JP2893155B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

Info

Publication number
JP2893155B2
JP2893155B2 JP4220904A JP22090492A JP2893155B2 JP 2893155 B2 JP2893155 B2 JP 2893155B2 JP 4220904 A JP4220904 A JP 4220904A JP 22090492 A JP22090492 A JP 22090492A JP 2893155 B2 JP2893155 B2 JP 2893155B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
layer
polyester
silver halide
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP4220904A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0651442A (ja
Inventor
雅彦 村山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP4220904A priority Critical patent/JP2893155B2/ja
Publication of JPH0651442A publication Critical patent/JPH0651442A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2893155B2 publication Critical patent/JP2893155B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真感光材料に関するも
のであり、特に膜厚が薄く、しかも高温下でも巻き癖が
付きにくく、耐接着性に優れたハロゲン化銀写真感光材
料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料は一般的に、プラスチック
フィルム支持体上に少なくとも1層の写真感光性層を塗
布することによって製造される。このプラスチックフィ
ルムとしては一般的にトリアセチルセルロース(以下
「TAC」と記す)に代表される繊維系のポリマーとポ
リエチレンテレフタレート(以下「PET」と記す)に
代表されるポリエステル系のポリマーが使用されてい
る。一般に写真感光材料としては、Xレイ用フィルム、
製版用フィルム及びカットフィルムの如くシート状の形
態のものと、ロールフィルムの代表的なものは、35m/
m 巾又はそれ以下の巾でパトローネ内に収められてお
り、一般のカメラに装填して撮影に用いるカラー又は黒
白ネガフィルムである。ロールフィルム用支持体として
は、主にTACが用いられているが、この最大の特徴
は、光学的に異方性が無く透明度が高いことである。さ
らにもう一点優れた特徴があり、それは現像処理後のカ
ール解消性についても優れた性質を有している点であ
る。即ち、TACフィルムはその分子構造からくる特徴
として比較的プラスチックフィルムとしては吸水性が高
い為、ロールフィルムとして巻かれた状況で経時される
ことによって生じる巻ぐせカールが現像処理における吸
水で分子鎖が流動し、巻き経時で固定化された分子鎖が
再配列を起こす。その結果一旦形成された巻きぐせカー
ルが解消するという優れた性質を有している。この様な
TACのごとき巻きぐせカール回復性を有さないフィル
ムを用いた写真感光材料では、ロール状態で用いられた
際に、例えば現像後写真印画紙に画像を形成させる焼き
付け工程等で、スリ傷の発生、焦点ボケ、搬送時のジャ
ミング等の問題が生じてしまう。一方、PETフィルム
は優れた生産性、機械的強度、ならびに寸度安定性を有
するためTACに代替するものと考えられてきたが、写
真感光材料として広範囲に用いられているロール形態で
は巻きぐせカールが強く残留するため現像処理後の取り
扱い性が悪く、上記の優れた性質がありながらその使用
範囲が限定されてきた。
【0003】ところで、近年写真感光材料の、用途は多
様化しており撮影時のフィルム搬送の高速化、撮影倍率
の高倍率化、ならびに撮影装置の小型化が著しく進んで
いる。その際には、写真感光材料用の支持体としては、
強度、寸度安定性、薄膜化等の性質が要求される。さら
に、撮影装置の小型化に伴い、パトローネの小型化の要
求が強くなっている。従来、135システムでは、直径
25mmのパトローネが用いられてきたが、例えばこのス
プール(巻芯)を10mm以下にし、同時に、現行135
システムで用いているTAC支持体厚みの122μmか
ら90μmに薄手化すれば、パトローネを直径20mm以
下に小型化することができる。このようなパトローネの
小型化を行うためには、3つの課題が存在する。第1の
課題は、フィルムの薄手化に伴う力学強度の低下であ
る。特に、曲げ弾性は厚みの3乗に比例して小さくな
る。ハロゲン化銀写真感材は、一般にゼラチンに分散し
た感光層を塗設しており、この層が低湿化で収縮を引き
起こし、幅方向カール(U字型)状カールを発生する。
この収縮応力に抗するだけの曲げ弾性が支持体に必要と
なる。第2の課題は、スプールの小型化に伴う経時保存
中に発生する強い巻ぐせである。従来の135システム
では、パトローネ内部で最も巻径の小さくなる36枚撮
フィルムでも、巻径は14mmである。これを10mm以下
に小型化しようとすると著しい巻ぐせが付き、これによ
り種々のトラブルが発生する。例えば、ミニラボ自現機
で現像処理を行うと、一端がリーダーに固定されている
だけで、もう一端は固定されないため、フィルムが巻上
り、ここに処理液の供給が遅れ“処理ムラ”の発生原因
となる。また、このフィルムの巻上りは、ミニラボ中の
ローラーで押しつぶされ、「折れ」が発生する。第3の
課題は、保存中特に高温高湿下での乳剤面とバック面の
接着故障を生じることである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、秀れた力学特性を有し、高温下でも巻ぐせの少いか
つ耐接着性に優れた写真感光材料を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、パトローネの
スプールに巻き付けられた、厚みが50μm以上300
μm以下のポリエステルフィルム支持体と少なくとも一
層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写
真感光材料において、該スプール径が10mm以下であ
り、該ポリエステルが少なくとも2,6−ナフタレンジ
カルボン酸(NDCA)を含み、該フィルムのガラス転
移温度が90℃以上200℃以下であり、かつ前記フィ
ルムが製膜後から該感光材料完成までの間に50℃以上
該ポリエステルフィルムのガラス転移温度以下の温度で
熱処理され、前記感光材料の少なくとも一方にはマット
剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
料により達成された。
【0006】まず最初に以降に用いる巻ぐせ測定法およ
びそれに関する用語等について説明を加える。 (1)コアセット フィルムをスプールに巻き付けて巻ぐせを付けること。 (2)コアセットカール コアセットにより付けた長さ方向の巻ぐせ。巻ぐせの程
度は、ANSI/ASC pH1.29−1985のTe
st Method Aに従って測定し、1/R〔m〕(Rはカー
ルの半径)で表示した。 (3)絶対コアセットカール 巻ぐせ改良を行う前の写真フィルムのコアセットカー
ル。 (4)コントロールドコアセットカール 巻ぐせ改良を行った後の写真フィルムのコアセットカー
ル。 (5)真のコアセットカール (絶対コアセットカール)−(コントロールドコアセッ
トカール) (6)カール低減率 (真のコアセットカール/絶対コアセットカール)×1
00 (7)ガラス転移温度(Tg) 示差熱分析計(DSC)を用い、サンプルフィルム10
mgをヘリウムチッ素気流中、20℃/分で昇温していっ
た時、ベースラインから偏奇しはじめる温度と新たなペ
ースラインに戻る温度の算術平均温度もしくはTgに吸
熱ピークが現われた時はこの吸熱ピークの最大値に示す
温度をTgとして定義する。
【0007】まず本発明の支持体について記す。本発明
の支持体のTgは90℃〜200℃のポリエステルであ
り、かつ50℃以上Tg以下の温度で熱処理されること
を特徴とするが、その点について以下に述べる。強い力
学強度と少い巻ぐせを達成するためには、2つの方法が
存在する。第1の方法は、巻ぐせ回復性を有するTAC
を変性し、力学強度の向上を狙う方法である。第2の方
法は、力学強度に優れる、PETに代表されるポリエス
テル支持体に、巻ぐせが付きにくいように改良する方法
である。前者の方法でこの課題を達成することは、非常
に困難であると予想される。すなわち、現行カラーネガ
写真材料で用いているTAC支持体の厚みは122μm
あり、これを90μmにまで低下させると、曲弾性率
は、厚みの3乗に比例するため、122μm支持体の4
割にまで低下する。即ち、2.5倍強い弾性率を持つ支
持体を達成する必要がある。また、スプール径を10mm
以下にまで低下させると、巻ぐせ回復性を有するTAC
ですら、現像処理中に充分に回復しきれず、前述の「処
理ムラ」や「折れ」が発生する。このように、「弾性率
の2.5倍向上」と「巻ぐせ回復性の向上」という2つ
の課題を同時に解決することはかなり困難であると考え
られる。
【0008】一方、後者の方法で達成しようとする場
合、例えば、PETを用いた場合本来有する強い弾性率
のため、TAC122μm相当の曲げ弾性を90μmで
達成できる。さらに、ポリエチレンナフタレート(PE
N)を用いると、PETよりさらに弾性率が高く80μ
m近くまで薄くすることができる。従って後者の場合、
これらの支持体の巻ぐせ改良のみを行えば良いわけであ
り、検討の結果本発明に到った。
【0009】ポリエステルフィルムの巻ぐせを低減させ
る方法として、従来いくつかの試みがなされている。例
えば特開昭51−16358に記載されている方法、即
ちガラス転移温度を30℃ないし5℃下廻る温度で熱処
理する方法が知られている。この方法は、加熱処理中に
フィルム内でエンタルピー緩和をおこさせ、自由体積を
減少させることにより、分子の流動を抑制し、巻ぐせを
付きにくくしようとするものである。この方法を用いる
と、巻ぐせが付きにくくなる効果は認められるものの十
分な効果が表われるまでに、1日以上ガラス転移温度近
くで加熱処理を行う必要があり、多大な時間とエネルギ
ーを必要とするという欠点を有していた。
【0010】一方特開平1−131550号公報に示さ
れている様な方法、即ち、製品として巻取る方向と逆向
きにカールが付くようにベース内に構造を付けておき、
製品貯蔵時に付く径時カールと相殺させる方法がある。
この方法は逐次2軸延伸工程において、縦延伸と横延伸
の間でフィルム表裏面に温度勾配を付けることで結晶
性、配向性の差を付けることで永久カールを付けようと
するものである。この方法を用いた場合、本発明で課題
としているような細いスプールに巻きつけた場合には、
