るために機能付与した
層を積層する方法も好ましい。この手段としては具体的
には複数の押し出し機ならびにフィードブロック、ある
いはマルチマニフォールドダイによる共押出し法が例示
される。
【0055】次に本発明に用いるマット剤について記述
する。一般に感材は、ゼラチンで代表される親水性有機
コロイドをバインダーとして含む最外層(表面層)を有
している。それ故、感材の表面は、高温・高湿の雰囲気
下では接着性又は粘着性が増大し、他の物体と接触する
ことにより容易にそれと接着する。
【0056】この接着現象は、感材の製造時、保存時、
撮影時、処理時、映写時、或いは処理後の保存中に於
て、感材同志或いは感材とこれに接触する物体との間で
発生し、しばしば重大な不都合を招く。このような、高
温高湿下での接着発生を改良するためには感材表面に凹
凸を付与することが知られており、有機、無機物質の微
粒子を含有させて、感材表面の粗さを増加させて、いわ
ゆるマット化して、接着性を減少させる方法が当業界で
は知られている。
【0057】しかしながら、粗い表面にするほど写真感
材の鮮鋭度の低下やヘイズのアップを生じるためにその
平均粒径や含有量は限定される。本発明に使用するマッ
ト剤は、平均粒径10-3〜102 μmであり、好ましく
は10-1〜10μm、より好ましくは0.5〜5μmで
ある。また、含有量は例えば、球形、不定形マット剤を
問わず、0.1〜103 mg/m2 であり、好ましくは
5〜300mg/m2であり、より好ましくは20〜2
50mg/m2 である。
【0058】マット剤含有層は乳剤側、又は、かつバッ
ク側のどの層かは特に限定されず複数の層に含まれてい
ても良い。好ましくは、乳剤側又はかつバック側の最外
層である。また、その最外層の厚みは特に限定しないが
好ましくは0.05〜10μmであり、より好ましくは
0.15〜6μmである。使用されるマット剤の組成に
おいては特に限定されないが、無機化合物もしくはガラ
ス転移温度Tgが50℃以上の高分子化合物である。ま
た高分子化合物でマット剤のTgは好ましくは60℃以
上であり、より好ましくは65℃以上である。これらの
マット剤は2種以上まぜて用いることもできる。
【0059】本発明のマット剤の無機化合物には、例え
ば、硫酸バリウム、マンガンコロイド、二酸化チタン、
硫酸ストロンチウムバリウム、二酸化ケイ素、などの無
機物の微粉末があるが、さらに例えば湿式法やケイ酸の
ゲル化より得られる合成シリカ等の二酸化ケイ素やチタ
ンスラッグと硫酸により生成する二酸化チタン(ルチル
型やアナタース型)等が挙げられる。また、粒径の比較
的大きい、例えば20μm以上の無機物から粉砕した
後、分級(振動濾過、風力分級など)することによって
も得られる。
【0060】又、高分子化合物ではポリテトラフルオロ
エチレン、セルロースアセテート、ポリスチレン、ポリ
メチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、
ポリメチルアクリレート、ポリエチレンカーボネート、
澱粉等があり、またそれらの粉砕分級物もあげられる。
あるいは又懸濁重合法で合成した高分子化合物、スプレ
ードライ法あるいは分散法等により球型にした高分子化
合物、または無機化合物を用いることができる。
【0061】また以下に述べるような単量体化合物の1
種又は2種以上の重合体である高分子化合物を種々の手
段によって粒子としたものであってもよい。高分子化合
物の単量体化合物について具体的に示すと、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル、イタコン酸ジエステ
ル、クロトン酸エステル、マレイン酸ジエステル、フタ
ル酸ジエステル類が挙げられエステル残基としては、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキ
シル、2−エチルヘキシル、2−クロロエチル、シアノ
エチル、2−アセトキシエチル、ジメチルアミノエチ
ル、ベンジル、シクロヘキシル、フルフリル、フェニ
ル、2−ヒドロキシエチル、2−エトキシエチル、グリ
シジル、ω−メトキシポリエチレングリコール(付加モ
ル数9)などが挙げられる。
【0062】ビニルエステル類の例としては、ビニルア
セテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、
ビニルイソブチレート、ビニルカプロエート、ビニルク
ロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルフ
ェニルアセテート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル
などが挙げられる。またオレフイン類の例としては、ジ
シクロぺンタジエン、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ぺンテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソ
プレン、クロロプレン、ブタジエン、2,3−ジメチル
ブタジエン等を挙げることができる。
【0063】スチレン類としては、例えば、スチレン、
メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレ
ン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメ
チルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレ
ン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレ
ン、トリフルオロメチルスチレン、ビニル安息香酸メチ
ルエステルなどが挙げられる。
【0064】アクリルアミド類としては、アクリルアミ
ド、メチルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、プ
ロピルアクリルアミド、ブチルアクリルアミド、tertブ
チルアクリルアミド、フェニルアクリルアミド、ジメチ
ルアクリルアミドなど;メタクリルアミド類、例えば、
メタクリルアミド、メチルメタクリルアミド、エチルメ
タクリルアミド、プロピルメタクリルアミド、tert
−ブチルメタクリルアミド、など;アリル化合物、例え
ば、酢酸アリル、カプロン酸アリル、ラウリン酸アリ
ル、安息香酸アリルなど;ビニルエーテル類、例えば、
メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシ
ルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、ジ
メチルアミノエチルビニルエーテルなど;ビニルケトン
類、例えば、メチルビニルケトン、フェニルビニルケト
ン、メトキシエチルビニルケトンなど;ビニル異節環化
合物、例えば、ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾー
ル、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルトリアゾー
ル、N−ビニルピロリドンなど;不飽和ニトリル類、例
えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど;多
官能性モノマー、例えば、ジビニルベンゼン、メチレン
ビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレ
ートなど。
【0065】更に、アクリル酸、メタクリル酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、イタコン酸モノアルキル(例えば、
イタコン酸モノエチル、など);マレイン酸モノアルキ
ル(例えば、マレイン酸モノメチルなど;スチレンスル
ホン酸、ビニルベンジルスルホン酸、ビニルスルホン
酸、アクリロイルオキシアルキルスルホン酸(例えば、
アクリロイルオキシメチルスルホン酸など);メタクリ
ロイルオキシアルキルスルホン酸(例えば、メタクリロ
イルオキシエチルスルホン酸など);アクリルアミドア
ルキルスルホン酸(例えば、2−アクリルアミド−2−
メチルエタンスルホン酸など);メタクリルアミドアル
キルスルホン酸(例えば、2−メタクリルアミド−2−
メチルエタンスルホン酸など);アクリロイルオキシア
ルキルホスフェート(例えば、アクリロイルオキシエチ
ルホスフェートなど);が挙げられる。これらの酸はア
ルカリ金属(例えば、Na、Kなど)またはアンモニウ
ムイオンの塩であってもよい。さらにその他のモノマー
化合物としては、米国特許第3,459,790号、同
第3,438,708号、同第3,554,987号、
同第4,215,195号、同第4,247,673
号、特開昭57−205735号公報明細書等に記載さ
れている架橋性モノマーを用いることができ好ましい。
このような架橋性モノマーの例としては、具体的にはN
−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、N
−(2−(2−アセトアセトキシエトキシ)エチル)ア
クリルアミド等を挙げることができる。
【0066】これらの単量体化合物は単独で重合した重
合体の粒子にして用いてもよいし、複数の単量体を組み
