JPH0912706A - ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法 - Google Patents

ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法

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JPH0912706A
JPH0912706A JP16059895A JP16059895A JPH0912706A JP H0912706 A JPH0912706 A JP H0912706A JP 16059895 A JP16059895 A JP 16059895A JP 16059895 A JP16059895 A JP 16059895A JP H0912706 A JPH0912706 A JP H0912706A
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catalyst
reaction
cesium
carbonate
mol
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JP16059895A
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English (en)
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Zenshi Sakaki
善嗣 榊
Satoshi Yamazaki
聡 山崎
Kazuo Suzuki
一雄 鈴木
Satoshi Tamura
智 田村
Tsukuru Izukawa
作 伊豆川
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】余分な工程や不必要に長い反応時間を必要とせ
ず、生産性に優れており、かつ副生モノオール含有量の
少ないポリオキシアルキレンポリオールの製造方法。 【構成】活性水素化合物にアルキレンオキサイドを付加
重合する際に、全金属成分に占めるセシウムの量が90
〜99.9重量%以上であって、炭酸セシウムおよび炭
酸水素セシウムを少なくとも一種含む触媒を用い、その
触媒濃度を活性水素化合物1モルに対して0.05〜
0.5モルとし、反応温度60〜98℃、反応最大圧力
4kg/cm2 の条件下でアルキレンオキサイドを付加
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオキシアルキレンポ
リオールの製造方法に関する。詳しくは本発明は活性水
素化合物の存在下、炭酸セシウムおよび炭酸水素セシウ
ムからなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する触
媒を用いて、活性水素化合物にアルキレンオキサイドを
付加してポリオキシアルキレンポリオールを製造する方
法に関する。ポリオキシアルキレンポリオールは軟質お
よび硬質ポリウレタンフォームやエラストマー、塗料、
シーリング材、床材、接着剤等のポリウレタン樹脂の原
料として用いられる他、界面活性剤の原料として広く用
いられる。
【0002】
【従来の技術】ポリオキシアルキレンポリオールは、通
常、活性水素化合物にアルカリ金属水酸化物触媒の存在
下、アルキレンオキサイドを付加して得られる。一般に
は、アルカリ金属水酸化物触媒として水酸化カリウムを
用い、重合開始剤の活性水素化合物を仕込んだ反応機に
アルキレンオキサイドを連続的に装入しながら、反応温
度80〜150℃、反応圧力0.5〜5kg/cm
2 (61〜610kPa)の条件で、所定の分子量が得
られるまで反応させ、粗ポリオキシアルキレンポリオー
ルを得る。次いで、粗ポリオキシアルキレンポリオール
中のカリウムアルコラートを鉱酸、有機酸等の酸の水溶
液で中和後、脱水、乾燥し、析出したカリウム塩等の濾
過、あるいは、粗ポリオキシアルキレンポリオールの水
洗、乾燥による後処理精製工程を経て製造されている。
【0003】ポリオキシアルキレンポリオールの生産性
を高めるため、従来から種々の方法が検討されている。
反応速度を高めるため、反応時のアルキレンオキサイド
の濃度や、反応温度を高めたり、触媒の量を増やす方法
が知られている。しかし、このような方法によると、ア
ルキレンオキサイド、例えばプロピレンオキサイドの副
反応の速度も増加し、末端にアリル基またはプロペニル
基を持つモノオール(参考文献 開環重合(1) 三枝
武夫著 化学同人)が多く副生する。これらのモノオ
ールは生成したポリオキシアルキレンポリオールの官能
基数の低下を招くと共にイソシアネート類との反応で得
られるポリウレタン樹脂やポリウレタンフォームの性能
