JPWO2014132736A1 - 湿気硬化型有機ポリイソシアネート組成物及び水膨張性止水材 - Google Patents

湿気硬化型有機ポリイソシアネート組成物及び水膨張性止水材 Download PDF

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Abstract

本発明は、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを20質量%以上含有するジフェニルメタンジイソシアネート(a)と、平均官能基数が2〜3でオキシエチレン基含有率が50〜100質量%であるポリエーテルポリオール(b)との反応により得られるプレポリマー、及び、減粘剤(c)を含むジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー(A)を含有する有機ポリイソシアネート組成物であって、ジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー(A)に含まれる減粘剤(c)の含有率が10〜27質量%の範囲にあり、ジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー(A)のイソシアネート基含有率が1.0〜2.5質量%の範囲にあり、粘度が25℃で1000〜3000mPa・sの範囲にある、鋼矢板継手部止水材用途の湿気硬化型有機ポリイソシアネート組成物に関する。

Description

本発明は、水膨張性ポリウレタン樹脂止水材に関するものであり、更に詳しくは、鋼矢板継手部に用いる湿気硬化型の水膨張性ポリウレタン樹脂止水材に関するものである。
水膨張性ポリウレタン樹脂止水材には、1液タイプと2液タイプとがある。1液タイプの湿気硬化型水膨張性ポリウレタン樹脂止水材は、鋼矢板用途の止水材、土木建築用途の目地材又はコーキング材、コンクリート止水材等に広く用いられている。
鋼矢板用途の止水材は、鋼矢板継手部に湿気硬化型有機ポリイソシアネート組成物を作業現場で流し込み施工される点に特徴がある。特許文献1〜6には、有機ポリイソシアネート組成物の構成成分であるイソシアネート基末端プレポリマーとして低粘度のものが用いられ、イソシアネート基末端プレポリマーを調製する有機イソシアネートとして、トリレンジイソシアネート、脂肪族イソシアネート又は脂環族イソシアネートを使用することが開示されている。
水膨張性コーキング材は、湿気硬化型有機ポリイソシアネート組成物と鉱物質充填剤を混合しペースト状で用いられる点に特徴がある。特許文献7〜9には、有機ポリイソシアネート組成物の構成成分であるイソシアネート基末端プレポリマーとして高粘度のものが用いられ、イソシアネート基末端プレポリマーを調製する有機イソシアネートとして、ジフェニルメタンジイソシアネートを使用することが開示されている。
コンクリート止水材は、低粘度の1液タイプ湿気硬化型有機ポリイソシアネート組成物をコンクリートの亀裂部分に注入し、残存する水との反応による発泡で狭い空隙に浸透させ止水させる点に特徴がある。特許文献10〜12には、有機ポリイソシアネート組成物の構成成分であるイソシアネート基末端プレポリマーとして、イソシアネート基含有率が高く、非常に低粘度のものが用いられ、イソシアネート基末端プレポリマーを調製する有機イソシアネートとして、ジフェニルメタンジジイソシアネート又はポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを使用することが開示されている。
湿気硬化型水膨張性止水材と一口にいっても、上記に記載したように止水材の用途によって求められる特性は異なっている。鋼矢板継手部に用いられる止水材においては、発泡が起こらないようなイソシアネート含有率の低い、作業現場での施工に適した低粘度の有機ポリイソシアネート組成物が必要である。
特公昭53−38750号公報 特開昭59−166567号公報 特公平4−89号公報 特開平5−230164号公報 特開2004−277707号公報 特開2006−307035号公報 特開平6−056955号公報 特開平8−319414号公報 特開平10−140001号公報 特開2001−329163号公報 特開2002−3821号公報 特開2002−302666号公報
鋼矢板継手部への止水材施工は、止水現場に搬入された鋼矢板の継手部に湿気硬化型有機ポリイソシアネート組成物を流し込み施工し、湿気により硬化させることにより行われる。止水施工された鋼矢板は止水が必要とされる箇所に打ち込まれて設置されるが、鋼矢板打ち込み作業時の摩擦による発熱で湿気硬化型水膨張性止水材が劣化する恐れがあり、耐熱性に優れた止水材が望まれている。