充分な巻ぐせ改良効果を得ることができなかった。
【0011】ところが、延伸時に温度差をもたせて製膜
したポリエステルフィルムを、ガラス転移温度以下50
℃以上の温度で熱処理したところ著しく巻ぐせの付きに
くいフィルムが得られた。この効果は、ガラス転移温度
が90℃以上200℃以下のポリエステルに於て有効だ
った。これは、この熱処理の効果が、ガラス転移温度を
越える温度にさらされると消失するため、なるべくガラ
ス転移温度が高いポリエステルが望ましく、一般ユーザ
ーに使われた際に最も高温にさらされる温度、即ち夏季
の車中の温度80℃を越える温度として90℃以上のガ
ラス転移温度を有することが必要である。
【0012】一方、透明性を有し、200℃を越える汎
用ポリエステルフィルムは現在まで存在しない。例え
ば、ポリ(オキシイソフタロイルオキシ−2,6−ジメ
チル−1,4−フェニレンイソプロピリデン−3,5−
ジメチル−1,4−フェニレン(Tg=225)などは
透明性がなく感材には使用できない。従って本発明に用
いられるポリエステルの温度は、90℃以上200℃以
下であることが必要である。このようなポリエステルと
して種々のものが存在するが、巻きぐせの付きにくさと
力学強度の両方をバランスして高い性能を持つのがナフ
タレンジカルボン酸とエチレングリコールを主原料とす
るポリエステル、中でも特に、ポリエチレン−2,6−
ナフタレンジカルボキシレート(PEN)であった。こ
れらの支持体は、50μm以上300μm以下の厚みで
あることが必要である。50μm以下では乾燥時に発生
する感光層の収縮応力に耐えることができず、一方30
0μm以上ではコンパクト化のために厚みをうすくしよ
うとする目的と矛盾する。
【0013】また、この熱処理は、50℃以上ガラス転
移温度以下の温度で好ましくは0.1〜1500時間行
う必要がある。この効果は熱処理温度が高いほど速く進
む。しかし熱処理温度がガラス転移温度を越えるとフィ
ルム内の分子がむしろ乱雑に動き逆に自由体積が増大
し、分子が流動し易い、即ち巻ぐせの付易いフィルムと
なる。従ってこの熱処理はガラス転移温度以下で行うこ
とが必要である。一方、50℃以下の温度では、この効
果は著しく遅い速度でしか進行しないため多大な時間を
必要とし非現実的である。従ってこの熱処理は、ガラス
転移温度を少し下廻る温度で行うことが処理時間短縮の
ために望ましく、50℃以上ガラス転移温度以下、より
好ましくは、ガラス転移温度を30℃下廻る温度以上ガ
ラス転移温度以下である。一方、この温度条件で熱処理
を行う場合、0.1時間以降効果が認められる。一方、
1500時間以上では、その効果はほとんど飽和する。
従って0.1時間以上1500時間以下で熱処理するこ
とが必要である。
【0014】また、延伸時の温度差は、10℃以上10
0℃以下であることが必要である。より好ましくは、1
0℃以上30℃以下の温度差であることが望ましい。温
度差が10℃以下では表裏に充分な構造の差を付けるこ
とができない。温度差を大きくするほど、カールの大き
なベースを作ることができるが、実質100℃以上の温
度差を付けようとした場合、結晶化が進行しすぎて透明
なフィルムが得られなかったり、またフィルム均一に延
伸できない等の問題が生ずる。
【0015】以下にさらに詳細に本発明について説明を
加える。しかし本発明はこれらによって制限されるもの
ではない。まず、本発明で用いるガラス転移温度が90
℃以上200℃以下のポリエステルについて述べる。本
発明のガラス転移温度が90℃以上のポリエステルはジ
オールとジカルボン酸から形成されるが、使用可能な二
塩基酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、無水フタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、セバシン酸、無水コハク酸、マレイン酸、フマル
酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水シトラコン酸、
テトラヒドロ無水フタル酸、ジフェニレンp,p′−ジ
カルボン酸、テトラクロロ無水フタル酸、3,6−エン
ドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、
【0016】
【化1】
【0017】
【0018】等を挙げることができる。使用可能なジオ
ールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパン
ジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オク
タンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−
ドデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロ
ヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノー
ル、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、1,4
−ベンゼンジメタノール、
【0019】
【0020】等を挙げることができる。
【0021】
【0022】
【0023】これらのジオール、ジカルボン酸から成る
ポリエステルの中で、さらに好ましいものとしては、ポ
リエチレン−2,6−ジナフタレート(PEN)およ
び、ナフタレンジカルボン酸、テレフタール酸とエチレ
ングリコールのコポリマー(ナフタレンジカルボン酸と
テレフタール酸の混合モル比は0.3:0.7〜1.
0:0の間が好ましく、0.5:0.5〜0.8:0.
2が更に好ましい。)、ナフタレンジカルボン酸、ネオ
ペンチルグリコールとエチレングリコールのコポリマー
(ネオペンチルグリコールとエチレングリコールのモル
比は1:0〜0.7:0.3が好ましく、より好ましく
は0.9:0.1〜0.6:0.4)およびPENとP
ET(組成比0.3:0.7〜1.0:0が好ましく、
0.5:0.5〜0.8:0.2が更に好ましい)のポ
リマーブレンドでも良い。
【0024】これらのポリエステル合成法については、
例えば、高分子実験学第5巻「重縮合と重付加」(共立
出版、1980年)第103頁〜第136頁、“合成高
分子V”(朝倉書店、1971年)第187頁〜第28
6頁の記載を参考に行うことができる。これらのポリエ
ステルの好ましい平均分子量の範囲は約10,000な
いし500,000である。
【0025】また、このようにして得られたポリマーの
ポリマーブレンドは、特開昭49−5482、同64−
4325、特開平3−192718、リサーチ・ディス
クロージャー283,739−41、同284,779
−82、同294,807−14に記載した方法に従っ
て、容易に形成することができる。さらに、これらのポ
リエステルには、他のポリエステルを一部ブレンドした
り、他のモノマーを共重合させたり、不飽和結合を有す
るモノマーを共重合させ、ラジカル架橋させたりするこ
とができる。
【0026】次に本発明に用いるポリエステルの好まし
い具体的化合物例を示すが、本発明がこれに限定される
ものではない。 ポリエステル化合物例 ・ホモポリマー PEN:〔2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDCA)/エチレングリコー ル(EG)(100/100)〕 Tg=119℃ ・共重合体(( )内はモル比を表わす。) PBC−1 2,6−NDCA/TPA/EG(50/50/100) Tg=92℃ PBC−2 2,6−NDCA/TPA/EG(75/25/100) Tg=102℃ PBC−3 2,6−NDCA/TPA/EG/BPA(50/50/75/ 25) Tg=112℃ PBC−8 NDCA/NPG/EG(100/70/30) Tg=105℃ ・ポリマーブレンド(( )内は重量比を表わす。) PBB−1 PEN/PET(60/40) Tg=95℃ PBB−2 PEN/PET(80/20) Tg=104℃ PBB−3 PAr/PEN(50/50) Tg=142℃ (PArはポリアリレートを表わす) PBB−6 PEN/PET/PAr(50/25/25)Tg=108℃ 以上のようなポリエステルは全てTACよりも強い曲弾
性率を有し、当初の目的であるフィルムの薄手化を実現
可能である。しかし、これらの中で最も強い曲弾性を有
していたのがPENであり、これを用いるとTACで1
22μm必要だった膜厚を80μmにまで薄くすること
が可能である。
【0027】また、これらのポリマーフィルム中に蛍光
防止および経時安定性付与の目的で紫外線吸収剤を、練
り込んでも良い。紫外線吸収剤としては、可視領域に吸
収を持たないものが望ましく、かつその添加量はポリマ
ーフィルムの重量に対して通常0.5重量%ないし20
重量%、好ましくは1重量%ないし10重量%程度であ
る。0.5重量%未満では紫外線劣化を抑える効果が期
待できない。紫外線吸収剤としては2,4−ジヒドロキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベン
ゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベン
ゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベ
ンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジ
メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、2
(2′−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2(2′−ヒドロキシ3′,5′−ジ−t−
ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2′−ヒド
ロキシ−3′−ジ−t−ブチル−5′−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、サ
リチル酸フェニル、サリチル酸メチル等のサリチル酸系
紫外線吸収剤が挙げられる。
【0028】また、ポリエステルフィルムを写真感光材
料用支持体として使用する際に問題となる性質の一つに
支持体が高屈折率であるために発生するふちかぶりの問
題があげられる。ポリエステル特に芳香族系ポリエステ
ルの屈折率は、1.6〜1.7と高いのに対し、この上
に塗設する感光層の主成分であるゼラチンの屈折率は
1.50〜1.55とこの値より小さい。従って、光が
フィルムエッジから入射した時、ベースと乳剤層の界面
で反射しやすい。従って、ポリエステル系のフィルムは
いわゆるライトパイピング現象(ふちかぶり)を起こ
す。この様なライトパイピング現象を回避する方法とし
てはフィルムに不活性無機粒子等を含有させる方法なら
びに染料を添加する方法等が知られている。本発明にお
いて好ましいライトパイピング防止方法はフィルムヘイ
ズを著しく増加させない染料添加による方法である。フ
ィルム染色に使用する染料については特に限定を加える
ものでは無いが色調は感光材料の一般的な性質上グレー
染色が好ましく、また染料はポリエステルフィルムの製
膜温度域での耐熱性に優れ、かつポリエステルとの相溶
