JPH07209807A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH07209807A
JPH07209807A JP6006383A JP638394A JPH07209807A JP H07209807 A JPH07209807 A JP H07209807A JP 6006383 A JP6006383 A JP 6006383A JP 638394 A JP638394 A JP 638394A JP H07209807 A JPH07209807 A JP H07209807A
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JP
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silver halide
sensitive material
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photographic light
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JP6006383A
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English (en)
Inventor
Hajime Miyamoto
肇 宮元
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】舌端抜出しが容易であり巻きぐせがつきにくく
現像処理後のカールが少なく、また後端折れが少なく、
さらに傷つきや接着及びブロッキングの点でも著しく優
れた良好な画像が得られるハロゲン化銀写真感光材料を
提供する。 【構成】支持体の一方の面に少なくとも一層の親水性コ
ロイドをバインダーとするハロゲン化銀乳剤層を有する
ハロゲン化銀写真感光材料において、支持体の該ハロゲ
ン化銀乳剤層の塗布面に対して反対のバック側に少なく
とも一層の厚さ0.5〜10μmの非感光性親水性層と
その外層に少なくとも一層の0.4〜10μmの非感光
性疎水性層を有し、かつ該支持体の厚さが50μm〜3
00μm,そのガラス転移点が50℃〜200℃,かつ
下塗り層付与前又は下塗り層付与後から乳剤塗布前に4
0℃以上ガラス転移温度以下の温度で0.1〜1500
時間熱処理されたポリエチレン芳香族ジカルボキシレー
ト系ポリエステル支持体であることを特徴とするハロゲ
ン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料(以下、感材,写真フィルム,写真感材,とも称す
る)において、保存経時での平面性がよく特に高温度及
び低湿度でのカールが付きにくい感材を提供することに
ある。
【0002】
【従来の技術】まきぐせを改良するため、特開平5−3
33471にポリエチレンナフタレートを支持体としバ
ックにゼラチン層を有する感材で解決することが記載さ
れている。確かにこの方法により、55μm〜80μm
の支持体の厚さに対してはその取扱い性も良いことが記
載されている。しかしながら、該技術の問題点としてゼ
ラチンがそのままむき出しになっているために、バック
の傷つきに対しては非常に悪くプリントに写り込みとい
う障害を有する欠陥を挙げることができる。更に又該発
明では、その支持体の厚さが90μmでは巻き癖回復性
が悪く自動現像機における折れが発生し、使用できない
ことが記載されその改良が望まれていた。又、ロール状
に巻かれた状態で高温度,高湿度下で長時間保存された
場合にブロッキングを発生するという問題も含むもので
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に写真感光材料と
してのロールフイルムは、代表的なものは35m/m巾
又はそれ以下の巾でパトローネ内に収められており、一
般のカメラに装填して撮影に用いるカラー又は黒白フィ
ルムである。ロールフイルム用支持体としては、主にT
ACが用いられているが、この最大の特徴は、光学的に
異方性が無く透明度が高いことである。さらに優れた特
徴として現像処理後のカール解消性を有している点であ
る。
【0004】しかしながら、TACフイルムの欠点とし
てその膜強度が不十分であり現行の国際表示規格(IS
O1007)で定められたカートリッジでは、TACの
厚さが115μm以上を必要とする。TACの膜強度が
小さいという欠点を克服するために、PETを主体とす
るポリエステルが挙げられる。しかしながらその問題と
して以下の点が挙げられる。第1の問題は、フイルムの
薄手化に伴う力学強度の低下である。
【0005】第2の問題は、多量巻き込むことに伴う経
時保存中に発生する巻き芯部での強い巻きぐせである。
例えばミニラボ自現機で現像処理を行うと、一端がリー
ダーに固定されているだけでもう一端は固定されないた
め、フイルムが巻上りここに処理液の供給が遅れ“処理
ムラ”の発生原因となる。また、このフイルムの巻上り
は、ミニラボ中の乾燥ローラーなどで押しつぶされ、フ
ィルムの「折れ」が発生する。特に保存中に高温度に保
たれた場合に巻癖が著しく発生し、問題となる。さらに
スプール径の小さいカートリッジではその巻き癖は悪化
し、前述の処理のムラ,後端折れや搬送不良の問題を引
き起こす。例えばスプール径が10mm以下、特に8m
m以下の場合この問題を如何に解決するかは重要なもの
となる。
【0006】さらに新たな問題として、一般に用いられ
ているロール状カラーネガフィルムはバック面に親水性
バインダーを使用しないため、乳剤側のゼラチンを主体
とする親水性バインダーが湿度に対して収縮,膨張した
ときに、フイルムの平面性を著しく変化させてしまうと
いう問題を有している。特に低湿度でおかれたときに
は、ゼラチンの収縮が著しく発生し、場合によりロール
状の巻物となる場合もあり、特にポリエステル支持体の
場合に著しく悪い。したがって本発明の第1の目的は、
膜強度が強く保存中での経時による巻きぐせの少ないポ
リエステル支持体からなる感材を提供することにある。
本発明の第2の目的は、低湿度でのカールが小さいポリ
エステル支持体からなる感材を提供することにある。本
発明の第3の目的は、傷つきの改良されたバック層を有
する感材を提供することにある。本発明の第4の目的
は、ロール状に保存中の経時によるブロッキング性が改
良された感材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のこれらの目的
は、支持体の一方の面に少なくとも一層の親水性コロイ
ドをバインダーとするハロゲン化銀乳剤層を有するハロ
ゲン化銀写真感光材料において、支持体の該ハロゲン化
銀乳剤層の塗布面に対してバック側に少なくとも一層の
厚さ0.5〜10μmの非感光性親水性層とその外層に
少なくとも一層の0.4〜10μmの非感光性疎水性層
を有し、かつ該支持体の厚さが50μm〜300μm,
そのガラス転移点が50℃〜200℃,かつ下塗り層付
与前又は下塗り層付与後から乳剤塗布前に40℃以上ガ
ラス転移温度以下の温度で熱処理されたポリエチレン芳
香族ジカルボキシレート系ポリエステル支持体であるこ
とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料によって達成
された。
【0008】まず最初に以降に用いる巻きぐせ測定法お
よびそれに関する用語等について説明を加える。 (1)コアセット フィルムをスプールに巻き付けて巻きぐせを付けるこ
と。 (2)ガラス転移温度(Tg) 示差熱分析計(DSC)を用い、写真フィルム支持体と
してのサンプルフイルム10mgをヘリウムチッ素気流
中、20℃/分で昇温していった時、ベースラインから
偏奇しはじめる温度と新たなベースラインに戻る温度の
算術平均温度もしくはTgに吸熱ピークが現れた時はこ
の吸熱ピークの最大値に示す温度をTgとして定義す
る。 まず本発明のバック側に塗布される非感光性親水性層に
ついて述べる。本発明のバック側の非感光性親水性層
は、親水性バインダーからなる層であるが、非感光性親
水性層に用いられる親水性バインダーとしては、カール
の観点からハロゲン化銀乳剤層が塗設されている面の写
真層のバインダーに近い吸湿率、吸湿速度を持つものが
好ましい。本発明の非感光性親水性層のバインダーとし
てゼラチン誘導体であり、ゼラチン以外の親水性バイン
ダーとしてコロイド状アルブミン、カゼイン等の蛋白
質、寒天、アルギン酸ナトリウム、デンプン誘導体等の
糖誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメ
チルセルロース等のセルロース化合物、ポリビニルアル
コール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリルア
ミド等の合成親水化合物等を挙げることができる。
【0009】これらの中でも最も好ましいのはゼラチン
誘導体である。ゼラチン誘導体としては、いわゆる石灰
処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼ
ラチン誘導体及び変性ゼラチン等当業界で一般に用いら
れているものはいずれも用いることができる。これらの
ゼラチンのうち、最も好ましく用いられるのは石灰処理
ゼラチン、酸処理ゼラチンである。これらのゼラチン
は、その作製工程における種々の不純物、例えば0.0
1〜20000ppmの金属類(Na,K,Li,R
b,Ca,Mg,Ba,Ce,Fe,Sn,Pb,A
l,Si,Ti,Au,Ag,Zn,Niなどの金属,
及びそのイオンなど)、イオン(F,Cl,Br,I,
硫酸イオン,硝酸イオン,酢酸イオン,アンモニウムイ
オンなど)を含有していてもよい。特に石灰処理ゼラチ
ンにおいてはCa,Mgイオンを含有するのは当業界で
は常識であり、その含有量も1〜20000ppmと非
常に幅広く、本発明においては特に問題とならない。合
成親水化合物の場合、他の成分を共重合してもよいが、
疎水性共重合成分が多過ぎる場合、非感光性親水性層の
吸湿量、吸湿速度が小さくなり、カールの観点から不適
当である。中でも好ましいなは、ポリビニルアルコー
ル、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリルアミド
である。これらの親水性コロイドは、単独で用いてもよ
いし、2種以上を混合して用いてもよい。本発明の非感
光性親水性層には、バインダー以外、マット剤、界面活
性剤、染料、架橋剤、増粘剤、防腐剤、UV吸収剤、コ
ロイダルシリカ等の無機,有機微粒子等の写真用添加剤
を添加しても良い。これらの添加剤については、例えば
リサーチ・ディスクロージャー誌176巻17643項
(1978年12月)の記載を参考にできる。
【0010】本発明の非感光性親水性層には更にポリマ
ーラテックスを添加しても良い。その場合に用いられる
ポリマーラテックスは平均粒径が20nm〜1000n
mの分散物でり、その溶媒は水でも有機溶剤でもその混
合でもよく特に限定されない。好ましい使用量はバイン
ダー1.0に対して乾燥重量比で0.01〜3.0で特
に好ましくは0.1〜2.0である。その際にポリマー
ラテックスの好ましい例としては、スチレン、アクリル
酸のアルキル(炭素数1〜24)エステル、ヒドロキシ
アルキルエステルまたはグリシジルエステル、あるいは
メタアクリル酸のアルキルエステル、ヒドロキシアルキ
ルエステル、またはグリシジルエステルをモノマー単位
として持ち、平均分子量が1万以上、特に好ましくは3
万〜50万のポリマーであり、具体例としては、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、
ドデシル、ステアリル、シクロヘキシル、ベンジル、フ
ェネチル、ヒドロキシエチルアクリレート,メタクリレ
ート、ポリスチレンが好ましい。本発明の非感光性親水
性層は、1層でもよいし2層以上であってもよい。又本
発明の親水性バック層の厚みは、カールの観点から0.
5μ〜10μでありより好ましくは1〜7μmである。
非感光性親水性層が2層以上から成る場合には、すべて
の非感光性親水性層の厚みの和を、本発明のハロゲン化
銀写真感光材料の非感光性親水性層の厚みとする。特に
好ましくは、カールバランスを保ために、ハロゲン化銀
乳剤中のゼラチン量に比例して、親水性バック層のゼラ
チン量を規定することが重要である。そのバック側の非
感光性親水性層のゼラチン量は、反対側のハロゲン化銀
乳剤層中のゼラチン量に対する重量比が0.03〜0.
7が好ましい。重量比が0.03より小さいとカールバ
ランスが悪化し、0.7以上では高湿度でのブロッキン
グ性が悪くなる傾向がある。より好ましくは重量比が
0.05 〜0.6 が好ましく、特に好ましくは0.1 〜0.
