JPH0679776U - 織機の緯入れ装置 - Google Patents

織機の緯入れ装置

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JPH0679776U
JPH0679776U JP1965693U JP1965693U JPH0679776U JP H0679776 U JPH0679776 U JP H0679776U JP 1965693 U JP1965693 U JP 1965693U JP 1965693 U JP1965693 U JP 1965693U JP H0679776 U JPH0679776 U JP H0679776U
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宣彦 林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案の目的は、織機の緯糸を挟持牽引する
ローラの耐久性を損なわないような緯入れ装置を提供す
る。 【構成】 緯入れ装置Eは、測長貯留装置2から供給さ
れた緯糸Yを、互いに圧接される一対の回転ローラ1
4,15の間で挟持牽引する緯糸牽引装置5を有し、該
装置5はローラ間の圧接力に抗してアーム16の下端に
係止して弾性ローラ15の撓み量を規制する位置調整可
能なストッパ20を有する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、織機の緯入れ装置に関し、さらに詳しくは測長貯留装置と流体を噴 射して緯糸を飛走させる姿勢制御ノズルとの間に回転ローラにより緯糸を牽引す る緯糸牽引装置を設けた織機の緯入れ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
織機にはノズルから流体を噴射して緯糸を飛走させ、緯入れを行う緯入れ装置 を備えたものがある。この緯入れ装置は、流体により高速で緯入れを行えること から生産性の向上という点では、極めて優れた効果を奏しているが、例えば空気 を噴射して緯糸を飛走させる場合は、空気と緯糸との摩擦力により緯糸を牽引し て行くので、空気の消費量が大きく、エネルギー消費量の面で解決すべき課題が 残されている。
【0003】 そこで、空気の消費を節減した緯入れ装置として、例えば特開平4−1362 37号公報に記載された発明がある。この発明は、測長貯留装置と流体噴射を行 うノズルとの間に、回転するローラにより緯糸を挟持牽引する緯糸牽引装置を設 けたものであるが、このローラの回転をサーボモータを用いて行い、主軸の回転 に同期して制御することにより、緯糸を最初は低速で挟持し、緯入れ途中は高速 で飛走させ、解放時には再び低速に戻すように構成されている。
【0004】 このような、回転ローラで緯糸を牽引して緯入れを行う緯糸牽引装置は、直接 ローラにて緯糸を積極的に牽引して送り出し、牽引抵抗を受け持つので、姿勢制 御ノズルは、緯糸の姿勢を制御するだけでよく、そのため空気消費量が節減され 、エネルギー消費量を小さくできる点で非常に優れている。
【0005】 しかしながら、この緯入れ装置は、サーボモータを用いてローラの速度制御を 行う必要があり、織機主軸の回転速度を高速にした場合は、緯入れごとにローラ の回転速度を大きく変化させるといった制御が追従できなくなり、実用化が難し い。実用化できたとしても高度な応答性と精度を備えた非常に高価な制御装置や 急激に大トルクを発生するといったモータを必要とするので採用し難い。
【0006】 そこで、本願出願人は、互いに接触し合う一対のローラ(一方は金属製で他方 がゴム製のローラ)を常時回転させ、外部に設けられたトラバースレバーを以て 緯糸をガイドしながらこの回転ローラ間に緯糸を挿脱し、ローラによる緯糸挟持 、非挟持により断続的に緯入れする装置を先に考案している。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、この緯入れ装置においてはローラ間に適切な圧接力を得るため 、一方のゴムローラを金属製ローラに対してスプリングの付勢力を以て圧接する 構造となっており、このため仮に圧接力が弱すぎると、ローラ間でスリップ現象 を発生してしまい、緯糸を充分な牽引力を以て牽引することができないばかりか 、ともするとスリップによる摩擦熱によってゴムの耐久性を著しく損ねてしまう 恐れがある。
