JP3358188B2 - 土壌固結用注入薬液組成物及びそれを用いた土壌安定強化止水工法 - Google Patents

土壌固結用注入薬液組成物及びそれを用いた土壌安定強化止水工法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土壌固結用注入薬
液組成物及びそれを用いた土壌安定強化止水工法に関す
るものである。更に詳細には、相溶性、低温安定性に優
れ、粘度が低く、しかも土壌汚染を引き起こす可能性の
少ない、土壌固結用注入薬液組成物及びそれを用いた土
壌安定強化止水工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】不安定岩盤や不安定地盤の強化方法とし
て、無機−有機複合系の土壌安定化のための薬液が用い
られ、この薬液としては、水ガラスと称する珪酸塩水溶
液と、ポリイソシアネートとの組み合わせが広く用いら
れている。
【0003】一般的にポリイソシアネートは、珪酸塩水
溶液に比べて相対的に粘度が高く、更には、それを活性
水素化合物で変性したイソシアネート基末端プレポリマ
ーの場合には、より粘度が高くなる。また、寒冷期や寒
冷地では、実際の使用時における粘度は更に高くなる。
また、珪酸塩水溶液とポリイソシアネート組成物とはそ
れぞれ無機物と有機物との組み合わせであるが故に、本
質的に相溶性不良の問題があり、そのため両者の混合不
良による均一な発泡体が得られず安定した強度の発現性
が必ずしも期待できるレベルではなかった。このため、
珪酸塩水溶液とポリイソシアネート組成物の混合性、相
溶性、岩盤又は地盤への浸透性が悪くなり、その改良が
求められていた。
【0004】この改良方法としては、例えば、特許第2
591540号、特公平7−72271号公報、特公昭
62−21039号公報等に記載されており、それぞれ
の公報の内容は、以下の通りである。 ・特許第2591540号には、(A)固形分濃度10
〜70重量%の珪酸ソーダ水溶液、並びに、(B)
(イ)ポリイソシアネートと(ロ)ポリイソシアネート
成分とは反応しないが、珪酸ソーダ水溶液成分によりア
ルカリ加水分解され、反応するエステル又はエーテルで
ある反応性希釈剤からなるポリイソシアネート組成物か
らなるトンネル掘削用の岩盤又は地盤の安定化用注入薬
液組成物が開示されている。 ・特公平7−72271号公報には、(A)珪酸ソーダ
水溶液、並びに、(B)(イ)オキシアルキレン鎖中に
5重量%以上のオキシエチレン鎖をを有するポリオキシ
アルキレンモノ又はポリオールと(ロ)有機ポリイソア
ネートを反応させて得られる遊離のイソシアネート基を
含有する親水性ウレタンプレポリマーからなる土質又は
人工構造物等の安定化用注入薬液組成物が開示され、ま
た、この公報中には、前述の反応性希釈剤を用いてよい
旨の記載がある。 ・特公昭62−21039号公報には、(イ)末端イソ
シアネート基含有親水性ウレタンプレポリマー単独又は
該末端イソシアネート基含有親水性ウレタンプレポリマ
ーに不活性希釈剤を配合した主剤、並びに、(ロ)希薄
珪酸塩水溶液を用いる地盤安定化工法が記載されてい
る。
【0005】また、いずれの公報も、低粘度化による岩
盤や地盤への浸透性の向上や貯蔵安定性の向上等の目的
で、低分子量二塩基酸のジエステル類、モノ又は多価ア
ルコール類の酢酸エステル類、アルキレンカーボネート
類等の反応性希釈剤や塩素化パラフィン、ジオクチルフ
タレート、ジブチルフタレート、ジオクチルアジペート
等のような可塑剤やメチルエチルケトン、トルエン、キ
シレン、1,1,1−トリクロルエタン等の不活性希釈
剤(分子中に活性水素化合物を含有しない希釈剤)等が
併用できると記載され、実施例においては、いずれも反
応性希釈剤、可塑剤、不活性希釈剤等を用いたものとな
っている。
【0006】なお、上記の反応性希釈剤は、特許第25
91540号に記載のように珪酸塩水溶液のアルカリ成
分によりアルカリ加水分解されることが示されており、
例えば、エチレングリコールジアセテートは、加水分解
してエチレングリコールと酢酸が生成し、イソシアネー
トと反応するとされている。
【0007】これらの希釈剤や可塑剤を混合することに
より、注入薬液の粘度を低下させる効果や、固化の防止
効果があるため、作業性の向上(特に、寒冷地での現場
施工時での粘度上昇や固化の回避)や液配合時における
混合性の向上、更には、特許第2591540号に記載
のように分解生成物とポリイソシアネートとの反応によ
り硬化性が向上し、強度のアップ等の効果が期待できる
ため本分野では通例として使用されてきた。場合によっ
ては、上記の各効果と難燃性の効果を一挙に得るために
難燃剤を使用する場合もある。
【0008】また、一般的には難燃剤や可塑剤等の非反
応型の添加剤は、樹脂中に取り込まれた後、僅かではあ
るが樹脂外へしみ出してくるのが通例であるので、土壌
安定化という目的からは好ましくない。また、反応性希
釈剤であってもその未反応物が経時によりしみ出してく
る可能性がある。
【0009】一方、ウレタン系の岩盤又は地盤固結用の
注入薬液については、「山岳トンネル工法におけるウレ
タン注入の安全管理に関するガイドライン」(平成4年
10月;日本道路公団発行)に沿って管理するものとさ
れている。管理項目の一つに地下水の水質管理が挙げら
れており、地下水を汚染しない注入薬液が必要となって
いる。このガイドラインにおける地下水への水質汚濁性
の指標には、過マンガン酸カリウム消費量(以後COD
値と表記する。COD値は、その値が大きいほど水質汚
濁性が大きい。)が用いられ、ウレタン系注入薬液のC
OD値は、10mg/L以下であることが求められてい
る。
【0010】しかし、反応性希釈剤として用いられるア
ルキレンカーボネートは、分解して土壌に浸透し地下水
の水質汚濁性の指標でCOD値の増大の原因となる。例
