JPH0680357A

JPH0680357A - エレベータかごの換気装置

Info

Publication number: JPH0680357A
Application number: JP23571992A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Kobayashi; 博司小林
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1992-09-03
Filing date: 1992-09-03
Publication date: 1994-03-22

Abstract

(57)【要約】【目的】高速エレベータではかご用換気扇から入る昇
降路内の騒音が大きい。小型で、かご内の騒音を小さく
できる通風ダクトを設けて、乗客の乗り心地の向上を計
る。【構成】通風ダクトをかご後部の左右外側に配置す
る。通風ダクトの内側には吸音材を貼り、更に、アクテ
ィブノイズコントロール(ANC,Active Noise Control)機
器（評価マイク、制御スピーカ、検出マイクなど）を設
ける。この構成により高周波騒音は吸音材で、低周波騒
音はANC で低音化される。通風ダクトはつり合いおもり
部分の空きスペースを利用して配置するので、他の機器
への影響が少ない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はエレベータかごの換気装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】最近、ビルの高層化に伴ってエレベータ
も高速化され、この高速運転のため、昇降路内のかごの
周囲に発生する気流の乱れに起因して大きな騒音が発生
する。

【０００３】特に、かごとつり合いおもりとがすれ違う
時、或いは、かごが昇降路内の突出部近傍を通過するこ
とにより生じる空気圧の変動によって騒音を発生する。

【０００４】これらの騒音は、かごの換気装置に設けら
れた給気口からかご内に侵入して乗客に不快感をあたえ
るので、この給気口から騒音がかご内に侵入するのを防
止する各種の換気手段が採られている。

【０００５】それらの換気装置の一つを図４および図５
を参照して説明する。

【０００６】エレベータかご１の天井２上に、消音器３
を備えた送風機４を設置する。かご１内の天井２に照明
ケース５を送風口６を形成するようにして設ける。

【０００７】かご１の側板の下部に、覆い７を外側へ突
出して設け、この覆い７の内側に、横長の邪魔板８と複
数枚の遮音板９でジグザグの排気通路１０を形成するよ
うにして取付る。

【０００８】このように構成したこの換気装置は、送風
機４を駆動することにより、新鮮な空気を給気口から消
音器３及び送風口６を通してかご内へ供給し、かご内の
空気を換気し、排気通路１０を消音されながら通過して
機外へ排気する。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような換
気装置ではつぎのような問題がある。

【００１０】まず、天井板２に設置した消音器３は、天
井上ということで大きさに制約があり、消音効果はそれ
ほど期待できない。また、かご１が最上階に停止した時
の天井上設置物と、昇降路天井とのすき間（トップクリ
アランス）が小さくなってしまう可能性があり、そうな
った場合昇降路のオーバーヘッド（最上階床面〜昇降路
天井距離）を大きくしなければならない。また、排気通
路１０では邪魔板８による遮音効果を狙っているが、構
造が複雑化するわりには、効果が小さい。

【００１１】本発明は、これらの従来の欠点を解消し、
かご内の騒音が小さい高速エレベータを提供することを
目的としている。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明はこの目的のた
め、つり合いおもり１４の両側のレールブラケット１５
の後方スペースを活用して、かご外側面の上下方向に通
風ダクト１１を配置し、通風ダクト内側には、吸音材を
貼り付け、さらにアクティブノイズコントロール(ANC,A
ctive Noise Control)の機器を取付けた構成とする。通
風ダクトにはかご天井上に設置した換気扇１２に連結す
る。

【００１３】

【作用】このような構成により、かご側面上下方向に設
けた通風ダクトは通風方向に長く、ANC による消音が可
能となる。またダクト内に吸音材を貼り付けることによ
り、より広範の騒音を低減することとなる。一般には、
500HZ 以下の低周波域ではANC により、またそれ以上の
高周波域は吸音材により騒音低減が可能となる。また、
かご側面に設ける通風ダクトはつりあいおもりのレール
ブラケット後方のスペースに配置することにより、昇降
路内に配置する他のかご回り機器の邪魔になることはな
い。

