JPH0680107B2 - ポリウレタンウレア系エラストマ−の製造方法 - Google Patents

ポリウレタンウレア系エラストマ−の製造方法

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JPH0680107B2
JPH0680107B2 JP60029319A JP2931985A JPH0680107B2 JP H0680107 B2 JPH0680107 B2 JP H0680107B2 JP 60029319 A JP60029319 A JP 60029319A JP 2931985 A JP2931985 A JP 2931985A JP H0680107 B2 JPH0680107 B2 JP H0680107B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はポリウレタンウレア系エラストマーの反応射出
成形による製造方法に関するものであり、特に特定の高
分子量活性水素化合物と鎖伸長剤を使用することを特徴
とするポリウレタンウレア系エラストマーの製造方法に
関するものである。
比較的高分子量のポリオールやアミノ化ポリエーテルな
どの活性水素化合物と鎖伸長剤とを必須とし触媒や発泡
剤を任意に配合したポリオール成分とポリイソシアネー
ト化合物を必須とするイソシアネート成分の少なくとも
2成分を使用し反応射出成形によりポリウレタンウレア
系エラストマーを製造する方法は公知である。
高分子量の活性水素化合物の代表例は比較的高分子量の
ポリエーテルポリオールとその水酸基をアミノ基で置換
したアミノ化ポリエーテルである。鎖伸長剤は比較的低
分子量の多価アルコールやポリアミンであり、これも活
性水素含有化合物の1種である。触媒の使用は通常必須
であり通常ポリオール成分に添加されるが、イソシアネ
ート成分に添加することもできるものである。ハロゲン
化炭化水素系発泡剤等の発泡剤を少量使用しマイクロセ
ルラー状のポリウレタンウレア系エラストマーを製造す
ることは成形性の改善などの意味で通常採用されている
手段である。この少量の発泡剤を使用して得られるマイ
クロセルラー状のポリウレタンウレア系エラストマーの
密度は通常約0.8g/cm3以上、特に約0.9g/cm3以上であ
る。特に多量の強化繊維、フレーク状充填剤、粉末充填
剤等の充填剤を配合しない限り、その上限は通常1.2g/c
m3以下、特に約1.15g/cm3以下である。非泡状ポリウレ
タンウレア系エラストマーの密度も同様に通常は上記範
囲内にある。なお、活性水素含有化合物成分を2以上に
分け、イソシアネート成分と合計で3成分以上を使用し
て反応射出成形を行なうことも公知である。
上記ポリウレタンウレア系エラストマーの製造におい
て、鎖伸長剤としてアルキル置換芳香族ジアミンや塩素
置換芳香族ジアミンを使用することは公知であり、たと
えば特公昭54-17359号公報や特開昭58-32626号公報に記
載されている。この特定の芳香族ジアミンは従来の多価
アルコール系鎖伸長剤よりも反応速度が早く、それによ
ってそれを使用したポリウレタンウレア系エラストマー
成形品の型離れが良くボイドの発生も少ないなどの特徴
を有する。しかし、これら特定芳香族ジアミン系鎖伸長
剤は一方において反応速度が早いことによる問題点も有
している。たとえば、射出時間が長い場合や単位時間当
りの射出量が少ない場合、最初に射出された原料混合物
が高粘度化し、後から射出された原料混合物の型内への
充填を妨げるおそれがある。特定芳香族ジアミン系鎖伸
長剤使用によるこのような問題を解決するために、鎖伸
長剤として特定芳香族ジアミンとそれよりも多量のジオ
ールを併用する方法が知られている(特公昭59-49246号
公報参照)。しかし、この方法は特定芳香族ジアミン、
