JPH07191430A - フイルム一体型カメラ - Google Patents

フイルム一体型カメラ

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JPH07191430A
JPH07191430A JP35119293A JP35119293A JPH07191430A JP H07191430 A JPH07191430 A JP H07191430A JP 35119293 A JP35119293 A JP 35119293A JP 35119293 A JP35119293 A JP 35119293A JP H07191430 A JPH07191430 A JP H07191430A
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JP
Japan
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film
group
layer
integrated camera
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Application number
JP35119293A
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English (en)
Inventor
Fumio Kawamoto
二三男 川本
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 舌端抜出作業、現像による処理ムラ及び定着
時のスリ傷のあるいは焦点ボケの発生が改善されたフイ
ルム一体型カメラを提供する。 【構成】 パトローネから引き出された未露光写真フイ
ルムが巻き上げられて収容されたサプライ室、および該
パトローネが収容された巻き上げ室を有し、かつ一回の
撮影ごとにサプライ室から一コマ分の長さの未露光写真
フィルムが引き出されて巻き上げ室のパトローネ内に巻
き上げるように設計されたフイルム一体型カメラにおい
て、該写真フイルムが、50〜200℃のガラス転移温
度を有する芳香族系ポリエステルからなる支持体を、4
0℃以上ガラス転移温度以下の温度で0.1〜1500
時間の熱処理を施した後下塗り層を形成することによ
り、あるいは該支持体に下塗り層を形成した後該熱処理
を施すことにより得られる下塗り層が形成された支持体
を有することを特徴とするフイルム一体型カメラ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆる使い捨てカメ
ラと言われるフイルム一体型カメラに関し、特にカール
特性が改良されたフイルム一体型カメラに関する。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料は、一般的に、プラスチッ
クフイルム支持体上に少なくとも一層の写真感光性層を
塗布することによって製造される。このプラスチックフ
イルムとしては一般的にはにトリアセチルセルロース
(以下「TAC」と記す)に代表される繊維素系のポリ
マーと、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」
と記す)に代表されるポリエステル系のポリマーが使用
されている。
【0003】一般に写真感光材料としては、Xレイ用フ
イルム、製版用フイルム及びカットフイルム等のシート
状の形態のものと、一般のカメラに装填して撮影に用い
られるカラー又は黒白ネガフイルムに代表されるロール
フイルムを挙げることができる。ネガフイルムは、35
mm巾又はそれ以下の巾でパトローネ内に収められてい
る。ロールフイルム用の支持体としては、主にTACが
用いられている。この最大の特徴は、光学的に異方性が
無く透明度が高いことであり、さらに現像処理後のカー
ル解消性について優れている点である。即ち、TACフ
イルムはその分子構造に由来する特徴としてプラスチッ
クフイルムとしては比較的吸水性が高いことから、ロー
ルフイルムとして巻かれた状態で放置されると、経時と
共に生じる巻きぐせによるカールが、現像処理における
吸水で分子鎖が流動し、巻かれた状況で固定された分子
鎖が再配列を起こし、その結果一旦形成された巻きぐせ
カールが解消するという優れた性質を有している。
【0004】一方、TACのごとき巻きぐせカール回復
性を有さないフイルムを用いた写真感光材料では、ロー
ル状態で用いられた際に、例えば現像後写真印画紙に画
像を形成させる焼き付け工程等で、スリ傷の発生、焦点
ボケ、搬送時のジャミング等の問題が生じる。上記TA
C以外のフイルム材料のうち重要なものとして上述のよ
うにPET(ポリエチレンテレフタレート)を挙げるこ
とができる。PETは、安価でかつ優れた生産性、機械
的強度、ならびに寸度安定性を有するため、TACを代
替するものと考えられてきたが、写真感光材料として広
範囲に用いられているロール形態では巻きぐせカールが
強く残留するため、現像処理後の取り扱い性が悪く、上
記の優れた性質がありながらその使用範囲が限定されて
いる。
【0005】ところで、近年写真感光材料の用途は多様
化しており、撮影時のフイルム搬送の高速化、撮影倍率
の高倍率化、ならびに撮影装置の小型化が著しく進んで
いる。このため、写真感光材料用の支持体としては、強
度、寸度安定性、薄膜化等の性質が要求されている。撮
影装置の小型化に伴い、パトローネの小型化の要求が強
くなっている。従来、135システム(35mm幅の1
2、24、36枚撮りフイルム)では、直径25mmの
パトローネが用いられてきたが、例えばこのスプール
(巻芯)を10mm以下にし、同時に、現行135シス
テムで用いているTAC支持体厚みの122μmから9
0μmに薄手化すれば、パトローネを直径20mm以下
に小型化することができる。
【0006】使い捨てカメラとして知られているフイル
ム一体型カメラにおいても、上記特性、特に小型化が要
望されている。このためにはパトローネの内径に加え
て、一体型カメラにおいてはフイルムが巻き上げられる
サプライ室のスプール又は空の芯の内径を小さくする必
要がある。これを解決するには、2つの課題が存在す
る。
【0007】第1の課題は、フイルムの薄膜化に伴う曲
げ強度の低下である。特に、曲げ弾性は厚みの3乗に比
例して小さくなる。ハロゲン化銀写真感材は、一般にゼ
ラチンに分散した感光層を塗設しており、この層が低湿
化で収縮を引き起こし、幅方向カール(U字型)状カー
ルを発生する。この収縮応力に抗するだけの曲げ弾性が
支持体に必要となる。第2の課題は、スプールの小型化
に伴う経時保存中に発生する強い巻きぐせである。従来
の135システムでは、パトローネ内部で最も巻径の小
さくなる36枚撮フイルムでも、巻径は14mmであ
る。これを12mm以下、更には9mm以下に小型化す
ると著しい巻きぐせが付き、これにより種々のトラブル
が発生する。例えば、ミニラボ自動現像機で現像処理を
行うと、一端がリーダーに固定されているだけで、もう
一端は固定されないため、フイルムが巻上り、ここに処
理液の供給が遅れ“処理ムラ”の発生原因となる。ま
た、このフイルムの巻き上りは、ミニラボ中のローラー
で押しつぶされ、「折れ」が発生する。
【0008】上記理由により、フイルム一体型カメラで
は、12枚撮りあるいは24枚撮りの製品が一般に入手
できるのみである。24枚撮りのサプライ室のスプール
又は空の芯の内径は14mm以上が普通である。要望は
あるが、36枚撮りのフイルム一体型カメラはまだ得ら
れていない。
【0009】このようなフイルム一体型カメラを得るた
めには、フイルムの薄膜化に伴う曲げ強度の低下、およ
びスプール又は巻き芯の内径の減少に伴う巻き癖(フイ
ルム舌端取り出し操作を困難にする)を改善することが
必要である。即ち、通常の135システムの36枚撮り
のロールフイルムのスプールの直径(最小のもの)は1
4mmであるが、フイルム一体型カメラではもっと小さ
くする必要がある。好ましくは12mm以下にしたい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】例えば、36駒撮りフ
イルムは24駒撮りフイルムの6割ほど長いため、パト
ローネから引出した未露光フイルムをロール状に巻込ん
でサプライ室に装填するときに、その長い分だけ巻回数
が多く密巻状態(巻緩みし難い)となる。しかも、この
場合、サプライ室内のフイルムの最内層の径は24駒撮
りフイルムの時の径よりも当然小さくなるため、巻始め
端(フィルム舌端)がきついカールとなる。従って、全
駒の撮影終了後パトローネ内に収容されたフィルムはき
ついカールの付いた舌端が、パトローネ内壁に密着して
しまい、現像に際して治具による舌端抜出作業を極めて
困難にする。
【0011】即ち、フイルム一体型カメラでは通常のカ
メラのような裏蓋がなく、撮影済フイルムが収容された
パトローネは、巻上室の下端に設けたパトローネ挿脱蓋
を開けて軸方向に沿って取り出すことから、フイルム舌
端をパトローネ内に完全に収容しないと、これが邪魔と
なって取り出せない。従って、フイルム一体型カメラか
ら取り出したパトローネを現像するに際し、必ず治具を
用いた舌端抜出作業を伴うことから、該作業を困難にす
る36駒撮りフイルムの装填は現像側の立場からは敬遠
されていた。また、24駒撮りにおいても更にカメラを
薄くする場合には、巻き径を小さくする必要があるが、
そうするとカールがつきやすくなり舌端作業が極めて困
難になり問題である。特に、夏場に高温雰囲気にさらさ
れるとカールが強くなり舌端作業が更に困難になるばか
りでなく、前述のミニラボ等の後端フリーの現像処理に
おいて不均一および後端折れの致命的故障を引き起こ
す。
【0012】上述の問題点、巻きぐせ、舌端抜出作業
等、を解決するには、可撓性、曲げ強度に優れたフイル
ムを得る必要がある。、これらの目的を達成するために
安価でかつ優れた生産性、機械的強度、ならびに寸度安
定性を有するポリエチレンテレフタレート等の芳香族系
ポリエステルを用いて種々検討を重ねた結果、本発明に
到達したものである。
【0013】従って、本発明は、舌端抜出作業、現像に
よる処理ムラ及び定着時のスリ傷のあるいは焦点ボケの
発生が改善されたフイルム一体型カメラを提供すること
を目的とする。さらに、本発明は、小型化されたフイル
ム一体型カメラを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を達成するための手段】上記目的は、パトローネ
から引き出された未露光写真フイルムが巻き上げられて
収容されたサプライ室、及び該パトローネが収容された
巻き上げ室を有し、かつ一回の撮影ごとにサプライ室か
ら一コマ分の長さの未露光写真フィルムが引き出されて
巻き上げ室のパトローネ内に巻き上げるように設計され
たフイルム一体型カメラにおいて、該写真フイルムが、
50〜200℃のガラス転移温度を有する芳香族系ポリ
エステルからなる支持体を、40℃以上ガラス転移温度
以下の温度で0.1〜1500時間の熱処理を施した後
下塗り層を形成することにより、あるいは該支持体に下
塗り層を形成した後該熱処理を施すことにより得られる
下塗り層が形成された支持体を有することを特徴とする
フイルム一体型カメラにより達成される。
【0015】さらに本発明のフイルム一体型カメラにお
いては、上記支持体が、長さ方向および幅方向に共に
3.05〜4.0倍の延伸倍率にて二軸延伸処理されて
いるものであることが好ましく、これにより可撓性、曲
げ強度が一段と向上するため、巻き癖が解消されること
から、舌端抜出作業、現像による処理ムラ及び定着時の
スリ傷のあるいは焦点ボケの発生が大幅に改善されたフ
イルム一体型カメラを得ることができる。
【0016】まず最初に以降に用いる巻きぐせ測定法お
よびそれに関する用語等について説明を加える。 (1)コアセット フィルムをスプールに巻き付けて巻きぐせを付けるこ
と。 (2)コアセットカール コアセットにより付けた長さ方向の巻きぐせ。巻きぐせ
の程度は、ANSI/ASC pH1.29−1985
のTest Method Aに従って測定し、1/R
〔m〕(Rはカールの半径)で表示した。 (3)ガラス転移温度(Tg) 示差熱分析計(DSC)を用い、サンプルフイルム10
mgをヘリウムチッ素気流中、20℃/分で昇温してい
った時、ベースラインから偏奇しはじめる温度と新たな
ベースラインに戻る温度の算術平均温度をTgとして定
義する。
【0017】本発明のフイルム一体型カメラの代表的な
態様を図1及び図2に示す。図1において、フイルム一
体型カメラ1は、ユニット本体3とその周囲のカメラ外
箱2からなる。ユニット本体3内では、パトローネ6か
ら引き出された未露光の写真フイルム8がサプライ室内
4(の空の芯)に巻き上げられており、そのパトローネ
6は巻き上げ室5に納められている。そして、撮影毎
に、写真フイルムの一駒分が、サプライ室から送られて