5 である。バック側の非感光性親水性層が2層以上から
なる場合は、すべての非感光性親水性層のゼラチン量の
和を示すものである。乳剤層側のゼラチンについてもそ
の総和を示すものである。つづいて本発明のバック側の
非感光性疎水性層について述べる。該非感光性疎水性層
は、その構成素材は疎水性ポリマー層である。本発明の
非感光性疎水性層は実質的に処理液に非膨潤である。実
質的に処理液に非膨潤とは現像処理時水洗工程終了後の
非感光性疎水性層の厚みが乾燥工程終了後の非感光性疎
水性層の厚みの1.05倍以下である事をいう。
【0011】本発明の非感光性疎水性層のバインダーと
しては、ポリマー層が「実質的に処理液に非膨潤」とな
るものであれば、特に制限は無い。非感光性疎水性層の
バインダーの具体例として、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ウレタ
ン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、テトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニ
リデン等のフッ素系樹脂、ブタジエンゴム、クロロプレ
ンゴム、天然ゴム等のゴム類,セルロース誘導体、ポリ
メチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート等のア
クリル酸又はメタクリル酸のエステル、ポリエチレンフ
タレート等のポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン
66等のポリアミド樹脂、セルロースジアセテート,セ
ルローストリアセテート等のセルロース樹脂、シリコー
ン樹脂などの水不溶性ポリマー又は、これらの誘導体を
挙げることができる。非感光性疎水性層のバインダーと
して、1種類のモノマーから成るホモポリマーでも、2
種類以上のモノマーから成るコポリマーでも良い。好ま
しい非感光性疎水性層のバインダーは、セルロース誘導
体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニト
リル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレ
ート等のアクリル酸又はメタクリル酸のエステル、ポリ
エチレンフタレート等のポリエステル樹脂、ナイロン
6、ナイロン66を挙げることができる。特に好ましく
は、セルロースジアセテート、セルローストリアセテー
ト、セルロースアセテート ジプロピオネート、セルロ
ーストリプロピオネート、セルロースアセテート ジブ
チラートなどのセルロース誘導体である。以下に好まし
い本発明の非感光性疎水性層のバインダーの具体的な例
を掲げるが、これに限定されるものではない。
【0012】 SB−1 メチルメタクリレート:アクリル酸=97:3のラテックス 0.05μm SB−2 ブチルメタクリレート:メタクリル酸=97:3のラテックス 0.06μm SB−3 エチルアクリレート:アクリル酸=97:3のラテックス 0.10μm SB−4 メチルメタクリレート:スチレン:2−エチルヘキシルアクリレート =63:9:27のラテックス 0.03μm SB−5 スチレン:ブタジエン:ジビニルベンゼン:メタクリル酸=20:7 2:6:2のラテックス 0.08μm SB−6 酢酸ビニル:エチレン:アクリル酸=78:20:2のラテックス 0.05μm SB−7 塩化ビニリデン:アクリロニトリル:メチルメタクリレート:エチル メタクリレート:アクリル酸=90:1:4:4:1のラテックス 0.07μm SB−8 エチルアクリレート:グリシジルメタクリレート:アクリル酸=95 :4:1のラテックス 0.07μm
【0013】 SB−9 シリコンアクリル樹脂 サイレンARJ−12L(日本純薬(株)製) SB−10 〃 サイレンARJ−1L ( 〃 ) SB−11 水洗ウレタン樹脂 HYDRAN AP60(大日本インキ化学工 業(株)製) SB−12 〃 HYDRAN AP10( 〃 ) SB−13 アクリル系樹脂 ジュリマーET410 (日本純薬(株)製) SB−14 水性ポリエステル樹脂 FINETEX ES850(大日本インキ化 学工業(株)製) SB−15 酢ビ−アクリル系樹脂 POLYKEM 49S( 〃 ) SB−16 ポリエチレン系樹脂 ケミパールS120(三井石油化学(株)製) SB−17 セルロースジアセテート (アセチル化度 2.5) SB−18 セルローストリアセテート (アセチル化度 2.8) SB−19 セルロースアセテート ジプロピオネート SB−20 セルローストリプロピオネート SB−21 セルロースアセテート ジブチラート
【0014】これらの非感光性疎水性層のバインダーの
中でより好ましいのは、ガラス転移温度(Tg)が80
℃以上200℃以下である。これは真夏の車中温度に近
い温度であり、Tgが低いバインダーではフィルム同士
がブロッキングする故障を発生しやすい。Tgが80℃
以上の具体例としては、セルロース誘導体、アクリル樹
脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂等を好ましいバインダー
として挙げることができる。又放射線硬化樹脂も好まし
く使用でき、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基
を有する化合物が挙げられる。これらの中でも特に好ま
しいのはセルロース化合物であり上記のSB−17〜S
B−21である。本発明の非感光性疎水性層には、必要
に応じてマット剤、界面活性剤、染料、すべり剤、架橋
剤、増粘剤、UV吸収剤、コロイダルシリカ等の無機微
粒子などの写真用添加剤を添加してもよい。
【0015】これらの添加剤についてもリサーチ・ディ
スクロージャー誌176巻17643項(1978年1
2月)の記載などを参考にすることができる。本発明の
非感光性疎水性層は1層であっても2層以上であっても
良い。本発明の疎水性層の厚みは0.4〜10μmであ
る。しかし非感光性疎水性層の厚みが小さ過ぎる場合、
非感光性疎水性層の耐水性が不充分となり、非感光性親
水性層が処理液に膨潤する様になってしまい不適切であ
る。逆に疎水性層の厚みが大き過ぎる場合、親水性層の
水蒸気透過性が不充分となり、非感光性親水性層の親水
性層の吸脱湿が阻害されてカールが不良となってしま
う。勿論非感光性疎水性層の厚みは用いるバインダーの
物性値にも依存する。従って非感光性疎水性層の厚み
は、この両者を考慮して決定する必要があるが、疎水性
ポリマー層のより好ましい厚みは、非感光性疎水性層の
バインダー種にもよるが、0.5〜10μm、より好ま
しくは0.5〜5μmの範囲である。なお本発明の非感
光性疎水性層が2層以上から成る場合には、すべての非
感光性疎水性層の厚みの和を本発明のハロゲン化銀写真
感光材料の非感光性疎水性層の厚みとする。
【0016】本発明の非感光性疎水性層を塗設する方法
に特に制限はない。非感光性親水性層を塗布乾燥した後
に、非感光性親水性層上に非感光性疎水性層を塗布しそ
の後乾燥しても良いし、非感光性親水性層上に非感光性
疎水性層を同時に塗布し、その後乾燥してもよい。非感
光性疎水性層は、非感光性疎水性層のバインダーの溶媒
に溶解して溶剤系で塗布しても良いし、又、疎水性ポリ
マーの分散物を用いて、水系でも有機溶剤系のどちらで
塗布しても良い。
【0017】本発明の非感光性親水性層及び非感光性疎
水性層を塗設する方法については特に制限はない。従来
ハロゲン化銀写真感光材料の非感光性親水性層を塗設す
る公知の方法を用いることができる。例えばディップコ
ート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ロ
ーラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコー
ト法、或いは、米国特許第2681294号記載のホッ
パーを使用するエクストルージョンコート法、又は米国
特許2761418号、同3508947号、同276
1791号記載の多層同時塗布方法を用いることができ
る。乾燥方法は特に限定されないが、好ましくは後述す
る本発明の支持体の熱処理効果である巻き癖が変化しな
いように、そのTg以下で乾燥されることが好ましい。
但し、本発明の塗布層が塗布された後に、巻き癖を改良
するために熱処理をされる場合は、乾燥条件は特に限定
されずTg以上でも特に問題はない。
【0018】本発明の非感光性親水性層は、ゼラチン等
の親水性バインダーであるために、本来処理液に膨潤す
る。しかし本発明に於いてはこの層の上に塗設された非
感光性疎水性層により処理液による膨潤を低減させる事
ができる。更に本発明においては、非感光性疎水性層に
その疎水性を失わない範囲や、非感光性親水性層の親水
性を失わない範囲において各種の化合物を添加しても良
い。例えば、帯電防止剤、易滑剤、マット剤、界面活性
剤、染料等を含有することができる。まず本発明の支持
体であるポリエチレン芳香族ジカルボキシレート系ポリ
エステル支持体について記す。
【0019】本発明のポリエステルは、ジオールと芳香
族ジカルボン酸を必須成分として形成されるが、その他
のジカルボン酸との混用もよく使用可能な二塩基酸とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フ
タル酸、ナフタレンジカルボン酸(2,6−、1,5
−、1,4−、2,7−)、ジフェニレンp,p′−ジ
カルボン酸、テトラクロロ無水フタル酸、コハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水コハク酸、マ
レイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無
水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、、3,6
−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸、ハロゲン化テレフタル
酸、ビス(p−カルボキシフェンノール)エーテル、
1,1−ジカルボキシ−2−フェニル エチレン、1,
4−ジカルボキシメチルフェノール、1,3−ジカルボ
キシ−5フェニルフェノール、3−スルフォイソフタル
酸ソーダ
【0020】等を挙げることができる。必須である芳香
族ジカルボン酸は前述したジカルボン酸の中で、ベンゼ
ン核を少なくとも一個有するものである。次にジオール
としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオ
ール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタン
ジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデ
カンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキ
サンジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、
カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、1,4−ベ
ンゼンジメタノール、ジメチロールナフタレン、P−ヒ
ドロキシエチルオキシベンゼン、ビスフェノールA等を
挙げることができる。
【0021】また、必要に応じて、単官能または、3以
上の多官能の水酸基含有化合物あるいは、酸含有化合物
が共重合されていても構わない。また、本発明のポリエ
ステルには、分子内に水酸基とカルボキシル基(あるい
はそのエステル)を同時に有する化合物が共重合されて
いても構わなくサリチル酸などがある。
【0022】これらのジオール、ジカルボン酸のモノマ
ーとしては、まず好ましい芳香族ジカルボン酸として
2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDCA)、テレフ
タル酸(TPA)、イソフタル酸(IPA)、オルトフ
タル酸(OPA)、パラフェニレンジカルボン酸(PP
DC)、ジオールとして、(ポリ)エチレングリコール
(PEGまたはEG))、シクロヘキサンジメタノール
(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG)、ビ
スフェノールA(BPA)、ビフェノール(BP)、共
重合成分であるヒドロキシカルボン酸としてパラヒドロ
キシ安息香酸(PHBA)、6−ヒドロキシ−2−ナフ
タレンカルボン酸(HNCA)を共重合させたものが挙
げられる。
【0023】これらの中でポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジ
メタノールテレフタレート(PCT)等のホモポリマ
ー、およびテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸とエ
チレングリコールのコポリマー(テレフタル酸とナフタ
レンジカルボン酸の混合モル比は0.9:0.1〜0.
1:0.9の間が好ましく、0.8:0.2〜0.2:
0.8が更に好ましい。)、テレフタル酸とエチレング
リコール、ビスフェノールAのコポリマー(エチレング
リコールとビスフェノールAの混合モル比は0.6:
0.4〜0:1.0の間が好ましく、更には0.5:
0.5〜0:0.9が好ましい。)、イソフタール酸、
パラフェニレンジカルボン酸、テレフタル酸とエチレン
グリコールのコポリマー(イソフタール酸;パラフェニ
レンジカルボン酸のモル比はテレフタル酸を1とした時
それぞれ0.1〜0.5、0.1〜0.5、更に好まし
くは、それぞれ0.2〜0.3、0.2〜0.3が好ま
しい)、テレフタル酸、ネオペンチルグリコールとエチ
レングリコールのコポリマー(ネオペンチルグリコール
とエチレングリコールのモル比は1:0〜0.7:0.
3が好ましく、より好ましくは0.9:0.1〜0.
6:0.4)テレフタル酸、エチレングリコールとビフ
ェノールのコポリマー(エチレングリコールとビフェノ
ールのモル比は、0:1.0〜0.8:0.2が好まし
く、さらに好ましくは0.1:0.9〜0.7:0.3
である。)、パラヒドロキシ安息香酸、エチレングリコ
ールとテレフタル酸のコポリマー(パラヒドロキシ安息
香酸、エチレングリコールのモル比は1:0〜0.1:
0.9が好ましく、さらに好ましくは0.9:0.1〜
0.2:0.8)等の共重合体が好ましい。以上の中で
も特に好ましいのは2,6−ナフタレンジカルボン酸を
含むポリエステルである。具体的には2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸を0.1〜1.0含むポリエステルであ
る。中でも特に好ましいのはポリエチレン 2,6−ナ
フタレートである。
【0024】これらのホモポリマーおよびコポリマー
は、従来公知のポリエステルの製造方法に従って合成で
きる。例えば酸成分をグリコール成分と直接エステル化
反応するか、または酸成分としてジアルキルエステルを
用いる場合は、まず、グリコール成分とエステル交換反
応をし、これを減圧下で加熱して余剰のグリコール成分
を除去することにより、合成することができる。あるい
は、酸成分を酸ハライドとしておき、グリコールと反応
させてもよい。この際、必要に応じて、エステル交換反
応、触媒あるいは重合反応触媒を用いたり、耐熱安定化
剤を添加してもよい。これらのポリエステル合成法につ
いては、例えば、高分子実験学第5巻「重縮合と重付
加」(共立出版、1980年)第103頁〜第136
頁、“合成高分子V”(朝倉書店、1971年)第18
7頁〜第286頁の記載を参考に行うことができる。
【0025】これらのポリエステルの好ましい平均分子
量の範囲は約5000ないし200000である。さら
に、これらのポリエステルには別の種類のポリエステル
との接着性を向上させるために、別のポリエステルを一
部ブレンドしたり、別のポリエステルを構成するモノマ
ーを共重合させたり、または、これらのポリエステル中
に、不飽和結合を有するモノマーを共重合させ、ラジカ
ル架橋させたりすることができる。得られたポリマーを
2種類以上混合したのポリマーブレンドは、特開昭49
