JP2001303055A - 土壌ないし人工構造物用安定強化注入薬液組成物、及びそれを用いた土壌ないし人工構造物の安定強化止水工法 - Google Patents

土壌ないし人工構造物用安定強化注入薬液組成物、及びそれを用いた土壌ないし人工構造物の安定強化止水工法

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JP2001303055A
JP2001303055A JP2000121032A JP2000121032A JP2001303055A JP 2001303055 A JP2001303055 A JP 2001303055A JP 2000121032 A JP2000121032 A JP 2000121032A JP 2000121032 A JP2000121032 A JP 2000121032A JP 2001303055 A JP2001303055 A JP 2001303055A
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soil
stabilizing
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Mitsuhiro Yoshida
光宏 吉田
Kazuyuki Tanaka
一幸 田中
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Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
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Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な相溶性を示す無機−有機複合系の土壌
ないし人工構造物用注入薬液組成物、及びそれを用いた
土壌ないし人工構造物用安定強化止水工法を提供する。 【解決手段】 無機の珪酸塩及び/又は炭酸塩水溶液
(a)、エチレンジアミン四酢酸及び/又はその塩
(b)、有機ポリイソシアネート組成物(c)を含有す
ることを特徴とする、土壌ないし人工構造物用安定強化
注入薬液組成物、及びそれを用いた土壌安定強化止水工
法により解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土壌ないし人工構
造物用安定強化注入薬液組成物及びそれを用いた土壌な
いし人工構造物の安定強化止水工法に関するものであ
る。更に詳細には、無機の珪酸塩及び/又は炭酸塩水溶
液と有機ポリイソシアネートとの相溶性に優れ、その結
果、安定した充分な強度が発現する土壌ないし人工構造
物用安定強化注入薬液組成物及びそれを用いた土壌ない
し人工構造物の安定強化止水工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】不安定岩盤や不安定地盤の強化方法とし
て、無機−有機複合系の土壌安定化のための薬液が用い
られ、この薬液の一つとして水ガラスと称されるアルカ
リ珪酸塩水溶液と、ポリイソシアネートとの組み合わせ
が広く用いられている。
【0003】アルカリ珪酸塩水溶液とポリイソシアネー
トとは、それぞれ無機物と有機物との組み合わせである
が故に、本質的に相溶性不良の問題があり、そのため両
者の混合不良により均一な発泡体が得られず、安定した
強度の発現性が必ずしも期待できるレベルではなかっ
た。このため、アルカリ珪酸塩水溶液とポリイソシアネ
ートの混合性、相溶性、岩盤又は地盤への浸透性が悪く
なり、その改良が求められていた。
【0004】この改良方法は、例えば、特許第2591
540号、特公平7−72271号公報、特公昭62−
21039号公報、特開平7−242873号公報、特
開平11−116955号公報等に記載されており、そ
れぞれの公報の内容は、以下の通りである。 ・特許第2591540号には、(A)固形分濃度10
〜70質量%の珪酸ソーダ水溶液、並びに、(B)
(イ)ポリイソシアネートと(ロ)ポリイソシアネート
成分とは反応しないが、珪酸ソーダ水溶液成分によりア
ルカリ加水分解され、反応するエステル又はエーテルで
ある反応性希釈剤からなるポリイソシアネート組成物か
らなるトンネル掘削用の岩盤又は地盤の安定化用注入薬
液組成物が開示されている。 ・特公平7−72271号公報には、(A)珪酸ソーダ
水溶液、並びに、(B)(イ)オキシアルキレン鎖中に
5質量%以上のオキシエチレン鎖を有するポリオキシア
ルキレン系の水酸基含有化合物と(ロ)有機ポリイソア
ネートを反応させて得られる遊離のイソシアネート基を
含有する親水性ウレタンプレポリマーからなる土質又は
人工構造物等の安定化用注入薬液組成物が開示され、ま
た、この公報中には、前述の反応性希釈剤を用いてよい
旨の記載がある。 ・特公昭62−21039号公報には、(イ)末端イソ
シアネート基含有親水性ウレタンプレポリマー単独又は
該末端イソシアネート基含有親水性ウレタンプレポリマ
ーに不活性希釈剤を配合した主剤、並びに、(ロ)希薄
珪酸塩水溶液を用いる地盤安定化工法が記載されてい
る。 ・特開平7−242873号公報には、(A)アルカリ
ケイ酸塩水溶液、(B)三級アミン、(C)陽イオン界
面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤
及びHLBが4〜10の非イオン界面活性剤から選ばれ
た少なくとも1種の界面活性剤、及び(D)有機ポリイ
ソシアネート化合物からなる土質等の安定化注入薬液組
