JPWO2003072626A1 - 軟質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

軟質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Abstract

キュア性、フォギング等に問題がなく、さらに耐久性等の良好な軟質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。ポリオール混合物とポリイソシアネート化合物とを架橋剤および発泡剤の存在下で反応させる軟質ポリウレタンフォームの製造方法において、前記ポリオール混合物のうち、50質量%以上が下記ピペラジン系ポリオール(1)であり、前記ポリオール混合物の総不飽和度が0.05meq/g以下であり、平均水酸基価が10〜56mgKOH/gであることを特徴とする。ただし、ピペラジン系ポリオール(1)とは、ピペラジン類にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られる、不飽和度が0.04meq/g以下、水酸基価が10〜56mgKOH/gであるポリオキシアルキレンポリオールである。

Description

技術分野
本発明は軟質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。より詳しくは、アミン系触媒に起因するフォギング問題を起こさず、キュア性に優れ、かつ耐久性に優れた軟質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
背景技術
軟質ポリウレタンフォームは、一般的に、優れた弾性触感により、主に、自動車用シートクッションやシートバック、家具用品等に多用されている。
従来から、軟質ポリウレタンフォームの製造におけるポリオールとポリイソシアネートの反応触媒として、ある一定量以上のアミン系触媒の添加が必須であった。しかし、近年、軟質ポリウレタンフォームを上記自動車用材料に使用した場合などに、アミン系触媒に起因して起こる、インストルメントパネルガラスなどの表面曇(フォギング)問題がクローズアップされるようになってきた。そこで、アミン系触媒の構造の一部をイソシアネートと反応するように、ヒドロキシル化またはアミノ化したもの(以下、反応型アミン系触媒という)が使用されるようになってきた。
また、特許文献1(特開平8−311149号公報)には、N−アミノエチルピペラジンを開始剤に用いてポリオールを得、このポリオールを用いて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法が提案されている。
しかし、反応型アミン系触媒は、軟質ポリウレタンフォームの製造途中でイソシアネートと反応するため、反応後半の触媒活性が低くなり、脱型性(キュア性)が不充分であるという問題があった。具体的には、フォームの脱型時にフォームのスキンの剥離、破れが生じ金型汚染を招くと同時に、得られる製品の外観不良となりやすいという問題があった。特に最近は、短時間で成形品を脱型することが求められているため、反応型アミン系触媒の添加量も多くなり、熱分解によって再発生するアミン系触媒によるフォギングも問題になってきた。
特許文献1で提案の方法で提案されている軟質ポリウレタンフォームは、キュア性、フォギング等に問題がないなど、従来のグリセリン等を開始剤に用いたポリオールによる軟質ポリウレタンフォームに比べて良好な性能を示す。しかし、例えば、自動車シート用途などで、圧縮永久歪みが小さい等耐久性により優れた軟質ポリウレタンフォームが近年強く要望されてきている状況においては、未だ耐久性が不充分であった。したがって、キュア性、フォギング等に問題がなく、さらに耐久性等の良好な軟質ポリウレタンフォームが求められている。
発明の開示
本発明はこのような問題を解決して、多量のアミン系触媒を使用することなくキュア性の向上した軟質ポリウレタンフォームを提供することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨は、ポリオール混合物とポリイソシアネート化合物とを架橋剤および発泡剤の存在下で反応させる軟質ポリウレタンフォームの製造方法において、前記ポリオール混合物のうち、50質量%以上が下記ピペラジン系ポリオール(1)であり、不飽和度が0.05meq/g以下であり、平均水酸基価が10〜56mgKOH/gであることを特徴とする軟質ポリウレタンフォームの製造方法にある。ただし、ピペラジン系ポリオール(1)とは、ピペラジン類にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られる不飽和度が0.04meq/g以下、水酸基価が10〜56mgKOH/gであるポリオキシアルキレンポリオールである。また本発明は上記製造方法により製造された軟質ポリウレタンフォームを提供する。
発明を実施するための最良の形態
[ピペラジン系ポリオール(1)、(3)]
本発明において使用するピペラジン系ポリオール(1)または(3)とは、ピペラジン類にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリオキシアルキレンポリオールである。本発明でいうピペラジン類とは、ピペラジンのみならず、ピペラジン中の水素原子をアルキル基やアミノアルキル基等の有機基で置換した置換ピペラジンをも意味する。該ピペラジン類はアルキレンオキシドが反応しうる活性水素を少なくとも2個有することを必須とする。このような化合物にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるピペラジン系ポリオールにおいては、ピペラジン類における環を構成する2個の窒素原子は3級アミンとなる。