−5482、同64−4325、特開平3−19271
8、リサーチ・ディスクロージャー283,739−4
1、同284,779−82、同294,807−14
に記載した方法に従って、容易に形成することができ
る。
【0026】本発明のポリエステルはそのTgが50℃
以上であるが、その使用条件は、一般に十分注意されて
取り扱われるわけではなく、特に真夏の屋外においてそ
の気温が40℃までに晒されることが多々有り、この観
点から本発明のTgは安全をみこして55℃以上が好ま
しい。さらに好ましくは、Tgは60℃以上であり特に
好ましくは70℃以上である。更に完全をきすためには
Tgが90℃以上が好ましい。これは、この熱処理によ
る巻き癖改良の効果が、ガラス転移温度を超える温度に
さらされると消失するため、一般ユーザーに使われた際
に過酷な条件である温度、即ち夏季の温度40℃を超え
る温度以上のガラス転移温度を有するポリエステルが好
ましい。一方、透明性を有し、200℃を越える汎用ポ
リエステルフイルムは現在まで存在しない。従って本発
明に用いられるポリエステルのTg温度は、50℃以上
200℃以下であることが必要である。
【0027】次に本発明に用いるポリエステルの好まし
い具体的化合物例を示すが、本発明がこれに限定される
ものではない。 ポリエステル化合物例 P−0:〔テレフタル酸(TPA)/エチレングリコール(EG) )(1 00/100)〕 (PET) Tg=80℃ P−1:〔2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDCA)/エチレングリコー ル(EG)(100/100)〕(PEN) Tg=119℃ P−2:〔テレフタル酸(TPA)/シクロヘキサンジメタノール(CHDM )(100/100)〕 Tg=93℃ P−3:〔TPA/ビスフェノールA(BPA) (100/100)〕 Tg=192℃
【0028】 P−4: 2,6−NDCA/TPA/EG(50/50/100) Tg=92℃ P−5: 2,6−NDCA/TPA/EG(75/25/100) Tg=102℃ P−6: 2,6−NDCA/TPA/EG/BPA(50/50/75/ 25) Tg=112℃ P−7: TPA/EG/BPA(100/50/50)Tg=105℃ P−8: TPA/EG/BPA(100/25/75)Tg=135℃ P−9: TPA/EG/CHDM/BPA(100/25/25/50) Tg=115℃
【0029】 P−10:IPA/PPDC/TPA/EG(20/50/30/100) Tg=95℃ P−11:NDCA/NPG/EG(100/70/30) Tg=105℃ P−12:TPA/EG/BP(100/20/80) Tg=115℃ P−13:PHBA/EG/TPA(200/100/100) Tg=125℃ P−14:PEN/PET(60/40) Tg=95℃ P−15:PEN/PET(80/20) Tg=104℃ P−16:PAr/PEN(50/50) Tg=142℃ P−17:PAr/PCT(50/50) Tg=118℃ P−18:PAr/PET(60/40) Tg=101℃ P−19:PEN/PET/PAr(50/25/25)Tg=108℃ P−20:TPA/5−スルフォイソフタル酸(SIP)/EG(95/5/ 100) Tg=65℃ P−21:PEN/SIP/EG(99/1/100) Tg=115℃
【0030】本発明のこれらの支持体は、50μm以上
300μm以下の厚みである。50μm未満では乾燥時
に発生する感光層の収縮応力に耐えることができず、一
方300μmを越えるとコンパクト化のために厚みを薄
くしようとする目的と矛盾する。より好ましくはその腰
の強さから厚い方が好ましく50〜200μmであり、
更には80〜115μmが好ましく、特に好ましくは8
5〜〜105μmである。以上のような本発明のポリエ
ステルは全てTACよりも強い曲弾性率を有し、当初の
目的であるフィルムの薄手化を実現可能であった。しか
し、これらの中でも強い曲弾性を有しているのがPE
T,PENであり、これを用いるとTACで122μm
必要だった膜厚を105μm以下にまで薄くすることが
可能である。次に本発明のポリエステル支持体は熱処理
を施されることを特徴とし、その際には40℃以上ガラ
ス転移温度以下の温度で0.1〜1500時間行う必要
がある。この効果は熱処理温度が高いほど早く進む。し
かし熱処理温度がガラス転移温度を越えると巻きぐせの
付き易いフイルムとなる。従ってこの熱処理はガラス転
移温度以下で行うことが必要である。
【0031】熱処理温度は40℃以上Tg未満、より好
ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行う。4
0℃未満で行うと十分な巻き癖効果を得るためには長時
間を要し工業生産性が劣る。熱処理はこの温度範囲内の
一定温度で実施してもよく、冷却しながら熱処理しても
よい。冷却の平均冷却速度は−0.01〜−20℃/時
間、より好ましくは−0.1〜−5℃/時間である。こ
の熱処理時間は、0.1時間以上1500時間以下、さ
らに好ましくは0.5時間以上200時間以下である。
0.1時間以下では十分な効果を得ることができず、1
500時間以上では効果が飽和する一方、支持体の着色
や脆化が起こりやすくなる。
【0032】巻き癖解消の効果をより一層増大させるに
は、この熱処理の前にTg以上融点(DSCで求めた融
解温度)未満の温度で熱処理をし、支持体の熱履歴を消
去させた後、上記40℃以上Tg未満の温度で再熱処理
を行うとよい。本発明では、この熱処理を「前熱処理」
と呼び、前項で述べた40℃以上Tg未満の熱処理を
「後熱処理」と呼び区別する。前熱処理温度はTg以上
融点未満、さらに好ましくはTg+20℃以上結晶化温
度(DSCで求めた結晶化温度)以下で行うのがよい。
融点以上の温度で前熱処理を行うと、支持体の弾性が著
しく低下することにより面状や搬送性に問題が生じる。
前熱処理はこの温度範囲内で、一定温度で実施してもよ
く(定温前熱処理)、降温しながら実施してもよく(降
温前熱処理)、また昇温しながら実施してもよい(昇温
前熱処理)。前熱処理の時間は、0.1分以上1500
時間以下、さらに好ましくは1分以上1時間以下であ
る。0.1分以下では十分な効果を得ることができず、
1500時間以上では効果が飽和する一方で、支持体の
着色や脆化が起こりやすくなる。この前熱処理の後、後
熱処理を実施するが、前熱処理終了温度から後熱処理開
始温度にまで急速冷却してもよく、Tgをまたいで徐々
に後熱処理開始温度にまで冷却してもよい。また一度室
温に冷却した後、後熱処理温度に上昇させてもよい。こ
れらの前熱処理と後熱処理の方法の組み合わせは幾つか
あるが、Tg+20℃以上結晶化温度以下で定温前熱処
理をした後、TgからTg−20℃の温度範囲まで冷却
速度−0.1〜−5℃/時間で冷却しながら後熱処理す
るのが好ましい。
【0033】このような支持体の熱処理は、ロ−ル状で
実施してもよく、またウェブ状で搬送しながら実施して
もよい。ロ−ル状で熱処理する場合、ロ−ルを室温か
ら恒温槽中で熱処理する方法、 ウェブ搬送中に所定温度にした後ロ−ル状に巻取り熱
処理する方法のいずれの方法で実施してもよい。の方
法は昇温、降温に時間を要するが、設備投資が少なくて
済む利点がある。の方法は高温での巻取り設備が必要
だが昇温時間を省略できる利点がある。ロ−ル状での熱
処理では、熱処理中に発生する熱収縮応力のために、巻
締まりによるしわや、巻芯部の切り口写り等の面状故障
が発生しやすい。このため、表面に凹凸を付与し(例え
ばSnO2やSb2O5等の導電性無機微粒子を塗布する)、支
持体間のきしみを低減させることで巻締まりによるしわ
を防止したり、支持体の端部にロ−レットを付与し端部
のみ少し高くすることで巻芯部の切り口写りを防止する
などの工夫を行うことが望ましい。一方、ウェブ状で熱
処理する場合、長大な後熱処理工程を必要とするが、ロ
−ル状での熱処理に比べて良好な支持体面状が得られ
る。これらの熱処理方法の中で、前熱処理をウェブ状で
行い、後熱処理をロール状で行うのが好ましい。前熱処
理をウェブ状で行うと、ロ−ル状で行った場合に比べ面
状故障が起きにくく、後熱処理は比較的長時間を要する
ためである。
【0034】これらの熱処理は支持体製膜後、グロ−放
電処理後、バック層塗布後(帯電防止剤、滑り剤等)、
下塗り塗布後のどこの段階で実施してもよい。好ましい
のは帯電防止剤塗布後である。これにより熱処理中の支
持体の面状故障となる帯電によるゴミの付着を防ぐこと
ができる。さらにまた本発明のポリエステルを熱処理す
る方法において、時間を短縮するために、予めTg以上
に短時間加熱(好ましくはTgの20℃以上100℃以
下の5分〜3時間処理する)することが好ましい。さら
に熱処理で用いられるロール巻き芯は、そのフィルムへ
の温度伝播が効率よくいくために中空かないしは加熱出
来るように、電気ヒーター内蔵または高温液体を流液で
きるような構造を有するものが好ましい。ロール巻き芯
の材質は特に限定されないが、熱による強度ダウンや変
形のないものが好ましく、例えばステンレス,ガラスフ
ァイバー入り樹脂を挙げることが出来る。
【0035】次に本発明のポリエステルについて、その
写真支持体としての機能を更に高めるために、種々の添
加剤を共存させることが好ましい。これらのポリエステ
ルフィルム中に蛍光防止および経時安定性付与の目的で
紫外線吸収剤を、練り込んでも良い。紫外線吸収剤とし
ては、可視領域に吸収を持たないものが望ましく、かつ
その添加量はポリエステルフィルムの重量に対して通常
0.01重量%ないし20重量%、好ましくは0.05
重量%ないし10重量%程度である。0.01重量%未
満では紫外線劣化を抑える効果が期待できない。紫外線
吸収剤としては2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ド
デシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,
2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾ
フェノンなどのベンゾフェノン系、2(2′−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
(2′−ヒドロキシ3′,5′−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2(2′−ヒドロキシ−3′
−ジ−t−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール等のベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニ
ル、サリチル酸メチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤が
挙げられる。
【0036】また本発明の好ましい芳香族系ポリエステ
ルの屈折率は、1.6〜1.7と高いのに対し、この上
に塗設する感光層の主成分であるゼラチンの屈折率は
1.50〜1.55とこの値より小さい。従って、光が
フイルムエッジから入射した時、ベースと乳剤層の界面
で反射しやすい。従って、ポリエステル系のフイルムは
いわゆるライトパイピング現象(ふちかぶり)を起こ
す。この様なライトパイピング現象を回避する方法とし
ては、支持体に不活性無機粒子等を含有させる方法、な
らびに染料を添加する方法等が知られている。本発明に
おいて好ましいライトパイピング防止方法は、フイルム
ヘイズを著しく増加させない染料添加による方法であ
る。この時フイルム染色に使用する染料については特に
限定を加えるものでは無いが、色調は感光材料の一般的
な性質上グレー染色が好ましく、また染料はポリエステ
ルフィルムの製膜温度域での耐熱性に優れ、かつポリエ
ステルとの相溶性に優れたものが好ましい。染料として
は、上記観点から三菱化成製のDiaresin、日本
化薬製のKayaset等ポリエステル用として市販さ
れている染料を混合することにより目的を達成すること
が可能である。染色濃度に関しては、マクベス社製の色
濃度計にて可視光域での色濃度を測定し少なくとも0.
01以上であることが必要である。更に好ましくは0.
03以上である。
【0037】本発明によるポリエステルフイルムは、用
途に応じて易滑性を付与することも可能であり、易滑性
付与手段としては特に限定を加えるところでは無いが、
不活性無機化合物の練り込み、あるいは界面活性剤の塗
布等が一般的手法として用いられる。かかる不活性無機
粒子としてはSiO2 、TiO2 、BaSO4 、CaC
3、タルク、カオリン等が例示される。また、上記の
ポリエステル合成反応系に不活性な粒子を添加する外部
粒子系による易滑性付与以外にポリエステルの重合反応
時に添加する触媒等を析出させる内部粒子系による易滑
性付与方法も採用可能である。これら易滑性付与手段に
は特に限定を加えるものでは無いが、写真感光材料用支
持体としては透明性が重要な要件となるため、上記易滑
性付与方法手段では外部粒子系としてはポリエステルフ
イルムと比較的近い屈折率をもつSiO2 、あるいは析
出する粒子径を比較的小さくすることが可能な内部粒子
系を選択することが望ましい。
【0038】更には、練り込みによる易滑性付与を行う
場合、よりフイルムの透明性を得るために機能付与した
層を積層する方法も好ましい。この手段としては具体的
には複数の押し出し機ならびにフィードブロック、ある
いはマルチマニフォールドダイによる共押出し法が例示
される。これらのポリエステルフイルムを支持体に使用
する場合、これらポリエステル支持体がいずれも疎水性
の表面を有するため、支持体上にゼラチンを主とした保
護コロイドからなる写真層(例えば感光性ハロゲン化銀
乳剤層、中間層、フィルター層等)を強固に接着させる
事は非常に困難である。この様な難点を克服するために
用いられている従来技術としては、(1)薬品処理、機
械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高
周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザ
ー処理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面活性化
処理をしたのち、直接写真乳剤を塗布して接着力を得る
方法と、(2)一旦これらの表面処理をした後、あるい
は表面処理なしで、下塗層を設けこの上に写真乳剤層を
塗布する方法との二法がある。(例えば米国特許第2,
698,241号、同2,764,520号、同2,8
64,755号、同3,462,335号、同3,47
5,193号、同3,143,421号、同3,50
1,301号、同3,460,944号、同3,67
4,531号、英国特許第788,365号、同80
4,005号、同891,469号、特公昭48−43
122号、同51−446号等)。
【0039】これらの表面処理は、いずれも、本来は疎
水性であった支持体表面に多少共極性基を作らせる事、
表面の架橋密度を増加させることなどによるものと思わ
れ、その結果として下塗液中に含有される成分の極性基
との親和力が増加すること、ないし接着表面の堅牢度が
増加すること等が考えられる。さらにまたラジカルの発
生による接着機構も考えられる。又、下塗層の構成とし
ても種々の工夫が行なわれており、第1層として支持体
によく接着する層(以下、下塗第1層と略す)を設け、
その上に第2層として写真層とよく接着する親水性の樹
脂層(以下、下塗第2層と略す)を塗布する所謂重層法
と、疎水性基と親水性基との両方を含有する樹脂層を一
層のみ塗布する単層法とがある。
【0040】表面処理の中でも好ましいのは、紫外線照
射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処理である。先
ず紫外線照射処理について以下に記す。これらは特公昭
43−2603号、特公昭43−2604号、特公昭4
5−3828号記載の処理方法などによって行われるの
が好ましい。水銀灯は石英管からなる高圧水銀灯で、紫
外線の波長が180〜320nmの間であるものが好ま
しい。紫外線照射は支持体の延伸工程、熱固定時、熱固