パトローネ内に巻き上げられる。7は撮影レンズであ
る。図2において、フイルム一体型カメラ11は、ユニ
ット本体13とその周囲のカメラ外箱(図示せず)から
なる。ユニット本体13内では、パトローネ16から引
き出された未露光の写真フイルム18がサプライ室内4
のスプール22に巻き上げられており、そのパトローネ
6は巻き上げ室15に納められている。そして、撮影毎
に、写真フイルムの一駒分が、サプライ室から送られて
パトローネ内に巻き上げられる。17はレンズユニット
であり、20は露出枠である。
【0018】次に、本発明のフイルム一体型カメラの写
真フイルムに使用されるポリエテルについて述べる。本
発明の芳香族系ポリエステルとしては種々のものが存在
するが、巻きぐせの付きにくさと力学強度、及びコスト
をバランスして高い性能を持つのがベンゼンジカルボン
酸とエチレングリコールを主成分とするポリエステル、
中でも特に、ポリエチレン−テレフタレート(PE
T)、ポリエチレンナフタレート系のポリエステル、あ
るいはポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート
が好ましく挙げられる。本発明のポリエステルは、ジオ
ールと芳香族ジカルボン酸を必須成分として形成される
が、使用可能な二塩基酸としては、テレフタル酸、イソ
フタル酸、フタル酸、無水フタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン
酸、無水コハク酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイ
ン酸、イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無
水フタル酸、ジフェニレンp,p′−ジカルボン酸、テ
トラクロロ無水フタル酸、3,6−エンドメチレンテト
ラヒドロ無水フタル酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸、
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】を挙げることができる。芳香族ジカルボン
酸は前述したジカルボン酸の中で、ベンゼン核を少なく
とも一個有するものである。次にジオールとしては、エ
チレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2
−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、
1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジオー
ル、1,1−シクロヘキサンジメタノール、カテコー
ル、レゾルシン、ハイドロキノン、1,4−ベンゼンジ
メタノール、
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】を挙げることができる。また、必要に応じ
て、単官能または、3以上の多官能の水酸基含有化合物
あるいは、酸含有化合物が共重合されていても構わな
い。また、本発明のポリエステルには、分子内に水酸基
とカルボキシル基(あるいはそのエステル)を同時に有
する化合物が共重合されていても良く、以下を挙げるこ
とができる。
【0025】
【化7】
【0026】これらのジオール、ジカルボン酸から成る
ポリエステルの中で、さらに好ましいものとしては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート
(PCT)等のホモポリマー、および、特に好ましい必
須な芳香族ジカルボン酸として2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸(NDCA)、テレフタル酸(TPA)、イソ
フタル酸(IPA)、オルトフタル酸(OPA)及びパ
ラフェニレンジカルボン酸(PPDC)の少なくとも一
種、ジオールとして、エチレングリコール(EG)、シ
クロヘキサンジメタノール(CHDM)、ネオペンチル
グリコール(NPG)、ビスフェノールA(BPA)及
びビフェノール(BP)の少なくとも一種、そして所望
により水酸基とカルボキシル基を同時に有する化合物で
あるヒドロキシカルボン酸としてパラヒドロキシ安息香
酸(PHBA)あるいは6−ヒドロキシ−2−ナフタレ
ンカルボン酸(HNCA)を共重合させたものを挙げる
ことができる。
【0027】これらの中で、テレフタル酸、ナフタレン
ジカルボン酸とエチレングリコールのコポリマー(テレ
フタル酸とナフタレンジカルボン酸の混合モル比は0.
9:0.1〜0.1:0.9の間が好ましく、0.8:
0.2〜0.2:0.8が更に好ましい。)、テレフタ
ル酸とエチレングリコール、ビスフェノールAのコポリ
マー(エチレングリコールとビスフェノールAの混合モ
ル比は0.6:0.4〜0:1.0の間が好ましく、更
には0.5:0.5〜0:0.9が好ましい。)、イソ
フタール酸、パラフェニレンジカルボン酸、テレフタル
酸とエチレングリコールのコポリマー(イソフタール
酸;パラフェニレンジカルボン酸のモル比はテレフタル
酸を1とした時それぞれ0.1〜0.5、0.1〜0.
5、更に好ましくは、それぞれ0.2〜0.3、0.2
〜0.3が好ましい)、テレフタル酸、ネオペンチルグ
リコールとエチレングリコールのコポリマー(ネオペン
チルグリコールとエチレングリコールのモル比は1:0
〜0.7:0.3が好ましく、より好ましくは0.9:
0.1〜0.6:0.4)テレフタル酸、エチレングリ
コールとビフェノールのコポリマー(エチレングリコー
ルとビフェノールのモル比は、0:1.0〜0.8:
0.2が好ましく、さらに好ましくは0.1:0.9〜
0.7:0.3である。)、パラヒドロキシ安息香酸、
エチレングリコールとテレフタル酸のコポリマー(パラ
ヒドロキシ安息香酸、エチレングリコールのモル比は
1:0〜0.1:0.9が好ましく、さらに好ましくは
0.9:0.1〜0.2:0.8)等の共重合体が好ま
しい。さらに、本発明で使用されるポリエステルとして
は、芳香族ジカルボン酸として、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4
−ナフタレンジカルボン酸または1,6−ナフタレンジ
カルボン酸(特に、2,6−ナフタレンジカルボン酸)
と、ジオールとしてエチレングリコールとから得られる
ポリエステルが最も好ましい。その際、ナフタレンジカ
ルボン酸は、全ジカルボン酸中の10モル%以上、好ま
しくは30モル%以上である。これらのホモポリマーお
よびコポリマーは、従来公知のポリエステルの製造方法
に従って合成できる。例えば酸成分をグリコール成分と
直接エステル化反応するか、または酸成分としてジアル
キルエステルを用いる場合は、まず、グリコール成分と
エステル交換反応をし、これを減圧下で加熱して余剰の
グリコール成分を除去することにより、合成することが
できる。あるいは、酸成分を酸ハライドとしておき、グ
リコールと反応させてもよい。この際、必要に応じて、
エステル交換反応、触媒あるいは重合反応触媒を用いた
り、耐熱安定化剤を添加してもよい。これらのポリエス
テル合成法については、例えば、高分子実験学第5巻
「重縮合と重付加」(共立出版、1980年)第103
頁〜第136頁、“合成高分子V”(朝倉書店、197
1年)第187頁〜第286頁の記載を参考に行うこと
ができる。これらのポリエステルの好ましい平均分子量
の範囲は約10,000ないし500,000である。
さらに、これらのポリエステルには別の種類のポリエス
テルとの接着性を向上させるために、別のポリエステル
を一部ブレンドしたり、別のポリエステルを構成するモ
ノマーを共重合させたり、または、これらのポリエステ
ル中に、不飽和結合を有するモノマーを共重合させ、ラ
ジカル架橋させたりすることができる。得られたポリマ
ーを2種類以上混合したのポリマーブレンドは、特開昭
49−5482、同64−4325、特開平3−192
718、リサーチ・ディスクロージャー283,739
−41、同284,779−82、同294,807−
14に記載した方法に従って、容易に形成することがで
きる。
【0028】本発明のポリエステルはそのTgが50℃
以上であるが、その使用条件は、一般に十分注意されて
取り扱われるわけではなく、特に真夏の屋外においてそ
の気温が40℃までに晒されることが多々有り、この観
点から本発明のTgは安全をみこして55℃以上が好ま
しい。さらに好ましくは、Tgは60℃以上であり特に
好ましくは70℃以上である。これは、この熱処理によ
る巻き癖改良の効果が度、引張強度及び寸法安定性等が
改善される。、ガラス転移温度を超える温度にさらされ
ると消失するため、一般ユーーザーに使われた際に過酷
な条件である温度、即ち夏季の温度40℃を超える温度
以上のガラス転移温度を有するポリエステルが好まし
い。一方、透明性を有し、200℃を越える汎用ポリエ
ステルフイルムは現在まで存在しない。従って本発明に
用いられるポリエステルのTg温度は、50℃以上20
0℃以下であることが必要である。
【0029】次に本発明に用いるポリエステルの好まし
い具体的化合物例を示すが、本発明がこれに限定される
ものではない。 ポリエステル化合物例 P−0:〔テレフタル酸(TPA)/エチレングリコール(EG) )(1 00/100)〕 (PET) Tg=80℃ P−1:〔2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDCA)/エチレングリコー ル(EG)(100/100)〕(PEN) Tg=119℃ P−2:〔テレフタル酸(TPA)/シクロヘキサンジメタノール(CHDM )(100/100)〕 Tg=93℃ P−3:〔TPA/ビスフェノールA(BPA) (100/100)〕 Tg=192℃ P−4: 2,6−NDCA/TPA/EG(50/50/100) Tg=92℃ P−5: 2,6−NDCA/TPA/EG(75/25/100) Tg=102℃ P−6: 2,6−NDCA/TPA/EG/BPA(50/50/75/ 25) Tg=112℃ P−7: TPA/EG/BPA(100/50/50)Tg=105℃ P−8: TPA/EG/BPA(100/25/75)Tg=135℃ P−9: TPA/EG/CHDM/BPA(100/25/25/50) Tg=115℃
【0030】 P−10:IPA/PPDC/TPA/EG(20/50/30/100) Tg=95℃ P−11:NDCA/NPG/EG(100/70/30) Tg=105℃ P−12:TPA/EG/BP(100/20/80) Tg=115℃ P−13:PHBA/EG/TPA(200/100/100) Tg=125℃ P−14:PEN/PET(60/40) Tg=95℃ P−15:PEN/PET(80/20) Tg=104℃ P−16:PAr(ポリアリレート)/PEN(50/50)Tg=142℃ P−17:PAr/PCT(50/50) Tg=118℃ P−18:PAr/PET(60/40) Tg=101℃ P−19:PEN/PET/PAr(50/25/25)Tg=108℃ P−20:TPA/5−スルフォイソフタル酸(SIP)/EG(95/5/ 100) Tg=65℃
【0031】本発明の芳香族系ポリエステルは、50〜
200℃のガラス転移温度を有するもので、上記のよう
なポリエステルを使用することができる。そして、この
ようなポリエステルは、支持体にするために通常前記の
ような二軸延伸処理されている。本発明では、熱処理前
の支持体は、下記のような延伸処理等がなされているこ
とが、カール特性改良の上で好ましい。
【0032】ポリエステル材料は、通常融点以上で溶融
され、溶融押し出し機や二軸混練機により均一に混合さ
れてリングダイあるいはTダイよりシート状のポリエス
テルを作製する。冷却された後、そのポリエステルフィ
ルムの二軸延伸が行なわれる。二軸延伸は、まず長手方
向に最初の長さの2〜3倍になるまで延伸し、次に同様
に横(幅)方向にも延伸することにより行なわれる。支
持体の作成方法については、特開昭51−15358号
公報に、コアに巻いて放置した際生じる巻き癖(コアセ
ットカール)を改善するために、二軸延伸処理等が行な
われたPET等の巻き癖が付き易いプラスチックフィル
ムを30℃からガラス転移温度(Tg)を30〜5℃下
回る温度で0.1〜1500時間加熱処理することが開
示されている。即ち、写真用フイルムの支持体は、プラ
スチックを加熱溶融して押し出し、Tg以上融点以下で
二軸延伸を行ない(上記のように長手方向及び様に横
(幅)方向に最初の長さの2〜3倍に)、次いで結晶化
度を高め且つ寸法安定性を向上させるため結晶点付近ま
で加熱することにより「ヒートセット」を行ない、支持
体が製造される。得られる「ヒートセット」されたフィ
ルムは、所望により、熱緩和処理が行なわれる。処理温
度はポリマーのクリープ温度である。この処理により、