ピペラジン類の具体例としては、ピペラジン;2−メチルピペラジン、2−エチルピペラジン、2−ブチルピペラジン、2−ヘキシルピペラジン、2,5−、2,6−、2,3−または2,2−ジメチルピペラジン、2,3,5,6−または2,2,5,5−テトラメチルピペラジンなどの環を構成する炭素原子に結合した水素原子を低級アルキル基で置換したアルキルピペラジン類;N−(2−アミノエチル)ピペラジンなどの、環を構成する窒素原子に結合した水素原子をアミノアルキル基で置換したN−アミノアルキルピペラジン類などが挙げられる。これらのピペラジン類の中では置換ピペラジン類が好ましく、アミノアルキル基などで水素を置換したピペラジンのような、窒素原子を分子中に3個以上有する置換ピペラジン類がより好ましい。また、置換ピペラジン類の中ではN−置換ピペラジン類が好ましく、N−アミノアルキルピペラジン類がさらに好ましく、N−(2−アミノエチル)ピペラジンが特に好ましい。
ピペラジン類に開環付加反応させるアルキレンオキシドとしては、炭素数2〜4のアルキレンオキシドが好ましい。具体的にはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、および2,3−ブチレンオキシドから選ばれる少なくとも1種が好ましい。特に、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの併用が好ましい。
[ピペラジン系ポリオール(1)]
ピペラジン系ポリオール(1)とは前記ピペラジン系ポリオールのうち、不飽和度が0.04meq/g以下、水酸基価が10〜56mgKOH/gであるポリオキシアルキレンポリオールである。ピペラジン系ポリオール(1)の不飽和度は0.04meq/g以下であるが、0.035meq/g以下が好ましい。前記不飽和度が0.04meq/g以下であると、ピペラジン系ポリオール(1)を反応させて製造した軟質ポリウレタンフォームの耐久性が向上する点で好ましい。また、ピペラジン系ポリオール(1)の水酸基価は10〜56mgKOH/gであるが、15〜40mgKOH/gが好ましい。前記水酸基価が10mgKOH/g未満であると、ポリオール混合物の粘度が高くなり、軟質ポリウレタンフォームの成形性が悪化しやすく好ましくない。また、前記水酸基価が56mgKOH/gを超えて大きいと、ピペラジン系ポリオール(1)を反応させて製造した軟質ポリウレタンフォームの弾性が不充分となりやすく好ましくない。また、ピペラジン系ポリオール(1)の水酸基数は2〜4が好ましい。
ピペラジン系ポリオール(1)は分子末端および/または分子内部にオキシエチレン基を有することが好ましく、特に分子末端にオキシエチレン基を有することが好ましい。ここでピペラジン系ポリオール(1)における、オキシエチレン基の割合は10質量%以上が好ましく、13質量%以上がより好ましい。
前記オキシエチレン基の割合が10質量%以上であると、軟質ポリウレタンフォームの製造時の成形性(キュア性)が向上する点で好ましい。また、ピペラジン系ポリオール(1)は2種以上の混合物であってもよい。その場合の好ましい平均水酸基数、平均水酸基価、および、総不飽和度の範囲は上記の通りである。
ピペラジン系ポリオール(1)の製造に用いる開環付加重合触媒としては、従来公知の低不飽和度のポリオキシアルキレンポリオールが得られる触媒を用いることができ、例えば、セシウム系触媒、ホスファゼン系化合物触媒等が挙げられるが、セシウム系触媒が特に好ましい。セシウム系触媒としては、例えば、セシウム金属、セシウムメトキシド等のセシウムアルコキシド、水酸化セシウム、炭酸セシウム等が挙げられ、このうち水酸化セシウムが特に好ましい。
[ポリオール(2)]
本発明においては、ポリオール混合物として、前記ピペラジン系ポリオール(1)とともに、下記ポリオール(2)を50質量%未満の範囲で併用することが好ましい。ここでポリオール(2)とは、多価アルコール類にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られる、不飽和度が0.04meq/g以下、水酸基価が10〜56mgKOH/gである、ポリオキシアルキレンポリオールである。
前記多価アルコールとは、アルコール性水酸基を2以上有する化合物であり、その具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、デキストロース、meso−エリスリトール、メチルグルコシド、グルコース、ソルビトール、ショ糖等が挙げられる。多価アルコール類は1種のみを使用してもよく2種以上を併用してもよい。
多価アルコール類の平均水酸基数は2〜8が好ましく、2.7〜7がより好ましく、2.8〜5.2が最も好ましい。
前記ポリオール(2)の製造に用いられるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド等が例示され、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、および2,3−ブチレンオキシドから選ばれる少なくとも1種とエチレンオキシドとの併用が好ましい。