を減じる。本発明者らが調べた範囲では、ポリオキシア
ルキレンポリオールに要求される性能上の理由からモノ
オール含有量は15モル%以下が望ましい。
【0004】末端不飽和の副生モノオール量は、ポリオ
キシアルキレンポリオールの高速液体クロマトグラフィ
ーの測定により得られたクロマトグラムの面積比から評
価する方法や、JIS K 1557の方法による総不
飽和度の測定による方法が知られている。種々の官能基
数のポリオキシアルキレンポリオール混合物を簡便に分
離できることから前者の方法がよく用いられる。
【0005】また、ポリオキシアルキレンポリオール中
に副生するモノオールを可能な限り低減しようとする場
合には、使用する触媒量や、反応温度、反応時のアルキ
レンオキサイドの濃度を低下させる方法が知られている
が、このような方法によるとアルキレンオキサイド、特
にプロピレンオキサイドの反応速度の大きな低下を招
き、ポリオキシアルキレンポリオール製造の生産性を大
幅に減じる。
【0006】このモノオールの副生量は、ポリオキシア
ルキレンポリオールの分子量の増加とともに増えること
が良く知られている(参考文献 アルキレンオキシド重
合体柴田 満太 斉藤 政博 秋本 新一共編 海文
堂)。活性水素化合物の1官能基に対するアルキレンオ
キサイド付加量が28モルより低い比較的低分子量のポ
リオキシアルキレンポリオールの製造において、水酸化
カリウム触媒を用いた従来の製造方法によりモノオール
の含有量を15モル%以下にすることは容易である。し
かし、従来の水酸化カリウム触媒を用いた技術では活性
水素化合物の1官能基に対するアルキレンオキサイド付
加量が28モル以上である高分子量ポリオキシアルキレ
ンポリオールの製造をモノオール含有量を15モル%以
下に抑えて行うことは反応時間等の理由から実質的に困
難である。
【0007】そのため、モノオール副生量の少ない、反
応の高速化が可能な重合触媒の探索も従来より種々なさ
れてきている。このような触媒には例えば、特開昭56
−43322号記載のアルカリ金属化合物塩とクラウン
エーテルおよびクリプタンドを使用する方法がある。こ
れらのクラウンエーテルのような触媒は一般的なポリオ
キシアルキレンポリオール製造用触媒である水酸化カリ
ウムと比較して極めて高価であり、工業的に使用する際
に経済性が問題となる。特開昭56−43322号のア
ルカリ金属化合物はアルカリ金属イオンを形成し易いも
のが好ましく、特に水酸化物が好ましく、次いで炭酸塩
である。アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、
カリウム、ルビジウム、セシウム等があるが、特にカリ
ウムが好ましく、次いでナトリウムである。尚、同公報
にはプロピレンオキサイドの反応温度が80〜180
℃、実施例の反応温度は110℃と記載しているが、本
発明者らの知見では、アルカリ金属塩単独の場合、反応
温度が98℃を越えると好ましくない結果が得られてい
る(比較例5)。
【0008】USP5,010,117号記載の水酸化
バリウム、アルカリ金属水酸化物(KOH)、アルカリ
土類金属炭酸塩を使用する方法など挙げられる。
【0009】また、ポリオキシアルキレンポリオールの
製造に用いられる触媒として、ポリオキシアルキレンポ
リオールの精製法を記載した特公昭52−33000号
の明細書中に、アルカリ触媒として炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウ
ムが挙げられている。また、ポリオキシアルキレンポリ
オールの製造方法について記載のある特開昭60−21
2425号には、ポリオキシアルキレンポリオールの製
造に用いられる触媒としてアルカリ金属水酸化物やアル
カリ金属炭酸塩が挙げられ、特に好ましいものとしてカ
リウムあるいはナトリウムの水酸化物が挙げられてい
る。しかし本発明者らの調べた範囲では、該触媒を使用
して本発明の反応条件でプロピレンオキサイドの付加重
合を行っても、プロピレンオキサイドの付加量を増加し
たときのモノオール副生量が15モル%を超えることが
確認された。
【0010】ポリオキシアルキレンポリオール製造に要
する時間が短時間であり、アルキレンオキサイド重合時
のモノオール副生量の少ない比較的安価な触媒が求めら
れている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、余分
な工程や不必要に長い反応時間を必要とせず、生産性に
優れ、アルキレンオキサイド重合工程での副生モノオー
ル量を少なくすることができ、かつ安価な重合触媒を使
用できるポリオキシアルキレンポリオールの製造方法を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々検討
の結果、活性水素化合物1モルに対して0.05〜0.
