JP7272106B2 - 岩盤固結用注入薬液組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、湧水・漏水の多い環境下でも使用することができる注入薬液組成物に関する。
不安定岩盤や不安定地盤の強化方法として、例えばロックボルト工法と呼ばれるトンネル掘削時に周辺地山の安定化を行う工法がある。この工法は、ボルトを薬液にて固定・定着させることによって、トンネル構造物を保護することを目的として行われるものである。このような岩盤固結用の注入薬液としては、従来、高い強度を有するモルタルなどの無機系材料が使用されてきた。しかし、これら無機系材料は、強度発現までに要する時間が長いことから作業効率が悪く、また漏水や湧水が発生する場合では材料が水中に流出してしまうという問題があった。
昨今、漏水や湧水が発生しやすい地域でトンネル掘削が行われる中、湧水下で岩盤固結用薬液を注入するケースが増加しており、薬液による湧水の汚染や、薬液注入によっても止水できない漏水が掘削作業の効率や安全面での障害となり、改善が求められている。
これらの問題を解決するため、無機-有機複合系の土壌安定化薬液、すなわち水ガラスと称する珪酸塩水溶液とポリイソシアネート組成物とを組み合わせた注入薬液が使用されている。
例えば、特許文献1では、アミン触媒を含有する珪酸塩水溶液成分とポリエーテルポリオールで変性されたジフェニルメタンジイソシアネートを希釈剤により減粘したイソシアネート成分とを岩盤固結用の注入薬液として用いることにより、無機系の欠点である長い硬化時間及び強度発現時間を改善できることが報告されている。しかしながら、当該イソシアネート成分には、減粘成分として希釈剤が含まれていることから、原料引火点低下による作業の安全性悪化や硬化物の強度低下の懸念がある。
特許第4527413号公報
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、漏水や湧水が多い環境下においても安定した作業性及び反応性が得られ、希釈剤を含むことなく低い粘度を有し、引火などの恐れが低く、高い強度により優れた地盤改良性を確保した岩盤固結用注入薬液組成物の提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、珪酸ナトリウム水溶液を含むポリオール成分(A)と、ジフェニルメタンジイソシアネート及びポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートと特定のモノオールとの反応生成物を含むポリイソシアネート成分(B)とからなる岩盤固結用注入薬液組成物により、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の[1]~[5]の実施形態を含むものである。
[1]ポリオール成分(A)と、ポリイソシアネート成分(B)とからなる岩盤固結用注入薬液組成物であって、ポリオール成分(A)が珪酸ナトリウム水溶液、有機ポリオール、3級アミン触媒を含み、ポリイソシアネート成分(B)が、ジフェニルメタンジイソシアネート及びポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートの混合物(B-1)、及び(B-1)と活性水素基を1つ有するアルコール(B-2)との反応生成物を含み、(B-2)が、エチレンオキサイドユニットを30~70質量%含有し、ポリイソシアネート成分(B)の25℃における静粘度が150mPa・s以下であることを特徴とする、岩盤固結用注入薬液組成物。
[2]活性水素基を1つ有するアルコール(B-2)の数平均分子量が1000以下であることを特徴とする、前記[1]に記載の岩盤固結用注入薬液組成物。
[3]ポリイソシアネート成分(B)の(B-2)による変性率が、0.5~6.0質量%であることを特徴とする、前記[1]又は[2]に記載の岩盤固結用注入薬液組成物。
[4]ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)の混合体積比が、ポリオール成分(A)/ポリイソシアネート成分(B)=100/90~100/300であることを特徴とする、前記[1]乃至[3]のいずれかに記載の岩盤固結用注入薬液組成物。
[5]前記[1]乃至[4]のいずれかに記載の岩盤固結用注入薬液組成物から得られた固結体。
本発明の岩盤固結用注入薬液組成物によれば、漏水や湧水が多い環境下においても水分に影響されることなく安定した作業性及び反応性が得られ、希釈剤を用いずとも低粘度であり、薬液注入における地盤改良性の確保やトンネル掘削時における漏水抑制が可能となる。
本発明をさらに詳細に説明する。
本発明における岩盤固結用注入薬液組成物は、ポリオール成分(A)(以下単に「成分(A)」とも言う。)と、ポリイソシアネート成分(B)(以下単に「成分(B)」とも言う。)からなるものである。
まず、ポリオール成分(A)について説明する。
ポリオール成分(A)は珪酸ナトリウム水溶液(A-1)(以下単に(A-1)とも言う。)、有機ポリオール(A-2)(以下単に(A-2)とも言う。)、3級アミン触媒(A-3)(以下単に(A-3)とも言う。)を含むものである。