合わせて重合した共重合体の粒子にして用いてもよい。
これらのモノマー化合物のうち、アクリル酸エステル
類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル類、スチ
レン類、オレフィン類が好ましく用いられる。また、本
発明には特開昭62−14647号、同62−1774
4号、同62−17743号に記載されているようなフ
ッ素原子あるいはシリコン原子を有する粒子を用いても
よい。
【0067】これらの中で好ましく用いられる粒子組成
としてポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレー
ト、ポリエチルアクリレート、ポリ(メチルメタクリレ
ート/メタクリル酸=95/5(モル比)、ポリ(スチ
レン/スチレンスルホン酸=95/5(モル比)、ポリ
アクリロニトリル、ポリ(メチルメタクリレート/エチ
ルアクリレート/メタクリル酸=50/40/10)、
シリカなどを挙げることができる。
【0068】また、本発明の粒子は特開昭64−770
52号、ヨーロッパ特許307855号に記載の反応性
(特にゼラチン)基を有する粒子を使用することもでき
る。さらには、アルカリ性、又は酸性で溶解するような
基を多量含有させることもできる。以下に本発明のマッ
ト剤の具体例を記すが、これに限定されるものではな
い。
【0069】
【化5】
【0070】本発明のマット剤を含有する層のバインダ
ーとしては特に限定されず親油性バインダーでもよく又
親水性バインダーでもよい。親油性バインダーとしては
公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹
脂、反応型樹脂およびこれらの混合物を使用することが
できる。上記樹脂のTgは−40℃〜200℃、重量平
均分子量は1万〜30万、好ましくは1万〜10万であ
る。
【0071】上記熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル・
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル、酢酸ビニルとビニル
アルコール、マレイン酸および/またはアクリル酸との
共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化
ビニル・アクリロニトリル共重合体、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体などのビニル系共重合体、ニトロセルロー
ス、セルロースアセテートプロピオネート、セルロース
アセテートブチレート樹脂などのセルロース誘導体、ア
クリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブ
チラール樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエ
ーテルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド
樹脂、アミノ樹脂、スチレンブタジエン樹脂、ブタジエ
ンアクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコーン系
樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができる。
【0072】これらの中で、塩化ビニル系樹脂ポリ(メ
タ)アクリルエステル系樹脂、セルロース誘導体、アク
リル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂が好ましい。又
放射線硬化型樹脂としては上記熱可塑性樹脂に放射線硬
化官能基として炭素−炭素不飽和結合を有する基を結合
させたものが用いられる。好ましい官能基としてはアク
リロイル基、メタクリロイル基などがある。
【0073】以上列挙の結合剤分子中に、極性基(エポ
キシ基、CO2 M、OH、NR2 、NR3 X、SO
3 M、OSO3 M、PO3 2 、OPO3 2 、ただし
Mは水素、アルカリ金属またはアンモニウムであり、一
つの基の中に複数のMがあるときは互いに異なっていて
もよい、Rは水素またはアルキル基である)を導入して
もよい。
【0074】以上列挙の高分子結合剤は単独または数種
混合で使用され、イソシアネート系の公知の架橋剤、お
よび/あるいは放射線硬化型ビニル系モノマーを添加し
て硬化処理することができる。又、使用する親水性バイ
ンダーとしては、リサーチ・ディスクロージャーNo.
17643、26頁、および同No. 18716、65
1頁に記載されており、水溶性ポリマー、セルロースエ
ステル、ラテックスポリマー、水溶性ポリエステルなど
が例示されている。水溶性ポリマーとしては、ゼラチ
ン、ゼラチン誘導体、ガゼイン、寒天、アルギン酸ソー
ダ、でんぷん、ポリビニールアルコール、ポリアクリル
酸共重合体、無水マレイン酸共重合体などであり、セル
ロースエステルとしてはカルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロースなどである。ラテックスポ
リマーとしては塩化ビニル含有共重合体、塩化ビニリデ
ン含有共重合体、アクリル酸エステル含有共重合体、酢
酸ビニル含有共重合体、ブタジエン含有共重合体などで
ある。この中でも最も好ましいのはゼラチンである。
【0075】ゼラチンは、その製造過程において、ゼラ
チン抽出前、アルカリ浴に浸漬される所謂アルカリ処理
(石灰処理)ゼラチン、酸浴に浸漬される酸処理ゼラチ
ンおよびその両方の処理を経た二重浸漬ゼラチン、酵素
処理ゼラチンのいずれでもよい。必要に応じて一部分を
コロイド状アルブミン、カゼイン、カルボキシメチルセ
ルローズ、ヒドロキシエチルセルローズなどのセルロー
ス誘導体、寒天、アルギン酸ソーダ、デンプン誘導体、
デキストランなどの糖誘導体、合成親水性コロイド、た
とえばポリビニルアルコール、ポリN−ビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリルアミドまた
はこれらの誘導体、部分加水分解物、ゼラチン誘導体な
どをゼラチンと併用してもよい。
【0076】ゼラチンを含むマット剤層を硬膜するのは
好ましく、硬膜剤としては、たとえば、ホルムアルデヒ
ド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物類、
ジアセチル、シクロぺンタンジオンの如きケトン化合物
類、ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒドロキシ−
4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、そのほか
米国特許第3,288,775号、同2,732,30
3号、英国特許第974,723号、同1,167,2
07号などに記載されている反応性のハロゲンを有する
化合物類、ジビニルスルホン、5−アセチル−1,3−
ジアクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジ
ン、そのほか米国特許第3,635,718号、同3,
232,763号、英国特許第994,869号などに
記載されている反応性のオレフィンを持つ化合物類、N
−ヒドロキシメチルフタルイミド、その他米国特許第
2,732,316号、同2,586,168号などに
記載されているN−メチロール化合物、米国特許第3,
103,437号等に記載されているイソシアナート
類、米国特許第3,017,280号、同2,983,
611号等に記載されているアジリジン化合物類、米国
特許第2,725,294号、同2,725,295号
等に記載されている酸誘導体類、米国特許第3,09
1,537号等に記載されているエポキシ化合物類、ム
コクロル酸のようなハロゲンカルボキシアルデヒド類を
あげることができる。あるいは無機化合物の硬膜剤とし
てクロム明バン、硫酸ジルコニウム、特公昭56−12
853号、同58−32699号、ベルギー特許82
5,726号、特開昭60−225148号、特開昭5
1−126125号、特公昭58−50699号、特開
昭52−54427号、米国特許3,321,313号
などに記載されているカルボキシル基活性型硬膜剤など
を例示できる。
【0077】硬膜剤の使用量は、通常乾燥ゼラチンに対
して0.01〜30重量%、好ましくは0.05〜20
重量%である。また、以上で述べたマット剤含有層には
必要に応じて平滑剤、界面活性剤、帯電防止剤、増粘
剤、紫外線吸収剤、ハロゲン化銀、ホルマリン捕獲剤等
の各種添加剤を含有せしめることが出来る。
【0078】次にポリエステルポリマーフィルムを支持
体に使用する場合、これらポリマーフィルムがいずれも
疎水性の表面を有するため、支持体上にゼラチンを主と
した保護コロイドからなる写真層(例えば感光性ハロゲ
ン化銀乳剤層、中間層、フィルター層等)を強固に接着
させる事は非常に困難である。この様な難点を克服する
ための技術としては、(1) 薬品処理、機械的処理、コロ
ナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波処理、グロ
ー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処