【００１４】

【実施例】本発明を図１〜図３に示す実施例に基づいて
説明する。

【００１５】かご天井の上に、給・排気用の換気扇１
１、１１を設置する。この両換気扇はそれぞれ通風ダク
ト１２，１２に連結する。通風ダクト１２は天井２より
かご側面を通って、かご側板の下部に設けた吸・排気口
１３、１３に連結しておく。この通風ダクト１２の断面
形状は長方形で、かご側面への設置部分は、つり合いお
もり１４の両端のレールブラケット１５の側方のスペー
スを利用して取付ける。

【００１６】また、ANC 機器として、通風ダクト１２の
内側には吸音材１６を全長に渡り貼付ける。更に、換気
扇４の近くに音波検出用のマイク１７を設置し、また、
かご側板下部の吸気口１３の手前数十センチの位置には
制御用スピーカ１８を設置し、さらに吸気口１３の近く
に評価用マイク１９を設置する。通風ダクト内部に設置
したこれらANC 機器のコントローラ２０を天井上に取付
ける。

【００１７】検出用マイク１７は、吸気用換気扇４よ
り、かご内に入り込む騒音を検出してデータをコントロ
ーラ２０に送る。ここで、検出用マイク部の音と逆相で
同振幅の音が制御用スピーカ１８から発信されるように
制御する。これにより互いに逆相の音が重ね合わせ干渉
して音は消えるが、さらに後方の吸気口付近に設置した
評価用マイク１９により重ね合せた音を検出してコント
ローラ２０にフィードバックして制御用スピーカ１８か
ら発信する音の補正を行う。

【００１８】また、排気用通風ダクトの方でも同様に構
成する。吸気口からかご内に入り込んだ騒音と排気口か
ら入り込む騒音とでは、周波数域、音圧レベルともに異
なる。このため別々にANC を行うことで、さらに効果が
大きくなる。

【００１９】以上のように、吸音材、ANC 機器を設置し
た吸音及び排気用通風ダクトを、かご側面後方のつり合
いおもり両側に設けることにより、かご周りに配置する
他の機器に邪魔になることはなく、従って昇降路寸法を
大きくする必要もない。また、かご天井上に突出した部
分もなく、従ってオーバーヘッドを大きくする必要もな
く、広範囲の騒音を効果的に消音することができる。

【００２０】上述の実施例では、通風ダクトをつり合い
おもりの両側に、かご側面上下方向に設置して、吸、排
気口をかご側板下部に設けたが、かご側板下部で通風ダ
クトをＵターンさせて、天井付近（照明装置わき）に吸
気口、排気口を設けてもよい。

【００２１】

【発明の効果】本発明により、昇降路の平面寸法及びオ
ーバーヘッドが小さく、またかご内の騒音が小さい、省
スペースで快適な高速エレベータを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるエレベータかごの断面図、

【図２】本発明によるエレベータかごと昇降路の平面
図、

【図３】図１の通風ダクトの部分詳細図、

【図４】従来のエレベータかごの断面図、

【図５】図４の部分詳細図である。

【符号の説明】

１…かご２…天井４、１１…換気扇９…遮音板１０…排気通路１２…通風ダクト１３…吸・排気口１４…つり合おもり１５…レールブラケット１６…吸音材１７…騒音検出マイク１８…制御用スピーカ１９…評価用マイク２０…コントローラ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】かご内の空気を、昇降路内との給排気に
より強制換気するエレベータかごの換気装置において、かご外の側面に、上下方向に長い２本の換気用通風ダク
トを設け、この各通風ダクトの一端に換気扇を設け、他
端をかご内に開口させると共に、更に、各通風ダクト内
に高周波騒音用の吸音材と、低周波騒音用のアクティブ
ノイズコントロールを備えたことを特徴とするエレベー
タかごの換気装置。
【請求項２】かごの換気用通風ダクトをかご外側の後
部左右端に設けて、かごの後方にあるつり合いおもりの
両側に配置したことを特徴とする請求項１記載のエレベ
ータかごの換気装置。