JPH0679783U - 流体噴射式織機の緯糸処理装置 - Google Patents

流体噴射式織機の緯糸処理装置

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JPH0679783U
JPH0679783U JP1965593U JP1965593U JPH0679783U JP H0679783 U JPH0679783 U JP H0679783U JP 1965593 U JP1965593 U JP 1965593U JP 1965593 U JP1965593 U JP 1965593U JP H0679783 U JPH0679783 U JP H0679783U
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Inventor
正己 黒田
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日産テクシス株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は流体噴射式織機において、緯入れ不
良発生時、不良緯糸織り前露出のため主軸を逆転させて
も測長装置に糸が絡まずかつクラッチなどの付属機構を
必要することなく、不良緯糸を除去できるような緯糸処
理装置を提供することを目的とする。 【構成】 装置は、主軸1に連動して順次所定長の緯糸
を貯留する測長装置2と、測長装置から供給される緯糸
Yを噴射流体に乗せて緯入れするノズル3と、不良緯糸
Yを把持して織布Cから除去する牽引装置4とを備え、
織機停止後から織機主軸逆転までの間に、測長装置2か
らノズル3に連なる緯糸Yをアーム21の手繰りにより
牽引装置4に受け渡し、不良緯糸除去の主軸逆転に先立
って測長装置2に残った緯糸Yを吸引装置本体24内に
引き込む。測長装置2のドラム5上には余剰の緯糸Yが
無いため、逆転時絡まることはない。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はウォータジェットルームやエアジェットルームなどに代表されるよう に、噴射流体に乗せて経糸開口内に緯糸を緯入れする流体噴射式織機に関し、特 に緯糸が反緯入れ側まで到達しないような緯入れ不良発生時、織り込まれた不良 緯糸を織布から除去する緯糸処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
織機主軸に連動して回転するドラムに緯糸を順次巻き付け、貯留する測長装置 から緯糸を流体噴射ノズルから噴射された流体の流れに乗せて引き出し、この緯 糸を経糸開口内に飛走させる(所謂、緯入れする)流体噴射式織機において、緯 入れ不良が発生した時、常用カッタの緯糸切断作動を停止して、流体を噴射する ノズルから織り前に連なる緯糸を除去する緯糸処理方法は既に知られている(例 えば特開昭62−282044号公報等)。
【0003】 この緯糸処理方法では、緯入れ不良発生に同期して直ちに織機の作動を急停止 した場合、作動機構の耐久性などに悪影響を及ぼすことにもなるため、次のピッ クまで織機主軸を回転(オーバーラン)させて停止するようになっており、その 後主軸を逆転して不良緯糸を織り前に露出させ、牽引除去装置により反緯入れ側 より不良緯糸を抜糸する方法を採用している。
【0004】 尚、上述した主軸のオーバーランの際には流体噴射ノズルの作動は停止されて おり、次のピックの緯入れは阻止されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
上述した除去方法では、緯入れ不良が発生して織機主軸を逆転させる時には、 測長装置と主軸とは電磁クラッチにより連結が解かれ、測長装置は作動しないよ うになっている。
【0006】 この理由としては、織機が停止するまでに測長装置のドラムも主軸に連動して 回転して次のピックの緯糸も装置内に貯留されているが、その後の主軸逆転時、 これに連動してドラムも逆転してしまうと、これに伴なって、ドラム上の緯糸が 解舒されてたるむため、ドラム上で緯糸が絡み合い、その後緯糸を引き出せなく なる恐れがあるからであって、主軸逆転の際には測長装置を連動させないで不良 緯糸除去後、円滑に緯入れが再スタートするのを配慮したものである。