前記ポリオール(2)の製造に用いる開環付加重合触媒としては、従来公知の低不飽和度のポリオキシアルキレンポリオールが得られる触媒を使用でき、例えば、セシウム系触媒、ホスファゼン系化合物触媒、複合金属シアン化物錯体触媒等が挙げられるが、複合金属シアン化物錯体触媒が特に好ましい。すなわち、ポリオール(2)の製造法としては、前記多価アルコールまたは前記多価アルコールにアルキレンオキシドを開環付加重合させた化合物を開始剤とし、複合金属シアン化物錯体触媒等の開環付加重合触媒を用いて、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを開環付加重合させることが好ましい。
ここで、ポリオール(2)の好ましい製造法としては、前記多価アルコール類に、プロピレンオキシドを開環付加重合させた水酸基価が150〜250mgKOHの化合物を開始剤とし、複合金属シアン化物錯体触媒の存在下で、プロピレンオキシドとエチレンオキシドとを開環付加重合させて、ポリオール(2)を得る方法が挙げられる。
ポリオール(2)の不飽和度は0.04meq/g以下であるが、0.03meq/g以下が好ましい。前記不飽和度が0.04meq/g以下であると、ポリオール(2)を反応させて製造した軟質ポリウレタンフォームの耐久性が向上する点で好ましい。また、ポリオール(2)の水酸基価は10〜56mgKOH/gであるが、15〜40mgKOH/gが好ましい。前記水酸基価が10mgKOH/g未満であると、ポリオール混合物の粘度が高くなり、軟質ポリウレタンフォームの成形性が悪化しやすく好ましくない。また、前記水酸基価が56mgKOH/gを超えて大きいと、ポリオール(2)を反応させて製造した軟質ポリウレタンフォームの弾性が不充分となりやすく好ましくない。
ポリオール(2)は分子末端および/または分子内部にオキシエチレン基を有することが好ましく、特に分子末端にオキシエチレン基を有することが好ましい。ポリオール(2)における、オキシエチレン基の割合は10質量%以上が好ましく、13質量%以上がより好ましい。前記オキシエチレン基の割合が10質量%以上であると、軟質ポリウレタンフォームの製造時の成形性(キュア性)が向上する点で好ましい。またポリオール(2)の末端水酸基のうちの一級水酸基の割合である末端水酸基の一級化率は50モル%以上が好ましく、60〜95モル%がより好ましく、80〜95モル%がさらに好ましい。
また、ポリオール(2)は2種以上の混合物であってもよい。その場合の好ましい平均水酸基数、平均水酸基価、および、総不飽和度の範囲は上記の通りである。
[ポリマー分散ポリオール]
本発明においては、前記ポリオール混合物の少なくとも一部が、ポリマー微粒子がポリオール中に安定に分散したポリマー分散ポリオールであることが好ましい。ここで、ポリマー分散ポリオールとは、ベースポリオール(分散媒)中にポリマー微粒子(分散質)が安定に分散している分散系である。
ポリマー微粒子のポリマーとしては、付加重合系ポリマーまたは縮重合系ポリマーが挙げられる。付加重合系ポリマーは例えば、アクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル等のモノマーを単独重合または共重合して得られる。また縮合系ポリマーとしては、ポリエステル、ポリウレア、ポリウレタン、メラミン等が挙げられる。
ポリオール中にポリマー微粒子が存在することにより、ポリオールの水酸基価が低く抑えられ、軟質ポリウレタンフォームの硬度、通気性等の物性向上に有効である。また、ポリマー分散ポリオール中のポリマー微粒子の含有率は特に制限されないが、40質量%以下が好ましく3〜35質量%がより好ましい。なお、ポリオールの質量を計算に用いる場合はポリマー微粒子の質量は含まない。
[ポリオール混合物]
本発明におけるポリオール混合物は、50質量%以上が前記ピペラジン系ポリオール(1)であり、ポリオール混合物の不飽和度が0.05meq/g以下であり、平均水酸基価が10〜56mgKOH/gである。また、前記ポリオール混合物は、前記ポリオール(2)を50質量%未満含むことが好ましい。すなわち、前記ポリオール混合物とは、ピペラジン系ポリオール(1)を含む混合物であり、ピペラジン系ポリオール(1)とポリオール(2)とを含む混合物であることが好ましい。
また、ポリオール混合物はピペラジン系ポリオール(1)やポリオール(2)以外の他のポリオールを含んでいてもよく、ポリオール以外の高分子量活性水素化合物を含んでいてもよい。また、ポリオール混合物として、前記ポリマー分散ポリオールを含んでいてもよい。ただし、後述する架橋剤はポリオール混合物としては考慮しない。
前記他のポリオールとしては、軟質フォームを製造する際に使用するポリオールであれば特に制限されないが、ポリオキシアルキレンポリオールが好ましい。
また、前記ポリオール以外の高分子量活性水素化合物とは、1級アミノ基または2級アミノ基等の官能基に由来する活性水素原子を2以上有する高分子量化合物である。その例としては、高分子量ポリアミンが挙げられる。これらの高分子量活性水素化合物の活性水素原子あたりの分子量は500以上が好ましく、1000以上がより好ましい。
前記ポリオール混合物におけるピペラジン系ポリオール(1)の割合は50質量%以上であるが、60質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましい。また、ポリオール混合物におけるポリオール(2)の割合は50質量%未満が好ましく、40質量%以下がより好ましい。また、ポリオール混合物における前記他のポリオールと前記ポリオール以外の高分子量活性水素化合物との合計の割合は40質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、含まれないことが特に好ましい。すなわち、前記ポリオール混合物はピペラジン系ポリオール(1)とポリオール(2)とからなることが特に好ましい。ただし、この場合でも、ピペラジン系ポリオール(1)またはポリオール(2)をベースポリオールとするポリマー分散ポリオールを含んでいてもよい。