2液タイプの水膨張性止水材は、耐熱性を上げることに効果があり、ポリイソシアネート基を含有する主剤と活性水素基を含有する硬化剤とを組み合わせて使用されている。しかし、2液タイプの止水材の場合、主剤と硬化剤とを配合した後の可使時間が制約され、工事現場において頻繁に起こる突発的な作業工程の変更や遅延への対応には限界がある。また、2液タイプの止水材は従来の1液タイプの止水材と比べ耐熱性に優れるが、施工現場において使用前の計量及び混合工程を必要とし、配合間違いや不十分な攪拌により均一に混合されない場合は、止水材として十分な性能が発揮できず止水性能が低下するという問題がある。このため、耐熱性に優れた1液タイプの湿気硬化型水膨張性止水材が必要とされている。
本発明の目的は、耐熱性の良好な湿気硬化型水膨張性止水材及びその成形材料としての湿気硬化型有機ポリイソシアネート組成物を提供することにある。
本発明は、鋼矢板継手部に用いる1液タイプの湿気硬化型水膨張性止水材に関するものである。本発明者らは、鋼矢板用途の耐熱性に優れた湿気硬化型水膨張性止水材を開発するにあたり、有機イソシアネートとしてジフェニルメタンジイソシアネート(以下、モノメリックMDIと略す)に注目して、湿気硬化型有機ポリイソシアネート組成物の開発を試みている。
鋼矢板止水材用途で使用する湿気硬化型有機ポリイソシアネート組成物は、作業現場での流し込み施工で使用することから、室温付近での粘度が比較的低い粘度範囲であることが必要である。特許文献1〜6には、イソシアネート末端プレポリマーを減粘剤で希釈すると共に、イソシアネート末端プレポリマーに使う有機イソシアネートとして、低粘度になりやすいトリレンジイソシアネート(以下、TDIと略す)、脂肪族イソシアネート又は脂環族イソシアネートが使われている。有機イソシアネートとしてモノメリックMDIを使用した場合、得られるイソシアネート末端プレポリマーが高粘度になり、工事現場で行う流し込み施工に適さないためである。特許文献1〜6の実施例でも、有機イソシアネートとしてモノメリックMDIを単独で使用している例は見当たらない。減粘剤を多量に添加して低粘度化する方法もあるが、成形後の止水材からの減粘剤のブリードや材料強度の低下が避けられないことから、実用化されていないのが実情である。
作業現場で施工する際に使用する湿気硬化型有機ポリイソシアネート組成物は、イソシアネート末端プレポリマー中に有機イソシアネートがモノマーとして残存する場合、モノマーに起因する臭気や安全衛生面が問題となることがあるため、配慮が必要である。この点に関し、4,4’−MDIの25℃における蒸気圧は6.7×10−4Paであり、TDI−80の20℃における蒸気圧1.4Pa及びHDIの25℃における蒸気圧7Paに比べて非常に低い値である。したがって、作業現場での臭気や安全衛生面においてはモノメリックMDIの使用が望まれる。
本発明者らは、有機イソシアネートとしてモノメリックMDIを使用し、上記の特性を満足する耐熱性に優れた、鋼矢板継手部用途の湿気硬化型有機ポリイソシアネート組成物について鋭意検討した結果、本発明に到達している。
本発明は、以下に示す(1)から(4)に記載するものである。
(1)ジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー(A)を用いる鋼矢板継手部止水材用途の湿気硬化型有機ポリイソシアネート組成物であって、ジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー(A)は、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート含有率が20質量%以上であるジフェニルメタンジイソシアネート(a)と、平均官能基数が2〜3でオキシエチレン基含有率が50〜100質量%であるポリエーテルポリオール(b)と、減粘剤(c)とからなり、ジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー(A)に含まれる減粘剤(c)の含有率が10〜27質量%の範囲にあり、ジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー(A))のイソシアネート基含有率が1.0〜2.5%の範囲にあり、25℃におけるジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー(A)の粘度が1000〜3000mPa・sの範囲にあること、を特徴とする鋼矢板継手部止水材用途の湿気硬化型有機ポリイソシアネート組成物。
すなわち、本発明の湿気硬化型有機ポリイソシアネート組成物は、ジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー(A)を含有し、ジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー(A)は、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを20質量%以上含有するジフェニルメタンジイソシアネート(a)と、平均官能基数が2〜3でオキシエチレン基含有率が50〜100質量%であるポリエーテルポリオール(b)との反応により得られるプレポリマー、及び、減粘剤(c)を含み、ジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー(A)に含まれる減粘剤(c)の含有率が10〜27質量%の範囲にあり、ジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー(A)のイソシアネート基含有率が1.0〜2.5質量%の範囲にあり、ジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー(A)の粘度が25℃で1000〜3000mPa・sの範囲にある。