【0007】 しかしながら、このように主軸逆転前に測長装置と主軸の連動を断つように構 成する場合、測長装置自体に電磁クラッチなどの連動解除装置を設けなければな らず、併せてその作動制御も必要とし、総じてコスト高になる傾向にある。
【0008】 本考案は上述した不良緯糸除去方法の問題点に鑑み、電磁クラッチなどの付属 機構を必要することなく、不良緯糸を除去できるような緯糸処理装置を提供する ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題を達成するため本考案によれば、織機主軸に連動して順次所定長の緯 糸を貯留する測長装置と、該測長装置から供給される緯糸を噴射流体に乗せて緯 入れするノズルと、不良緯糸を把持して織布より除去する牽引装置とを備え、緯 入れ不良時、上記織機主軸を逆転して不良緯糸を織布より除去する織機の緯糸処 理装置において、織機停止後から織機主軸逆転までの間に、上記ノズルに連なる 緯糸を上記牽引装置に受け渡し、不良緯糸除去に先立って上記測長装置に残った 緯糸を引き込む制御手段を備えることを特徴とする流体噴射式織機の緯糸処理装 置が提供される。
【0010】
【作用】
不良緯糸を除去する牽引装置が、その除去作動に先立って測長装置に残された 緯糸を引き込むことにより、ドラムと緯糸とが実質的に係合しない状態になりそ の後主軸逆転に伴って測長装置内のドラムが逆転しても、緯糸がドラムから解舒 されることがないから、ここで緯糸は絡まない。
【0011】
【実施例】
図面を参照しながら本考案の実施例を説明する。
【0012】 図1は高圧水を噴射して緯糸を緯入れする織機(ウォータジェットルーム)の 概略構成を示すものであって、図中Yは緯糸、Wは経糸、Cは織布である。
【0013】 また1はメインモータMによって駆動される織機主軸(以下、主軸1と呼ぶ) であり、2は主軸1に巻掛けされたベルトBを介して駆動される測長装置、3は 測長装置2より供給された緯糸Yを噴射水流に乗せて緯入れするノズル、4は緯 入れ不良発生時、不良緯糸を吸引して織布Cから排除する牽引装置を示している 。
【0014】 測長装置2は、図示するように、主軸1に連動して回転するドラム5と、ドラ ム5の外周面に接触する送り出しローラ6とを備えており、給糸体7からヤーン ガイド8を介してドラム・ローラ間に通された緯糸Yを、旋回流によってドラム 外周面に巻き付け、自由飛走と測長飛走とによりノズル3への緯糸供給を行うも のである。
【0015】 測長装置2とノズル3との間には、緯糸Yを保持してノズル3への緯糸供給を 制御する補助緯糸把持器9及び主緯糸把持器10が連続してベースプレート11 上に設けられる。
【0016】 図2に詳細に示すように、主緯糸把持器10は、主軸1に連動するカム12に よって所定のタイミングで接近・離反する一対の挟持体13a,13bを備えて おり、これに対し補助緯糸把持器9は、制御回路(ECU)14によって作動制 御されるエアシリンダ15を備え、その先端には通常、解放型の一対の挟持体1 6a,16bが設けられている。
【0017】 通常、測長装置2からの緯糸Yは、この挟持体16a,16b間を通り、次い で挟持体13a,13b間を通されノズル3へと導かれており、緯入れ時には主 緯糸把持器10の挟持体13a,13bの解放動作と、ノズル3からの水噴射と により、緯糸Yを噴射水流に乗せて経糸W間に緯入れする。
【0018】 そして、この緯入れに引き続き、筬打ち機構(図示せず)によって駆動される 筬17が緯糸Yを織布Cに対して筬打ちし、その後、筬打ち点近傍においてノズ ル3と織り前18の間に設けられた常用カッタ19が、筬打ちされた緯糸Yを切 断する。そしてこの緯入れ、筬打ち、切断を順次繰り返すことにより、連続して 織布Cが織られていくのである。
【0019】 図1及び図2に示すように、牽引装置4は、緯入れ不良発生時ノズル3と経糸 Wとの間でノズル3から織り前18に連続する緯糸Yを、エアシリンダ20によ って駆動されるアーム21を以て織布Cより手繰るアーム部22と、手繰られた 緯糸Yを吸引して排除する吸引部23とによって構成されている。
【0020】 アーム部22のアーム21は略V字形の板材より形成され、その谷部に緯糸Y を捕捉するようになっており、制御回路14によって作動制御されるエアシリン ダ20により、図2に2点鎖線で示す定常停止位置と実線で示す糸取り位置との 間で昇降する。