定後の何れでもよい。紫外線照射の方法については、光
源は被支持体の表面温度が150℃前後にまで上昇する
ことが支持体性能上問題なければ、主波長が365nm
の高圧水銀灯ランプを使用することができる。低温処理
が必要とされる場合には主波長が254nmの低圧水銀
灯が好ましい。またオゾンレスタイプの高圧水銀ラン
プ、及び低圧水銀ランプを使用する事も可能である。処
理光量に関しては処理光量が多いほど支持体と被接着層
との接着力は向上するが、光量の増加に伴い支持体が着
色し、また支持体が脆くなるという問題が発生する。従
って、通常のポリエステル、ポリオレフィン等のプラス
チックフィルムには、365nmを主波長とする高圧水
銀ランプで、照射光量20〜10000(mJ/c
2 )がよく、より好ましくは50〜2000(mJ/
cm2 )である。254nmを主波長とする低圧水銀ラ
ンプの場合には、照射光量100〜10000(mJ/
cm2 )がよく、より好ましくは300〜1500(m
J/cm2 )である。次にコロナ放電処理について記す
と、、従来公知のいずれの方法、例えば特公昭48−5
043号、同47−51905号、特開昭47−280
67号、同49−83767号、同51−41770
号、同51−131576号等に開示された方法により
達成することができる。放電周波数は50Hz〜500
0KHz、好ましくは5KHz〜数100KHzが適当
であり特に好ましくは10Hz〜30KHzである。放
電周波数が小さすぎると、安定な放電が得られずかつ被
処理物にピンホールが生じ、好ましくない。又周波数が
高すぎると、インピーダンスマッチングのための特別な
装置が必要となり、装置の価格が大となり、好ましくな
い。被処理物の処理強度に関しては、通常は0.001
KV・A・分/m2〜5KV・A・分/m2 、好ましく
は0.01KV・A・分/m2 〜1KV・A・分/m2
が適当である。電極と誘電体ロールのギャップクリアラ
ンスは0.5〜2.5mm、好ましくは1.0〜2.0
mmが適当である。コロナ放電処理機はPillar社
製ソリッドステートコロナ処理機6KVAモデルを用い
ることができる。又、火焔処理としては天然ガス、液化
プロパンガスなどを利用でき空気との混合比が重要であ
る。好ましいガス/空気の混合比は容積比で、プロパン
では1/14〜1/22、より好ましくは1/16〜1
/19である。天然ガスでは1/6〜1/10、より好
ましくは1/7〜1/9である。火焔処理量は、1〜5
0Kcal/m2 、より好ましくは3〜20Kcal/
2 である。またバーナーの内炎の先端と支持体の距離
を4cm未満とすることがより効果的である。処理装置
としては春日電気(株)製フレーム処理機を用いること
ができる。処理時の支持体を支えるバックアップローラ
ーは中空型ロールが好ましく、中に冷却液を透して常時
一定の所定温度にする事が好ましい。
【0041】また効果的な表面処理であるグロー放電処
理は、従来知られているいずれの方法、例えば特公昭3
5−7578号、同36−10336号、同45−22
004号、同45−22005号、同45−24040
号、同46−43480号、米国特許3,057,79
2号、同3,057,795号、同3,179,482
号、同3,288,638号、同3,309,299
号、同3,424,735号、同3,462,335
号、同3,475,307号、同3,761,299
号、英国特許997,093号、特開昭53−1292
62号等を用いることができる。特に本発明で好ましい
Tgが90℃以上200℃以下のポリエステル支持体に
対し要求される接着性付与、黄色化抑制、ブロッキング
防止を同時に満足させる表面処理としてグロー処理がと
くに有効であることがわかった。グロー放電処理の雰囲
気に酸素、窒素、ヘリウムあるいはアルゴンのような種
々のガスを導入しながら行う手法があるが、本発明のポ
リエステル支持体の場合、特殊ガスを導入しても接着性
の著しい効果は見られず、ガスの価格も高価であり工業
的に適しない。これに対して、水蒸気を導入した場合
は、特殊ガスの導入の場合と同等あるいはそれ以上の接
着効果を有し、価格も大幅に安価であり、工業的に優れ
た方法である。
【0042】水蒸気の存在下でグロー放電処理を実施す
る本発明の水蒸気分圧は、10%以上100%以下が好
ましく、更に好ましくは40%以上90%以下である。
10%未満では充分な接着性を得ることが困難となる。
水蒸気以外のガスは酸素、窒素等からなる空気である。
このようなグロー放電の処理雰囲気中に水蒸気を定量的
に導入する方法は、グロー放電処理装置に取付けたサン
プリングチューブからガスを4極子型質量分析器(日本
真空製MSQ−150)に導き、組成を定量しながら行
うことで達成できる。さらに、表面処理すべきフィルム
を予め加熱した状態で真空グロー放電処理を行うと、常
温で処理するのに比べ短時間の処理で接着性が向上し、
黄色化を大幅に減少させることができることを見いだし
た。ここで述べる予熱は後述する卷きぐせ改良のための
熱処理とは異なる。予熱温度は50℃以上Tg以下が好
ましく、70℃以上Tg以下がより好ましく、90℃以
上Tg以下がさらに好ましい。Tg以上の温度で予熱す
ると密着がやや悪化してしまう。真空中でポリマー表面
温度を上げる具体的方法としては、赤外線ヒータによる
加熱、熱ロールに接触させることによる加熱等がある。
例えばフィルム面を115℃に予熱したい場合、115
℃の熱ロールにフィルムを高々1秒間接触するだけで十
分である。加熱方法は前述の方法に限らず、広く公知の
加熱方法を利用することができる。
【0043】このように予熱した支持体をグロー放電処
理するが、上記水蒸気分圧及び支持体の予熱温度等以外
に抑制すべき重要な処理条件として、真空度、電極間電
圧、放電周波数等が挙げられる。これら処理条件を制御
することにより、接着性と黄色化抑制が両立するグロー
放電処理を実施することが可能となる。グロー放電処理
時の圧力は0.005〜20Torrとするのが好ましい。
より好ましくは0.02〜2Torrである。圧力が低すぎ
ると支持体表面を十分に改質することができず、充分な
接着性を得ることができない。一方圧力が高すぎると安
定な放電が起こらない。また、電圧は、500〜500
0Vの間が好ましい。より好ましくは500〜3000
Vである。電圧が低過ぎると支持体表面を十分に改質す
ることができず、十分な接着性を得ることができない。
一方電圧が高すぎると表面が変質してしまい、逆に接着
性が低下する。また、使用する放電周波数は、従来技術
に見られるように、直流から数1000MHz、好まし
くは50Hz〜20MHz、さらに好ましくは1KHz
〜1MHzである。放電処理強度は、0.01KV・A
・分/m2〜5KV・A・分/m2が好ましく、更に好ま
しくは0.15KV・A・分/m2〜1KV・A・分/
2で所望の接着性能が得られる。
【0044】このようにして、グロー放電処理を施こし
た支持体は、直ちに冷却ロールを用いて温度を下げるこ
とが好ましい。支持体は温度の上昇に伴ない外力により
塑性変形し易くなり、被処理支持体の平面性が損なわれ
てしまう。さらに低分子量体(モノマー、オリゴマー
等)が支持体表面に析出し、透明性や耐ブロッキング性
を悪化させる可能性がある。次に(2)の下塗法につい
て述べると、これらの方法はいずれもよく研究されてお
り、重層法における下塗第1層では、例えば塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アク
リル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中かち選ば
れた単量体を出発原料とする共重合体を始めとして、ポ
リエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチ
ン、ニトロセルロース、など数多くのポリマーについ
て、下塗第2層では主としてゼラチンについてその特性
が検討されてきた。単層法においては、多くの支持体を
膨潤させ、親水性下塗ポリマーと界面混合させることに
よって良好な接着性を達成している場合が多い。本発明
に使用する親水性下塗ポリマーとしては、水溶性ポリマ
ー、セルロースエステル、ラテックスポリマー、水溶性
ポリエステルなどが例示される。水溶性ポリマーとして
は、ゼラチン、ゼラチン誘導体、カゼイン、寒天、アル
ギン酸ソーダ、でんぷん、ポリビニールアルコール、ポ
リアクリル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体などで
あり、セルロースエステルとしてはカルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどである。ラ
テックスポリマーとしては塩化ビニル含有共重合体、塩
化ビニリデン含有共重合体、アクリル酸エステル含有共
重合体、酢酸ビニル含有共重合体、ブタジエン含有共重
合体などである。この中でも最も好ましいのはゼラチン
である。
【0045】本発明に使用される支持体を膨潤させる化
合物として、レゾルシン、クロルレゾルシン、メチルレ
ゾルシン、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレ
ゾール、フェノール、o−クロルフェノール、p−クロ
ルフェノール、ジクロルフェノール、トリクロルフェノ
ール、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリフルオロ酢
酸、抱水クロラールなどがあげられる。この中で好まし
いのは、レゾルシンとp−クロルフェノールである。本
発明の下びき層には種々のゼラチン硬化剤を用いること
ができる。ゼラチン硬化剤としてはクロム塩(クロム明
ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グルタ
ールアルデヒドなど)、イソシアネート類、活性ハロゲ
ン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−ト
リアジンなど)、エピクロルヒドリン樹脂などを挙げる
ことができる。
【0046】本発明の下びき層にはSiO2 、Ti
2 、マット剤の如き無機物微粒子又はポリメチルメタ
クリレート共重合体微粒子(1〜10μm)をマット剤
として含有することができる。これ以外にも、下塗液に
は、必要に応じて各種の添加剤を含有させることができ
る。例えば界面活性剤、帯電防止剤、アンチハレーショ
ン剤、着色用染料、顔料、塗布助剤、カブリ防止剤等で
ある。本発明において、下塗第1層用の下塗液を使用す
る場合には、レゾルシン、抱水クロラール、クロロフェ
ノールなどの如きエッチング剤を下塗液中に含有させる
必要は全くない。しかし所望により前記の如きエッチン
グ剤を下塗中に含有させることは差し支えない。本発明
に係わる下塗液は、一般によく知られた塗布方法、例え
ばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテン
コート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、
グラビアコート法、或いは米国特許第2,681,29
4号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージ
ョンコート法により塗布することが出来る。所望によ
り、米国特許第2,761,791号、同3,508,
947号、同2,941,898号、及び同3,52
6,528号明細書、原崎勇次著、「コーティング工
学」253頁(1973年、朝倉書店発行)などに記載
された方法により2層以上の層を同時に塗布することが
出来る。
【0047】本発明において、好ましいのは支持体がポ
リエチレン-2,6- ナフタレンジカルボキシレートが100
℃〜115 ℃の間で24時間熱処理されかつその支持体の厚
さが85μm 〜105 μm であり、その表面が紫外線照射処
理又はグロー放電処理されているものであり、バック側
の非感光性親水性層が1 〜7 μm のゼラチン層であり且
つ非感光性親水性層が0.5 〜5 μm のセルロースバイン
ダーであることを特徴とするものである。この時バック
層の非感光生親水性層のゼラチン量と反対側の乳剤層の
ゼラチン層の重量比は0.1 〜0.5 が好ましい。次に本発
明の写真感光材料の写真層について記載する。ハロゲン
化銀乳剤層としては黒白用カラー用何れでもよい。ここ
ではカラーハロゲン化銀写真感光材料について説明す
る。本発明の感光材料は、支持体上に青感色性層、緑感
色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層の少なくとも
1層が設けられていればよく、ハロゲン化銀乳剤層およ
び非感光性層の層数および層順に特に制限はない。典型
的な例としては、支持体上に、実質的に感色性は同じで
あるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成
る感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感
光材料であり、該感光性層は青色光、緑色光、および赤
色光の何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多
層ハロゲン化銀カラー写真感光材料においては、一般に
単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、
緑感色性層、青感色性の順に設置される。しかし、目的
に応じて上記設置順が逆であっても、また同一感色性層
中に異なる感光性層が挟まれたような設置順をも取り得
る。
【0048】上記、ハロゲン化銀感光性層の間および最
上層、最下層には各層の中間層等の非感光性層を設けて
もよい。該中間層には、特開昭61−43748号、同
59−113438号、同59−113440号、同6
1−20037号、同61−20038号に記載されて
いるようなカプラー、DIR化合物等が含まれていても
よく、通常用いられるように混色防止剤を含んでいても
よい。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化銀乳
剤層は、西独特許第1,121,470号あるいは英国
特許第923,045号、特開昭57−112751
号、同62−200350号、同62−206541
号、同62−206543号、同56−25738号、
同62−63936号、同59−202464号、特公
昭55−34932号、同49−15495号に記載さ
れている。
【0049】ハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十
四面体のような規則的な結晶を有するもの、球状、板状
のような変則的な結晶形を有するもの、双晶面などの結
晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの複合形でもよ
い。ハロゲン化銀の粒径は、約0.2ミクロン以下の微
粒子でも投影面積直径が約10ミクロンに至るまでの大
サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でもよ
い。本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤は、例え
ばリサーチ・ディスクロージャー(RD)No. 176
43(1978年12月)、22〜23頁、“I.乳剤
製造(Emulsion preparation a
nd types)" 、および同No. 18716(1
979年11月)、648頁、グラフキデ著「写真の物
理と化学」、ポールモンテル社刊(P.Glafkid
es,Chemie et Phisique Pho
tographique,PaulMontel, 19
67)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカルプレ
ス社刊(G.F.Duffin,Photograph
ic Emulsion Chemistry(Foc
al Press,1966)、ゼリクマンら著「写真
乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V.L.