(2)前記ポリエーテルポリオール(b)が、平均官能基数2でオキシエチレン基含有率が50〜100質量%であるポリエーテルポリオール(b1)と、平均官能基数が3でオキシエチレン基含有率が50〜100質量%であるポリエーテルポリオール(b2)の混合物からなること、を特徴とする(1)に記載の湿気硬化型有機ポリイソシアネート組成物。
すなわち、上記有機ポリイソシアネート組成物において、ポリエーテルポリオール(b)が、平均官能基数2でオキシエチレン基含有率が50〜100質量%であるポリエーテルポリオール(b1)と、平均官能基数が3でオキシエチレン基含有率が50〜100質量%であるポリエーテルポリオール(b2)との混合物からなることが好ましい。
(3)減粘剤(c)がアジピン酸ジブチル又はアジピン酸ジイソブチルであること、を特徴とする(1)又は(2)に記載の湿気硬化型有機ポリイソシアネート組成物。
(4)上記(1)〜(3)に記載の有機ポリイソシアネート組成物を含有する、水膨張性止水材。
本発明により得られる湿気硬化型の水膨張性止水材は、鋼矢板用途の従来技術では使用されていないモノメリックMDIを使用しており、優れた耐熱性と機械物性を有している。また、成形に使用する湿気硬化型有機ポリイソシアネート組成物は、作業現場での施工性、臭気・安全衛生の面で優れたものである。
本発明を更に詳細に説明する。
本実施形態の有機ポリイソシアネート組成物は、ジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー(A)を含有する。該ジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー(A)は、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを20質量%以上含有するジフェニルメタンジイソシアネート(a)と、平均官能基数が2〜3でオキシエチレン基含有率が50〜100質量%であるポリエーテルポリオール(b)との反応により得られるプレポリマー、及び、減粘剤(c)を含む。
モノメリックMDIは、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、2,2’−MDIと略す)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、2,4’−MDIと略す)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、4,4’−MDIと略す)の3種類の異性体から構成されている。本実施形態に係る2、4’−MDI含有率が20質量%以上であるジフェニルメタンジイソシアネート(a)とは、モノメリックMDI中の2,4’−MDIの含有率が20質量%以上であることをいう。それ以外の成分としては、4,4’−MDI及び少量の2,2’−MDIが含まれる。なお、工業生産されるモノメリックMDI中の2,2’−MDIの含有率は通常3質量%以下である。モノメリックMDI中の2,2’−MDI、2,4’−MDI及び4,4’−MDIの含有比率は、通常知られているガスクロマトグラフィーにより測定する事ができる。
ジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー(A)(以下、MDIプレポリマー(A)と略す)の成分である有機イソシアネートは、2,4’−MDIを20質量%以上含有し、4,4’−MDI及び2,2’−MDIを更に含有していてもよい。また、2,4’−MDIを20質量%以上含むモノメリックMDIとして、カルボジイミド変性MDIを加えたものを使用してもよい。モノメリックMDIがカルボジイミド変性MDIを含有する場合、モノメリックMDIとカルボジイミド変性MDIとの割合は100:0〜70:30の範囲がMDIプレポリマー(A)の粘度の面から好ましい。モノメリックMDIにカルボジイミド変性MDIを加えることにより得られる水膨張性止水材の耐熱性は、より向上する。
また、MDIプレポリマー(A)には、カルボジイミド変性MDI、ポリメリックMDI等を添加してもよく、その場合、混合物のイソシアネート基含有率(以下、NCO基含有率という)は1.0〜2.5質量%であることが望ましい。
