JPH0680374U - シートコイルモータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案はシート状駆動コイルとロータマグネ
ットとの離間距離を小さくするよう構成したシートコイ
ルモータを提供することを目的とする。 【構成】 シートコイルモータ１１は、回路基板２上に
設けられており、複数のコイルが環状に配設されたシー
ト状駆動コイル３と、シート状駆動コイル３に近接対向
するように設けられたロータマグネット４と、シート状
駆動コイル３近傍に配設され磁界の変化を検出するホー
ル素子５とを有し、シート状駆動コイル３とロータマグ
ネット４を平面で対向させて配置した構成である。ロー
タマグネット４の下面４ａにはホール素子５に対向する
部分に逃げ部としての凹部１２が設けられている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はシートコイルモータに係り、特にシート状駆動コイルとロータマグネ ットとの離間距離を小さくするよう構成したシートコイルモータに関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば磁気ディスク装置等の記録再生装置においては、記録媒体としての可撓 性磁気ディスクが収納されたディスクカートリッジを前面ベゼルに設けられたデ ィスク挿入口に挿入されると、ディスクカートリッジの挿入動作とともに可撓性 磁気ディスクがターンテーブル上に装着されて磁気記録再生可能になる。

【０００３】 この種の装置では、薄型化の研究が進められており、その一手段としてターン テーブル上に装着された可撓性磁気ディスクを回転駆動するモータにシートコイ ルモータを採用することが考えられている。シートコイルモータとしては、例え ば図６に示すようなアキシャルギャップ方式（平面対向型）のダイレクト・ドラ イブ・モータよりなる構成のものがある。

【０００４】 シートコイルモータ１は、回路基板２上に設けられており、複数のコイルが環 状に配設されたシート状駆動コイル３と、シート状駆動コイル３に近接対向する ように設けられたロータマグネット４と、シート状駆動コイル３近傍に配設され 磁界の変化を検出するホール素子５とを有し、シート状駆動コイル３とロータマ グネット４を平面で対向させて配置した構成である。

【０００５】 又、ロータマグネット４は可撓性磁気ディスク（図示せず）が載置されるター ンテーブル６の下面に固着され、ターンテーブル６はボールベアリング７を介し て回路基板２に起立するスピンドル軸８に回転自在に支持されている。回路基板 ２には、駆動回路（図示せず）及び相切換のための３個のホール素子５が半田付 けされている。回路基板２は鉄板の上にパターンが印刷された基板で、ロータマ グネット４は所定の定速回転数で駆動されるのに必要な駆動力を得るため、磁束 密度の高い焼結マグネットが使用される。そして、上記構成のシートコイルモー タ１はシート状駆動コイル３に電流を流すことによりシート状駆動コイル３とロ ータマグネット４との間に起電力が生じ、ホール素子５により起電力（磁界）の 検出を行いながら通電する相を切り換えてロータマグネット４を回転駆動する。

【０００６】 即ち、駆動回路はホール素子５からの検出信号に基づいてシート状駆動コイル ３に設けられた各相のコイルへの通電を切り換え制御して可撓性磁気ディスクを 記録・再生に必要な所定の回転数で定速回転させる。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記シートコイルモータ１では、シート状駆動コイル３が約０．３ mm程度まで薄く作ることができるが、回転制御に必要な磁界検出精度を確保する のにホール素子５の高さ寸法が約０．７mm必要である。しかるに、ロータマグネ ット４がホール素子５に衝突しないように設けようとすると、シート状駆動コイ ル３とロータマグネット４との離間距離Ｌを大きくしなければならず、その分モ ータの駆動力が弱まり充分な駆動トルクが得られない。

【０００８】 そのため、ロータマグネット４を所定の定速回転駆動するのに必要な磁束密度 を確保するため、ロータマグネット４に高価な焼結マグネットを使用しなければ ならないといった課題がある。