Zelikman et al.,Making an
d Coating Photographic Em
ulsion,Focal Press,1964)な
どに記載された方法を用いて調製することができる。
【0050】米国特許第3,574,628号、同3,
655,394号および英国特許第1,413,748
号などに記載された単分散乳剤も好ましい。また、アス
ペクト比が約5以上であるような平板状粒子も本発明に
使用できる。平板状粒子は、ガトフ著、フォトグラフィ
ック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Gut
off,Photographic Science
and Engineering)、第14巻、248
〜257頁(1970年);米国特許第4,434,2
26号、同4,414,310号、同4,433,04
8号、同4,439,520号および英国特許第2,1
12,157号などに記載の方法により簡単に調製する
ことができる。結晶構造は一様なものでも、内部と外部
とが異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構
造をなしていてもよい。また、エピタキシャル接合によ
って組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよ
く、また例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以
外の化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形
の粒子の混合物を用いてもよい。ハロゲン化銀乳剤は、
通常、物理熟成、化学熟成および分光増感を行ったもの
を使用する。本発明の効率は、金化合物と含イオウ化合
物で増感した乳剤を使用したときに特に顕著に認められ
る。このような工程で使用される添加剤はリサーチ・デ
ィスクロージャーNo. 17643および同No. 18
716に記載されており、その該当箇所を後掲の表にま
とめた。
【0051】本発明に使用できる公知の写真用添加剤も
上記の2つのリサーチ・ディスクロージャーに記載され
ており、下記の表に関連する記載箇所を示した。 (添加剤種類) (RD176439)(RD187169) 1 化学増感剤 23頁 648頁右欄 2 感度上昇剤 同上 3 分光増感剤、強色増感剤 23〜24頁 648頁右欄 〜649頁右欄 4 増 白 剤 24頁 5 かぶり防止剤および安定剤 24〜25頁 649頁右欄〜 6 光吸収剤、フィルター染料、 紫外線吸収剤 25〜26頁 649頁右欄 〜650頁左欄 7 ステイン防止剤 25頁右欄 650頁左〜右欄 8 色素画像安定剤 25頁 9 硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 10 バインダー 26頁 同上 11 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 12 塗布助剤、表面活性剤 26〜27頁 650頁右欄 また、ホルムアルデヒドガスによる写真性能の劣化を防
止するために、米国特許4,411,987号、や同第
4,435,503号に記載されたホルムアルデヒドと
反応して、固定化できる化合物を感光材料に添加するこ
とが好ましい。
【0052】本発明には種々のカラーカプラーを使用す
ることができ、その具体例は前出のリサーチ・ディスク
ロージャー(RD)No. 17643、VII −C〜Gに
記載された特許に記載されている。イエローカプラーと
しては、例えば米国特許第3,933,501号、同第
4,022,620号、同第4,326,024号、同
第4,401,752号、同第4,248,961号、
特公昭58−10739号、英国特許第1,425,0
20号、同第1,476,760号、米国特許第3,9
73,968号、同第4,314,023号、同第4,
511,649号、欧州特許第249,473A号、等
に記載のものが好ましい。
【0053】マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン
系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特
許第4,310,619号、同第4,351,897
号、欧州特許第73,636号、米国特許第3,06
1,432号、同第3,725,067号、リサーチ・
ディスクロージャーNo. 24220(1984年6
月)、特開昭60−33552号、リサーチ・ディスク
ロージャーNo. 24230(1984年6月)、特開
昭60−43659号、同61−72238号、同60
−35730号、同55−118034号、同60−1
85951号、米国特許第4,500,630号、同第
4,540,654号、同第4,556,630号、W
O(PCT)88/04795号等に記載のものが特に
好ましい。
【0054】シアンカプラーとしては、フェノール系及
びナフトール系カプラーが挙げられ、米国特許第4,0
52,212号、同第4,146,396号、同第4,
228,233号、同第4,296,200号、同第
2,369,929号、同第2,801,171号、同
第2,772,162号、同第2,895,826号、
同第3,772,002号、同第3,758,308
号、同第4,334,011号、同第4,327,17
3号、西独特許公開第3,329,729号、欧州特許
第121,365A号、同第249,453A号、米国
特許第3,446,622号、同第4,333,999
号、同第4,753,871号、同第4,451,55
9号、同第4,427,767号、同第4,690,8
89号、同第4,254,212号、同第4,296,
199号、特開昭61−42658号等に記載のものが
好ましい。
【0055】発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、リサーチ・ディスクロージャーN
o. 17643のVII −G項、米国特許第4,163,
670号、特公昭57−39413号、米国特許第4,
004,929号、同第4,138,258号、英国特
許第1,146,368号に記載のものが好ましい。発
色色素が過度な拡散性を有するカプラーとしては、米国
特許第4,366,237号、英国特許第2,125,
570号、欧州特許第96,570号、西独特許(公
開)第3,234,533号に記載のものが好ましい。
ポリマー化された色素形成カプラーの典型例は、米国特
許第3,451,820号、同第4,080,211
号、同第4,367,282号、同第4,409,32
0号、同第4,576,910号、英国特許2,10
2,137号等に記載されている。カップリングに伴っ
て写真的に有用な残基を放出するカプラーもまた本発明
で好ましく使用できる。現像抑制剤を放出するDIRカ
プラーは、前述のRD17643、VII 〜F項に記載さ
れた特許、特開昭57−151944号、同57−15
4234号、同60−184248号、同63−373
46号、米国特許4,248,962号に記載されたも
のが好ましい。
【0056】現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進
剤を放出するカプラーとしては、英国特許第2,09
7,140号、同第2,131,188号、特開昭59
−157638号、同59−170840号に記載のも
のが好ましい。その他、本発明の感光材料に用いること
のできるカプラーとしては、米国特許第4,130,4
27号等に記載の競争カプラー、米国特許第4,28
3,472号、同第4,338,393号、同第4,3
10,618号等に記載の多当量カプラー、特開昭60
−185950号、特開昭62−24252号等に記載
のDIRレドックス化合物放出カプラー、DIRカプラ
ー放出カプラー、DIRカプラー放出レドックス化合物
もしくはDIRレドックス放出レドックス化合物、欧州
特許第173,302A号に記載の離脱後復色する色素
を放出するカプラー、R.D.No. 11449、同2
4241、特開昭61−201247号等に記載の漂白
促進剤放出カプラー、米国特許第4,553,477号
等に記載のリガンド放出するカプラー、特開昭63−7
5747号に記載のロイコ色素を放出するカプラー等が
挙げられる。
【0057】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法により感光材料に導入できる。水中油滴分散法
に用いられる高沸点溶媒の例は米国特許第2,322,
027号などに記載されている。水中油滴分散法に用い
られる常圧での沸点が175℃以上の高沸点有機溶剤の
具体例としては、フタル酸エステル類、リン酸またはホ
スホン酸のエステル類、安息香酸エステル類、アミド
類、アルコール類またはフェノール類、脂肪族カルボン
酸エステル、アニリン誘導体、炭化水素類などが挙げら
れる。また補助溶剤としては、沸点が約30℃以上、好
ましくは50℃以上約160℃以下の有機溶剤などが使
用でき、典型例としては酢酸エチル、酢酸ブチル、プロ
ピオン酸エチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン、2−エトキシエチルアセテート、ジメチルホルムア
ミドなどが挙げられる。ラテックス分散法の工程、効果
および含浸用のラテックスの具体例は、米国特許第4,
199,363号、西独特許出願(OLS)第2,54
1,274号および同第2,541,230号などに記
載されている。
【0058】本発明の感光材料は乳剤層を有する側の全
親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm以下であり、
かつ、膜膨潤速度T1/2 が30秒以下が好ましい。膜厚
は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定した膜
厚を意味し、膜膨潤速度T1/2は、当該技術分野におい
て公知の手法に従って測定することができる。例えばエ
ー・グリーン(A.Green)らによりフォトグラフ
ィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Ph
otogr.Sci.Eng.)、19巻、2号、12
4〜129頁に記載の型のスエロメーター(膨潤計)を
使用することにより測定でき、T1/2 は発色現像液で3
0℃、3分15秒処理した時に到達する最大膨潤膜厚の
90%を飽和膜厚とし、このT1/2 の膜厚に到達するま
での時間と定義する。
【0059】膜膨潤速度T1/2 は、バインダーとしての
ゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時
条件を変えることによって調整することができる。ま
た、膨潤率は150〜400%が好ましい。膨潤率と
は、さきに述べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:
(最大膨潤膜厚−膜厚)/膜厚に従って計算できる。さ
らに、本発明においては各種のハロゲン化銀写真感光材
料に使用されている素材を使用しうる。また本発明にお
いては、帯電防止剤が好ましく用いられる。それらの帯
電防止剤としては、特に制限はなく、たとえばアニオン
性高分子電解質としてはカルボン酸及びカルボン酸塩、
スルホン酸塩を含む高分子で例えば特開昭48−220
17号、特公昭46−24159号、特開昭51−30
725号、特開昭51−129216号、特開昭55−
95942号に記載されているような高分子である。カ
チオン性高分子としては例えば特開昭49−12152
3号、特開昭48−91165号、特公昭49−245
82号に記載されているようなものがある。またイオン
性界面活性剤もアニオン性とカチオン性とがあり、例え
ば特開昭49−85826号、特開昭49−33630
号、米国特許第2,992,108、米国特許第3,2
06,312、特開昭48−87826号、特公昭49
−11567号、特公昭49−11568号、特開昭5
5−70837号などに記載されているような化合物を
挙げることができる。
【0060】帯電防止剤として最も好ましいものは、Z
nO、TiO2 、SnO2 、Al23 、In2 3
SiO2 、MgO、BaO、MoO3 、V2 5 の中か
ら選ばれた少くとも1種の結晶性の金属酸化物あるいは
これらの複合酸化物(Sb,P,B,In,S,Si,
Cなど)の微粒子、更にはゾル状の金属酸化物あるいは
これらの複合酸化物の微粒子である。本発明に使用され
る導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物の微粒子ま
たは針状フィラーはその体積抵抗率が107 Ω−cm以
下、より好ましくは105 Ω−cm以下である。またそ
の粒子サイズは0.001〜1.0μm、特に0.00
1〜0.3μmとすることが望ましい。更に効率良く導
電性を与えるために、一次微粒子を一部凝集させて0.
01〜0.2μmにした導電性の結晶性酸化物又はその
複合酸化物の微粒子やフィラーを用いることが好まし
い。更に、これらを用いて帯電防止層を作製する場合に
到達する導電性としては、好ましくは生,処理後共にそ
の電気抵抗が1012Ω以下であり、より好ましくは10
10Ω以下、特に好ましいのは電気抵抗が109.5 Ω以下
である。その場合一般的に感材への含有量としては、5
〜500 mg/m2 が好ましく特に好ましくは10〜350 m
g/m2 である。また、バインダーの量は1〜500m
g/m2 が好ましく、特に5〜300mg/m2 が好ま
しい。導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物の微粒
子または針状フィラーとバインダーの量の比は1/30
0〜100/1が好ましく、より好ましくは1/100
〜100/5である。
【0061】本発明では滑り剤を好ましく用いられ、滑
り剤としては例えば、特公昭53−292号公報に開示
されているようなポリオルガノシロキサン、米国特許第
4,275,146号明細書に開示されているような高
級脂肪酸アミド、特公昭58−33541号公報、英国
特許第927,446号明細書或いは特開昭55−12
6238号及び同58−90633号公報に開示されて
いるような高級脂肪酸エステル(炭素数10〜24の脂
肪酸と炭素数10〜24のアルコールのエステル)、そ
して、米国特許第3,933,516号明細書に開示さ
れているような高級脂肪酸金属塩、また、特開昭58−
50534に開示されているような、直鎖高級脂肪酸と
直鎖高級アルコールのエステル、世界公開901081
15.8に開示されているような分岐アルキル基を含む
高級脂肪酸−高級アルコールエステル等が知られてい
る。このうちポリオルガノシロキサンとしては、一般的
に知られている、ポリジメチルシロキサンポリジエチル
シロキサン等のポリアルキルシロキサン、ポリジフェニ
ルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等のポリ
アリールシロキサンのほかに、特公昭53−292,特
公昭55−49294、特開昭60−140341等に
