JP3473055B2 - 地山改良剤 - Google Patents

地山改良剤

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JP3473055B2
JP3473055B2 JP23375893A JP23375893A JP3473055B2 JP 3473055 B2 JP3473055 B2 JP 3473055B2 JP 23375893 A JP23375893 A JP 23375893A JP 23375893 A JP23375893 A JP 23375893A JP 3473055 B2 JP3473055 B2 JP 3473055B2
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功 夏堀
信也 宇田
一 幸田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、軟弱な地盤を強化
し、涌水地盤の止水等に用いられる地山改良剤に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】通常、軟弱な地盤等を強化するために、
地山改良剤が用いられるが、このような地山改良剤とし
て、従来から、ウレタン系地山改良剤が使用されてい
る。そして、上記ウレタン系地山改良剤として、各種の
固結剤が開発されており、特に硬質ウレタンフォーム系
の固結剤は、その発泡圧を利用して地盤に薬液を浸透さ
せるため極めて有効である。上記ウレタン系地山改良剤
に用いられるウレタン樹脂は、通常、液状のイソシアネ
ート成分と、ポリオール成分,発泡剤,整泡剤,ウレタ
ン触媒,減粘剤およびその他の添加剤を主体とする液状
の硬化剤成分からなり、使用時に上記二液を混合して用
いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような地山改良剤
の粘度は、薬液の浸透性の観点から低粘度であることが
要求され、上記イソシアネート成分および硬化剤成分と
もに、粘度を100cps/25℃以下、好ましくは5
0cps/25℃以下の粘度に設定することが必要であ
り、浸透性能を考慮すると、50cps/25℃前後に
おける粘度は、たとえ数センチポアーズの違いといえど
も浸透性に重大な影響を与える。
【0004】このように、薬液の高粘度化を解決する手
段の一つとして、低粘度の有機溶剤を添加する方法があ
げられる。この方法によると、粘度を下げることは可能
となるが、上記有機溶剤を多量に用いると、固結剤によ
る固結部分の物理的強度(圧縮強度)の低下や、河川の
汚染等を生じるという問題が生起する。また、上記有機
溶剤として低沸点のハロゲンやフロン系有機溶剤を多量
に用いると、減粘効果が高く、しかもガス化し易いため
河川を汚染することが抑制される。しかしながら、ハロ
ゲンやフロンガスの生起に起因する大気汚染の発生、特
にオゾンの破壊という耐オゾン対策の面で好ましくな
い。
【0005】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、低粘度で圧縮強度が高く、しかもその使用に
際して環境汚染の生じない地山改良剤の提供をその目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の地山改良剤は、下記の(A)を主成分と
する硬化剤成分および下記のイソシアネート成分(B)
からなるという構成をとる。 (A)エチレングリコール,ジエチレングリコールおよ
びトリエチレングリコールの少なくとも一つのグリコー
ル成分にグリコール成分中の水酸基1個当たりプロピレ
ンオキサイドを0.97〜1.03モル反応させてなる
ポリエーテルポリオールを主成分とするポリオール成
分。 (B)粘度60cps/25℃以下の粗4,4′−ジフ
ェニルメタンジイソシアネートを主成分とするイソシア
ネート成分。
【0007】
【作用】すなわち、低粘度で高圧縮強度の、しかも河
川,大気等の環境汚染の心配のないウレタン系の地山改
良剤を得るために一連の研究を重ねた。その結果、硬化
剤成分の必須成分であるポリエーテル成分として、上記
特殊なポリエーテルポリオールを用いると、このポリエ
ーテルポリオール成分を含む硬化剤成分の低粘度化が可
能となり、上記特定の低粘度のイソシアネート成分
(B)と組み合わせることで浸透性により優れた地山改
良剤が得られることを突き止めた。そして、この発明の
地山改良剤により発泡形成されるフォームは高圧縮強度
を示すことを見いだしこの発明に到達した。なお、この
発明において、「主成分とする」とは、主成分のみから