5モルの炭酸セシウムおよび炭酸水素セシウムからなる
群から選ばれる少なくとも1種を含有し、かつ、全金属
成分に占めるセシウムの量が90重量%以上である触媒
を用いて、所定の反応温度および反応最大圧力の条件下
で活性水素化合物にアルキレンオキサイドオキサイドを
付加重合することにより目的を達成できることを見い出
した。
【0013】即ち本発明の要旨は、活性水素数2〜8の
活性水素化合物にアルキレンオキサイドオキサイドを付
加重合する際に、活性水素化合物1モルに対して0.0
5〜0.5モルの炭酸セシウムおよび炭酸水素セシウム
からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する触媒
を用いて、反応温度60〜98℃、反応最大圧力4kg
/cm2 の条件下でアルキレンオキサイドオキサイドを
付加重合することを特徴とするポリオキシアルキレンポ
リオールの製造方法であり、更には全金属成分に占める
セシウムの量が90〜99.9重量%である触媒を用い
ることを特徴とするポリオキシアルキレンポリオールの
製造方法である。
【0014】活性水素化合物とは活性水素数2〜8の化
合物で、例えばエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール等の2価アルコール類、
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール等の多価アルコール類、ソルビトール、蔗糖、メ
チルグルコシド等の糖類、エチレンジアミン等の脂肪酸
アミン類、トルイレンジアミン、ジフェニルメタンジア
ミン等の芳香族アミン類、トリエタノールアミン、ジエ
タノールアミン等のアルカノールアミン類、ビスフェノ
ールA、ノボラック等のフェノール類、水等が挙げられ
る。これらは単独で使用してもよく、併用してもよい。
さらにこれら活性水素化合物に従来公知の方法でアルキ
レンオキサイドを付加して得られる化合物も活性水素化
合物として使用できる。
【0015】本発明におけるアルキレンオキサイドと
は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチ
レンオキサイド、スチレンオキサイド等が挙げられ、こ
れらは単独で用いられるかまたは併用される。
【0016】ポリオキシアルキレンポリオールとは、活
性水素化合物にアルキレンオキサイドを付加して得られ
る官能基数2〜8のあらゆる分子量のものを指すが、本
発明の目的には活性水素化合物の1官能基数に対してア
ルキレンオキサイドを28〜100モル、好ましくは3
0〜97モル付加するものが望ましい。
【0017】炭酸セシウムおよび炭酸水素セシウムから
なる群から選ばれる少なくとも一種を含有する触媒の存
在下、活性水素化合物にアルキレンオキサイドを付加す
る際に反応温度60〜98℃、最大圧力4kg/cm2
(490kPa)の条件が好ましい。通常アルキレンオ
キサイドは反応機に連続的に装入され、アルキレンオキ
サイド装入終了後、温度を維持してアルキレンオキサイ
ドを反応させる操作が行われる。この操作を内圧反応と
呼び、この時間を内圧反応時間と称する。アルキレンオ
キサイドを付加する際の反応温度が98℃を越えると、
得られるポリオキシアルキレンポリオール中のモノオー
ル副生量が増加するため好ましくない。
【0018】ポリオキシアルキレンポリオールのモノオ
ール含有量は15モル%以下が望ましい。このモノオー
ルはプロピレンオキサイドの副反応によって生じる末端
にアリルまたはプロペニル基を持つモノオールである。
このモノオールは主反応により生成するポリオキシアル