寸法安定性、表面平滑性が更に改善される。そして、上
記公報では、このようにして得られたフィルムを、更に
上記加熱処理を行なっている。
【0033】本発明では、二軸延伸が、長さ方向および
幅方向に共に3.05〜4.0倍の延伸倍率にて行なわ
れるのが一般的であり、3.05〜3.8倍の延伸倍率
で行なうことが好ましく、さらに3.05〜3.7倍の
延伸倍率で行なうことが好ましく、3.1〜3.6倍の
延伸倍率で行なうことが最も好ましい。3.05倍未満
では、充分な可撓性が得られず、4.0倍を超えた場合
は、充分な曲げ強度が得られず脆性が顕著となる。上記
範囲で延伸処理を行なうことにより、可撓性と曲げ強度
が共に優れたポリエステルフイルムを得ることができ
る。上記二軸延伸において、延伸温度は、Tg〜Tgを
40℃上回る温度(Tg+40℃)の温度範囲が好まし
く、さらに(Tg+10℃)〜(Tg+40℃)の温度
範囲が好ましく、特に(Tg+10℃)〜(Tg+30
℃)の温度範囲が好ましい。また、延伸速度は、5〜2
00%/秒の範囲が好ましい。上記ポリエステルフイル
ムを、更に200〜250℃で20〜5%の熱緩和処理
しても良い。
【0034】上記延伸処理された支持体は、一般に50
〜100μmの厚さを有する。好ましくは、60〜10
0μmの厚さ、そして特に70〜95μmを有すること
が好ましい。50μm未満では乾燥時に発生する感光層
の収縮応力に耐えることができず、一方100μmを超
えるとコンパクト化のために厚みを薄くしようとする目
的と矛盾する。以上のような本発明のポリエステルは全
てTACよりも強い曲弾性率を有し、当初の目的である
フィルムの薄手化を実現可能であった。しかし、これら
の中で強い曲弾性を有していたのがPET、PEN等の
芳香族系ポリエステルでありこれを用いるとTACで1
22μm必要だった膜厚を100μm以下にまで薄くす
ることが可能である。
【0035】次に上記ポリエステル支持体は、本発明の
特定の熱処理が施される。すなわち、40℃以上ガラス
転移温度以下の温度で0.1〜1500時間行なわれ
る。この効果は熱処理温度が高いほど早く進む。しかし
熱処理温度がガラス転移温度を超えるとフイルム内の分
子がむしろ乱雑に動き逆に自由体積が増大し、分子が流
動し易い、即ち巻きぐせの付き易いフイルムとなる。従
ってこの熱処理はガラス転移温度以下で行うことが必要
である。
【0036】従って、この熱処理は、ガラス転移温度を
少し下廻る温度で行うことが処理時間短縮のために望ま
しく、40℃以上ガラス転移温度以下、より好ましく
は、ガラス転移温度を30℃下廻る温度以上ガラス転移
温度以下、特に好ましくは、ガラス転移温度を20℃下
廻る温度以上ガラス転移温度以下である。一方、この温
度条件で熱処理を行う場合、0.1時間以降効果が認め
られる。また、1500時間以上では、その効果はほと
んど飽和する。従って、0.1時間以上1500時間以
下で熱処理が行なわれ、0.5〜1000時間が一般的
であり、0.5〜500時間が好ましく、特に10〜1
00時間が好ましい。
【0037】さらにまた本発明のポリエステルを熱処理
する方法において、時間を短縮するために予めTg以上
に短時間加熱(好ましくはTgの20℃以上100℃以
下の5分〜3時間処理する)することが、好ましい。又
加熱方法においては、加熱倉庫にフィルムのロールをそ
のまま放置して加熱処理してもよいが、更には加熱ゾー
ンを搬送して熱処理してもよく製造適性を考慮すると後
者のほうが好ましい。さらに熱処理で用いられるロール
巻き芯は、そのフィルムへの温度伝播が効率よくいくた
めに中空かないしは加熱出来るように電気ヒーター内蔵
または高温液体を流液できるような構造を有するものが
好ましい。ロール巻き芯の材質は特に限定されないが、
熱による強度ダウンや変形のないものが好ましく、例え
ばステンレス、ガラスファイバー入り樹脂を挙げること
が出来る。
【0038】本発明の上記加熱処理は、Tgから(Tg
−40℃)の温度範囲内において−20〜−0.01℃
/分の速度で徐冷することも含む。−20℃/分を超え
る速度で冷却すると、ポリマー分子のひずみを熱緩和に
より適度に除去することができない。支持体は、Tg+
30℃から徐冷されることが更に好ましい。
【0039】また、本発明のポリエステルフイルムを写
真感光材料用支持体として使用する際に問題となる性質
の一つに支持体が高屈折率であるために発生するふちか
ぶりの問題があげられる。本発明の芳香族系ポリエステ
ルの屈折率は、1.6〜1.7と高いのに対し、この上
に塗設する感光層の主成分であるゼラチンの屈折率は
1.50〜1.55とこの値より小さい。従って、光が
フイルムエッジから入射した時、ベースと乳剤層の界面
で反射しやすい。従って、ポリエステル系のフイルムは
いわゆるライトパイピング現象(ふちかぶり)を起こ
す。この様なライトパイピング現象を回避する方法とし
てはフイルムに不活性無機粒子等を含有させる方法なら
びに染料を添加する方法等が知られている。本発明にお
いて好ましいライトパイピング防止方法はフイルムヘイ
ズを著しく増加させない特定の染料あるいは顔料を添加
による方法である。フイルム染色に使用する染料につい
ては特に限定を加えるものでは無いが色調は感光材料の
一般的な性質上グレー染色が好ましく、また染料はポリ
エステルフィルムの製膜温度域での耐熱性に優れ、かつ
ポリエステルとの相溶性に優れたものが好ましい。染色
濃度に関しては、マクベス社製の色濃度計にて可視光域
での色濃度を測定し少なくとも0.01以上であること
が必要である。更に好ましくは0.03以上である。
【0040】上記染料としては、下記の一般式(I)ま
たは(II)を有するものが好ましい。
【0041】
【化8】 (但し、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
よびR8 は、それぞれ水素原子、水酸基、脂肪族基、芳
香族基、複素環基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ
基、COR9 、COOR9 、NR910、NR10COR
11、NR10SO211、CONR910、SO2 NR9
10、COR11、SO211、OCOR11、NR9 CO
NR1011、CONHSO211またはSO2 NHCO
11を表わし、そしてR1 とR2 もしくはR2 とR3
は、それぞれ連結して環を形成していも良く、さらにR
9 およびR10は、それぞれ水素原子、脂肪族基、芳香族
基または複素環基を表わし、R11は、脂肪族基、芳香族
基または複素環基を表わし、そしてR9 とR10は連結し
て5または6員環を形成していも良い。) または下記の一般式(II):
【0042】
【化9】 (但し、R21、R23およびR24は、それぞれ水素原子、
水酸基、ニトロ基、シアノ基、脂肪族基、芳香族基、C
OR29、COOR29、NR2930、NR30COR31また
はNR30SO231を表わし、R22は脂肪族基または芳
香族基を表わし、R29およびR30は、一般式(I)のR
9 およびR10で示された基を表わし、R31は、一般式
(I)のR11で示された基を表わし、そしてR21
22、R23およびR24の内少なくとも一個は、水素原子
以外の基である。)
【0043】上記一般式(I)における、R1 、R2
3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R10およ
びR11で表わされる脂肪族基は、炭素原子数1〜20の
アルキル基(例、メチル、エチル、n−ブチル、イソプ
ロピル、2−エチルヘキシル、n−デシル及びn−オク
タデシル)、炭素原子数1〜20のシクロアルキル基
(例、シクロペンチル及びシクロヘキシル)またはアリ
ル基であり、そして上記脂肪族基が有していても良い置
換基としては、ハロゲン原子(例、F、Cl、Br及び
I)、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボン酸基、炭
素原子数6〜10のアリール基(例、フェニル及びナフ
チル)、炭素原子数0〜20のアミノ基(例、NH2
NHCH3 、N(C252 、N(C492 、N
(C8172 、アニリノ、4−メトキシアニリノ)、
炭素原子数1〜20のアミド基(例、アセチルアミノ、
ヘキサノイルアミノ、ベンゾイルアミノ及びオクタデカ
ノイルアミノ)、炭素原子数1〜20のカルバモイル基
(例、無置換のカルバモイル、メチルカルバモイル、エ
チルカルバモイル、オクチルカルバモイル及びヘキサデ
シルカルバモイル)、炭素原子数2〜20のエステル基
(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、フェ
ノキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル及びドデシ
ルオキシカルボニル)、炭素原子数1〜20のアルコキ
シ基又はアリーロキシ基(例、メトキシ、エトキシ、ブ
トキシ、イソプロポキシ、ベンンジルオキシ、フェノキ
シ及びオクタデシルオキシ)、炭素原子数1〜20のス
ルホンアミド基(例、メタンスルホンアミド、エタンス
ルホンアミド、ブタンスルホンアミド、ベンゼンスルホ
ンアミド及びオクタンスルホンアミド)、炭素原子数0
〜20のスルファモイル基(例、無置換のスルファモイ
ル、メチルスルファモイル、ブチルスルファモイル及び
デシルスルファモイル)、又は5員又は6員の複素環基
(例、ピリジル、ピラゾリル、モルホリノ、ピペリジ
ノ、ピロリノ及びベンジオキサゾリル)を挙げることが
できる。
【0044】上記一般式(I)における、R1 、R2
3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R10およ
びR11で表わされる芳香族基は、炭素原子数6〜10の
アリール基(例、フェニル及びナフチル)であり、そし
て上記芳香族基が有していても良い置換基としては、上
記脂肪族基で示した置換基、及び炭素原子数1〜20の
アルキル基(例、メチル、エチル、n−ブチル、t−ブ
チル及びオクチル)を挙げることができる。
【0045】上記一般式(I)における、R1 、R2
3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R10およ
びR11で表わされる複素環は、5員又は6員の複素環
(例、ピリジン、ピラゾール、モルホリン、ピペリジ
ン、ピロリジン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾロ
ン及びベンジオキサゾール)であり、そして上記複素環
基が有していても良い置換基としては、上記芳香族基で
示した置換基を挙げることができる。
【0046】上記一般式(I)における、R9 とR10
連結して形成される5員又は6員の複素環としては、モ
ルホリン環、ピペリジン環及びピロリジン環を挙げるこ
とができる。そして上記複素環基が有していても良い置
換基としては、上記芳香族基で示した置換基を挙げるこ
とができる。R1 とR2 あるいはR2 とR3 が連結して
形成される環としては、5員又は6員の複素環(例、ベ
ンゼン環及びフタルイミド環)を挙げることができる。
【0047】上記一般式(II)における、R21、R22
23およびR24で表わされる脂肪族基は、上記一般式
(I)のR1 〜R11で表わされた脂肪族基を表わし、そ
してR21、R22、R23およびR24で表わされる芳香族基
は、上記一般式(I)のR1 〜R11で表わされた芳香族
基を表わす。
【0048】上記一般式(I)または(II)で表わされ
る化合物の例を下記に示す。
【0049】
【化10】
【0050】
【化11】
【0051】
【化12】
【0052】
【化13】
【0053】
【化14】
【0054】
【化15】
【0055】
【化16】
【0056】
【化17】
【0057】次に本発明のポリエステルについて、その
写真支持体としての機能を更に高める為に、種々の添加
剤を共存させることが好ましい。これらのポリエステル
フィルム中に蛍光防止および経時安定性付与の目的で紫
外線吸収剤を、練り込んでも良い。紫外線吸収剤として
は、可視領域に吸収を持たないものが望ましく、かつそ
の添加量はポリエステルフィルムの重量に対して通常
0.01重量%ないし20重量%、好ましくは0.05
重量%ないし10重量%程度である。0.01重量%未
満では紫外線劣化を抑える効果が期待できない。紫外線
吸収剤としては2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ド
デシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,
2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾ
フェノンなどのベンゾフェノン系、2(2′−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