【0021】 吸引部23を構成する吸引装置本体24には、緯入れ不良発生時、上記アーム 21によって手繰られた不良緯糸Yを吸引するサクションパイプ25が設けられ ており、更に織布C側には、ノズル3からサクションパイプ25の吸引孔26に 連なる緯糸Yを切断する除去用カッタ27が設けられる。
【0022】 吸引装置本体内部24には、除去用カッタ27によって切断されて織り前18 側に連なる不良緯糸Yを保持するグリッパ28が設けられる。このグリッパ28 は、本体内部へと延びる吸引孔26の上下に位置する一対の挟持体29a,29 bと、上方の挟持体29aに連結されその作動を制御回路14により制御される エアシリンダ30とにより構成されており、挟持体29aは対向する挟持体29 bに対して接近・離反することにより吸引孔26内に吸引された緯糸Yを保持、 又は解放する。
【0023】 吸引装置本体24の織布側でかつ吸引孔26の近傍には、吸引孔26からアー ム21へと延びる緯糸Yの有無を検出する緯糸センサ31が設けられる。この緯 糸センサ31は、例えば非接触タイプの光電反射型センサとすることができ、そ の出力信号は制御回路14に入力される。
【0024】 図3は以上説明した吸引装置本体24の縦断面図である。
【0025】 この図から明らかなように、この吸引部23は外部より空気供給パイプ32を 介して空気を供給し、噴射口33からサクションパイプ25側に向けて空気を噴 射することにより、吸引孔26に吸引気流を生じさせるものである。尚、本図に おいて、34は前述した除去用カッタ27を作動させるエアシリンダであり、こ れも同様に制御回路14により作動制御される。
【0026】 再び図1に戻り、経糸W列の反ノズル3側には、緯入れ不良を検出するための 緯糸フィーラ35が設けられ、その出力信号は制御回路14に入力される。制御 回路14にはこの他、主軸1の回転角度を検出するアングルセンサ36からの信 号も入力され、例えば筬打ちを0度と設定した回転角度信号を順次取り込むこと により織機の行程時期(例えば、緯入れ時期)を検知する。
【0027】 ノズル3への水供給系統を説明すると、まず水道のような水源37から供給さ れた水は一旦、定水位タンク38に貯留され、その後ウォータポンプ39により 所定のタイミングと圧力を以てノズル3に供給される。尚、このウォータポンプ 39はカム40とリンク機構41を介して織機主軸1に連動するようになってい る。
【0028】 制御回路14は、例えばマイクロコンピュータより構成され、上述した各種セ ンサの出力信号を入力して、モータMやエアシリンダなどのアクチュエータの作 動制御や緯入れ時期判断を行う。又、緯糸到達センサ35からの出力に基づき、 反ノズル3側において緯糸Y無しの状態が検出されたときには、緯入れ不良が発 生した可能性があるため織機作動を停止させ、その後、緯糸除去及び織機再スタ ートのための適切な処理を行う。
【0029】 以下、本考案の特徴をなす緯入れ不良発生時の緯糸処理作動を、図4及び図5 のフローチャートと、図6〜図9の装置作動図を参照しながら説明する。
【0030】 尚、以下の作動を実行するプログラムは、制御回路14の所定メモリ内に格納 されており、作業者による織機作動スイッチ(図示せず)のオンと共に起動され 得るものである。
【0031】 まず、織機作動が開始されると、ステップS1ではアングルセンサ36から出 力される回転角度信号と、緯糸フィーラ35からの出力の有無を見て、緯入れ期 間中において緯糸検出信号が入力されたか否かが判定される。
【0032】 そして、本ステップS1で緯糸到達信号が入力されていたならば(Yes)、 緯糸Yが正常に緯入れされ、織機は正常運転の状態にあるため、上述した信号有 無判定を繰り返すことになる。
【0033】 尚、この正常状態においては、先に述べたように補助緯糸把持器9の挟持体1 6a,16bは解放されており、アーム21は図1の2点鎖線位置を占め、グリ ッパ28は解放している。
【0034】 これに対し、ステップS1でNo、即ち、緯糸フィーラ35から緯糸検出信号 が出力されていないならば、緯入れ不良が発生した可能性があるため、続くステ ップS2で直ちに異常停止信号を出力して織機制動を開始し、ステップS3に進 む。尚、この制動開始から停止までの所要主軸回転角度は、本実施例の場合、筬 17などの耐久性を考慮し不良緯糸Yの筬打時期を0度とすると、その後約18 0度回転した位置とする。