本発明におけるポリオール混合物の総不飽和度は0.05meq/g以下であるが、0.04meq/g以下が好ましい。また、ポリオール混合物の平均水酸基価は10〜56mgKOH/gであるが、15〜40mgKOH/gが好ましい。
[ポリイソシアネート化合物]
本発明は前述のポリオール混合物とポリイソシアネート化合物とを架橋剤および発泡剤の存在下で反応させる軟質ポリウレタンフォームの製造方法である。
ここで、本発明において、ポリイソシアネート化合物としては、特に制限はないが、イソシアネート基を2以上有する芳香族系、脂環族系、または脂肪族系のポリイソシアネート;前記ポリイソシアネートの2種類以上の混合物;これらを変性して得られる変性ポリイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(通称:クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等のポリイソシアネートまたはこれらのプレポリマー型変性体、イソシアヌレート型変性体、ウレア型変性体、カルボジイミド型変性体等が挙げられる。このうち、TDI、MDI、クルードMDI、またはこれらの変性体が好ましい。さらにクルードMDIまたはクルードMDIの変性体を用いることが特に好ましく、その割合としては、用いるポリイソシアネート化合物のうちの20〜80質量%が好ましい。
ポリイソシアネート化合物の使用量は通常イソシアネートインデックス(ポリオール、架橋剤、破泡剤、水等のすべての活性水素の合計に対するイソシアネート基の数の100倍で表される数値)で表すが、本発明におけるポリイソシアネート化合物の使用量は、イソシアネートインデックスで80〜120が好ましく、85〜110がより好ましい。
[架橋剤]
本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法においては架橋剤を使用する。架橋剤としては、水酸基、1級アミノ基および2級アミノ基から選ばれる活性水素原子含有基を2個以上有する化合物が好ましい。活性水素原子の数は2〜8が好ましい。このような架橋剤としては、後述するピペラジン系ポリオール(3)、後述するアミン系ポリオール(4)、後述する多価アルコール類(5)、アミン類等が挙げられる。本発明においては、架橋剤の少なくとも一部が、ピペラジン系ポリオール(3)および/またはアミン系ポリオール(4)であることが好ましく、ピペラジン系ポリオール(3)であることが特に好ましい。
なお、架橋剤の使用量は、ポリオール混合物100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
[ピペラジン系ポリオール(3)]
ピペラジン系ポリオール(3)とは、前記ピペラジン系ポリオールのうち、水酸基価が56mgKOH/gを超え600mgKOH/g以下であるポリオキシアルキレンポリオールである。ピペラジン系ポリオール(3)の水酸基価は56mgKOH/gを超え600mgKOH/g以下であるが、70〜500mgKOH/gが好ましい。また、ピペラジン系ポリオール(3)の水酸基数は2〜8が好ましく、2〜4がより好ましい。
ピペラジン系ポリオール(3)はオキシエチレン基を有していてもよく、有しなくてもよい。ピペラジン系ポリオール(3)の使用量は、全架橋剤中50〜100質量%が好ましい。
[アミン系ポリオール(4)]
アミン系ポリオール(4)とは、ピペラジン類以外のアミン類にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られたポリオキシアルキレンポリオールのうち、水酸基価が56mgKOH/gを超え1000mgKOH/g以下のものである。
前記ピペラジン類以外のアミン類としては、脂肪族ポリアミン類、脂環族ポリアミン類、複素環ポリアミン類、芳香族ポリアミン類、アルカノールアミン類等が挙げられる。具体例としては、エチレンジアミン、アミノエチルピペリジン、トルエンジアミン、モノエタノールアミン等が挙げられる。アミン系ポリオール(4)の水酸基価は56mgKOH/gを超え1000mgKOH/g以下であるが、70〜500mgKOH/gが好ましい。また、アミン系ポリオール(4)の水酸基数は2〜8が好ましく、2〜6がより好ましい。アミン系ポリオール(4)の使用量は、全架橋剤中10〜50質量%が好ましい。
[多価アルコール類(5)]
本発明において架橋剤として用いる多価アルコール類(5)とは、水酸基を2以上有し、水酸基価が56mgKOH/gを超え1830mgKOH/g以下の化合物である。ただし、フェノール性水酸基を有する化合物も含むものとする。
多価アルコール類(5)の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、デキストロース、meso−エリスリトール、メチルグルコシド、グルコース、ソルビトール、ショ糖、ビスフェノールA、およびこれらにアルキレンオキシドを開環付加反応させて得られる化合物が挙げられる。多価アルコール類(5)は1種のみを使用してもよく2種以上を併用してもよい。多価アルコール類(5)の平均水酸基数は2〜8が好ましく、2.7〜7がより好ましく、2.8〜5.2が最も好ましい。また、多価アルコール類(5)の水酸基価は56mgKOH/gを超え1830mgKOH/g以下であるが、70〜500mgKOH/gが好ましい。