成物及びそれに関連する安定強化工法が記載されてい
る。 ・特開平11−116955号公報には、(A)珪酸塩
水溶液、(B)陰イオン系界面活性剤からなるA液と、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートに対する
2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネートと2,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの合計量の比
が特定比率であるジフェニルメタンジイソシアネートと
ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートとから
なるB液とを構成成分とする土壌固結用注入薬液組成物
及びそれに関連する土壌安定強化止水工法が記載されて
いる。
【0005】これらの反応性希釈剤、オキシアルキレン
構造を有するポリオキシアルキレン系の水酸基含有化合
物変性による親水性ウレタンプレポリマー、更には界面
活性剤を用いる方法は、アルカリ珪酸塩水溶液とポリイ
ソシアネートの相溶性向上に貢献できる技術ではある。
しかし、アルカリ珪酸塩水溶液とポリイソシアネート
は、それぞれ無機物と有機物との組み合わせであるが故
に、どうしても本質的には相溶性不良の問題は解決でき
ず、そのため両者の混合不良により均一な発泡体が得ら
れず、安定した強度の発現性が必ずしも期待できるレベ
ルではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは
上記課題解決のために、前記先行技術とは異なった観点
から取り組み、無機の珪酸塩及び/又は炭酸塩水溶液に
含まれる金属成分に積極的に関与する物質の探索研究に
焦点を絞り、鋭意研究を重ねた結果、特殊構造を有する
相溶化剤を組み合わせることにより上述の問題点、すな
わち無機の珪酸塩及び/又は炭酸塩水溶液と、ポリイソ
シアネートとの相溶性の飛躍的な向上が達成できること
を見い出し、本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は以下
の(1)〜(4)である。 (1) 無機の珪酸塩及び/又は炭酸塩水溶液(a)、
エチレンジアミン四酢酸及び/又はその塩(b)、有機
ポリイソシアネート組成物(c)を含有することを特徴
とする、土壌ないし人工構造物用安定強化注入薬液組成
物。 (2) 更に活性水素基含有化合物(d)を含有するこ
とを特徴とする、前記(1)の土壌ないし人工構造物用
安定強化注入薬液組成物。 (3) 前記(1)又は(2)の安定強化注入薬液組成
物を、あらかじめ土壌の所定箇所に設けた注入孔から注
入して固結させることを特徴とする、土壌安定強化止水
工法。 (4) 前記(1)又は(2)の安定強化注入薬液組成
物を、あらかじめ人工構造物の所定箇所に設けた注入孔
から注入して固結させることを特徴とする、人工構造物
の安定強化止水工法。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の安定強化注入薬液
組成物の構成成分について述べる。本発明に用いられる
無機の珪酸塩及び/又は炭酸塩水溶液(a)は、珪酸イ
オン及び/又は炭酸イオンと金属イオンからなる塩の水
溶液であり、金属イオンはアルカリ金属イオンを含有す
るものが好ましい。
【0009】無機の珪酸塩水溶液としては、珪酸化合物
の種々のアルカリ金属塩水溶液が挙げられる。例えば、
二酸化珪素を20〜40質量%、及び、酸化ナトリウム
を5〜20質量%含有する水溶液が好ましく、更には、
二酸化珪素を21〜36質量%、酸化ナトリウムを8〜
17質量%含有する珪酸塩水溶液が好ましい。珪酸塩水
溶液における酸化ナトリウムと二酸化珪素のモル比は、
酸化ナトリウム:二酸化珪素=2〜1:1〜4である。
また、このような珪酸塩水溶液の固形分は、10〜70
質量%、好ましくは20〜50質量%である。市販され
ている珪酸塩水溶液の固形分が高すぎる場合は、水で希
釈してもよい。具体的な商品としては、1号珪酸ソーダ
S2、2号珪酸ソーダN5、2号珪酸ソーダQ3、2号
珪酸ソーダT8(東曹産業製)等が挙げられる。
【0010】また、無機の炭酸塩水溶液としては、同様
に炭酸化合物の種々のアルカリ金属塩水溶液、アルカリ
土類金属塩水溶液等が挙げられ、例えば、炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。
このような炭酸塩水溶液の固形分は、10〜60質量
%、好ましくは20〜50質量%である。
【0011】本発明に用いられるエチレンジアミン四酢
酸(以後、EDTAと略す)及び/又はその塩(b)
は、元来、金属イオンや親水性の有機イオン分子と安定
な錯体を形成して有機化合物に相溶しやすくする働きを
有する有機分子である。このEDTA及び/又はその塩
(b)を、無機の珪酸塩及び/又は炭酸塩水溶液(a)
に配合することにより、EDTA及び/又はその塩
(b)は、(a)中に存在する金属イオンに対して選択
的に配位して、有機ポリイソシアネート組成物(c)に
対する相溶化剤的な効果を発現する。
【0012】例えば、EDTAを珪酸ナトリウム水溶液
に混合することにより、EDTA−二ナトリウム塩が生
じ、必要に応じて使用する後述の活性水素基含有化合物
(d)、触媒、界面活性剤、希釈剤に対する相溶化剤と
しても効果を発現し、液分離を起こさないA液を提供す
るだけでなく、有機ポリイソシアネート組成物(c)と
組み合わせた場合にも均一に混合する。炭酸塩水溶液に
