JPH0681378U - 衣服用ハンガー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハンガー主体とフックを合成樹脂製にしたハ
ンガーの組立を容易にし、フックを定位置で回転させ、
取り付けたフックにがたつきを生じさせないようにす
る。 【構成】 差込み軸７に、ハンガー主体１の挿入孔３と
同径の上部軸８と、やや小径で上部軸８を加えた長さが
挿入孔３の深さと同等になる下部軸９を設け、下端に設
けた割り溝１１を挟持して挿入孔３に差し込み、差込み
軸の下端の大径の突出軸１０を挿入孔３に通過させ、下
面で復元する突出軸１０の掛止段部１２とフック４に設
けたフランジ６との間で挿入孔３内での差込み軸の上下
摺動を防止するとともに、上部軸７とハンガー主体の挿
入孔３との密接な嵌合により回転可能に取り付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、それぞれ合成樹脂製のハンガー主体とフックとからなり、ハンガ ー主体の中央部に設けた挿入孔にフックの差込み軸を差し込んで取り付けるよう にした衣服用ハンガーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種のハンガーには、例えば実開平３ー１０１２７２号公報の衣服用 ハンガーがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

互いに別々に成形したハンガー主体にフックを取り付ける場合に、差込み軸と 挿入孔との間に、弛みがなく、上下の摺動もないようにすることは従来から技術 的にきわめて困難であった。そのために、上記先願のハンガーは、ハンガー主体 を成形した直後のまだ軟らかい内に段付きの差込み軸を押し入れることによって 、ハンガー主体側の挿入孔に対してがたつきのない嵌着を行なうようにしていた が、フックの装着工程をハンガー主体の成形工程に関連させて行わなければなら ないので、嵌着作業に時間的な余裕がなく、ハンガー主体の冷却固化から装着の タイミングを失するようなこともあった。 そのために、互いの成形工程に無関係にハンガー主体とフックの嵌着作業がで きて、かつ、がたつきのない理想的な組立をできるようにすることが解決すべき 課題となっていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の目的を達成するために、それぞれ合成樹脂製のハンガー主体と フックとからなり、ハンガー主体は、中央部に挿入孔を上下に貫通させて垂下す る筒形のボスを具え、フックは、挿入孔の上面に掛止されるフランジと、該フラ ンジの下方に連なって挿入孔内に嵌合する差込み軸とを具え、該差込み軸は、挿 入孔の内径と同径の上部軸と、上部軸の下方に連なり挿入孔の内径よりも適宜に 小径で、かつ、上部軸を加えた長さが挿入孔の深さと同等になるようにした下部 軸と、下部軸の下方に連なるとともに、下部軸との接続部分に挿入孔の内径より も適宜に大径の掛止段部を具えた突出軸とからなるとともに、突出軸の下端から 軸心に沿って下部軸の中間まで達する割り溝を具え、ハンガー主体とフックとの 組立状態において、上記フランジを挿入孔の上面に接しさせ、上記掛止段部を挿 入孔の下面に接しさせて、上記フックの差込み軸を、ハンガー主体の挿入孔に嵌 着したことを特徴とする衣服用ハンガーを提供するものである。

【０００５】

【作用】

上記のように構成した本考案ハンガーは、差込み軸の下端に具えた割り溝を利 用して突出軸を挟圧しつつ、ハンガー主体の挿入孔に上方から嵌入すると、上部 軸と下部軸との長さが挿入孔の深さに等しいので、該挿入孔の上端ではフランジ が挿入孔の上面に接し、下端では、小径の下部軸に連なる突出軸が十分に拡開し て、大径に復帰した掛止段部が挿入孔の下面に掛止される。したがって、差込み 軸は上下方向の弛みがない。また、上部軸が挿入孔に十分に軸受されることによ って、振れ回りのない回転自在な嵌着ができる。

【０００６】

【実施例】

以下に本考案の実施例を図面について説明する。 図１に示すように、ハンガー主体１は、中央部に、上下に貫通する挿入孔３を 具えたボス２を一体に具え、フック４は、円弧形のフック部５の下方に、フラン ジ６と、フランジ６の下方に連なって挿入孔３に嵌着される差込み軸７とを一体 に具え、共に合成樹脂製の成形体からなる。