性に優れたものが好ましい。染料としては、上記観点か
ら三菱化成製の Diaresin 、日本化薬製の Kayaset等ポ
リエステル用として市販されている染料を混合すること
により目的を達成することが可能である。染色濃度に関
しては、マクベス社製の色濃度計にて可視光域での色濃
度を測定し少なくとも0.01以上であることが必要で
ある。更に好ましくは0.03以上である。
【0029】本発明によるポリエステルフィルムは、用
途に応じて易滑性を付与することも可能であり、易滑性
付与手段としては特に限定を加えるところでは無いが、
不活性無機化合物の練り込み、あるいは界面活性剤の塗
布等が一般的手法として用いられる。かかる不活性無機
粒子としてはSiO2 、TiO2 、BaSO4 、CaC
3、タルク、カオリン等が例示される。また、上記の
ポリエステル合成反応系に不活性な粒子を添加する外部
粒子系による易滑性付与以外にポリエステルの重合反応
時に添加する触媒等を析出させる内部粒子系による易滑
性付与方法も採用可能である。これら易滑性付与手段に
は特に限定を加えるものでは無いが、写真感光材料用支
持体としては透明性が重要な要件となるため、上記易滑
性付与方法手段では外部粒子系としてはポリエステルフ
ィルムと比較的近い屈折率をもつSiO2 、あるいは析
出する粒子径を比較的小さくすることが可能な内部粒子
系を選択することが望ましい。更には、練り込みによる
易滑性付与を行う場合、よりフィルムの透明性を得るた
めに機能付与した層を積層する方法も好ましい。この手
段としては具体的には複数の押し出し機ならびにフィー
ドブロック、あるいはマルチマニフォールドダイによる
共押出し法が例示される。
【0030】次に表裏の温度差を持たせた製膜方法につ
いて述べる。具体的には、例えばキャスティング後縦方
向に特定倍率延伸する際、片面若しくは両面に赤外線ヒ
ータ等の補助的加熱手段を設け、表裏の延伸温度を変え
ることにより、巻きぐせカールが回復した後発現してく
る製膜カールをコントロールする。第1図に本発明に従
った構成によるポリエステルフィルムの縦延伸ゾーンの
側面図を示している。(図1) キャスティング後のフィルム1が縦延伸ローラ2、3で
加熱された後、冷却ローラ4を通り、図示されていない
横延伸ゾーンに送られる。延伸ローラ3の直後に赤外線
ヒータ5が設けられている。このような構成により、赤
外線ヒータ直後の表裏の温度差を10〜100℃、より
好ましくは10〜30℃の範囲にとることにより、有効
にカールをコントロールすることができる。本発明にお
けるカールコントロールメカニズムは、フィルムの表裏
での結晶化度及び配向度が異なると熱処理工程での体積
収縮率に差を生ずる事によると考えられる。即ち高温側
よりむしろ低温側に於て、結晶成長し易く密度が上昇し
体積収縮が発生する。従って、低温側を内巻とした永久
カールが発生する。これらの差は表面のX線回折により
解析が可能である。
【0031】製膜工程について特に限定するものではな
いが、本発明に好適な例としてキャスティング後縦方向
に特定倍率延伸し、更にテンターによって横方向に延伸
する逐次二軸延伸の場合について説明する。工程的には
結晶化はキャスティング時から縦横の延伸までの全工程
に亙って起きるから、表裏の結晶化度の差を付与するス
テップは、キャスティング時、縦延伸時、及び横延伸時
のいずれかまたは複数のステップにまたがって設定する
ことが考えられる。キャスティング時は、フィルムの厚
みが最も厚く、表裏温度差を付けやすいという利点があ
るが、条件によっては微結晶を成長させてしまい、光学
的、力学的性質等で写真用支持体として不適なフィルム
にしてしまったり、生じた結晶の差が等温結晶化度の差
として現れるため後工程の延伸時に結晶が破壊され、カ
ールのコントロールが不能になったりする欠点がある。
これに対して、延伸工程で生ずる結晶化度の差は、配向
結晶化度の差として現れるため破壊されにくく、また通
常延伸部には加熱、冷却の手段が設けられており補助的
加熱手段を付加するには容易である事から、本発明の方
法を適用するのは延伸工程において好適である。更に、
縦延伸工程と横延伸工程との比較では、後者の方がフィ
ルムの面積が数倍になっており必要な設備改造が大規模
にならざるを得ない。従って、上記のような逐次二軸延
伸の工程においては、縦延伸時に表裏の結晶化度の差を
付与するのが最適である。
【0032】次に本発明に用いるマット剤について記述
する。一般に感材は、ゼラチンで代表される親水性有機
コロイドをバインダーとして含む最外層(表面層)を有
している。それ故、感材の表面は、高温・高湿の雰囲気
下では接着性又は粘着性が増大し、他の物体と接触する
ことにより容易にそれと接着する。この接着現象は、感
材の製造時、保存時、撮影時、処理時、映写時、或いは
処理後の保存中に於て、感材同志或いは感材とこれに接
触する物体との間で発生し、しばしば重大な不都合を招
く。このような、高温高湿下での接着不良を改良するた
めには感材表面に凹凸を付与することが知られており、
有機、無機物質の微粒子を含有させて、感材表面の粗さ
を増加させて、いわゆるマット化して、接着性を減少さ
せる方法が当業界では知られている。しかしながら、粗
い表面にするほど写真感材の鮮鋭度の低下やヘイズのア
ップを生じるためにその平均粒径や含有量は限定され
る。本発明に使用するマット剤は、平均粒径10-3〜1
2 μmであり、好ましくは10-1〜10μm、より好
ましくは0.5〜5μmである。また、含有量は例え
ば、球形、不定形マット剤を問わず、0.1〜103 mg
/m2であり、好ましくは5〜300mg/m2であり、より
好ましくは20〜250mg/m2である。マット剤含有層
は乳剤側、又は、かつバック側のどの層かは特に限定さ
れず複数の層に含まれていても良い。好ましくは、乳剤
側又はかつバック側の最外層である。また、その最外層
の厚みは特に限定しないが好ましくは0.05〜10μ
mであり、より好ましくは0.15〜6μmである。使
用されるマット剤の組成においては特に限定されない
が、無機化合物もしくはガラス転移温度Tgが50℃以
上の高分子化合物である。また高分子化合物でマット剤
のTgは好ましくは60℃以上であり、より好ましくは
65℃以上である。これらのマット剤は2種以上まぜて
用いることもできる。
【0033】本発明のマット剤の無機化合物には、例え
ば、硫酸バリウム、マンガンコロイド、二酸化チタン、
硫酸ストロンチウムバリウム、二酸化ケイ素、などの無
機物の微粉末があるが、さらに例えば湿式法やケイ酸の
ゲル化より得られる合成シリカ等の二酸化ケイ素やチタ
ンスラッグと硫酸により生成する二酸化チタン(ルチル
型やアナタース型)等が挙げられる。また、粒径の比較
的大きい、例えば20μm以上の無機物から粉砕した
後、分級(振動濾過、風力分級など)することによって
も得られる。又、高分子化合物ではポリテトラフルオロ
エチレン、セルロースアセテート、ポリスチレン、ポリ
メチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、
ポリメチルアクリレート、ポリエチレンカーボネート、
澱粉等があり、またそれらの粉砕分級物もあげられる。
あるいは又懸濁重合法で合成した高分子化合物、スプレ
ードライ法あるいは分散法等により球型にした高分子化
合物、または無機化合物を用いることができる。
【0034】
【0035】
【0036】これらの中で好ましく用いられる粒子組成
としてポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレー
ト、ポリエチルアクリレート、ポリ(メチルメタクリレ
ート/メタクリル酸=95/5(モル比)、ポリ(スチ
レン/スチレンスルホン酸=95/5(モル比)、ポリ
アクリロニトリル、ポリ(メチルメタクリレート/エチ
ルアクリレート/メタクリル酸=50/40/10)、
シリカなどを挙げることができる。また、本発明の粒子
は特開昭64−77052号、ヨーロッパ特許3078
55号に記載の反応性(特にゼラチン)基を有する粒子
を使用することもできる。さらには、アルカリ性、又は
酸性で溶解するような基を多量含有させることもでき
る。以下に本発明のマット剤の具体例を記すが、これに
限定されるものではない。
【0037】
【化5】
【0038】本発明のマット剤を含有する層のバインダ
ーとしては特に限定されず親油性バインダーでもよく又
親水性バインダーでもよい。親油性バインダーとしては
公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹
脂、反応型樹脂およびこれらの混合物を使用することが
できる。上記樹脂のTgは−40℃〜200℃、重量平
均分子量は1万〜30万、好ましくは1万〜10万であ
る。上記熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル・酢酸ビニ
ル共重合体、塩化ビニル、酢酸ビニルとビニルアルコー
ル、マレイン酸および/またはアクリル酸との共重合
体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル
・アクリロニトリル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共
重合体などのビニル系共重合体、ニトロセルロース、セ
ルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテ
ートブチレート樹脂などのセルロース誘導体、アクリル
樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラー
ル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテル
ポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、
アミノ樹脂、スチレンブタジエン樹脂、ブタジエンアク
リロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、
フッ素系樹脂等を挙げることができる。
【0039】これらの中で、塩化ビニル系樹脂ポリ(メ
タ)アクリルエステル系樹脂、セルロース誘導体、アク
リル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂が好ましい。又
放射線硬化型樹脂としては上記熱可塑性樹脂に放射線硬
化官能基として炭素−炭素不飽和結合を有する基を結合
させたものが用いられる。好ましい官能基としてはアク
リロイル基、メタクリロイル基などがある。以上列挙の
結合剤分子中に、極性基(エポキシ基、CO2 M、O
H、NR2 、NR3 X、SO3 M、OSO3 M、PO3
2 、OPO3 2 、ただしMは水素、アルカリ金属ま
たはアンモニウムであり、一つの基の中に複数のMがあ
るときは互いに異なっていてもよい、Rは水素またはア
ルキル基である)を導入してもよい。以上列挙の高分子
結合剤は単独または数種混合で使用され、イソシアネー
ト系の公知の架橋剤、および/あるいは放射線硬化型ビ
ニル系モノマーを添加して硬化処理することができる。
又、使用する親水性バインダーとしては、リサーチ・デ
ィスクロージャーNo.17643、26頁、および同No.