えば、プロピレンカーボネートのCOD値は、83,9
00mg/Lである。また、アルキレンカーボネートを
使用した、あるウレタン系の注入薬液の発泡体のCOD
値は308mg/Lとなり、上述のガイドラインにおけ
るCOD値の上限(10mg/L)をはるかに越えてい
る。
【0011】このように、これらの希釈剤や可塑剤等を
使用しなければ必然的に注入薬液の粘度上昇や低温での
固化の現象きたし、実用に供する事が困難であった。一
方、希釈剤や可塑剤等を使用したものは、環境保護の基
準を達成することが困難であった。このように従来の土
壌固結用注入薬液では、実用上の利点と環境保護との両
立を図ることが困難な状況であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、環境保護の観点から上述の希釈剤、可塑剤、難燃剤
等を使用しない土壌固結用注入薬液組成物の開発を目指
した。その際想定される、特に低温期における注入薬液
組成物の粘度上昇や固化等による作業性の低下、相溶性
不足による混合不良等、従来品に存在した問題を解決す
る手段について、鋭意研究を重ねた結果、珪酸塩水溶液
と陰イオン系界面活性剤を含有するA液、並びに、特定
組成のポリイソシアネートを含有するB液からなる注入
薬液組成物を用いることにより上述の問題点、特に珪酸
塩水溶液とポリイソシアネートとの相溶性の飛躍的な向
上を達成できることを見い出し、本発明に至った。
【0013】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は以下の
(1)〜(5)である。 (1)以下に示すA液及びB液からなる土壌固結用注入
薬液組成物。 A液:以下に示す(A)及び(B)を含有する無機系液
状物。 (A)珪酸塩水溶液。 (B)陰イオン系界面活性剤。 B液:以下に示す(a)及び(b)の混合物であって、
(a)と(b)の組成比が、(a)/(b)=20/8
0〜70/30(重量比)であポリイソシアネートを
含有する、希釈剤又は可塑剤のいずれをも含有せず、且
つ、粘度が35〜280mPa・s/25℃である有機
系液状物。 (a)2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート及
び2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを合計
10〜55重量%、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネートを90〜45重量%からなる、ジフェニルメ
タンジイソシアネート。 (b)1分子中にベンゼン環及びイソシアネート基を3
個以上有するポリフェニレンポリメチレンポリイソシア
ネート。
【0014】(2)以下に示すA液及びB液からなる土
壌固結用注入薬液組成物。 A液:以下に示す(A)及び(B)を含有する無機系液
状物。 (A)珪酸塩水溶液。 (B)陰イオン系界面活性剤。 B液:以下に示す(a)〜(c)を反応させたイソシア
ネート基末端プレポリマーであって、(a)と(b)の
組成比が、(a)/(b)=20/80〜70/30
(重量比)であポリイソシアネートに、(c)を反応
させたイソシアネート基末端プレポリマーを含有する、
希釈剤又は可塑剤のいずれをも含有せず、且つ、粘度が
35〜280mPa・s/25℃である有機系液状物。 (a)2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート及
び2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを合計
10〜55重量%、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネートを90〜45重量%からなる、ジフェニルメ
タンジイソシアネート。 (b)1分子中にベンゼン環及びイソシアネート基を3
個以上有するポリフェニレンポリメチレンポリイソシア
ネート。 (c)数平均分子量は200〜5,000であり、か
つ、エチレンオキサイドユニットを60〜100重量%
含有する水酸基含有ポリエーテル。
【0015】(3)前記(1)又は(2)記載の土壌固
結用注入薬液組成物におけるA液に、(C)活性水素化
合物を添加した土壌固結用注入薬液組成物。
【0016】(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記
載の土壌固結用注入薬液組成物におけるA液に、(D)
アミン系触媒を添加した土壌固結用注入薬液組成物。
【0017】(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記
載の土壌固結用注入薬液組成物を、あらかじめ土壌の所
定箇所に設けた注入孔から注入して固結させることを特
徴とする土壌安定強化止水工法。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
最初に土壌固結用注入薬液組成物に関して説明する。本
発明は、(A)珪酸塩水溶液、(B)陰イオン系界面活
性剤を含有する無機系液状物であるA液と、ポリイソシ
アネートを含有するB液からなり、このA液とB液を配
合した直後に、この配合液を岩盤又は地盤に注入し、発
泡・樹脂化させて土壌の止水や強化等に効果のある薬液
組成物である。
【0019】本発明に用いられる(A)珪酸塩水溶液
は、二酸化珪素を20〜40重量%、及び、酸化ナトリ
ウムを5〜20重量%含有する水溶液が好ましく、更に
は、二酸化珪素を21〜36重量%、酸化ナトリウムを
8〜17重量%含有する珪酸塩水溶液が好ましい。珪酸
塩水溶液における酸化ナトリウムと二酸化珪素のモル比
は、酸化ナトリウム:二酸化珪素=2〜1:1〜4であ
る。また珪酸塩水溶液の固形分は、10〜70重量%、