【０００７】 図２に示すように、差込み軸７は、上から、挿入孔３と同径の上部軸８、挿入 孔３よりも適宜に小径の下部軸９、下部軸９の下端に連なって挿入孔３よりも適 宜に大径の突出軸１０によって構成されているとともに、突出軸１０の下端から 軸心に沿って下部軸９の中間に達する割り溝１１を設けている。 そして、差込み軸７の上部軸８と下部軸９との合計の長さは、挿入孔３の深さ と互いに等しく、また、突出軸１０の上端は円周方向に沿う掛止段部１２に形成 されている。

【０００８】 上記のように構成したこのハンガーは、差込み軸７の下端の割り溝１１を利用 して突出軸１０を両側から挟圧しつつ、ハンガー主体１の挿入孔３に上方からフ ック４の下部を嵌入すると、上部軸８と下部軸９との合計の長さが、挿入孔３の 深さに等しいので、上端ではフランジ６が該挿入孔３の上面に接して掛止され、 下端では、突出軸１０が拡開して大径に復帰した掛止段部１２が挿入孔３の下面 に掛止される。 したがって、ハンガー主体１とフック４との嵌着は、上下方向への弛みがない 。また、互いに同径の挿入孔３と上部軸８との嵌合によって、振れ回りのない回 転自在な嵌着ができる。 なお、本考案の実施に際し、上部軸８と下部軸９との長さの配分、下部軸９の 小径の度合い及び割り溝１１の長さ等は本考案の要旨に沿って任意である。

【０００９】

【考案の効果】

前記のように構成した本考案ハンガーは、ハンガー主体とフックを合成樹脂製 として、ハンガー主体の成形工程とフックの取付け工程を別にしたので、従来品 の取付け工程に較べて嵌着の作業性が向上する。 本考案に係るフックは、フランジの下方に連なる差込み軸を上部軸と下部軸と 突出軸とで構成し、下部軸の径を適宜に小径に形成して下端に設けた割り溝の弾 性を利用して大径の突出軸を挿入孔に通過させるようにしたので、差込み軸の挿 入にそれ程の力を必要とせず、労力の軽減ができる。

【００１０】 本考案に係るフックの差込み軸は、上部軸と下部軸の長さをハンガー主体の挿 入孔の深さと同等に形成し、挿入孔の上端ではフランジを該挿入孔の上面に接し させ、下端では、挿入孔を通過して拡開した突出軸が、大径に復帰した掛止段部 を挿入孔の下面に掛止させるので、上下方向への弛みがない。また、互いに同径 に形成した挿入孔と上部軸との嵌合によって、振れ回りのない回転自在なフック の嵌着ができる。 本考案には以上のような優れた実用的効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案の実施例示す一部切欠正面図

【図２】図２は差込み軸とその嵌合状態を説明する一部
切欠拡大正面図

【符号の説明】

１ ハンガー主体 ２ ボス ３ 挿入孔 ４ フック ５ フック部 ６ フランジ ７ 差込み軸 ８ 上部軸 ９ 下部軸 １０ 突出軸 １１ 割り溝 １２ 掛止段部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 それぞれ合成樹脂製のハンガー主体１と
   フック４とからなり、ハンガー主体１は、中央部に挿入
   孔３を上下に貫通させて垂下する筒形のボス２を具え、
   フック４は、挿入孔３の上面に掛止されるフランジ６
   と、該フランジ６の下方に連なって挿入孔３内に嵌合す
   る差込み軸７とを具え、該差込み軸７は、挿入孔３の内
   径と同径の上部軸８と、上部軸８の下方に連なり挿入孔
   ３の内径よりも適宜に小径で、かつ、上部軸８を加えた
   長さが挿入孔３の深さと同等になるようにした下部軸９
   と、下部軸９の下方に連なるとともに、下部軸９との接
   続部分に挿入孔３の内径よりも適宜に大径の掛止段部１
   ２を具えた突出軸１０とからなるとともに、突出軸１０
   の下端から軸心に沿って下部軸９の中間まで達する割り
   溝１１を具え、ハンガー主体１とフック４との組立状態
   において、上記フランジ６を挿入孔３の上面に接しさ
   せ、上記掛止段部１２を挿入孔３の下面に接しさせて、
   上記フックの差込み軸７を、ハンガー主体の挿入孔３に
   嵌着したことを特徴とする衣服用ハンガー。