18716、651頁に記載されており、水溶性ポリ
マー、セルロースエステル、ラテックスポリマー、水溶
性ポリエステルなどが例示されている。水溶性ポリマー
としては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ガゼイン、寒
天、アルギン酸ソーダ、でんぷん、ポリビニールアルコ
ール、ポリアクリル酸共重合体、無水マレイン酸共重合
体などであり、セルロースエステルとしてはカルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどで
ある。ラテックスポリマーとしては塩化ビニル含有共重
合体、塩化ビニリデン含有共重合体、アクリル酸エステ
ル含有共重合体、酢酸ビニル含有共重合体、ブタジエン
含有共重合体などである。この中でも最も好ましいのは
ゼラチンである。ゼラチンは、その製造過程において、
ゼラチン抽出前、アルカリ浴に浸漬される所謂アルカリ
処理(石灰処理)ゼラチン、酸浴に浸漬される酸処理ゼ
ラチンおよびその両方の処理を経た二重浸漬ゼラチン、
酵素処理ゼラチンのいずれでもよい。必要に応じて一部
分をコロイド状アルブミン、カゼイン、カルボキシメチ
ルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズなどのセル
ロース誘導体、寒天、アルギン酸ソーダ、デンプン誘導
体、デキストランなどの糖誘導体、合成親水性コロイ
ド、たとえばポリビニルアルコール、ポリN−ビニルピ
ロリドン、ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリルアミ
ドまたはこれらの誘導体、部分加水分解物、ゼラチン誘
導体などをゼラチンと併用してもよい。
【0040】ゼラチンを含むマット剤層を硬膜するのは
好ましく、硬膜剤としては、たとえば、ホルムアルデヒ
ド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物類、
ジアセチル、シクロぺンタンジオンの如きケトン化合物
類、ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒドロキシ−
4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、そのほか
米国特許第3,288,775号、同2,732,30
3号、英国特許第974,723号、同1,167,2
07号などに記載されている反応性のハロゲンを有する
化合物類、ジビニルスルホン、5−アセチル−1,3−
ジアクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジ
ン、そのほか米国特許第3,635,718号、同3,
232,763号、英国特許第994,869号などに
記載されている反応性のオレフィンを持つ化合物類、N
−ヒドロキシメチルフタルイミド、その他米国特許第
2,732,316号、同2,586,168号などに
記載されているN−メチロール化合物、米国特許第3,
103,437号等に記載されているイソシアナート
類、米国特許第3,017,280号、同2,983,
611号等に記載されているアジリジン化合物類、米国
特許第2,725,294号、同2,725,295号
等に記載されている酸誘導体類、米国特許第3,09
1,537号等に記載されているエポキシ化合物類、ム
コクロル酸のようなハロゲンカルボキシアルデヒド類を
あげることができる。あるいは無機化合物の硬膜剤とし
てクロム明バン、硫酸ジルコニウム、特公昭56−12
853号、同58−32699号、ベルギー特許82
5,726号、特開昭60−225148号、特開昭5
1−126125号、特公昭58−50699号、特開
昭52−54427号、米国特許3,321,313号
などに記載されているカルボキシル基活性型硬膜剤など
を例示できる。硬膜剤の使用量は、通常乾燥ゼラチンに
対して0.01〜30重量%、好ましくは0.05〜2
0重量%である。また、以上で述べたマット剤含有層に
は必要に応じて平滑剤、界面活性剤、帯電防止剤、増粘
剤、紫外線吸収剤、ハロゲン化銀、ホルマリン捕獲剤等
の各種添加剤を含有せしめることが出来る。
【0041】次にポリエステルポリマーフィルムを支持
体に使用する場合、これらポリマーフィルムがいずれも
疎水性の表面を有するため、支持体上にゼラチンを主と
した保護コロイドからなる写真層(例えば感光性ハロゲ
ン化銀乳剤層、中間層、フィルター層等)を強固に接着
させる事は非常に困難である。この様な難点を克服する
ための技術としては、(1) 薬品処理、機械的処理、コロ
ナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波処理、グロ
ー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処
理、オゾン酸化処理、などの表面活性化処理をしたの
ち、直接写真乳剤を塗布して接着力を得る方法と、(2)
一旦これらの表面処理をした後、あるいは表面処理なし
で、下塗層を設けこの上に写真乳剤層を塗布する方法と
の二法がある。(例えば米国特許第2,698,241
号、同2,764,520号、同2,864,755
号、同3,462,335号、同3,475,193
号、同3,143,421号、同3,501,301
号、同3,460,944号、同3,674,531
号、英国特許第788,365号、同804,005
号、同891,469号、特公昭48−43122号、
同51−446号等)。
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】写真フィルム支持体の製膜下塗工程に例を
とって、より具体的な説明を加えると次の通りである。
290℃〜300℃の温度で溶融され、冷却ドラム上に
押し出されたフィルム支持体は次に85℃〜90℃の温
度に加温された熱ロールを通過する間に長さ方向に2.
5〜3.3倍延伸される。次に、この支持体は、図2に
示されている、両側に鎖体に並んだ留の枠を有する枠縁
から成る製膜、照射装置に送られ、両耳を順次にかまれ
た状態で幅方向に95℃〜110℃の温度範囲で2.5
〜3.3倍延伸され、次に210°〜230℃の温度で
熱固定される。この延伸装置は三つのブロックに大きく
わかれている。つまり図2の1.9mの予備加熱横延伸
ゾーン、2.6mの熱固定、照射ゾーン及び3.4mの
冷却ゾーンとにわかれており、この装置で1m幅のフィ
ルム支持体が15m/min の速度で処理される。紫外線
照射装置は次の様になっている。つまり石英管よりなる
有効アーク長約1mの3KW高圧水銀燈が1mの間隔を
おいて熱固定ゾーンの中に12本設置されている(図2
の4)、また各水銀燈はフィルム面から0.3mの距離
をおいて平行に並べられており各々のランプにはクロム
メッキされた反射鏡(図2の5)がつけられ照射の効率
を上げる様になっている。紫外線照射時フィルムは両耳
を常に留の枠ではさまれており、熱収縮時の張力を受け
た状態を維持したまま連続的に処理されるために、非常
に平滑性の優れた面を与える。図2において、は排
風、は熱風、は冷風、は留の枠、は捲取をあら
わす。この様にして照射処理されたフィルム支持体面に
冷却ゾーン以後の適当な工程に於て(必要ならば捲取後
別の下塗機を用いて)該ポリエステルの溶剤あるいは膨
潤剤を1〜25%(重量百分率)含有する混合有機溶剤
を使用した親水性樹脂溶液あるいはゼラチン分散液を塗
布することによってゼラチン、ハロゲン化銀写真乳剤と
の接着性の非常に優れたフィルム支持体が完成される。
(図2)
【0047】ここに用いられる下塗液中には、有機溶剤
の他、下塗層の補強、支持体あるいは乳剤層との接着性
の改良、帯電防止、あるいは支持体着色等の目的のため
の添加剤、即ち、硬膜剤、帯電防止剤、染料等を加えて
もよい。又場合によっては下塗液中に、硬膜剤、例えば
エチレンイミン誘導体、エポキシ誘導体を添加すること
によって、添加しない場合よりも短い紫外線照射でも所
期の接着性が得られる場合もある。本発明において特に
有効な紫外線は波長が3200〜2200Åの間の紫外
線である。
【0048】次に(2) の下塗法について述べると、これ
らの方法はいずれもよく研究されており、重層法におけ
る下塗第1層では、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、ブタジエン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン
酸、無水マレイン酸などの中から選ばれた単量体を出発
原料とする共重合体を始めとして、ポリエチレンイミ
ン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニトロセルロ
ースなど数多くのポリマーについて、下塗第2層では主
としてゼラチンについてその特性が検討されてきた。単
層法においては、多くは支持体を膨潤させ、親水性下塗
ポリマーと界面混合させる事によって良好な接着性を達
成している場合が多い。本発明に使用する親水性下塗ポ