[アミン類]
本発明において架橋剤として用いるアミン類としては、活性水素原子を2個以上有し、分子量が45〜800であるアミン化合物である。アミン化合物としては、アルカノールアミン類、芳香族ポリアミン類、脂肪族ポリアミン類、脂環式ポリアミン類等が挙げられるが、芳香族ポリアミン類が好ましい。
芳香族ポリアミン類の具体例としては、3,5−ジエチル−2,4(または2,6)−ジアミノベンゼン(DETDA)、2−クロロ−p−フェニレンジアミン(CPA)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4(または2,6)ジアミノトルエン、1−トリフルオロメチル−3,5−ジアミノベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−クロル−3,5−ジアミノベンゼン、2,4−トルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン、ビス(3,5−ジメチル−4−アミノフェニル)メタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、エチレンジアミン、1,4−ジアミノヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン等が挙げられる。
[発泡剤]
本発明において用いる発泡剤としては特に制限はないが、水および不活性ガスから選ばれた少なくとも1種が好ましい。不活性ガスとしては、空気、窒素、炭酸ガス等が挙げられる。このうち、水が好ましい。発泡剤の使用量は特に限定されないが、水を使用する場合は、ポリオール化合物100質量部に対して10質量部以下が好ましく、0.1〜8質量部がより好ましい。
[触媒]
本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法においては、前記ポリオール混合物と前記イソシアネート化合物との反応を、アミン系触媒の存在下、またはアミン系触媒の非存在下で行う。この際、アミン系触媒の使用量は下記式1の関係を満たすことが好ましい。すなわち、前記ピペラジン系ポリオール(1)と前記ピペラジン系ポリオール(3)との合計量を、前記ポリオール混合物と前記架橋剤との合計量100質量部に対してX質量部とし、前記アミン系触媒の使用量が、前記ポリオール混合物100質量部に対してZ質量部とするときに、前記XとZが下記式1の関係を満たすことが好ましい。
Z≦(10/X)−0.1 (式1)
ここで、Xが100である場合とは、ポリオール混合物の全てがピペラジン系ポリオール(1)であり、架橋剤の全てがピペラジン系ポリオール(3)である場合であり、この時、Zは0が好ましく、すなわち、アミン系触媒を使用しないことが好ましい。ただし、ポリオール混合物として、前記ポリマー分散ポリオールを含む場合には、ポリマー微粒子を除いたベースポリオールの質量について考えるものとする。また前記Xが100未満の場合でもアミン系触媒は使用しないことが好ましい。すなわち、ピペラジン系ポリオール(1)等がアミン系触媒の代替となるために、アミン触媒は使用しないか、使用しても極少量で反応が進行し、良好な成形性が得られる。
本発明におけるアミン系触媒の具体例としてはトリエチレンジアミン、ビス[(2−ジメチルアミノ)エチル]エーテル等が挙げられる。また、さらに、アミン系触媒を使用する場合においても、反応型アミン系触媒であることが好ましい。反応型アミン系触媒とは水酸基等の活性水素含有基を含むアミン系触媒であり、具体例としては、N,N−ジメチルエタノールアミン[HOCHCHN(CH]、N,N−ジメチルエタノールアミンの2エチレンオキシド付加物[H(OCHCHN(CH]、トリメチルアミノエチルエタノールアミン[(CHNCN(CH)COH]等が挙げられる。
[その他の添加剤]
本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法においては、任意にその他の添加剤を使用できる。特に整泡剤を使用すると均一な気泡が形成できる点で好ましい。整泡剤としては、特に制限はなく、シリコーン系整泡剤、含フッ素系整泡剤等が挙げられ、このうちシリコーン系整泡剤が好ましい。
その他、乳化剤、フォーム安定剤等の界面活性剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤等の老化防止剤;炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤;難燃剤、可塑剤、着色剤、抗カビ剤等の公知の各種添加剤、助剤を必要に応じて使用できる。
本発明における軟質ポリウレタンフォームの製造方法は、上述のポリオール混合物とイソシアネート化合物とを架橋剤、発泡剤及び必要な添加剤の存在下で反応させるが、具体的な成形方法は以下の通りである。
すなわち、軟質ポリウレタンフォームの成形方法は、低圧発泡機または高圧発泡機を用いて反応性混合物を直接金型に注入する方法(すなわち、反応射出成形方法)が好ましい。本発明における軟質フォームはコールドキュア法、ホットキュア法のいずれの方法によっても製造できるが、コールドキュア法が好ましい。
本発明の製造方法で製造された軟質ポリウレタンフォームはクッション、座席シート、シートバック等に用いられる。特に、自動車等の車両用シートとして適する。
(実施例)