理、オゾン酸化処理、などの表面活性化処理をしたの
ち、直接写真乳剤を塗布して接着力を得る方法と、(2)
一旦これらの表面処理をした後、あるいは表面処理なし
で、下塗層を設けこの上に写真乳剤層を塗布する方法と
の二法がある。(例えば米国特許第2,698,241
号、同2,764,520号、同2,864,755
号、同3,462,335号、同3,475,193
号、同3,143,421号、同3,501,301
号、同3,460,944号、同3,674,531
号、英国特許第788,365号、同804,005
号、同891,469号、特公昭48−43122号、
同51−446号等)。
【0079】これらの表面処理は、いずれも、本来は疎
水性であった支持体表面に多少共、極性基を作らせる
事、表面の架橋密度を増加させることなどによるものと
思われ、その結果として下塗液中に含有される成分の極
性基との親和力が増加すること、ないし接着表面の堅牢
度が増加すること等が考えられる。又、下塗層の構成と
しても種々の工夫が行なわれており、第1層として支持
体によく接着する層(以下、下塗第1層と略す)を設
け、その上に第2層として写真層とよく接着する親水性
の樹脂層(以下、下塗第2層と略す)を塗布する所謂重
層法と、疎水性基と親水性基との両方を含有する樹脂層
を一層のみ塗布する単層法とがある。
【0080】(1) の表面処理のうち、コロナ放電処理
は、最もよく知られている方法であり、従来公知のいず
れの方法、例えば特公昭48−5043号、同47−5
1905号、特開昭47−28067号、同49−83
767号、同51−41770号、同51−13157
6号等に開示された方法により達成することができる。
放電周波数は50Hz〜5000KHz、好ましくは5
KHz〜数100KHzが適当である。放電周波数が小
さすぎると、安定な放電が得られずかつ被処理物にピン
ホールが生じ、好ましくない。又周波数が高すぎると、
インピーダンスマッチングのための特別な装置が必要と
なり、装置の価格が大となり、好ましくない。被処理物
の処理強度に関しては、通常のポリエステル、ポリオレ
フィン等のプラスチックフィルムの濡れ性改良の為に
は、0.001KV・A・分/m2 〜5KV・A・分/
2 、好ましくは0.01KV・A・分/m2 〜1KV
・A・分/m2 、が適当である。電極と誘電体ロールの
ギャップクリアランスは0.5〜2.5mm、好ましく
は1.0〜2.0mmが適当である。
【0081】多くの場合、もっとも効果的な表面処理で
あるグロー放電処理は、従来知られているいずれの方
法、例えば特公昭35−7578号、同36−1033
6号、同45−22004号、同45−22005号、
同45−24040号、同46−43480号、米国特
許3,057,792号、同3,057,795号、同
3,179,482号、同3,288,638号、同
3,309,299号、同3,424,735号、同
3,462,335号、同3,475,307号、同
3,761,299号、英国特許997,093号、特
開昭53−129262号等を用いることができる。
【0082】グロー放電処理条件は、一般に圧力は0.
005〜20Torr、好ましくは0.02〜2Tor
rが適当である。圧力が低すぎると表面処理効果が低下
し、また圧力が高すぎると過大電流が流れ、スパークが
おこりやすく、危険でもあるし、被処理物を破壊する恐
れもある。放電は、真空タンク中で1対以上の空間を置
いて配置された金属板或いは金属棒間に高電圧を印加す
ることにより生じる。この電圧は、雰囲気気体の組成、
圧力により色々な値をとり得るものであるが、通常上記
圧力範囲内では、500〜5000Vの間で安定な定常
グロー放電が起る。接着性を向上せしめるのに特に好適
な電圧範囲は、2000〜4000Vである。
【0083】又、放電周波数として、従来技術に見られ
るように、直流から数1000MHz、好ましくは50H
z〜20MHzが適当である。放電処理強度に関して
は、所望の接着性能が得られることから0.01KV・
A・分/m2 〜5KV・A・分/m2 、好ましくは0.
15KV・A・分/m2 〜1KV・A・分/m2 が適当
である。
【0084】有機溶剤系下塗の前処理として好ましい紫
外線処理は、従来知られているいずれの方法、例えば特
願昭39−14534号、同39−16094号、特公
昭45−3828号、等を用いることができる。
【0085】ここに用いられる下塗液中には、有機溶剤
の他、下塗層の補強、支持体あるいは乳剤層との接着性
の改良、帯電防止、あるいは支持体着色等の目的のため
の添加剤、即ち、硬膜剤、帯電防止剤、染料等を加えて
もよい。又場合によっては下塗液中に、硬膜剤、例えば
エチレンイミン誘導体、エポキシ誘導体を添加すること
によって、添加しない場合よりも短い紫外線照射でも所
期の接着性が得られる場合もある。
【0086】本発明において特に有効な紫外線は波長が
3200〜2200Åの間の紫外線である。
【0087】次に(2) の下塗法について述べると、これ
らの方法はいずれもよく研究されており、重層法におけ
る下塗第1層では、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、ブタジエン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン
酸、無水マレイン酸などの中から選ばれた単量体を出発
原料とする共重合体を始めとして、ポリエチレンイミ
ン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニトロセルロ
ースなど数多くのポリマーについて、下塗第2層では主
としてゼラチンについてその特性が検討されてきた。
【0088】単層法においては、多くは支持体を膨潤さ
せ、親水性下塗ポリマーと界面混合させる事によって良
好な接着性を達成している場合が多い。本発明に使用す
る親水性下塗ポリマーとしては水溶性ポリマー、セルロ
ースエステル、ラテックスポリマー、水溶性ポリエステ
ルなどが例示される。水溶性ポリマーとしては、ゼラチ
ン、ゼラチン誘導体、カゼイン、寒天、アルギン酸ソー
ダ、でんぷん、ポリビニールアルコール、ポリアクリル
酸共重合体、無水マレイン酸共重合体などであり、セル
ロースエステルとしてはカルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロースなどである。ラテックスポ
リマーとしては塩化ビニル含有共重合体、塩化ビニリデ
ン含有共重合体、アクリル酸エステル含有共重合体、酢
酸ビニル含有共重合体、ブタジエン含有共重合体などで
ある。この中でも最も好ましいのはゼラチンである。
【0089】本発明に使用される支持体を膨潤させる化
合物として、レゾルシン、クロルレゾルシン、メチルレ
ゾルシン、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレ
ゾール、フェノール、o−クロルフェノール、p−クロ
ルフェノール、ジクロルフェノール、トリクロルフェノ
ール、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリフルオロ酢
酸、抱水クロラールなどがあげられる。この中で好まし
いのは、レゾルシンとp−クロルフェノールである。
【0090】本発明の下びき層には種々のゼラチン硬化
剤を用いることができる。ゼラチン硬化剤としてはクロ
ム塩(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアル
デヒド、グルタールアルデヒドなど)、イソシアネート
類、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒド
ロキシ−S−トリアジンなど)、エピクロルヒドリン樹
脂などを挙げることができる。
【0091】本発明の下びき層にはSiO2 、Ti
2 、マット剤の如き無機物微粒子又はポリメチルメタ
クリレート共重合体微粒子(1〜10μm)を含有する
ことができる。これ以外にも、下塗液には、必要に応じ
て各種の添加剤を含有させることができる。例えば界面
活性剤、帯電防止剤、アンチハレーション剤、着色用染
料、顔料、塗布助剤、カブリ防止剤等である。本発明に
おいて、下塗第1層用の下塗液を使用する場合には、レ
ゾルシン、抱水クロラール、クロロフェノールなどの如
きエッチング剤を下塗液中に含有させる必要は全くな
い。しかし所望により前記の如きエッチング剤を下塗中
に含有させることは差し支えない。
【0092】本発明に係わる下塗液は、一般によく知ら
れた塗布方法、例えばティップコート法、エアーナイフ
コート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイ
ヤーバーコート法、グラビアコート法、或いは米国特許
第2,681,294号明細書に記載のホッパーを使用
するエクストルージョンコート法により塗布することが
出来る。所望により、米国特許第2,761,791
号、同3,508,947号、同2,941,898
号、及び同3,526,528号明細書、原崎勇次著、
「コーティング工学」253頁(1973年、朝倉書店
発行)などに記載された方法により2層以上の層を同時
に塗布することが出来る。
【0093】例として有機溶剤系で下塗り層例について
