JPH10212481A - 空洞充填起泡用薬液組成物 - Google Patents

空洞充填起泡用薬液組成物

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JPH10212481A
JPH10212481A JP9016422A JP1642297A JPH10212481A JP H10212481 A JPH10212481 A JP H10212481A JP 9016422 A JP9016422 A JP 9016422A JP 1642297 A JP1642297 A JP 1642297A JP H10212481 A JPH10212481 A JP H10212481A
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弘之 木村
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康幸 満留
Nobuo Nakajima
信夫 中島
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SHINKU KAGAKU KOGYO KK
Sumitomo Riko Co Ltd
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期強度が得られ、かつ、安全・確実に
空洞を充填することができる地山安定化のための薬液組
成物を提供する。 【解決手段】 ポリオール、起泡剤、硬化触媒及び水を
含む第一薬液(A液)とイソシアネートを含む第二薬液
(B液)とからなることを特徴とする空洞充填起泡用薬
液組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地山安定化のため
の薬液組成物に関する。さらに詳しく言えば、地中構造
物周囲の空隙乃至空洞に注入して空洞等を解消して、地
山の崩れ込みを防止することによる地山安定化方法に用
いる薬液組成物に関する。本発明の薬液組成物は、NA
TM普及以前の在来工法により建設されたトンネルの周
囲に発生・成長した空洞を解消して、その強度の維持・
強化を図るトンネルリフォーム(トンネルの補修及び更
新)工法において特に有用である。
【0002】
【従来の技術およびその課題】現在、使用中のトンネル
総延長のうち4分の1以上は、建設後25年以上を経過
しており、その老朽化が問題となっている。これらのト
ンネルの多くは、NATM(New Austrian Tunnelling M
ethod)導入以前のいわゆる「在来工法」により建設され
たものである。
【0003】周知の通り、NATMは、吹き付けコンク
リートとロックボルトを支保工とするものであり、防水
シート等の防水材を張り付け、さらに二次コンクリート
を覆工するため、覆工コンクリートと地山の間は間隙の
ない一体構造に仕上がっている。これに対し在来工法
(図1)では、トンネル1を建設するのに、鋼製支保工
3を建て込み、これに矢板を掛けて地山2を押さえ、し
かる後、覆工コンクリート4を打設する。この際、矢板
と地山の間、矢板と覆工コンクリートの間にはどうして
も空隙が残る。かかる空隙は地山に新たな緩みや亀裂を
発生させる原因となり、地山からの湧水と相俟って空洞
6に成長することになる。
【0004】覆工裏面に空洞が生じると、周辺地山の緩
みが大きくなり遂には空洞部に崩れ込む。この結果、覆
工部が損傷したり変位が生じ、これが更にトンネル内へ
の漏水の原因となって空洞の成長を助長し、最終的には
覆工面の破壊に繋がるような大規模な崩落を引き起こす
危険がある。かかる事態を防止するためには、空洞にし
かるべき充填材を注入(裏込め注入)して空洞を解消す
る必要がある。
【0005】従来、空洞充填には、セメント系モルタ
ル、エアモルタル、発泡ウレタン等が用いられている。
セメント系モルタルは施工性・充填性は良いが、比重が
2以上と大きいため、空洞の大きさによっては過大な重
量が覆工面に加わることになる。また、材料の分離やブ
リージングが発生しやすく、流動性がなくなるまで数時
間を要する。このため、流水・湧水があるところでは充
填物が流出・逸走する場合がある。さらに、初期強度が
得られるまで2〜3日を要するため、使用中のトンネル
で施工する際には交通規制が必要となり、実際上、大き
な制約となる。
【0006】エアモルタル(気泡入りモルタル)は、セ
メント系モルタルの半分程度の比重とすることが可能で
ある。しかし、流出・逸走など、セメント系モルタルと