なる場合も含める趣旨である。
【0008】つぎに、この発明を詳しく説明する。
【0009】この発明の地山改良剤は、硬化剤成分と、
イソシアネート成分の二成分からなり、使用時に上記二
成分を混合して用いられる。
【0010】上記硬化剤成分は、ポリオール成分(A)
を用いて得られる。
【0011】上記ポリオール成分(A)としては、特殊
なポリエーテルポリオール(X)を主成分とするもので
あり、上記特殊なポリエーテルポリオール(X)は、エ
チレングリコール,ジエチレングリコールおよびトリエ
チレングリコールの少なくとも一つのグリコール成分
に、上記グリコール成分中の水酸基1個当たりプロピレ
ンオキサイドを0.97〜1.03モル反応させること
により得られる。そして、上記特殊なポリエーテルポリ
オール(X)は、OH価が350〜650の範囲に設定
されることが硬化剤成分の処方組立において極めて有益
である。このように、ポリオール成分(A)としては、
上記特殊なポリエーテルポリオール(X)単独で形成し
てもよいが、特殊なポリエーテルポリオール(X)
と、エチレングリコール,ジエチレングリコールおよび
トリエチレングリコールの少なくとも一つのグリコール
成分(Y)とを組み合わせてもよいし、また上記の
組合せ(X+Y)に、さらに他の有用なポリエーテルポ
リオール(Z)をポリオール成分(A)全重量の16重
量%(以下「%」と略す)以下の範囲で用いることもで
きる。特に上記グリコール成分(Y)として、安価でし
かも低粘度のジエチレングリコールを用いることが、低
コストでしかも優れた性状の地山改良剤を得ることが可
能となり好ましい。上記の他の有用なポリエーテルポ
リオール(Z)としては、特に限定するものではなく従
来公知のものが用いられ、一般に市販されているポリエ
ーテルポリオールがあげられる。例えば、水,グリセリ
ン,トリメチロールプロパン,トリエタノールアミン,
ペンタエリスリトール,エチレンジアミン,ソルビトー
ル,砂糖およびトリレンジアミン等の芳香族アミン等の
多官能基の活性水素化合物を基剤として、これらを単独
でもしくは2種以上併せた化合物に、アルキレンオキサ
イドを開環重合させたポリエーテルポリオールがあげら
れる。上記アルキレンオキサイドとしては、エチレンオ
キサイドおよびプロピレンオキサイド等があげられる。
さらに、これらアルキレンオキサイドを組み合わせてブ
ロック重合させたり、ランダム重合させたポリエーテル
ポリオールも含まれる。上記特殊なポリエーテルポリオ
ール(X)とグリコール成分(Y)と他の有用なポリエ
ーテルポリオール(Z)との配合割合は、重量比で、X
/(Y+Z)=20/80〜100/0およびYZ=
80/20〜100/0の範囲に設定することが好まし
い。すなわち、特殊なポリエーテルポリオール(X)が
ポリオール成分(A)全体の20%未満では、優れた性
状の地山改良剤が得られないだけでなく、ジエチレング
リコールのような高いOH価のグリコール成分と組合せ
た場合、硬化剤成分に対しイソシアネート成分の比率が
極端に高くなるため、適切な混合比率の発泡が不可能に
なりやすい。また、発泡特性のコントロールが難しくな
る場合があり、地盤に対する薬液の浸透性に悪影響を与
える傾向がみられるからである。
【0012】そして、上記ポリオール成分(A)全体の
OH価は、350〜950の範囲に設定することが好ま
しく、このように設定することで浸透性に優れた地山改
良剤が得られるようになる。
【0013】さらに、上記ポリオール成分(A)ととも
に用いられる発泡剤としては、水,塩化メチレン,通常
市販されているフロン系発泡剤等があげられる。特に、
環境汚染等の観点から、水を用いることが好ましく、こ
の発明において、上記特殊なポリエーテルポリオールを
用いることから発泡剤として水の使用のみで充分であ
る。上記発泡剤の配合量は、硬化剤成分およびイソシア
ネート成分の二成分を混合した際の発泡倍率が10倍程
度になるように設定することが好ましい。
【0014】この発明において、硬化剤成分には、上記
ポリオール成分(A)および発泡剤以外に、必要に応じ
て減粘剤,整泡剤,ウレタン触媒等の他の添加剤を適宜
に配合することができる。
【0015】上記減粘剤としては、不燃性のもの、もし
くは可燃性のものであっても引火点が70℃以上で50
cps/25℃以下の有機溶剤等があげられる。例え
ば、セロソルブアセテート,エチルジエチレングリコー
ル,エチレンカーボネート,プロピレンカーボネート,
ジグライム類等があげられる。これらは単独でもしくは
併せて用いられる。これら減粘剤は、特に用いる必要は
ないが、使用時には硬化剤成分全体の5%以下の範囲で