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、例中の発泡処方欄の数値は質量部を示す。ただし表中イソシアネートの項目は用いたポリイソシアネート化合物と処方量とを表したが、処方量はイソシアネートインデックスにより記載した。また、ポリオールの不飽和度の測定はJIS K1577に準拠した方法で行った。
[ポリオール]
ポリオールA1:グリセリンを開始剤とし、水酸化カリウム触媒を用いてプロピレンオキシド、次いでエチレンオキシドを約110℃で開環付加重合させた。重合反応後、吸着剤(合成ケイ酸マグネシウム)処理、濾過を行い、水酸基価が27.9mgKOH/g、オキシエチレン基含有量が17質量%、不飽和度が0.065meq/gのポリオキシアルキレンポリオールを得た。これをポリオールA1とした。
ポリオールA2:N−(2−アミノエチル)ピペラジンを開始剤とし、水酸化カリウム触媒を用いてプロピレンオキシド、次いでエチレンオキシドを約110℃で開環付加重合させた。重合反応後、吸着剤(合成ケイ酸マグネシウム)処理、濾過を行い、水酸基価が28.1mgKOH/g、オキシエチレン基含有量が17質量%、不飽和度が0.064meq/gのポリオキシアルキレンポリオールを得た。これをポリオールA2とした。
ポリオールA3:グリセリンにプロピレンオキシドを付加させた水酸基価168mgKOH/gの化合物を開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル錯体触媒を用いてプロピレンオキシドを約110℃で開環付加重合させた。次いで水酸化カリウム触媒を用いてエチレンオキシドを約110℃で開環付加重合させた。重合反応後、吸着剤(合成ケイ酸マグネシウム)処理、濾過を行い、水酸基価が27.8mgKOH/g、オキシエチレン基含有量が17質量%、不飽和度が0.023meq/g、末端水酸基の一級化率が87モル%のポリオキシアルキレンポリオールを得た。これをポリオールA3とした。
ポリオールA4:グリセリンにプロピレンオキシドを付加させた水酸基価168mgKOH/gの化合物を開始剤とした。開始剤の1000gに対して、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−tert−ブチルアルコール錯体触媒を用いてプロピレンオキシドの1525gを約110℃で開環付加重合させた。引き続きエチレンオキシド11.6質量%を含むエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの混合物の2833gを約110℃で開環付加重合させた。次いで水酸化カリウム触媒を用いてエチレンオキシドの1097gを約110℃で開環付加重合させた。重合反応後、吸着剤(合成ケイ酸マグネシウム)処理、濾過を行い、水酸基価が27.0mgKOH/g、オキシエチレン基含有量が22.0質量%、不飽和度が0.006meq/g、末端水酸基の一級化率が89モル%のポリオキシアルキレンポリオールを得た。これをポリオールA4とした。
ポリオールA5:N−(2−アミノエチル)ピペラジンを開始剤とし、水酸化セシウム触媒を用いてプロピレンオキシド、次いでエチレンオキシドを約110℃で開環付加重合させた。重合反応後、吸着剤(合成ケイ酸マグネシウム)処理、濾過を行い、水酸基価が28.0mgKOH/g、オキシエチレン基含有量が17質量%、不飽和度が0.027meq/gのポリオキシアルキレンポリオールを得た。これをポリオールA5とした。
ポリオールA6:ポリオールA1をベースポリオールとし、アクリロニトリル(80質量%)/スチレン(20質量%)の共重合体の微粒子(20質量%)が安定に分散したポリマー分散ポリオールである。
ポリオールA7:ポリオールA5をベースポリオールとし、アクリロニトリル(80質量%)/スチレン(20質量%)の共重合体の微粒子(20質量%)が安定に分散したポリマー分散ポリオールである。
なお、ポリオール混合物の総不飽和度(単位:meq/g)を表に示す。
[その他の原料]
架橋剤B1:ソルビトールを開始剤とし、水酸化カリウム触媒を用いてプロピレンオキシド、次いでエチレンオキシドを約110℃で開環付加重合させた。重合反応後、吸着剤(合成ケイ酸マグネシウム)処理、濾過を行い、水酸基価が450mgKOH/g、オキシエチレン基含有量が28質量%のポリオキシアルキレンポリオールを得た。これを架橋剤B1とした。
架橋剤B2:N−(2−アミノエチル)ピペラジンを開始剤とし、水酸化カリウム触媒を用いてプロピレンオキシドを約110℃で開環付加重合させた。重合反応後、吸着剤(合成ケイ酸マグネシウム)処理、濾過を行い、水酸基価が560mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオールを得た。これを架橋剤B2とした。
発泡剤:水。
整泡剤C1:シリコーン系整泡剤(東レ・ダウコーニングシリコーン社製、商品名:SRX274C)。
整泡剤C2:シリコーン系整泡剤(東レ・ダウコーニングシリコーン社製、商品名:SF2969)。
ポリイソシアネート化合物D1:TDI−80(2,4−TDI/2,6−TDI=80/20質量%の混合物)/クルードMDI=80/20(質量比)の混合物、イソシアネート基含有量44.8質量%(日本ポリウレタン工業社製、商品名:コロネート1021)。