(2′−ヒドロキシ3′,5′−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2(2′−ヒドロキシ−3′
−ジ−t−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール等のベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニ
ル、サリチル酸メチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤が
挙げることができる。
【0058】本発明によるポリエステルフイルムは、用
途に応じて易滑性を付与することも可能であり、易滑性
付与手段としては特に限定を加えるところでは無いが、
不活性無機化合物の練り込み、あるいは界面活性剤の塗
布等が一般的手法として用いられる。かかる不活性無機
粒子としてはSiO2 、TiO2 、BaSO4 、CaC
3、タルク及びカオリンを挙げることができる。ま
た、上記のポリエステル合成反応系に不活性な粒子を添
加する外部粒子系による易滑性付与以外にポリエステル
の重合反応時に添加する触媒等を析出させる内部粒子系
による易滑性付与方法も採用可能である。これら易滑性
付与手段には特に限定を加えるものでは無いが、写真感
光材料用支持体としては透明性が重要な要件となるた
め、上記易滑性付与方法手段では外部粒子系としてはポ
リエステルフイルムと比較的近い屈折率をもつSi
2 、あるいは析出する粒子径を比較的小さくすること
が可能な内部粒子系を選択することが望ましい。
【0059】更には、練り込みによる易滑性付与を行う
場合、よりフイルムの透明性を得るために機能付与した
層を積層する方法も好ましい。この手段としては具体的
には複数の押し出し機ならびにフィードブロック、ある
いはマルチマニフォールドダイによる共押出し法が例示
される。これらのポリマーフイルムを支持体に使用する
場合、これらポリマーフイルムがいずれも疎水性の表面
を有するため、支持体上にゼラチンを主とした保護コロ
イドからなる写真層(例えば感光性ハロゲン化銀乳剤
層、中間層、フィルター層等)を強固に接着させる事は
非常に困難である。この様な難点を克服するために試み
られた従来技術としては、(1)薬品処理、機械的処
理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波処
理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処
理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面活性化処理
をしたのち、直接写真乳剤を塗布して接着力を得たのち
下塗層を設ける方法と、(2)一旦これらの表面処理な
しで、下塗層を設けこの上に写真乳剤層を塗布する方法
との二法がある。(例えば米国特許第2,698,24
1号、同2,764,520号、同2,864,755
号、同3,462,335号、同3,475,193
号、同3,143,421号、同3,501,301
号、同3,460,944号、同3,674,531
号、英国特許第788,365号、同804,005
号、同891,469号、特公昭48−43122号、
同51−446号等)。
【0060】これらの表面処理は、いずれも、本来は疎
水性であった支持体表面に多少共、極性基を形成させる
事、表面の架橋密度を増加させることなどによるものと
思われ、その結果として下塗液中に含有される成分の極
性基との親和力が増加すること、ないし接着表面の堅牢
度が増加すること等が考えられる。また、下塗層の構成
としても種々の工夫が行なわれており、第1層として支
持体によく接着する層(以下、下塗第1層と略す)を設
け、その上に第2層として写真層とよく接着する親水性
の樹脂層(以下、下塗第2層と略す)を塗布する所謂重
層法と、疎水性基と親水性基との両方を含有する樹脂層
を一層のみ塗布する単層法とがある。
【0061】(1)の表面処理のうち、コロナ放電処理
は、最もよく知られている方法であり、従来公知のいず
れの方法、例えば特公昭48−5043号、同47−5
1905号、特開昭47−28067号、同49−83
767号、同51−41770号、同51−13157
6号等に開示された方法により達成することができる。
放電周波数は50Hz〜5000KHz、好ましくは5
KHz〜数100KHzが適当である。放電周波数が小
さすぎると、安定な放電が得られずかつ被処理物にピン
ホールが生じ、好ましくない。又周波数が高すぎると、
インピーダンスマッチングのための特別な装置が必要と
なり、装置の価格が高くなり、好ましくない。被処理物
の処理強度に関しては、通常のポリエステル、ポリオレ
フィン等のプラスチックフィルムの濡れ性改良の為に
は、0.001KV・A・分/m2〜5KV・A・分/
2 、好ましくは0.01KV・A・分/m2 〜1KV
・A・分/m2 が適当である。電極と誘電体ロールのギ
ャップクリアランスは0.5〜2.5mm、好ましくは
1.0〜2.0mmが適当である。多くの場合、もっと
も効果的な表面処理であるグロー放電処理は、従来知ら
れているいずれの方法、例えば特公昭35−7578
号、同36−10336号、同45−22004号、同
45−22005号、同45−24040号、同46−
43480号、米国特許3,057,792号、同3,
057,795号、同3,179,482号、同3,2
88,638号、同3,309,299号、同3,42
4,735号、同3,462,335号、同3,47
5,307号、同3,761,299号、英国特許99
7,093号、特開昭53−129262号等を用いる
ことができる。
【0062】グロー放電処理条件は、一般に圧力は0.
005〜20Torr、好ましくは0.02〜2Tor
rが適当である。圧力が低すぎると表面処理効果が低下
し、また圧力が高すぎると過大電流が流れ、スパークが
おこりやすく、危険でもあるし、被処理物を破壊する恐
れもある。放電は、真空タンク中で1対以上の空間を置
いて配置された金属板或いは金属棒間に高電圧を印加す
ることにより生じる。この電圧は、雰囲気気体の組成、
圧力により種々な値をとり得るものであるが、通常上記
圧力範囲内では、500〜5000Vの間で安定な定常
グロー放電が起る。接着性を向上せしめるのに特に好適
な電圧範囲は、2000〜4000Vである。又、放電
周波数として、従来技術に見られるように、直流から数
1000MHz、好ましくは50Hz〜20MHzが適
当である。放電処理強度に関しては、所望の接着性能が
得られることから0.01KV・A・分/m2 〜5KV
・A・分/m2 、好ましくは0.15KV・A・分/m
2 〜1KV・A・分/m2 が適当である。
【0063】次に下塗法について述べると、これらの方
法はいずれもよく研究されており、重層法における下塗
第1層では、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタ
ジエン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水
マレイン酸などの中かち選ばれた単量体を出発原料とす
る共重合体を始めとして、ポリエチレンイミン、エポキ
シ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニトロセルロース、など
数多くのポリマーについて、下塗第2層では主としてゼ
ラチンについてその特性が検討されてきた。
【0064】単層法においては、多くの支持体を膨潤さ
せ、親水性下塗ポリマーと界面混合させることによって
良好な接着性が達成される場合が多い。本発明で使用す
ることができる親水性下塗ポリマーとしては、水溶性ポ
リマー、セルロースエステル、ラテックスポリマー、水
溶性ポリエステルなどが例示される。水溶性ポリマーと
しては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、カゼイン、寒天、
アルギン酸ソーダ、でんぷん、ポリビニールアルコー
ル、ポリアクリル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体
などであり、セルロースエステルとしてはカルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどであ
る。ラテックスポリマーとしては塩化ビニル含有共重合
体、塩化ビニリデン含有共重合体、アクリル酸エステル
含有共重合体、酢酸ビニル含有共重合体、ブタジエン含
有共重合体などである。この中でも最も好ましいのはゼ
ラチンである。
【0065】本発明に使用することができる支持体を膨
潤させる化合物として、レゾルシン、クロルレゾルシ
ン、メチルレゾルシン、o−クレゾール、m−クレゾー
ル、p−クレゾール、フェノール、o−クロルフェノー
ル、p−クロルフェノール、ジクロルフェノール、トリ
クロルフェノール、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、ト
リフルオロ酢酸、抱水クロラールなどがあげられる。こ
の中で好ましいのは、レゾルシンとp−クロルフェノー
ルである。本発明の下塗層には種々のゼラチン硬化剤を
用いることができる。ゼラチン硬化剤としてはクロム塩
(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒ
ド、グルタールアルデヒドなど)、イソシアネート類、
活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキ
シ−S−トリアジンなど)、エピクロルヒドリン樹脂な
どを挙げることができる。
【0066】本発明の下塗層にはSiO2 、TiO2
マット剤の如き無機物微粒子又はポリメチルメタクリレ
ート共重合体微粒子(1〜10μm)をマット剤として
含有することができる。これ以外にも、下塗液には、必
要に応じて各種の添加剤を含有させることができる。例
えば界面活性剤、帯電防止剤、アンチハレーション剤、
着色用染料、顔料、塗布助剤、カブリ防止剤等である。
本発明において、下塗第1層用の下塗液を使用する場合
には、レゾルシン、抱水クロラール、クロロフェノール
などの如きエッチング剤を下塗液中に含有させる必要は
全くない。しかし所望により前記の如きエッチング剤を
下塗中に含有させることは差し支えない。
【0067】本発明に係わる下塗液は、一般によく知ら
れた塗布方法、例えばディップコート法、エアーナイフ
コート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイ
ヤーバーコート法、グラビアコート法、或いは米国特許
第2,681,294号明細書に記載のホッパーを使用
するエクストルージョンコート法により塗布することが
出来る。所望により、米国特許第2,761,791
号、同3,508,947号、同2,941,898
号、及び同3,526,528号明細書、原崎勇次著、
「コーティング工学」253頁(1973年、朝倉書店
発行)などに記載された方法により2層以上の層を同時
に塗布することが出来る。
【0068】バック層のバインダーとしては、疎水性ポ
リマーでもよく、下塗層に用いる如き親水性ポリマーで
あってもよい。本発明の使用されるバック層には、帯電
防止剤、易滑剤、マット剤、界面活性剤、染料等を含有
することができる。本発明のバック層で用いられる帯電
防止剤としては、特に制限はなく、たとえばアニオン性
高分子電解質としてはカルボン酸及びカルボン酸塩、ス
ルホン酸塩を含む高分子で例えば特開昭48−2201
7号、特公昭46−24159号、特開昭51−307
25号、特開昭51−129216号、特開昭55−9
5942号に記載されているような高分子である。カチ
オン性高分子としては例えば特開昭49−121523
号、特開昭48−91165号、特公昭49−2458
2号に記載されているようなものがある。またイオン性
界面活性剤もアニオン性とカチオン性とがあり、例えば
特開昭49−85826号、特開昭49−33630
号、米国特許第2,992,108、米国特許第3,2
06,312、特開昭48−87826号、特公昭49
−11567号、特公昭49−11568号、特開昭5
5−70837号などに記載されているような化合物を
挙げることができる。
【0069】バック層の帯電防止剤として最も好ましい
ものは、ZnO、TiO2 、SnO2 、Al2 3 、I
2 3 、SiO2 、MgO、BaO、MoO3 及びV
2 5 の中から選ばれた少くとも1種の結晶性の金属酸
化物あるいはこれらの複合酸化物の微粒子である。使用
される導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物の微粒
子はその体積抵抗率が107 Ωcm以下、より好ましく
は105 Ωcm以下である。またその粒子サイズは0.