キレンポリオールより低分子量であり、分子量分布も広
いため、ポリオキシアルキレンポリオールの分子量分布
を大幅に広げ、かつ官能基数を低下させる。従って、総
不飽和度の高いポリオキシアルキレンポリオールを使用
したポリウレタン樹脂は、フォーム、エラストマーを問
わず、ヒステリシスロスの増大、硬度の低下、永久圧縮
歪みの増加等の好ましくない効果をもたらす。
【0019】副生モノオールは主としてプロピレンオキ
サイドから生成し、他のアルキレンオキサイドでは少量
の副生量であることが知られており、本発明はアルキレ
ンオキサイドに占めるプロピレンオキサイドを70重量
%以上とした場合に特に効果的である。
【0020】本発明の触媒は、炭酸セシウムおよび炭酸
水素セシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を
含有する。炭酸セシウムおよび炭酸水素セシウムは通
常、原料鉱石を硫酸に溶解させ硫酸セシウムに変え、次
に水酸化バリウムとの副分解反応を経て得られる。この
炭酸セシウムには、リチウム、ナトリウム、カリウム、
ルビジウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、ス
トロンチウム、アルミニウム、鉄などの金属成分が含ま
れ、これらの合計を全金属成分という。炭酸セシウムお
よび炭酸水素セシウム触媒の使用した全触媒の全金属成
分に占めるセシウムの量は99.9〜90重量%が好適
であり、好ましくは99.8〜92重量%、さらに好ま
しくは99.7〜93%、最も好ましくは99.6〜9
5重量%である。このセシウム含量が99.9重量%よ
り高いものは、副生モノオール生成の抑制には効果が見
られるが、炭酸セシウムおよび炭酸水素セシウム精製に
要するコスト増加のため触媒価格が極めて高くなる。セ
シウム含量が90重量%より低い場合には、アルキレン
オキサイド重合触媒としての性能の低下、特にプロピレ
ンオキサイド重合時の副生モノオール量の増加が著し
く、本発明の目的を達成できない。
【0021】ナトリウム分は3重量%以下が好適であ
り、好ましくは2重量%以下、さらに好ましくは1重量
%以下、最も好ましくは0.5重量%以下である。ナト
リウム分が3重量%を越えるとアルキレンオキサイド重
合触媒としての性能の低下、特にプロピレンオキサイド
重合時の副生モノオール量の増加が著しく、本発明の目
的を達成できない。カリウム分は5重量%以下が好適で
あり、好ましくは4重量%以下、さらに好ましくは3重
量%以下、最も好ましくは2重量%以下である。カリウ
ム分が5重量%を越えるとやはりアルキレンオキサイド
重合触媒としての性能の低下、特にプロピレンオキサイ
ド重合時の副生モノオール量の増加が著しいものとな
り、本発明の目的を達成できない。ルビジウム分は10
重量%以下が好適であり、好ましくは9重量%以下、さ
らに好ましくは8重量%以下、最も好ましくは7重量%
以下である。ルビジウム分が10重量%を越えるとアル
キレンオキサイド重合触媒としての性能の低下、特にプ
ロピレンオキサイド重合時の副生モノオール量の増加が
認められ、本発明の目的を達成できない。しかしなが
ら、炭酸セシウムおよび炭酸水素セシウム中に10重量
%未満であるようなルビジウム分、例えば炭酸ルビジウ
ムならびに炭酸水素ルビジウム等の化合物として含有さ
れている化合物なら、本発明の意図する目的は達成でき
る。
【0022】ナトリウム分、カリウム分、ルビジウム分
の総和は0.1〜10重量%が好適であり、好ましくは
0.2〜8重量%、さらに好ましくは0.3〜7重量