【0008】 また、これとは逆に圧接力が大きすぎると、ゴムローラ自体の撓み量が大きく なってしまい、高速回転するローラが大きく波打ち、高熱が発生して同様に耐久 性を低下させてしまう可能性がある。
【0009】 本考案は、このような緯入れ装置の問題点に鑑みなされるものであり、緯糸牽 引装置を構成するローラの耐久性を損なわないような緯入れ装置を提供すること を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の本考案によれば、測長貯留装置と 、この測長貯留装置からの緯糸を、少なくとも一方が他方に対して圧接される弾 性ローラから成る一対の回転ローラの間に挟持牽引する緯糸牽引装置と、この緯 糸牽引装置による牽引又は非牽引を切り換える切り換え装置と、この切り換え装 置の作動により牽引された緯糸を流体噴射により経糸開口内に飛走させて緯入れ を行う姿勢制御ノズルとを有する織機の緯入れ装置であって、上記緯糸牽引装置 はローラ間の圧接力に抗して上記弾性ローラの撓み量を規制する位置調整可能な ストッパを有する緯入れ装置が提供される。
【0011】 また、更に請求項2に記載の本考案によれば、測長貯留装置と、この測長貯留 装置からの緯糸を、少なくとも一方が他方に対して圧接される弾性ローラから成 る一対の回転ローラの間に挟持牽引する緯糸牽引装置と、この緯糸牽引装置によ る牽引又は非牽引を切り換える切り換え装置と、この切り換え装置の作動により 牽引された緯糸を流体噴射により経糸開口内に飛走させて緯入れを行う姿勢制御 ノズルとを有する織機の緯入れ装置であって、上記緯糸牽引装置は他方にローラ に対する弾性ローラの圧接力を調整可能な圧接力調整手段を備えた緯入れ装置が 提供される。
【0012】
【作用】
請求項1の緯入れ装置のストッパは、弾性ローラに対して取り付け位置調整可 能に設けられるため、設定される圧接力との関係で他方のローラに対する弾性ロ ーラの撓み量を適正値に規制することができ、圧接力の過大や過小に伴う弾性ロ ーラの耐久性低下を回避できる。
【0013】 又、請求項2の緯入れ装置によれば、弾性ローラの圧接力そのものを調整可能 とする圧接力調整手段により、圧接力を過大、過小とならない適切な値に制御す ることができ、同様にローラ耐久性を低下させることがない。
【0014】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面を参照しながら説明する。図1は本考案の緯入れ 装置を組み込む織機の構成を示す概略図であって緯入れ装置Eは、給糸体1から の緯糸Yを貯留する測長貯留装置2と、この測長貯留装置2からの緯糸Yを回転 する一対のローラ3,4で牽引する緯糸牽引装置5と、緯糸牽引装置5よりも緯 糸流れ上流側に位置して装置5による緯糸牽引又は非牽引を切り換える切り換え 装置6と、この切り換え装置6の作動により牽引された緯糸Yを流体噴射により 経糸開口P内に飛走させて緯入れを行う姿勢制御ノズル7とによって構成される 。
【0015】 また図2は、本考案の特徴部分を示す緯糸牽引装置5周りの外観斜視図である 。尚、図示する緯糸牽引装置5は2本の緯糸牽引を可能とするべく構成されてい るが、当然ながら1本だけの緯糸牽引でもその基本構造は本構造と何ら変わらな い。
【0016】 図示しない測長貯留装置2からの緯糸Yは、図中左側に位置するヤーンガイド 8を介して切り換え装置6へと供給されるが、この切り換え装置6は、ロータリ ソレノイドから構成される切り換えソレノイド9と、その上方に設けられソレノ イド9により揺動するトラバースレバー10とによって構成される。
【0017】 切り換えソレノイド9は、図示しない電源によって付勢され、その出力軸9a を一方向に回転駆動し、消勢されるとばねなどによって出力軸9aを元の位置に 戻す、所謂電磁駆動自己復帰型アクチュエータとして構成されており、前記トラ バースレバー10は一端はこの出力軸9aに固定される。
【0018】 また、トラバースレバー10の先端には、緯糸Yを挿通する導糸孔10aが形 成されており、トラバースレバー10の揺動によって、緯糸Yの一部をその進行 方向に対して略垂直な方向に偏倚させることにより、緯糸牽引装置5による緯糸 牽引を解除するものである。