ポリオール系鎖伸長剤および高分子量のイソシアネート
基に対する反応性が大きく異なり、良好な物性のポリウ
レタンウレア系エラストマーを得ることが困難である。
なぜなら、ポリイソジアネート化合物はまず特定芳香族
ジアミンのすべてと反応し、次いでポリオール系芳香族
ジアミンのすべてと反応し、最後に高分子量ポリオール
と反応すると考えられ、生成するポリマーの分子鎖は各
活性水素化合物成分ごとに独立しあまりに斉一すぎるも
のとなって良好な機械的物性を発揮し難い。良好な機械
的物性を発揮させるためには各活性水素化合物ごとの分
子鎖がある程度ランダムに相溶あるいは相互接着した部
分を必要とすると考えられる。
鎖伸長剤としてあるいは高分子量活性水素化合物の一部
としてアミノ化ポリエーテルを使用することは公知であ
る。アミノ化ポリエーテルはポリエーテルポリオールの
水酸基の一部ないし全部をアミノ基に置換したアミノ基
(および場合により水酸基)を有する多価(アミノ基と
水酸基の合計が2以上)のポリエーテル系化合物であ
る。比較的低分子量のアミノ化ポリエーテルを鎖伸長剤
の一部として使用し、他の鎖伸長剤として低分子量ポリ
オールや芳香族ポリアミンを併用して、反応射出成形に
よりポリウレタンウレア系エラストマーを製造する方法
も公知であり、たとえば特開昭56-109216号に記載され
ている。たとえば、その実施例によれば、高分子量ポリ
オールに対し、鎖伸長剤としてエチレングリコール、芳
香族ポリアミンおよびポリアミノ化ポリエーテルが使用
されている(例13〜21参照)。使用されている芳香族ポ
リアミンは前記公知例記載のアルキル置換芳香族ジアミ
ンよりも活性の高い化合物である。従って、前記の問題
を充分解決しうるものではなく、たとえその芳香族ポリ
アミンを特定のアルキル置換芳香族ジアミンに変えたと
してもそのままではこの問題を充分解決し得ないもので
ある。
一般に芳香族のあるいは脂肪族のポリアミンを鎖伸長剤
として使用して得られるポリウレタンウレア系エラスト
マーは低分子量ポリオールを鎖伸長剤として得られるポ
リウレタン系エラストマーよりも機械的物性が低下する
傾向にある。そこで本発明者は、この機械的物性の低下
を防ぎ、反応速度が早すぎず、かつこれらポリアミン系
鎖伸長剤使用による利点、たとえば離型性向上やボイド
発生の減少、を有するポリウレタンウレア系エラストマ
ーの製造方法について検討した。その結果、極めて少量
のポリアミン系化合物の使用が顕著な効果を発揮しうる
ことを見い出した。本発明は、この極く少量のポリアミ
ン系化合物を使用したポリウレタンウレア系エラストマ
ーの製造方法に関するものであり、即ち、 高分子量活性水素化合物、鎖伸長剤、およびポリイソシ
アネート化合物を主たる原料として反応射出成形方法に
より非泡状あるいはマイクロセルラー状のポリウレタン
ウレア系エラストマーを製造する方法において、高分子
量活性水素化合物と鎖伸長剤として、水酸基価20〜60の
高分子量ポリオール、該高分子量ポリオール100gに対し
て、0.1〜0.5モルの分子量62〜240の低分子量ポリオー
ル、0.01〜0.1モルの分子量108〜400の芳香族ジアミ
ン、および0.001〜0.02モルの分子量200〜5000のアミノ
化ポリエーテルを使用し、かつ高分子量ポリオール100g
に対する該芳香族ジアミンと該アミノ化ポリエーテルの
合計モル数が0.02モル以上であることを特徴とするポリ
ウレタンウレア系エラストマーの製造方法。
である。
本発明において、アミノ化ポリエーテルの分子量は広範
囲のものから選択しうる。従って、比較的低分子量のア
ミノ化ポリエーテルは鎖伸長剤とみなすことができ、比
較的高分子量のものは高分子量活性水素化合物の1種と
してみなしうる。その官能性は約2〜4価であることが
好ましく、特に2〜3価であることが好ましい。そのア
ミノ化率(アミノ基と水酸基の合計に対するアミノ基の