%、最も好ましくは0.4〜5重量%である。ナトリウ
ム分、カリウム分、ルビジウム分の総和が0.1重量%
より低いものは、副生モノオール生成の抑止には効果が
見られるが、触媒価格が高くなる。ナトリウム分、カリ
ウム分、ルビジウム分の総和が10重量%より高い場合
には、アルキレンオキサイド重合触媒としての性能の低
下、特にプロピレンオキサイド重合時の副生モノオール
量の増加が著しく、本発明の目的を達成できない。
【0023】炭酸セシウムならびに炭酸水素セシウムの
総和は活性水素化合物1モルに対して0.05〜0.5
モルの範囲で用いることが望ましいが、さらに好ましく
は0.1〜0.4モルである。炭酸セシウムならびに炭
酸水素セシウムの総和が活性水素化合物1モルに対して
0.05モル未満では、アルキレンオキサイド重合速度
の低下を招き、0.5モルを越える場合にはポリオキシ
アルキレンポリオール中の副生モノオール含有量が15
モル%を越える結果となり、本発明の目的を達成できな
い。
【0024】また、アルキレンオキサイドの触媒性能に
は、ナトリウム分、カリウム分、ルビジウム分が重要で
ある。他に検出されるカルシウム、マグネシウム、バリ
ウム、ストロンチウム、アルミニウム、鉄の量は重合触
媒の性能に大きな影響を及ぼさないが、通常、痕跡量〜
0.1重量%が炭酸セシウムおよび炭酸水素セシウムに
含まれている。
【0025】これらの金属分の分析は、イオンクロマト
グラフ法、原子吸光分析、IPC法等の従来公知の方法
でなされる。
【0026】また、炭酸セシウムおよび炭酸水素セシウ
ムからなる群から選ばれる1種以上の化合物中のアニオ
ン分として炭酸化物、炭酸水素化物とともに水酸化物を
含んでいても重合性能の低下はない。ポリオキシアルキ
レンポリオール製造工程で混入したもの、炭酸セシウ
ム、炭酸水素セシウムの原料鉱石に含まれていたもの、
あるいは炭酸セシウム、炭酸水素セシウム製造工程で除
去できなかったものであっても本発明の趣旨に反するも
のではない。
【0027】炭酸セシウムおよび炭酸水素セシウムは、
使用に当たり乾燥して使用しても、水溶液の形態で使用
してもよく、その形態を問わない。
【0028】アルキレンオキサイド反応終了後、該反応
液に水と二酸化炭素を加え、脱水乾燥し、析出した触媒
の炭酸塩および炭酸水素塩を濾過により除去してポリオ
キシアルキレンポリオールを得る。濾過により除去した
炭酸塩および炭酸水素塩は、ポリオキシアルキレンポリ
オールの重合触媒として再度使用可能である。触媒を再
利用することによりポリオキシアルキレンポリオールの
製造費用を低下させることができる。上記方法以外にポ
リオキシアルキレンポリオールの精製方法として、反応
終了後、反応液に水と塩酸、燐酸等の鉱酸または酢酸な
どの有機酸を加え脱水乾燥し、析出した触媒の塩を濾過
により除去する方法、反応液を吸着剤に接触させる吸着
除去法、また、水もしくは水および有機溶剤を用いて反
応液から触媒を抽出する水洗除去法、イオン交換樹脂を
用いるイオン交換法により触媒を除去してポリオキシア
ルキレンポリオールを得ることができる。
【0029】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明の態様
を明らかにする。アルキレンオキサイドとしてプロピレ
ンオキサイド(三井東圧化学(株)製)を使用した。炭
酸セシウムならびに炭酸水素セシウムはケメタル社の製
品(ピュアーグレード)を用いた。製品純度は両者とも
99.7重量%である。炭酸ルビジウムは和光純薬工業
(株)の製品を用いた。比較例に用いた水酸化カリウム
(日本曹達(株)製)の組成は水酸化カリウム分96.