MDIプレポリマー(A)に用いられるポリエーテルポリオール(b)は、平均官能基数が2〜3であり、オキシエチレン基の含有率が50〜100質量%であるポリエーテルポリオール、又は、2種以上のポリエーテルポリオールを混合した場合の平均官能基数が2〜3であり、オキシエチレン基の含有率が50〜100質量%であるポリエーテルポリオールである。これにより、親水性の優れたMDIプレポリマー(A)を得ることが可能となる。オキシエチレン基の割合が50質量%未満だと十分な水膨張性が得られないという問題がある。また、ポリエーテルポリオールの数平均分子量は200〜8000であることが好ましく、1000〜6000であることがより好ましい。ポリエーテルポリオール(b)は、オキシエチレン基と共に、炭素数3〜4のオキシアルキレン基を含有してもよい。
上記ポリエーテルポリオールとしては、一般式R[−(OROH]で表されるポリエーテルポリオールが好ましい。上記ポリエーテルポリオールは、一種を単独で又は二種以上を混合して用いることができる。なお、上記一般式において、Rは多価アルコールの残基、(ORはオキシエチレン基又はオキシエチレン基と炭素数3〜4のオキシアルキレン基とからなるポリオキシアルキレン鎖、nはオキシアルキレン基の重合度を示す数であり、ポリエーテルポリオールの数平均分子量が200〜8000となるのに相当する数、mは2〜8の数を示す。
上記多価アルコールとしては、例えば二価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール等)、三価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン等)、四価アルコール(エリスリトール、ペンタエリスリトール等)、五価アルコール(アラビット、キシリット等)、六価アルコール(ソルビット、マンニッヒ等)等がある。なお、多価アルコールの残基Rとは、上記多価アルコールから水酸基を除いた部分を意味する。
上記ポリエーテルポリオール(b)は、平均官能基数が2でオキシエチレン基含有率が50〜100質量%であるポリエーテルポリオール(b1)と、平均官能基数が3でオキシエチレン基含有率が50〜100質量%であるポリエーテルポリオール(b2)からなることが、MDIプレポリマー(A)の粘度及びできあがる止水材の物性の観点から好ましい。
上記(b1)と(b2)との使用割合は特に限定されないが、(b1)と(b2)の質量比が2:1〜40:1であることが好ましい。(b1)2質量部に対して(b2)が1質量部以上であると、得られる止水材の粘度が高くなって作業性が悪くなる恐れがあり、(b1)40質量部に対して(b2)が1質量部以下であると、架橋密度が低くなるため、止水材の強度が低下しやすくなる。
本実施形態に係るMDIプレポリマー(A)は、ポリエーテルポリオール(b)と過剰のモル比のモノメリックMDI(a)との反応から得られ、予めモノメリックMDIに減粘剤を添加しておく、又は、反応の終了したMDIプレポリマー(A)に減粘剤を添加することにより得られる。すなわち、MDIプレポリマー(A)は、予め減粘剤(c)を含有した混合物として製造することもできる。
本実施形態に係る減粘剤(c)としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ビス(ブチルジグリコール)、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジヘキシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジヘキシル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル、マレイン酸ジイソノニル、マレイン酸ジイソデシルなどのエステル化合物、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル化合物、1−フェニル−1−キシリルエタン、1−フェニル−1−エチルフェニルエタンなどの芳香族炭化水素化合物、γ−ブチロラクトンなどのラクトン類、石油樹脂(炭素原子数が8〜10である芳香族炭化水素留分重合物)とスチリルキシレン等の混合物を挙げることができる。減粘剤(c)として、この中の一種又は二種以上を組み合わせて使用することが可能である。この中で水膨張性止水材からの減粘剤のブリードが起きにくい点で、分子量が80〜260の範囲にある減粘剤(c)が好ましく、アジピン酸ジブチル又はアジピン酸ジイソブチルがより好ましい。
MDIプレポリマー(A)に含まれる減粘剤(c)の含有率は、MDIプレポリマー(A)の全質量基準で10〜27質量%の範囲にあることが必要であり、13〜27質量%が好ましく、15〜27質量%がより好ましい。減粘剤の含有率が10質量%未満ではMDIプレポリマー(A)の粘度が高くなり、減粘剤の含有率が27質量%を超えると水膨張性止水材からの減粘剤のブリードが起こりやすく、また水で膨張した際の倍倍率が低くなるため鋼矢板の間隔を埋める事ができなくなる恐れがある。