述べる。重層下塗りでは、第1層としての疎水性バイン
ダーはポリエステルとの親和性があるものが好ましく、
非晶性ポリエステル、塩酢ビ共重合体、ポリビニルアセ
タール、ニトロセルロースなどがある。第2層には有機
溶剤にゼラチンを分散させたものが多い。
【0094】単層下塗では親水性バインダーを直接ポリ
エステルへ塗布し、密着させる。バインダーは有機溶剤
へゼラチンを分散させたものか、ゼラチンとニトロセル
ロースを分散させたものがある。しかし、この系ではポ
リエステルの膨潤剤を同時に塗布し、バインダーをポリ
エステル中へ投錨(アンカリング)させ、物理的にもポ
リエステルと強く密着させる必要がある。
【0095】親水性バインダーとしては、側鎖に、−O
H、−COOH、=O(CO)=、−SO3 M(MはH
又はアルカリ金属)、−NH2 、環状アミド、−CON
12 (R1 、R2 はH又はC=4以下のアルキル
基)あるいは窒素を含む異節環基等を単独あるいは2種
以上同等に含む、有機溶剤に可溶で、水に膨潤乃至溶解
する合成高分子化合物:例えば、セルロースアセテート
フタレート、セルロースアセテートマレート、無水マレ
イン酸を含むビニル共重合物、例えば酢酸ビニルと無水
マレイン酸(1:1)共重合物(必要あればドイツ特許
第1040898号参照)、ポリビニルアルコールのS
3 M基を含む混合アセタール化合物(イギリス特許第
894509号参照)、ポリビニルアルコールの−CO
OM基を含む混合アセタールあるいは2価の酸の部分エ
ステル化物、ポリビニルピロリドンとポリアクリル酸と
の混合物等、多くの親水性樹脂が挙げられる。又上記親
水性バインダー溶液のかわりに、ゼラチンの分散液から
なる下塗液も用いられる。
【0096】本発明に用いるポリエステルの溶剤あるい
は膨潤剤としては、例えば芳香族あるいは部分的に飽和
された芳香族基を含むケトンあるいはアルデヒドおよび
窒素を含む異節環基をもつアルデヒド(イギリス特許第
772600号参照)、一般式R−COOHあるいはR
−X−COOHであらわされるカルボン酸あるいはその
酸の無水物、エステル、アミドあるいはその酸から得ら
れるニトリル、ここでRは芳香族あるいは環中に窒素を
含む芳香族異節環化合物、Xは−CH2 又は−OCH2
(イギリス特許第776157号参照)、芳香族基を含
む脂肪族一価アルコールあるいはアミン(イギリス特許
第785789号参照)、アルコール類、ケトン類、カ
ルボン酸およびその置換基を有するものあるいはそのエ
ステル(イギリス特許第797425号)、芳香族核に
−NO2 、−Clを置換したベンジルアルコール(アメ
リカ特許第2830030号)、抱水クロラール(ドイ
ツ特許第1020457号)、ピロール(ドイツ特許第
1092652号)等があり、上記記載の溶剤の具体的
な例としては、安息香酸、サリチル酸、サリチル酸エス
テル、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリクロル酢
酸、三弗化酢酸、2−ニトロプロパノール、ベンジルア
ルコール、ベンツアルデヒド、アセトニルアセトン、ア
セトフェノン、ベンツアミド、ベンゾニトリル、ベンジ
ルアミン、ニコチン酸メチル等が挙げられる。この他、
既に公知のポリエステルの溶剤あるいは膨潤剤として
は、フェノール、オルトクロルフェノール、クレゾール
その他のフェノール誘導体がある。
【0097】本発明に使用する有機溶剤はその下塗液成
分中に1〜25%(重量百分率)の先に例示した如きポ
リエステルの溶剤あるいは膨潤剤を含んでいることが必
要である。25%以上の場合は、完成されたフィルムの
平面性が著しく害される場合が多く、又1%以下の場合
は所期の効果がほとんどない。ポリエステルの溶剤ある
いは膨潤剤の添加量は、用いるポリエステルフィルム支
持体、その照射条件の他、ポリエステル溶剤あるいは膨
潤剤の種類によって、また共存する他の有機溶剤の種類
によって変えることができる。又当然のことではある
が、ポリエステルの溶剤あるいは膨潤剤は2種以上同時
に混合して使用しても差支えない。この場合添加量は、
混合したポリエステルの溶剤あるいは膨潤剤の総量が全
有機溶剤の1〜25%になるようにする。
【0098】バック層のバインダーとしては、疎水性ポ
リマーでもよく、下びき層に用いる如き親水性ポリマー
であってもよい。本発明の感光材料のバック層には、帯
電防止剤、易滑剤、マット剤、界面活性剤、染料等を含
有することができる。本発明のバック層で用いられる帯
電防止剤としては、特に制限はなく、たとえばアニオン
性高分子電解質としてはカルボン酸及びカルボン酸塩、
スルホン酸塩を含む高分子で例えば特開昭48−220
17号、特公昭46−24159号、特開昭51−30
725号、特開昭51−129216号、特開昭55−
95942号に記載されているような高分子である。カ
チオン性高分子としては例えば特開昭49−12152
3号、特開昭48−91165号、特公昭49−245
82号に記載されているようなものがある。またイオン
性界面活性剤もアニオン性とカチオン性とがあり、例え
ば特開昭49−85826号、特開昭49−33630
号、US2,992,108、US3,206,31
2、特開昭48−87826号、特公昭49−1156
7号、特公昭49−11568号、特開昭55−708
37号などに記載されているような化合物を挙げること
ができる。
【0099】本発明のバック層の帯電防止剤として最も
好ましいものは、ZnO、TiO3、SnO2 、Al2
3 、In2 3 、SiO2 、MgO、BaO、MoO
3 の中から選ばれた少くとも1種の結晶性の金属酸化物
あるいはこれらの複合酸化物の微粒子である。本発明に
使用される導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物の
微粒子はその体積抵抗率が107 Ωcm以下、より好まし
くは105 Ωcm以下である。またその粒子サイズは0.
01〜0.7μ、特に0.02〜0.5μですることが
望ましい。
【0100】次に本発明の写真感光材料の写真層につい
て記載する。ハロゲン化銀乳剤層としては黒白用カラー
用何れでもよい。ここではカラーハロゲン化銀写真感光
材料について説明する。本発明の感光材料は、支持体上
に青感色性層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀
乳剤層の少なくとも1層が設けられていればよく、ハロ
ゲン化銀乳剤層および非感光性層の層数および層順に特
に制限はない。典型的な例としては、支持体上に、実質
的に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲ
ン化銀乳剤層から成る感光性層を少なくとも1つ有する
ハロゲン化銀写真感光材料であり、該感光性層は青色
光、緑色光、および赤色光の何れかに感色性を有する単
位感光性層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材
料においては、一般に単位感光性層の配列が、支持体側
から順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置
される。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であって
も、また同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたよ
うな設置順をもとりえる。
【0101】上記、ハロゲン化銀感光性層の間および最
上層、最下層には各層の中間層等の非感光性層を設けて
もよい。該中間層には、特開昭61−43748号、同
59−113438号、同59−113440号、同6
1−20037号、同61−20038号明細書に記載
されているようなカプラー、DIR化合物等が含まれて
いてもよく、通常用いられるように混色防止剤を含んで
いてもよい。
【0102】各単位感光性層を構成する複数のハロゲン
化銀乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるい
は英国特許第923,045号、特開昭57−1127
51号、同62−200350号、同62−20654
1号、同62−206543号、同56−25738
号、同62−63936号、同59−202464号、
特公昭55−34932号、同49−15495号明細
書に記載されている。
【0103】ハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十
四面体のような規則的な結晶を有するもの、球状、板状
のような変則的な結晶形を有するもの、双晶面などの結
晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの複合形でもよ
い。
【0104】ハロゲン化銀の粒径は、約0.2ミクロン
以下の微粒子でも投影面積直径が約10ミクロンに至る
までの大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳
剤でもよい。本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤
は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)No.