好ましくは20〜50重量%である。市販されている珪
酸塩水溶液の固形分が高すぎる場合は、水で希釈しても
よい。具体的な商品としては、1号珪酸ソーダS2、2
号珪酸ソーダN5、2号珪酸ソーダQ3、2号珪酸ソー
ダT8(東曹産業製)等が挙げられる。
【0020】本発明においては、A液とB液との相溶性
向上のため、(B)陰イオン系界面活性剤をA液に配合
する。この(B)陰イオン系界面活性剤を相溶化剤とし
て使用することにより、更に両者の相溶性が向上する。
その結果、実際の施工現場で使用前に容器を振とうした
り、タンクに入れて攪拌したり、更にはスタティックミ
キサー等の混合装置を用いて現場施工する等の作業時に
おける不都合もなく、両者の相溶性向上による均一な発
泡体が得られ、安定した強度が発現できる。
【0021】本発明における(B)陰イオン系界面活性
剤の好ましいものは、スルホン酸塩系界面活性剤、硫酸
エステル塩系界面活性剤、酸性リン酸エステル系界面活
性剤からのいずれか1種類以上選択されるものであり、
特に好ましいものは、これらの中でpHが6〜10のも
のであり、更に好ましいものは、スルホン酸塩系界面活
性剤である。なお、通常スルホン酸塩系界面活性剤及び
硫酸エステル塩系界面活性剤は水溶液の状態で供給さ
れ、酸性リン酸エステル系界面活性剤は固形分100%
の状態で供給される。
【0022】本発明に用いられるスルホン酸塩系界面活
性剤としては、以下の式1〜式11に示されるものやナ
フタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアンモニウム
塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、有機4級ア
ンモニウム塩等が挙げられる。
【化1】
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】
【化6】
【0028】
【化7】
【0029】
【化8】
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】硫酸エステル塩系界面活性剤としては、以
下の式12〜式14に示されるものが挙げられる。
【化12】
【0034】
【化13】
【0035】
【化14】
【0036】酸性リン酸エステル系界面活性剤として
は、以下の式15〜式20に示されるものが挙げられ
る。
【化15】
【0037】
【化16】
【0038】
【化17】
【0039】
【化18】
【0040】
【化19】
【0041】
【化20】
【0042】これらの陰イオン系界面活性剤のうちで最
も好ましいものは、式2及び式7に示されるものであ
る。
【0043】(B)陰イオン系界面活性剤の添加量は、
珪酸塩水溶液(A)に対して固形分換算で0.05〜
1.5重量%が好ましく、0.05重量%より少ないと
珪酸塩水溶液とポリイソシアネート組成物の相溶性が悪
くなやすく、1.5重量%より多いと強度、発泡倍率に
悪影響を及ぼす。
【0044】本発明においては、A液に後述する(C)
活性水素基含有化合物や(D)アミン系触媒を添加して
用いると、強度や作業性の点で好ましくなる。
【0045】本発明に用いられる(C)活性水素基化合
物は、低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子ア
ミノアルコール類、低分子グリコールエーテル類、ポリ
エステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポ
リカーボネートポリオール類等が挙げられる。これらは
単独又は2種以上を混合して用いることができる。
【0046】低分子アルコール類としては、例えば、メ
チルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、n−アミルアルコー
ル、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコー
ル、n−オクチルアルコール、n−ノニルアルコール、
n−デシルアルコール、n−ラウリルアルコール、n−
トリデシルアルコール、n−テトラデシルアルコール、
n−ペンタデシルアルコール、n−ヘプタデシルアルコ
ール、n−オクタデシルアルコール(ステアリルアルコ
ール)、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコー
ル、2−エチルヘキサノール、メチル−1−ノナノー
ル、ジメチル−1−オクタノール、テトラメチル−1−
ヘキサノール、3−エチル−4,5,6−トリメチルオ
クタノール、4,5,6,7−テトラメチルノナノー
ル、トリデカノール、テトラデカノール、2−ヘキシル
ドデカノール、2−ヘキサデシルオクタノール、シクロ
ヘキサノール、シクロヘキサンメタノール、エチレング
リコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパ
ンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2
−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチ
ル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2,
4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチ
ル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール等の単品又は2
種以上の混合物が挙げられる。
【0047】低分子アミン類としては、例えば、エチル
アミン、ブチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミ
ン、アニリン、N−メチルアニリン、ジフェニルアミ
ン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレ
ントリアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジア
ミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン
等の単品又は2種以上の混合物が挙げられる。
【0048】低分子アミノアルコール類としては、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−(β−ア
ミノエチル)エタノールアミン等の単品又は2種以上の
混合物が挙げられる。
【0049】低分子グリコールエーテル類としては、例
えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコール
モノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシル
エーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテ
ル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエー
テル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコ
ールエーテル等の単品又は2種以上の混合物が挙げられ
る。
【0050】ポリエステルポリオール類としては、前述
の低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノ
アルコール類のうち1分子中に活性水素基を2個以上有
するものと、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼ
ライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソソフタ
ル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフ
タル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカ
ルボン酸、トリメリット酸、ヘキサヒドロトリメリット
酸等のポリカルボン酸、酸エステル、又は酸無水物等の
1種以上との脱水縮合反応で得られる、ポリエステルポ
リオール又はポリエステルアミドポリオールが挙げられ
る。また、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン等
の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得ら
れるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
【0051】ポリカーボネートポリオールとしては、前
述のアルコール類のうち1分子中に活性水素基を2個以
上有するものと、ジエチレンカーボネート、ジメチルカ
ーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボ
ネート等との脱アルコール反応などで得られるものが挙
げられる。
【0052】ポリエーテルポリオールとしては、前述の
アルコール類、アミン類、アミノアルコール類を開始剤
として、エチレンオキサイド(以後、EOと略す)、プ
ロピレンオキサイド(以後、POと略す)、ブチレンオ
キサイド、アミレンオキサイド等のアルキレンオキサイ
ド、メチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジル
エーテル、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグ
リシジルエーテル、テトラヒドロフラン等の環状エーテ
ルモノマー単品又は混合物を公知の方法により付加重合
することで得られる。
【0053】本発明における好ましい(C)活性水素基
含有化合物の数平均分子量は、62〜5,000が好ま
しく、更には500〜4,000が好ましい。また、平
均官能基数は1〜5が好ましく、更には、2〜4が特に
好ましい。また、前述の活性水素基含有化合物のうちで
は、注入薬液組成物の粘度、安定性、配合時の反応性
(発泡性)、配合後に生成する発泡体の強度等を考慮す
ると水酸基含有ポリエーテルが好ましく、更にはポリプ
ロピレングリコールが特に好ましい。また、(C)の配
合量としては、(A)珪酸塩水溶液/(C)活性水素基
含有化合物=100/5〜100/30(重量比)が好
ましい。
【0054】本発明に用いられる(D)アミン系触媒と
しては、一般的にウレタン業界で用いられるものが使用
でき、例えば、式21〜式34に示される化合物、1,
8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデンセン−7
(DBU)等が挙げられる。
【0055】
【化21】
【0056】
【化22】
【0057】
【化23】
【0058】
【化24】
【0059】
【化25】
【0060】
【化26】
【0061】
【化27】
【0062】
【化28】
【0063】
【化29】
【0064】
【化30】
【0065】
【化31】
【0066】
【化32】
【0067】
【化33】
【0068】
【化34】
【0069】なお、本発明において好ましい(D)アミ
ン系触媒は、活性水素基を有する3級アミン系化合物で
あり、更に好ましくは式22〜式24及び式27で示さ
れる3級アミン化合物である。この理由として、アミン
系触媒そのものがイソシアネートと反応して樹脂中にと
じ込まれるため、経時によりしみ出してくる可能性が小
さく、土壌汚染を起しにくいためである。なお、(D)