MDIプレポリマー(A)のNCO基含有率は1.0〜2.5質量%の範囲であることが必要であり、1.3〜2.5の範囲であることが好ましく、1.5〜2.5の範囲であることがより好ましい。NCO基含有率が1.0質量%未満だと分子量が大きくなりすぎるか、または分子間力が強くなりすぎるため粘度が高くなり作業性が悪くなるといった問題がある。NCO基含有率が2.5質量%を超えると、減粘剤がブリードしやすくなるとともに、水による体積膨張倍率が低下する。また、空気中の水分と反応するイソシアネート基が多いため炭酸ガスが多く発生し、硬化後に得られる止水材中に気泡が多くなるといった問題が出てくる。
MDIプレポリマー(A)の粘度は、25℃で1000〜3000mPa・sの範囲にあることが必要であり、1500〜3000mPa・sの範囲にあることが好ましく、1800〜3000mPa・sの範囲にあることがより好ましい。25℃での粘度が1000mPa・s未満だと、作業現場で施工する際に液漏れが発生しやすくなり、25℃での粘度が3000mPa・sを超えると、作業現場での流し込み施工が難しくなる。
本実施形態の湿気硬化型有機ポリイソシアネート組成物には、鋼矢板継手部への流し込み施工現場において、流し込み施工作業前に減粘剤で希釈した硬化促進剤(触媒)を添加し、湿気硬化型有機ポリイソシアネート組成物の硬化を促進させることができる。使用できる硬化促進剤としては、ウレタン化反応を促進する通常の触媒であれば全て使用できる。硬化促進剤として、例えば、トリエチレンジアミン、ビス(N,N−ジメチル−2−アミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミンなどの3級アミン及びそのカルボン酸塩、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾールなどの芳香族アミン及びそのカルボン酸塩、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、オクチル酸錫等のカルボン酸金属塩、ラウリン酸ジブチル錫等の有機金属化合物を挙げられる。この中の一種又は二種以上を組み合わせて使用することが可能である。硬化促進剤の使用量は、MDIプレポリマー(A)100質量部に対して好ましくは0.01〜5質量部、更に好ましくは0.02〜2質量部である。前記範囲より少ない場合は硬化時間の短縮効果が少なく、前記範囲より多い場合は配合後の硬化時間が短くなりすぎるため、作業に不具合が生じる恐れがある。
本実施形態の有機ポリイソシアネート組成物には、その他リン酸エステルなどの公知の安定剤、消泡剤などの添加剤も併用できる。安定剤を用いることで貯蔵安定性が良くなり、消泡剤を用いることで硬化後の止水材中の気泡が少なくなるため、止水材の強度が向上する効果がある。
本実施形態の有機ポリイソシアネート組成物は、耐熱性に優れており、鋼矢板継手部止水材として好適に用いることができる。すなわち、本実施形態の水膨張性止水材は、上述の有機ポリイソシアネート組成物を含有することを特徴とする。
鋼矢板継手部の水膨張性止水材に要求される特性としては、水による体積膨張率が止水性能を発揮するために重要である。鋼矢板継手部用止水材は作業現場での打ち込み作業において摩擦による熱を受けるため、水膨張性止水材を加熱虐待した後の体積膨張倍率が重視されており、体積膨張倍率が4倍以上であることが望ましい。止水材の耐久性の面から、水膨張後の引張強度及び伸び物性が高いことが好ましく、具体的には、引張強度が4N以上であり、伸び物性が150%以上であることが好ましく、200%以上であることがより好ましい。環境の面からは止水材から減粘剤(c)がブリードしないことが好ましい。
本発明を実施例に基づいて説明する。なお、実施例に記載の部及び%は特に断りのない限り質量によるものである。
(合成例1:MDIプレポリマーA1)
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応器を窒素置換した後、この反応器に2,4’−MDIを55質量%含有するモノメリックMDI(NCO基含有率33.5%、日本ポリウレタン工業(株)製)93g及び減粘剤DIBA250gを入れ、ポリオールA585g及びポリオールB72gを室温で攪拌しながら加え混合した。混合物を攪拌しながら80〜90℃にて15時間反応させて、NCO基含有率1.9質量%、25℃での粘度2700mPa・sのMDIプレポリマーA1を得た。
以下、MDIプレポリマーA1〜A13のNCO基含有率はJIS K1603−1に準じて、粘度は東機産業(株)製B型回転粘度計により測定した。
(合成例2:MDIプレポリマーA2)
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応器を窒素置換した後、この反応器に2,4’−MDIを92質量%、4,4’−MDIを7質量%含有するモノメリックMDI(NCO基含有率33.5%、日本ポリウレタン工業(株)製)93g及び減粘剤DIBA250gを入れ、ポリオールA585g及びポリオールB72gを室温で攪拌しながら加え混合した。混合物を攪拌しながら80〜90℃にて15時間反応させて、NCO基含有率1.9質量%、25℃での粘度2000mPa・sのMDIプレポリマーA2を得た。