17643(1978年12月)、22〜23頁、
“I.乳剤製造(Emulsion preparation and types)" 、
および同No. 18716(1979年11月)、648
頁、グラフキデ著「写真の物理と化学」、ポールモンテ
ル社刊(P. Glafkides, Chemie et Phisique Photograp
hique, Paul Montel, 1967)、ダフィン著「写真乳
剤化学」、フォーカルプレス社刊 (G. F. Duffin Photo
graphic Emulsion Chemistry (Focal Press,196
6)、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォ
ーカルプレス社刊(V. L. Zelikman et al., Making an
d Coating Photographic Emulsion, Focal Press, 19
64)などに記載された方法を用いて調製することがで
きる。
【0105】米国特許第3,574,628号、同3,
655,394号および英国特許第1,413,748
号などに記載された単分散乳剤も好ましい。また、アス
ペクト比が約5以上であるような平板状粒子も本発明に
使用できる。平板状粒子は、ガトフ著、フォトグラフィ
ック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Gutoff,
Photographic Science and Engineering)、第14巻、
248〜257頁(1970年);米国特許第4,43
4,226号、同4,414,310号、同4,43
3,048号、同4,439,520号および英国特許
第2,112,157号などに記載の方法により簡単に
調製することができる。
【0106】結晶構造は一様なものでも、内部と外部と
が異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造
をなしていてもよい。また、エピタキシャル接合によっ
て組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、
また例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の
化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形の粒
子の混合物を用いてもよい。
【0107】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。本発明
の効率は、金化合物と含イオウ化合物で増感した乳剤を
使用したときに特に顕著に認められる。このような工程
で使用される添加剤はリサーチ・ディスクロージャーN
o. 17643および同No. 18716に記載されてお
り、その該当箇所を後掲の表にまとめた。
【0108】本発明に使用できる公知の写真用添加剤も
上記の2つのリサーチ・ディスクロージャーに記載され
ており、下記の表に関連する記載箇所を示した。
【0109】 (添加剤種類) (RD17643) (RD18716) 1 化学増感剤 23頁 648頁右欄 2 感度上昇剤 同上 3 分光増感剤、強色増感剤 23〜24頁 648頁右欄〜 649頁右欄 4 増 白 剤 24頁 5 かぶり防止剤および安定剤 24〜25頁 649頁右欄〜 6 光吸収剤、フィルター染料、 紫外線吸収剤 25〜26頁 649頁右欄〜 650頁左欄 7 ステイン防止剤 25頁右欄 650頁左〜右欄 8 色素画像安定剤 25頁 9 硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 10 バインダー 26頁 同上 11 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 12 塗布助剤、表面活性剤 26〜27頁 650頁右欄 また、ホルムアルデヒドガスによる写真性能の劣化を防
止するために、米国特許4,411,987号、や同第
4,435,503号に記載されたホルムアルデヒドと
反応して、固定化できる化合物を感光材料に添加するこ
とが好ましい。
【0110】本発明には種々のカラーカプラーを使用す
ることができ、その具体例は前出のリサーチ・ディスク
ロージャー(RD)No. 17643、VII −C〜Gに記
載された特許に記載されている。イエローカプラーとし
ては、例えば米国特許第3,933,501号、同第
4,022,620号、同第4,326,024号、同
第4,401,752号、同第4,248,961号、
特公昭58−10739号、英国特許第1,425,0
20号、同第1,476,760号、米国特許第3,9
73,968号、同第4,314,023号、同第4,
511,649号、欧州特許第249,473A号、等
に記載のものが好ましい。
【0111】マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン
系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特
許第4,310,619号、同第4,351,897
号、欧州特許第73,636号、米国特許第3,06
1,432号、同第3,725,067号、リサーチ・
ディスクロージャーNo. 24220(1984年6
月)、特開昭60−33552号、リサーチ・ディスク
ロージャーNo. 24230(1984年6月)、特開昭
60−43659号、同61−72238号、同60−
35730号、同55−118034号、同60−18
5951号、米国特許第4,500,630号、同第
4,540,654号、同第4,556,630号、W
O(PCT)88/04795号等に記載のものが特に
好ましい。
【0112】シアンカプラーとしては、フェノール系及
びナフトール系カプラーが挙げられ、米国特許第4,0
52,212号、同第4,146,396号、同第4,
228,233号、同第4,296,200号、同第
2,369,929号、同第2,801,171号、同
第2,772,162号、同第2,895,826号、
同第3,772,002号、同第3,758,308
号、同第4,334,011号、同第4,327,17
3号、西独特許公開第3,329,729号、欧州特許
第121,365A号、同第249,453A号、米国
特許第3,446,622号、同第4,333,999
号、同第4,753,871号、同第4,451,55
9号、同第4,427,767号、同第4,690,8
89号、同第4,254,212号、同第4,296,
199号、特開昭61−42658号等に記載のものが
好ましい。
【0113】発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、リサーチ・ディスクロージャーNo.
17643のVII −G項、米国特許第4,163,67
0号、特公昭57−39413号、米国特許第4,00
4,929号、同第4,138,258号、英国特許第
1,146,368号に記載のものが好ましい。発色色
素が過度な拡散性を有するカプラーとしては、米国特許
第4,366,237号、英国特許第2,125,57
0号、欧州特許第96,570号、西独特許(公開)第
3,234,533号に記載のものが好ましい。
【0114】ポリマー化された色素形成カプラーの典型
例は、米国特許第3,451,820号、同第4,08
0,211号、同第4,367,282号、同第4,4
09,320号、同第4,576,910号、英国特許
2,102,137号等に記載されている。
【0115】カップリングに伴って写真的に有用な残基
を放出するカプラーもまた本発明で好ましく使用でき
る。現像抑制剤を放出するDIRカプラーは、前述のR
D17643、VII 〜F項に記載された特許、特開昭5
7−151944号、同57−154234号、同60
−184248号、同63−37346号、米国特許
4,248,962号に記載されたものが好ましい。現
像時に画像状に造核剤もしくは現像促進剤を放出するカ
プラーとしては、英国特許第2,097,140号、同
第2,131,188号、特開昭59−157638
号、同59−170840号に記載のものが好ましい。
【0116】その他、本発明の感光材料に用いることの
できるカプラーとしては、米国特許第4,130,42
7号等に記載の競争カプラー、米国特許第4,283,
472号、同第4,338,393号、同第4,31
0,618号等に記載の多当量カプラー、特開昭60−
185950号、特開昭62−24252号等に記載の
DIRレドックス化合物放出カプラー、DIRカプラー
放出カプラー、DIRカプラー放出レドックス化合物も
しくはDIRレドックス放出レドックス化合物、欧州特
許第173,302A号に記載の離脱後復色する色素を
放出するカプラー、R.D.No. 11449、同242