割合)は低分子量のアミノ化ポリエーテルにおいては約
70%以上、特に約90〜100%であることが好ましい。高
分子量(分子量約1000以上)のアミノ化ポリエーテルに
おいてはそのアミノ化率は特に限定されない。なぜな
ら、本発明において、アミノ化ポリエーテルのアミノ化
されていない部分はポリエーテル系ポリオールの1種と
みなしうるからである。たとえば、アミノ化率50%、分
子量約3000の2価のアミノ化ポリエーテルはアミノ価率
100%、分子量約3000の2価のアミノ化ポリエーテルと
分子量約3000のポリエーテル系ジオールとの等量混合物
とみなすことができ、後者は高分子量のポリエーテル系
ポリオールの一部とみなすことができる。本発明におい
て、アミノ化率の低い高分子量アミノ化ポリエーテルは
このような計算でその一部を高分子量ポリエーテル系ポ
リオールに配分する。従って、以下に記載するアミノ化
ポリエーテルはいずれもアミノ化率ほぼ100%のものを
いう。
アミノ化ポリエーテルは後述する高分子量ポリエーテル
系ポリオールまたはその低分子量物であるポリエーテル
系ポリオールの水酸基のほぼすべてをアミノ基に変換し
た化合物であり、分子鎖末端に2以上のアミノ基を有す
る。このアミノ化ポリエーテルはイニシエーターが芳香
核を有する化合物である場合を除いて、脂肪族の化合物
である。好ましいイニシエーターは脂肪族あるいは脂環
族の多価アルコールであり、特に脂肪族多価アルコール
が好ましい。従って、アミノ化ポリエーテルは芳香核を
有しない化合物が好ましく、特に脂肪族の化合物が好ま
しい。アミノ化ポリエーテルのより好ましい分子量範囲
は約300〜4000である。
分子量108〜400芳香族ジアミンとしては単核芳香族ジア
ミン(即ち、ジアミノベンゼン誘導体)や多核芳香族ジ
アミン(たとえばジアミノジフェニルメタン誘導体な
ど)などがあり、特に単核芳香族ジアミンが好ましい。
その分子量は特に約120〜200であることが好ましい。こ
れらは、アルキル基や塩素原子でアミノ基の反応性を調
節されていることが好ましい。即ち、アミノ化のオルト
位に1以上の低級アルキル基を存在させることによりア
ミノ基の反応性を低減した化合物や塩素原子を有するが
その塩素原子により過剰にアミノ基の反応性が低減され
すぎていない化合物が適当である。前者としては、2つ
のアミノ基のすべてのオルト位に低級アルキル基を有す
る化合物が特に好ましい。後者としては1個の塩素原子
を有する(低級アルキル基をさらに有していてもよい)
ジアミノベンゼン誘導体が好ましい。好ましい低級アル
キル置換芳香族ジアミンは1-メチル‐3,5-ジエチル‐2,
4-ジアミノベンゼン,1-メチル‐3,5-ジエチル‐2,6-ジ
アミノベンゼン,1,3-ジメチル‐2,4-ジアミノベンゼン,
1,3-ジエチル‐2,4-ジアミノベンゼン,1,4-ジイソプロ
ピル‐2,5-ジアミノベンゼン,1,3,5-トリエチル‐2,4-
ジアミノベンゼン,3,3′,5,5′‐テトライソプロピル‐
4,4′‐ジアミノジフェニルメタンなどがある。特に好
ましい化合物は1-メチル‐3,5-ジエチル‐2,4-ジアミノ
ベンゼン,1-メチル‐3,5-ジエチル‐2,6-ジアミノベン
ゼン、およびそれらの混合物である。好ましい塩素置換
ジアミノベンゾンは2-クロル‐1,4-ジアミノベンゼン,4
-クロル‐1,2-ジアミノベンゼン、あるいはこれらの混
合物である。勿論これら芳香族ジアミンは2種以上併用
してもよい。
低分子量ポリオールとしては分子量62〜240の脂肪族あ
るいは脂環族の2〜4価の低分子量ポリオールが好まし
く、特に62〜120の2〜3価のアルコールが好ましい。
これら化合物の水酸基はすべて1級水酸基であることが
好ましい。具体的にはエチレングリコール,1,3-プロパ
ンジオール,1,4-ブタンジオール,1,6-ヘキサンジオー