同様の問題がある。発泡ウレタン(2液発泡型ウレタ
ン)は、比重が小さい。また、発泡と硬化が同時に短時
間で進行するため、流出等の問題がない。注入も容易で
ある。しかし、一般に空洞の内容積を正確に推定するこ
とは困難である。このため、空洞に注入した薬液が結果
として過剰である場合があるが、薬液は充填後、発泡に
より体積が数十倍に膨脹するため、覆工面に予期せぬ圧
力がかかりこれを損傷あるいは破壊するおそれもある。
反対に、薬液が過少の場合には、充填が不十分となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、初期強度が得られ、かつ、安全・確実に空洞を充填
することができる薬液組成物を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題解決の手段】本発明者らは、上記課題の解決方法
について鋭意検討した結果、2液発泡タイプウレタンの
第一成分であるポリオール液に起泡剤を添加した第一薬
液と、イソシアネートを含有する第二薬液からなる組成
物が、課題解決に有効であること、具体的には、上記第
一薬液を予め気体と混合し起泡させ、しかる後、第二成
分であるイソシアネート成分と混合するか、2液混合液
に気体を混合することにより、泡状流体を形成し、この
泡状流体を速やかに空洞に充填すれば、後発泡による覆
工面への加圧が最小限に抑えられ、なおかつ覆工面と地
山の一体化が可能となることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0009】すなわち、本発明は、以下の薬液組成物を
提供する。 1) ポリオール、起泡剤、硬化触媒及び水を含む第一
薬液(A液)とイソシアネートを含む第二薬液(B液)
とからなることを特徴とする空洞充填起泡用薬液組成
物。 2) 起泡剤が、両性界面活性剤、ノニオン界面活性
剤、アニオン界面活性剤及びカチオン界面活性剤から選
択される前記1に記載の組成物。 3) A液が10〜90重量%のポリオール及び1〜4
0重量%の起泡剤を含有する水溶液である前記1または
2に記載の組成物。 4) B液が一級OH基を含有するプレポリマーである
前記1乃至3のいずれかに記載の組成物。 5) 空気を混合したときに得られる泡状流体の起泡半
減期が5分以上である前記1乃至4のいずれかに記載の
組成物。 6) 硬化後のポリウレタンの一軸圧縮強度が3〜10
kgf/cm2となる割合でA液とB液を用いる前記1乃至5
のいずれかに記載の組成物。
【0010】以下、本発明の薬液組成物の各成分につい
て詳細に説明する。 (1)A液 A液は、基本的には、ポリオール、起泡剤、硬化触媒及
び水を含有する薬液である。 (1-1)ポリオール ポリオールは、特に限定されない。有用なポリオールの
例としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル(1,2−プロパンジオール)、1,3−プロパンジ
オール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコール
(ヘキサンジオール)等のジオール類が挙げられる。ま
た、イソシアネート成分と反応してポリウレタン樹脂を
形成する、分子内にヒドロキシル基を2個以上有するポ
リオール類であれば、通常のエーテル系またはエステル
系のポリオール以外の化合物も使用可能である。このよ
うなポリオール類の例としては、グリセリン、トリメチ
ロールエタン、トリメチロールプロパンなどのトリオー
ル類及びヒマシ油等の多官能性ポリオール類が挙げられ
る。
【0011】また、これらの化合物あるいはソルビトー
ルやショ糖のような糖類に、エチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド、エチレンプロピレン共重合等を付加
したポリオール類も用いることができる。例えば、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレン
オキサイド−プロピレンオキサイド共重合物、グリセリ
ントリオキシブタン、ポリオキシプロピレントリオール
等が挙げられる。但し、ポリエーテルポリオール類では
OH価が300以上程度の化合物が好ましい。
【0012】さらに、アミノ基を含むポリオールも好適
に用いられる。このようなポリオール化合物の例として
は、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のモ
ノアミン類、及び、モノエタノールアミン、エチレンジ
アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、
トリエチレンジアミン等のアミン類にエチレンオキサイ
ドまたはプロピレンオキサイド等を付加した付加物等が
挙げられる。ポリオール含有量は、A液の全量の10〜
90重量%とすることが好ましい。十分な強度を得るた
め、40重量%以上とすることがより好ましい。
【0013】(1-2)起泡剤 本発明においては、A液が起泡剤を含有することが必要
である。起泡剤としては、種々の界面活性剤が含まれ
る。両性、ノニオン系、アニオン系、カチオン系のいず
れも使用可能であるが、2官能以上を有するノニオン界
面活性剤が好ましい。このようなノニオン界面活性剤化
合物の例としては、例えば炭素数12〜24のアルキル
基を含む高級アルコールエチレンオキサイド付加物、ア
ルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エ
チレンオキサイド付加物、多価アルコールエステルエチ
レンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオ
キサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加
物等のポリエチレングリコール型ノニオン界面活性剤;
グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール
の脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪
酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコール
のアルキルエーテル等の多価アルコールエチレンオキサ
イド付加物型ノニオン界面活性剤;及びアルカノールア
ミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。
【0014】特に2官能以上のノニオン界面活性剤が好
ましい。2官能性のノニオン界面活性剤を用いることに
より、起泡剤がB液のイソシアネートと反応し固結成分
として固定される。このような界面活性剤は、1分子中
に2以上のポリエチレンオキサイド鎖を含有するポリエ
チレングリコール型ノニオン界面活性剤、2以上の水酸
基を残して脂肪族アルコール等と反応させた多価アルコ
ール型ノニオン界面活性剤、1分子中に2以上の水酸基
を含有するアルカノールアミン型ノニオン界面活性剤が
含まれる。起泡剤含有量は、A液の全量の1〜40重量
%とすることが好ましい。起泡剤含有量が1重量%未満
であると十分な起泡性が得られない。
【0015】(1-3)硬化触媒 B液との反応を円滑に進めるために、A液には、硬化触
媒を添加することが好ましい。このような触媒の例とし
ては、ジメチルオクチルアミン、ジメチルラウリルアミ
ン、モルホリン、ピペラジン等の3級アルキルアミンや
環状アミン;ジブチル錫ジラウレート、トリエチレンジ
アミン、イミダゾール、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミンその他の水溶性の
アミン、ベタインあるいはイミダゾール型の触媒等が挙
げられる。
【0016】(1-4)泡保持剤 A液にはまた、起泡後、注入完了・硬化に至るまで泡の
性状を維持するために泡保持剤を添加してもよい。泡保
持剤の例としては、アルコール系ノニオン界面活性剤、
両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活
性剤等が挙げられる。泡保持剤含有量は、A液の全量の
1〜5重量%とすることが好ましい。泡保持剤含有量が
1重量%未満であると十分な泡保持効果が得られない。
【0017】(2)B液 B液は、ポリメリックMDI、モノメリックMDIを原
料とし、水に自己乳化性の一級OHを含有するパーシャ
ルプレポリマーが好ましい。このようなプレポリマーの
製造に用いるポリイソシアネートとしては、ジフェニル
メタンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシアネ
ート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,
6−ヘキサンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソ
シアネート、1,5−ビスイソシアネート−1,3,3
−トリメチルシクロヘキサン、m−キシリレンイソシア