リマーとしては水溶性ポリマー、セルロースエステル、
ラテックスポリマー、水溶性ポリエステルなどが例示さ
れる。水溶性ポリマーとしては、ゼラチン、ゼラチン誘
導体、ガゼイン、寒天、アルギン酸ソーダ、でんぷん、
ポリビニールアルコール、ポリアクリル酸共重合体、無
水マレイン酸共重合体などであり、セルロースエステル
としてはカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロースなどである。ラテックスポリマーとしては
塩化ビニル含有共重合体、塩化ビニリデン含有共重合
体、アクリル酸エステル含有共重合体、酢酸ビニル含有
共重合体、ブタジエン含有共重合体などである。この中
でも最も好ましいのはゼラチンである。本発明に使用さ
れる支持体を膨潤させる化合物として、レゾルシン、ク
ロルレゾルシン、メチルレゾルシン、o−クレゾール、
m−クレゾール、p−クレゾール、フェノール、o−ク
ロルフェノール、p−クロルフェノール、ジクロルフェ
ノール、トリクロルフェノール、モノクロル酢酸、ジク
ロル酢酸、トリフルオロ酢酸、抱水クロラールなどがあ
げられる。この中で好ましいのは、レゾルシンとp−ク
ロルフェノールである。
【0049】本発明の下びき層には種々のゼラチン硬化
剤を用いることができる。ゼラチン硬化剤としてはクロ
ム塩(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアル
デヒド、グルタールアルデヒドなど)、イソシアネート
類、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒド
ロキシ−S−トリアジンなど)、エピクロルヒドリン樹
脂などを挙げることができる。本発明の下びき層にはS
iO2 、TiO2 、マット剤の如き無機物微粒子又はポ
リメチルメタクリレート共重合体微粒子(1〜10μ
m)を含有することができる。これ以外にも、下塗液に
は、必要に応じて各種の添加剤を含有させることができ
る。例えば界面活性剤、帯電防止剤、アンチハレーショ
ン剤、着色用染料、顔料、塗布助剤、カブリ防止剤等で
ある。本発明において、下塗第1層用の下塗液を使用す
る場合には、レゾルシン、抱水クロラール、クロロフェ
ノールなどの如きエッチング剤を下塗液中に含有させる
必要は全くない。しかし所望により前記の如きエッチン
グ剤を下塗中に含有させることは差し支えない。
【0050】本発明に係わる下塗液は、一般によく知ら
れた塗布方法、例えばティップコート法、エアーナイフ
コート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイ
ヤーバーコート法、グラビアコート法、或いは米国特許
第2,681,294号明細書に記載のホッパーを使用
するエクストルージョンコート法により塗布することが
出来る。所望により、米国特許第2,761,791
号、同3,508,947号、同2,941,898
号、及び同3,526,528号明細書、原崎勇次著、
「コーティング工学」253頁(1973年、朝倉書店
発行)などに記載された方法により2層以上の層を同時
に塗布することが出来る。
【0051】例として有機溶剤系で下塗り層例について
述べる。重層下塗りでは、第1層としての疎水性バイン
ダーはポリエステルとの親和性があるものが好ましく、
非晶性ポリエステル、塩酢ビ共重合体、ポリビニルアセ
タール、ニトロセルロースなどがある。第2層には有機
溶剤にゼラチンを分散させたものが多い。単層下塗では
親水性バインダーを直接ポリエステルへ塗布し、密着さ
せる。バインダーは有機溶剤へゼラチンを分散させたも
のか、ゼラチンとニトロセルロースを分散させたものが
ある。しかし、この系ではポリエステルの膨潤剤を同時
に塗布し、バインダーをポリエステル中へ投錨(アンカ
リング)させ、物理的にもポリエステルと強く密着させ
る必要がある。親水性バインダーとしては、側鎖に、−
OH、−COOH、=O(CO)=、−SO3 M(Mは
H又はアルカリ金属)、−NH2 、環状アミド、−CO
NR12 (R1 、R2 はH又はC=4以下のアルキル
基)あるいは窒素を含む異節環基等を単独あるいは2種
以上同等に含む、有機溶剤に可溶で、水に膨潤乃至溶解
する合成高分子化合物:例えば、セルロースアセテート
フタレート、セルロースアセテートマレート、無水マレ
イン酸を含むビニル共重合物、例えば酢酸ビニルと無水
マレイン酸(1:1)共重合物(必要あればドイツ特許
第1040898号参照)、ポリビニルアルコールのS
3 M基を含む混合アセタール化合物(イギリス特許第
894509号参照)、ポリビニルアルコールの−CO
OM基を含む混合アセタールあるいは2価の酸の部分エ
ステル化物、ポリビニルピロリドンとポリアクリル酸と
の混合物等、多くの親水性樹脂が挙げられる。又上記親
水性バインダー溶液のかわりに、ゼラチンの分散液から
なる下塗液も用いられる。
【0052】本発明に用いるポリエステルの溶剤あるい
は膨潤剤としては、例えば芳香族あるいは部分的に飽和
された芳香族基を含むケトンあるいはアルデヒドおよび
窒素を含む異節環基をもつアルデヒド(イギリス特許第
772600号参照)、一般式R−COOHあるいはR
−X−COOHであらわされるカルボン酸あるいはその
酸の無水物、エステル、アミドあるいはその酸から得ら
れるニトリル、ここでRは芳香族あるいは環中に窒素を
含む芳香族異節環化合物、Xは−CH2 又は−OCH2
(イギリス特許第776157号参照)、芳香族基を含
む脂肪族一価アルコールあるいはアミン(イギリス特許
第785789号参照)、アルコール類、ケトン類、カ
ルボン酸およびその置換基を有するものあるいはそのエ
ステル(イギリス特許第797425号)、芳香族核に
−NO2 、−Clを置換したベンジルアルコール(アメ
リカ特許第2830030号)、抱水クロラール(ドイ
ツ特許第1020457号)、ピロール(ドイツ特許第
1092652号)等があり、上記記載の溶剤の具体的
な例としては、安息香酸、サリチル酸、サリチル酸エス
テル、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリクロル酢
酸、三弗化酢酸、2−ニトロプロパノール、ベンジルア
ルコール、ベンツアルデヒド、アセトニルアセトン、ア
セトフェノン、ベンツアミド、ベンゾニトリル、ベンジ
ルアミン、ニコチン酸メチル等が挙げられる。この他、
既に公知のポリエステルの溶剤あるいは膨潤剤として
は、フェノール、オルトクロルフェノール、クレゾール
その他のフェノール誘導体がある。
【0053】本発明に使用する有機溶剤はその下塗液成
分中に1〜25%(重量百分率)の先に例示した如きポ
リエステルの溶剤あるいは膨潤剤を含んでいることが必
要である。25%以上の場合は、完成されたフィルムの
平面性が著しく害される場合が多く、又1%以下の場合
は所期の効果がほとんどない。ポリエステルの溶剤ある
いは膨潤剤の添加量は、用いるポリエステルフィルム支
持体、その照射条件の他、ポリエステル溶剤あるいは膨
潤剤の種類によって、また共存する他の有機溶剤の種類
によって変えることができる。又当然のことではある
が、ポリエステルの溶剤あるいは膨潤剤は2種以上同時
に混合して使用しても差支えない。この場合添加量は、
混合したポリエステルの溶剤あるいは膨潤剤の総量が全
有機溶剤の1〜25%になるようにする。
【0054】バック層のバインダーとしては、疎水性ポ
リマーでもよく、下びき層に用いる如き親水性ポリマー
であってもよい。本発明の感光材料のバック層には、帯
電防止剤、易滑剤、マット剤、界面活性剤、染料等を含
有することができる。本発明のバック層で用いられる帯
電防止剤としては、特に制限はなく、たとえばアニオン
性高分子電解質としてはカルボン酸及びカルボン酸塩、
スルホン酸塩を含む高分子で例えば特開昭48−220
17号、特公昭46−24159号、特開昭51−30
725号、特開昭51−129216号、特開昭55−
95942号に記載されているような高分子である。カ
チオン性高分子としては例えば特開昭49−12152
3号、特開昭48−91165号、特公昭49−245
82号に記載されているようなものがある。またイオン
性界面活性剤もアニオン性とカチオン性とがあり、例え
ば特開昭49−85826号、特開昭49−33630
号、US2,992,108、US3,206,31
2、特開昭48−87826号、特公昭49−1156
7号、特公昭49−11568号、特開昭55−708
37号などに記載されているような化合物を挙げること
ができる。
【0055】本発明のバック層の帯電防止剤として最も
好ましいものは、ZnO、TiO3、SnO2 、Al2
3 、In2 3 、SiO2 、MgO、BaO、MoO
3 の中から選ばれた少くとも1種の結晶性の金属酸化物
あるいはこれらの複合酸化物の微粒子である。本発明に
使用される導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物の
微粒子はその体積抵抗率が107 Ωcm以下、より好まし
くは105 Ωcm以下である。またその粒子サイズは0.