珪酸ナトリウム水溶液(A-1)としては、通常市販されている珪酸ナトリウム水溶液を用いることができる。この珪酸ナトリウムは一般式でNaO・xSiO・nHOで表される。ここでxはSiO(二酸化珪素)とNaO(酸化ナトリウム)とのモル比を表し、本発明においては2.0~3.0が好ましく、2.0~2.5がより好ましく、2.0~2.4が最も好ましい。xが2.0未満の場合、成分(A)と成分(B)とを混合し硬化させた際に発泡性を確保できず、硬化性が悪化する恐れがある。3.0を超えると、珪酸ナトリウム水溶液の粘度が高くなり、成分(B)との混合性が悪化するほか、低温時の作業性が低下する恐れがある。
また、(A-1)から水を除いた固形分は30~50質量%が好ましく、35~42質量%がより好ましく。36~41質量%がさらに好ましく、37~41質量%が最も好ましい。珪酸ナトリウム水溶液の固形分が高すぎる場合は、水で希釈して調整することができる。固形分が30質量%より低いと成分(A)と成分(B)を混合し硬化させた際に、発泡性を確保できない上、硬化後の発泡体機械強度が低下する恐れがある。50質量%を超えると、珪酸ナトリウム水溶液の粘度が高くなり、成分(B)との混合性が悪化するほか、低温時での作業性が低下する恐れがある。
なお、本発明における(A-1)の固形分とは、(A-1)の水以外の成分の全体中の比率を表わす。
有機ポリオール(A-2)としては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、水添ビスフェノールAなどの脂肪族ジオール類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ビスフェノールA等のフェノール性水酸基を有する化合物、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。これらのポリオールは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明における(A-2)の含有量は、ポリオール成分(A)中に1~10質量%であることが好ましい。1質量%未満の場合、反応時の発泡性が確保できない場合があり、10質量%を超えると成分(A)の粘度が高くなり、作業性の悪化や、薬液注入時の地盤改良性が低下する恐れがある。
本発明における3級アミン触媒(A-3)は、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N’,N’-トリメチルアミノエチルピペラジン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、ビス-(ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N’,N’-トリス(3-ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-S-トリアジン、2-メチルトリエチレンジアミン、N,N-ジメチルアミノエチルモルホリン、ジメチルアミノプロピルイミダゾール、ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、ヘキサメチルトリプロピレンテトラミン、N,N,N-トリス(3-ジメチルアミノプロピル)アミン、N-メチル-N,N-ビス(3-ジメチルアミノプロピル)アミン、トリエチレンジアミン、N-メチルモルホリン、N-メチルイミダゾール、N,N-ジメチルエタノールアミン、N-メチル-N-(N’,N’-ジメチルアミノエチル)アミノエタノール、N,N-ジメチルエトキシエタノール、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン-2-メタノール、6-ジメチルアミノ-1-ヘキサノール、N’,N-ジメチルエトキシ-N’-メチル-N’-エチルメタノール、N’’,N’’-ジメチルアミノ-N’-メチルエチルアミノ-N-メチル-2-プロパノール、ビス(2-ジメチルアミノエチルアミノ)-2-プロパノール、N’-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-N,N-ジメチルエチレンジアミン、3,3-イミノビス(N,N-ジメチル-1-プロパンアミン)、N’-[2-(ジメチルアミノ)メチル]-N,N-ジメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラエチルジエチレントリアミン、2-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]-N-[2-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]エチル]-エタンアミン等が挙げられる。
本発明における(A-3)の含有量は、ポリオール成分(A)中に0.1~5質量%であることが好ましい。0.1質量%未満の場合、硬化性悪化と発泡性低下の恐れがあり、5質量%を超えると、反応性制御が困難となり、薬液注入時に樹脂の詰まりによる注入不良が発生する恐れがある。
本発明において、成分(A)の均一性確保や、成分(A)と成分(B)との相溶性を向上させるために界面活性剤等の添加剤を使用することが好ましい。界面活性剤としては陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
陰イオン系界面活性剤としては、例えばアルキルカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル等を挙げることができる。
陽イオン系界面活性剤としては、例えば塩化ベンザルコニウム等のアンモニウム塩等を挙げることができる。
非イオン系界面活性剤としては、例えばグリセリン脂肪酸エステルや、アルキルポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルグリコシド等を挙げることができる。