41、特開昭61−201247号等に記載の漂白促進
剤放出カプラー、米国特許第4,553,477号等に
記載のリガンド放出するカプラー、特開昭63−757
47号に記載のロイコ色素を放出するカプラー等が挙げ
られる。
【0117】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法により感光材料に導入できる。
【0118】水中油滴分散法に用いられる高沸点溶媒の
例は米国特許第2,322,027号などに記載されて
いる。水中油滴分散法に用いられる常圧での沸点が17
5℃以上の高沸点有機溶剤の具体例としては、フタル酸
エステル類、リン酸またはホスホン酸のエステル類、安
息香酸エステル類、アミド類、アルコール類またはフェ
ノール類、脂肪族カルボン酸エステル、アニリン誘導
体、炭化水素類などが挙げられる。また補助溶剤として
は、沸点が約30℃以上、好ましくは50℃以上約16
0℃以下の有機溶剤などが使用でき、典型例としては酢
酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン、2−エトキシエチルア
セテート、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
【0119】ラテックス分散法の工程、効果および含浸
用のラテックスの具体例は、米国特許第4,199,3
63号、西独特許出願(OLS)第2,541,274
号および同第2,541,230号などに記載されてい
る。本発明の感光材料は乳剤層を有する側の全親水性コ
ロイド層の膜厚の総和が28μm以下であり、かつ、膜
膨潤速度T1/2が30秒以下が好ましい。膜厚は、2
5℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定した膜厚を意
味し、膜膨潤速度T1/2は、当該技術分野において公
知の手法に従って測定することができる。例えばエー・
グリーン(A. Green)らによりフォトグラフィック・サイ
エンス・アンド・エンジニアリング( Photogr. Sci. E
ng.)、19巻、2号、124〜129頁に記載の型のス
エロメーター(膨潤計)を使用することにより測定で
き、T1/2は発色現像液で30℃、3分15秒処理し
た時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚とし、
このT1/2の膜厚に到達するまでの時間と定義する。
【0120】膜膨潤速度T1/2は、バインダーとして
のゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経
時条件を変えることによって調整することができる。ま
た、膨潤率は150〜400%が好ましい。膨潤率と
は、さきに述べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:
(最大膨潤膜厚−膜厚)/膜厚に従って計算できる。
【0121】本発明に従ったカラー写真感光材料は、前
述のRD.No. 17643の28〜29頁、および同N
o. 18716の615左欄〜右欄に記載された通常の
方法によって現像処理することができる。本発明のハロ
ゲン化銀カラー感光材料には処理の簡略化及び迅速化の
目的で発色現像主薬を内蔵しても良い。内蔵するために
は、発色現像主薬の各種プレカーサーを用いるのが好ま
しい。例えば米国特許第3,342,597号のインド
アニリン系化合物、同第3,342,599号、リサー
チ・ディスクロージャー14,850号および同15,
159号記載のシッフ塩基型化合物、同第13,924
号に記載されている。
【0122】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 (実施例1)PETチップ及びPENチップ、PArチ
ップ及びポリ(オキシイソフタロイルオキシ−2,6−
ジメチル−1,4−フェニレンイソプロピリデン−3,
5−ジメチル−1,4−フェニレン)チップ(POD
P)をそれぞれ熔融押出しした後、縦方向に3.4倍、
横方向に4倍の延伸を施し、厚み80μmの二軸延伸ポ
リエステルフィルムを作成した。
【0123】PENは押出し温度300℃、縦延伸温度
(CD面側)140℃、横延伸温度130℃、熱固定2
50℃6秒で製膜した。PAr、PODP、PETも類
似法にて作製して、表1に示すようなサンプルA−1〜
A−4及びB−1〜B−2を得た。
【0124】
【表1】
【0125】2)下塗層の塗設 上記支持体サンプルは、その各々の両面にコロナ放電処
理をした後、下記組成の下塗層を延伸時高温面側に設け
た。コロナ放電処理はピラー社製ソリッドステートコロ
ナ処理機6KVAモデルを用い、30cm幅支持体を2
0m/分で処理する。このとき、電流・電圧の読み取り
値より被処理物は、0.375KV・A・分/m2 の処
理がなされた。処理時の放電周波数は、9.6KHz、
電極と誘電体ロールのギャップクリアランスは、1.6
mmであった。
【0126】 ゼラチン 3g 蒸留水 250cc ソジウムα−スルホジ−2−エチルヘキシルサクシネート 0.05g ホルムアルデヒド 0.02g
【0127】3)バック層の塗設 下塗後の支持体の下塗層を設けた側とは反対側の面に下
記組成のバック層を塗設した。 3−1)導電性微粒子分散液(酸化スズ−酸化アンチモ
ン複合物分散液)の調製:塩化第二スズ水和物230重
量部と三塩化アンチモン23重量部をエタノール300
0重量部に溶解し均一溶液を得た。この溶液に1Nの水
酸化ナトリウム水溶液を前記溶液のpHが3になるまで
滴下し、コロイド状酸化第二スズと酸化アンチモンの共
沈澱を得た。得られた共沈澱を50℃に24時間放置
し、赤褐色のコロイド状沈澱を得た。
【0128】赤褐色コロイド状沈澱を遠心分離により分
離した。過剰なイオンを除くため沈澱に水を加え遠心分
離によって水洗した。この操作を3回繰り返し過剰イオ
ンを除去した。過剰イオンを除去したコロイド状沈澱2
00重量部を水1500重量部に再分散し、600℃に
加熱した焼成炉に噴霧し、青味がかった平均粒径0.2
μmの酸化スズ−酸化アンチモン複合物の微粒子粉末を
得た。この微粒子粉末の比抵抗は25Ω・cmであっ
た。
【0129】上記微粒子粉末40重量部と水60重量部
の混合液をpH7.0に調製し、攪拌機で粗分散の後、
横型サンドミル(商品名ダイノミル;WILLYA B
ACHOFENAG製)で滞留時間が30分になるまで
分散して調製した。
【0130】3−2)バック層の塗設:下記処方〔A〕
を乾燥膜厚が0.3μmになるように塗布し、130℃
で30秒間乾燥した。この上に更に下記の被覆層用塗布
液(B)を乾燥膜厚が0.1μmになるように塗布し、
130℃で2分間乾燥した。 〔処方A〕 上記導電性微粒子分散液 10重量部 ゼラチン 1重量部 水 27重量部 メタノール 60重量部 レゾルシン 2重量部 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 0.01重量部 〔被覆層用塗布液(B)〕 セルローストリアセテート 1重量部 アセトン 70重量部 メタノール 15重量部 ジクロルメチレン 10重量部 p−クロルフェノール 4重量部
【0131】4)支持体の熱処理 上記方法にて、下塗り層、バック層を塗設した後、表1
に示す条件にて、熱処理を実施した。熱処理は全て直径
30cmのステンレス製巻芯に、下塗面を外巻にして実施
した。また比較例として熱処理を施さないものも用意し
た。
【0132】これらの支持体の力学強度の中で、支持体
の薄手化に伴い最も重要な曲げ弾性について測定を行っ
た。曲弾性率の測定は円環法と呼ばれる方法を用いて行
った。即ち、幅35mmで、長さ方向に平行にスリットし
たサンプルで円周10cmの円環を作りこれを水平に置
き、これを12mm、変形する時の荷重を測定し、曲げ弾
性率の目安とした。今回の測定では、いづれも下塗り層
が円環の内周になるようにして測定し、また測定環境は
25℃60%RHで行った。
【0133】これらで測定した結果を表1に示した。P
ENは80μmでほぼTAC122μmに相当する曲弾
性率を示している。また、この値は本発明の熱処理を行
っても変化しなかった。
【0134】5)感光層の塗設 上記方法で得た支持体上の下塗り側に下記に示すような
組成の各層を重層塗布し、多層カラー感光材料を作成し
た。但し、第15層は後記表3のごとく本発明のマット
剤を含有させた。 (感光層組成)各層に使用する素材の主なものは下記の
ように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収
剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機
溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬
化剤 ExS:増感色素 各成分に対応する数字は、g/m2 単位で表した塗布量
を示し、ハロゲン化銀については、銀換算の塗布量を示
す。ただし増感色素については、同一層のハロゲン化銀
1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
【0135】(試料101)第1層(ハレーション防止
層) 黒色コロイド銀 銀 0.18 ゼラチン 1.40 ExM−1 0.18 ExF−1 2.0×10-3 HBS−1 0.20
【0136】 第2層(中間層) 乳剤G 銀 0.065 2,5−ジ−t−ペンタデシルハイドロキノン 0.18 ExC−2 0.020 UV−1 0.060 UV−2 0.080 UV−3 0.10 HBS−1 0.10 HBS−2 0.020 ゼラチン 1.04
【0137】第3層(低感度赤感乳剤層) 乳剤A 銀 0.25 乳剤B 銀 0.25 ExS−1 6.9×10-5 ExS−2 1.8×10-5 ExS−3 3.1×10-4 ExC−1 0.17 ExC−3 0.030 ExC−4 0.10 ExC−5 0.020 ExC−7 0.0050 ExC−8 0.010 Cpd−2 0.025 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.87
【0138】第4層(中感度赤感乳剤層) 乳剤D 銀 0.70 ExS−1 3.5×10-4 ExS−2 1.6×10-5 ExS−3 5.1×10-4 ExC−1 0.13 ExC−2 0.060 ExC−3 0.0070 ExC−4 0.090 ExC−5 0.025 ExC−7 0.0010 ExC−8 0.0070 Cpd−2 0.023 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.75
【0139】第5層(高感度赤感乳剤層) 乳剤E 銀 1.40 ExS−1 2.4×10-4 ExS−2 1.0×10-4 ExS−3 3.4×10-4 ExC−1 0.12 ExC−3 0.045 ExC−6 0.020 ExC−8 0.025 Cpd−2 0.050 HBS−1 0.22 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.20
【0140】第6層(中間層) Cpd−1 0.10 HBS−1 0.50 ゼラチン 1.10
【0141】第7層(低感度緑感乳剤層) 乳剤C 銀 0.35 ExS−4 3.0×10-5 ExS−5 2.1×10-4 ExS−6 8.0×10-4 ExM−1 0.010 ExM−2 0.33 ExM−3 0.086 ExY−1 0.015 HBS−1 0.30 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.73
【0142】第8層(中感度緑感乳剤層) 乳剤D 銀 0.80 ExS−4 3.2×10-5 ExS−5 2.2×10-4 ExS−6 8.4×10-4 ExM−2 0.13 ExM−3 0.030 ExY−1 0.018 HBS−1 0.16 HBS−3 8.0×10-3 ゼラチン 0.90
【0143】第9層(高感度緑感乳剤層) 乳剤E 銀 1.25 ExS−4 3.7×10-5 ExS−5 8.1×10-5 ExS−6 3.2×10-4 ExC−1 0.010 ExM−1 0.030 ExM−4 0.040 ExM−5 0.019 Cpd−3 0.040 HBS−1 0.25 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.44
【0144】第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.030 Cpd−1 0.16 HBS−1 0.60 ゼラチン 0.60
【0145】第11層(低感度青感乳剤層) 乳剤C 銀 0.18 ExS−7 8.6×10-4 ExY−1 0.020 ExY−2 0.22 ExY−3 0.50 ExY−4 0.020 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.10
【0146】第12層(中感度青感乳剤層) 乳剤D 銀 0.40 ExS−7 7.4×10-4 ExC−7 7.0×10-3 ExY−2 0.050 ExY−3 0.10 HBS−1 0.050 ゼラチン 0.78
【0147】第13層(高感度青感乳剤層) 乳剤F 銀 1.00 ExS−7 4.0×10-4 ExY−2 0.10 ExY−3 0.10 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.86
【0148】第14層(第1保護層) 乳剤G 銀 0.20 UV−4 0.11 UV−5 0.17 HBS−1 5.0×10-2 ゼラチン 1.00
【0149】第15層(第2保護層) H−1 0.40 マット剤(SBR又はM−2) 0.10(表3
に記載) B−1 0.1 S−1 0.20 ゼラチン 1.20 ここでSBRはスチレン/ブタジエン共重合体を示す。
【0150】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために W−1〜W−3、B−1〜B−4、F−1〜F
−17の化合物及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、イリ
ジウム塩、ロジウム塩が含有されている。各層に使用し
た乳剤A〜Fの性状は表2に示すとおりである。
【0151】
【表2】
【0152】表2において、 (1)乳剤A〜Fは特開平2−191938号の実施例
に従い、二酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒
子調製時に還元増感されている。 (2)乳剤A〜Fは特開平3−237450号の実施例
に従い、各感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸
ナトリウムの存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が
施されている。 (3)平板状粒子の調製には特開平1−158426号
の実施例に従い、低分子量ゼラチンを使用している。 (4)平板状粒子および粒子構造を有する正常晶粒子に
は特開平3−237450号に記載されているような転
位線が高圧電子顕微鏡を用いて観察されている。
【0153】各層に使用した添加剤等の化学式を次に示
す。
【0154】
【化6】
【0155】
【化7】
【0156】
【化8】
【0157】
【化9】
【0158】
【化10】
【0159】
【化11】
【0160】
【化12】
【0161】
【化13】
【0162】
【化14】
【0163】
【化15】
【0164】
【化16】
【0165】
【化17】
【0166】
【化18】
【0167】
【化19】
【0168】
【化20】
【0169】6)加工 このように作成した写真フイルムサンプルを35mm幅
で1.8mの長さにスリット・穿孔し、25℃、60%
RHで3時間調湿して、図1又は図2のユニットに組み
込んだ。そして、サンプルA1−1−1からB2−10
を得た。 6−1)舌端抜出、現像処理、カール測定 80℃、2時間で巻きぐせをつけたフイルム一体式カメ
ラを一晩25℃、60%RHの部屋の中で放冷した後、
治具により舌端抜出しを行い、これを自動現像機(ミニ
ラボFP−550B:富士写真フイルム株式会社製)で
現像処理し、直ちに25℃、60%RH下にてANSI
カールを測定した。 6−2)耐接着性の評価 上記フイルム一体式カメラを80℃、2時間放置後、乳
剤側とバック側の接着を評価した。
【0170】接着レベルは○、△、×の3段階で評価し
た。 接着レベル : ○(接着しない) : △(0−49%接着する) : ×(50%以上 〃 ) ○以外は許容できない。
【0171】なお、現像処理条件は下記のとおりであ
る。
【0172】 処理工程 温 度 時間 発色現像 38℃ 3分 停 止 38℃ 1分 水 洗 38℃ 1分 漂 白 38℃ 2分 水 洗 38℃ 1分 定 着 38℃ 2分 水 洗 38℃ 1分 安定浴 38℃ 1分 用いた処理液は次の組成を有する。 発色現像液 苛性ソーダ 2g 亜硫酸ソーダ 2g 臭化カリウム 0.4g 塩化ナトリウム 1g ホー砂 4g ヒドロキシルアミン硫酸塩 2g エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム2水塩 2g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β− ヒドロキシエチル)アニリン・モノサルフェート) 4g 水を加えて 全量 1リットル 停止液 チオ硫酸ソーダ 10g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 30ミリリットル 酢酸 30ミリリットル 酢酸ソーダ 5g カリ明ばん 15g 水を加えて 全量 1リットル 漂白液 エチレンジアミン4酢酸鉄(III)ナトリウム・2水塩 100g 臭化カリウム 50g 硝酸アンモニウム 50g ホー酸 5g アンモニア水 pHを5.0に調節 水を加えて 全量 1リットル 定着液 チオ硫酸ソーダ 150g 亜硫酸ソーダ 15g ホー砂 12g 氷酢酸 15ミリリットル カリ明ばん 20g 水を加えて 全量 1リットル 安定浴 ホウ酸 5g クエン酸ソーダ 5g メタホウ酸ソーダ(4水塩) 3g カリ明ばん 15g 水を加えて 全量 1リットル (結果)測定結果を表3ないし表7に示す。