ル,ネオペンチルグリコール,シクロヘキサンジメタノ
ール,ジエチレングリコール,ジプロピレングリコー
ル,トリエタノールアミン,ジエタノールアミン,ジイ
ソプロパノールアミン,グリセリン,およびこれら少量
のアルキレンオキシドを付加して得られるポリオールが
ある。好ましい低分子量ポリオールは炭素数2〜6の脂
肪族ジオールであり、特にエチレングリコールと1,4-ブ
タンジオールが好ましい。
高分子量ポリオールとしては、水酸基価20〜60のポリエ
ーテル系ポリオールや重合体分散ポリオールが好まし
い。また、これらとともにそれよりも少量のポリエステ
ル系ポリオール、ポリジエン系ポリオール、その他のポ
リオールを併用してもよい。重合体分散ポリオールと
は、実質的に飽和のあるいは不飽和基を有する高分子量
ポリエーテル系ポリオール中でアクロニトリルやスチレ
ンを重合して得られるポリオール、アクリロニトリルや
スチレンと共重合して得られる微粒子状重合体を高分子
量ポリエーテル系ポリオールに分散して得られるポリオ
ール、あるいはそれらポリオールと重合体を含まないポ
リエーテル系ポリオールとの混合物などがある。重合体
量は通常重合体分散ポリオールに対して約40重量%以下
である。特に好ましい高分子量ポリオールは重合体を含
まないポリエーテル系ポリオールである。
上記ポリエーテル系ポリオールとしては、多価アルコー
ル、多価のアルカノールアミン、多価フェノール、モノ
あるいはポリアミン、その他のイニシエーターにアルキ
レンオキシドを付加して得られる化合物が好ましい。好
ましくは、2〜8価、特に2〜4価の多価アルコールに
プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドと
エチレンオキシドとを付加して得られる化合物が好まし
い。多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、1,4-ブタンジオール、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリ
トール、その他の脂肪族の2〜4価の多価アルコールが
特に好ましい。これらイニシエーターに上記アルキレン
オキシドを付加する場合、少なくとも最後の付加反応は
エチレンオキシドであることが好ましい。この末端エチ
レンオキシド付加(エチレンオキシドキャップともいわ
れる)による生成するポリエーテル系ポリオールの水酸
基は1級水酸基の多いものとなる。反応射出成形用の高
分子量ポリオールは高反応性の化合物であることが必要
であり、ポリエーテル系ポリオールの場合、1級水酸基
の割合は少なくとも70%であることが好ましく、特に約
85%以上であることが好ましい。この1級水酸基割合を
与えるエチレンオキシドキャップ量は約5重量%以上、
特に約5〜30重量%であることが好ましい。エチレンオ
キシドキャップ以外のポリエーテル鎖内に存在するオキ
シアルキレン基はオキシプロピレン基および/またはオ
キシブチレンン基を主とするが少量のオキシエチレン基
が存在してもよい。好ましくはオキシプロピレン基のみ
からなるか、オキシプロピレン基とそれに比べて少量の
オキシエチレン基とのランダムあるいはブロック状のコ
ポリマー鎖からなる。キャップによる末端オキシエチレ
ン基を含めてポリエーテル系ポリオールの全オキシエチ
レン基は約40重量%以下であることが好ましい。オキシ
エチレン基は親水性であり、あまりに高いオキシエチレ
ン基含量のポリエーテル系ポリオールはそれを使用して
得られるポリウレタンウレア系エラストマーの耐水性を
低下させるおそれがある。特に本発明においては従来反
応射出成形に使用されていた高分子量ポリオールの内比
較的反応の遅いタイプの高分子量ポリオールが適当であ
る。このような高分子量ポリオールはボイド発生低減の
ために芳香族ジアミンと組み合せると機械的物性の著し