【0035】 ステップS3では、上述した織機の慣性作動の間に常用カッタ19の切断阻止 機構に対して作動信号を出力し、切断作動を停止させると共に、緯糸供給を停止 するために補助緯糸把持器9のエアシリンダ15に対し挟持体16a,16bを 閉じる信号を出力し、ここで緯糸Yを把持する(図6の状態)。
【0036】 更に、続くステップS4では慣性により回転していた織機主軸1を上記停止角 度位置で停止させ、この状態で補助緯糸把持器9に対し緯糸Yの把持を解除する ためそれまで出力されていた信号をオフとする。尚、この停止位置では図示する ように、経糸開口内に筬打ちされた不良緯糸Yが経糸Wにより捕捉されている一 方、経糸開口がほぼ最大になっており、同時に主緯糸把持器10においては、挟 持体13a,13bを離反し解放位置になっている。
【0037】 次にステップS5では、測長装置2の送り出しローラ6のアクチュエータ(エ アシリンダ)42に作動信号を出力し、ローラ6をドラム5より離して緯糸送り 出しを停止し、続くステップS6ではアーム21のアクチュエータとしてのエア シリンダ20に作動信号を出力して、その定常停止位置から糸取り位置に上昇、 停止すると共に、サクションパイプ25の吸引孔26に吸引気流を生成する。
【0038】 この結果、主軸1の回転が停止されるまでに測長装置2に貯留された次ピック の緯糸Yは、図7に示すように、両緯糸把持器9,10とノズル3を介して牽引 装置4側に引き抜かれ、その一部が吸引孔26の前に置かれるようになる。
【0039】 このようにして次ピックの緯糸Yがアーム21を介して牽引装置4の吸引部2 3へと受け渡されたならば、続くステップS7ではアーム21を下降し、ノズル 3と織り前18との間で緯糸Yを弛ませ、サクションパイプ25の吸引力で緯糸 Yを吸引装置本体24内に吸引する。
【0040】 そしてステップS8ではエアシリンダ34を駆動し、除去用カッタ27でノズ ル3から吸引孔62に延びる緯糸Yを切断すると共に、補助緯糸把持器9の挟持 体16a,16bで緯糸Yを保持する(図8の状態)。
【0041】 即ち、この時点では主緯糸把持器10は解放位置(開)にあることから、切断 後のノズル3側の緯糸Yが、測長装置2内の残留旋回流により逆行し測長装置2 側に抜けるのを防止するため、補助緯糸把持器9によって緯糸Yを保持するので ある。尚、上述したこの切断作動は補助緯糸把持器9による緯糸保持が確実とな った状態で行われるようにタイミング調整してある。
【0042】 ステップS8に続くステップS9(図5)では、一旦下降されていたアーム2 1を再度昇降させる。これは、不良緯糸Yの織り前露出に先立ち、その弛みを防 止するためと、緯入れされてしまった次のピックの緯糸Yの除去を兼ねる処理で あって、この緯糸Yもまた吸引孔26を介して吸引されることになる。
【0043】 そして以上のような一連の処理が終了した時点でステップS10に進み、ここ で初めてモータMに信号を出力し、主軸1を180度の回転角度停止位置まで低 速で逆転させると共に、アーム21を上昇させて、緯糸Yが常用カッタ19の刃 に接触して糸切れが起こらないようにする。
【0044】 この結果、緯入れ不良の緯糸Yは経糸Wの拘束を解舒されて織り前18に露出 することになる。
【0045】 ステップS10に続くステップS11では緯糸センサ31からの出力信号の有 無を見ることにより、吸引孔26から織り前18側にかけて緯糸Yが連続してい るか、或いは切れているかを判定する。
【0046】 ここで、仮にアーム21の上昇によっても緯糸Yが持ち上がらない時には、緯 糸Yが切れていることに相当し、この結果緯糸センサ31では緯糸Y検出がなさ れないため、ステップS11ではNoと判定され、ステップS12に進むことに なる。
【0047】 ステップS12では、エラー信号を表示器(図示せず)に出力する処理がなさ れることになり、作業者に対し緯糸処理を促し、以下のステップをスキップして 本ルーチンを終了する。