002〜0.7μm、特に0.005〜0.3μmとす
ることが望ましい。
【0070】本発明のフィルム一体型カメラ内で用いら
れるフィルムのカメラ内での中心部の空あるいはスプー
ルは小さい程好ましいが、3mm以下では感材の圧力に
よる写真性の悪化が著しく実用上使用できない。従って
本発明では好ましいフィルムのカメラ内での中心部の空
あるいはスプールは3mm以上であり、叉上限は13.
5mmが一般的であり、3mmから12mmの範囲が好
ましく、3mmから10mmの範囲が好ましく、特に4
mmから9mmの範囲が好ましい。一方、パトローネの
スプールの巻き込み内径においては、5mm以下では感
材の圧力による写真性の悪化が著しく叉多数枚の駒数を
装填出来ず実用上使用できない。従って本発明では好ま
しいカメラ内のスプールの巻き込み内径はスプールは5
mm以上であり、叉上限は15mmが一般的であり、6
mmから13.5mmの範囲が好ましく、更に7mmか
ら13.5mmの範囲が好ましく、特に7mmから13
mmの範囲が好ましく。
【0071】次に本発明の写真感光材料の写真層につい
て記載する。
【0072】ハロゲン化銀乳剤層としては黒白用カラー
用何れでもよい。ここではカラーハロゲン化銀写真感光
材料について説明する。本発明に使用することができる
感光材料は、支持体上に青感色性層、緑感色性層、赤感
色性層のハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層が設けら
れていればよく、ハロゲン化銀乳剤層および非感光性層
の層数および層順に特に制限はない。典型的な例として
は、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが感光度
の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感光性層を
少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感光材料であ
り、該感光性層は青色光、緑色光、および赤色光の何れ
かに感色性を有する単位感光性層であり、多層ハロゲン
化銀カラー写真感光材料においては、一般に単位感光性
層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、緑感色性
層、青感色性の順に設置される。しかし、目的に応じて
上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異な
る感光性層が挟まれたような設置順をも取り得る。
【0073】上記、ハロゲン化銀感光性層の間および最
上層、最下層には各層の中間層等の非感光性層を設けて
もよい。該中間層には、特開昭61−43748号公
報、同59−113438号公報、同59−11344
0号公報、同61−20037号公報、同61−200
38号公報に記載されているようなカプラー、DIR化
合物等が含まれていてもよく、通常用いられるように混
色防止剤を含んでいてもよい。各単位感光性層を構成す
る複数のハロゲン化銀乳剤層は、西独特許第1,12
1,470号あるいは英国特許第923,045号、特
開昭57−112751号公報、同62−200350
号公報、同62−206541号公報、同62−206
543号公報、同56−25738号公報、同62−6
3936号公報、同59−202464号公報、特公昭
55−34932号公報、同49−15495号公報に
記載されている。
【0074】ハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十
四面体のような規則的な結晶を有するもの、球状、板状
のような変則的な結晶形を有するもの、双晶面などの結
晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの複合形でもよ
い。ハロゲン化銀の粒径は、約0.2ミクロン以下の微
粒子でも投影面積直径が約10ミクロンに至るまでの大
サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でもよ
い。本発明に使用することができるハロゲン化銀写真乳
剤は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)N
o. 17643(1978年12月)、22〜23頁、
“I.乳剤製造(Emulsion preparat
ion and types)" 、および同No. 18
716(1979年11月)、648頁、グラフキデ著
「写真の物理と化学」、ポールモンテル社刊(P.Gl
afkides,Chemie et Phisiqu
e Photographique,Paul Mon
tel, 1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フ
ォーカルプレス社刊(G.F.Duffin,Phot
ographic Emulsion Chemist
ry(Focal Press,1966)、ゼリクマ
ンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社
刊(V.L.Zelikman et al.,Mak
ing and Coating Photograp
hic Emulsion,Focal Press,
1964)などに記載された方法を用いて調製すること
ができる。
【0075】米国特許第3,574,628号、同3,
655,394号および英国特許第1,413,748
号などに記載された単分散乳剤も好ましい。また、アス
ペクト比が約5以上であるような平板状粒子も本発明に
使用できる。平板状粒子は、ガトフ著、フォトグラフィ
ック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Gut
off,Photographic Science
and Engineering)、第14巻、248
〜257頁(1970年);米国特許第4,434,2
26号、同4,414,310号、同4,433,04
8号、同4,439,520号および英国特許第2,1
12,157号などに記載の方法により簡単に調製する
ことができる。結晶構造は一様なものでも、内部と外部
とが異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構
造をなしていてもよい。また、エピタキシャル接合によ
って組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよ
く、また例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以
外の化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形
の粒子の混合物を用いてもよい。ハロゲン化銀乳剤は、
通常、物理熟成、化学熟成および分光増感を行ったもの
を使用する。本発明の効率は、金化合物と含イオウ化合
物で増感した乳剤を使用したときに特に顕著に認められ
る。このような工程で使用される添加剤はリサーチ・デ
ィスクロージャーNo. 17643および同No. 18
716に記載されており、その該当箇所を後掲の表にま
とめた。
【0076】本発明に使用することができる公知の写真
用添加剤も上記の2つのリサーチ・ディスクロージャー
に記載されており、下記の表に関連する記載箇所を示し
た。 (添加剤種類) (RD176439)(RD187169) 1 化学増感剤 23頁 648頁右欄 2 感度上昇剤 同上 3 分光増感剤、強色増感剤 23〜24頁 648頁右欄 〜649頁右欄 4 増 白 剤 24頁 5 かぶり防止剤および安定剤 24〜25頁 649頁右欄〜 6 光吸収剤、フィルター染料、 紫外線吸収剤 25〜26頁 649頁右欄 〜650頁左欄 7 ステイン防止剤 25頁右欄 650頁左〜右欄 8 色素画像安定剤 25頁 9 硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 10 バインダー 26頁 同上 11 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 12 塗布助剤、表面活性剤 26〜27頁 650頁右欄 また、ホルムアルデヒドガスによる写真性能の劣化を防
止するために、米国特許4,411,987号、や同第
4,435,503号に記載されたホルムアルデヒドと
反応して、固定化できる化合物を感光材料に添加するこ
とが好ましい。
【0077】本発明には種々のカラーカプラーを使用す
ることができ、その具体例は前出のリサーチ・ディスク
ロージャー(RD)No. 17643、VII −C〜Gに
記載された特許に記載されている。イエローカプラーと
しては、例えば米国特許第3,933,501号、同第
4,022,620号、同第4,326,024号、同
第4,401,752号、同第4,248,961号、
特公昭58−10739号公報、英国特許第1,42
5,020号、同第1,476,760号、米国特許第
3,973,968号、同第4,314,023号、同
第4,511,649号、欧州特許第249,473A
号、等に記載のものが好ましい。
【0078】マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン
系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特
許第4,310,619号、同第4,351,897
号、欧州特許第73,636号、米国特許第3,06
1,432号、同第3,725,067号、リサーチ・
ディスクロージャーNo. 24220(1984年6
月)、特開昭60−33552号、リサーチ・ディスク
ロージャーNo. 24230(1984年6月)、特開
昭60−43659号公報、同61−72238号公
報、同60−35730号公報、同55−118034
号公報、同60−185951号公報、米国特許第4,
500,630号、同第4,540,654号、同第
4,556,630号、WO(PCT)88/0479
5号等に記載のものが特に好ましい。
【0079】シアンカプラーとしては、フェノール系及
びナフトール系カプラーが挙げられ、米国特許第4,0
52,212号、同第4,146,396号、同第4,
228,233号、同第4,296,200号、同第
2,369,929号、同第2,801,171号、同
第2,772,162号、同第2,895,826号、
同第3,772,002号、同第3,758,308
号、同第4,334,011号、同第4,327,17
3号、西独特許公開第3,329,729号、欧州特許
第121,365A号、同第249,453A号、米国
特許第3,446,622号、同第4,333,999
号、同第4,753,871号、同第4,451,55
9号、同第4,427,767号、同第4,690,8
89号、同第4,254,212号、同第4,296,
199号、特開昭61−42658号公報等に記載のも
のが好ましい。
【0080】発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、リサーチ・ディスクロージャーN
o. 17643のVII −G項、米国特許第4,163,
670号、特公昭57−39413号、米国特許第4,
004,929号、同第4,138,258号、英国特
許第1,146,368号に記載のものが好ましい。発
色色素が過度な拡散性を有するカプラーとしては、米国
特許第4,366,237号、英国特許第2,125,
570号、欧州特許第96,570号、西独特許(公
開)第3,234,533号に記載のものが好ましい。
ポリマー化された色素形成カプラーの典型例は、米国特
許第3,451,820号、同第4,080,211
号、同第4,367,282号、同第4,409,32
0号、同第4,576,910号、英国特許2,10
2,137号等に記載されている。
【0081】カップリングに伴って写真的に有用な残基
を放出するカプラーもまた本発明で好ましく使用でき
る。現像抑制剤を放出するDIRカプラーは、前述のR
D17643、VII 〜F項に記載された特許、特開昭5
7−151944号公報、同57−154234号公
報、同60−184248号公報、同63−37346
号公報、米国特許4,248,962号に記載されたも
のが好ましい。
【0082】現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進
剤を放出するカプラーとしては、英国特許第2,09
7,140号、同第2,131,188号、特開昭59
−157638号公報、同59−170840号公報に
記載のものが好ましい。その他、本発明の感光材料に用
いることのできるカプラーとしては、米国特許第4,1
30,427号等に記載の競争カプラー、米国特許第
4,283,472号、同第4,338,393号、同
第4,310,618号等に記載の多当量カプラー、特
開昭60−185950号公報、特開昭62−2425
2号公報等に記載のDIRレドックス化合物放出カプラ
ー、DIRカプラー放出カプラー、DIRカプラー放出
レドックス化合物もしくはDIRレドックス放出レドッ
クス化合物、欧州特許第173,302A号に記載の離
脱後復色する色素を放出するカプラー、R.D.No.