く低いポリウレタンウレア系エラストマーしか得られな
い。この低活性の高分子量ポリオールには2価の高分子
量ポリオール、2価の高分子量ポリオールを主成分とす
る混合ポリオール(平均水酸基数約2.4以下)、末端オ
キシエチレン基重量の少ない(約25重量%以下、特に約
5〜25重量%)高分子量ポリオールなどがあり、本発明
はこれらの高分子量ポリオールを使用する場合に有利で
ある。
高分子量ポリオールの水酸基価は20〜60であることが必
要である。この高分子量ポリオールは2種以上の高分子
量ポリオールの混合物であってもよい。その場合の水酸
基価はそれらの平均値をいう。従って、ある場合には水
酸基価20〜60の範囲外の高分子量ポリオールを使用し、
他の高分子量ポリオールと併用して平均水酸基価20〜60
の混合ポリオールを得ることができ、これを使用するこ
ともできる。高分子量ポリオールの水酸基価は特に20〜
40であることが好ましい。
本発明において芳香族ジアミンやアミノ化ポリエーテル
の使用量は反応性調節を目的とするものであるのでその
アミノ基の数によって調節される。即ち、反応系にある
必要な範囲のアミノ基の存在を必要とする。従って、こ
れら化合物の分子量が大きく異なる場合、その使用量も
異なる。即ち、低分子量化合物ほど少量使用され高分子
量化合物ほど多量に使用される。特にアミノ化ポリエー
テルは使用しうる分子量範囲が広いので使用量はモル数
で表すことが適当である。従って、本発明においてこれ
ら化合物および低分子量ポリオールの使用量は高分子量
ポリオール100gに対するモル数で表す。
高分子量ポリオール100gに対する低分子量ポリオールの
使用量は0.1〜0.5モルであることが必要である。より好
ましくは0.1〜0.4モルが使用される。芳香族ジアミンの
使用量は同様に0.01〜0.1モルであることが必要であ
る。特に好ましくは0.01〜0.08が使用される。アミノ化
ポリエーテルの使用量は同様にモル0.001〜0.02モルで
あることが必要である。特に好ましくは0.002〜0.015モ
ルが使用される。しかも芳香族ジアミンとアミノ化ポリ
エーテルの合計モル数は0.02モル以上であることが必要
であり、その上限は約0.1モルであり、特に0.08モルで
あることが好ましい。さらに低分子量ポリオール、芳香
族ジアミン、およびアミノ化ポリエーテルの合計モル数
は約0.15〜0.4モルであることが最も好ましい。
ポリイソシアネート化合物としては種々のポリイソシア
ネート化合物およびその変性体を使用できるが、特に芳
香族ポリイソシアネートおよびその変性体が好ましい。
好ましい芳香族ポリイソシアネートはジフェニルメタン
ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ポリメ
チレンポリフェニルジイソシアネート、およびナフチレ
ンジイソシアネートである。特に4,4′‐ジフェニルメ
タンジイソシアネートが好ましい。これら芳香族ポリイ
ソシアネートは無変性のものよりむしろ変性体である方
が好ましい。変性体としてはカルボジイミド変性体、プ
レポリマー型変性体、三量体、ウレア変性体、ビューレ
ット変性体、その他のものを使用しうるが特にカルボジ
イミド変性体とプレポリマー型変性体が好ましい。これ
ら変性体は低分子量のポリオールで変性された通常反応
射出成形に使用されるもの以外に、本発明における高分
子量ポリオールなどの高分子量のポリオールを反応させ
たプレポリマーであってもよい(特開昭58-61117号公報
参照)。これらポリイソシアネート化合物の使用量は高
分子量ポリオール、低分子量ポリオール、芳香族ジアミ
ン、およびアミノ化ポリオールの総量における水酸基と
アミノ基の合計100個に対するイソシアネート基の数
(イソシアネートインデックスと通称されている)で表