【０００９】 そこで、本考案は上記課題を解決したシートコイルモータを提供することを目 的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案は、複数のコイルが環状に配設されたシート状駆動コイルと、該シート 状駆動コイルに近接対向するように設けられたロータマグネットと、該シート状 駆動コイル近傍に配設され磁界の変化を検出するホール素子とを有するシートコ イルモータにおいて、 前記ホール素子に対向する前記ロータマグネットの対向面に逃げ部を設けてな る。

【００１１】

【作用】

ホール素子に対向するロータマグネットの対向面に逃げ部を設けることにより 、シート状駆動コイルとロータマグネットとの離間距離を小さく抑えることが可 能になり、焼結マグネットよりも磁力の弱いマグネットでも回転駆動に必要な磁 束密度を確保することができ、安価なコストのマグネットを使用することができ る。

【００１２】

【実施例】

図１乃至図３に本考案になるシートコイルモータの第１実施例を示す。各図中 、シートコイルモータ１１は、アキシャルギャップ方式（平面対向型）のダイレ クト・ドライブ・モータであり、前述した図６に示すシートコイルモータ１とほ ぼ同じ構成であるので、共通部分の説明は省略する。

【００１３】 図１に示すように、シートコイルモータ１１のロータマグネット４は、ホール 素子５に対向する部分に逃げ部としての凹部１２が設けられている。つまり、ホ ール素子５はシート状駆動コイル３の外周側に配設されている。そのため、凹部 １２はロータマグネット４の下面４ａの外周に沿って環状に設けられている。

【００１４】 シート状駆動コイル３は、図２に示すように、扇形に巻回された１２個のコイ ル３₁ 〜３₁₂が環状に印刷されており、小型化とともに薄型化（厚さ約０．３_mm ）されている。又、小型化されたモータでは、磁気ディスクを定速回転させるの に必要な駆動トルクを得るため、シート状駆動コイル３の極数を増やす必要があ る。本実施例では、１２個のコイル３₁ 〜３₁₂が同心円状に設けられているため 、各コイル３₁ 〜３₁₂の外周側にホール素子５を取り付けるスペースを確保する ことができる。

【００１５】 シートコイルモータ１１は３相モータとして駆動制御されるため、基板２上に は３個のホール素子５が１２０°間隔で設けられている。従って、本実施例では 、１２個のコイル３₁ 〜３₁₂にうち１２０°毎のコイル３₁ ，３₅ ，３₉ の外周 寸法を他のコイルよりも小径にして、コイル３₁ ，３₅ ，３₉ の外周に基板２上 に３個のホール素子５を半田付けする。

【００１６】 又、各ホール素子５の回転動作時の磁界検出精度を確保しようとすると、各ホ ール素子５の高さ寸法はシート状駆動コイル３の厚さ（約０．３_mm）よりも大き くなり、少なくとも約０．７_mm必要になる。しかるに、凹部１２は径方向の幅が ホール素子５の上端よりも幅広で、下面４ａからの段差がホール素子５の高さと シート状駆動コイル３の厚さとの差よりも大きく（０．４_mm以上）に設定されて いる。

【００１７】 従って、上記ロータマグネット４のホール素子５に対向する部分（外周側）に 凹部１２を形成することにより、各ホール素子５の磁界検出精度を確保するとと もにロータマグネット４とシート状駆動コイル３との離間距離Ｌａが０．２_mmに なるまで両部材を近接させることができる。そのため、ロータマグネット４とシ ート状駆動コイル３との離間距離を従来よりも小さくすることが可能になる（Ｌ ａ＜Ｌ）。

【００１８】 その結果、シートコイルモータ１１の小型化・薄型化とともに充分な磁束密度 が得られて回転駆動トルクを高めることができ、これによりロータマグネット４ の素材に磁力の弱いプラスチックマグネットを使用することが可能になる。従っ て、ロータマグネット４は成形用金型により一体成形され、各ホール素子５に対 向する外周側には凹部１２が成形時に設けられる。

