JPH0680967A - 岩盤固結剤 - Google Patents

岩盤固結剤

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JPH0680967A
JPH0680967A JP4236061A JP23606192A JPH0680967A JP H0680967 A JPH0680967 A JP H0680967A JP 4236061 A JP4236061 A JP 4236061A JP 23606192 A JP23606192 A JP 23606192A JP H0680967 A JPH0680967 A JP H0680967A
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JP
Japan
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component
polyol
liquid
value
solidifying agent
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JP4236061A
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English (en)
Inventor
Isao Natsubori
功 夏堀
Hajime Koda
一 幸田
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Sumitomo Riko Co Ltd
Nisso Maruzen Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Nisso Maruzen Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低粘度で、圧縮強度が高く、しかもその使用
に際して環境汚染の生じない岩盤固結剤を提供する。 【構成】 下記(A)成分と、下記(B)成分および
(C)成分の少なくとも一方を含み、かつOH価が55
0以上のポリオール成分を含有するウレタン系岩盤固結
剤であって、上記(A)成分(X)と、上記(B)成分
および(C)成分の少なくとも一方(Y)との含有割合
が、重量比で、X/Y=50/50〜100/0に設定
されている。 (A)エチレングリコール,ジエチレングリコールおよ
びトリエチレングリコールからなる群から選択された少
なくとも一つの化合物を全体の80重量%以上含有し、
かつOH価が700以上のジオール。 (B)平均官能基数が3官能基以上8官能基以下であっ
て、OH価が100〜600のポリオール。 (C)エチレンオキサイドを20重量%以上含有するジ
オール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、軟弱な地盤を強化
し、涌水地盤の止水をするための薬液である岩盤固結剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】軟弱な地盤等を強化するために、岩盤固
結剤が用いられているが、このような岩盤固結剤とし
て、従来から、ウレタン系岩盤固結剤が使用されてい
る。そして、上記ウレタン系岩盤固結剤として、各種の
固結剤が開発されており、特に硬質ウレタンフォーム系
の固結剤は、発泡圧を利用して地盤に薬液を浸透させる
ため極めて有利である。
【0003】上記ウレタン系岩盤固結剤は、水ガラス系
グラウト剤と比較して物理的強度が高く、ゲルタイムの
コントロールも容易なところから、高価ではあるが、特
殊な地盤の強化および止水に用いられてきた。上記ウレ
タン系岩盤固結剤に用いられるウレタン樹脂は、通常、
イソシアネート組成物と、ポリオール成分,発泡剤,整
泡剤,ウレタン触媒,減粘剤,その他の添加剤を主体と
する硬化剤組成物からなり、使用時に2液を混合して用
いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような岩盤固結剤
に要求される特性としては、薬液が低粘度であること、
地盤に注入した際に薬液の浸透性が良好であること、注
入した薬液が地下水により流出分散して反応が不充分に
なったり、必要以上に薬液が地中に注入されないよう注
入された薬液は速やかにゲル化すること(瞬結性)等が