混合して使用する場合にも同様に、そこに含まれる金属
イオンと錯体を形成し、同様の効果を示す。その結果、
実際の施工現場で使用前に容器を振とうしたり、タンク
に入れて攪拌したり、更にはスタティックミキサー等の
混合装置を用いて現場施工する等の作業時における不都
合もなく、両者の相溶性向上による均一な発泡体が得ら
れ、安定した強度が発現できる。
【0013】本発明には、EDTAそのものだけでな
く、EDTAの各種の塩、例えば、完全中和された塩、
部分的に中和された塩、錯塩等を挙げることができる。
具体的には、例えば、EDTA−二ナトリウム塩、ED
TA−カルシウム錯塩、EDTA−鉄錯塩、EDTA−
亜鉛錯塩等を挙げられる。
【0014】このEDTA及び/又はその塩(b)の添
加量は、固形分換算の無機の珪酸塩及び/又は炭酸塩水
溶液(a)に対して、0.05〜5質量%が好ましい。
0.05質量%より少ないと無機の珪酸塩及び/又は炭
酸塩水溶液(a)と、有機ポリイソシアネート組成物
(c)との相溶性が悪くなりやすく、5質量%より多い
と強度、発泡倍率に悪影響を及ぼす。
【0015】本発明に用いられる有機ポリイソシアネー
ト組成物(c)としては、例えば、ジフェニルメタンジ
イソシアネート(以下、MDIと称する)、MDIとM
DI系多核縮合体との混合物(以下、ポリメリックMD
Iと称する)、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイ
ソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,
4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニ
ルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジ
フェニルプロパンジイソシアネート、1,2−フェニレ
ンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネ
ート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1,4−
ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイ
ソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,
4′−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシア
ネート、2,6−トリレンジイソシアネート、o−キシ
レンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネー
ト、p−キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシ
リレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テ
トラメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネー
ト等の脂肪族ジイソシアネート、テトラメチルキシレン
ジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、水素添加トルエンジイソシ
アネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添
加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラ
メチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシア
ネート、また、これら有機ジイソシアネートのビウレッ
ト変性体、イソシアヌレート変性体、ウレトンイミン変
性体、ウレトジオン変性体、カルボジイミド変性体等の
いわゆる変性ポリイソシアネートも使用できる。これら
のイソシアネートは単独又は2種以上の混合物で使用す
ることができる。
【0016】また前記のポリイソシアネートを水酸基含
有化合物を変性剤として変性したウレタン変性ポリイソ
シアネートも好適に使用できる。この変性剤としては、
低分子モノオール類、低分子ポリオール類、低分子アミ
ノアルコール類、低分子グリコールエーテル類、高分子
モノオール類、高分子ポリオール類等が挙げられる。
【0017】この変性剤は、数平均分子量が32〜5,
000、好ましくは300〜4,500であり、この平
均官能基数としては1〜5が好ましく、1〜3が更に好
ましい。
【0018】低分子モノオール類としては、例えば、メ
タノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノ
ール、n−アミルアルコール、n−ヘキサノール、n−
ヘプタノール、n−オクタノール、n−ノナノール、n
−デカノール、n−ラウリルアルコール、n−トリデカ
ノール、n−テトラデカノール、n−ペンタデカノー
ル、n−ヘプタデカノール、n−オクタデカノール(ス
テアリルアルコール)、i−プロパノール、i−ブタノ
ール、2−エチルヘキサノール、メチル−1−ノナノー
ル、ジメチル−1−オクタノール、テトラメチル−1−
ヘキサノール、3−エチル−4,5,6−トリメチルオ
クタノール、4,5,6,7−テトラメチルノナノー
ル、2−ヘキシルドデカノール、2−ヘキサデシルオク
タノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサンメタノ
ール等の単品又は2種以上の混合物が挙げられる。