の配合量としては、(A)珪酸塩水溶液/(D)アミン
系触媒=100/0.5〜100/5(重量比)が好ま
しい。
【0070】なお、同じく反応性を調整する目的で使用
される触媒のうち、ジブチルチンジラウレート、ジオク
チルチンジラウレート、ナフテン酸カルシウム、オクチ
ル酸スズ、オクチル酸亜鉛等の金属系触媒は、樹脂中に
とじ込まれることがないため、土壌汚染のおそれがある
ため好ましくない。
【0071】本発明のB液に用いられるポリイソシアネ
ートとしては、作業性、毒性、強度等の総合的判断か
ら、(a)1分子中にベンゼン環及びイソシアネート基
を2個有するジフェニルメタンジイソシアネート(以
後、MDIと略称する。)、並びに、(b)1分子中に
ベンゼン環及びイソシアネート基を3個以上有するポリ
フェニレンポリメチレンポリイソシアネート(以後、ポ
リメリックMDIと略称する。)を主成分としたもので
ある。また、(a)MDIは、2,2′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート(以後、2,2′−MDIと略称
する。)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト(以後、2,4′−MDIと略称する。)、4,4′
−ジフェニルメタンジイソシアネート(以後、4,4′
−MDIと略称する。)の3つ異性体のうち、必ず4,
4′−MDIを含有した2種類以上の異性体混合物であ
る。
【0072】本発明において、(a)MDIと(b)ポ
リメリックMDIの組成比は、(a):(b)=20〜
70:80〜30、好ましくは、25〜65:75〜3
5(重量比)である。(a)がこの範囲より少ない場合
は、B液の低粘度化が達成しにくい。また、多い場合は
MDI自体の低温時におけるMDIの固化(結晶化)に
よる影響が強くなり、B液が固化しやすくなる。
【0073】また、前述の(a)MDIにおける2,
2′−MDIと2,4′−MDIの合計(以後、アイソ
マー合計と略称する。)と4,4′−MDIの組成比
は、10〜55:90〜45(重量%)である。アイソ
マー合計の含有割合が10重量%以下の場合は、低温時
におけるMDIの固化(結晶化)による影響が強くな
り、B液全体が固化しやすくなる。また、55重量%以
上の場合は、4,4’−MDIより2,2’−MDIと
2,4’−MDIのほうが分子構造的に柔軟なため、強
度が発現しにくく、土壌固結用注入薬液としては不適当
となりやすい。
【0074】また、本発明においては、前述の(a)と
(b)の混合物を(c)水酸基含有ポリエーテルで変性
したイソシアネート基(以後、NCO基と略称する。)
末端プレポリマーをB液の主成分として用いることもで
きる。
【0075】この水酸基含有ポリエーテルは、数平均分
子量が200〜5,000、好ましくは300〜4,5
00であり、かつ、ポリイソシアネートに親水性を付与
させるために、EOユニットを60〜100重量%、好
ましくは65〜100重量%含有するものである。数平
均分子量が200より小さい場合、ウレタン基濃度が高
くなり強度は発現するが、ウレタン基は水素結合しやす
いため、低温時においてはB液全体が固化しやすくな
る。一方、数平均分子量が5,000を越える場合は、
逆にウレタン基濃度が低くなり、強度不足のため土壌固
結用注入薬液としては不適当となりやすい。EOユニッ
トが60重量%より低いと珪酸塩水溶液との混合性が悪
くなる。なお、水酸基含有ポリエーテルは、全体として
この条件を満たすものであればよく、その形状は、ポリ
エチレングリコール単品、ポリエチレングリコールとポ
リプロピレングリコールの混合物、EOとPO共重合体
といったどの形状でもよく、好ましくはポリエチレング
リコール単品やEOとPO共重合体である。なお、この
水酸基含有ポリエーテルの平均官能基数としては1〜5
が好ましく、1〜3が更に好ましい。
【0076】NCO基末端プレポリマーを製造する場合
における(a)と(b)の混合物と(c)の割合は、仕
込み時におけるNCO基と水酸基のモル比が、NCO基
/水酸基=5〜500、好ましくは10〜300であ
る。NCO基/水酸基が5未満の場合は、B液の粘度が
高くなりすぎ、作業性が低下する。また、500を越え
る場合は、変性効果が得られにくい。
【0077】また、少量であるならば、ポリイソシアネ
ートに、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネー
ト、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネー
ト、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソ
シアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−
4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプ
ロパンジイソシアネート、1,2−フェニレンジイソシ
アネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,
4−フェニレンジイソシアネート、1,4−ナフタレン
ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイ
ソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、1,6−ヘ
キサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレ
ンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪
族ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、