要求される。また、岩盤固結剤は、地盤強化が目的の一
つであることから、地中で樹脂化した薬液の圧縮強度が
高いことが要求されるとともに、薬液による河川の汚染
等の環境問題も配慮する必要がある。
【0005】上記岩盤固結剤の粘度は、薬液の浸透性の
観点から低粘度であることが要求され、例えば水ガラス
系の岩盤固結剤は、通常、10cps/25℃以下であ
る。これに対してウレタン系岩盤固結剤は、イソシアネ
ート成分およびポリオール成分ともに、粘度を100c
ps/25℃以下、好ましくは50cps/25℃以下
の粘度に設定することは容易ではない。しかも、圧縮強
度の高い薬液とするためには、イソシアネート成分,ポ
リオール成分の双方または片方に、多官能性の成分を必
要とし、かつ従来主張されてきたポリオール成分のOH
価の範囲では高粘度の薬液が形成されやすい。
【0006】このように、高粘度化を解決する手段の一
つとして、低粘度の有機溶剤を添加する方法があげら
れ、この方法によると粘度を下げることは可能となる
が、上記有機溶剤を多量に用いると、物理的強度の低下
や河川の汚染等を生起し易い。また、上記有機溶剤とし
てハロゲン系有機溶剤を用いると、このハロゲン系有機
溶剤は減粘効果が高く、しかもガス化し易いために河川
を汚染することが抑制されるものの、ハロゲンガスの生
起に起因する大気汚染の発生、特にオゾンの破壊という
耐オゾン対策上好ましいものではない。
【0007】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、低粘度で、圧縮強度が高く、しかもその使用
に際して環境汚染の生じない岩盤固結剤の提供をその目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の岩盤固結剤は、下記(A)成分と、下記
(B)成分および(C)成分の少なくとも一方を含み、
かつOH価が550以上のポリオール成分を含有するウ
レタン系岩盤固結剤であって、上記(A)成分(X)
と、上記(B)成分および(C)成分の少なくとも一方
(Y)との含有割合が、重量比で、X/Y=50/50
〜100/0に設定されているという構成をとる。
【0009】(A)エチレングリコール,ジエチレング
リコールおよびトリエチレングリコールからなる群から
選択された少なくとも一つの化合物を全体の80重量%
以上含有し、かつOH価が700以上のジオール。 (B)平均官能基数が3官能基以上8官能基以下であっ
て、OH価が100〜600のポリオール。 (C)エチレンオキサイドを20重量%以上含有するジ
オール。
【0010】
【作用】すなわち、本発明者らは、低粘度で、かつ高圧
縮強度の、しかも環境汚染の心配のないウレタン系の岩
盤固結剤を得るために一連の研究を重ねた。その結果、
ポリオール成分として、OH価が700以上のジオール
(A成分)と、OH価が100〜600の特定のポリオ
ール(B成分)およびエチレンオキサイドを20重量%
以上含有するジオール(C成分)の少なくとも一方とを
用い、しかもこれら各成分の含有量を特定割合に設定す
ると、低粘度化が容易となり、地中への浸透性が向上
し、しかも含水率の異なる地層においても安定的に所定
の圧縮強度を保持することができることを見出しこの発
明に到達した。
【0011】しかも、この発明の岩盤固結剤において、
ポリオール成分のOH価が550以上に設定すると、こ
のポリオール成分と通常のイソシアネート成分とを混合
して得られる岩盤固結剤は、発泡するまでの液状状態の
時間(ライズタイム)が長いにもかかわらず、ゲル化時
間(タックフリータイム)が短いという優れた特徴を備
えている。これは、つぎのように考えられる。すなわ
ち、この発明の特徴であるポリオール成分のOH価が高
いため、反応熱による発熱量が高く、触媒水準が従来の
ウレタンフォームで使用される標準のOH価のポリオー
ル成分よりも低く設定しても充分にタックフリータイム
を短縮できるためではないかと考えられる。
【0012】つぎに、この発明を詳しく説明する。
【0013】この発明の岩盤固結剤は、下記(A)成分
と、下記(B)成分および(C)成分の少なくとも一方
とを特定の割合で含有するポリオール成分と、イソシア
ネート成分とを用いて得られる。
【0014】(A)エチレングリコール,ジエチレング
リコールおよびトリエチレングリコールからなる群から