ネート、1,3−ビス−(イソシアネートメチル)ベン
ゼン及びメチルシクロヘキサンジイソシアネート等の脂
肪族ジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレ
ンジイソシアネート、m−またはp−フェニレンジイソ
シアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート等が
挙げられる。ジフェニルメタンジイソシアネートが特に
好ましい。ジフェニルメタンジイソシアネートには種々
の異性体が存在するが、いずれも用いることができる。
これらの混合物でもよい。
【0018】プレポリマーは、上述のイソシアネートを
ポリアルキレングリコールと反応させることにより得ら
れる。このようなポリアルキレングリコールは、ポリエ
チレングリコールまたはエチレンオキサイド(EO)−
プロピレンオキサイド(PO)共重合体が用いられる。
共重合体中のEO含有量は通常、20重量%以上であ
り、(共)重合体としての平均OH価量は56以上であ
る。プレポリマー中のNCO%(=イソシアネート化合
物に含まれるNCOの個数の合計×NCO式量をイソシ
アネート化合物の分子量で割った%値)は25〜29%
の範囲とすることが好ましい。NCO%が25%未満で
あると、A液との混合後、硬化反応に至るまでの時間が
短くなり過ぎる傾向が見られる。反対に29%を超える
とB液の水混和性(乳化性)が低下する。25〜29%
の範囲であれば、A液との混合後、硬化反応に至るまで
の時間が適正になる。
【0019】A液とB液との混合比は、それぞれの液の
組成にもよるが、硬化した後の一軸圧縮強度が3〜10
kgf/cm2となる範囲であれば良い。通常は、A液:B液
を1:1〜1:3の範囲、好ましくは1:2程度の割合
で用いる。
【0020】[泡状流体の安定性]第一薬液(A液)に
気体を混合して起泡させ、これをイソシアネートを含む
第二薬液(B液)と混合した泡状流体、あるいはA液と
B液との混合液に気体を混合して得られる泡状流体に
は、施工(充填・硬化)に必要な時間、消泡しない安定
性が必要である。そのためには、起泡の半減期tm(起
泡後、流体の体積(V)を測定したとき、Vが起泡前の
体積(V0)の1/2に達する時間)が少なくとも5分
以上、好ましくは10分以上であれば安定な泡状流体が
得られる。
【0021】[施工方法]本発明の薬液組成物の施工
は、要約して言えば、ポリオール、起泡剤及び必要に応
じて添加されるその他の成分を含む第一薬液(A液)に
気体を混合して起泡させ、これをイソシアネートを含む
第二薬液(B液)と混合するか、A液とB液との混合液
に気体を混合することにより、未硬化のウレタン起泡体
を得、これを地中構造物周囲の空隙・空洞に注入し硬化
させることにより行なわれる。以下、起泡充填の準備段
階として行なわれる空洞確認工程を含め、起泡充填工法
の全体について説明する。なお、本明細書では、主とし
てトンネルについて説明するが、本発明の空洞充填薬液
は、漏水の発生するおそれのある他の地中構造物につい
ても同様に適用することができる。
【0022】(1)空洞確認工程 空洞の検出・確認は既知の物理的方法により行なうこと
ができる。こうした方法の例としては、音響探知、電位
測定等の手法を挙げることができる。また、上述の通
り、空洞はトンネル覆工面の裏面に特に発生するため、
老朽化がある程度進行しているトンネルでは、トンネル
内部から覆工面を観察し、クラック(亀裂)や漏水発生
箇所に孔を空け、これを通して肉眼あるいはファイバー
スコープで観察することにより空洞の検出・確認が可能
である。
【0023】(2)起泡工程 起泡は、A液、あるいは場合によってはA液とB液との
混合液中に気体を吹き込むなどして混合することにより
行なう。混合液を用いると両液の反応が同時進行するた
め起泡中あるいは空洞への充填途中で硬化するおそれが
あるので、A液中への気体吹き込みが好ましい。通常
は、起泡率5〜100倍程度に起泡させる。5倍未満の
起泡では効率が悪い上、後発泡により発生する圧力を十
分に吸収しきれない。100倍を超える起泡では、十分
な強度が得られない。一般には10〜50倍程度が好ま
しい。混合する気体は、A液やB液と反応せず環境に悪
影響を与えない気体であれば特に限定されないが、通常
は空気が用いられる。気体を混合する方法は特に限定さ
れないが、図4に概略を示すように、筒状のハウジング
20内に起泡発生室12を備えた起泡装置10を用いる
ことが好ましい。起泡発生室12は、有孔の仕切壁14