【0019】低分子ポリオール類としては、エチレング
リコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパ
ンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2
−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチ
ル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2,
4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチ
ル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリ
ン、ソルビトール、蔗糖等の単品又は2種以上の混合物
が挙げられる。
【0020】低分子アミノアルコール類としては、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジ
エタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−
n−ブチルエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノ
ールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミ
ン、N−(β−アミノエチル)イソプロパノールアミン
等の単品又は2種以上の混合物が挙げられる。
【0021】低分子グリコールエーテル類としては、例
えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコール
モノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシル
エーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテ
ル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエー
テル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコ
ールエーテル等の単品又は2種以上の混合物が挙げられ
る。
【0022】高分子モノオール類としては、前述の低分
子モノオール類、低分子アミノアルコール類、低分子グ
リコールエーテル類のうち、活性水素を1個有する化合
物の単独又は混合物にエチレンオキサイド、プロピレン
オキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド
等のアルキレンオキサイドを単独又は併用し、公知の方
法で付加重合して得られるポリエーテルモノオール類が
挙げられる。また、前述の低分子モノオールの単独又は
混合物に、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン等
の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得ら
れるラクトン系ポリエステルモノオールが挙げられる。
【0023】高分子ポリオール類としては、ポリエーテ
ルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカー
ボネートポリオール類等が挙げられる。これらは単独又
は2種以上を混合して用いることができる。
【0024】ポリエーテルポリオール類としては、前述
の低分子ポリオール類、低分子アミノアルコール類、低
分子ポリアミン類の単独又は2種以上の混合物を開始剤
として、エチレンオキサイド(以後、EOと略す)、プ
ロピレンオキサイド(以後、POと略す)、ブチレンオ
キサイド、アミレンオキサイド等のアルキレンオキサイ
ド、メチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジル
エーテル、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグ
リシジルエーテル、テトラヒドロフラン等の環状エーテ
ルモノマー単品又は混合物を公知の方法により付加重合
することで得られるものが挙げられる。
【0025】ポリエステルポリオール類としては、前述
の低分子ポリオール類、低分子アミノアルコール類、エ
チレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリ
アミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、
ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン、イソ
ホロンジアミン等の低分子ポリアミン類の単独又は2種
以上の混合物と、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、
アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフ
タル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソ
フタル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジ
カルボン酸、トリメリット酸、ヘキサヒドロトリメリッ
ト酸等のポリカルボン酸、酸エステル、又は酸無水物等
の1種以上との縮合反応で得られる、ポリエステルポリ