選択された少なくとも一つの化合物を全体の80重量%
以上含有し、かつOH価が700以上のジオール。 (B)平均官能基数が3官能基以上8官能基以下であっ
て、OH価が100〜600のポリオール。 (C)エチレンオキサイドを20重量%以上含有するジ
オール。
【0015】上記(A)成分は、エチレングリコール,
ジエチレングリコールおよびトリエチレングリコールを
単独でもしくは併せて用い、これらを(A)成分全体の
80重量%(以下「%」と略す)以上含有するジオール
からなり、しかもOH価が700以上でなければならな
い。すなわち、上記化合物が80%未満で、かつOH価
が700未満では、効果的な低粘度化を図ることが不可
能となるからである。そして、上記以外のジオール成分
として、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール等のジーオル類およ
びジオールを基剤として用いたアルキレンオキサイドが
2モル以下のアルキレンオキサイド開環重合物があげら
れ、これらを(A)成分全体の20%以下の範囲で用い
てもよい。
【0016】上記(B)成分は、平均官能基数が3官能
基以上8官能基以下であって、OH価が100〜600
のポリオールである。好ましくは、平均官能基数が3官
能基もしくは4官能基であって、OH価が100〜35
0である。すなわち、平均官能基数が3〜8官能基で、
かつOH価が100〜600のものを用いることによっ
て、(A)成分の高いOH価を浸透性を損なわない範囲
において調整することができ、イソシアネート成分とポ
リオール成分の混合比を適正な比率に保持して地層の改
良工事の作業性を改善し、ポリオールの多官能性を利用
して圧縮強度の改善と注入後の固結速度を調節すること
ができる。このようなポリオールとしては、通常,グリ
セリン,トリメチロールプロパン,トリエタノールアミ
ン,ペンタエリスリトール,エチレンジアミン,ソルビ
トール等の多官能基の活性水素化合物を基剤としてこれ
らを単独でもしくは併せて用いた化合物に、アルキレン
オキサイドを開環重合させたポリエーテルポリオールで
ある。上記アルキレンキサイドは、エチレンオキサイ
ド,プロピレンオキサイド等があげられ、好ましくはエ
チレンオキサイドを40%以上用いることが好ましい。
【0017】上記(C)成分は、エチレンオキサイドを
20%以上含有するジオールであって、(B)成分より
も浸透性を損なわずにOH価の調整が容易であり、通
常、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール等を基剤として、エチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイドを開環重合させたポリエ
ーテルポリオールである。また、これらのポリエーテル
ポリオールは、単独でもしくは併せて用いられる。
【0018】上記(A)成分(X)と、(B)成分およ
び(C)成分の少なくとも一方(Y)の含有割合は、重
量比で、X/Y=50/50〜100/0に設定する必
要がある。すなわち、(A)成分の含有割合が50未満
では、良好な浸透性と浸透後の地中における速やかなゲ
ル化の達成が不充分になるからである。
【0019】この発明の岩盤固結剤に用いられるポリオ
ール成分は、上記(A)〜(C)成分以外に、発泡剤,
減粘剤,整泡剤,ウレタン触媒等を適宜に配合される。
【0020】上記発泡剤としては、水,塩化メチレン,
通常市販されているフロン系発泡剤等があげられ、添加
量としては、発泡倍率が10倍となるように調整され
る。また、上記塩化メチレン,フロン系発泡剤は、減粘
剤としても有益である。
【0021】上記減粘剤としては、不燃性のもの、もし
くは可燃性であっても引火点が70℃以上で粘度が50
cps/25℃以下の有機溶剤等があげられ、例えばセ
ロソルブアセテート,エチルジエチレングリコールアセ
テート,エチレンカーボネート,プロピレンカーボネー
ト,ジグライム類等があげられる。これらはポリオール
成分中15%以下、好ましくは5%以下の範囲で用いら
れる。
【0022】上記整泡剤は、必ずしも添加する必要はな
いが、発泡状態が不安定な場合に、通常のウレタンフォ
ーム用整泡剤が用いられ、ポリオール成分中10%以下
の範囲で使用される。
【0023】上記ウレタン触媒としては、トリエチレン
ジアミン,テトラメチルヘキサメチレンジアミン,N−