11449、同24241、特開昭61−201247
号公報等に記載の漂白促進剤放出カプラー、米国特許第
4,553,477号等に記載のリガンド放出するカプ
ラー、特開昭63−75747号公報に記載のロイコ色
素を放出するカプラー等が挙げられる。
【0083】本発明で使用されるカプラーは、種々の公
知分散方法により感光材料に導入できる。水中油滴分散
法に用いられる高沸点溶媒の例は米国特許第2,32
2,027号などに記載されている。水中油滴分散法に
用いられる常圧での沸点が175℃以上の高沸点有機溶
剤の具体例としては、フタル酸エステル類、リン酸また
はホスホン酸のエステル類、安息香酸エステル類、アミ
ド類、アルコール類またはフェノール類、脂肪族カルボ
ン酸エステル、アニリン誘導体、炭化水素類などが挙げ
られる。また補助溶剤としては、沸点が約30℃以上、
好ましくは50℃以上約160℃以下の有機溶剤などが
使用でき、典型例としては酢酸エチル、酢酸ブチル、プ
ロピオン酸エチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ノン、2−エトキシエチルアセテート、ジメチルホルム
アミドなどが挙げられる。
【0084】ラテックス分散法の工程、効果および含浸
用のラテックスの具体例は、米国特許第4,199,3
63号、西独特許出願(OLS)第2,541,274
号および同第2,541,230号などに記載されてい
る。本発明で使用される感光材料は乳剤層を有する側の
全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm以下であ
り、かつ、膜膨潤速度T1/2 が30秒以下が好ましい。
膜厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定し
た膜厚を意味し、膜膨潤速度T1 /2は、当該技術分野に
おいて公知の手法に従って測定することができる。例え
ばエー・グリーン(A.Green)らによりフォトグ
ラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング
(Photogr.Sci.Eng.)、19巻、2
号、124〜129頁に記載の型のスエロメーター(膨
潤計)を使用することにより測定でき、T1/2 は発色現
像液で30℃、3分15秒処理した時に到達する最大膨
潤膜厚の90%を飽和膜厚とし、このT1/2 の膜厚に到
達するまでの時間と定義する。
【0085】膜膨潤速度T1/2 は、バインダーとしての
ゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時
条件を変えることによって調整することができる。ま
た、膨潤率は150〜400%が好ましい。膨潤率と
は、さきに述べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:
(最大膨潤膜厚−膜厚)/膜厚に従って計算できる。
【0086】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 [実施例1] 1)支持体の作製 本実施例で用いた各支持体は、下記の方法により作成し
た。 (a)PENの支持体:市販のポリエチレン−2,6−
ナフタレートポリマー100重量部と紫外線吸収剤とし
てTinuvinP.326(チバガイギー社製)を2
重量部と常法により乾燥した後、300℃にて溶融後、
T型ダイから押し出し140℃で3.3倍の縦延伸を行
い、続いて130℃で3.3倍の横延伸を行い、さらに
250℃で6秒間熱固定して、厚み75μmのフイルム
を得た。 (b)PETの支持体:市販のポリエチレンテレフタレ
ートポリマーを270℃にて溶融後、T型ダイから押し
出し100℃で3.3倍の縦延伸を行い、続いて110
℃で3.3倍の横延伸を行い、さらに220℃で5秒間
熱固定し、厚み90μmのフイルムを得た。 (c)TACの支持体:トリアセチルセルロースを通常
の溶液流延法により、メチレンクロライド/メタノール
=92/8wt比、TAC濃度13%、可塑剤TPP/
BDP=2/1(ここでTPP;トリフェニルフォスフ
ェート、BDP;ビフェニルジフェニルフォスフェー
ト)の15wt%のバンド法にて作成した。 (d)PEN/PET=4/1(重量比)の支持体:あ
らかじめPENとPETのペレットを150℃で4時間
真空乾燥した後、2軸混練押出し機を用い280℃で混
練押出した後、ペレット化し調製した。このポリエステ
ルを上記PENと同じ条件で製膜した。
【0087】2)下塗層の塗設 上記各支持体は、その各々の両面にコロナ放電処理をし
た後、下記組成の下塗液を塗布して下塗層を延伸時高温
面側に設けた。コロナ放電処理はピラー社製ソリッドス
テートコロナ処理機6KVAモデルを用い、30cm幅
支持体を20m/分で処理する。このとき、電流・電圧
の読み取り値より被処理物は、0.375KV・A・分
/m2 の処理がなされた。処理時の放電周波数は、9.
6KHz、電極と誘電体ロールのギャップクリアランス
は、1.6mmであった。
【0088】 ゼラチン 3g 蒸留水 250cc ソジウムα−スルホジ−2−エチルヘキシルサクシネート 0.05g ホルムアルデヒド 0.02g また、支持体(c)には下記組成の下塗層を設けた。 ゼラチン 0.2g サリチル酸 0.1g メタノール 15cc アセトン 85cc ホルムアルデヒド 0.01g
【0089】3)バック層の塗設 下塗後の上記支持体の下塗層を設けた側とは反対側の面
に下記組成のバック層を塗設した。 3−1)導電性微粒子分散液(酸化スズ−酸化アンチモ
ン複合物分散液)の調製:塩化第二スズ水和物230重
量部と三塩化アンチモン23重量部をエタノール300
0重量部に溶解し均一溶液を得た。この溶液に1Nの水
酸化ナトリウム水溶液を前記溶液のpHが3になるまで
滴下し、コロイド状酸化第二スズと酸化アンチモンの共
沈澱を得た。得られた共沈澱を50℃に24時間放置
し、赤褐色のコロイド状沈澱を得た。
【0090】赤褐色コロイド状沈澱を遠心分離により分
離した。過剰なイオンを除くため沈澱に水を加え遠心分
離によって水洗した。この操作を3回繰り返し過剰イオ
ンを除去した。過剰イオンを除去したコロイド状沈澱2
00重量部を水1500重量部に再分散し、600℃に
加熱した焼成炉に噴霧し、青味がかった平均粒径0.1
μmの酸化スズ−酸化アンチモン複合物の微粒子粉末を
得た。この微粒子粉末の比抵抗(体積抵抗)は25Ω・
cmであった。
【0091】上記微粒子粉末40重量部と水60重量部
の混合液をpH7.0に調製し、攪拌機で粗分散の後、横
型サンドミル(商品名ダイノミル;WILLYA.BA
CHOFENAG製)で滞留時間が30分になるまで分
散して調製した。
【0092】3−2)バック層の調製:下記処方〔A〕
を乾燥膜厚が0.3μmになるように塗布し、115℃
で60秒間乾燥した。この上に更に下記の被覆層用塗布
液(B)を乾燥膜厚が1μmになるように塗布し、11
5℃で3分間乾燥した。 〔処方A〕 上記導電性微粒子分散液 10重量部 ゼラチン 1重量部 水 27重量部 メタノール 60重量部 レゾルシン 2重量部 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 0.01重量部 〔被覆層用塗布液(B)〕 セルローストリアセテート 1重量部 アセトン 70重量部 メタノール 15重量部 ジクロルメチレン 10重量部 p−クロルフェノール 4重量部 シリカ粒子(平均粒径0.2μm) 0.01重量部 ポリシロキサン 0.005重量部 C15H31COOC40H81/C50H101O(CH2CH2O)16H = (8/2J重量比) 0.01重量部 分散物 (平均粒径 20 nm)
【0093】4)支持体の熱処理 上記方法にて、下塗り層、バック層を塗設した後、後述
する表2〜3に示す条件にて、熱処理を実施した。熱処
理は全て直径30cmの巻芯に、下塗面を外巻にして実
施した。
【0094】5)感光層の塗設 上記方法で得た支持体上に下記に示すような組成の各層
を重層塗布し、多層カラー感光材料を作成した。 (感光層組成)各層に使用する素材の主なものは下記の
ように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収
剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機
溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬
化剤 ExS:増感色素 各成分に対応する数字は、g/m2 単位で表した塗布量
を示し、ハロゲン化銀については、銀換算の塗布量を示
す。ただし増感色素については、同一層のハロゲン化銀
1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
【0095】第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.18 ゼラチン 1.40 ExM−1 0.18 ExF−1 2.0×10-3 HBS−1 0.20
【0096】第2層(中間層) 乳剤G 銀 0.065 2,5−ジ−t−ペンタデシルハイドロキノン 0.18 ExC−2 0.020 UV−1 0.060 UV−2 0.080 UV−3 0.10 HBS−1 0.10 HBS−2 0.020 ゼラチン 1.04
【0097】第3層(低感度赤感乳剤層) 乳剤A 銀 0.25 乳剤B 銀 0.25 ExS−1 6.9×10-5 ExS−2 1.8×10-5 ExS−3 3.1×10-4 ExC−1 0.17 ExC−3 0.030 ExC−4 0.10 ExC−5 0.020 ExC−7 0.0050 ExC−8 0.010 Cpd−2 0.025 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.87
【0098】第4層(中感度赤感乳剤層) 乳剤D 銀 0.70 ExS−1 3.5×10-4 ExS−2 1.6×10-5 ExS−3 5.1×10-4 ExC−1 0.13 ExC−2 0.060 ExC−3 0.0070 ExC−4 0.090 ExC−5 0.025 ExC−7 0.0010 ExC−8 0.0070 Cpd−2 0.023 HBS−1 0.010 ゼラチン 0.75
【0099】第5層(高感度赤感乳剤層) 乳剤E 銀 1.40 ExS−1 2.4×10-4 ExS−2 1.0×10-4 ExS−3 3.4×10-4 ExC−1 0.12 ExC−3 0.045 ExC−6 0.020 ExC−8 0.025 Cpd−2 0.050 HBS−1 0.22 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.20
【0100】第6層(中間層) Cpd−1 0.10 HBS−1 0.50 ゼラチン 1.10
【0101】第7層(低感度緑感乳剤層) 乳剤C 銀 0.35 ExS−4 3.0×10-5 ExS−5 2.1×10-4 ExS−6 8.0×10-4 ExM−1 0.010 ExM−2 0.33 ExM−3 0.086 ExY−1 0.015 HBS−1 0.30 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.73