(合成例3:MDIプレポリマーA3)
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応器を窒素置換した後、この反応器に2,4’−MDIを70質量%含有するモノメリックMDI(NCO基含有率33.5%、日本ポリウレタン工業(株)製)93g及び減粘剤DIBA250gを入れ、ポリオールA585g及びポリオールB72gを室温で攪拌しながら加え混合した。混合物を攪拌しながら80〜90℃にて15時間反応させて、NCO基含有率1.9質量%、25℃での粘度2400mPa・sのMDIプレポリマーA3を得た。
(合成例4:MDIプレポリマーA4)
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応器を窒素置換した後、この反応器に2,4’−MDIを35質量%含有するモノメリックMDI(NCO基含有率33.5%、日本ポリウレタン工業(株)製)93g及び減粘剤DIBA250gを入れ、ポリオールA585g及びポリオールB72gを室温で攪拌しながら加え混合した。混合物を攪拌しながら80〜90℃にて15時間反応させて、NCO基含有率1.9質量%、25℃での粘度2800mPa・sのMDIプレポリマーA4を得た。
(合成例5:MDIプレポリマーA5)
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応器を窒素置換した後、この反応器に2,4’−MDIを20質量%含有するモノメリックMDI(NCO基含有率33.5%、日本ポリウレタン工業(株)製)93g及び減粘剤DIBA250gを入れ、ポリオールA585g及びポリオールB72gを室温で攪拌しながら加え混合した。混合物を攪拌しながら80〜90℃にて15時間反応させて、NCO基含有率1.9質量%、25℃での粘度3000mPa・sのMDIプレポリマーA5を得た。
(合成例6:MDIプレポリマーA6)
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応器を窒素置換した後、この反応器に2,4’−MDIを55質量%含有するモノメリックMDI(NCO基含有率33.5%、日本ポリウレタン工業(株)製)93g及び減粘剤DBA250gを入れ、ポリオールA585g及びポリオールB72gを室温で攪拌しながら加え混合した。混合物を攪拌しながら80〜90℃にて15時間反応させて、NCO基含有率1.9質量%、25℃での粘度2700mPa・sのMDIプレポリマーA6を得た。
(合成例7:MDIプレポリマーA7)
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応器を窒素置換した後、この反応器に2,4’−MDIを55質量%含有するモノメリックMDI(NCO基含有率33.5%、日本ポリウレタン工業(株)製)93g及び減粘剤#600を250g入れ、ポリオールA585g及びポリオールB72gを室温で攪拌しながら加え混合した。混合物を攪拌しながら80〜90℃にて15時間反応させて、NCO基含有率1.9質量%、25℃での粘度2850mPa・sのMDIプレポリマーA7を得た。
(合成例8:MDIプレポリマーA8)
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応器を窒素置換した後、この反応器に2,4’−MDIを55質量%含有するモノメリックMDI(NCO基含有率33.5%、日本ポリウレタン工業(株)製)93g及び減粘剤GBL250gを入れ、ポリオールA585g及びポリオールB72gを室温で攪拌しながら加え混合した。混合物を攪拌しながら80〜90℃にて15時間反応させて、NCO基含有率1.9質量%、25℃での粘度2800mPa・sのMDIプレポリマーA8を得た。
(合成例9:MDIプレポリマーA9)
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応器を窒素置換した後、この反応器に2,4’−MDIを55質量%含有するモノメリックMDI(NCO基含有率33.5%、日本ポリウレタン工業(株)製)111g及び減粘剤DIBA250gを入れ、ポリオールA569g及びポリオールB70gを室温で攪拌しながら加え混合した。混合物を攪拌しながら80〜90℃にて15時間反応させて、NCO基含有率2.5質量%、25℃での粘度2000mPa・sのMDIプレポリマーA9を得た。
(合成例10:MDIプレポリマーA10)
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応器を窒素置換した後、この反応器に2,4’−MDIを55質量%含有するモノメリックMDI(NCO基含有率33.5%、日本ポリウレタン工業(株)製)116g及び減粘剤DIBA250gを入れ、ポリオールA564g及びポリオールB70gを室温で攪拌しながら加え混合した。混合物を攪拌しながら80〜90℃にて15時間反応させて、NCO基含有率2.7質量%、25℃での粘度1700mPa・sのMDIプレポリマーA10を得た。