使用される。
【0016】上記整泡剤としては、発泡状態が不安定な
場合に際して用いられるものであり、通常、ウレタンフ
ォーム用に市販されている整泡剤を硬化剤成分全体の1
0%以下の範囲で添加することができる。
【0017】さらに、上記ウレタン触媒としては、トリ
エチレンジアミン,テトラメチルヘキサメチレンジアミ
ン,N−エチルモルホリン等の第三アミン類、ジブチル
チンジラウレート等の有機スズ化合物およびオクチル酸
鉛等の有機金属化合物等があげられる。これらウレタン
触媒は、使用する地層状態によって適宜にバランスよく
調整される。
【0018】これら他の添加剤は、各々単独でもしくは
2種以上併せて用いられる。
【0019】上記硬化剤成分とともに用いられるイソシ
アネート成分(B)は、粘度60cps/25℃以下の
粗4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを主成
分とするイソシアネート成分である。特に好ましくは5
5cps/25℃以下に設定することが望ましい。そし
て、上記硬化剤成分との関係から2,4′−ジフェニル
メタンジイソシアネートを含む上記低粘度の粗4,4′
−ジフェニルメタンジイソシアネート等の低粘度イソシ
アネートが好ましい。さらに、上記低粘度イソシアネー
トに加えて、低粘度性が損なわれない範囲において、ト
リレンジイソシアネート,ヘキサメチレンジイソシアネ
ート,イソホロンジイソシアネート,キシリレンジイソ
シアネート等と、末端に活性水素基を有する化合物との
プレポリマーを添加することができる。また、少量であ
ればナフタレンジイソシアネート等の従来公知の高沸点
で毒性の低いイソシアネートを添加することもできる。
【0020】上記イソシアネート成分(B)には、上記
イソシアネート成分以外に、前記硬化剤成分の他の添加
剤としてあげた減粘剤を、イソシアネート成分全体の1
5%以下、好ましくは5%以下で配合することができ
る。
【0021】この発明の地山改良剤において、上記硬化
剤成分(a)とイソシアネート成分(b)の混合割合
(a/b)は、重量比で、a/b=1/0.5〜1/5
の範囲に設定することが好ましく、より好ましくはa/
b=1/1〜1/3の割合に設定することである。そし
て、例えば、攪拌装置付きの注入装置を用い二成分を上
記混合割合で混合し地層に注入することによって、地盤
の強化,止水を容易に行うことができる。
【0022】
【発明の効果】以上のように、この発明の地山改良剤
は、前記特定のポリエーテルポリオールを含むポリオー
ル成分(A)を主成分とする硬化剤成分と、特定のイソ
シアネート成分(B)からなる。このため、硬化剤成分
の低粘度化が実現され、従来のように低粘度化を図るた
めの有機溶剤,フロン等の使用による環境汚染が生じ
ず、しかも上記低粘度のイソシアネート成分(B)と組
み合わせることにより地中への優れた浸透性を備えるよ
うになる。そして、この発明の地山改良剤により発泡形
成されるフォームは高い圧縮強度を備えるようになる。
【0023】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0024】実施例に先立って、まず、下記の製法に従
ってポリエーテルポリオールを製造した。
【0025】〔ポリエーテルポリオールaの製造〕 ジエチレングリコール106gをオートクレーブに仕込
み、水酸化カリウム0.7gを添加して窒素シール後真
空脱気し110℃に昇温した。これに、プロピレンオキ
サイド116gを反応圧力4kg/cm2 で滴下し、反
応圧力が低下して圧力降下が認められなくなるまで加熱
反応してポリエーテルポリオールを作製した(ジエチレ
ングリコール中の水酸基1個当たりプロピレンオキサイ
ドを1.0モル反応)。生成したポリエーテルポリオー
ルをリン酸水で中和し脱水後中和塩を濾過助剤とともに
精製濾過した。このようにして約217gのポリエーテ
ルポリオールaが得られた。このポリエーテルポリオー
ルaの性状は下記の通りである。ポリエーテルポリオー
ルaのOH価:509、粘度:50cps/25℃
【0026】〔ポリエーテルポリオールbの製造〕 トリエチレングリコール150gをオートクレーブに仕
込み、水酸化カリウム0.8gを添加して窒素シール後
真空脱気し110℃に昇温した。これに、プロピレンオ
キサイド116gを反応圧力4kg/cm2 で滴下し、
反応圧力が低下して圧力降下が認められなくなるまで加
熱反応してポリエーテルポリオールを作製した(トリエ
チレングリコール中の水酸基1個当たりプロピレンオキ
サイドを1.0モル反応)。生成したポリエーテルポリ
オールをリン酸水で中和し脱水後中和塩を濾過助剤とと