これら界面活性剤は単独、または2種以上を混合して使用することができる。
次に、ポリイソシアネート成分(B)について説明する。
本発明における成分(B)は、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと言う。)及びポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(以下ポリメリックMDIと言う。)の混合物(B-1)(以下(B-1)とも言う。)、及び(B-1)と活性水素基を1つ有するアルコール(B-2)(以下(B-2)とも言う。)との反応生成物を含むものである。
なお、本発明におけるMDIは、4,4’-MDI、2,4’-MDI、2,2’-MDIの各種異性体を含むものであり、ポリメリックMDIは、MDIにさらにイソシアネート基を有するフェニル基がメチレン基を介し一つ以上付加したものを意味する。
(B-1)としては、MDIとポリメリックMDIの質量比が、MDI/ポリメリックMDI=20/80~80/20が好ましく、30/70~70/30がより好ましい。
(B-2)としては、モノオールにアルキレンオキサイドを付加重合して得られるもので、モノオールとしては例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、トリデカノール、ステアリルアルコール等が挙げられる。これらのモノオールは単独で、または2種以上混合して使用しても良い。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどが挙げられる。
(B-2)は、エチレンオキサイド(以下、EOとも言う。)ユニットを30~70質量%含有する物である。EOユニットが30質量%未満の場合、ポリオール成分(A)との相溶性が悪化し、薬液注入時に硬化物の強度が低下する恐れがある。70質量%を超えると、親水性が高くなり地下水と接触した場合、水に溶出することで、白濁や泡立ちが起こり、湧水を汚染する恐れがある。
また、(B-2)の数平均分子量は1000以下であることが好ましく、より好ましくは700以下である。1000を超えると、分子中の親水基量が多くなり、地下水と接触した場合、上記同様湧水を汚染する恐れがある。
なお、活性水素基を1つ有するアルコール(B-2)は、上記条件を満たすものであれば、市販品等特に制限なく用いることができる。
成分(B)の(B-2)による変性率は、0.5~6.0質量%であることが好ましく、0.5~5.0質量%であることがより好ましい。0.5質量%未満の場合、ポリオール成分(A)との相溶性が悪化し、薬液注入時に硬化物の強度が低下する恐れがある。6.0質量%を超えると、親水性が高くなり地下水と接触した場合、水に溶出することで、白濁や泡立ちが起こり、湧水を汚染する恐れがある。
成分(B)の25℃における静粘度は、150mPa・s以下であり、130以下であることが好ましい。150mPa・sを超えると、薬液注入時の地盤改良範囲が小さくなる恐れがあり、また低温時に高粘度化し注入不良が発生する恐れがある。
本発明における岩盤固結用注入薬液は、成分(A)と成分(B)の配合比を、成分(A)100質量部に対し、成分(B)を90~300質量部とすることが好ましく、90~250質量部とすることがより好ましい。成分(B)が90質量部を下回ると、水中硬化時に水の濁りや泡立ちが強くなる恐れがあり、300質量部を上回ると、発泡性が低下する恐れがある。
本発明の岩盤固結用注入薬液組成物は、従来公知の無機-有機複合系の岩盤固結用注入薬液が有していた欠点を改良したものである。すなわち、本発明の岩盤固結用注入薬液組成物は作業性に優れ、ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)との相溶性が高く、均一な成形体を得ることができ、漏水や湧水が多く発生する環境下でも水分に影響されることなく安定した強化土壌が得られる。
以下、本発明の実施例について詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、実施例中の「%」は質量基準である。
<ポリイソシアネート成分の調製>
<調製例1>
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量1Lの反応器に、ポリイソシアネート1を980.0g、モノオール1を20.0g仕込み、80℃まで昇温した。温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら3時間ウレタン化反応を行った。その後、ポリイソシアネート組成物(S-1)(NCO含量30.6%、25℃における粘度91mPa・s)を得た。
<調製例2>
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量1Lの反応器に、ポリイソシアネート1を987.0g、モノオール2を13.0g仕込み、80℃まで昇温した。温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら3時間ウレタン化反応を行った。その後、ポリイソシアネート組成物(S-2)(NCO含量31.1%、25℃における粘度89mPa・s)を得た。
<調製例3>