(合成例11:MDIプレポリマーA11)
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応器を窒素置換した後、この反応器に2,4’−MDIを55質量%含有するモノメリックMDI(NCO基含有率33.5%、日本ポリウレタン工業(株)製)90g及び減粘剤DIBA300gを入れ、ポリオールA543g及びポリオールB67gを室温で攪拌しながら加え混合した。混合物を攪拌しながら80〜90℃にて15時間反応させて、NCO基含有率1.9質量%、25℃での粘度2000mPa・sのMDIプレポリマーA11を得た。
(合成例12:MDIプレポリマーA12)
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応器を窒素置換した後、この反応器に2,4’−MDIを1質量%、4,4’−MDIを99質量%含有するモノメリックMDI(NCO基含有率33.5%、日本ポリウレタン工業(株)製)93g及び減粘剤DIBA250gを入れ、ポリオールA585g及びポリオールB72gを室温で攪拌しながら加え混合した。混合物を攪拌しながら80〜90℃にて15時間反応させて、NCO基含有率1.9質量%、25℃での粘度3500mPa・sのMDIプレポリマーA12を得た。
(合成例13:TDIプレポリマーA13)
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応器を窒素置換した後、この反応器にTDI−80 64g及び減粘剤DIBA250gを入れ、ポリオールA610g及びポリオールB76gを室温で攪拌しながら加え混合した。混合物を攪拌しながら80〜90℃にて15時間反応させて、NCO基含有率1.9質量%、25℃での粘度1450mPa・sのTDIプレポリマーA13を得た。
(モノメリックMDI以外の使用原料)
1.TDI−80:2,4−TDI/2,6−TDI=80/20(質量比)、NCO基含有率48.2質量%、日本ポリウレタン工業製、商品名「コロネートT−80」
2.ポリオールA:1,2−プロピレングリコールのエチレンオキサイド(EO)/プロピレンオキサイド(PO)付加物、EO/POモル比=70/30、水酸基価=22
3.ポリオールB:グリセリンのエチレンオキサイド(EO)/プロピレンオキサイド(PO)付加物、EO/POモル比=70/30、水酸基価=50
4.減粘剤DIBA:アジピン酸ジイソブチル、分子量258、大八化学工業(株)製、商品名「DIBA」
5.減粘剤DBA :アジピン酸ジブチル、分子量258、東京化成工業(株)製、商品名「DBA」
6.減粘剤#600:石油樹脂(炭素原子数8〜10である芳香族炭化水素留分重合物とスチリルキシレン等の混合物、数平均分子量122、東京樹脂工業(株)製、商品名「シンタロン#600」
7.減粘剤GBL :γ−ブチロラクトン、分子量86、BASFジャパン(株)製、商品名「GBL」
表1に、合成例で作製したプレポリマーをまとめて記載している。なお、表中、A1〜A12はMDIプレポリマー(A)であり、A13はTDIプレポリマーである。
Figure 2014132736
(硬化促進剤の配合例)
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた反応器を窒素置換した後、この反応器にフタル酸ジイソデシル(大八化学工業(株)製、商品名「DIDP」)95g及びカオーライザーNO.300(花王(株)製、イミダゾール系触媒)5gを入れ、室温で2時間攪拌して硬化促進剤を得た。
(シートの作製)
MDIプレポリマーA1〜A12又はTDIプレポリマーA13に対して硬化促進剤を100:3の割合で混合した組成物並びにMDIプレポリマーA1について硬化促進剤を添加しない組成物の合計14点を、水平な台上に設置された長さ19cm、幅10cm、深さ2cmのプラスチックトレイに厚さ2mmになるように流し込み、25℃で48時間放置して硬化させシート状の止水材S0〜S13を得た。
(シートの減粘剤ブリード評価試験方法)
得られたシートについて、官能試験及び濁り試験を行い、評価した。
官能試験:厚さ2mmの上記シートの表面を指で触れた際のぬめり感の有無を調べた。ぬめり感が無いものを○、ぬめり感が有るものを×とした。
濁り試験:200mLサンプル瓶に精製水を160g計量し、25mm×85mm×2mmの大きさの上記シートを浸漬させる。1週間放置した後、水面における油分の有無及びサンプル瓶を振った際の水の泡立ちの有無を目視で確認した。水面の油分及び泡立ちのいずれも無いものを○、いずれかでも有るものを×とした。
評価:官能試験、濁り試験の両方で○のものを合格、いずれか一つでも×があるものを不合格とする。
(室温シートを水膨張させた後の引張強度試験方法)
作製した止水材シートS0〜S13を25℃の市水に24時間浸漬した。その後、JIS K7312に準じてJIS2号ダンベルで打ち抜いて作製した試験片を使い、300mm/分の引張り速度により引張強度を測定した。水膨張後引張強度:4N以上を合格とする。