01〜0.7μ、特に0.02〜0.5μですることが
望ましい。
【0056】次に本発明の写真感光材料の写真層につい
て記載する。ハロゲン化銀乳剤層としては黒白用カラー
用何れでもよい。ここではカラーハロゲン化銀写真感光
材料について説明する。本発明の感光材料は、支持体上
に青感色性層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀
乳剤層の少なくとも1層が設けられていればよく、ハロ
ゲン化銀乳剤層および非感光性層の層数および層順に特
に制限はない。典型的な例としては、支持体上に、実質
的に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲ
ン化銀乳剤層から成る感光性層を少なくとも1つ有する
ハロゲン化銀写真感光材料であり、該感光性層は青色
光、緑色光、および赤色光の何れかに感色性を有する単
位感光性層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材
料においては、一般に単位感光性層の配列が、支持体側
から順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置
される。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であって
も、また同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたよ
うな設置順をもとりえる。上記、ハロゲン化銀感光性層
の間および最上層、最下層には各層の中間層等の非感光
性層を設けてもよい。該中間層には、特開昭61−43
748号、同59−113438号、同59−1134
40号、同61−20037号、同61−20038号
明細書に記載されているようなカプラー、DIR化合物
等が含まれていてもよく、通常用いられるように混色防
止剤を含んでいてもよい。各単位感光性層を構成する複
数のハロゲン化銀乳剤層は、西独特許第1,121,4
70号あるいは英国特許第923,045号、特開昭5
7−112751号、同62−200350号、同62
−206541号、同62−206543号、同56−
25738号、同62−63936号、同59−202
464号、特公昭55−34932号、同49−154
95号明細書に記載されている。ハロゲン化銀粒子は、
立方体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を有す
るもの、球状、板状のような変則的な結晶形を有するも
の、双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれ
らの複合形でもよい。
【0057】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。本発明
の効率は、金化合物と含イオウ化合物で増感した乳剤を
使用したときに特に顕著に認められる。このような工程
で使用される添加剤はリサーチ・ディスクロージャーN
o.17643および同No.18716に記載されて
おり、その該当箇所を後掲の表にまとめた。本発明に使
用できる公知の写真用添加剤も上記の2つのリサーチ・
ディスクロージャーに記載されており、下記の表に関連
する記載箇所を示した。
【0058】 (添加剤種類) (RD17643) (RD18716) 1 化学増感剤 23頁 648頁右欄 2 感度上昇剤 同上 3 分光増感剤、強色増感剤 23〜24頁 648頁右欄〜 649頁右欄 4 増 白 剤 24頁 5 かぶり防止剤および安定剤 24〜25頁 649頁右欄〜 6 光吸収剤、フィルター染料、 紫外線吸収剤 25〜26頁 649頁右欄〜 650頁左欄 7 ステイン防止剤 25頁右欄 650頁左〜右欄 8 色素画像安定剤 25頁 9 硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 10 バインダー 26頁 同上 11 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 12 塗布助剤、表面活性剤 26〜27頁 650頁右欄 また、ホルムアルデヒドガスによる写真性能の劣化を防
止するために、米国特許4,411,987号、や同第
4,435,503号に記載されたホルムアルデヒドと
反応して、固定化できる化合物を感光材料に添加するこ
とが好ましい。
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】本発明に従ったカラー写真感光材料は、前
述のRD.No. 17643の28〜29頁、および同N
o. 18716の615左欄〜右欄に記載された通常の
方法によって現像処理することができる。本発明のハロ
ゲン化銀カラー感光材料には処理の簡略化及び迅速化の
目的で発色現像主薬を内蔵しても良い。内蔵するために
は、発色現像主薬の各種プレカーサーを用いるのが好ま
しい。例えば米国特許第3,342,597号のインド
アニリン系化合物、同第3,342,599号、リサー
チ・ディスクロージャー14,850号および同15,
159号記載のシッフ塩基型化合物、同第13,924
号に記載されている。
【0064】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 (実施例1) PETチップ及びPENチップを熔融押出しした後、縦
方向に3.4倍、横方向に4倍の延伸を施し、厚み80
μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを製造するに際
し、図1に示したように縦延伸ゾーンの片面(本実施例
ではキャスティング時キャスティングドラムに接した
面:以下CD面と称する)に補助加熱源として赤外線ヒ
ータを設置した。PENは押出し温度300℃、縦延伸
温度(CD面側)140℃、横延伸温度130℃、熱固
定250℃6秒で製膜した。PETも類似法にて作製し
た。これらの延伸時に上記赤外線ヒーターの印加電圧を
変え、表1に示すような表裏の温度差を付けた支持体を
製膜した。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】このようにして製膜したフィルムは低温面
側を内巻面としてカールし易い傾向を有する。
【0068】2)下塗層の塗設 支持体は、その各々の両面にコロナ放電処理をした後、
下記組成の下塗層を延伸時高温面側に設けた。コロナ放
電処理はピラー社製ソリッドステートコロナ処理機6K
VAモデルを用い、30cm幅支持体を20m/分で処理
する。このとき、電流・電圧の読み取り値より被処理物
は、0.375KV・A ・分/m2の処理がなされた。処理
時の放電周波数は、9.6KHz 、電極と誘電体ロールの
ギャップクリアランスは、1.6mmであった。 ゼラチン 3g 蒸留水 250cc ソジウムα−スルホジ−2−エチルヘキシルサクシネート 0.05g ホルムアルデヒド 0.02g
【0069】3)バック層の塗設 下塗後の支持体の下塗層を設けた側とは反対側の面に下
記組成のバック層を塗設した。 3−1)導電性微粒子分散液(酸化スズ−酸化アンチモ
ン複合物分散液)の調製:塩化第二スズ水和物230重
量部と三塩化アンチモン23重量部をエタノール300
0重量部に溶解し均一溶液を得た。この溶液に1Nの水
酸化ナトリウム水溶液を前記溶液のpHが3になるまで滴
下し、コロイド状酸化第二スズと酸化アンチモンの共沈
澱を得た。得られた共沈澱を50℃に24時間放置し、
赤褐色のコロイド状沈澱を得た。赤褐色コロイド状沈澱
を遠心分離により分離した。過剰なイオンを除くため沈
澱に水を加え遠心分離によって水洗した。この操作を3
回繰り返し過剰イオンを除去した。過剰イオンを除去し
たコロイド状沈澱200重量部を水1500重量部に再
分散し、600℃に加熱した焼成炉に噴霧し、青味がか
った平均粒径0.2μmの酸化スズ−酸化アンチモン複
合物の微粒子粉末を得た。この微粒子粉末の比抵抗は2
5Ω・cmであった。上記微粒子粉末40重量部と水60
重量部の混合液をpH7.0に調製し、攪拌機で粗分散の
後、横型サンドミル(商品名ダイノミル;WILLYA. BACH
OFENAG製)で滞留時間が30分になるまで分散して調製
した。
【0070】3−2)バック層の塗設:下記処方〔A〕
を乾燥膜厚が0.3μmになるように塗布し、130℃
で30秒間乾燥した。この上に更に下記の被覆層用塗布
液(B)を乾燥膜厚が0.1μmになるように塗布し、
130℃で2分間乾燥した。 〔処方A〕 上記導電性微粒子分散液 10重量部 ゼラチン 1重量部 水 27重量部 メタノール 60重量部 レゾルシン 2重量部 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 0.01重量部 〔被覆層用塗布液(B)〕 セルローストリアセテート 1重量部 アセトン 70重量部 メタノール 15重量部 ジクロルメチレン 10重量部 p−クロルフェノール 4重量部
【0071】4)支持体の熱処理 上記方法にて、下塗り層、バック層を塗設した後、表1
に示す条件にて、熱処理を実施した。熱処理は全て直径
30cmのステンレス製巻芯に、下塗面を外巻にして実施
した。また比較例として熱処理を施さないものも用意し
た。これらの支持体の力学強度の中で、支持体の薄手化
に伴い最も重要な曲げ弾性について測定を行った。曲弾
性率の測定は円環法と呼ばれる方法を用いて行った。即
ち、幅35mmで、長さ方向に平行にスリットしたサンプ
ルで円周10cmの円環を作りこれを水平に置き、これを
12mm、変形する時の荷重を測定し、曲げ弾性率の目安
とした。今回の測定では、いづれも下塗り層が円環の内
周になるようにして測定し、また測定環境は25℃60
%RHで行った。これらで測定した結果を表1に示し
た。PENは80μmでほぼTAC122μmに相当す
る曲弾性率を示している。また、この値は本発明の熱処
理を行っても変化しなかった。
【0072】5)感光層の塗設 上記方法で得た支持体上の下塗り側に下記に示すような
組成の各層を重層塗布し、多層カラー感光材料を作成し
た。但し、第15層は表2のごとく本発明のマット剤を
含有させた。 (感光層組成)各層に使用する素材の主なものは下記の
ように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収
剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機
溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬
化剤 ExS:増感色素 各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を
示し、ハロゲン化銀については、銀換算の塗布量を示
す。ただし増感色素については、同一層のハロゲン化銀
1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
【0073】(試料101) 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.18 ゼラチン 1.40 ExM−1 0.18 ExF−1 2.0×10-3 HBS−1 0.20
【0074】
【0075】第3層(低感度赤感乳剤層) 乳剤A 銀 0.25 乳剤B 銀 0.25 ExS−1 6.9×10-5 ExS−2 1.8×10-5 ExS−3 3.1×10-4 ExC−1 0.17 ExC−3 0.030 ExC−4 0.10 ExC−5 0.020 ExC−7 0.0050 ExC−8 0.010 Cpd−2 0.025 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.87
【0076】第4層(中感度赤感乳剤層) 乳剤D 銀 0.70 ExS−1 3.5×10-4 ExS−2 1.6×10-5 ExS−3 5.1×10-4 ExC−1 0.13 ExC−2 0.060 ExC−3 0.0070 ExC−4 0.090 ExC−5 0.025 ExC−7 0.0010 ExC−8 0.0070 Cpd−2 0.023 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.75