m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシ
アネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の
芳香脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、水素添加トルエンジイソシアネート、水素添加キ
シレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジ
イソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソ
シアネート等の脂環族ジイソシアネート、また、これら
有機ジイソシアネートのアダクト変性体、ビュレット変
性体、イソシアヌレート変性体、ウレトンイミン変性
体、ウレトジオン変性体、カルボジイミド変性体等のい
わゆる変性ポリイソシアネートも使用できる。これらの
イソシアネ−トは単独又は2種以上の混合物で使用する
ことができる。
【0078】本発明に使用されるポリイソシアネートの
イソシアネート含量(以下、NCO含量と略称する。)
は23〜33重量%、好ましくは25〜33重量%であ
る。また、粘度は35〜280mPa・s/25℃であ
【0079】本発明において、A液とB液の配合比は、
重量比でA液/B液/=0.7〜1.3の範囲で使用す
るのが好ましい。この範囲外の時は、強度が不足しやす
くなる。
【0080】本発明においては、必要に応じて、前述以
外の界面活性剤や触媒、その他顔料、染料、充填剤、ゲ
ル化防止剤、カップリング剤、発泡剤、分散剤、増粘
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐熱性付与剤等の各種
添加剤を添加することもできるが、あくまでも土壌汚染
をおこさないものに限定すべきである。
【0081】次に、土壌固結用注入薬液組成物を用いた
土壌安定強化止水工法に関して説明する。これまでに説
明してきた本発明の土壌固結用注入薬液組成物は発泡性
があり、かつ、無機系材料及び有機系材料の双方の良好
な特性を併せ持っている。本発明の土壌固結用注入薬液
組成物は、従来のものより、粘度が低く、また、A液と
B液の相溶性は飛躍的に向上している。このため、空隙
やクラックの多い軟質又は不安定な地盤、岩盤、破砕帯
層等の安定強化や止水に用いられる、本発明の土壌安定
強化止水工法は特に限定はなく、公知の方法はいずれも
採用しうる。
【0082】例えば、A液とB液のそれぞれの注入量、
圧力、配合比等をコントロールしうる比例配合ポンプを
用い、それぞれを別々のタンクに入れる。そして、岩盤
等の所定箇所(例えば、所定間隔で穿設された複数の
孔)に注入孔を設け、あらかじめ固定されたスタティッ
クミキサーや逆止弁等を内装した有孔のロックボルトや
注入ロッド等を通して、この中に前記タンク内の各成分
を加圧注入し、スタティックミキサーを用いて、所定量
の各成分を均一に混合する。このようにして、不安定な
岩盤や地盤等の所定の土壌に注入浸透、硬化させて固結
安定強化できる。
【0083】また、トンネルの天盤部に注入する場合に
は、注入に先立ち、例えば所定の間隔でレッグオーガー
等を用いて削孔し、所定の深さ、削孔角度の注入孔を設
け、この注入孔にスタティックミキサー及びロックボル
トを挿入する。そして、このロックボルトの口元を、注
入薬液の逆流を防ぐために、急結セメントや発泡硬質ポ
リウレタン樹脂をあらかじめ含浸させたウエス等を用い
てシールし、前記組成物を前記と同様の方法で注入する
こともできる。
【0084】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の土壌固結用
注入薬液組成物は、従来公知の無機−有機複合系の土壌
固結用注入薬液が有していた欠点を改良されたものであ
る。すなわち、本発明の固結用注入薬液組成物は、土壌
汚染や(地下水の)水質汚染を引き起こしやすい希釈
剤、可塑剤、難燃剤、触媒等を用いることなく、低粘度
化、低温安定性を達成でき、更にはA液とB液との相溶
性が飛躍的に向上するので均一な発泡体が得られ、安定
した強化土壌を発現できる。従って、寒冷期や寒冷地で
の現場施工の作業性が向上し、また、空隙やクラックの
多い軟質又は不安定な地盤、岩盤、破砕帯層等の土壌へ
の浸透性や充填性に優れた発泡性樹脂を得ることができ
る。更に、本発明の固結用注入薬液組成物を用いた土壌
安定強化止水工法土壌安定化工法により、山岳トンネ
ル、海底トンネル、大断面トンネル等のトンネル掘削工
事、大深度地下土木工事等において、岩盤又は地盤を広
範囲に確実にしかも高強度に安定化し止水することがで
きる。
【0085】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。特に断りのない限り、実施例及び比較例中の「部」
及び「%」はそれぞれ「重量部」及び「重量%」を示
す。
【0086】[B液の調製] 合成例1〜14 B液に用いるポリイソシアネートA〜D、I、J、N
は、NCO−1〜4、NCO−6〜10を、単独、ある
いは混合してB液とした。また、ポリイソシアネートE
〜H、K〜Mは、NCO−3、4、7、8の単独又は混
合物とOH−1〜7を表1、2に示す組み合わせで80
℃にて3時間反応させて、NCO基末端プレポリマーを
合成し、これをB液とした。ポリイソシアネートA〜N
に用いた原料の種類、使用量、分析値、低温安定性を表
1、2に示す。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】合成例1〜14及び表1、2において、各