示されるような、C5 以上のアルキル基を持つオルガノ
ポリシロキサン、側鎖にポリオキシアルキレン基を有す
るアルキルポリシロキサン、側鎖にアルコキシ、ヒドロ
キシ、水素、カルボキシル、アミノ、メルカプト基を有
するようなオルガノポリシロキサン等の変性ポリシロキ
サンを用いることもできるし、シロキサンユニットを有
するブロックコポリマーや、特開昭60−191240
に示されるようなシロキサンユニットを側鎖に持つグラ
フトコポリマーを用いることもできる。このような化合
物の具体例を次に示すが、本発明はこれらによって制限
されるものではない。
【0062】 (S-1) (CH3)3SiO-(Si(CH3)2O)a-Si(CH3)3 a=5 〜1000 (S-2) (C6H5)3SiO-(Si(CH3)2O)a-Si(CH3)3 a=5 〜1000 (S-3) (CH3)3SiO-(Si(C5H11) (CH3)-O)a-Si(CH3)3 a=10 (S-4) (CH3)3SiO-(Si(C12H25)(CH3)-O)10-(Si(CH3)2O)18-Si(CH3)3 (S-5) (CH3)3SiO-(Si(CH3)2O)x -(Si(CH3)((CH2)3-O(CH2CH2O)10H)-O)y -(Si(CH3)2O)z-Si(CH3)3 x+y+z=30 (S-6) (CH3)3SiO-(Si(CH3)2O)x -(Si(CH3){(CH2)3-O(CH2CH(CH3)-O)10(CH2CH2O)10C3H7 } O)y -(Si(CH3)2O)z-Si(CH3)3 x+y+z=35
【0063】また、高級脂肪酸及びその誘導体、高級ア
ルコール及びその誘導体としては、高級脂肪酸、高級脂
肪酸の金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミ
ド、高級脂肪酸の多価アルコールエステル等、また、高
級脂肪族アルコール、高級脂肪族アルコールのモノアル
キルフォスファイト、ジアルキルフォスファイト、トリ
アルキルフォスファイト、モノアルキルフォスフェー
ト、ジアルキルフォスフェート、トリアルキルフォスフ
ェート、高級脂肪族のアルキルスルフォン酸、そのアミ
ド化合物またはその塩等を用いることができる。このよ
うな化合物の具体例を次に示すが、本発明はこれらによ
って制限されるものではない。
【0064】(1-1) n-C1531COOC3061-n (1-2) n-C1735COOC3061-n (1-3) n-C1531COOC3061-n (1-4) n-C1531COOC4081-n (1-5) n-C1531COOC50101-n (1-6) n-C2743COOC2857-n (2-1) n-C2143COO-(CH2)7 CH(CH3 )−
9 19 (2-2) n-C2143COOCH2 CH(CH3 )−C9
19 (2-3) n-C2143COOC2449-iso (3-1) n-C2949OCO(CH2 2 COOC2449-
n (3-2) n-C1837OCO(CH2 4 COOC4081-
n (3-3) n-C1837OCO(CH2 18COOC1837-
n
【0065】(3-4) iso-C2449OCO(CH2 4
COOC2449-n (3-5) n-C40H81OCO(CH2 )2 COOC50H101
-n (4-1) n-C1735COO(CH2 6 OCOC1735-
n (4-2) n-C2143COO(CH2 18OCOC2143-
n (4-3) iso-C2347COO(CH2 2 OCOC23
47-n (4-3) iso-C1531COO(CH2 6 OCOC21
43-n (5-1) n-C3061O(CH2 CH2 O)10H (5-2) n-C4081O(CH2 CH2 O)15H (5-3) n-C50101 O(CH2 CH2 O)15H (5-4) n-C50101 O(CH2 CH2 O)30H (5-5) n-C4081O(CH2 CH2 O)10H (5-6) n-C50101 (CH2 CH2 O)16H (5-7) n-C50101-(CH(CH3 )CH2 O)
3 (CH2 CH2 O)16H (5-8) n-C50101-(CH2 CH(OH)CH2 O)3
−(CH(OH)CH2 O)3 −(CH2 CH2 O)15
H (6-1) n-C4081OCOCH2 CH2 COO(CH2
CH2 O)16H (6-2) n-C50101 OCOCH=CHCOO(CH2
CH2 O)16H (6-3) n-C50101 OCOCH2 CH2 COO−(C
2 CH(OH)CH2 O)3 −(CH2 CH2 O)15
【0066】このような滑り剤を用いることにより、引
っかき強度にすぐれ、下塗面でのはじき等が起こらず、
写真感材の現像処理によってすべり性が悪化しないハロ
ゲン化銀写真感材が得られる。本発明で用いる滑り剤の
使用量は特に限定されないが、その含有量は0.000
5〜2g/m2 が好ましく、より好ましくは0.001
〜1g/m2 、特に好ましくは0.002〜0.5g/
2 である。本発明の滑り剤の添加層としては、特にこ
れに限定されるものではないが、バック面の最外層に含
有させることが好ましい。上記の滑り剤を含む表面層
は、これを適当な有機溶剤に溶解した塗布液を、支持
体、またはバック層にその他の層を付与した支持体上に
塗布し、乾燥することにより形成できる。また、滑り剤
は、塗布液中に分散物の形で添加することもできる。使
用される溶剤としては、水、アルコール類(メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ブタノールな
ど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノンなど)、エステル類(酢酸、蟻酸、シュウ
酸、マレイン酸、コハク酸などのメチル、エチル、プロ
ピル、ブチルエステルなど)、炭化水素系(ヘキサン、
シクロヘキサンなど)ハロゲン化炭化水素系(メチレン
クロライド、クロロホルム、四塩化炭素など)、芳香族
炭化水素系(ベンゼン、トルエン、キシレン、ベンジル
アルコール、安息香酸、アニソールなど)、アミド系
(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n-メ
チルピロリドンなど)、エーテル系(ジエチルエーテ
ル、ジオキサン、テトラハイドロフランなど)、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルなどのエーテルアル
コール類、グリセリン、ジエチレングリコール、ジメチ
ルスルホキシド等が好ましい。
【0067】上記滑り剤の塗設にあたっては,皮膜形成
能のあるバインダーと共に用いることもできる。このよ
うなポリマーとしては,公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂、放射線硬化性樹脂、反応性樹脂、およびこれらの
混合物、ゼラチンなどの親水性バインダーを使用するこ
とができる。上記熱可塑性樹脂としては、セルロースト
リアセテート,セルロースジアセテート、セルロースア
セテートマレエート、セルロースアセテートフタレー
ト、ヒドロキシアセチルセルロースフタレート、セルロ
ース長鎖アルキルエステル、ニトロセルロース、セルロ
ースアセテートプロピオネート、セルロースアセテート
ブチレート樹脂などのセルロース誘導体、塩化ビニル・
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル、酢酸ビニルとビニル
アルコール、マレイン酸および/またはアクリル酸との
共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化
ビニル・アクリロニトリル共重合体、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体などのビニル系共重合体、アクリル樹脂、
ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリ
ウレタン、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アミ
ノ樹脂、スチレンブタジエン樹脂、ブタジエンアクリロ
ニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ
素系樹脂を挙げることができる。
【0068】本発明で使用されうる滑り剤は塗布したあ
と、乾燥の為に熱,風を用い達成できるが、加熱した風
やロール上を通すことが好ましく、例えば50℃以上で
より好ましくは80℃以上が好ましく、特に好ましいの
は100℃以上であり乾燥ゾーン全体が加温されていて
も良く、また搬送ロールを加熱してもよい。滑り性能は
静摩擦係数0.25以下が好ましく、試料を温度25
℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、HEIDON
−10静摩擦係数測定機により、5mmφのステンレス鋼
球を用いて測定した値であり、数値が小さい程滑り性は
良い。静摩擦係数を小さくすることによって、後述する
パトローネからスプール回転により送り出される時にフ
ィルムの乳剤面とバック面あるいはパトローネ内側面と
フィルム、更にフィルムとパトローネ出口部との間の摩
擦が小さくでき、駆動トルクの低減を達成でき、かつフ
ィルムの傷つきを防止することができる。現像処理前後
のフィルムの静摩擦係数は、好ましいのは0.25以下
であるが、より好ましくは0.20以下更に好ましくは
0.16以下であり特に好ましくは0.12以下であ
る。この時乳剤面とバック面が共に小さい程好ましい
が、バック面が小さい程更に良い。本発明の現像処理済
みの静摩擦係数を0.25以下にするにはフィルムの乳
剤層及びバック層に滑り剤を含有させれば良く特に両面
の最外層に滑り剤を含有させることが好ましい。
【0069】滑り剤の含有方法は、塗布液中に含有させ
て塗布することで達成できるし、フィルムを作成した後
フィルムに後で付着させてもよくその方法として液浸漬
法、スプレー法、デップコート法、バーコート法、スピ
ンコート法などを用いる手段もある。本発明に於いては
又アニオン、ノニオン、カチオン、ベタイン性含フッ素
界面活性剤を併用することができる。これらの含弗素界
面活性剤は特開昭49−10722号、英国特許第1,
330,356号、特開昭53−84712号、同54
−14224号、同50−113221号、米国特許第
4,335,201号、同4,347,308号、英国
特許第1,417,915号、特公昭52−26687
号、同57−26719号、同59−38573号、特
開昭55−149938号、同54−48520号、同
54−14224号、同58−200235号、同57
−146248号、同58−196544号、英国特許
第1,439,402号、などに記載されている。これ
らの好ましい具体例を以下に記す。
【0070】F−1 C8 17SO3 K F−2 C7 15COONa F−3 C8 17SO2 N(C3 7 )−CH2 COO
K F−4 C8 17SO2 N(C3 7 )−( CH2 CH
(OH)CH2 O) 3−( CH2 ) 4 SO3 Na F−5 C8 17SO2 N(C3 7 ) (CH2 CH2
O) 4 ( CH2 ) 4−SO3 Na F−6 C8 17SO2 N(C3 7 )CH2 CH2
O−P(=O)(ONa)2 F−7 C8 17CH2 CH2 OOC−CH2 −CH
(SO3 Na)−OCOC8 17 F−8 C8 17SO2 NHCH2 CH2 CH2(OCH
2 CH2)3−N (+)(CH3 2 −CH2 COO (-) F−9 C8 17SO2 NHCH2 CH2 N−N (+)
(CH3 3 ・I (-) F−10 C8F17SO2NHCH2CH2CH2(OCH2CH2)3N(+)(CH3)3
CH3-C6H4−SO3(-) F−11 C8 17SO2 N(C1021)− (CH2 CH
2 O) 16
【0071】本発明においてはノニオン性界面活性剤を
用いてもよい。以下に本発明に好ましく用いられるノニ
オン界面活性剤の具体例を示す。 N−1 C1123COO(CH2 CH2 O)8 H N−2 C17H33COO (CH2CH25 ( CH2-CH(OH) -CH2 )3
( CH2CH2O ) 5 H N−3 C1633O (CH2 CH2 O )12H N−5 C9 19−C6 4 −O (CH2 CH2 O )10
H 本発明で使用される含弗素界面活性剤及びノニオン界面
活性剤の添加する層は写真感光材料の少なくとも1層で
あれば特に限定されず、例えば表面保護層、乳剤層、中
間層、下塗層、バック層などを挙げることができる。本
発明で使用される及び含弗素界面活性剤、ノニオン界面
活性剤の使用量は写真感光材料の1平方メートルあたり
0.0001g〜1gであればよいが、より好ましくは
0.0005〜0.5g、特に好ましいのは0.000
5g〜0.2gである。又、本発明のこれらの界面活性
剤は2種類以上混合してもよい。
【0072】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 1−1)支持体 本実施例で用いた各支持体は、下記の方法により作成し
た。 a)PEN;市販のポリエチレン−2,6−ナフタレー
トポリマー100重量部と紫外線吸収剤としてTinu
vinP.326(ガイギー社製)を2重量部と常法に
より乾燥した後、300℃にて溶融後、T型ダイから押
し出し140℃で3.3倍の縦延伸を行い、続いて13
0℃で3.3倍の横延伸を行い、さらに250℃で6秒
間熱固定してPENフイルムを得た。さらに、その一部
を直径20cmのステンレス巻き芯に巻付けて、110
℃,48時間加熱処理し熱履歴した。 b)PET:市販のポリエチレンテレフタレートポリマ
ーを常法に従い2軸延伸、熱固定を行い、PETフイル
ムを得た。 さらに、その一部を直径20cmのステンレス巻き芯に
巻付けて、70℃,48時間加熱処理し熱履歴した。
【0073】c)PEN/PET=4/1(重量比);
あらかじめPENとPETのペレットを150℃で4時
間真空乾燥した後、2軸混練押出し機を用い280℃で
混練押出した後、ペレット化し調製した。このポリエス
テルを上記PENと同じ条件で製膜した。さらに、その
一部を直径20cmのステンレス巻き芯に巻付けて、8
5℃,48時間加熱処理し熱履歴した。 d)TAC:トリアセチルセルロースを通常の溶液流延
法により、メチレンクロライド/メタノール=82/8
wt比、TAC濃度13%、可塑剤TPP/BDP=2
/1(ここでTPP;トリフェニルフォスフェート、B
DP;ビフェニルジフェニルフォスフェート)の15w
t%のバンド法にて作成した。
【0074】1−2)下塗層の塗設 上記各支持体は、その各々の両面にコロナ放電処理,紫
外線照射処理,グロー放電処理及び火焔処理をした後、
下記組成の下塗液を両面に塗布して下塗層を延伸時高温
面側に設けた。コロナ放電処理はピラー社製ソリッドス
テートコロナ処理機6KVAモデルを用い、30cm幅
支持体を20m/分で処理する。このとき、電流・電圧
の読み取り値より被処理物は、0.375KV・A・分
/m2 の処理がなされた。処理時の放電周波数は、9.