(加熱シートを水膨張させた後の引張強度試験方法)
作製した止水材シートS0〜S13を180℃に加熱した乾燥機中に20分間入れて加熱し、次に25℃の市水に24時間浸漬した。JIS K7312に準じてJIS2号ダンベルで打ち抜いて作製した試験片を使い、300mm/分の引張り速度により引張強度を測定した。加熱虐待水膨張後引張強度:4N以上を合格とする。
(室温シートを水膨張させた後の体積膨張倍率測定方法)
作製した止水材シートS0〜S13を1辺70mmの正方形に切り取った。次に25℃の市水に4時間浸漬した後、縦・横・厚みを測定し、作製直後の止水材シートの体積からの倍率を算出した。体積膨張倍率:4倍以上を合格とする。
(加熱シートを水膨張させた後の体積膨張倍率測定方法)
作製した止水材シートS0〜S13を1辺70mmの正方形に切り取った。切り取ったシートを180℃に加熱した乾燥機中に20分間入れて加熱し、次に25℃の市水に24時間浸漬した後、縦・横・厚みを測定し、作製直後の止水材シートの体積からの倍率を算出した。加熱虐待後体積膨張倍率:4倍以上を合格とする。
(加熱シートを水膨張させた後の伸び強度試験方法)
作製した止水材シートS0〜S13を180℃に加熱した乾燥機中に20分間入れて加熱し、次に25℃の市水に24時間浸漬した。JIS K7312に準じてJIS2号ダンベルで打ち抜いて作製した試験片を使い、300mm/分の引張り速度により伸び率を測定した。加熱虐待水膨張後伸び率:150%以上が望ましい。
表2には水膨張性止水材シートS0〜S13ついての物性測定結果をまとめて記載している。なお、表中、A1〜A12はMDIプレポリマー(A)であり、A13はTDIプレポリマーである。
Figure 2014132736
実施例S0〜S9は、有機イソシアネート中の2,4’−MDI含有率が20質量%以上のモノメリックMDIを使用して作製された水膨張性止水材であり、優れた耐熱性、引張強度を有していた。比較例S10、S11は有機イソシアネート組成物のNCO基含有率、減粘剤含有率がそれぞれ規定範囲を外れているため、室温での体積膨張倍率が4倍以下であり、減粘剤のブリードも発生していた。比較例S12は、有機イソシアネート中の2,4’−MDI含有率が20質量%未満であるため、鋼矢板継手部へ有機ポリイソシアネート組成物を流し込んで施工するのに適した25℃での粘度が1000〜3000mPa・sの範囲を超えていた。
本発明の水膨張性止水材は、実施例S0〜S9で示されるように耐熱性に優れ、その引張強度及び体積膨張倍率は目標値を超えていた。湿気硬化型有機イソシアネート組成物としては鋼矢板継手部用途の作業に適した粘度であった。

Claims (4)

  1. ジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー(A)を含有する有機ポリイソシアネート組成物であって、
    前記ジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー(A)は、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを20質量%以上含有するジフェニルメタンジイソシアネート(a)と、平均官能基数が2〜3でオキシエチレン基含有率が50〜100質量%であるポリエーテルポリオール(b)との反応により得られるプレポリマー、及び、減粘剤(c)を含み、
    前記ジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー(A)に含まれる減粘剤(c)の含有率が、10〜27質量%の範囲にあり、
    前記ジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー(A)のイソシアネート基含有率が、1.0〜2.5質量%の範囲にあり、
    前記ジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー(A)の粘度が、25℃で1000〜3000mPa・sの範囲にある、鋼矢板継手部止水材用途の湿気硬化型有機ポリイソシアネート組成物。
  2. 前記ポリエーテルポリオール(b)が、平均官能基数2でオキシエチレン基含有率が50〜100質量%であるポリエーテルポリオール(b1)と、平均官能基数が3でオキシエチレン基含有率が50〜100質量%であるポリエーテルポリオール(b2)との混合物からなる、請求項1に記載の有機ポリイソシアネート組成物。
  3. 前記減粘剤(c)が、アジピン酸ジブチル又はアジピン酸ジイソブチルである、請求項1又は2に記載の有機ポリイソシアネート組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機ポリイソシアネート組成物を含有する、水膨張性止水材。
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