オール又はポリエステルアミドポリオールが挙げられ
る。また、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン等
の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得ら
れるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
【0026】ポリカーボネートポリオール類としては、
前述のアルコール類のうち1分子中に活性水素基を2個
以上有するものと、ジエチレンカーボネート、ジメチル
カーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカー
ボネート等との脱アルコール反応、脱フェノール反応等
で得られるものが挙げられる。
【0027】ウレタン変性ポリイソシアネートを得る際
の、イソシアネート基と水酸基との当量比(イソシアネ
ート基/水酸基)は1.5〜500が好ましく、更には
5〜400の範囲が好ましい。
【0028】本発明では、作業性、毒性、強度等の総合
的判断から、有機ポリイソシアネート組成物(c)は、
ポリメリックMDI、ポリメリックMDIのウレタン変
性ポリイソシアネートが好ましい。また、この両者のポ
リメリックMDIにおいて、MDIとMDI系多核縮合
体との質量構成比は、MDI:MDI系多核縮合体=2
0:80〜70:30が好ましく、MDI:MDI系多
核縮合体=30:70:〜60:40がより好ましい。
【0029】ポリメリックMDI中のMDIが少なすぎ
る場合は、有機ポリイソシアネート化合物(c)の低粘
度化が達成しにくい。また、MDIが多すぎる場合は、
(c)の低温安定性が低下しやすい。
【0030】ポリメリックMDI中に存在するMDI
は、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート(以
下、2,2′−MDIと略称する)、2,4′−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート(以下、2,4′−MDI
と略称する)、及び4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート(以下、4,4′−MDIと略称する)の3
種類の異性体の任意割合の混合物である。本発明におけ
るMDIの異性体質量構成比は、(2,2′−MDI+
2,4′−MDI):4,4′−MDI=0:100〜
50:50が好ましく、更には(2,2′−MDI+
2,4′−MDI):4,4′−MDI=5:95〜4
5:55がより好ましい。
【0031】MDI中の2,2′−MDIと2,4′−
MDIの合計量が、50質量%を越える場合は、4,
4′−MDIよりも、2,2′−MDIや2,4′−M
DIの方が分子構造的に柔軟なため、発泡体の物性が発
現しにくくなる。
【0032】本発明に使用される有機ポリイソシアネー
ト組成物(c)のイソシアネート含量は、23〜33質
量%、好ましくは25〜33質量%である。また、25
℃における粘度は30〜300mPa・sが好ましく、
35〜280mPa・sが更に好ましい。
【0033】本発明において、(a)と(c)の配合比
は、質量比で(a)/(c)=0.5〜2.0の範囲で
使用するのが好ましい。この範囲外の時は、強度が不足
しやすくなる。
【0034】本発明においては、更に活性水素基含有化
合物(d)、触媒、界面活性剤を用いると、強度やその
発現速度や作業性の点で好ましくなる。また、作業性を
考慮して、希釈剤を用いることもできる。その際、前記
EDTA及び/又はその塩(b)を用いることにより、
無機の珪酸塩及び/又は炭酸塩水溶液(a)と、活性水
素基含有化合物(d)、触媒、界面活性剤、希釈剤との
相溶性が向上する。また、有機ポリイソシアネート組成
物(c)と反応が均一に進行し、安定した充分な強度を
有する発泡体を形成することができる。
【0035】この活性水素基含有化合物(d)として
は、前述の変性剤として用いられる、低分子モノオール
類、低分子ポリオール類、低分子アミノアルコール類、
低分子グリコールエーテル類、高分子モノオール類、高
分子ポリオール類の他、後述する低分子モノアミン類、
低分子ポリアミン類、高分子ポリアミン類等が挙げられ
る。
【0036】低分子モノアミン類としては、例えば、エ
チルアミン、ブチルアミン、ジエチルアミン、ジブチル
アミン、アニリン、N−メチルアニリン、ジフェニルア
ミン等が挙げられる。
【0037】低分子ポリアミンとしては、エチレンジア
ミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、ト
ルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニル
メタンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジア
ミン等の単品又は2種以上の混合物が挙げられる。
【0038】高分子ポリアミン類としては、分子内にオ
キシアルキレン構造を有するポリオキシアルキレンポリ
アミン類を挙げることができ、例えば、ポリオキシプロ
ピレンジアミンとして、ジェファーミンD−2000
(ハンツマン・スペシャリティー・ケミカルズ社製、ア
ミン当量約1,000)やポリオキシプロピレントリア
ミンとして、テックスリムTR−5050(ハンツマン
・スペシャリティー・ケミカルズ社製、アミン当量約
1,930)、ジェファーミンT−403(ハンツマン