【0173】
【表3】
【0174】
【表4】
【0175】
【表5】
【0176】
【表6】
【0177】
【表7】
【0178】Tg225℃のポリ(オキシイソフロイル
オキシ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレンイソプ
ロピリデン−3,5−ジメチル−1,4−フェニレンは
フィルムの透明性が悪かったので評価の対象から外し
た。ガラス転移温度(Tg)が90℃を越えるPEN、
PArでは延伸温度差を付けて製膜した後、110℃、
24時間の熱処理を施すことにより、明りょうなカール
低減を示していることがわかる。その結果、舌端抜出作
業トラブルはなく、現像ムラ、後端折れも発生しなかっ
た。
【0179】一方、耐接着性の評価では、Tgが高い
(>90℃)マット剤を上記PEN、PArと組み合せ
ることにより高温下でも非常に耐接着性の優れたフイル
ム一体式カメラを作成できることがわかる。以上の結果
から、本発明により支持体が薄くしかも高温下で巻きぐ
せカールがつきにくく、フイルムの舌端抜出作業を改良
し、現像処理ムラ、後端折れ及び耐接着性に優れたフイ
ルム一体式カメラを作成できることがわかる。
【0180】実施例2 1)感材の作成 支持体に用いるポリエステルは、PEN、PET、PA
r、PCTのペレットをあらかじめ150℃で4時間真
空中で乾燥した後、表4に示す様な混合比で2軸混練押
出し機を用い280℃で混練押出した後ペレット化し調
製した。このポリエステルを実施例1のPENと同じ延
伸条件で製膜した。これをさらに実施例1の処方で熱処
理を行った後、以下の組成で下塗り層、バック層を塗設
した。 (下塗り層組成) ゼラチン 0.2g サリチル酸 0.1g メタノール 15cc アセトン 85cc ホルムアルデヒド 0.01g
【0181】(バック層塗設)実施例1の処方〔A〕を
乾燥膜厚が0.3μmになるように塗布し、130℃で
30秒間乾燥した。この上に下記組成のマット剤を含む
被覆用塗布液を塗布し、130℃で2分間乾燥した。 ・ジアセチルセルロース 0.2g/m2 ・コロイダルシリカ(エアロジル) 0.02 〃 ・C1531COOC4081 0.02 〃 ・C2143COO(CH2 CH2 O)3 −COC9 19 0.01 〃 ・C2143OOC(CH2 18−COOC1837 0.01 〃 ・ポリ(二フッ化ビニリデン/四フッ化ビニリデン) (モル比9:1) 0.01 〃 ・ポリ(メチルメタクリレート/ジビニルベンゼン) (モル比9:1・平均粒径1.0μm) 0.03 〃 ・シリカ(平均粒径1.0μm) 0.005〃 以上のようにして作成した支持体の曲げ弾性率を実施例
と同様にして円環法を用いて評価した。
【0182】その結果を表8に示す。
【0183】
【表8】
【0184】(感光層の塗設)上記方法で得た支持体の
下塗り側に特開平2−93641号実施例1に記載の感
材と全く同様の処方で塗布した。すなわち、第1層とし
てハレーション防止層、第2層として中間層、第3層〜
第13層は感光性層、そして第14層〜第15層は保護
層の構成である。
【0185】ただし、第15層の第2保護層には以下の
組成のものを用いた。このようにして、感光材料C−1
−1〜C−3−2、D−1−1〜D−3−2、E−1−
1〜E−3−2、F−1−1〜F−3−2を作製した。
(表9、10、11、12)
【0186】
【表9】
【0187】
【表10】
【0188】
【表11】
【0189】
【表12】
【0190】 第15層(第2保護層) H−1 0.40 マット剤(SBR、M−3又はM−1) 0.10 B−1 0.10 S−1 0.20 ゼラチン 1.20 なお、マット剤の詳細は表9ないし表12に示してあ
る。ここで、SBRとはスチレン−ブタジエン共重合体
である。 (サンプルの評価)このようにして作成したサンプル及
び評価結果を表9ないし表12に示す。
【0191】(結果)PEN/PETのブレンドポリマ
ーにおいてはTgが90℃以上の支持体において製膜し
た後、Tgより10℃低い温度で熱処理を施すことによ
り、明りょうなカール低減を示した。また、熱処理時間
は6時間という短時間でも効果があった。さらに円環法
による曲弾性率もTAC122μmにおける値36gに
近い値を示した。
【0192】以上のような結果は、PENを含まない、
PAr/PCTブレンドポリマーでもTgが90℃以上
であれば認められた。これに対し、Tgが90℃未満の
ブレンドポリマーでは、以上のようなカール低減は認め
られなかった。一方、耐接着性の評価ではTgが高い
(100℃)マット剤を上記のポリエステルブレンドポ
リマーと組み合わせることにより高温下でも非常に耐接
着性に優れたフイルム一体式カメラが作成できたことが
わかる。
【0193】また、以上の結果は、多種ポリエステルブ
レンドポリマーの組成によらずTgが90℃以上であれ
ば、本発明が適用できることを支持するものである。
【0194】
【発明の効果】本発明によれば、フイルムの巻きぐせが
つきにくく、舌端抜出作業が改良され、現像処理ムラ、
後端折れが発生せず、耐接着性に優れたフイルム一体式
カメラが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1形式のフイルム一体式カメラの内部
構造を表した上面図を示す。
【図2】本発明の別の形式のフイルム一体式カメラのユ
ニットの一部横断上面図を示す。
【符号の説明】
1・・・・フイルム一体式カメラ 2・・・・カメラ外箱 3、13・ユニット 4、14・サプライ室 5、15・巻上室 6、16・パトローネ 7・・・・撮影レンズ 8・・・・フイルム 9・・・・フイルム支持面 17・・・レンズユニット 18・・・フイルム(36駒撮り) 20・・・露出枠 21、22・スプール

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パトローネから引き出した未露光フイル
    ムを巻き込んでサプライ室に装填し、空のパトローネを
    巻き上げ室に装填してなり、前記未露光フイルムを撮影
    ごとにサプライ室から引き出し、パトローネ内に巻き上
    げるように構成してなるフイルム一体式カメラにおい
    て、前記フイルムの支持体がポリエステル系支持体であ
    り、ガラス転移温度が90℃以上200℃以下で、かつ
    該ポリエステルフイルム支持体の製膜後から乳剤塗布前
    に50℃以上ガラス転移温度以下の温度で熱処理され、
    かつ感光材料のバック面あるいは乳剤面の少なくとも一
    方にマット剤を含有した未露光フイルムを、中心部が空
    あるいはスプールに巻かれた状態で装填されたことを特
    徴とするフイルム一体式カメラ。
  2. 【請求項2】 上記マット剤が、無機化合物もしくはガ
    ラス転移温度が50℃以上の高分子化合物で、その平均
    粒径が10-3〜102 μmであり、0.1〜103 mg
    /m2 含有されていることを特徴とする請求項1記載の
    フイルム一体式カメラ。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステル系支持体がナフタレン
    ジカルボン酸とエチレングリコールを主原料とするポリ
    エステルからなることを特徴とする請求項1または請求
    項2記載のフイルム一体式カメラ。
  4. 【請求項4】 前記ポリエステル系支持体のポリエステ
    ルがポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ
    ートであることを特徴とする請求項1または請求項3記
    載のフイルム一体式カメラ。
  5. 【請求項5】 前記スプールのコアが9mm以下である
    ことを特徴とする請求項1記載のフイルム一体式カメ
    ラ。
  6. 【請求項6】 前記ポリエステル系支持体の厚みが50
    〜90μmであることを特徴とする請求項1,請求項3
    又は請求項4のいずれか1項記載のフイルム一体式カメ
    ラ。
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