原料は以下の通りである。 NCO−1 :MDI/ポリメリックMDI=100/0(重量比) MDI中のアイソマー合計の含有割合=50% NCO含量=33.5% NCO−2 :MDI/ポリメリックMDI=50/50(重量比) MDI中のアイソマー合計の含有割合=10% NCO含量=31.3% NCO−3 :MDI/ポリメリックMDI=100/0(重量比) MDI中のアイソマー合計の含有割合=28% NCO含量=33.6% NCO−4 :MDI/ポリメリックMDI=36/64(重量比) MDI中のアイソマー合計の含有割合=17% NCO含量=31.3% NCO−5 :MDI/ポリメリックMDI=30/70(重量比) MDI中のアイソマー合計の含有割合=50% NCO含量=31.1% NCO−6 :MDI/ポリメリックMDI=100/0(重量比) MDI中のアイソマー合計の含有割合=100% NCO含量=33.4% NCO−7 :MDI/ポリメリックMDI=100/0(重量比) MDI中のアイソマー合計の含有割合=0% NCO含量=33.7% NCO−8 :MDI/ポリメリックMDI=42/58(重量比) MDI中のアイソマー合計の含有割合=0% NCO含量=31.1% NCO−9 :MDI/ポリメリックMDI=10/90(重量比) MDI中のアイソマー合計の含有割合=30% NCO含量=28.7% OH−1 :数平均分子量=400、平均官能基数=2 EOユニット=100モル% OH−2 :数平均分子量=3,000、平均官能基数=3 EOユニット=80モル% OH−3 :数平均分子量=4,000、平均官能基数=2 EOユニット=80モル% OH−4 :数平均分子量=2,000、平均官能基数=1 EOユニット=65モル% OH−5 :数平均分子量=400、平均官能基数=2 EOユニット=50モル% OH−6 :数平均分子量=3,000、平均官能基数=3 EOユニット=30モル% OH−7 :数平均分子量=4,000、平均官能基数=2 EOユニット=0モル% また、低温安定性は、B液を−10℃で1ヶ月貯蔵し、
外観をチェックした。 良好:固化、沈殿等が発生せず、均一な状態である。 不良:固化、沈殿等が発生し、不均一な状態である。
【0090】[A液の調製] 合成例15〜21 表3に示す原料、配合比でA液を調製した。
【0091】
【表3】
【0092】合成例15〜21及び表3において、各原
料は以下の通りである。 珪酸塩水溶液:1号珪酸ソーダS2(東曹産業製) SURF−1:ドデシルベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩水溶液 (商品名ニュ−コール 210:日本乳化剤製) 固形分=88% SURF−2:アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸のナトリウム塩水溶液 (商品名ニュ−コール 271−A:日本乳化剤製) 固形分=47% アミン系触媒:N,N,N’−トリメチルアミノエチル−エタノールアミン OH−8 :数平均分子量=3000、開始剤=ジアミン EOユニット/POユニット=40/60(重量比)のポリエー テルポリオール OH−9 :数平均分子量=1000、開始剤=ジオール EOユニット/POユニット=0/100(重量比)のポリエー テルポリオール
【0093】[発泡試験、発泡体の物性測定] 実施例1〜8、比較例1〜6 A液とB液を表4、5に示す組み合わせ、配合比で配合
した後、600rpm/10秒間(20℃)の条件で混
合攪拌し、発泡させ、反応挙動、発泡体物性に関して、
以下に示す項目で試験した。結果を表4、5に示す。
【0094】表5に記載の比較例5、6に関して、ポリ
イソシアネートM、NをそのままB液として用いるには
粘度が高過ぎるため、ポリイソシアネートM、Nをプロ
ピレンカーボネートにて希釈したものをB液として使用
した。なお、ポリイソシアネートとプロピレンカーボネ
ートの配合比、希釈品の粘度は以下の通りである。 ポリイソシアネートM/プロピレンカーボネート=85/9.4(重量比) 希釈ポリイソシアネートMの粘度:110mPa・s/25℃ ポリイソシアネートN/プロピレンカーボネート=85/21.3(重量比) 希釈ポリイソシアネートNの粘度:120mPa・s/25℃
【0095】
【表4】
【0096】
【表5】
【0097】[発泡体の物性試験方法] (1)発泡速度及び発泡倍率 クリームタイム A液とB液を混合し始めてから、その配合液がクリーム
状に白濁して立ち上がってくるまでの時間を表す。 ライズタイム A液とB液を混合し始めてから、その配合液が泡化して
最高の高さに達するまでの時間を表す。 発泡倍率は、以下の式により算出する。 発泡倍率(倍)=発泡後の発泡体の容積(cc)/発泡
前の配合液の容積(cc) (2)一軸圧縮強度 JSF T511(土壌工学会基準の土の一軸圧縮試験
方法に準拠)に準じて行った。 (3)配合液の混合性、相溶性 得られた発泡体をJIS K−7222に即し、200
ml以上の発泡体から5個以上の試験片を取り出して密
度を測定した。 ○:全ての密度測定値が、単純平均値の±10%以内で
ある。 ×:単純平均値の±10%以内の範囲にない密度測定値
がある。 (4)土壌・水質汚染性 過マンガン酸カリウム(KMnO4 )消費量(COD
値) JIS K−0102(工場排水試験方法)の第17項
に即して行った。
【0098】表4の実施例1〜8は、発泡体の密度の分
布にバラツキがなく、配合液は均一状態、すなわちA液
とB液の相溶性は良好であったと考えられる。一方、表
5に記載の比較例1〜6についても同様にテストした結
果、いずれも発泡体の密度分布にバラツキが見られたの
で、配合液は不均一状態、すなわちA液とB液の相溶性
は良好ではなかったと考えられる。COD値について
は、表5に示すように、特に比較例5、6が高い値とな
り、土壌汚染を引き起こす可能性が大きい結果となっ
た。表4と表5の各種データを総括的に考察すると、実