【0077】第5層(高感度赤感乳剤層) 乳剤E 銀 1.40 ExS−1 2.4×10-4 ExS−2 1.0×10-4 ExS−3 3.4×10-4 ExC−1 0.12 ExC−3 0.045 ExC−6 0.020 ExC−8 0.025 Cpd−2 0.050 HBS−1 0.22 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.20
【0078】第6層(中間層) Cpd−1 0.10 HBS−1 0.50 ゼラチン 1.10
【0079】第7層(低感度緑感乳剤層) 乳剤C 銀 0.35 ExS−4 3.0×10-5 ExS−5 2.1×10-4 ExS−6 8.0×10-4 ExM−1 0.010 ExM−2 0.33 ExM−3 0.086 ExY−1 0.015 HBS−1 0.30 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.73
【0080】第8層(中感度緑感乳剤層) 乳剤D 銀 0.80 ExS−4 3.2×10-5 ExS−5 2.2×10-4 ExS−6 8.4×10-4 ExM−2 0.13 ExM−3 0.030 ExY−1 0.018 HBS−1 0.16 HBS−3 8.0×10-3 ゼラチン 0.90
【0081】第9層(高感度緑感乳剤層) 乳剤E 銀 1.25 ExS−4 3.7×10-5 ExS−5 8.1×10-5 ExS−6 3.2×10-4 ExC−1 0.010 ExM−1 0.030 ExM−4 0.040 ExM−5 0.019 Cpd−3 0.040 HBS−1 0.25 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.44
【0082】第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.030 Cpd−1 0.16 HBS−1 0.60 ゼラチン 0.60
【0083】第11層(低感度青感乳剤層) 乳剤C 銀 0.18 ExS−7 8.6×10-4 ExY−1 0.020 ExY−2 0.22 ExY−3 0.50 ExY−4 0.020 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.10
【0084】第12層(中感度青感乳剤層) 乳剤D 銀 0.40 ExS−7 7.4×10-4 ExC−7 7.0×10-3 ExY−2 0.050 ExY−3 0.10 HBS−1 0.050 ゼラチン 0.78
【0085】第13層(高感度青感乳剤層) 乳剤F 銀 1.00 ExS−7 4.0×10-4 ExY−2 0.10 ExY−3 0.10 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.86
【0086】第14層(第1保護層) 乳剤G 銀 0.20 UV−4 0.11 UV−5 0.17 HBS−1 5.0×10-2 ゼラチン 1.00
【0087】第15層(第2保護層) H−1 0.40 マット剤(SBR又はM−2) 0.10(表2に記
載) B−1 0.1 S−1 0.20 ゼラチン 1.20 ここでSBRはスチレン/ブタジエン共重合体を示す。
【0088】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために W−1〜W−3、B−1〜B−4、F−1〜F
−17及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、イリジウム
塩、ロジウム塩が含有されている。
【0089】
【表3】
【0090】表3において、 (1)乳剤A〜Fは特開平2-191938号の実施例に従い、
二酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒子調製時
に還元増感されている。 (2)乳剤A〜Fは特開平3-237450号の実施例に従い、
各感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸ナトリウ
ムの存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が施されて
いる。 (3)平板状粒子の調製には特開平1-158426号の実施例
に従い、低分子量ゼラチンを使用している。 (4)平板状粒子および粒子構造を有する正常晶粒子に
は特開平3-237450号に記載されているような転位線が高
圧電子顕微鏡を用いて観察されている。
【0091】
【化6】
【0092】
【化7】
【0093】
【化8】
【0094】
【化9】
【0095】
【化10】
【0096】
【化11】
【0097】
【化12】
【0098】
【化13】
【0099】
【化14】
【0100】
【化15】
【0101】
【化16】
【0102】
【化17】
【0103】
【化18】
【0104】
【化19】
【0105】
【化20】
【0106】6)サンプル評価 このようにして作成した写真フィルムサンプルについて
耐接着及び巻ぐせの評価を実施した。評価は下記手順に
従って行った。 耐接着の評価 (評価1)35mm幅24枚撮りに加工した現像処理前の
試料を25℃、85%RHで3時間調湿した後、コアー
径8mmのスプールに巻き付けた。これを密封容器中に入
れ40℃、1日放置して、乳剤側とバック側の接着性を
評価した。 (評価2)上記と同様に加工した現像処理前の試料を2
5℃、60%RHで3時間調湿した後、径8mmのスプー
ルに巻き付けた。これを密封容器中に入れ80℃、2時
間放置して、乳剤側とバック層の接着性を評価した。結
果を前述した表2中に示した。接着レベルは○、△、×
の3段階で評価した。 接着レベル : ○(接着しない) : △(0−49%接着する) : ×(50%以上 〃 ) ○以外は許容できない。 巻きぐせ評価 6−1)コアセット サンプルフィルムを35mm幅で、1.2mの長さにスリ
ットした。これを25℃60%RHで1晩調湿後、感光
層を内巻にし、表1に示したように8mmのスプールに巻
きつけた。これを密封容器中に入れ、80℃で2hr加熱
して巻ぐせを付けた。この温度条件は夏季に車中にフィ
ルムを置いていたことを想定した条件である。 6−2)現像処理、カール測定 上記条件で巻きぐせを付けたフィルムを、一晩25℃の
部屋の中で放冷した後、密封容器からサンプルフィルム
を取出し、これを自動現像機(ミニラボFP−550
B:富士写真フイルム製)で現像処理し、直ちに25℃
60%RH下にて、カール板を用いてカール測定を行っ
た。なお、現像処理条件は下記のとおりである。
【0107】 処理工程 温 度 時間 発色現像 38℃ 3分 停 止 38℃ 1分 水 洗 38℃ 1分 漂 白 38℃ 2分 水 洗 38℃ 1分 定 着 38℃ 2分 水 洗 38℃ 1分 安定浴 38℃ 1分 用いた処理液は次の組成を有する。 発色現像液 苛性ソーダ 2g 亜硫酸ソーダ 2g 臭化カリウム 0.4g 塩化ナトリウム 1g ホー砂 4g ヒドロキシルアミン硫酸塩 2g エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム2水塩 2g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β− ヒドロキシエチル)アニリン・モノサルフェート) 4g 水を加えて 全量 1リットル 停止液 チオ硫酸ソーダ 10g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 30ミリリットル 酢酸 30ミリリットル 酢酸ソーダ 5g カリ明ばん 15g 水を加えて 全量 1リットル 漂白液 エチレンジアミン4酢酸鉄(III)ナトリウム・2水塩 100g 臭化カリウム 50g 硝酸アンモニウム 50g ホー酸 5g アンモニア水 pHを5.0に調節 水を加えて 全量 1リットル 定着液 チオ硫酸ソーダ 150g 亜硫酸ソーダ 15g ホー砂 12g 氷酢酸 15ミリリットル カリ明ばん 20g 水を加えて 全量 1リットル 安定浴 ホー酸 5g クエン酸ソーダ 5g メタホー酸ソーダ(4水塩) 3g カリ明ばん 15g 水を加えて 全量 1リットル
【0108】 (結果) ガラス転移温度(Tg)が90℃を越えるPENでは延
伸温度差を付けて製膜した後、110℃、24時間の熱
処理を施すことにより、明りょうなカール低減を示して
いることがわかる。これに対しTg=69℃のPETで
はカール低減は認められていない。一方、耐接着性の評
価では、Tgが高い(>90℃)マット剤を上記PEN
と組み合せることにより高温下でも非常に耐接着性の優
れた感材を作製できることがわかる。以上の結果から、
延伸温度差をつけて製膜した後、熱処理を施したPEN
支持体と高Tgマット剤を組み合わせると本発明の実施
により、薄くてしかも高温下でも、巻きぐせが付きにく
く、耐接着性に優れた感材を作製できたことがわかる。
【0109】 実施例2 1)感材の作成 支持体に用いるポリエステルは、PEN、PETのペレ
ットをあらかじめ150℃で4時間真空中で乾燥した
後、表4に示す様な混合比で2軸混練押出し機を用い2
80℃で混練押出した後ペレット化し調製した。このポ
リエステルを実施例1のPENと同じ延伸条件で製膜し
た。この時、縦延伸温度はCD面側で140℃、縦延伸
時の温度差は20℃であった。これをさらに実施例1の
処方で熱処理を行った後、以下の組成で下塗り層、バッ
ク層を塗設した。 (下塗り層組成) ゼラチン 0.2g サリチル酸 0.1g メタノール 15cc アセトン 85cc ホルムアルデヒド 0.01g
【0110】(バック層塗設)実施例1の処方〔A〕を
乾燥膜厚が0.3μmになるように塗布し、130℃で
30秒間乾燥した。この上に下記組成のマット剤を含む
被覆用塗布液を塗布し、130℃で2分間乾燥した。 ・ジアセチルセルロース 0.2g/m2 ・コロイダルシリカ(エアロジル) 0.02 〃 ・C15H31COOC40H81 0.02 〃 ・C21H43COO(CH2CH2O)3-COC9H19 0.01 〃 ・C21H43OOC(CH2)18-COOC18H37 0.01 〃 ・ポリ(二フッ化ビニリデン/四フッ化ビニリデン) (モル比9:1) 0.01 〃 ・ポリ(メチルメタクリレート/ジビニルベンゼン) (モル比9:1・平均粒径1.0μm) 0.03 〃 ・シリカ(平均粒径1.0μm) 0.005〃 以上のようにして作製した支持体の曲げ弾性率を実施例
と同様にして円環法を用いて評価した。その結果を表4
に示す。
【0111】
【表4】
【0112】 (感光層の塗設) 上記方法で得た支持体の下塗り側に特開平2−9364
1号実施例1に記載の感材と全く同様の処方で塗布し
た。すなわち、第1層としてハレーション防止層、第2
層として中間層、第3層〜第13層は感光性層、そして
第14層〜第15層は保護層の構成である。ただし、第
15層の第2保護層には以下の組成のものを用いた。こ
のようにして、感光材料C−1−1〜C−3−2、D−
1−1〜D−3−2、E−1−1〜E−3−2を作製し
た。(表5、6)
【0113】
【表5】
【0114】
【表6】
【0115】 第15層(第2保護層) H−1 0.40 マット剤(SBR or M−3) 0.10 B−1 0.10 S−1 0.20 ゼラチン 1.20 なお、マット剤の詳細は表5に示してある。ここで、S
BRとはスチレン−ブタジエン共重合体である。 (サンプルの評価) このようにして作製した感光材料C−1−1〜C−3−
2、D−1−1〜D−3−2、E−1−1〜E−3−2
について耐接着性、巻きぐせの評価を実施した。評価手
順は実施例1と同様である。結果を表5、表6に示す。
【0116】 (結果) PEN/PETのブレンドポリマーにおいてはTgが9
0℃以上の支持体において延伸温度差を付けて製膜した
後、Tgより10℃低い温度で熱処理を施すことによ
り、明りょうなカール低減を示した。また、熱処理時間
は6時間という短時間でも効果があった。さらに円環法
による曲弾性率もTAC122μmにおける値36gに
近い値を示した。一方、耐接着性の評価ではTgが高い
(100℃)マット剤を上記のポリエステルブレンドポ