0重量%、残部は炭酸カリウムおよび水であった。な
お、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムは和光純薬工業
(株)の製品を使用した。
【0030】実施例1 ポリオキシアルキレンポリオールA グリセリン1モルに対して0.25モルの炭酸セシウム
を加え、105℃で3時間減圧脱水した(水分が0.1
重量%以下)。この触媒液を温度計、圧力計ならびに攪
拌機が装着してあるオートクレーブに200g仕込み、
窒素置換後、最大圧力4kg/cm2 (490kP
a)、反応温度95℃でプロピレンオキサイドを682
1g装入し内圧反応を行った。プロピレンオキサイドの
全反応時間は895分であった。
【0031】実施例2 ポリオキシアルキレンポリオールB グリセリン1モルに対して0.10モルの炭酸セシウム
と0.05モルの炭酸水素セシウムを加え、105℃で
3時間減圧脱水した(水分が0.1重量%以下)。この
触媒液を温度計、圧力計ならびに攪拌機が装着してある
オートクレーブに237g仕込み、窒素置換後、最大圧
力4kg/cm2 (490kPa)、反応温度90℃で
プロピレンオキサイドを10207.5g装入し内圧反
応を行った。プロピレンオキサイドの全反応時間は14
50分であった。
【0032】実施例3 ポリオキシアルキレンポリオールC グリセリン1モルに対して0.25モルの炭酸セシウム
と0.02モルの炭酸ルビジウム(この時の全金属分に
占めるルビジウム分は4.9重量%)を加え、105℃
で3時間減圧脱水した(水分が0.1重量%以下)。こ
の触媒液を温度計、圧力計ならびに攪拌機が装着してあ
るオートクレーブに205g仕込み、窒素置換後、最大
圧力4kg/cm2 (490kPa)、反応温度95℃
でプロピレンオキサイドを6810g装入し内圧反応を
行った。プロピレンオキサイドの全反応時間は950分
であった。
【0033】実施例4 ポリオキシアルキレンポリオールD グリセリン1モルに対して0.15モルの炭酸セシウム
を加え、105℃で3時間減圧脱水した(水分が0.1
重量%以下)。この触媒液を温度計、圧力計ならびに攪
拌機が装着してあるオートクレーブに166g仕込み、
窒素置換後、最大圧力4kg/cm2 (490kP
a)、反応温度80℃でプロピレンオキサイドを680
5g装入し内圧反応を行った。プロピレンオキサイドの
全反応時間は2720分であった。
【0034】比較例1 ポリオキシアルキレンポリオールE グリセリン1モルに対して0.25モルの炭酸カリウム
を加え、105℃で3時間減圧脱水した(水分0.1重
量%)。この触媒液を温度計、圧力計ならびに攪拌機が
装着してあるオートクレーブに211.5g仕込み、窒
素置換後、最大圧力4kg/cm2 (490kPa)、
反応温度95℃でプロピレンオキサイドを10210.
5g装入し内圧反応を行った。プロピレンオキサイドの
全反応時間は1160分であった。
【0035】比較例2 ポリオキシアルキレンポリオールF グリセリン1モルに対して0.25モルの炭酸ナトリウ
ムを加え、105℃で3時間減圧脱水した(水分0.1
重量%)。この触媒液を温度計、圧力計ならびに攪拌機
が装着してあるオートクレーブに232g仕込み、窒素
置換後、最大圧力4kg/cm2 (490kPa)、反
応温度95℃でプロピレンオキサイドを12240g装
入し内圧反応を行った。プロピレンオキサイドの全反応
時間は2800分であったが、内圧反応後、オートクレ
ーブを減圧状態にしてプロピレンオキサイド量を測定し
たところ、かなりの未反応プロピレンオキサイドが存在
していた。
【0036】比較例3 ポリオキシアルキレンポリオールG グリセリン1モルに対して0.25モルの水酸化カリウ
ムを加え、105℃で3時間減圧脱水した(水分0.1
重量%以下)。この触媒液を232g仕込み、窒素置換
後、最大圧力4kg/cm2 (490kPa)、反応温
度95℃でプロピレンオキサイドを12258g装入し
内圧反応を行った。プロピレンオキサイドの全反応時間
は1665分であった。
【0037】比較例4 ポリオキシアルキレンポリオールH グリセリン1モルに対して0.10モルの炭酸カリウム
と0.15モルの炭酸セシウムとを加え(この時の全金
属分に占めるカリウム分は16.4重量%)、105℃
で3時間減圧脱水した(水分0.1重量%以下)。この
触媒液を177g仕込み、窒素置換後、最大圧力4kg
/cm2 (490kPa)、反応温度95℃でプロピレ
ンオキサイドを6810g装入し内圧反応を行った。プ
ロピレンオキサイドの全反応時間は1060分であっ
た。
【0038】比較例5 ポリオキシアルキレンポリオールI グリセリン1モルに対して0.25モルの炭酸セシウム
とを加え、105℃で3時間減圧脱水した(水分0.1