ポリイソシアネート化合物D2:1Lの三つ口フラスコに窒素雰囲気中、クルードMDI(商品名:ミリオネートMR200、日本ポリウレタン工業社製、イソシアネート基含有量31.0%)1000gを仕込み、次いでポリエチレングリコールモノメチルエーテル(商品名:MPG−081、日本乳化剤社製、水酸基価84.0mgKOH/g)36.1gを撹拌下にて連続滴下し、温度70℃にて3時間反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを得た。このプレポリマーのイソシアネート基含有量は、29.5質量%であった。このイソシアネート基末端プレポリマーとTDI−80とを70/30(質量比)の割合で混合し、イソシアネート基含有量が35.1質量%のポリイソシアネート化合物D2を得た。
触媒:ビス[(2−ジメチルアミノ)エチル]エーテルのジプロピレングリコール溶液(東ソー社製、商品名TOYOCAT ET)
[例1〜10]
前述のポリオールおよびその他の原料を表に示した処方で使用した。ポリイソシアネート化合物の液温を25〜30℃に調節し、また、ポリオール、架橋剤および触媒等の混合物の液温を25〜30℃に調節した。両者を表に示したイソシアネートインデックスになる割合で混合し、回転数3000rpmの高速ミキサーで5秒間攪拌した後、反応液を内寸法が縦横400mm×400mm、高さ100mm、型温65℃に調整した金型中に注ぎ、注入から6分経過後脱型して、軟質ポリウレタンフォームを得た。
得られた軟質ポリウレタンフォームの物性を表に示す。
また、得られた軟質ポリウレタンフォームのキュア性を判断するため、脱型30秒後に指でフォームを圧縮し、変形回復の度合いにより3段階評価(○:完全に回復するもの、△:不完全であるが回復するもの、×:ほとんど回復しないもの)を行った。
また、クラッシング(独立気泡性)については、発泡後収縮とクラッシング処理での回復性により3段階評価(○:発泡後収縮なし、△:発泡後収縮があるが数回クラッシング後元に戻る、×:発泡後収縮があり数回クラッシングしても元に戻らず)を行った。これらの結果も表に示す。
Figure 2003072626
Figure 2003072626
以下に、軟質フォームの物性の測定に用いた規格を示す。
密度(全体、コア)(単位:kg/m)、硬さ(ILD)(25%、50%、65%)(単位:N/314m)、通気性(単位:L/min)、反発弾性率(全体、コア)(単位:%)、引き裂き強度(N/cm)、引っ張り強度(単位:kPa)、伸び率(単位:%)、圧縮永久歪み(乾熱、湿熱)(単位:%)はJIS K6400に準拠した方法。なおコアとは、表皮部の影響がないようにフォーム試料から表皮部分を除いたコア部分を表す。具体的にコアの物性に関しては、フォームの中央部からスキン部を除いて縦横100mm、高さ50mmの大きさに切り出したものを測定に用いた。
フォギング性に関する評価は下記に従い、質量法と、霞試験法(光線透過法)とで測定し評価を行った。
質量法:24時間デシケーターで乾燥したサンプル(サイズ=50mm×50mm×10mm)を口径47mmの清潔なガラス瓶に入れ、ガラスプレートで上部を密閉し、110℃で3時間熱し、容器の口にセットしたガラスプレートに付着した物質の質量を試験前後のガラスプレートの質量から求めて揮発成分の量(mg)とした。
光線透過法:24時間デシケーターで乾燥したサンプル(サイズ=50mm×50mm×10mm)を口径47mm、全光線透過率0.4%以下の清潔なガラス瓶に入れ、ガラスプレートで上部を密閉し、80℃で20時間加熱し、試験前後のガラスプレートの全光線透過率の低下率(%)を測定した。
例1〜11の比較により以下のことが明らかである。
ピペラジン系ポリオール(1)を含まない従来のポリオキシアルキレンポリオールを用いて軟質ポリウレタンフォームを製造した場合には、アミン系触媒量が少量のため成形性が不良となり、物性を測定できるようなフォームサンプルが得られなかった。(例10)
また、ピペラジン系ポリオールを用いた場合でも、本発明のピペラジン系ポリオール(1)と異なり不飽和度の高いピペラジン系ポリオールのみを用いた場合(例8)やピペラジン系ポリオール(1)の含有量が低くポリオール混合物の総不飽和度が高い場合(例9)、は圧縮永久歪み(特に湿熱)が15%を超え、耐久性が不充分であることがわかる。
これに対して、ポリオール混合物のうち50%以上が総不飽和度の低いピペラジン系ポリオール(1)である本願発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法によれば、アミン系触媒を少量のみ用いた場合(例1)でも、さらにアミン触媒を用いない場合(例2)でも、フォギング問題が改良され、耐久性に優れた軟質ポリウレタンフォームが得られる。特に、架橋剤としてピペラジン系ポリオール(3)を用いた場合(例2、3)にはアミン系触媒を用いなくとも良好な軟質ポリウレタンフォームが得られる。またポリオール混合物として、ピペラジン系ポリオール(1)とポリオール(2)とを併用した場合(例3、4)は、さらに耐久性に優れた軟質ポリウレタンフォームが得られることがわかる。また同様にクルードMDIを比較的多量に用いた場合(例6、7)でも良好な軟質ポリウレタンフォームが得られる。
なお例6、7においては上記実施例と同様にして得られた試料について、その振動特性を測定し評価した。具体的には、共振振動数(単位:Hz)、共振振動数における振動伝達率である共振伝達率(単位:なし)、および6Hzの振動伝達率(単位:なし)について、JASO B407−87(加振振幅:±2.5mm、加圧盤:鉄研型、荷重:490N)に準拠した方法で測定した。ただし、共振振動数においては該400mm×400mm×100mmの内寸法をもつテストピース金型から成形されたフォームとシートクッションの実金型から成形されたフォームとの間には相関性があり、一般に実金型から成形されたシートクッションフォームの共振振動数は厚み形状等により、テストピースより約0.2〜1Hz程度大きくなる傾向にある。