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量1Lの反応器に、ポリイソシアネート1を940.0g、モノオール2を60.0g仕込み、80℃まで昇温した。温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら3時間ウレタン化反応を行った。その後、ポリイソシアネート組成物(S-3)(NCO含量29.2%、25℃における粘度131mPa・s)を得た。
<調製例4>
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量1Lの反応器に、ポリイソシアネート1を943.0g、モノオール3を57.0g仕込み、80℃まで昇温した。温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら3時間ウレタン化反応を行った。その後、ポリイソシアネート組成物(S-4)(NCO含量29.7%、25℃における粘度109mPa・s)を得た。
<調製例5>
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量1Lの反応器に、ポリイソシアネート2を952.0g、ポリオール1を38.0g仕込み、80℃まで昇温した。温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら3時間ウレタン化反応を行った。その後、ポリイソシアネート組成物(S-5)(NCO含量30.2%、25℃における粘度110mPa・s)を得た。
<調製例6>
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量1Lの反応器に、ポリイソシアネート1を980.0g、ポリオール2を20.0g仕込み、80℃まで昇温した。温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら3時間ウレタン化反応を行った。その後、ポリイソシアネート組成物(S-6)(NCO含量30.5%、25℃における粘度189mPa・s)を得た。
<調製例7>
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量1Lの反応器に、ポリイソシアネート1を980.0g、ポリオール3を20.0g仕込み、80℃まで昇温した。温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら3時間ウレタン化反応を行った。その後、ポリイソシアネート組成物(S-7)(NCO含量30.5%、25℃における粘度210mPa・s)を得た。
<調製例8>
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量1Lの反応器に、ポリイソシアネート1を980.0g、ポリオール4を20.0g仕込み、80℃まで昇温した。温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら3時間ウレタン化反応を行った。その後、ポリイソシアネート組成物(S-8)(NCO含量30.6%、25℃における粘度200mPa・s)を得た。
<調製例9>
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量1Lの反応器に、ポリイソシアネート1を979.0g、モノオール4を21.0g仕込み、80℃まで昇温した。温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら3時間ウレタン化反応を行った。その後、ポリイソシアネート組成物(S-9)(NCO含量30.6%、25℃における粘度98mPa・s)を得た。
Figure 0007272106000001
表1における各原料は以下の通りである。
・ポリイソシアネート1:MDI/ポリメリックMDI=51/49(PA比)、NCO含量32.5%、 MDI(商品名:ミリオネートNM、東ソー社製)とポリメリックMDI(商品名:MR-200、東ソー社製)を20/80(質量比)の割合で混合したもの
・ポリイソシアネート2:MDI/ポリメリックMDI=46/54(PA比)、NCO含量32.2%、 MDI(商品名:ミリオネートNM、東ソー社製)とポリメリックMDI(商品名:MR-200、東ソー社製)を12/88(質量比)の割合で混合したもの
・モノオール1:ポリエーテルモノオール EO量60%、数平均分子量300、官能基数1
・モノオール2:ポリエーテルモノオール EO量35%、数平均分子量300、官能基数1
・モノオール3:ポリエーテルモノオール EO量50%、数平均分子量1300、官能基数1
・ポリオール1:ポリプロピレングリコール EO量0%、数平均分子量4000、官能基数2
・ポリオール2:ポリプロピレングリコール EO量0%、数平均分子量400、官能基数2
・ポリオール3:ポリエチレントリオール EO量100%、数平均分子量600、官能基数3
・ポリオール4:ポリプロピレントリオール EO量0%、数平均分子量700、官能基数3
・モノオール4:ポリエーテルモノオール EO量76%、数平均分子量490、官能基数1。
なお、ポリイソシアネート1、ポリイソシアネート2の、MDI/ポリメリックMDIの比率は、GPC測定で得られるピーク面積の比率(PA比)であり、(MDIモノマーピーク面積)/(MDIモノマー以外のMDIオリゴマーのピーク面積の総和)を表す。
GPC測定条件は以下の通り。
(1)測定器:HLC-8220(東ソー社製)
(2)カラム:TSKgel(東ソー社製)
・G3000H-XL