【0019】 緯糸牽引装置5は、ソレノイド9を載置する固定ベース11に対して直立する 縦壁12に取り付けられる。
【0020】 ローラ駆動手段としてのモータ13は、この縦壁12に対して固定されており 、その出力軸にはローラ駆動軸13aが連結される。このローラ駆動軸13aに は、2個の大径なる金属製ローラ14がローラ駆動軸13aの軸線方向に所定間 隔をおいて固定される。
【0021】 また、この金属製ローラ14の上方には、2個の小径なるゴム製ローラ15が 各金属製ローラ14に対応して夫々接触するように設けられる。このゴム製ロー ラ15は、基端部が縦壁12に上下方向に揺動可能に取り付けられたアーム16 の自由端に回転可能に取り付けられる金属製心体15aと、その周面に接合され たゴム層15bとで構成されており、縦壁12とアーム16とに跨設された引張 りばね17により金属製ローラ14側に付勢されている。そして、緯糸Yはこの 両ローラ14,15間に挟持されることにより、姿勢制御ノズル7側に牽引され 、またローラ14,15間から解放されることで非牽引状態となる。
【0022】 緯糸牽引装置5によって牽引された緯糸Yは、次に円錐筒状に形成されたヤー ンガイド17に導かれ、ここで緯糸Yのたるみが減衰された後、緯糸除去装置1 8を経て前記姿勢制御ノズル7へと導かれ、ここから勢いよく経糸開口P内に緯 入れされる。
【0023】 尚、緯糸除去装置18は、緯入れの不良の際に、不良緯糸を自動で除去する装 置であるが、ここでは本考案と直接関係ないため、ここではその詳細な説明は省 略する。
【0024】 そして緯入れされた緯糸Yは、緯入れ側の織り前側に固定されたカッタ19に よって切断される。
【0025】 以上のように構成される緯入れ装置Eにあって、本実施例によれば図3(a) に示すように、前記ゴム製ローラ15を支持するアーム16の下方には、引張り ばね17による引張力に対抗して、アーム16の下降を規制するストッパ20が 設けられる。
【0026】 このストッパ20は、図3(b)に示すように、縦壁12を貫通する偏心ボル ト21と、縦壁12の裏面側からワッシャ22を介してボルト21を締め付ける ナット23とによって構成されており、アーム16を支承するボルト円筒面21 aの軸心は、ナット23に螺合する雄ねじ部21bの軸心より偏倚されている。
【0027】 しかして、本実施例によれば、引張りばね17によってゴム製ローラ15を金 属製ローラ14に圧接するにあたり、ゴム製ローラ15を支持するアーム16の 下降をこのストッパ20で規制することにより、ゴム製ローラ15の変形はその 最大変形量が制限されることになり、従って初期設定時に、一旦そのゴム変形量 が適正化されたならば、変形量には経時的な変化がなく、従来見られたような経 時的圧接力増加に伴うゴム製ローラ15の耐久性低下を防止することができる。
【0028】 また、本実施例では、ナット23と偏心ボルト21との相対回転位置により、 これに接触するアーム16の位置は、図示する実線位置と点線位置との間で微調 整が可能となり、金属製ローラ14に対するゴム製ローラ15の変形量を、ロー ラ同士がスリップすることなく、かつゴム製ローラ15が波打たないような適正 値に微調整することが可能となる。
【0029】 尚、このストッパ20の変形例に関しては、図4(a)に示すように通常のボ ルト・ナットの組み合わせで、締め付け部を長穴24にしたり、或いは同図(b )のように多数の穴25を形成して調整可能としても良い。
【0030】 また、上記ストッパ20においては、ゴム製ローラ15を長期間使用し、万一 破損するようなことがあったとしても、ストッパ20により、ゴム製ローラ15 は金属性ローラ14側への接近が規制されることから、両ローラ間での衝撃が緩 和され、本装置が損傷する恐れはない。
【0031】 図5に本考案の第2実施例を示す。先の実施例がアーム16の揺動下限位置を 規制することでゴム製ローラ15の変形を適正量に制御したのに対し、考案の第 2実施例では、アーム16に係止される引張りばね17の他端17aを、縦壁1 2に形成される長穴26に対して位置調整可能に嵌入される取付具27を介して 縦壁12に固定される。
【0032】 即ち、本実施例では金属製ローラ14に対するゴム製ローラ15の圧接力を決 定する引張りばね17の係止位置を可変とすることで、その設定荷重を変えるこ とができ、ローラ圧接力を、前述したような不具合の生じない適正範囲に適宜調 整することができる。