【0102】第8層(中感度緑感乳剤層) 乳剤D 銀 0.80 ExS−4 3.2×10-5 ExS−5 2.2×10-4 ExS−6 8.4×10-4 ExM−2 0.13 ExM−3 0.030 ExY−1 0.018 HBS−1 0.16 HBS−3 8.0×10-3 ゼラチン 0.90
【0103】第9層(高感度緑感乳剤層) 乳剤E 銀 1.25 ExS−4 3.7×10-5 ExS−5 8.1×10-5 ExS−6 3.2×10-4 ExC−1 0.010 ExM−1 0.030 ExM−4 0.040 ExM−5 0.019 Cpd−3 0.040 HBS−1 0.25 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.44
【0104】第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.030 Cpd−1 0.16 HBS−1 0.60 ゼラチン 0.60
【0105】第11層(低感度青感乳剤層) 乳剤C 銀 0.18 ExS−7 8.6×10-4 ExY−1 0.020 ExY−2 0.22 ExY−3 0.50 ExY−4 0.020 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.10
【0106】第12層(中感度青感乳剤層) 乳剤D 銀 0.40 ExS−7 7.4×10-4 ExC−7 7.0×10-3 ExY−2 0.050 ExY−3 0.10 HBS−1 0.050 ゼラチン 0.78
【0107】第13層(高感度青感乳剤層) 乳剤F 銀 1.00 ExS−7 4.0×10-4 ExY−2 0.10 ExY−3 0.10 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.86
【0108】第14層(第1保護層) 乳剤G 銀 0.20 UV−4 0.11 UV−5 0.17 HBS−1 5.0×10-2 ゼラチン 1.00
【0109】第15層(第2保護層) H−1 0.40 B−1(直径 1.7 μm) 5.0×10-2 B−2(直径 1.7 μm) 0.10 B−3 0.10 S−1 0.20 ゼラチン 1.20
【0110】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために W−1ないしW−3、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−17の化合物及び、鉄塩、鉛塩、金塩、
白金塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有されている。
各層に使用した乳剤の組成を表1に示す。
【0111】
【表1】
【0112】表1において、 (1)乳剤A〜Fは特開平2−191938号公報の実
施例に従い、二酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用い
て粒子調製時に還元増感されている。 (2)乳剤A〜Fは特開平3−237450号公報の実
施例に従い、各感光層に記載の分光増感色素とチオシア
ン酸ナトリウムの存在下に金増感、硫黄増感とセレン増
感が施されている。 (3)平板状粒子の調製には特開平1−158426号
公報の実施例に従い、低分子量ゼラチンを使用してい
る。 (4)平板状粒子および粒子構造を有する正常晶粒子に
は特開平3-237450号公報に記載されているような転位線
が高圧電子顕微鏡を用いて観察されている。
【0113】次に、各層に使用した化合物の化学式等を
示す。
【0114】
【化18】
【0115】
【化19】
【0116】
【化20】
【0117】
【化21】
【0118】
【化22】
【0119】
【化23】
【0120】
【化24】
【0121】
【化25】
【0122】
【化26】
【0123】
【化27】
【0124】
【化28】
【0125】
【化29】
【0126】
【化30】
【0127】
【化31】
【0128】
【化32】
【0129】
【化33】
【0130】
【化34】
【0131】
【化35】
【0132】6)写真フイルムサンプルの加工 このようにして作成した写真フイルムサンプルを35m
m幅で1.8mの長さにスリットし、穿孔し、図1又は
図2のようなユニットに組み込み、フイルム一体型カメ
ラを作成した。 7)コアセット 上記フイルム一体型カメラを40℃、24時間加熱して
巻きぐせをつけた。この温度条件は、夏季の室外を想定
した条件である。 8)舌端抜出し、現像処理、カール測定 上記条件で巻きぐせをつけた上記フイルム一体型カメラ
を一晩25℃の部屋の中で放冷した後、治具により舌端
抜出しを行い、これを自動現像機(ミニラボFP−55
0B:富士写真フイルム製)で現像処理し、直ちに25
℃、60%RH下にてカール測定(前述のANSI/A
SC PH1.29−1985のテスト方法Aに従って
行った。
【0133】現像処理条件は下記のとおりである。 処理工程 温 度 時間 発色現像 38℃ 3分 停 止 38℃ 1分 水 洗 38℃ 1分 漂 白 38℃ 2分 水 洗 38℃ 1分 定 着 38℃ 2分 水 洗 38℃ 1分 安定浴 38℃ 1分 用いた処理液は次の組成を有する。 発色現像液 苛性ソーダ 2g 亜硫酸ソーダ 2g 臭化カリウム 0.4g 塩化ナトリウム 1g ホー砂 4g ヒドロキシルアミン硫酸塩 2g エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム2水塩 2g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β− ヒドロキシエチル)アニリン・モノサルフェート 4g 水を加えて 全量 1リットル 停止液 チオ硫酸ソーダ 10g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 30ミリリットル 酢酸 30ミリリットル 酢酸ソーダ 5g カリ明ばん 15g 水を加えて 全量 1リットル 漂白液 エチレンジアミン4酢酸鉄(3価)ナトリウム・2水塩 100g 臭化カリウム 50g 硝酸アンモニウム 50g ホー酸 5g アンモニア水 pHを5.0に調節 水を加えて 全量 1リットル 定着液 チオ硫酸ソーダ 150g 亜硫酸ソーダ 15g ホー砂 12g 氷酢酸 15ミリリットル カリ明ばん 20g 水を加えて 全量 1リットル 安定浴 ホー酸 5g クエン酸ソーダ 5g メタホー酸ソーダ(4水塩) 3g カリ明ばん 15g 水を加えて 全量 1リットル
【0134】9)測定結果 以上の実施例1の結果を表2〜6に示す。
【0135】
【表2】
【0136】
【表3】
【0137】
【表4】
【0138】
【表5】
【0139】
【表6】
【0140】[実施例2]実施例1において、下塗り層
及びバック層形成後の熱処理を、これらの層の形成前に
行なった以外は、実施例1と同様にしてフイルム一体型
カメラを作製した。得られた結果は、実施例1と同様で
あった。
【0141】実施例1及び2の結果から、本発明の予め
特定の延伸処理及び加熱処理されたポリエステル支持体
からなるフイルムを用いたフイルム一体型カメラでは、
スプール径が小さくなってもカール値は小さく、舌端抜
出作業も容易にでき、そのフイルムの現像むら及び後端
折れのトラブルも発生しながった。これに対して、TA
Cや加熱処理をしないポリエステルフィルムは、舌端抜
出作業、現像ムラ、後端折れのすべてを同時に満足させ
ることは出来なかった。ここで表2〜4には示していな
いが、支持体の種類がPET、PENであっても、支持
体の厚みを50μm未満とすると、感光層の収縮応力に
耐えられる曲げ弾性を有することができず、樋状カール
が発生して、現像処理工程において擦傷が発生する場合
があった。又、バック層の〔処方A〕において導電性微
粒子分散液のかわりに水を用いた感材を作製したものは
すべて、スタチックマークの発生が見られ場合があり、
本発明においては導電性層を不要することは、その感材
の商品性を高めるためには好ましくない。
【0142】[実施例3] 1)支持体の作製 支持体(a)〜(g)は下記の方法により作成した。 (a)PENの支持体:実施例1の(a)PENの支持
体と同様に作製し、厚さ85μmのフイルムを得た。 (b)PETの支持体:実施例1の(b)PETの支持
体と同様に作製し、厚さ90μmのフイルムを得た。 (c)染料含有PENの支持体:実施例1の(a)PE
Nの支持体の作製において、材料の混合時に、前述の染
料の化合物例(I−1)、(I−6)及び(I−15)
を、2/3/1(重量比)の割合で、添加後の透過濃度
の増加量が400〜700nmの波長領域で0.3とな
るように添加した以外は、実施例1の(a)PENの支
持体と同様に作製した。 (d)染料含有PETの支持体:実施例1の(b)PE
Tの支持体の作製において、材料の混合時に、前述の染
料の化合物例(I−1)、(I−6)及び(I−15)
を、2/3/1(重量比)の割合で、添加後の透過濃度
の増加量が400〜700nmの波長領域で0.3とな
るように添加した以外は、実施例1の(b)PETの支
持体と同様に作製した。 (e)TACの支持体:トリアセチルセルロースを通常
の溶液流延法により、メチレンクロライド/メタノール
=92/8wt比、TAC濃度13%、可塑剤TPP/
BDP=2/1(ここでTPP;トリフェニルフォスフ
ェート、BDP;ビフェニルジフェニルフォスフェー
ト)の15wt%のバンド法にて作成した。 (f)PEN/PET=4/1(重量比)の支持体:実
施例1の(d)PEN/PET=4/1の支持体と同様
に作製し、厚さ85μmのフイルムを得た。 (g)ポリ(オキシイソフタロイルオキシ−2,6−ジ
メチル−1,4−フェニレンイソプロピリデン−3,5
−ジメチル−1,4−フェニレン)の支持体:実施例1
の(a)PENの支持体と同様の方法で作製し、フイル
ムを得た。得られたフイルムは着色が高く写真フイルム
用の支持体としては不適当であった。
【0143】2)下塗層の塗設 実施例1の2)下塗層の塗設と同様に、下塗層を形成し
た。
【0144】3)バック層の塗設 実施例1の3)バック層の塗設と同様に、バック層を形
成した。
【0145】4)支持体の熱処理 上記方法にて、下塗り層、バック層を塗設した後、後述
する表7〜9に示す条件にて、熱処理を実施した。熱処
理は全て直径30cmの巻芯に、下塗面を外巻にして実
施した。
【0146】5)感光層の塗設 上記方法で得た支持体上に、実施例1と同様にして感光
層の各層を重層塗布し、多層カラー感光材料を作成し
た。
【0147】6)写真フイルムサンプルの加工 このようにして作成した写真フイルムサンプルを35m
m幅で1.8mの長さにスリットし、穿孔し、図1又は
図2のようなユニットに組み込み、フイルム一体型カメ
ラを作成した。 7)コアセット 実施例1と同様にして行なった。即ち、上記フイルム一
体型カメラを40℃、24時間加熱して巻きぐせをつけ
た。この温度条件は、夏季の室外を想定した条件であ
る。 8)舌端抜出し、現像処理、カール測定 実施例1と同様にして行なった。即ち、上記条件で巻き
ぐせをつけた上記フイルム一体型カメラを一晩25℃の
部屋の中で放冷した後、治具により舌端抜出しを行い、
これを自動現像機(ミニラボFP−550B:富士写真
フイルム製)で現像処理し、直ちに25℃、60%RH
下にてカール測定(前述のANSI/ASC PH1.