6KHz、電極と誘電体ロールのギャップクリアランス
は、1.6mmであった。又UV放電処理は、75℃で
加熱しながら放電処理した。さらにグロー放電処理は円
柱電極で3000Wで30秒間照射した。更に火焔処理
は、プロパンガスを用いて支持体と内炎の距離が2mm
で1000℃,2秒間当てた。この時搬送ローラーは0
℃に冷却して用いた。 ゼラチン 3g 蒸留水 25cc ソジウムα−スルホジ−2−エチルヘキシルサクシネート 0.05g ホルムアルデヒド 0.02g サリチル酸 0.1g ジアセチルセルロース 0.5g P−クロロフェノール 0.5g レゾルシン 0.5g クレゾール 0.5g (CH2 =CHSO2 CH2 CH2 NHCO)2 CH2 0.2g トリメチロールプロパントリアジン 0.2g トリメチロールプロパントリストルエンジイソシアネート 0.2g メタノール 15cc アセトン 85cc ホルムアルデヒド 0.01g 酢酸 0.01g 濃塩酸 0.01g
【0075】1−3)バック側の塗設 下塗後の上記支持体の一方の側(バック層側)に下記組
成の帯電防止層、非感光性親水性層さらに非感光性疎水
性層を付与した。 1−4)導電性微粒子分散液(酸化スズ−酸化アンチモ
ン複合物分散液)の調製塩化第二スズ水和物230重量
部と三塩化アンチモン23重量部をエタノール3000
重量部に溶解し均一溶液を得た。この溶液に1Nの水酸
化ナトリウム水溶液を前記溶液のpHが3になるまで滴
下し、コロイド状酸化第二スズと酸化アンチモンの共沈
澱を得た。得られた共沈澱を50℃に24時間放置し、
赤褐色のコロイド状沈澱を得た。
【0076】赤褐色コロイド状沈澱を遠心分離により分
離した。過剰なイオンを除くため沈澱に水を加え遠心分
離によって水洗した。この操作を3回繰り返し過剰イオ
ンを除去した。過剰イオンを除去したコロイド状沈澱2
00重量部を水1500重量部に再分散し、650℃に
加熱した焼成炉に噴霧し、青味がかった一次粒子として
平均粒径0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複
合物の微粒子粉末を得た。この微粒子粉末の比抵抗は5
Ω−cmであった。上記微粒子粉末40重量部と水60
重量部の混合液をpH7.0に調製し、攪拌機で粗分散の
後、横型サンドミル(商品名ダイノミル;WILLY
A.BACHOFENAG製)で滞留時間が30分にな
るまで分散して調製した。この時の一次粒子が凝集した
二次凝集体の平均粒径は約0.04μmであった。
【0077】1−5)導電性層の調製: 下記処方を乾燥膜厚が0.2μmになるように塗布し、
115℃で60秒間乾燥した。 3−1)で作製の導電性微粒子分散液 20重量部 ゼラチン 2重量部 水 27重量部 メタノール 60重量部 レゾルシン 2重量部 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 0.01重量部 この上に更に下記の非感光性親水性層を塗布し、乾燥し
た。乾燥温度は75℃である。
【0078】 1−6)非感光性親水性層 ゼラチン 表に記載 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径 1μm ) 50mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 N,N′−エチレンビス−(ビニルスルホンア セトアミド) 30mg/m2 ポリエチルアクリレートラテックス(平均粒径0.1μ) 0.5g/m2 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 5mg/m28 17SO3 K 3mg/m2 この上に更に下記の非感光性疎水性層を塗布し乾燥(75
℃、10分間) した。
【0079】 1−7)非感光性疎水性層 疎水性ポリマー(種類は表−1の通り) 塗布量は表1記載 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径3μ) 10mg/m28 17SO3 K 5mg/m21735COOC50101/C50101O(CH2CH2O)16H 15mg/m2 (滑り剤; 平均粒径 0.02 μm の水分散物として添加) (塗布液の溶媒は蒸溜水を使用)
【0080】1−8)比較用バック側構成 帯電防止層の上に親水性層がなく疎水性層のみからなる
比較用のバック構成層を塗布した。その構成処方は以下
の通りである。 セルロースジアセテート 1重量部 アセトン 70重量部 メタノール 15重量部 ジクロルメチレン 10重量部 p−クロルフェノール 4重量部 シリカ粒子(平均粒径0.2μm) 0.01重量部 ポリシロキサン 0.005重量部 C15H31COOC40H81/C50H101O(CH2CH2O)16H = (8/2 重量比) 0.01重量部 分散物 (平均粒径 20 nm) トルエンジイソシアナート 0.2重量部 セルロースジアセテートの厚みは表1 に掲げるとおりで
ある。
【0081】1−9)感光層の塗設 ついで、支持体のバック側と反対の面に、支持体から近
い順に乳剤層、表面保護層の各層を重層塗布し、多層カ
ラー感光材料を作成した。乳剤層の厚さは、25μmで
あった。 (感光層組成)各層に使用する素材の主なものは下記の
ように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収
剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機
溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬
化剤 ExS:増感色素 各成分に対応する数字は、g/m2 単位で表した塗布量
を示し、ハロゲン化銀については、銀換算の塗布量を示
す。ただし増感色素については、同一層のハロゲン化銀
1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
【0082】実施例2 下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に、
下記に示すような組成の各層を重層塗布し、多層カラー
感光材料である試料101を作製した。 (感光層組成)各層に使用する素材の主なものは下記の
ように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収
剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機
溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬
化剤 ExS:増感色素 各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を
示し、ハロゲン化銀については、銀換算の塗布量を示
す。ただし増感色素については、同一層のハロゲン化銀
1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
【0083】(試料101) 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.09 ゼラチン 1.60 ExM−1 0.12 ExF−1 2.0×10-3 固体分散染料ExF−2 0.030 固体分散染料ExF−3 0.040 HBS−1 0.15 HBS−2 0.02
【0084】第2層(中間層) 沃臭化銀乳剤M 銀 0.065 ExC−2 0.04 ポリエチルアクリレートラテックス 0.20 ゼラチン 1.04
【0085】第3層(低感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤A 銀 0.25 沃臭化銀乳剤B 銀 0.25 ExS−1 6.9×10-5 ExS−2 1.8×10-5 ExS−3 3.1×10-4 ExC−1 0.17 ExC−3 0.030 ExC−4 0.10 ExC−5 0.020 ExC−6 0.010 Cpd−2 0.025 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.87
【0086】第4層(中感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤C 銀 0.70 ExS−1 3.5×10-4 ExS−2 1.6×10-5 ExS−3 5.1×10-4 ExC−1 0.13 ExC−2 0.060 ExC−3 0.0070 ExC−4 0.090 ExC−5 0.015 ExC−6 0.0070 Cpd−2 0.023 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.75
【0087】第5層(高感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤D 銀 1.40 ExS−1 2.4×10-4 ExS−2 1.0×10-4 ExS−3 3.4×10-4 ExC−1 0.10 ExC−3 0.045 ExC−6 0.020 ExC−7 0.010 Cpd−2 0.050 HBS−1 0.22 HBS−2 0.050 ゼラチン 1.10
【0088】第6層(中間層) Cpd−1 0.090 固体分散染料ExF−4 0.030 HBS−1 0.050 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.10
【0089】第7層(低感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤E 銀 0.15 沃臭化銀乳剤F 銀 0.10 沃臭化銀乳剤G 銀 0.10 ExS−4 3.0×10-5 ExS−5 2.1×10-4 ExS−6 8.0×10-4 ExM−2 0.33 ExM−3 0.086 ExY−1 0.015 HBS−1 0.30 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.73
【0090】第8層(中感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤H 銀 0.80 ExS−4 3.2×10-5 ExS−5 2.2×10-4 ExS−6 8.4×10-4 ExC−8 0.010 ExM−2 0.10 ExM−3 0.025 ExY−1 0.018 ExY−4 0.010 ExY−5 0.040 HBS−1 0.13 HBS−3 4.0×10-3 ゼラチン 0.80
【0091】第9層(高感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤I 銀 1.25 ExS−4 3.7×10-5 ExS−5 8.1×10-5 ExS−6 3.2×10-4 ExC−1 0.010 ExM−1 0.020 ExM−4 0.025 ExM−5 0.040 Cpd−3 0.040 HBS−1 0.25 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.03
【0092】第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.015 Cpd−1 0.16 固体分散染料ExF−5 0.060 固体分散染料ExF−6 0.060 油溶性染料ExF−7 0.010 HBS−1 0.60 ゼラチン 0.60
【0093】第11層(低感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤J 銀 0.09 沃臭化銀乳剤K 銀 0.09 ExS−7 8.6×10-4 ExC−8 7.0×10-3 ExY−1 0.050 ExY−2 0.22 ExY−3 0.50 ExY−4 0.020 Cpd−2 0.10 Cpd−3 4.0×10-3 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.20
【0094】第12層(高感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤L 銀 1.00 ExS−7 4.0×10-4 ExY−2 0.10 ExY−3 0.10 ExY−4 0.010 Cpd−2 0.10 Cpd−3 1.0×10-3 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.70
【0095】第13層(第1保護層) UV−1 0.19 UV−2 0.075 UV−3 0.065 ExF−8 0.045 ExF−9 0.050 HBS−1 5.0×10-2 HBS−4 5.0×10-2 ゼラチン 1.8
【0096】第14層(第2保護層) H−1 0.40 B−1(直径 2.7 μm) 5.0×10-2 B−2(直径 2.7 μm) 0.10 B−3 0.10 S−1 0.20 C6H13CH(OH)C7H15COOC40H81/C50H101O(CH2CH2O)16H =
(4/6 重量比)の水分散物 (平均粒径 20 nm) 0.05 W−1 0.015 W−3 0.015 F−1 0.005 F−17 0.005 コロイダルシリカ 0.25 ゼラチン 0.70 更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力耐性、防黴・
防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくするために W−
1ないしW−3、B−4ないしB−6、F−1ないしF
−17及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、パラジウム
塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有されている。
【0097】
【表1】
【0098】表1において、 (1)乳剤J〜Lは特開平2-191938号の実施例に従い、
二酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒子調製時
に還元増感されている。 (2)乳剤A〜Iは特開平3-237450号の実施例に従い、
各感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸ナトリウ
ムの存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が施されて
いる。 (3)平板状粒子の調製には特開平1-158426号の実施例
に従い、低分子量ゼラチンを使用している。 (4)平板状粒子には特開平3-237450号に記載されてい
るような転位線が高圧電子顕微鏡を用いて観察されてい
る。 (5)乳剤Lは特開昭60-143331 号に記載されている内
部高ヨードコアーを含有する二重構造粒子である。
【0099】有機固体分散染料の分散物の調製 下記、ExF−2を次の方法で分散した。即ち、水21.7
ミリリットル及び5%水溶液のp−オクチルフェノキシ
エトキシエトキシエタンスルホン酸ソーダ3ミリリット
ル並びに5%水溶液のp−オクチルフェノキシポリオキ
シエチレンエ−テル(重合度10) 0.5gとを 700ミリリ
ットルのポットミルに入れ、染料ExF−2を 5.0gと
酸化ジルコニウムビ−ズ(直径1mm) 500ミリリットル
を添加して内容物を2時間分散した。この分散には中央
工機製のBO型振動ボールミルを用いた。分散後、内容
物を取り出し、12.5%ゼラチン水溶液8gに添加し、ビ
ーズを濾過して除き、染料のゼラチン分散物を得た。染
料微粒子の平均粒径は0.44μmであった。
【0100】同様にして、ExF−3、ExF−4及び
ExF−6の固体分散物を得た。染料微粒子の平均粒径
はそれぞれ、0.24μm、0.45μm、0.52μmであった。
ExF−5は欧州特許出願公開(EP)第549,489A号明細
書の実施例1に記載の微小析出(Microprecipitation)
分散方法により分散した。平均粒径は0.06μmであっ
た。
【0101】
【化1】
【0102】
【化2】
【0103】
【化3】
【0104】
【化4】
【0105】
【化5】
【0106】
【化6】
【0107】
【化7】
【0108】
【化8】
【0109】
【化9】
【0110】
【化10】
【0111】
【化11】
【0112】
【化12】
【0113】
【化13】
【0114】
【化14】
【0115】
【化15】
【0116】
【化16】
【0117】1−10)写真フイルムサンプルの加工 このようにして作成した写真フイルムサンプルを35m
m幅でスリットし、穿孔し、135標準カートリッジに
組み込み、35mmフイルムカートリッジに収納した。 1−11)コアセット 上記カートリッジを40℃、24時間加熱して巻きぐせ
をつけた。この温度条件は、夏季の室外を想定した条件
である。 1−12)舌端抜出し、カール測定、現像ムラ、後端折
れ 上記条件で巻きぐせをつけた上記カートリッジを一晩2
5℃の部屋の中で放冷した後治具により舌端抜出しを行
い、これを自動現像機(ミニラボFP−550B:富士
写真フイルム製)で現像処理した。カールは直ちに25
℃、60%RH下にてカール測定を行った。また現像時
の画像ムラとフィルムの後端折れを目視で観察した。 1−13)膨潤(バック面) 乳剤層の塗布していないバック層だけの試料を水で25
℃,1分間後の膨潤量を測定した。数値が大きいほどバ
ック層の非感光性疎水層の防水性が悪く密着性も悪いこ
とを示す。 1−14)プリンターでの平面性 25℃,10%RH条件下で現像済のネガフィルムをプ
リントし、その中心部と周辺部のボケ具合を大,中,小
の3段階で目視評価した。現像処理条件は下記のとおり
である。