して約80〜130、特に約90〜120であることが好ましい。
反応射出成形方法におけるポリウレタンウレア系エラス
トマーの製造において、上記主原料以外に通常触媒の使
用が必須であり、発泡剤の使用も好ましい。触媒として
は各種の第3級アミン系触媒や有機スズ化合物などの有
機金属化合物があり、両者は単独あるいは併用して使用
される。本発明において、発泡剤は必ずしも必須ではな
く、発泡剤を使用しなくとも原料に溶存する空気や水の
存在によりわずかに発泡したエラストマーが得られ、ま
たこれらを充分除去することにより非泡状のエラストマ
ーが得られる。しかしながら少量の発泡剤の使用は成形
性の改良などの理由により好ましい。発泡剤としては空
気や水なども使用しうるが好ましくは低沸点のハロゲン
炭化水素が使用される。具体的にはトリクロロフルオロ
メタン,ジクロロフルオロメタン,塩化メチレン等が適
当である。その量は高分子量活性水素化合物と鎖伸長剤
の合計100重量部に対して15重量部以下、特に2〜10重
量部が適当である。
さらに任意の添加成分として種々の添加剤を添加しう
る。たとえば、強化繊維、内部離型剤、充填剤、着色
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤などがある。特
に強化繊維、またはフレーク状強化剤を配合することは
強度向上のみならず吸水寸法変化率を低下させるなどの
物性向上効果もある。これは、ポリウレタンウレア系エ
ラストマーの剛性や強度を向上させるためであると思わ
れる。強化繊維としては、ガラス繊維のミルドファイバ
ーやカットファイバー、あるいはワラストナイトなどが
適当である。また、フレーク状強化剤としてはマイカガ
ラスフレークなどが用いうる。その量はポリウレタンウ
レア系エラストマー全体に対して約20重量%以下で充分
効果を有する。上記触媒や発泡剤を含めてこれらの添加
剤は通常高分子量活性水素化合物と鎖伸長剤を含むポリ
オール成分に添加される。しかし、イソシアネート基に
対して不活性な添加剤はイソシアネート成分に添加する
こともできる。
反応射出成形方法は通常上記ポリオール成分とイソシア
ネート成分を急速に混合して反応性混合物としこれを直
ちに成形型に射出し、成形型中でこの反応性混合物を反
応させ、硬化後成形物として取りだすことによって行な
われる。場合により、ポリオール成分やイソシアネート
成分を2以上に分け、あるいは第3の成分を使用するこ
とにより3以上の成分を用いることもある。急速な混合
は通常各成分の衝突混合により行なわれ、またランナー
部にアフターミキシング機構を設けて再混合を行なうこ
ともある。
ポリウレタンウレア系エラストマーは内部離型剤を使用
しなくとも良好な離型性が発揮されるが、内部離型剤を
用いてより離型性を向上させることもできる。
また、成形型内面には通常外部離型剤が塗布される。本
発明におけるポリウレタンウレア系エラストマーは外部
離型剤の使用によって離型性がより向上し、外部離型剤
の面からみればその寿命が大幅に延長される。外部離型
剤としては種々のものを使用でき、たとえばワックス系
外部離型剤,シリコン系外部離型剤,フッ素化合物外部
離型剤なども使用しうる。
本発明は自動車の外装部品、特にバンパー外殻の成形の
ために使用される。しかしながら、この用途に限られる
ものではなく他の自動車用部品、ハウジング用成形品、
その他の用途にも適用しうる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが本発明
はこれら実施例に限られるものではない。
実施例及び比較例 高圧発泡機のポリオール成分側タンクに下記に示す原料
の混合物を仕込み、一方ポリイソシアネート化合物をイ
ソシアネート成分側タンクに仕込んだ。高圧発泡機の吐
出圧力を150kg/cm2,吐出量60〜120kg/分、各成分の液温