・スペシャリティー・ケミカルズ社製、アミン当量約1
60)等の単品又は2種以上の混合物が挙げられる。
【0039】活性水素基含有化合物(d)の好ましい数
平均分子量は、32〜5,000が好ましく、更には5
00〜4,000が好ましい。また、平均官能基数は1
〜5が好ましく、更には、2〜4が特に好ましい。ま
た、活性水素基含有化合物(d)の配合量としては、無
機の珪酸塩及び/又は炭酸塩水溶液(a)/活性水素基
含有化合物(d)=100/5〜100/30(質量
比)が好ましい。
【0040】触媒としては、アミン系触媒、金属系触媒
等が挙げられ、アミン系触媒の具体例として、トリエチ
ルアミン、トリエチレンジアミン、N,N,N′,N′
−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N−ジメ
チルアニリン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザ
−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、N−メチル
イミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−エチルイ
ミダゾール、1−プロピルイミダゾール、1−シアノイ
ミダゾール、1−シアノメチルイミダゾール、1,2−
ジメチルイミダゾール、1,4−ジメチルイミダゾー
ル、1−メチル−2−エチルイミダゾール、1−メチル
−4−エチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイ
ミダゾール、1−エチル−4−メチルイミダゾール、ピ
リジン、α−ピコリン等が挙げられる。
【0041】また、有機ポリイソシアネート組成物
(c)と反応する活性水素基を有するアミン系触媒とし
て、N,N−ジメチルエタノールアミン等のN,N−ジ
アルキルアルカノールアミン、N−メチルジエタノール
アミン等のN−アルキルジアルカノールアミン、トリエ
タノールアミン等のトリアルカノールアミン、N,N,
N′−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,
N,N′,N′−テトラメチルヒドロキシプロピレンジ
アミン等も使用することができる。
【0042】なお、同じく反応性を調整する目的で使用
される金属系触媒のうち、ジブチルチンジラウレート、
ジオクチルチンジラウレート等の触媒は、岩盤ないし地
盤固結用の注入薬液に関する「山岳トンネル工法におけ
るウレタン注入の安全管理に関するガイドライン」(平
成4年10月 日本道路公団発行)の中で挙げられてい
る地下水の水質管理の観点から判断して、土壌汚染のお
それがあるため好ましくない。
【0043】触媒の配合量は、質量比で有機ポリイソシ
アネート組成物(c)に対して、0.01〜20質量%
が好ましく、特に0.03〜15質量%が好ましい。か
かる触媒成分の配合量が前記下限値未満である場合に
は、硬化反応が不充分で、目的とした成形体が得られに
くくなる傾向があり、また前記上限値を越える場合に
は、硬化反応が速すぎて、注入する以前に土壌ないし人
工構造物用安定強化注入薬液組成物が固結してしまうた
め好ましくない。
【0044】界面活性剤としては、オキシエチレン基を
有するポリエーテルであって、末端が活性水素基ではな
いものが挙げられる。このようなポリエーテルは、前述
の高分子モノオールであってポリエーテルタイプのもの
と、1個の活性水素基を含有する有機化合物とを縮合す
ることによって得られる。
【0045】また、シリコーン系界面活性剤も挙げるこ
とができ、例えば、各種のシロキサンポリアルキレンオ
キサイドブロック共重合体が挙げられる。具体的には、
日本ユニカー製のL−5340、テー・ゴールドシュミ
ット製のB−8451、B−8407等が挙げられる。
なお、界面活性剤の添加量は、固形分換算で無機の珪酸
塩及び/又は炭酸塩水溶液(a)に対して0.05〜5
質量%が好ましい。
【0046】希釈剤は、直接有機ポリイソシアネート組
成物(c)と反応しないものであって、(c)の低粘度
化に効果のあるものならば全て用いることができる。具
体的には、芳香族系又は脂肪族系の二塩基酸のジエステ
ル類、モノ又は多価アルコール類の酢酸エステル類、ア
ルキレンカーボネート類、エーテル類、環状エステル
類、酸無水物、各種のアクリル酸エステル、メタクリル
酸エステル類等が挙げられる。
【0047】なお、本発明においては、必要に応じて、
前述以外の触媒、界面活性剤、希釈剤、及びその他顔
料、染料、充填剤、ゲル化防止剤、カップリング剤、発
泡剤、分散剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐
熱性付与剤等の各種添加剤を添加することもできるが、
あくまでも土壌汚染をおこさないものに限定すべきであ
る。
【0048】本発明の安定強化注入薬液組成物は、前述
の(c)を主成分とする薬液(以後、B液と称する)
と、(c)以外の成分をあらかじめ配合した薬液(以
後、A液と称する)の、2液混合タイプの薬液として、
使用直前にA液とB液を混合して使用するのが好まし
い。なお、希釈剤を用いる場合は、B液に配合しておく
ことが好ましい。
【0049】本発明の土壌ないし人工構造物の安定強化
止水工法は、前述の土壌ないし人工構造物用安定強化注
入薬液組成物を用いる以外は特に限定はなく、公知の方
法はいずれも採用しうる。前述の安定強化注入薬液組成
物において、前述のように2液タイプとして用いる場
合、A液とB液の相溶性は飛躍的に向上している。この