もに精製濾過した。このようにして約264gのポリエ
ーテルポリオールbが得られた。このポリエーテルポリ
オールbの性状は下記の通りである。ポリエーテルポリ
オールbのOH価:421、粘度:57cps/25℃
【0027】〔ポリエーテルポリオールcの製造〕 エチレングリコール62gをオートクレーブに仕込み、
水酸化カリウム0.6gを添加して窒素シール後真空脱
気し110℃に昇温した。これに、プロピレンオキサイ
ド116gを反応圧力4kg/cm2 で滴下し、反応圧
力が低下して圧力降下が認められなくなるまで加熱反応
してポリエーテルポリオールを作製した(エチレングリ
コール中の水酸基1個当たりプロピレンオキサイドを
1.0モル反応)。生成したポリエーテルポリオールを
リン酸水で中和し脱水後中和塩を濾過助剤とともに精製
濾過した。このようにして約175gのポリエーテルポ
リオールcが得られた。このポリエーテルポリオールc
の性状は下記の通りである。ポリエーテルポリオールc
のOH価:631、粘度:45cps/25℃
【0028】
【実施例1〜7、比較例1〜5】下記の表1および表2
に示す各成分を同表に示す割合で配合して硬化剤成分
(a液)を作製した。ついで、この硬化剤成分(a液)
に、イソシアネート成分(b液)を同表に示す割合で加
え、8秒間高速攪拌機で攪拌しそのままフリー発泡させ
てウレタンフォームを作製した。なお、上記a液のOH
価および粘度、b液の粘度も併せて同表に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】このようにして得られた各実施例品および
比較例品のウレタンフォームにおいて、密度,圧縮強度
(万能試験機による測定)を測定し、また外観について
評価した。また、フォーム形成時のクリームタイム(液
中に泡が発生し、クリーム状になり泡が上昇し始めるま
での時間),ライズタイム(泡の上昇が止まる時間)お
よびタックフリータイム(上昇する泡のべたつきが無く
なるまでの時間)を各々測定した。これらの結果を下記
の表3および表4に示す。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】上記表3および表4の結果から、一般にポ
リオール成分のOH価が低くなればなるほど粘度は上昇
するが、実施例1および3のa液の粘度は50cps/
25℃以下であり、OH価の低い実施例2でも54cp
s/25℃と低粘度で、しかも圧縮強度は比較例と比べ
ても同等以上か、もしくは遜色のないものである。
【0035】また、実施例4および比較例1とを比べる
と、双方ともポリオール成分とイソシアネート成分とを
重量比1:1の割合で混合したため、粘度が50cps
/25℃以下にはならないが、実施例4はa液の粘度が
低く圧縮強度も高い。
【0036】実施例5はこの発明におけるポリエーテル
ポリオールと他のポリエーテルポリオールとを組み合わ
せたa液を用いたものであり、比較例2〜5は他のポリ
エーテルポリオール同士を組み合わせたa液を用いたも
のである。いずれもポリエーテルポリオールのOH価を
同一水準に設定したものであるが、実施例5のa液の粘
度が50cps/25℃以下と低粘度であるのに対し、
比較例2〜5は低粘度のジエチレングリコールを多量に
使用しているにもかかわらず粘度が50cps/25℃
を超えている。比較例5以外のこのような僅かなa液の
粘度差であっても地層への浸透性の影響は大きく、粘度
が50cps/25℃以下の粘度を保持することは重要
な意味を持つ。さらに、実施例5は圧縮強度も比較例2
〜5に比べて同等以上もしくは遜色がない。そして、多
官能基のポリエーテルポリオールを用いた比較例5は、
実施例5よりも圧縮強度は高いが、その反面、粘度が非
常に高くなり浸透性が著しく低下する。
【0037】また、ポリオール成分の末端のOH基が一
級OH基のみからなるポリエーテルポリオール(比較例
1,2)は、実施例1,2,3と比較してクリームタイ
ムに対し、タックフリータイムやライズタイムが短くな
り、発泡時の反応コントロールが難しくなったり、圧縮
強度の低下傾向がみられる。
【0038】そして、実施例1〜3に対して、他の例は
一級OH基を含むポリエーテルポリオールとの組み合わ
せからなる処方となるが、二級OH基に対して一級OH
基の比率が増加するほど、触媒処方範囲が狭くなる。し
たがって、ポリエーテルポリオールが二級OH基からな
る実施例1〜3は、触媒処方範囲の拡大に寄与し、特に
大量の水を含む地層において触媒が水に流されて失活す
る度合いを防止する意味で有用である。
【0039】つぎに、薬液を地層モデルに注入した際の