エチルモルホリン等の三級アミン類およびジブチルチン
ジラウレート等の有機スズ化合物等があげられる。これ
らウレタン触媒の添加量は、岩盤固結剤を使用する地層
の含水率,地層の温度,地層の状態によって適宜にバラ
ンスよく調整される。
【0024】この発明の岩盤固結剤に用いられるポリオ
ール成分は、上記(A)〜(C)成分および発泡剤,減
粘剤,整泡剤,ウレタン触媒を配合し混合することによ
り得られる。そして、このようにして得られるポリオー
ル成分は、OH価が550以上であることが必要であ
る。すなわち、OH基が550未満では、反応液の反応
系における発熱量が少なくなるが、ゲル化時間を一定に
するためウレタン触媒量を多くして調節した場合、反応
液の低粘度液状状態時間が短くなり、結果として浸透性
に悪影響を与えるからである。
【0025】上記ポリオール成分と反応させるイソシア
ネート成分は、全体の粘度が180cps/25℃以下
が好ましく、特に好ましくは50cps/25℃以下で
ある。そして、イソシアネート成分としては、アニリン
/ホルムアルデヒドを縮合し、ついでホスゲン化したポ
リフェニレン−ポリメチレン−ポリイソシアネート(粗
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート)、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性
の従来公知のジフェニルメタンジイソシアネート等があ
げられる。さらに、これらに加えて、低粘度性が損なわ
れない範囲において、トリレンジイソシアネート,ヘキ
サメチレンジイソシアネート,イソホロンジイソシアネ
ート,キシリレンジイソシアネート等と末端に活性水素
基を有する化合物とのプレポリマーを添加することがで
きる。さらに、少量であればナフタレンジイソシアネー
ト等従来公知の高沸点で毒性の少ないイソシアネートを
添加することもできる。
【0026】そして、上記イソシアネート成分をそのま
ま単独でもしくは混合物として用いることができるが、
さらに低粘度の液状のイソシアネートを得る目的で、前
記減粘剤を、全体の15%以下、好ましくは5%以下の
範囲で配合することもできる。このようにして得られた
イソシアネート成分のNCO含有%は、25%以上であ
ることが好ましく、特に好ましくは28〜33%の範囲
である。
【0027】この発明の岩盤固結剤は、上記特定のポリ
オール成分およびイソシアネート成分との組み合わせか
らなり、地層等に注入する際に、上記両者を混合して用
いられる。上記ポリオール成分とイソシアネート成分の
配合比率は、工事の作業性を勘案して1/2または通常
1/3の比率で用いられ、地層の水分等は別途考慮する
として、イソシアネート・インデックスが90〜15
0、好ましくは120〜140に設定することが好まし
い。なお、上記イソシアネート・インデックスは、反応
混合物中のイソシアネート基の数を反応混合物中に存在
するイソシアネート反応基の数で割り、100倍した比
率であり、水は2官能化合物として計算される。
【0028】
【発明の効果】以上のように、この発明の岩盤固結剤
は、ポリオール成分として、OH価が700以上のジオ
ール(A成分)と、OH価が100〜600の特定のポ
リオール(B成分)およびエチレンオキサイドを20%
以上含有するジオール(C成分)の少なくとも一方とを
用い、しかもこれら各成分の含有量が特定割合に設定さ
れている。このため、低粘度化が容易となり、地中への
浸透性が向上し、しかも含水率の異なる地層においても
安定的に所定の圧縮強度を保持することができる。した
がって、従来のように有機溶剤を多量に添加して低粘度
化を図る必要がなく、圧縮強度が高いため、環境汚染の
問題が生ずることもない。また、ポリオール成分のOH
価が550以上に設定されているため、このポリオール
成分と通常のイソシアネート成分とを混合して得られる
岩盤固結剤は、発泡するまでの液状状態の時間(ライズ
タイム)が長いにもかかわらず、ゲル化時間(タックフ
リータイム)が短いという優れた特徴を備えたものであ
る。
【0029】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0030】
【実施例1〜10】下記の表1および表2に示す各成分
(a液原料)を同表に示す割合で配合し混合することに
よりポリオール成分を主成分とするa液を作製した。一