30〜40℃に調整し反応射出成形を行なった。成形型は大
きさ140×120×1600mm,内厚3.5mmの自動車用バンパー外
殻成形用の鉄製の金型(実型)を使用し、その型温を70
℃に調整して成形を行なった。一方、同一の成形条件で
500×500×3mmの試験金型でボイドの有無と流れ性とを
試験した。成形品のボイドの有無を下記方法で評価する
とともに、流れ性と脱型時間を下記方法で測定した。ま
た、成形品より得られた試験片を用いてJIS K6301によ
り曲げ弾性率、伸び、および熱垂下性を測定した。
ポリオール成分の組成、上記成形性、および物性を第1
表に示す。また、比較例を第2表に示す。
原 料 ポリオール成分 下記の種類の原料の混合物 合計100重量% [その組成は第1表記載] 触 媒: トリエチレンジアミン溶液 0.4重量部 [商品名“ダブコー33LV"] ジブチル錫ジラウレート 0.08重量部 発泡剤(トリクロロフルオロメタン) 5重量部 ただし、実施例4ではさらにガラス繊維を成形品中のガ
ラス繊維含有率10%となる量配合した。
イソシアネート成分 カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート
(NCO含量29%) [使用量はインデックスが105となる量] 原料の種類 ポリオールA:分子量約4000のポリオキシプロピレンオキ
シエチレンジオール。
[分子鎖末端のみに約20重量%のオキシエチレン基含
有] ポリオールB:分子量約6000のポリオキシプロピレンオキ
シエチレントリオール。
[分子鎖末端のみに約15重量%のオキシエチレン基含
有] アミノ化ポリエーテルA: 分子量約400のポリオキシプロピレンジオールの水酸基
のほぼすべてをアミノ基に変換して得られた化合物。
アミノ化ポリエーテルB: 分子量約3000のポリオキシプロピレンジオールの水酸基
のほぼすべてをアミノ基に変換して得られた化合物。
EG:エチレングリコール。
CDA:2-クロル‐1,4-ジアミノベンゼン。
DETDA:1-メチル‐3,5-ジエチル‐2,4-ジアミノベンゼン
と1-メチル‐3,5-ジエチル‐2,6-ジアミノベンゼンの混
合物。
成形性の評価 ボイド点数:試験金型中にジャマ板を入れた形状で実型
と同じ線速度で反応射出成形を行なった。ボイドの発生
度を5点法で表す。ボイドが全く発生しなかった場合は
5点、最も激しい場合を1点とする。
流れ性:試験金型中に全充填量の1/2の量を射出し、そ
の流動距離hmmからその金型全長(500mm)に対する割合
(h/500)を流れ性(単位%)とした。
脱型時間:実型を使用し射出から成形品をハガレ等の欠
点を生じることなく脱型しうるまでの時間をいう。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子量活性水素化合物、鎖伸長剤、およ
    びポリイソシアネート化合物を主たる原料として反応射
    出成形方法により非泡状あるいはマイクロセルラー状の
    ポリウレタンウレア系エラストマーを製造する方法にお
    いて、高分子量活性水素化合物と鎖伸長剤として、水酸
    基価20〜60の高分子量ポリオール、該高分子量ポリオー
    ル100gに対して、0.1〜0.5モルの分子量62〜240の低分
    子量ポリオール、0.01〜0.1モルの分子量108〜400の芳
    香族ジアミン、および0.001〜0.02モルの分子量200〜50
    00のアミノ化ポリエーテルを使用し、かつ高分子量ポリ
    オール100gに対する該芳香族ジアミンと該アミノ化ポリ
    エーテルの合計モル数が0.02モル以上であることを特徴
    とするポリウレタンウレア系エラストマーの製造方法。
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