【0048】 これに対してステップS11でYesと判定され、緯糸Yの存在が確認された ならば、ルーチンはステップS13に進み、アーム21を糸取り位置から定常停 止位置に下降するべく、エアシリンダ20に対して出力する。この時、アーム2 1の下降に伴って弛んだ緯糸Yはサクションパイプ25からの吸引により吸引孔 26内に吸引されることになる。
【0049】 続くステップS16では、図9に示すような牽引位置4による織り前18から の不良緯糸排除処理が行われる。
【0050】 即ち、ここでは、まず吸引部23のグリッパ28を駆動するエアシリンダ30 に対して駆動信号が出力され、グリッパ28の挟持体29a,29bで吸引孔2 6内の緯糸Yを保持した状態でアーム21を上昇させ、緯糸Yを織り前18より 引き抜くと共に、その後アーム21を下降させながら挟持体29a,29bを離 反させてサクションパイプ25へと緯糸Yを吸引させ、以上の処理を複数サイク ルに亙って繰り返し、所謂尺取り状態で緯糸Yを完全に織り前18から除去する 。尚、このサイクル数に関しては、そのアーム21の移動スパンや織布Cの幅に 依存して予め決定され得るものである。
【0051】 ところで、以上のようにして牽引装置4のグリッパ28の開閉とアーム21の 上下動により緯糸Yを手繰る場合、緯糸Yがアーム21に絡んで完全には吸引で きないような場合がある。
【0052】 ステップS15はこのような場合に対処して設けられる処理であり、ここでは 規定サイクルのグリッパ・アーム作動終了後、再度アーム21を上昇させ、この 状態で緯糸センサ31からの出力を見る。即ち、規定の緯糸除去処理が終了した にも拘わらず、この時点で緯糸センサ31から緯糸Yの存在を示す出力があれば 、緯糸Yがアーム21に絡んでいることになるため、ステップS15でNoと判 定し、ステップS16に進む。
【0053】 ステップS16ではこのようにしてアーム21に絡んだ緯糸Yと牽引装置4と のつながりを断つため、まずアーム21を下降させ、エアシリンダ34を作動さ せて除去用カッタ27で緯糸Yを切断する。この結果、切断部から吸引孔26へ と延びる緯糸Yはこのままサクションパイプ25によって吸引され、片や切断部 からアーム21へと延びる緯糸Yは、その後の織機再始動に影響のない、アーム 21によって手繰られた状態になる。
【0054】 そしてこの切断処理後は、再度ステップS15に戻り、緯糸センサ31での切 断確認をした後、以下のステップに進むことになる。
【0055】 ステップS15でYesと判定され、吸引孔26の入り口近傍に緯糸Yが無く 、不良緯糸Yが完全に除去されたと判定されたならば、ルーチンは次にステップ S17に進み、ここでアーム21を下降し、加えてサクションパイプ25の吸引 を停止する。
【0056】 そして続くステップS18では、来るべき織機再始動の準備のため、例えば主 軸1を更に180度の回転角度位置まで低速で逆転させて(2次逆転スイッチン グ)、不良緯糸Y前に緯入れされた緯糸Yを織り前に露出させ、その後正転させ て再度筬打ちすることによりこの部分での織りむらを排除する。
【0057】 また、続くステップS19では測長装置4のブロア(図示せず)を作動させ旋 回流を生成したり、更に送り出しローラ6をドラム5に接触させ緯糸供給の準備 をする。
【0058】 このようにして再始動の準備が完了したならば、次にルーチンはステップS2 0に進み、織機始動のためモータMを正転起動させると共に、補助緯糸把持器9 を解放状態にする。
【0059】 この結果、測長装置2においてはドラム5の回転と共に給糸体7からの緯糸供 給が再開され、また水供給系においては主軸1に連動してウォータポンプ39が 始動し、ノズル3から水が噴射されることになり、以上のようにして織機が再始 動され本ルーチンが終了する。
【0060】 このように本実施例によれば、主軸1を逆転させて不良緯糸Yを織り前に露出 させる処理に先立って、まず測長装置2からノズル3に連なる緯糸Yをアーム2 1の上昇によって牽引装置4に受け渡し、装置のサクションパイプ25によりこ れを吸引することで、主軸逆転時、ドラム5の上で緯糸Yが絡まるようなことは 無く、従って従来のように主軸1とドラム5との連動を断つクラッチを排除する ことができるのである。