【0118】 処理工程 温 度 時間 発色現像 38℃ 3分 停 止 38℃ 1分 水 洗 38℃ 1分 漂 白 38℃ 2分 水 洗 38℃ 1分 定 着 38℃ 2分 水 洗 38℃ 1分 安定浴 38℃ 1分 用いた処理液は次の組成を有する。 発色現像液 苛性ソーダ 2g 亜硫酸ソーダ 2g 臭化カリウム 0.4g 塩化ナトリウム 1g ホー砂 4g ヒドロキシルアミン硫酸塩 2g エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム2水塩 2g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β− ヒドロキシエチル)アニリン・モノサルフェート 4g
【0119】 水を加えて 全量 1リットル 停止液 チオ硫酸ソーダ 10g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 30ミリリットル 酢酸 30ミリリットル 酢酸ソーダ 5g カリ明ばん 15g 水を加えて 全量 1リットル 漂白液 エチレンジアミン4酢酸鉄(3価)ナトリウム・2水塩 100g 臭化カリウム 50g 硝酸アンモニウム 50g ホー酸 5g アンモニア水 pHを5.0に調節 水を加えて 全量 1リットル
【0120】 定着液 チオ硫酸ソーダ 150g 亜硫酸ソーダ 15g ホー砂 12g 氷酢酸 15ミリリットル カリ明ばん 20g 水を加えて 全量 1リットル 安定浴 ホー酸 5g クエン酸ソーダ 5g メタホー酸ソーダ(4水塩) 3g カリ明ばん 15g 水を加えて 全量 1リットル
【0121】1−15)結果 以上の結果を表2〜3に示す。本発明のポリエステル支
持体を使用しない比較試料1〜4は、支持体として従来
のTACであり、その膜厚を薄くすると加熱処理の有無
や、本発明の非感光性親水性のゼラチンが付与されてい
ても舌端抜出し作業が困難であり、すべてを満足するこ
とは出来なかった。また本発明のポリエステル支持体で
もその加熱処理を施さない比較試料5、13は同様に後
端折れが発生するものであるだけでなく、舌端出し作業
が困難であったり、現像ムラを発生するものであった。
さらに又本発明の加熱処理温度外である比較試料23は
舌端出し作業が困難で、現像ムラ,後端折れそしてプリ
ンターの平面性も著しく悪いものであった。これに対
し、本発明の加熱処理と厚さを有するポリエステル支持
体からなる本発明の試料7〜12,15〜16,18〜
22は舌端出し作業性はよく現像ムラや後端折れの発生
のないものであった。なお、本発明の範囲ではあるがそ
の支持体の厚さが薄い試料10及び21はそのカールが
若干大きい傾向にあることがわかる。一方本発明の非感
光性親水性のゼラチンが付与されていない比較試料6,
14はカールが大きくプリンターでの平面性が著しく劣
った。又、非感光性疎水性層の厚さが本発明の厚さ外で
ある比較試料17は、膨潤が著しく大きく高湿度でのバ
ックの密着が著しく悪化し、画面に傷として写る故障を
有するものであった。ここで表2〜3には示していない
が、支持体の種類がPET,PENであっても、支持体
の厚みを50μm未満とすると、感光層の収縮応力に耐
えられる曲げ弾性を有することができず、樋状カールが
発生して、現像処理工程において後端折れと擦傷が発生
した。
【0122】またガラス転移温度Tgが200℃を越え
るポリマーとして、Tgが225℃のポリ(オキシイソ
フタロオキシ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレン
イソプロピリデン−3,5−ジメチル−1,4−フェニ
レン)は、透明な支持体が得られず、感光材料への適用
はできなかった。さらにバック層の3−2)の導電性層
の調整において3−1)で作製した導電性微粒子分散液
のかわりに水を用いた感材を作製したものはすべて、ス
タチックマークの発生が見られ本発明においては導電性
層を付与することは、その感材の商品性を高めるために
は必須である。さらに、2)下塗り層の塗設においてコ
ロナ放電処理,UV放電処理及びグロー放電処理を施さ
なかった試料は、接着性が全く得られずバック層,乳剤
層ともに容易にはげ落ちるものであった。また、バック
層側の非感光性疎水性層において滑り剤の水分散物を除
去した試料は、取り扱い時に傷つきが著しく発生し、プ
リント上でハッキリと写るものであり商品価値を損なう
欠点を有するものであった。
【0123】
【表2】
【0124】
【表3】
【0125】実施例3 2−1)支持体 実施例1においてPEN,PET,PEN/PET=4
/1(重量比)を直径20cmのステンレス巻き芯に巻
付けて、110℃,48時間加熱処理し熱履歴しするか
わりに予め下記の2−2)〜2−4)の方法に従いバッ
ク層を付与した。しかるのちに、これらの支持体を前記
の直径20cmのステンレス巻き芯に巻付けて、110
℃,48時間加熱処理し熱履歴した。 2−2)下塗層の塗設 実施例1と同様にして下塗り層を作製した。 2−3)バック側の塗設 下塗後の上記支持体の一方の側の面に下記組成の帯電防
止層、非感光性親水性層さらに非感光性疎水性層を付与
した。2−4)導電性微粒子分散液(酸化スズ−酸化ア
ンチモン複合物分散液)の調製塩化第二スズ水和物23
0重量部と三塩化アンチモン23重量部をエタノール3
000重量部に溶解し均一溶液を得た。この溶液に1N
の水酸化ナトリウム水溶液を前記溶液のpHが3になる
まで滴下し、コロイド状酸化第二スズと酸化アンチモン
の共沈澱を得た。得られた共沈澱を50℃に24時間放
置し、赤褐色のコロイド状沈澱を得た。
【0126】赤褐色コロイド状沈澱を遠心分離により分
離した。過剰なイオンを除くため沈澱に水を加え遠心分
離によって水洗した。この操作を3回繰り返し過剰イオ
ンを除去した。過剰イオンを除去したコロイド状沈澱2
00重量部を水1500重量部に再分散し、650℃に
加熱した焼成炉に噴霧し、青味がかった平均粒径0.0
05μmの酸化スズ−酸化アンチモン複合物の微粒子粉
末を得た。この微粒子粉末の体積抵抗率は5Ω・cmで
あった。上記微粒子粉末40重量部と水60重量部の混
合液をpH7.0に調製し、攪拌機で粗分散の後、横型サ
ンドミル(商品名ダイノミル;WILLYA.BACH
OFENAG製)で滞留時間が30分になるまで分散し
て二次凝集体として約0.4μmの酸化スズ−酸化アン
チモン複合物の分散液を調製した。
【0127】2−5)導電性層の調製: 下記処方を乾燥膜厚が0.2μmになるように塗布し、
115℃で60秒間乾燥した。 3−1)で作製の導電性微粒子分散液 20重量部 ゼラチン 2重量部 水 27重量部 メタノール 60重量部 レゾルシン 2重量部 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 0.01重量部 この上に更に下記の非感光性親水性層を塗布し、乾燥し
た。乾燥温度は75℃である。
【0128】 2−6)非感光性親水性層 ゼラチン 表に記載 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径 1μm ) 50mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 N,N′−エチレンビス−(ビニルスルホンア セトアミド) 30mg/m2 ポリエチルアクリレートラテックス(平均粒径0.1μ) 0.5g/m2 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 5mg/m28 17SO3 K 3mg/m2 この上に更に下記の非感光性疎水性層を塗布し乾燥(75
℃、10分間) した。
【0129】 2−7)非感光性疎水性層 疎水性ポリマー(種類は表−4の通り) 塗布量は表4記載 ポリ(メチルメタクリレート/ジビニルベンゼン=8/2重量比)微粒子 (平均粒径0.5μ) 10mg/m28 17O(CH2CH2O)16H 5mg/m2 C6H13CH(OH)C7H15COOC40H81/C50H101O(CH2CH2O)16H(4/6;重量比) 25mg/m2 (滑り剤,平均粒径 0.02 μm のアセトン分散物として添加) トルエンジイソシアナート 疎水性ポリマーの塗布量の0.2重量の塗布量 ペンタエリスリトールとトルエンジイソシアナート(モル比1:3)の反応物 疎水性ポリマーの塗布量の0.3重量の塗布量 (塗布液の溶媒はアセトン,メチルエチルケトン,シク
ロヘキサノン,塩化メチレン,プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルを使用)
【0130】2−8)感光層の塗設 ついで、支持体の反対の面に、実施例1と全く同様にし
て支持体から近い順に乳剤層、表面保護層の各層を重層
塗布し、多層カラー感光材料を作成した。乳剤層の厚さ
は、25μmであった(この時の全ゼラチン量は14g
/m2 であった)。 2−9)傷つき評価 試料のバック側を25℃,相対湿度60%の雰囲気下で
5mmφのスチール球をスピード60cm/分のもと、
0グラムから連続加重をかけて透過光で傷つきが観察さ
れる時の加重を測定した。加重が大きいほどバック面の
傷つきに対する抵抗が大きく好ましいことを示す。 2−10)接着評価 試料のバック面を25℃,相対湿度85%の雰囲気下
で、カッターナイフで深さ30μmに角度60°で枡目
が100個になるように切り込みを加えた後、3M社製
のスコッチテープで良く接着させた。そして70°の角
度に勢い良く剥離させ、その時の剥離した枡目の数を評
価した。数が多いほど、接着性が悪いことを示す。
【0131】2−11)ブロッキング評価 試料を35mm×35mmに裁断して、下記の2条件
(ウェット及びドライ)の方法でバック面と乳剤面を重
ね合わせて500gの加重をかけた。その後、バック面
と乳剤面を剥離し、ブロッキングした面積を評価した。
面積が多いほどブロッキング性が悪いことを示す。 ウェット条件;試料を25℃,相対湿度80%の雰囲
気下で二時間調湿後試料を重ねてポリエチレン袋に密封
し、その上に500gの加重をかけて、45℃のオーブ
ンに入れ24時間放置した。 ドライ条件;試料を25℃,相対湿度60%の雰囲気
下で二時間調湿後試料を重ねてポリエチレン袋に密封
し、その上に500gの加重をかけて、80℃のオーブ
ンに入れ2時間放置した。 ブロッキングの評価はブロッキング面積を以下の表示に
従って実施した。 ◎;0%、 ○;5%以下、△;5〜25%以下、×;
25〜50%以下、××; 50%以上
【0132】2−11)結果 表4、表4(続き)に示すように、本発明のポリエステ
ル支持体でないTACを用いた比較試料24,25は舌
端抜き出し作業性が困難であること,傷つきも著しく悪
いこと,そしてカールも大きく劣るものであった。又本
発明の支持体ではあるが加熱処理のない比較試料26
は、舌端抜き出し作業性が困難であり、カールも悪いこ
とがわかる。さらに本発明の非感光性親水性層がない比
較試料27はカールが大きいことがわかる。一方本発明
の非感光性疎水性層がない比較試料28はカールは小さ
いが傷つきにおいて著しく劣るものであった。これに対
し、本発明の試料である29〜36はすべての点におい
てその性能を満足するものであり、本発明が著しく優れ
たものであることは明白である。また本発明の非感光性
疎水性層としてセルロースエステルを用いることにより
著しく傷つきとブロッキング性が改良され、本発明の効
果がさらに発現出来た。なお、非感光性疎水性層として
ガラス転移温度が80℃以下のポリマーを用いた試料3
6はブロッキング性が若干劣る傾向が見られた。
【0133】
【表4】
【0134】
【表5】
【0135】なお、本発明の試料はその導電性は25
℃、10%RHでは抵抗は1010以下であり、優れた帯
電防止性を有するものであった。これに対して本発明の
試料である29において、帯電防止剤であるSnO2
Sb2 5 を添加しなかった場合は、その電気抵抗は1
15以上でありスタチックマークが著しく取扱中に発生
し画像としては好ましくなかった。したがって、本発明
においては帯電防止剤を付与することで著しく優れた感
材を提供する事ができる。又、本発明の試料である29
において、支持体の表面処理(グロー,コロナ,火焔,
紫外線照射)をしなかった場合は、乳剤面及びバック面
ともに十分な接着を得ることが出来ず取扱中に感材層,
バック層が剥がれ落ちて、感材としては好ましくなかっ
た。本発明の試料はそのバックの滑り性は0.5cmの
ステンレススチール鋼球で100gの加重をかけ、60
cm/分での動摩擦係数は0.09以下であった。これ
に対して、試料29においてバック面の滑り剤を添加し
なかった場合は、その動摩擦係数は0.45であり滑り
性が非常に悪く、かつ傷つきが約33gと悪化傾向であ
り本発明においては、滑り剤の添加が好ましいことがわ
かった。
【0136】
【発明の効果】本発明では、支持体の一方の面に少なく
とも一層の親水性コロイドをバインダーとするハロゲン
化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料におい
て、支持体の該ハロゲン化銀乳剤層の塗布面に対して反
対のバック側に少なくとも一層の厚さ0.5〜10μm
の非感光性親水層とその外層に少なくとも一層の0.4
〜10μmの非感光性疎水性層を有し、かつ該支持体の
厚さが50μm〜300μm,そのガラス転移点が50
℃〜200℃,かつ下塗り層付与前又は下塗り層付与後
から乳剤塗布前に40℃以上ガラス転移温度以下の温度
で0.1〜1500時間熱処理されたポリエチレン芳香
族ジカルボキシレート系ポリエステル支持体であること
を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料であるため
に、、舌端抜出しが容易であり巻きぐせがつきにくく現
像処理後のカールが少なく、また後端折れが少ない。さ
らに傷つきや接着及びブロッキングの点でも著しく優れ
たものであり、前記支持体から製造したフイルムでは良
好な画像が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 7/04 CFD G G03C 1/04 1/32 1/38 1/76 502 1/81 1/85 1/91 // C08L 67:00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の一方の面に少なくとも一層の親
    水性コロイドをバインダーとするハロゲン化銀乳剤層を
    有するハロゲン化銀写真感光材料において、支持体の該
    ハロゲン化銀乳剤層の塗布面に対してバック側に少なく
    とも一層の厚さ0.5〜10μmの非感光性親水性層と
    その外層に少なくとも一層の0.4〜10μmの非感光
    性疎水性層を有し、かつ該支持体の厚さが50μm〜3
    00μm,そのガラス転移点が50℃〜200℃,かつ
    下塗り層付与前又は下塗り層付与後から乳剤塗布前に4
    0℃以上ガラス転移温度以下の温度で熱処理されたポリ
    エチレン芳香族ジカルボキシレート系ポリエステル支持
    体であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 非感光性親水性層がゼラチン誘導体であ
    ることを特徴とする請求項1のハロゲン化銀写真感光材
    料。
  3. 【請求項3】 バック側の非感光性親水性層のゼラチン
    誘導体の量が、ハロゲン化銀乳剤層の中のゼラチン量に
    対して、重量比で0.03〜0.7であることを特徴と
    する請求項2のハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 バック側の非感光性疎水性層のバインダ
    ーのガラス転移温度が80℃以上であることを特徴とす
    る請求項1〜請求項3記載のハロゲン化銀写真感光材
    料。
  5. 【請求項5】 非感光性疎水性層が重合性ポリマーまた
    はセルロース誘導体を主体とする層であり、そのトータ
    ル膜厚が0.5μm〜10μmであることを特徴とする
    請求項1〜請求項4記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  6. 【請求項6】 セルロース誘導体がジアセチルセルロー
    ス,トリアセチルセルロースであることを特徴とする請
    求項5記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  7. 【請求項7】 ポリエチレン芳香族ジカルボキシレート
    系支持体が、ベンゼンジカルボン酸又はナフタレンジカ
    ルボン酸とエチレングリコールをそれぞれ80モル%以
    上含むポリエステルであり、そのガラス転移温度が90
    〜200℃であることを特徴とする請求項1〜請求項6
    記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  8. 【請求項8】 ポリエチレン芳香族ジカルボキシレート
    系支持体がポリエチレンナフタレート誘導体であること
    を特徴とする請求項7記載のハロゲン化銀写真感光材
    料。
  9. 【請求項9】 ポリエチレン芳香族ジカルボキシレート
    系支持体の厚さが85μm〜115μmであることを特
    徴とする請求項7〜請求項8記載のハロゲン化銀写真感
    光材料。
  10. 【請求項10】 少なくとも一層に導電性層及び/又は
    滑り剤層及び/又はマット剤層を有することを特徴とす
    る請求項1〜請求項9記載のハロゲン化銀写真感光材
    料。
  11. 【請求項11】 支持体の表面処理が、紫外線照射処
    理,コロナ放電処理,グロー放電処理,火焔処理の少な
    くとも一種類の表面処理がなされていることを特徴とす
    る請求項1〜請求項10記載のハロゲン化銀写真感光材
    料。
  12. 【請求項12】 ハロゲン化銀写真感光材料がロール状
    のハロゲン化銀写真感光材料であることを特徴とする請
    求項1〜請求項11記載のハロゲン化銀写真感光材料。
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