施例は、発泡速度、発泡倍率、圧縮強度に関して、実施
例は比較例より同等あるいはそれ以上の物性であった。
相溶性は全ての実施例で問題がなく、また、COD値も
全ての実施例でガイドラインの規定する10mg/L以
下をクリヤーしているので、水質汚染性に関しては問題
ないといえる。
【0099】実施例9 破砕帯を有するトンネル天盤部に、42mmφビットの
レッグオーガーにより2m間隔で削孔角度25〜35°
(トンネル掘削方向に対する角度)で5個削孔し、この
孔に炭素鋼製の注入ボルト(外径27.2mm、内径1
5mm、長さ3m、静止ミキサー及び逆止弁内蔵)を挿
入し、口元部分30cmに2液硬質発泡ポリウレタン樹
脂を含浸させたメリヤス製ウエスを鉄棒で押し込みシー
ルした。次いで、この固定した各注入孔に、実施例7で
調製した土壌固結用注入薬液組成物を注入圧20〜50
kgf/cm2 、孔当たり80〜120kg注入した。
注入してから50分後に掘進によりトンネル地盤の状態
を調査したところ、地盤は、表面の孔を中心とした半径
5mの半球状で固結安定化していて、また、この範囲か
ら、漏水は全く確認されなかった。薬液注入固結部分を
サンプラーで5cmφ×10cmの円柱形状にサンプリ
ングし、一軸圧縮強度を測定したところ、190kgf
/cm2 であった。なお、未改良部は、破砕帯のためサ
ンプリング不可能であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C09K 103:00 C09K 103:00 (56)参考文献 特開 平9−183898(JP,A) 特開 平9−110961(JP,A) 特開 平4−283290(JP,A) 特開 平11−29770(JP,A) 特開 平11−116957(JP,A) 特開 平9−95673(JP,A) 特開 昭54−28399(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 17/00 - 17/52

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下に示すA液及びB液からなる土壌固
    結用注入薬液組成物。A液:以下に示す(A)及び
    (B)を含有する無機系液状物。 (A)珪酸塩水溶液。 (B)陰イオン系界面活性剤。 B液:以下に示す(a)及び(b)の混合物であって、
    (a)と(b)の組成比が、(a)/(b)=20/8
    0〜70/30(重量比)であポリイソシアネートを
    含有する、希釈剤又は可塑剤のいずれをも含有せず、且
    つ、粘度が35〜280mPa・s/25℃である有機
    系液状物。 (a)2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート及
    び2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを合計
    10〜55重量%、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
    シアネートを90〜45重量%からなる、ジフェニルメ
    タンジイソシアネート。 (b)1分子中にベンゼン環及びイソシアネート基を3
    個以上有するポリフェニレンポリメチレンポリイソシア
    ネート。
  2. 【請求項2】 以下に示すA液及びB液からなる土壌固
    結用注入薬液組成物。A液:以下に示す(A)及び
    (B)を含有する無機系液状物。 (A)珪酸塩水溶液。 (B)陰イオン系界面活性剤。 B液:以下に示す(a)〜(c)を反応させたイソシア
    ネート基末端プレポリマーであって、(a)と(b)の
    組成比が、(a)/(b)=20/80〜70/30
    (重量比)であポリイソシアネートに、(c)を反応
    させたイソシアネート基末端プレポリマーを含有する、
    希釈剤又は可塑剤のいずれをも含有せず、且つ、粘度が
    35〜280mPa・s/25℃である有機系液状物。 (a)2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート及
    び2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを合計
    10〜55重量%、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
    シアネートを90〜45重量%からなる、ジフェニルメ
    タンジイソシアネート。 (b)1分子中にベンゼン環及びイソシアネート基を3
    個以上有するポリフェニレンポリメチレンポリイソシア
    ネート。 (c)数平均分子量は200〜5,000であり、か
    つ、エチレンオキサイドユニットを60〜100重量%
    含有する水酸基含有ポリエーテル。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の土壌固結用注入薬
    液組成物におけるA液に、(C)活性水素化合物を添加
    した土壌固結用注入薬液組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の土壌固
    結用注入薬液組成物におけるA液に、(D)アミン系触
    媒を添加した土壌固結用注入薬液組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の土壌固
    結用注入薬液組成物を、あらかじめ土壌の所定箇所に設
    けた注入孔から注入して固結させることを特徴とする土
    壌安定強化止水工法。
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