重量%以下)。この触媒液を202g仕込み、窒素置換
後、最大圧力4kg/cm2 (490kPa)、反応温
度108℃でプロピレンオキサイドを6804g装入し
内圧反応を行った。プロピレンオキサイドの全反応時間
は720分であった。
【0039】実施例、比較例のポリオキシアルキレンポ
リオールは全て、反応終了後に水およびアルカリ金属分
と当モルの燐酸を加えて中和後、100℃で減圧乾燥
し、生成したアルカリ金属燐酸塩の結晶を濾過により除
去した。この精製後のポリオキシアルキレンポリオール
の水酸基価はJIS K−1577に準じて測定した値
である。
【0040】ポリオキシアルキレンポリオール中のモノ
オール含有量は日本分光製高速液体クロマトグラフ装置
を用いて測定を行った。分離カラムにはアミノプロピル
基化学結合型シリカ系カラムを用い、ヘキサン/2−プ
ロパノールの混合液を溶離液(流速1ml/min)と
してポリオキシアルキレンポリオールの液体クロマトグ
ラムを測定し、示差屈折計で検知されたピーク面積強度
からトリオールとモノオールの面積比を求めた。また、
これと同一条件で得られた分子量の異なるトリオールと
モノオールの液体クロマトグラムの溶出ピーク時間から
作成した較正曲線より、ポリオキシアルキレンポリオー
ル中のトリオールとモノオールの分子量の値を求めた。
上記方法によりトリオールとモノオールに関する面積比
と分子量の値からモノオール含有量(モル%)を算出し
た。
【0041】実施例、比較例を表1と表2にまとめて表
記した。触媒Aは炭酸セシウム、触媒Bは炭酸水素セシ
ウム、触媒Cは炭酸ルビジウム、触媒Dは炭酸カリウ
ム、触媒Eは炭酸ナトリウム、触媒Fは水酸化カリウム
である。また、POはプロピレンオキサイドの略であ
る。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明者らが調べ
た範囲では、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムをプロ
ピレンオキサイドの重合触媒に用いると、本発明の反応
条件で重合してもモノオール副生量が低減できないこと
がわかった。活性水素化合物にアルキレンオキサイドを
付加重合する際に、活性水素化合物1モルに対して0.
05〜0.5モルの炭酸セシウムおよび炭酸水素セシウ
ムからなる群から選ばれる少なくとも1種類を含有する
触媒を用い、反応温度60〜98℃、反応最大圧力4k
g/cm2 の条件で行えば、モノオール副生量が少な
く、かつ、生産性の優れた方法でポリオキシアルキレン
ポリオールを製造することが可能である。また、本発明
にかかる炭酸セシウムおよび炭酸水素セシウムは、水溶
液中、例えば、特公昭52−33000号記載の方法に
より一度重合に使用した水酸化セシウムを二酸化炭素で
中和することによっても得られる。従って、該中和品を
アルカリ金属水酸化物の形態に変換して再使用すること
なく、中和品(炭酸塩または炭酸水素塩)のまま、本発
明にかかる触媒として使用すれば、回収触媒の使用が可
能となり、ポリオキシアルキレンポリオールの製造コス
トが低減可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 智 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内 (72)発明者 伊豆川 作 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性水素数2〜8の活性水素化合物にア
    ルキレンオキサイドを付加重合する際に、活性水素化合
    物1モルに対して下記条件を満たす触媒0.05〜0.
    5モルを用いて、反応温度60〜98℃、反応最大圧力
    4kg/cm 2 の条件下でアルキレンオキサイドオキサ
    イドを付加重合することを特徴とするポリオキシアルキ
    レンポリオールの製造方法。 全金属成分に占めるセシウムの量が90〜99.9重
    量%である。 全金属成分に占める金属成分としてナトリウム分、カ
    リウム分、ルビジウム分がそれぞれ3重量%以下、5重
    量%以下、10重量%以下である。 ナトリウム分、カリウム分、ルビジウム分の総和が
    0.1〜10重量%である。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003072626A1 (fr) * 2002-02-27 2003-09-04 Asahi Glass Company, Limited Procede de production de mousse souple de polyurethanne

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