【００１９】 よって、凹部１２を形成するための加工を施す必要がなく、且つコストの安い プラスチックマグネットを使用して安価にロータマグネット４を作成することが できる。又、ロータマグネット４をプラスチックマグネット製とすることにより 軽量化を図ることもできる。

【００２０】 図４に本考案の第２実施例を示す。

【００２１】 同図中、シートコイルモータ１３は、ホール素子５がシート状駆動コイル３の 例えばコイル３₁ ，３₅ ，３₉ の中心に設けられている。この場合コイル３₁ ， ３₅ ，３₉ を他のコイルよりも大径にして中央部にホール素子５を半田付けする スペースを確保する。

【００２２】 そして、ホール素子５に対向するロータマグネット４の下面４ａの径方向状の 中央部分には逃げ部としての凹部１４が設けられている。この凹部１４は径方向 の幅がホール素子５の上端よりも幅広で、下面４ａからの段差がホール素子５の 高さとシート状駆動コイル３の厚さとの差よりも大きく（０．４_mm以上）に設定 されている。

【００２３】 従って、上記ロータマグネット４のホール素子５に対向する部分（径方向状の 中央部分）に凹部１４を形成することにより、各ホール素子５の磁界検出精度を 確保するとともにロータマグネット４とシート状駆動コイル３との離間距離Ｌｂ が０．２_mmになるまで両部材を近接させることができる。

【００２４】 図５に本考案の第３実施例を示す。

【００２５】 同図中、シートコイルモータ１５は、ホール素子５がシート状駆動コイル３の 例えばコイル３₁ ，３₅ ，３₉ の内周側に設けられている。この場合コイル３₁ ，３₅ ，３₉ の内側を他のコイルよりも大径にして内側にホール素子５を半田付 けするスペースを確保する。

【００２６】 そして、ホール素子５に対向するロータマグネット４の下面４ａの内周側の周 縁部分には逃げ部としての凹部１６が設けられている。この凹部１６は径方向の 幅がホール素子５の上端よりも幅広で、下面４ａからの段差がホール素子５の高 さとシート状駆動コイル３の厚さとの差よりも大きく（０．４_mm以上）に設定さ れている。

【００２７】 従って、上記ロータマグネット４のホール素子５に対向する部分（内側）に凹 部１６を形成することにより、各ホール素子５の磁界検出精度を確保するととも にロータマグネット４とシート状駆動コイル３との離間距離Ｌｃが０．２_mmにな るまで両部材を近接させることができる。

【００２８】 尚、上記実施例では、磁気ディスク装置を一例として説明したが、これに限ら ず、例えば光磁気ディスク装置等に使用されるモータにも適用できるのは勿論で ある。

【００２９】

【考案の効果】

上述の如く、本考案になるシートコイルモータは、ホール素子に対向するロー タマグネットの対向面に逃げ部を設けることにより、シート状駆動コイルとロー タマグネットとの離間距離をできるだけ小さくすことができ、焼結マグネットよ りも磁力の弱いプラスチックマグネットでも回転駆動に必要な磁束密度を確保す ることができ、安価なコストのプラスチックマグネットを使用することができる 等の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案になるシートコイルモータの第１実施例
の縦断面図である。

【図２】シート状駆動コイルの平面図である。

【図３】ロータマグネットの形状を説明するための図で
ある。

【図４】本考案の第２実施例の縦断面図である。

【図５】本考案の第３実施例の縦断面図である。

【図６】従来の構成を説明するための縦断面図である。

【符号の説明】

３ シート状駆動コイル ４ ロータマグネット １１，１３，１５ シートコイルモータ １２，１４，１６ 凹部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のコイルが環状に配設されたシート
   状駆動コイルと、該シート状駆動コイルに近接対向する
   ように設けられたロータマグネットと、該シート状駆動
   コイル近傍に配設され磁界の変化を検出するホール素子
   とを有するシートコイルモータにおいて、 前記ホール素子に対向する前記ロータマグネットの対向
   面に逃げ部を設けてなるシートコイルモータ。