【0033】 即ち、このことは装着される引張りばね17のバラツキを、その取り付け位置 の微調整によって吸収できることを意味しており、従来、ばね定数のバラツキの ために適正な圧接力が得られず、熱発生などの不具合を生じていた緯糸牽引装置 特有の問題を解決することができる。
【0034】 以上、本考案による緯入れ装置を、緯糸牽引装置の2実施例を参照しながら説 明してきたが、本考案は緯糸を牽引するローラ間の圧接力を調整できるものであ ればその形態は、図示したストッパ20や引張りばね17の実施例に限定される ものではない。又、実施例ではストッパとばね取り付け機構を別個にしたが、こ れらを併せ持つような緯糸牽引装置でも良い。
【0035】
【考案の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の本考案によれば、緯糸牽引装置を構成 する弾性ローラの撓み量を規制する位置調整可能なストッパを設けることにより 、ローラ圧接力を適正値に設定することができ、圧接力過大や過小に伴う弾性ロ ーラの耐久性低下を回避できる。
【0036】 又、請求項2の緯入れ装置によれば、弾性ローラの圧接力そのものを調整可能 とする圧接力調整手段により、圧接力を過大、過小とならない適切な値に制御す ることができ、同様にローラ耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による緯入れ装置の概略的構成を示す模
式図である。
【図2】本考案の緯入れ装置を構成する緯糸牽引装置周
りの外観斜視図である。
【図3】本考案の第1実施例を構成する緯糸牽引装置の
一部分を示し、(a)はローラ周りの側面、(b)はス
トッパ周囲の縦壁断面を夫々示した図である。
【図4】本考案の第1実施例の変形例であって、異なる
ストッパ形態を示す図である。
【図5】図3に類似し、本考案の第2実施例を示すロー
ラ周りの側方図である。
【符号の説明】
Y 緯糸 E 緯入れ装置 2 測長貯留装置 3,4,14,15 ローラ 5 緯糸牽引装置 6 切り換え装置 7 姿勢制御ノズル 17 引張りばね 20 ストッパ

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測長貯留装置と、この測長貯留装置から
    の緯糸を、少なくとも一方が他方に対して圧接される弾
    性ローラから成る一対の回転ローラの間に挟持牽引する
    緯糸牽引装置と、この緯糸牽引装置による牽引又は非牽
    引を切り換える切り換え装置と、この切り換え装置の作
    動により牽引された緯糸を流体噴射により経糸開口内に
    飛走させて緯入れを行う姿勢制御ノズルとを有する織機
    の緯入れ装置であって、 上記緯糸牽引装置は、ローラ間の圧接力に抗して上記弾
    性ローラの撓み量を規制する位置調整可能なストッパを
    有することを特徴とする織機の緯入れ装置。
  2. 【請求項2】 測長貯留装置と、この測長貯留装置から
    の緯糸を、少なくとも一方が他方に対して圧接される弾
    性ローラから成る一対の回転ローラの間に挟持牽引する
    緯糸牽引装置と、この緯糸牽引装置による牽引又は非牽
    引を切り換える切り換え装置と、この切り換え装置の作
    動により牽引された緯糸を流体噴射により経糸開口内に
    飛走させて緯入れを行う姿勢制御ノズルとを有する織機
    の緯入れ装置であって、 上記緯糸牽引装置は、他方ローラに対する弾性ローラの
    圧接力を調整できる圧接力調整手段を備えたことを特徴
    とする織機の緯入れ装置。
JP1993019656U 1993-04-16 1993-04-16 織機の緯入れ装置 Expired - Lifetime JP2600803Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10101012A (ja) * 1996-10-01 1998-04-21 Shikoku Kakoki Co Ltd チューブ成形装置と包装容器製造機械

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