【0061】 ところで、上述した実施例において、緯入れ不良発生時の織機の完全停止時期 は、ステップS4に示すようにモータ不良緯糸Yの筬打ち後、主軸1が約180 度回転した位置に設定されており、この時には主緯糸把持器10の挟持体13a ,13bは解放位置にあり、補助緯糸把持器9の解放処理のみでアーム21によ る緯糸引き出しが可能になっている。
【0062】 しかしながら、近年織機の高速化に伴い更に耐久性が考慮されて、織機の停止 位置を次のピックの緯入れ時期を越えた筬打ち後、20〜30度程度で停止する 場合もある。従ってこのような場合には、主緯糸把持器10はカム12の位置に 対応して緯糸Yを把持することになり、このままの状態ではアーム21による緯 糸引き出しが不可能となってしまう。
【0063】 図10は、主緯糸把持器10が緯糸把持状態にあっても測長装置2からの緯糸 引き出しを可能にする変形実施例を示している。
【0064】 しかして、この変形例によれば図10(a),(b)に示すように、主緯糸把 持器10のカムフォロア12aに対してアクチュエータ42(エアシリンダなど )が設けられ、測長装置2からの緯糸Y引き出しの際、主軸1に連動するカム1 2とは別個に、挟持体13a,13bがアクチュエータ42によって解放状態に され、この部分での緯糸把持が強制的に解除される。尚、この変形例に関し、他 の処理内容は先の実施例と全く同様であるためその説明は省略する。
【0065】 また、本考案の牽引装置を構成するアーム21は、エアシリンダ20により上 下動するものであるが、この別実施例としては図11に示すように、例えばピボ ット軸Zを中心としてこの周りを上下揺動するアーム21’でも良い。
【0066】
【考案の効果】
以上説明したように本考案によれば、不良緯糸を除去する牽引装置が、その除 去作動に先立って測長装置に残された緯糸を引き込むことにより、その後主軸逆 転に伴って測長装置内のドラムを逆転させても、ここで緯糸は絡むことはなく、 従って絡み防止のための測長装置と主軸の連動を解除するクラッチ機構を必要と せず、低コストが達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による実施例としての緯糸処理装置を備
える織機全体を示した概略的構成図である。
【図2】図1の織機の緯入れノズル周りを示す外観斜視
図である。
【図3】本考案の牽引装置を構成する吸引部の縦断面図
である。
【図4】本考案の緯糸処理装置の作動を説明するフロー
チャートの前半部分を示す図である。
【図5】図4のフローチャート部分に続く後半部分を示
す図である。
【図6】本考案の緯糸処理装置の作動であって、緯入れ
不良発生時の織機停止状態を示した図である。
【図7】図6に続く作動であり、測長装置から牽引装置
への緯糸引き込み状態を示した図である。
【図8】緯糸切断後の主軸逆転の状態を示した図であ
る。
【図9】不良緯糸除去時の装置作動状態を示した図であ
る。
【図10】図1に示す実施例を変形したものであり、そ
の主緯糸把持器をアクチュエータ作動式にしたノズル周
りの外観斜視であって、(a)はアクチュエータ非作動
時、(b)はアクチュエータ作動時を示す図である。
【図11】本考案装置を構成する牽引装置に関し、その
アーム作動形態を変えた実施例を示す図である。
【符号の説明】
Y 緯糸 W 経糸 1 織機主軸 2 測長装置 3 ノズル 4 牽引装置 14 制御回路 18 織り前

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 織機主軸に連動して順次所定長の緯糸を
    貯留する測長装置と、該測長装置から供給される緯糸を
    噴射流体に乗せて緯入れするノズルと、不良緯糸を把持
    して織布から除去する牽引装置とを備え、緯入れ不良
    時、上記織機主軸を逆転して不良緯糸を織布より除去す
    る織機の緯糸処理装置において、 織機停止後から織機主軸逆転までの間に、上記ノズルに
    連なる緯糸を上記牽引装置に受け渡し、不良緯糸除去に
    先立って上記測長装置に残った緯糸を引き込ませる制御
    手段を備えたことを特徴とする流体噴射式織機の緯糸処
    理装置。
JP1965593U 1993-04-16 1993-04-16 流体噴射式織機の緯糸処理装置 Pending JPH0679783U (ja)

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