注入状況(浸透性),密度および圧縮強度を各々測定し
た(薬液注入試験)。
【0040】
【実施例8】まず、下記の表5に示す成分を同表に示す
割合で配合し混合してa液を作製した。また、b液とし
て下記の表5に示す成分を準備した。
【0041】
【表5】
【0042】1.2×1.2×1.2m(体積1.7m
3 )の鉄製容器に珪砂5号を充填し、さらに水を充填し
て、砂の上面より突き固めた。この後、排水して含水砂
層を形成した。これに、上記a液とb液からなる二成分
系薬液を混合する発泡機を接続した鉄製の注入管を、上
記砂層上面から約60cmの位置まで埋め込んだ。つい
で、発泡機の注入速度を5.0kg/分にセットし、1
0kgの混合二液(a液とb液の混合液)を発泡機で連
続的に混合しながら砂中に注入した。翌日、固結した砂
を含む樹脂状ブロックを鉄製容器から取り出して、注入
状況を観察し、さらにこのブロックの密度および圧縮強
度(万能試験機による測定)の測定を行った。
【0043】その結果、注入圧力7kg/cm2 、注入
時間120秒で注入を完了し、砂の表面への薬液の流出
もみられなかった。さらに、硬化後、取り出した樹脂状
ブロックの容積は、約49リットルで、その形状は、円
球に近い楕円状であり、浸透性は良好と判断された。
【0044】また、樹脂状ブロックの一片を取り出して
その試験片の密度および圧縮強度を測定した。その結
果、密度は1.54g/cm3 で、圧縮強度は53kg
/cm2 を示し、充分な実用的強度を有していた。
【0045】
【比較例6】薬液のa液およびb液を下記の表6に示す
成分に代えた。それ以外は実施例と同様にして砂中に
混合液を注入した。このときの注入状況を観察し、さら
に得られたブロックの密度および圧縮強度の測定を行っ
た。
【0046】
【表6】
【0047】その結果、注入圧力13kg/cm2 、注
入時間150秒で注入を完了した。注入管に沿って砂の
表面に薬液の流出が認められ、硬化後、取り出した樹脂
状ブロックの容積は、約37リットルで、その形状は、
若干扁平な、凹凸を有する棒状であり、a液の粘度が高
いため浸透性は不良と判断された。
【0048】また、樹脂状ブロックの一片を取り出して
その試験片の密度および圧縮強度(万能試験機による測
定)を測定した。その結果、密度は1.47g/cm3
で、圧縮強度は55kg/cm2 を示し、圧縮強度につ
いては良好であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 幸田 一 神奈川県鎌倉市西鎌倉4−14−8 (72)発明者 森下 貞政 千葉県市原市八幡672−3 (72)発明者 金子 俊平 千葉県市原市辰巳台東5−7−1 (56)参考文献 特開 平4−185695(JP,A) 特開 昭58−79083(JP,A) 特表 昭63−501086(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 17/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)を主成分とする硬化剤成分
    および下記のイソシアネート成分(B)からなることを
    特徴とする地山改良剤。 (A)エチレングリコール,ジエチレングリコールおよ
    びトリエチレングリコールの少なくとも一つのグリコー
    ル成分にグリコール成分中の水酸基1個当たりプロピレ
    ンオキサイドを0.97〜1.03モル反応させてなる
    ポリエーテルポリオールを主成分とするポリオール成
    分。 (B)粘度60cps/25℃以下の粗4,4′−ジフ
    ェニルメタンジイソシアネートを主成分とするイソシア
    ネート成分。
  2. 【請求項2】 (A)であるポリオール成分が、下記の
    (X),(Y)および(Z)からなり、しかも各々の配
    合割合が、重量比で、X/(Y+Z)=20/80〜1
    00/0およびY/Z=80/20〜100/0に設定
    されている請求項1記載の地山改良剤。 (X)エチレングリコール,ジエチレングリコールおよ
    びトリエチレングリコールの少なくとも一つのグリコー
    ル成分にグリコール成分中の水酸基1個当たりプロピレ
    ンオキサイドを0.97〜1.03モル反応させてなる
    ポリエーテルポリオール。 (Y)エチレングリコール,ジエチレングリコールおよ
    びトリエチレングリコールの少なくとも一つ。 (Z)(X)および(Y)以外のポリエーテルポリオー
    ル。
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