方、下記の表1および表2に示す各成分(b液原料)を
同表に示す割合で配合し混合することによりイソシアネ
ート成分を主成分とするb液を作製した。このようにし
てa液およびb液との組み合わせからなる岩盤固結剤を
得た。なお、得られたa液のOH価も表1および表2に
併せて示した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【比較例1〜5】下記の表3に示す各成分(c液原料)
を同表に示す割合で配合し混合することによりポリオー
ル成分を主成分とするc液を作製した。一方、下記の表
3に示す各成分(d液原料)を同表に示す割合で配合し
混合することによりイソシアネート成分を主成分とする
d液を作製した。このようにしてc液およびd液との組
み合わせからなる岩盤固結剤を得た。そして、上記c液
およびd液を下記の表3に記載の割合で混合した。な
お、得られたc液のOH価も表3に併せて示した。
【0034】
【表3】
【0035】このようにして得られた実施例品および比
較例品の岩盤固結剤について、a〜d液の25℃におけ
る各粘度を測定した。その結果、50cps/25℃以
下のものを◎、60cps/25℃以下のものを○、1
00cps/25℃以下のものを△、100cps/2
5℃以上のものを×として評価し後記の表4〜表6に示
した。
【0036】また、実施例品および比較例品の岩盤固結
剤を混合したものの発泡特性、すなわち、クリームタイ
ム(CT)、ライズタイム(RT)、タックフリータイ
ム(TFT)、トップタイム(TT)および2液を反応
させて得られるポリウレタン樹脂の密度、圧縮強度を測
定し後記の表4〜表6に併せて示した。
【0037】なお、上記CT,RT,TFT,TTの測
定は、つぎのようにして行った。aまたはc液と、bま
たはd液を25℃に調整し、所定の混合比で高速攪拌機
によって攪拌し、約6秒後に紙コップに吐瀉する。クリ
ーム状の液が透明になる時点をクリームタイムとして測
定し、再度クリーム状になって泡が立ち上がり始める時
点をライズタイムとして測定し、立ち上がるフォームの
べたつきが無くなる時点をタックフリータイムとして測
定し、フォームが最も高く上昇した時点をトップタイム
として測定した。
【0038】そして、ポリウレタン樹脂の密度は、発泡
したフォームを3×3×3cmの立方体として切り出
し、その重量をその体積で割って測定した。
【0039】ついで、上記密度を測定した試験片は、万
能試験機で圧縮し、その降伏点を圧縮強度とした。
【0040】さらに、得られた岩盤固結用薬液の浸透性
について、つぎのようにして評価した。まず、直径25
mm×高さ30cmのガラス管に、4号珪砂を入れ、高
さ25cmまでバイブレーターで振動させて可能な限り
硬く詰める。ついで、表1および表2のa液,表3のc
液と、表1および表2のb液,表3のd液とを同表に示
す割合で配合,混合し、これの50gを上記ガラス管の
上から流し込み10cmに到達する時間を測定する。そ
して、この時間が、4分未満を○、4分以上を×として
示した。
【0041】また、フォームのクラック発生状態を目視
により評価し、そのクラックのないフォームを○、クラ
ックの発生したフォームを×として示した。なお、クラ
ックの発生したフォームは、密度および圧縮強度の測定
ができなかった。
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】上記表4〜表6の結果から、この発明のポ
リオール成分を含むa液の粘度は、比較例に示したc液
の粘度と比較して極めて低く、浸透性が優れていること
を示す。比較例2のc液は、若干粘度が低いが、密度が
90kg/m3 前後の実施例の圧縮強度と比較すると圧
縮強度が低く浸透性と物性のバランスがよくない。ま
た、実施例のRT/TFTと比較例のRT/TFTを比
較すると実施例の方が、一定のRTにおいてTFTが短
く、同じ特性の液状状態である場合に、実施例の方がゲ
ル化速度が速いことを示す。比較例2および5におい
て、CTが測定できなかったが、これは透明な液状状態
を保持できずに液が増粘しRTに移行してしまったこと
を示す。比較例において実施例よりも圧縮強度が高いも
のもあるが、浸透性の面でほとんど実用性がない。比較
例5から、この発明の請求範囲外の(A)成分を用いて
も充分な特性を発揮しえないことを示す。
【0046】