及び15並びに必要に応じて付設される金網16及び1
7で前後の第一室及び第三室から仕切られており、多数
の充填物19を収納している。充填物19は、直径1〜
5mm程度のガラス、セラミックまたはプラスチック製
の小球または円筒であり、気液の流路を複雑に変化さ
せ、両者の均一混合と起泡を促進する。A液と空気は、
それぞれ導入孔21及び22から第一室11に導入さ
れ、前記の起泡発生室を経て第三室13でB液と混合さ
れ泡状流体としてノズル18から吐出される。
【0024】(3)混合工程 A液の起泡後、あるいは場合によっては起泡前に、A液
とB液とを混合する。混合は十分に行なう必要がある。
一般にA液起泡物は白色を呈しており、B液は着色(茶
色)しているので、混合状態は目視で確認できる。混合
の方法は特に限定されないが、好ましくは前述の図4に
示す装置によりA液の起泡とB液の添加混合を連続して
行なう。この装置では、B液は第三室13において導入
孔23から管24を経てノズル25より起泡されたA液
に噴射される。図5に示すように、第一室の端部に第二
薬液導入孔33を設け、この導入孔から、好ましくは装
置の軸に沿って、第一室及び第二室を貫いて延び第三室
内に至る管34を設け、その先端のノズル35から薬液
を噴射してもよい。このような構成を採ることにより、
泡状流体に第二薬液が均一に噴射され、両者の混合が円
滑に行なわれる。
【0025】(4)空洞充填工程 A液とB液との混合後、得られた泡状流体を速やかに空
洞に充填する。空洞への充填は、既知の裏込め注入法と
同様に行なえばよい(図2)。例えば、覆工面に孔5を
穿ち、2〜200cm程度の深さまで直径2.5〜6cm
程度のパイプ7を挿入し、前述の起泡混合装置10を用
いて泡状流体8を注入する。充填時間は空洞の大きさに
もよるが、通常は、1〜180分間程度である。空洞が
大きい時は、まんべんなく充填するため、覆工面に複数
の孔を穿ち注入を行う。また、空洞の広がりに応じて覆
工面に複数の孔を穿ち、注入孔以外の孔からの泡状流体
の流出をもって横(水平)方向の充填を確認する。さら
に場合によっては、空洞の奥行きに応じて覆工面から監
視用のパイプ9を突き立て、当該パイプを介して泡状流
体が流出することをもって、奥行き方向、特に縦方向の
充填を確認する。充填の確認は、ファイバースコープに
よる目視確認、充填用ポンプ圧の監視、光学的・電気的
あるいは音響学的なセンサー手段等によっても良い。充
填完了後もA液とB液の反応により若干の発泡が続く
が、過大な圧力をもたらすことはない。また、これによ
り空洞全体が充填材8により完全に満たされることにな
る(図3)。
【0026】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明をより
具体的に説明する。なお、これらの例における起泡半減
期、起泡率、消泡性、一軸圧縮強度及び比重は以下の方
法により測定した。「部」は重量部を表わす。 (1)起泡半減期、起泡率及び消泡性 A液を所定の条件にしたがい調製し、これを起泡させて
泡状流体としメスシリンダーによりその体積(V1)を
測定する。メスシリンダー内において消泡による泡表面
の変化を測定し、泡状流体の体積がV1の1/2に達す
る時間をもって起泡半減期とした。また、混合前の薬液
の合計量(V0)でV1を割り、起泡率を求めた。さら
に、B液添加による泡の状態の変化を観察して消泡性を
評価し、消泡が著しい場合を×で、消泡がほとんど観察
されない場合を○で表わした。 (2)一軸圧縮強度 コンクリートの圧縮強度試験方法(JIS-A1108)により測
定を行なった。 (3)比重 硬化体の重量を体積で割ることにより求めた。
【0027】実施例1 ポリオール(ポリプロピレングリコール(OH価50
0))20部、起泡剤(2官能ポリエチレングリコール系
ノニオン界面活性剤)25部、硬化触媒(アミン系)3
部、泡保持剤7部及び水45部を混合してA液を調製
し、これに圧縮空気を吹き込み原液の体積の10倍まで
起泡させた。これにイソシアネート(MDIポリアルキ
レングリコールプレポリマー)を含むB液をA液:B液
の重量比が1:2となるように添加し混合した。消泡は
ほとんど観察されず、硬化するのに要した時間(硬化時
間)は5分であった。硬化したポリウレタン体の体積は
硬化前の120%に増加しており、一軸圧縮強度は5.2k
gf/cm2、比重は0.05であった。
【0028】実施例2 表1に示すようにA液の組成を変えた他は実施例1と同
様にして起泡及び硬化を行なった。結果も表1に併せて
示す。
【0029】
【表1】