リマーと組み合わせることにより高温下でも非常に耐接
着性に優れた感材を作製できたことがわかる。以上の結
果から、延伸温度差をつけて製膜した後、6時間熱処理
を施した上記Tg90℃以上のポリエステルブレンドポ
リマーと高Tgマット剤を組み合わせる本発明の実施に
より、薄くてしかも高温下で巻きぐせが付きにくく、耐
接着性に優れた感材を作製できた。
【0117】実施例3 試料の作製 ガラス転移温度90℃以上のポリエステルはステンレス
鋼製のオートクレーブを用い、ジカルボン酸としてテレ
フタル酸ジメチル(DMT)と2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸ジメチル(DNDC)、ジオールとしてエチレ
ングリコール(EG)、ビスフェノールA(BPA)、
シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を表6に示す
組成で混合し、触媒として三酸化アンチモン0.025
モル(酸成分に対して)を用い、エステル交換法によっ
て重縮合した。このようにして合成したポリエステルを
実施例1のPENの延伸条件と同じ方法で製膜した。こ
の時の縦延伸時の表裏の温度差は表6に示した。これを
以下に示す方法で、下塗り層を塗設し、実施例1と同じ
処方でバック層の塗設、熱処理を行った。これを実施例
1と同様にして円環法により曲弾性率を評価した。(表
7)。
【0118】
【表7】
【0119】(下塗り層の塗設)支持体表面に紫外線照
射処理を施した後、下記組成の下塗り液を10cc/m2
布し、120℃で2分間乾燥後巻き取った。紫外線照射
処理は図2に示した装置を用い、前述の延伸及び熱固定
条件で紫外線照射を施した。つまり、3KWの高圧水銀灯
12本により0.3mの距離を隔てたフィルム面に6秒
間照射した。 下塗り組成 ゼラチン 1重量部 水 1 〃 酢酸 1 〃 メタノール 50 〃 ジエチレンクロライド 50 〃 p−クロロフェノール 4 〃
【0120】次に感光層の塗設を実施例1に従って実施
し、感光材料G−1−1〜G−3−2、H−1−1〜H
−3−2、I−1−1〜I−3−2を得た。(表8、
9)ただし第15層(第2最外層)の組成は以下のよう
にした。 第15層(第2保護層)組成 H−1 0.4 マット剤(SBR or M−1) 0.10 B−1 0.10 S−1 0.20 ゼラチン 1.20 なお、マット剤の詳細は表8、表9に示してある。ここ
で、SBRとはスチレン−ブタジエン共重合体である。
【0121】
【表8】
【0122】
【表9】
【0123】
【発明の効果】このようにして作製した感光材料におい
て実施例1と全く同様にして耐接着、巻きぐせの評価を
行った。結果を表7に示す。 (結果) 本実施例に示した多種モノマーを共重合させたポリエス
テル支持体においても支持体のTgが90℃以上で、ナ
フタレンジカルボン酸を共重合モノマーとして含めば高
いTg(105℃)を有するマット剤と組み合わせる本
発明の実施により薄くてしかも高温下で巻きぐせが付き
にくく、耐接着性に優れた感材を作製できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従った縦延伸ゾーンの側面図を示す。
【図2】本発明の延伸装置の側面図を示す。
【符号の説明】
1 フィルム 2 縦延伸ローラ 3 縦延伸ローラ 4 冷却ローラ 5 赤外線ヒータ 6 予備加熱横延伸ゾーン 7 熱固定および照射ゾーン 8 冷却ゾーン 9 高圧水銀灯 10 反射鏡 11 排気 12 熱風給気 13 冷風給気 14 留の枠 15 巻取り

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パトローネのスプールに巻き付けられ
    た、厚みが50μm以上300μm以下のポリエステル
    フィルム支持体と少なくとも一層の感光性ハロゲン化銀
    乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該
    スプール径が10mm以下であり、該ポリエステルが少
    なくとも2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDCA)
    を含み、該フィルムのガラス転移温度が90℃以上20
    0℃以下であり、かつ前記フィルムが製膜後から該感光
    材料完成までの間に50℃以上該ポリエステルフィルム
    のガラス転移温度以下の温度で熱処理され、前記感光材
    料の少なくとも一方にはマット剤を含有することを特徴
    とするハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 該ポリエステルがポリエチレン−2,6
    −ナフタレンジカルボキシレートとポリエチレンテレフ
    タレートのブレンドであることを特徴とする請求項1記
    載のハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 該ポリエステルが、ナフタレンジカルボ
    ン酸、テレフタル酸及びエチレングリコールの共重合体
    であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写
    真感光材料。
  4. 【請求項4】 該ポリエステルがポリエチレン−2,6
    −ナフタレンジカルボキシレートであることを特徴とす
    る請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  5. 【請求項5】 上記マット剤が無機化合物もしくはガラ
    ス転移温度50℃以上の高分子化合物で平均粒径10
    −3〜10μmであり、0.1〜10mg/m
    有することを特徴とする請求項1〜4記載のハロゲン化
    銀写真感光材料。
JP4220904A 1992-07-29 1992-07-29 ハロゲン化銀写真感光材料 Expired - Fee Related JP2893155B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4220904A JP2893155B2 (ja) 1992-07-29 1992-07-29 ハロゲン化銀写真感光材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4220904A JP2893155B2 (ja) 1992-07-29 1992-07-29 ハロゲン化銀写真感光材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0651442A JPH0651442A (ja) 1994-02-25
JP2893155B2 true JP2893155B2 (ja) 1999-05-17

Family

ID=16758359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4220904A Expired - Fee Related JP2893155B2 (ja) 1992-07-29 1992-07-29 ハロゲン化銀写真感光材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2893155B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4840414A (ja) * 1971-09-21 1973-06-14
AR206814A1 (es) * 1974-04-02 1976-08-23 Eastman Kodak Co Proceso para reducir la curvatura de una pelicula polimerica termoplastica
EP0355876B1 (en) * 1988-07-05 1994-03-09 Agfa-Gevaert N.V. Process for controlling the curl of photographic film
JP2655202B2 (ja) * 1990-09-14 1997-09-17 富士写真フイルム株式会社 ハロゲン化銀写真感光材料
JPH04124644A (ja) * 1990-09-14 1992-04-24 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀写真感光材料

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0651442A (ja) 1994-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3082120B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
EP0583787B1 (en) Silver halide photographic material
JP2893155B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2864074B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びその製造方法
JP3016170B2 (ja) フイルム一体式カメラ
JP2887716B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2864077B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2840903B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2906305B2 (ja) ロール状ハロゲン化銀写真感光材料
JP2741145B2 (ja) ポリエステル系写真用支持体
JP2975217B2 (ja) ロール状ハロゲン化銀写真感光材料
JP3016169B2 (ja) フイルム一体型カメラ
JP3112761B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2864082B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2896477B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH0772584A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH06273888A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH0651438A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH0651426A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH0651437A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2864073B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH0635117A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH06202277A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH1090827A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法
JPH06123937A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080305

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080305

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090305

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees