JPH0678426B2 - 縫合等級のポリグリコール酸の製造法 - Google Patents

縫合等級のポリグリコール酸の製造法

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JPH0678426B2
JPH0678426B2 JP4248248A JP24824892A JPH0678426B2 JP H0678426 B2 JPH0678426 B2 JP H0678426B2 JP 4248248 A JP4248248 A JP 4248248A JP 24824892 A JP24824892 A JP 24824892A JP H0678426 B2 JPH0678426 B2 JP H0678426B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は縫合等級のポリグリコー
ル酸の製造に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリヒドロキシ酢酸としても知られるポ
リグリコール酸(PAG)が従来のコラーゲン(“腸
線”)縫合用材に代わる合成吸収性縫合用材に適した材
料であることは公知である。合成ポリマーを使用するこ
との従来使用されたコラーゲン質材料を越える利点に予
想できる成形特性とコンシステンシーに加えて吸収性と
剛性等の特性がある。縫合用材の製造に提案された種々
の合成材料のうちでは、取扱適性、強力、無毒性、無菌
性及び吸収性を含めて多数の望ましい特性の故にポリグ
リコール酸が特に適している。吸収性に関しては、創傷
が治るまで縫合用材が十分に長くその強力を保持し、そ
れから実質的に吸収が起こること及び所望の吸収速度が
得られるように適切な等級、すなわちグレードのポリグ
リコール酸を選択することが望ましい。固有粘度、ηi
nhが1.1〜1.6、好ましくは約1.3のポリグリコ
ール酸が必要な縫合用材用の特性を有することが見い出
されている。
【0003】ポリグリコール酸の製造及びポリグリコー
ル酸から製造した縫合用材の使用に関連する無数の文献
がこの技術分野において刊行されている。このような文
献の代表的なものは米国特許第3,297,033号で、
これにはポリヒドロキシ酢酸エステルからの合成吸収性
外科用縫合用材の製造が開示され、また前記ポリヒドロ
キシ酢酸エスエルの好ましい合成ルートはヒドロキシ酢
酸を脱水することによって形成される環式二量体縮合生
成物であるグリコリド、すなわち
【化1】 の重合を伴うことも開示されている。
【0004】米国特許第3,297,033号によれば、
グリコリドの重合は触媒を用い、又は用いずに加熱する
ことによって起こり、またX−線やガンマー線、あるい
は電子線のような放射線によっても誘発し得る。この特
許に開示される触媒は三フッ化アンチモンである。
【0005】米国特許第3,442,871号には実質的
に純粋なグリコリドの重合が開示される。グリコリドは
α−グリコリド単独若しくはβ−グリコリド単独又は両
異性体の混合物であることができる。この米国特許の重
合は上記グリコリド及び非ベンゼノイド不飽和を含まな
いアルコール、例えばラウリルアルコール約0.05〜
1.5モル%を含有する混合物を触媒として少割合のS
nCl2・2H2Oの存在下で加熱することから成る。こ
の米国特許第3,442,871号は、重合すると縫合用
材における使用に適した標準規格をもつポリグリコール
酸(本明細書では“縫合等級”のポリグリコール酸と称
される)を与えるにはグリコリドは“実質的に純粋”で
なければならないという必要条件を更に強調している。
【0006】縫合等級のポリグリコール酸に重合するの
に適切な“純粋”な形のグリコリドの合成もこの技術分
野における関心の強い研究主題であった。この“純粋”
なグリコリドの製造に関しても同様に非常に多数の特許
文献がある。斯る文献の例を挙げると、米国特許第3,
435,008号、同第3,457,280号及び同第3,
763,190号がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の文献から、グリ
コリドの精製は、その重合によって製造されるポリグリ
コール酸が縫合用材の製造に適したものでなければなら
ない場合に、第一級の重要性を持つものであることは明
白である。矛盾しているようであるが、グリコリドが純
粋であり過ぎると、その重合で得られるポリグリコール
酸は押出成形が困難なため縫合用材には不適当である。
満足できる純度を持つグリコリドは固有粘度が1.1〜
1.6のポリグリコール酸を与えるもので、従って縫合
等級ポリグリコール酸は上記固有粘度を有するポリグリ
コール酸と本明細書では定義される。
【0008】市販のグリコリドは重合したとき縫合等級
ポリグリコール酸を与えるほど十分には純粋でない。典
型的な汚染物質は遊離酸(グリコール酸)と遊離の水
で、このグリコリドの重合で製造されるポリグリコール
酸は固有粘度が約0.8である。
【0009】
【課題を解決するための手段】驚くべきことに、従来法
の場合の約25〜50%の損失と比較して1〜10%以
下の損失しかもたらさないように精製することができ、
従って常用の蒸留法より著しく低コストで、かつ従来技
術に開示される他の複雑な方法より簡単であることがこ
こに見い出された。これらの利点は注意深くコントロー
ルされた条件下でアルミナで処理することによって得ら
れる。
【0010】本発明によれば、精製すべきグリコリドを
適当な有機溶剤に溶解し、得られた溶液にアルミナを加
えてアルミナが溶解グリコリドとよく接触しているスラ
リーを形成し、そのスラリーをコントロールされた条件
の下で1〜60分間かき混ぜ、次いでろ過してアルミナ
を除去し、そして所望によってろ液を蒸発させて溶剤を
除去し、精製グリコリドを回収することから成るグリコ
リドの精製法が提供される。
【0011】従来法においてグリコリドについて適正な
精製度の達成がなされていないか、又は困難であること
の理由の1つはグリコリド、特に重合用のグリコリドの
反応性が前記酸及び水の不純物の存在に対して非常に敏
感であることで、もし前記のアルミナ処理が、特に接触
時間に関して注意深くコントロールされた条件下で行わ
れないならば、目的の精製度は達成されない。
【0012】例えば、グリコリドをアルミナ含有カラム
を単に通過させることでは目的の精製度は達成されない
し、またアルミナとの接触時間が規定の時間限度以上に
長時間である場合も目的の精製度は達成されない。この
ような場合、グリコリドは分解し、その重合で得られる
ポリグリコール酸は縫合用材には不適当である。
【0013】本発明による方法を実施する際に、グリコ
リド対アルミナの比を重量基準で1:0.01〜1:1
0とし、またコントロールされた条件を、アルミナの使
用量を接触時間、例えばかき混ぜ時間と相関させるその
ような条件とするのが好ましい。
【0014】好ましい溶剤は塩化メチレン又はテトラヒ
ドロフランで、この方法は乾燥状態の不活性雰囲気、例
えば窒素雰囲気の下で行うのが好ましい。
【0015】本発明の特に好ましい態様は精製すべきグ
リコリド約1重量部を塩化メチレンに例えば約5%w/
v濃度で溶解し、得られたグリコリド溶液に粒状アルミ
ナ約0.1重量部を加え、得られたスラリーを約30分
間かき混ぜ、それをろ過してアルミナを除去し、ろ液の
塩化メチレンを蒸発させ、そしてこのようにして得られ
た湿潤、精製グリコリドを真空下、45〜50℃の温度
で乾燥することから成る。
【0016】本発明の方法によって精製されたグリコリ
ドは縫合等級ポリグリコール酸の製造に特に適してお
り、従って本発明は付加的に本明細書に記載される方法
で製造された精製されたグリコリドを重合することから
成る縫合等級のポリグリコール酸の製造法を提供するも
のである。
【0017】グリコリドの重合はこの技術分野で常用の
操作で、例えばドデシルアルコール及びSnCl2・2
2O触媒と共に加熱することによって行うことができ
る。ただし、重合工程には、またそれ自体は進歩性があ
るものとして特許請求されるものではないことを理解す
べきである。しかし、この重合体の製造法は全体として
出発物質として本発明の新規な製造法によって精製され
たグリコリドを使用する点で新規である。
【0018】本発明を好ましい態様を参照して更に詳し
く説明する。この好ましい態様は次の操作工程順序を含
む。ここで、例として与えられるパラメーターは本発明
の精神と範囲から逸脱しない限り変えることができるこ
とは分かるだろう。
【0019】精製すべきグリコリド、例えばベ−リンガ
ーインゲルハイム(Boehringer-Ingelheim)から得られ
る市販のグリコリドを500gのバッチとして塩化メチ
レンに溶解する(例えば、フィッシャーサイエンティフ
ィック[Fisher Scientific]A.C.S.グレードの約5
%w/v溶液)。得られたグリコリド溶液を次にアルミ
ナ(ウォルムファーマ社[Woelm Pharma]から市販され
る中性アルミナ、活性I、約300℃/10-5トルで約
3時間再乾燥)によりスラリー化する。例えば、アルミ
ナを0.10:1.0のアルミナ/グリコリド比で用いる
場合、このスラリー化工程の時間は約30分である。溶
液を次にろ過してアルミナを除去し、続いて溶剤の塩化
メチレンを蒸発させる。所望によっては、得られた湿潤
グリコリドを真空下約50℃において乾燥する。
【0020】上記の一般的な操作の実施の際には、使用
装置のあらゆる部分、すなわちガラス容器、移送ライン
及びフィルターは清浄な乾燥状態に維持されているのが
好ましい。特に、この方法を乾燥状態の不活性雰囲気、
好ましくは窒素下で行うのが好ましい。
【0021】本発明の好ましい態様を実施するのに適し
た装置を添付図面に概略図示する。
【0022】図面を参照して説明すると、装置は2個の
12リットルフラスコ1、2及び3個の5リットルフラ
スコ3、4、5から成る。
【0023】フラスコ1は12リットルの樹脂反応がま
であって、加熱マントル2′の上に載置され、温度計1
0、モーター12で作動される撹拌器11、直径2.5
インチの改良型ガラスろ過器であるフィルター13及び
遠位末端に乾燥剤を有する管状コンデンサー14を備え
ている。
【0024】窒素ガスはフラスコ1にライン15からバ
ルブ16を開くことによって導入する。窒素の流れはバ
ブラー17により監視し、圧力の開放はバルーン18及
びバルブ19で行う。
【0025】液体はフラスコ1からフラスコ2にポリテ
トラフルオロエチレン管20を通り、バルブ21を経て
送られる。
【0026】窒素ガスをフラスコ2及びフラスコ3にラ
イン22を通りバルブ23及び43を経て導入する。三
方弁24でライン22を以下に記載の真空ラインを有す
るフラスコ2に接続する。バルブ23は従って窒素導入
ラインと真空ラインの双方をコントロールすることにな
る。ライン22中の流れはバブラー25で監視し、圧力
開放はバルブ26で行う。
【0027】液体の流れは装置に真空マニホルド27か
ら真空をかけることによって達成される。真空ラインは
三方弁24を備え、その圧力は圧力/真空ゲージ28で
監視する。
【0028】液体はフラスコ2から中多孔度のガス分散
管フィルター29及びポリテトラフルオロエチレン管の
移送ライン30を通って移送される。移送ライン30を
通過する液体はバルブ31を通ってフラスコ3に送ら
れ、その供給速度はバルブ31でコントロールされる。
フラスコ3は加熱された水浴32の中に保持される。
【0029】フラスコ3から出る凝縮液は回転蒸発器3
3を経由してフラスコ4に入る。フラスコ4はドライア
イス浴41に保持されている。
【0030】フラスコ4はドライアイスコンデンサー4
2及び乾燥剤を含有する乾燥管44を備えている。
【0031】真空は乾燥管44に栓をして真空マニホル
ド48からドライアイストラップ47、バルブ46及び
ライン45を通してドライアイスコンデンサーに適用さ
れる。
【0032】溶剤はフラスコ4にライン49を経て満た
されたときフラスコ4からマニホルド51及びバルブ5
0を経て真空を適用することによって除かれる。
【0033】次の実施例は上記の装置を使用する運転操
作を含む本発明の好ましい態様を例証するものである。
【0034】
【実施例】
【0035】
【実施例1】装置全体を通じて全ガラス容器、移送ライ
ン、フィルター及び他の装置部品を注意深く清浄にし、
乾燥し、そして装置をプロセスを実施する前及び実施中
に乾燥窒素雰囲気下に保持した。
【0036】10リットルの塩化メチレンをフラスコ1
に、フラスコ2を吸引して低真空にし、移送ライン20
のバルブ21を開けて溶剤がその容器からフラスコ1に
引き込まれるように十分な真空をフラスコ1に適用する
ことによって装てんした。溶剤をそのびんからフラスコ
1にポリテトラフルオロエチレン管を通して移送し、溶
剤びんの中の溶剤を窒素で置換した。
【0037】精製すべきグリコリド500gをフラスコ
1にパウダーファンネル(powder funnel)を通して速
やかに装てんし、その間フラスコは窒素雰囲気下に保持
した。
【0038】グリコリドの塩化メチレン中懸濁液をかき
混ぜ、そのフラスコを加熱マントルにより加熱した。溶
液が沸騰(40℃)し始めたら加熱を止め、溶液を外囲
温度、すなわち約20℃まで冷却した(必要ならば1
夜)。少量の未溶解の粉末状固体が存在するのが認めら
れた。
【0039】グリコリド溶液にフラスコを窒素下に保ち
つつパウダーファンネルを通して50.0gのアルミナ
を加えた。溶液を30分間かき混ぜ、アルミナを溶液全
体に確実に分散させた。
【0040】溶液の撹拌を止め、そのアルミナを5〜1
0分間沈降させた。
【0041】ろ過装置13のガラスろ過器をフラスコ1
中のグリコリド溶液に沈めた。フラスコ2を吸引して1
0〜15″Hgの真空をかけ、次いでポリテトラフルオ
ロエチレン管の移送ライン20中のバルブ21を開け
た。これによってグリコリド溶液はろ過され、そしてフ
ラスコ2に移送され、一方アルミナ及び不溶物はフラス
コ1に残された。グリコリドの移送が完了したとき、系
を再び窒素雰囲気の下に戻した。この操作(ろ過)に4
5分〜1時間要した。ロートベーパーコンデンサー、凝
縮物受入フラスコ4の冷却槽及びトラップ類にドライア
イスを装てんした。フィルター29を持つ管状液体移送
ライン30をフィルター2に沈めた。5リットルのフラ
スコ3を45〜50℃に加熱した水浴32中で70〜9
0rpmで回転させた。
【0042】回転蒸発器を吸引して10〜15″Hgの
真空をかけると、グリコリド溶液はバルブ31を経て5
リットルのフラスコ3に移送され、同時に溶液がフラス
コ3に入るにつれてフラスコから溶剤が蒸発した。蒸発
した塩化メチレンはドライアイスコンデンサーで凝縮さ
れ、その凝縮物は受入フラスコ4に集められた。グリコ
リドは溶剤の除去中にフラスコ3中でスラリーとして結
晶化した。
【0043】凝縮物受入フラスコ4がいっ杯になったと
き、回転蒸発器系にかけた真空を乾燥窒素により解除し
た。外部フラスコ5を吸引して真空をかけ、溶剤廃液を
ポリテトラフルオロエチレン管を通してその外部フラス
コに移送させることによってフラスコ4から排液した。
凝縮物の受器であるフラスコ4が空になったとき、真空
を再びかけ、溶液を回転蒸発器系に供給した。
【0044】塩化メチレンの蒸発が終わったとき(これ
はコンデンサーからの凝縮速度が遅くなることで示され
る)、回転蒸発器にかけた真空を窒素により解除した。
生成物のグリコリドが入っている5リットルのフラスコ
3を取り外し、その口にすばやくふたをし、ガラスから
水をふき取った。フラスコ中のグリコリド結晶は未蒸発
の塩化メチレンで湿潤されていた。そのフラスコを真空
炉に入れた。
【0045】フラスコ3のグリコリドを45〜50℃及
び30″Hgの真空で一夜乾燥した。
【0046】フラスコからグリコリドを取り出し、乾燥
剤が入っているヒートシールされたバッグ内に入れた他
のヒートシールした積層バッグに乾燥窒素雰囲気中で詰
め、包装した。このバッグを重合に必要になるまで冷凍
庫中に貯蔵した。
【0047】これらの包装物を絶乾雰囲気中で、例えば
密閉デシケーター又はグローブボックス中で解凍した。
グリコリド生成物に湿気が凝縮しないように包装物が外
囲温度に達してから包装物を開けた。
【0048】実施例1に記載の操作を500gのグリコ
リド仕込み量で4回行い、精製したグリコリドを重合し
てPGAにした。収率は出発グリコリドの96〜97.
6%であった。結果を次の実施例2〜5に示す。
【0049】
【実施例2〜5】グリコリドの4バッチを実施例1に記
載の操作により精製し、96.0〜97.6%の範囲の収
率を得た(表を参照されたい)。精製グリコリドを乾燥
剤が入っている複数層のヒートシールされた積層バッグ
に入れて包装し、これらの包装物を輸送のためにドライ
アイスで包んだ。
【0050】重合プラントに輸送後、精製ポリグリコリ
ドを常用の重合法を用いて重合して縫合等級PGAを形
成した。
【0051】精製グリコリドとその重合で得られた改良
された(縫合等級)PGAについての結果を次の表1に
示す。
【0052】
【表1】 本発明の方法により精製したグリコリドの平均収率は9
6.8%であり、またその重合で得られたPGAの平均
固有粘度は1.46であり、これは従って市販グリコリ
ドから得られる重合体について固有粘度0.8より顕著
に改良されたことを示し、有用で価値の高い縫合等級重
合体が得られた。
【0053】
【実施例6】各種純度の複数のグリコリドを実施例1に
記載の操作で精製した。これらの実験は実施例1より小
スケールで行った。グリコリドの純度が低くなると10
部のグリコリドに対して1部より多いアルミナが必要に
なった。2〜0.01のアルミナ対グリコリド比につい
て、また1分〜1時間の接触時間について評価した。
1.1〜1.6の固有粘度を有するポリ(グリコール酸)
(PGA)を与えるグリコリド生成物が処理条件の関数
として得られた。普通、現在の市販グリコリドは常に固
有粘度0.8のPGAを与えるが、このグリコリドを上
記操作で1回通すことによって縫合等級のモノマー(P
GAの固有粘度1.1〜1.6)に精製することができ
る。
【0054】結果を表2に示す。バッチNO.2,9,1
8,20,24,26及び28は未処理試料で比較のた
めに含めた。
【0055】
【表2】 表2の脚注 (a)アルミナ源:ウォルムファーマ社、中性、活性I:
− バッチ1〜9について:約300℃、真空度10-5トル
で約3時間乾燥 バッチ10〜28について:約120℃、常圧で2日間
乾燥 (b)バッチ1〜7、10及び13〜16について、水素
化カルシウムから蒸留した塩化メチレン バッチ11について、アルミナカラム(100g)を通過さ
せた塩化メチレン バッチ12、19、21〜23、25及び27につい
て、塩化メチレンは入手したまま使用(試薬級のフィッ
シャー) (c)グリコリド源: A:ベーリンガーインゲルハイム社、試料No.A B:ファイザー社(Pfizer Inc.) C:ベーリンガーインゲルハイム社、試料No.B D:ベーリンガーインゲルハイム社、試料No.C E:デュポン社(Dupont)、試料No.E D:ベーリンガーインゲルハイム社、試料No.D (d)類似の結果を与える試料の一部使用後にグリコリド
を評価
【0056】
【実施例7】この実施例はグリコリドを重合してPGA
を形成する操作を例証するものである。
【0057】5.00gのグリコリドを乾燥した(12
5℃で1時間以上)肉厚ガラス管(内径1.5cm、長さ
25cm、一端をシール)に乾燥雰囲気(乾燥剤:無水の
硫酸カルシウム)下で入れた。
【0058】0.0100gのSnCl2・2H2O及び
0.550gのドデシルアルコールを100ccのエチル
エーテルに溶解して成る触媒溶液1.00ccを管中のグ
リコリドに加えた。触媒溶液を全てグリコリドに導入す
るには注意が必要で、管壁を触媒が落ちないように加え
た。これでグリコリドには20ppmのSnCl2・2H2
Oと1100ppmのドデシルアルコールが与えられた。
管をシールし、真空ラインに移動させ、そこで約0.1
トルまで排気してエチルエーテルを蒸発させた。管を次
に前以て精製した窒素で4回フラッシュし、排気し、真
空下で酸素炎によりシールした。シールした管を220
℃の油浴に2時間入れておいた。2時間後、管を引き出
し、外側の油をぬぐい取り、そして依然として非常に熱
い間に管を液体窒素が入っているビーカーに入れた。約
5分後、ガラスの大部分は砕け、固体重量が回収され
た。重合体を約40℃で真空乾燥した後デシケーターに
貯蔵した。
【0059】重合体の固有粘度をコリンズ(Collin
s)、ボーンズ(Bones)、及びビリンジャー(Billinge
r)著、エクスペリメンツ イン ポリマー サイエン
ス(Experiments in polymer science)[ワイリーイン
ターサイエンス(Wiley-Interscience)、ニューヨーク
(New York)]に引用されているごとき常用の希薄溶液
粘度測定法に従ってヘキサフルオロイソプロパノール溶
液で0.1dl/gの濃度及び30℃において測定した。
【0060】
【比較例】本比較例では、重合によって製造されたPG
Aの固有粘度で示される通り、グリコリドの品質はグリ
コリドを余りにも長くアルミナと接触させておくと低下
してしまうことを示すために比較テストを行った。
【0061】比較テストの結果を次の表3に示す。
【0062】
【表3】 表3の結果は、接触時間1分の第1のテストを除き、P
GAの固有粘度はグリコリドとアルミナとの接触時間が
長くなるにつれて低下することを示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のグリコリドの精製法の好ましい
態様を実施するための装置を示す。
【符号の説明】
1、2、3、4、5, フラスコ 2′,加熱マントル 10, 温度計 11, 撹拌部 13、29, フィルター 14、42, コンデンサー 17、25, バブラー 18, バルーン 27、48、51, マニホルド 28, 加圧/真空ゲージ 32, 水浴 33, 蒸発器 41, ドライアイス浴 44, 乾燥管 47, ドライアイストラップ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精製すべきグリコリドを適当な有機溶剤
    に溶解し、得られた溶液にアルミナを加えてアルミナが
    溶解グリコリドとよく接触しているスラリーを形成し、
    そのスラリーをコントロールされた条件の下で1〜60
    分間かき混ぜ、次いでろ過してアルミナを除去し、そし
    て所望によってろ液を蒸発させて溶剤を除去し、精製グ
    リコリドを回収することによって製造した精製グリコリ
    ドを重合することを特徴とする縫合等級のポリグリコー
    ル酸の製造法。
  2. 【請求項2】 グリコリド対アルミナの比が重量基準で
    1:0.01〜1:10であり、コントロールされた条
    件がアルミナの使用量を接触時間と相関させるような条
    件である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 有機溶剤が塩化メチレンである請求項1
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 有機溶剤がテトラヒドロフランである請
    求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 グリコリドの各精製工程を乾燥状態の不
    活性雰囲気下で行う請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 不活性雰囲気が窒素である請求項5記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 精製グリコリドが、精製すべきグリコリ
    ド約1重量部を塩化メチレンに溶解し、得られたグリコ
    リドの溶液に粒状アルミナ約0.1重量部を加え、得ら
    れたスラリーを約30分間かき混ぜ、それをろ過してア
    ルミナを除去し、ろ液の塩化メチレンを蒸発させ、そし
    て真空下、45〜50℃の温度で乾燥されたものであ
    る、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 グリコリドの全精製プロセスを乾燥状態
    の不活性雰囲気の下で行う請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 不活性雰囲気が窒素である請求項8記載
    の方法。
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