その結果共振振動数は、例6では3.3Hz、例7では3.4Hzであった。また共振伝達率は、例6では4.85、例7では2.90であった。また6Hzの振動伝達率は、例6では0.52、例7では0.59であった。これらの結果は本発明により得られた軟質フォームの特性として、共振振動数が低く、6Hzの振動伝達率も低いことを示している。すなわち、自動車のシートクッションとしてこの軟質フォームを採用した場合に、振動が伝わりにくく乗り心地に優れた特性が発揮されることを意味する。
さらに比較的高密度の場合、すなわち実施例である例5と比較例である例11とを比較しても、上記と同様に本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法による場合の方が耐久性に優れた軟質ポリウレタンフォームが得られることがわかる。しかし表から明らかなように本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法は特に低密度の軟質ポリウレタンフォームを製造した場合に、フォギング問題が改良され、耐久性に優れた軟質ポリウレタンフォームが製造できる点で有効である。その密度としてはコア密度が45kg/m以下の場合に特に有効である。
産業上の利用の可能性
本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法によれば、アミン系触媒を微量使用するかまたは使用しなくとも、キュア性に優れた、これによりフォギング問題を生ずることがない。また、低不飽和度のポリオールを用いることにより、耐久性に優れた軟質ポリウレタンフォームが得られる。

Claims (8)

  1. ポリオール混合物とポリイソシアネート化合物とを架橋剤および発泡剤の存在下で反応させる軟質ポリウレタンフォームの製造方法において、
    前記ポリオール混合物のうち、50質量%以上が下記ピペラジン系ポリオール(1)であり、前記ポリオール混合物の総不飽和度が0.05meq/g以下であり、平均水酸基価が10〜56mgKOH/gであることを特徴とする、軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
    ただし、ピペラジン系ポリオール(1)とは、ピペラジン類にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られる、不飽和度が0.04meq/g以下、水酸基価が10〜56mgKOH/gであるポリオキシアルキレンポリオールである。
  2. 前記ポリオール混合物として、下記ポリオール(2)を50質量%未満併用する、請求項1記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
    ただし、ポリオール(2)とは、多価アルコール類にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られる、不飽和度が0.04meq/g以下、水酸基価が10〜56mgKOH/gであるポリオキシアルキレンポリオールである。
  3. 前記ポリオール(2)が複合金属シアン化物錯体触媒を用いて得られたポリオキシアルキレンポリオールである請求項2に記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  4. 前記ポリオール混合物の少なくとも一部が、ポリマー微粒子がポリオール中に安定に分散したポリマー分散ポリオールである、請求項1、2または3に記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  5. 前記架橋剤の少なくとも一部が、ピペラジン類にアルキレンオキシドを開環付加重合させた、水酸基価が56mgKOH/gを超え600mgKOH/g以下である、ピペラジン系ポリオール(3)である、請求項1〜4のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  6. 前記架橋剤の少なくとも一部が、ピペラジン類以外のアミン類にアルキレンオキシドを開環付加重合させた、水酸基価が56mgKOH/gを超え600mgKOH/g以下である、アミン系ポリオール(4)である、請求項1〜5のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法において、
    ポリオール混合物とポリイソシアネート化合物との反応を、アミン系触媒の存在下、または、アミン系触媒の非存在下で行う場合に、前記ピペラジン系ポリオール(1)と前記ピペラジン系ポリオール(3)との合計量を、前記ポリオール混合物と前記架橋剤との合計量100質量部に対してX質量部とし、前記アミン系触媒の使用量を、前記ポリオール混合物100質量部に対してZ質量部とするときに、前記XとZとが下記式1の関係を満たすことを特徴とする、軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
    Z≦(10/X)−0.1 (式1)
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法により製造された軟質ポリウレタンフォーム。
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