ため、空隙やクラックの多い軟質又は不安定な地盤、岩
盤、破砕帯層等の土壌や、空隙やクラックの生じたコン
クリート等の人工構造物に対して、効果的に安定強化や
止水が行えることになる。
【0050】例えば、A液とB液のそれぞれの注入量、
圧力、配合比等をコントロールしうる比例配合ポンプを
用い、それぞれを別々のタンクに入れる。そして、岩盤
等の所定箇所(例えば、所定間隔で穿設された複数の
孔)に注入孔を設け、あらかじめ固定されたスタティッ
クミキサーや逆止弁等を内装した有孔のロックボルトや
注入ロッド等を通して、この中に前記タンク内の各成分
を加圧注入し、スタティックミキサーを用いて、所定量
の各成分を均一に混合する。このようにして、不安定な
岩盤や地盤等の所定の土壌に注入浸透、硬化させて固結
安定強化できる。
【0051】また、トンネルの天盤部に注入する場合に
は、注入に先立ち、例えば所定の間隔でレッグオーガー
等を用いて削孔し、所定の深さ、削孔角度の注入孔を設
け、この注入孔にスタティックミキサー及びロックボル
トを挿入する。そして、このロックボルトの口元を、注
入薬液の逆流を防ぐために、急結セメントや発泡硬質ポ
リウレタン樹脂をあらかじめ含浸させたウエス等を用い
てシールし、前記組成物を前記と同様の方法で注入す
る。
【0052】トンネルの天盤部に注入する場合には、注
入に先立ち、例えば所定の間隔でレッグオーガー等を用
いて削孔し、所定の深さ、削孔角度の注入孔を設け、こ
の注入孔にスタティックミキサー及びロックボルトを挿
入する。そして、このロックボルトの口元を、注入薬液
の逆流を防ぐために、急結セメントや発泡硬質ポリウレ
タン樹脂をあらかじめ含浸させたウエス等を用いてシー
ルし、前記組成物を前記と同様の方法で注入する。
【0053】また、コンクリート等の人工構造物のクラ
ックの安定強化止水は、該クラック面に対して、所定の
間隔でドリル等を用いて削孔し、所定の深さ、削孔角度
の注入孔を設け、孔内の削りくずや粉塵等を圧縮空気等
で除去し、この注入孔にスタティックミキサー及びロッ
クボルトを挿入する。そして、このロックボルトの口元
を、注入薬液の逆流を防ぐために、急結セメントや発泡
硬質ポリウレタン樹脂をあらかじめ含浸させたウエス等
を用いてシールし、前記組成物を前記と同様の方法で注
入する。
【0054】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の土壌ないし
人工構造物用安定強化注入薬液組成物は、従来公知の無
機−有機複合系の土壌固結用注入薬液が有していた無機
の珪酸塩及び/又は炭酸塩水溶液と有機ポリイソシアネ
ート組成物との相溶性不良、及び無機の珪酸塩及び/又
は炭酸塩水溶液に、水酸基含有化合物、触媒、界面活性
剤、希釈剤を配合した場合の液分離を解消したものであ
る。更に、均一な発泡体が得られ、安定した強度が発現
し、空隙やクラックの多い軟質又は不安定な地盤、岩
盤、破砕帯層等の土壌の安定化に貢献できる。また、そ
の注入薬液組成物を用いた工法により、山岳トンネル、
海底トンネル、大断面トンネル等のトンネル掘削工事、
大深度地下土木工事等における岩盤又は地盤を、また、
ビルや橋梁、コンクリート敷設斜面等の人工構造物を、
広範囲に確実にしかも高強度に安定化し止水することが
できる。
【0055】
【実施例】本発明の土壌固結用注入薬液組成物及びそれ
を用いた土壌安定強化止水工法を、製造例及び実施例に
基づいて更に詳細に説明するが、本発明はかかる製造例
及び実施例のみに限定されるものではない。
【0056】[A液の調製] 合成例1〜5 表1に示す原料、配合比によりA液としてA1〜A5を
調製した。使用した各原料は以下の通りである。 珪酸塩水溶液:1号珪酸ソーダS2 固形分=36% 炭酸塩水溶液:炭酸ナトリウム水溶液 固形分=40% ED−1:エチレンジアミン四酢酸 ED−2:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 ED−3:エチレンジアミン四酢酸カルシウム錯塩 P:N,N,N′,N′−テトラメチルヘキサメチレン
ジアミン Q:B−8407(テー・ゴールドシュミット製シリコ
ーン系界面活性剤) OH−1:グリセリン(分子量=92、官能基数=3) OH−2:数平均分子量=2,000、平均官能基数=
2 EOユニット/POユニット=100/0(質量比)の
ポリエーテルポリオール
【0057】
【表1】
【0058】[B液の調製] 合成例6〜11 攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた、
容量が2,000mlの反応器を用いて、原料イソシア
ネートと原料モノまたポリオールを表2に示す量を仕込
んだ後、80℃まで昇温して3時間反応させて、有機ポ
リイソシアネート組成物B1〜B6を得た。原料の種
類、使用量、分析値を表2に示す。
【0059】 [B液を構成する合成原料] PMDI−1:ポリメリックMDI NCO含量=31.1% ポリメリックMDI中のMDI含有量=40% MDI中の4,4′−MDI以外の異性体含有量=1% PMDI−2:ポリメリックMDI NCO含量=32.4% ポリメリックMDI中のMDI含有量=50% MDI中の4,4′−MDI以外の異性体含有量=25% PMDI−3:ポリメリックMDI NCO含量=32.9% ポリメリックMDI中のMDI含有量=70% MDI中の4,4′−MDI以外の異性体含有量=15% OH−3:数平均分子量=400、平均官能基数=1 EO/PO=100/0(モル比) 開始剤=メタノール OH−4:数平均分子量=2,000、平均官能基数=2 EO/PO=80/20(モル比) 開始剤=エチレングリコール OH−5:数平均分子量=4,000、平均官能基数=3 EO/PO=0/100(モル比) 開始剤=トリメチロールプロパン OH−6:数平均分子量=1,000、平均官能基数=2 3−メチルペンタンジオールとアジピン酸とのポリエステルジオール OH−7:ジエチレングリコール(分子量=106、官能基数=2) R:プロピレンカーボネート