【0030】比較例1 起泡剤を用いない以外は、実施例と同様にして表1に示
す割合で薬液を混合し泡状流体の調製及び硬化を行なっ
た。表1に示す通り、圧縮強度は良好だが、起泡率が低
く、比重が大きい。比較例2 B液としてクルードMDIを用いた以外は実施例2と同
様にして泡状流体の硬化を行なった。B液の添加により
消泡が起こり泡状流体の体積はいったん大きく減少し
た。その後、両液の反応により発泡して再び体積が増大
するとともに硬化した。実施例3 起泡剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(アニオン
系起泡剤)を用いた以外は実施例2と同様にして泡状流
体の調製及び硬化を行なった。泡保持性は良好だが、硬
化後の強度が2.0kgf/cm2とやや不良であった。
【0031】
【発明の効果】本発明の起泡充填薬液組成物は、(1)硬
化が速やかで十分な早期強度が得られるため、流水や湧
水のある場所でも問題なく使用できる;(2)低比重であ
るため、充填材の荷重による問題発生がない;というウ
レタン系充填材特有の特長を有している。そして、起泡
操作により発生した泡が硬化に至るまでほとんど消えず
に維持される。また、気体吹き込みによる起泡処理を行
なうことにより、従来のウレタン系充填材で大きな問題
となっていたウレタン発泡圧による充填周辺域への加圧
を大きく軽減することができる。このため、充填後に覆
工面の損傷や破壊を招くことがない。さらに、施工時に
は大量の空気を含有しているため、薬液の使用量が最低
限で済む。さらにまた、反応による発泡により充填材が
ある程度は膨脹するので、空洞を実質的に完全に満たす
ことができ、この結果、覆工裏面と地山とが一体化し、
地山の空洞部への崩れ込みが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 在来工法トンネルについて空洞発生機構を説
明した模式的断面図。
【図2】 本発明の薬液組成物を用いた起泡充填工法の
一例を示す模式図。
【図3】 本発明の薬液組成物を用いた起泡充填工法に
よりリフォームされたトンネルの模式的断面図。
【図4】 本発明の薬液組成物を起泡混合するのに有用
な装置の模式的断面図。
【図5】 本発明の薬液組成物を起泡混合するのに有用
な装置の模式的断面図。
【符号の説明】
1 トンネル 2 地山 3 鋼製支保工 4 覆工コンクリート 5 空洞充填薬液注入孔 6 空洞 7 充填材注入用パイプ 8 充填材 9 充填確認用パイプ 10 起泡混合装置 11 第一室 12 第二室 13 第三室 14、15 有孔仕切壁 16、17 金網 18 ノズル 19 起泡用充填材 20 ハウジング 21 第一薬液導入孔 22 圧縮空気導入孔 23、33 第二薬液導入孔 24、34 管 25、35 第二薬液噴射ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 満留 康幸 愛知県名古屋市西区鳥見町2丁目21番地 シンク化学工業株式会社内 (72)発明者 中島 信夫 愛知県名古屋市西区鳥見町2丁目21番地 シンク化学工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオール、起泡剤、硬化触媒及び水を
    含む第一薬液(A液)とイソシアネートを含む第二薬液
    (B液)とからなることを特徴とする空洞充填起泡用薬
    液組成物。
  2. 【請求項2】 起泡剤が、両性界面活性剤、ノニオン界
    面活性剤、アニオン界面活性剤及びカチオン界面活性剤
    から選択される請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 A液が10〜90重量%のポリオール及
    び1〜40重量%の起泡剤を含有する水溶液である請求
    項1または2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 B液が一級OH基を含有するプレポリマ
    ーである請求項1乃至3のいずれかに記載の組成物。
  5. 【請求項5】 空気を混合したときに得られる泡状流体
    の起泡半減期が5分以上である請求項1乃至4のいずれ
    かに記載の組成物。
  6. 【請求項6】 硬化後のポリウレタンの一軸圧縮強度が
    3〜10kgf/cm2となる割合でA液とB液を用いる請求
    項1乃至5のいずれかに記載の組成物。
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