29−1985のテスト方法Aに従って行った。 9)ライトパイピング(縁カブリ) フイルム一体型カメラを、舌部(端部)20mmを残し
てパトローネ内に巻き上げ、約100000ルックス
(lux )の中に30分間放置した後、前述の現像処理を
行ない遮光部分のカブリの長さを測定した。カブリの長
さが長いほど、カブリが発生し易いことを意味する。
【0148】9)測定結果 以上の実施例3の結果を表7〜10に示す。
【0149】
【表7】
【0150】
【表8】
【0151】
【表9】
【0152】
【表10】
【0153】[実施例4]実施例3において、下塗り層
及びバック層形成後の熱処理を、これらの層の形成前に
行なった以外は、実施例3と同様にしてフイルム一体型
カメラを作製した。得られた結果は、実施例3と同様で
あった。
【0154】実施例3及び4の結果から、本発明の予め
特定の延伸処理及び加熱処理されたポリエステル支持体
からなるフイルムを用いたフイルム一体型カメラでは、
スプール径が小さくなってもカール値は小さく、舌端抜
出作業も容易にでき、そのフイルムの現像むら及び後端
折れのトラブルも発生しながった。これに対して、TA
Cや加熱処理をしないポリエステルフィルムは、舌端抜
出作業、現像ムラ、後端折れのすべてを同時に満足させ
ることは出来なかった。更に、染料を含む支持体は、縁
カブリに於ても優れており、フイルム一体型カメラの写
真フイルムに好適である。
【0155】[実施例5]実施例3において、染料とし
て前記化合物(I−12)と(II−4)を等量で使用し
た以外は、実施例3と同様にしてフイルム一体型カメラ
を作製した。得られた結果は、実施例3と同様であっ
た。
【0156】[実施例6]実施例3において、染料の代
わりに二酸化チタン、カーボンブラック及び硫酸バリウ
ムをそれぞれ使用した以外は、実施例3と同様にしてフ
イルム一体型カメラを作製した。得られた結果は、実施
例3と同様であった。
【0157】[実施例7]実施例3において、支持体の
材料として表11に示すポリマーを使用した以外は、実
施例3と同様にしてフイルム一体型カメラを作製した。
得られた結果を、表11に示す。
【0158】
【表11】
【0159】[実施例8]実施例3において、感光層の
塗設を下記のように行なった以外は、実施例3と同様に
してフイルム一体型カメラを作製した。
【0160】感光層の塗設上記方法で得た支持体上に下
記に示すような組成の各層を重層塗布し、多層カラー感
光材料を作成した。 (感光層組成)各層に使用する素材の主なものは下記の
ように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収
剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機
溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬
化剤 ExS:増感色素 各成分に対応する数字は、g/m2 単位で表した塗布量
を示し、ハロゲン化銀については、銀換算の塗布量を示
す。ただし増感色素については、同一層のハロゲン化銀
1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
【0161】第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.18 ゼラチン 1.40 ExM−1 0.18 ExF−1 2.0×10-3 HBS−1 0.20
【0162】第2層(中間層) 乳剤G 銀 0.065 2,5−ジ−t−ペンタデシルハイドロキノン0.18 ExC−2 0.020 UV−1 0.060 UV−2 0.080 UV−3 0.10 HBS−1 0.10 HBS−2 0.020 ゼラチン 1.04
【0163】第3層(低感度赤感乳剤層) 乳剤A 銀 0.25 乳剤B 銀 0.25 ExS−1 4.5×10-4 ExS−2 1.5×10-5 ExS−3 4.5×10-4 ExC−1 0.17 ExC−3 0.030 ExC−4 0.10 ExC−5 0.0050 ExC−7 0.0050 ExC−8 0.020 Cpd−2 0.025 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.87
【0164】第4層(中感度赤感乳剤層) 乳剤D 銀 0.80 ExS−1 3.0×10-4 ExS−2 1.2×10-5 ExS−3 4.0×10-4 ExC−1 0.15 ExC−2 0.060 ExC−4 0.11 ExC−7 0.0010 ExC−8 0.025 Cpd−2 0.023 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.75
【0165】第5層(高感度赤感乳剤層) 乳剤E 銀 1.40 ExS−1 2.4×10-4 ExS−2 1.0×10-4 ExS−3 3.0×10-4 ExC−1 0.095 ExC−3 0.040 ExC−6 0.020 ExC−8 0.007 Cpd−2 0.050 HBS−1 0.22 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.20
【0166】第6層(中間層) Cpd−1 0.10 HBS−1 0.50 ゼラチン 1.10
【0167】第7層(低感度緑感乳剤層) 乳剤A 銀 0.17 乳剤B 銀 0.17 ExS−4 4.0×10-5 ExS−5 1.8×10-4 ExS−6 6.5×10-4 ExM−1 0.010 ExM−2 0.33 ExM−3 0.086 ExY−1 0.015 HBS−1 0.30 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.73
【0168】第8層(中感度緑感乳剤層) 乳剤D 銀 0.80 ExS−4 2.0×10-5 ExS−5 1.4×10-4 ExS−6 5.4×10-4 ExM−2 0.16 ExM−3 0.045 ExY−1 0.010 ExY−5 0.030 HBS−1 0.16 HBS−3 8.0×10-3 ゼラチン 0.90
【0169】第9層(高感度緑感乳剤層) 乳剤E 銀 1.25 ExS−4 3.7×10-5 ExS−5 8.1×10-5 ExS−6 3.2×10-4 ExC−1 0.010 ExM−1 0.015 ExM−4 0.040 ExM−5 0.019 Cpd−3 0.020 HBS−1 0.25 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.20
【0170】第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.010 Cpd−1 0.16 HBS−1 0.60 ゼラチン 0.60
【0171】第11層(低感度青感乳剤層) 乳剤C 銀 0.25 乳剤D 銀 0.40 ExS−7 8.6×10-4 ExY−1 0.030 ExY−2 0.55 ExY−3 0.25 ExY−4 0.020 ExC−7 0.010 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.10
【0172】第12層(高感度青感乳剤層) 乳剤F 銀 1.38 ExS−7 3.0×10-4 ExY−2 0.10 ExY−3 0.10 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.86
【0173】第13層(第1保護層) 乳剤G 銀 0.20 UV−4 0.11 UV−5 0.17 HBS−1 5.0×10-2 ゼラチン 1.00
【0174】第14層(第2保護層) H−1 0.40 B−1(直径 1.7 μm) 5.0×10-2 B−2(直径 1.7 μm) 0.10 B−3 0.10 S−1 0.20 ゼラチン 1.20
【0175】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために W−1ないしW−3、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−17の化合物及び、鉄塩、鉛塩、金塩、
白金塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有されている。
各層に使用した乳剤の組成を表12に示す。
【0176】
【表12】
【0177】表12において、 (1)乳剤A〜Fは特開平2−191938号公報の実
施例に従い、二酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用い
て粒子調製時に還元増感されている。 (2)乳剤A〜Fは特開平3−237450号の実施例
に従い、各感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸
ナトリウムの存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が
施されている。 (3)平板状粒子の調製には特開平1−158426号
公報の実施例に従い、低分子量ゼラチンを使用してい
る。 (4)平板状粒子には特開平3−237450号公報に
記載されているような転位線が高圧電子顕微鏡を用いて
観察されている。
【0178】次に、各層に使用した化合物の化学式は下
記ExY−5以外は実施例1と同義である。
【0179】
【化36】
【0180】上記結果を、表13〜15に示す。
【0181】
【表13】
【0182】
【表14】
【0183】
【表15】
【0184】
【発明の効果】本発明フイルム一体型カメラにおいて
は、芳香族系ポリエステル系支持体で、ガラス転移温度
が50℃以上200℃以下で、かつ下塗り層付与前ある
いは下塗り層付与後に40℃以上ガラス転移温度以下の
温度で熱処理された支持体から製造した未露光フイルム
が装填されている。このため、フィルムが曲げ強度及び
可撓性に優れていることから、舌端抜出しが容易であ
り、巻きぐせがつきにくく、現像処理後のカールが少な
く、さらに後端折れが少ない。さらに、前記支持体から
製造したフイルムでは乳剤むらがなく、良好な画像が得
られる。特に上記支持体を従来より大きい延伸倍率で延
伸処理して作成した場合は、上記特性がさらに優れたも
のとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1形式のフイルム一体型カメラの内部
構造を表した上面図を示す。
【図2】本発明の別の形式のフイルム一体型カメラのユ
ニットの一部横断上面図を示す。
【符号の説明】
1、11 フイルム一体型カメラ 2 カメラ外箱 3、13 ユニット 4、14 サプライ室 5、15 巻上室 6、16 パトローネ 7 撮影レンズ 8 フイルム 17 レンズユニット 18 フイルム(36駒撮り) 20 露出枠 21、22 スプール
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】
【化14】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】
【他15】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 3/00 560 T 575 G 599 A

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パトローネから引き出された未露光写真
    フイルムが巻き上げられて収容されたサプライ室、およ
    び該パトローネが収容された巻き上げ室を有し、かつ一
    回の撮影ごとにサプライ室から一コマ分の長さの未露光
    写真フィルムが引き出されて巻き上げ室のパトローネ内
    に巻き上げるように設計されたフイルム一体型カメラに
    おいて、 該写真フイルムが、50〜200℃のガラス転移温度を
    有する芳香族系ポリエステルからなる支持体を、40℃
    以上ガラス転移温度以下の温度で0.1〜1500時間
    の熱処理を施した後下塗り層を形成することにより、あ
    るいは該支持体に下塗り層を形成した後該熱処理を施す
    ことにより得られる下塗り層が形成された支持体を有す
    ることを特徴とするフイルム一体型カメラ。
  2. 【請求項2】 該支持体が、長さ方向および幅方向に共
    に3.05〜4.0倍の延伸倍率にて二軸延伸処理され
    ている請求項1に記載のフイルム一体型カメラ。
  3. 【請求項3】 サプライ室内の写真フイルムが、直径3
    〜13.5mmのスプールあるいは空のコアに巻かれて
    いる請求項1に記載のフイルム一体型カメラ。
  4. 【請求項4】 該支持体が、染料または顔料を含有して
    いる請求項1に記載のフイルム一体型カメラ。
  5. 【請求項5】 該染料が下記の一般式(I): 【化1】 (但し、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
    よびR8 は、それぞれ水素原子、水酸基、脂肪族基、芳
    香族基、複素環基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ
    基、COR9 、COOR9 、NR910、NR10COR
    11、NR10SO211、CONR910、SO2 NR9
    10、COR11、SO211、OCOR11、NR9 CO
    NR1011、CONHSO211またはSO2 NHCO
    11を表わし、そしてR1 とR2 もしくはR2 とR3
    は、それぞれ連結して環を形成していも良く、さらにR
    9 およびR10は、それぞれ水素原子、脂肪族基、芳香族
    基または複素環基を表わし、R11は、脂肪族基、芳香族
    基または複素環基を表わし、そしてR9 とR10は連結し
    て5または6員環を形成していも良い。)または下記の
    一般式(II): 【化2】 (但し、R21、R23およびR24は、それぞれ水素原子、
    水酸基、ニトロ基、シアノ基、脂肪族基、芳香族基、C
    OR29、COOR29、NR2930、NR30COR31また
    はNR30SO231を表わし、R22は脂肪族基または芳
    香族基を表わし、R29およびR30は、一般式(I)のR
    9 およびR10で示された基を表わし、R31は、一般式
    (I)のR11で示された基を表わし、そしてR21
    22、R23およびR24の内少なくとも一個は、水素原子
    以外の基である。) で表わされる請求項4に記載のフイルム一体型カメラ。
  6. 【請求項6】 該顔料が、カーボンブラック、およびア
    ルカリ金属、アルカリ土類金属、Si、Al、Tiおよ
    びFeの酸化物、硫化物、硫酸塩、炭酸塩、ハロゲン化
    物および硝酸塩から選ばれる少なくとも一個の化合物で
    ある請求項3に記載のフイルム一体型カメラ。
  7. 【請求項7】 該顔料が、カーボンブラックまたは二酸
    化チタンである請求項6に記載のフイルム一体型カメ
    ラ。
  8. 【請求項8】 該芳香族系ポリエステルが、ポリエチレ
    ン芳香族ジカルボキシレートである請求項1に記載のフ
    イルム一体型カメラ。
  9. 【請求項9】 該芳香族系ポリエステルが、ベンゼンジ
    カルボン酸またはナフタレンジカルボン酸とエチレング
    リコール、あるいはベンゼンジカルボン酸及びナフタレ
    ンジカルボン酸とエチレングリコールとを主成分とする
    ポリエステルである請求項8に記載のフイルム一体型カ
    メラ。
  10. 【請求項10】 該芳香族系ポリエステルが、ポリエチ
    レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートまたは
    ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレー
    トとの混合物である請求項9に記載のフイルム一体型カ
    メラ。
  11. 【請求項11】 該スプールまたは空のコアの直径が、
    3〜12mmである請求項3に記載のフイルム一体型カ
    メラ。
  12. 【請求項12】 該支持体の厚みが、50〜100μm
    である請求項1に記載のフイルム一体型カメラ。
  13. 【請求項13】 該写真フイルムが、導電性層、滑り剤
    層およびマット剤層のからなる群より選ばれる少なくと
    も一層を有するフィルムである請求項1に記載のフイル
    ム一体型カメラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018538157A (ja) * 2015-09-30 2018-12-27 ヒューヴィス コーポレーションHuvis Corporation ポリエステル発泡シートとポリエステル樹脂層を含む複合体、およびそれを含む自動車内外装材

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