【0060】
【表2】
【0061】[発泡試験、発泡体の物性測定] 実施例1〜5、比較例1〜4 A液とB液を表3に示す組み合わせ、配合比で配合した
後、600rpm/10秒間(20℃)の条件で混合攪
拌し、発泡させ、反応挙動、発泡体物性に関して、以下
に示す項目で試験した。結果を表3に示す。
【0062】
【表3】
【0063】[発泡体の物性試験方法] (1)発泡速度及び発泡倍率 1)クリームタイム A液とB液を混合し始めてから、その配合液がクリーム
状に白濁して立ち上がってくるまでの時間を表す。 2)ライズタイム A液とB液を混合し始めてから、その配合液が泡化して
最高の高さに達するまでの時間を表す。 3)発泡倍率は、以下の式により算出する。 発泡倍率(倍)=発泡後の発泡体の容積(cm3)/発
泡前の配合液の容積(cm3) (2)一軸圧縮強度 JSF T511(土壌工学会基準の土の一軸圧縮試験
方法に準拠)に準じて行った。 (3)A液の液分離性の有無 前記のA1〜5の調製後に、室温下で1時間後の外観を
チェックし、珪酸塩及び/又は炭酸塩水溶液(通常、下
層に存在する)とそれ以外の成分の液の分離の程度を目
視で判定した。均一状態を示すものを、液分離性が「な
し」と判定し、液分離を示すものを「あり」と判定し
た。 (4)発泡体の均一性 得られた発泡体をJIS K−7222に即し、200
ml以上の発泡体から5個以上の試験片を取り出して密
度を測定した。 ○:全ての密度測定値が、単純平均値の±10%以内で
ある。 ×:単純平均値の±10%以内の範囲にない密度測定値
がある。
【0064】実施例6 破砕帯を有するトンネル天盤部に、42mmφビットの
レッグオーガーにより2m間隔で削孔角度25〜35°
(トンネル掘削方向に対する角度)で5個削孔し、この
孔に炭素鋼製の注入ボルト(外径27.2mm、内径1
5mm、長さ3m、静止ミキサー及び逆止弁内蔵)を挿
入し、口元部分30cmに2液硬質発泡ポリウレタン樹
脂を含浸させたメリヤス製ウエスを鉄棒で押し込みシー
ルした。次いで、この固定した各注入孔に、実施例2で
調製した土壌固結用注入薬液組成物を注入圧2〜5MP
a、孔当たり80〜120kg注入した。注入してから
50分後に掘進によりトンネル地盤の状態を調査したと
ころ、地盤は、表面の孔を中心とした半径5mの半球状
で固結安定化していて、また、この範囲から、漏水は全
く確認されなかった。薬液注入固結部分をサンプラーで
5cmφ×10cmの円柱形状にサンプリングし、一軸
圧縮強度を測定したところ、28MPaであった。な
お、未改良部は、破砕帯のためサンプリング不可能であ
った。
【0065】実施例7 鉄筋コンクリートのビルの屋上スラブの立ち上がりコー
ナー部に発生したクラックに沿って10mmφのドリル
にて30cm間隔で深さ約5cmの孔を削孔し、孔内を
圧縮空気で削りくず等を吹き飛ばした。次いで、脱脂綿
を約5mm厚で削孔上にのせ、その上から外形10mm
の注入パイプを打ち込んだ。次いで、この固定した各注
入孔に、実施例2で調製した安定強化注入薬液組成物を
手押しポンプで、孔当たり1〜1.5kg注入した。注
入後、注入パイプを取り除き、孔にコルク栓を打ち込
み、モルタルを塗布して仕上げた。その後、激しい降雨
があったが、漏水は全く確認されなかった。なお、この
処置を施さなかった部分は、漏水が確認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 17/14 C09K 17/14 P 17/30 17/30 P 17/42 17/42 P 17/48 17/48 P E02D 3/12 101 E02D 3/12 101 // C09K 103:00 C09K 103:00 107:00 107:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機の珪酸塩及び/又は炭酸塩水溶液
    (a)、エチレンジアミン四酢酸及び/又はその塩
    (b)、有機ポリイソシアネート組成物(c)を含有す
    ることを特徴とする、土壌ないし人工構造物用安定強化
    注入薬液組成物。
  2. 【請求項2】 更に活性水素基含有化合物(d)を含有
    することを特徴とする、請求項1記載の土壌ないし人工
    構造物用安定強化注入薬液組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の安定強化注入薬
    液組成物を、あらかじめ土壌の所定箇所に設けた注入孔
    から注入して固結させることを特徴とする、土壌安定強
    化止水工法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の安定強化注入薬
    液組成物を、あらかじめ人工構造物の所定箇所に設けた
    注入孔から注入して固結させることを特徴とする、人工
    構造物の安定強化止水工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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