【実施例11】1×1×1m(1m3 )の鉄製容器に珪
砂4号を充填し、さらに水を充填して砂の上面より突き
固めた後、水を排水して含水砂層を形成した。これに固
結剤の2成分系薬液を混合する発泡機を接続した鉄製の
注入管を約60cmの上記砂中に埋め込んだ。発泡機の
注入速度を5.0kg/分にセットし、10kgの下記
処方のa液とb液を発泡機で連続的に混合しながら砂中
に注入し翌日固結した砂を含む樹脂状ブロックを取り出
し、注入状況の観察と密度および圧縮強度の測定を行っ
た。
【0047】〔a液の処方〕 ジエチレングリコール 1740g ポリオール(5) 745g 水 25g 整泡剤 17g ポリキャット8 17g 〔b液の処方〕 粗MDI(1) 6262g プロピレンカーボネート 1193g
【0048】その結果、注入圧力9kg/cm2 、注入
時間120秒で注入を完了し、砂の表面への薬液の流出
もなく、硬化後、取り出した樹脂のブロックの容積は、
約49ミリリットルで、その形状は、円球に近い楕円状
であり、浸透性は良好と判断された。また、ブロックか
ら取り出した試験片の密度および圧縮強度を測定した結
果、密度は1.54gr/cm3 で、圧縮強度53kg
以上の強度を示し、充分な実用的強度であった。
【0049】
【比較例6】実施例11と同様の珪砂4号を充填し、こ
れに固結剤の2成分系薬液を混合する発泡機を接続した
鉄製の注入管を約60cmの上記砂中に埋め込んだ。発
泡機の注入速度を5.0kg/分にセットし、10kg
の下記処方のa液とb液を発泡機で連続的に混合しなが
ら砂中に注入し翌日固結した砂を含む樹脂状ブロックを
取り出し、注入状況の観察と密度および圧縮強度の測定
を行った。
【0050】〔a液の処方〕 ポリオール(3) 890g ジプロピレングリコール 2070g 水 32g 整泡剤 25g ポリキャット8 50g 〔b液の処方〕 粗MDI(1) 6610g メチレンクロライド 373g
【0051】その結果、注入圧力13kg/cm2 、注
入時間120秒で注入を完了した。注入管に沿って砂の
表面に薬液の流出が認められ、取り出した樹脂のブロッ
クの容積は、約39リットルで、その形状は、若干扁平
な、凹凸のある棒状の形状を有し浸透性は不良と判断し
た。また、ブロックから取り出した試験片の密度および
圧縮強度を測定した結果、密度は1.47gr/cm3
で、圧縮強度49kgの強度を示し、圧縮強度について
は良好であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)成分と、下記(B)成分およ
    び(C)成分の少なくとも一方を含み、かつOH価が5
    50以上のポリオール成分を含有するウレタン系岩盤固
    結剤であって、上記(A)成分(X)と、上記(B)成
    分および(C)成分の少なくとも一方(Y)との含有割
    合が、重量比で、X/Y=50/50〜100/0に設
    定されていることを特徴とする岩盤固結剤。 (A)エチレングリコール,ジエチレングリコールおよ
    びトリエチレングリコールからなる群から選択された少
    なくとも一つの化合物を全体の80重量%以上含有し、
    かつOH価が700以上のジオール。 (B)平均官能基数が3官能基以上8官能基以下であっ
    て、OH価が100〜600のポリオール。 (C)エチレンオキサイドを20重量%以上含有するジ
    オール。
JP4236061A 1992-09-03 1992-09-03 岩盤固結剤 Pending JPH0680967A (ja)

Priority Applications (1)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10212481A (ja) * 1997-01-30 1998-08-11 Tokai Rubber Ind Ltd 空洞充填起泡用薬液組成物
JPH10212480A (ja) * 1997-01-30 1998-08-11 Tokai Rubber Ind Ltd 地山安定化方法及びその方法に使用する装置
JP2020084098A (ja) * 2018-11-29 2020-06-04 東ソー株式会社 岩盤固結用、または止水用注入薬液組成物

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