・G2500H-XL
・G2000H-XL
・G1000H-XL
(3)キャリア:THF(テトラヒドロフラン)
(4)検出器:RI(屈折率)検出器
(5)温度:40℃
(6)流速:1.000ml/min
(7)検量線:標準ポリスチレン(東ソー社製)
・F-80(分子量:7.06×10、分子量分布:1.05)
・F-20(分子量:1.90×10、分子量分布:1.05)
・F-10(分子量:9.64×10、分子量分布:1.01)
・F-2(分子量:1.81×10、分子量分布:1.01)
・F-1(分子量:1.02×10、分子量分布:1.02)
・A-5000(分子量:5.97×10、分子量分布:1.02)
・A-2500(分子量:2.63×10、分子量分布:1.05)
・A-500(分子量:5.0×10、分子量分布:1.14)
(8)サンプル溶液濃度:0.5%THF溶液。
<ポリオール成分の調製>
Figure 0007272106000002
表2における各原料は以下の通り。
・珪酸ソーダ水溶液:固形分38.5%、モル比(SiO/NaO)=2.0
・アミン触媒:N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサメチレンジアミン
・ポリオール2:ポリプロピレングリコール EO量0%、数平均分子量400、官能基数2。
<反応挙動の評価方法>
上記ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とを用い、表3に示す配合(単位は(g))にて発泡試験を行った(液温:10℃、撹拌条件:スリーワンモーターを使用し400rpm×10秒。混合比率(体積比)は、成分(A)に対する成分(B)の比を表す。)。結果を表3に示す。
Figure 0007272106000003
反応性試験における「自由発泡」とは、ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とを前記条件で1Lカップにて配合、混合撹拌し、そのままカップ内で発泡させたものであり、「水中発泡」とはポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)を前記条件で1Lカップにて配合、混合撹拌した直後、配合液100mLを水500mLの入った別の1Lカップに素早く投入し、撹拌棒で水を30秒強くかき混ぜて発泡させたものである。
・クリームタイム :ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とを混合撹拌し始めてから、その配合液がクリーム状に白濁し液面が立ち上がってくるまでの時間(秒)を表す。
・ライズタイム :ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とを混合撹拌しはじめてから、その配合液が発泡して最高の高さに達するまでの時間(秒)を表す。水中でのライズタイムが、自由発泡でのライズタイムに対して15秒以内であれば水中での反応性が良好と言える。
・発泡倍率 :自由発泡時の発泡倍率を以下の式により算出する
発泡倍率(倍)=発泡後の成形体体積(cm)/発泡前の配合液の体積(cm
発泡倍率が5.0倍以上であれば良好と言える。
・発泡後の水濁り :水中発泡性試験においてライズタイム終了後の水質汚染の指標として水の濁りを濁度計(TURBIDIMETER 2100N、HACH社製)にて測定した。濁度40NTU以下であれば良好と言える。
・発泡後の水泡立ち:水中発泡性試験においてライズタイム終了後の水質汚染の指標として水の泡立ちを測定。水中発泡性試験に用いたライズタイム終了後の水125mLを容量250mLのポリエチレンの瓶に入れ、密栓後10秒間強く振り混ぜてから静置し、泡が水表面から消えるまでの時間(秒)を表す。60秒以下であれば良好と言える。

Claims (4)

  1. ポリオール成分(A)と、ポリイソシアネート成分(B)とからなる岩盤固結用注入薬液組成物であって、ポリオール成分(A)が珪酸ナトリウム水溶液、ポリエーテルポリオール、3級アミン触媒を含み、ポリイソシアネート成分(B)が、ジフェニルメタンジイソシアネート及びポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートの混合物(B-1)、及び(B-1)と数平均分子量が1300以下の活性水素基を1つ有するアルコール(B-2)との反応生成物を含み、(B-2)が、エチレンオキサイドユニットを35~50質量%含有し、ポリイソシアネート成分(B)の25℃における静粘度が150mPa・s以下であることを特徴とする、岩盤固結用注入薬液組成物。
  2. ポリイソシアネート成分(B)の(B-2)による変性率が、0.5~6.0質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の岩盤固結用注入薬液組成物。
  3. ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)の混合体積比が、ポリオール成分(A)/ポリイソシアネート成分(B)=100/90~100/300であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の岩盤固結用注入薬液組成物。
  4. 請求項1乃至のいずれかに記載の岩盤固結用注入薬液組成物から得られた固結体。
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