JPH1053923A - アルミナ繊維の製造方法 - Google Patents

アルミナ繊維の製造方法

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JPH1053923A
JPH1053923A JP20450696A JP20450696A JPH1053923A JP H1053923 A JPH1053923 A JP H1053923A JP 20450696 A JP20450696 A JP 20450696A JP 20450696 A JP20450696 A JP 20450696A JP H1053923 A JPH1053923 A JP H1053923A
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JP
Japan
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spinning
basic aluminum
solution
acid
organic
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JP20450696A
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English (en)
Inventor
Noriko Kamihashi
範子 神橋
Toshio Suzuki
俊男 鈴木
Kazuo Hirota
一雄 広田
Chikafumi Tanaka
爾文 田中
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曳糸性に優れ、かつ濃縮の際に容器の壁面で
フィルム状に固化してしまうことのない程安定な紡糸原
液を用いてアルミナ繊維を容易に得ることのできるアル
ミナ繊維の製造方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウム化合物と有機多価酸とを含
む紡糸原液を紡糸した後、焼成することを特徴とするア
ルミナ繊維の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒担体等に利用
できるアルミナ繊維の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アルミナ繊維は種々の原料を用い
て様々な方法で製造され、上市されている。その製造方
法としては、例えば、特公平7−37683号公報には
ポリ塩化アルミニウムと、ポリビニルアルコール、ホウ
酸又はホウ酸塩とを混合して紡糸原液を得、得られた紡
糸原液を紡糸して繊維状物を得た後、1000〜120
0℃で焼成してアルミナ繊維を得る方法(無機塩法)が
開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、前記の無機塩
法では、原料にポリ塩化アルミニウムを用いるために紡
糸原液の曳糸性が不十分となり、連続的に紡糸するに
は、水溶性高分子等を5〜10重量%添加して曳糸性を
発現させることが必要である。しかし、実際にこのよう
な紡糸原液を調製すると、濃縮の際に容器の壁面でフィ
ルム状に固化してしまうことのない程安定な紡糸原液を
得ることが困難であった。また、このようにして得られ
た紡糸原液の曳糸性は十分ではなかった。本発明は、曳
糸性に優れ、かつ濃縮の際に容器の壁面でフィルム状に
固化してしまうことのない程安定な紡糸原液を用いてア
ルミナ繊維を容易に得ることのできるアルミナ繊維の製
造方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するために鋭意検討の結果、塩基性アルミ
ニウム塩と有機多価酸とから構成された紡糸原液が、曳
糸性に優れ、かつ濃縮の際に容器の壁面でフィルム状に
固化してしまうことのない程安定であるという事実を見
出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、アルミ
ニウム化合物と有機多価酸とを含む紡糸原液を紡糸した
後、焼成することを特徴とするアルミナ繊維の製造方法
を要旨とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる塩基性アルミニウム塩としては、式
〔Al2 (OH)n Cl6-n m (3≦n≦5、m≦1
0)で示される塩基性塩化アルミニウム及び式〔Al2
(OH)n (Lac)6-n m (3≦n≦5、m≦1
0)で示される塩基性乳酸アルミニウム等が挙げられ
る。
【0006】また、本発明に用いられる有機多価酸と
は、2つ以上のカルボキル基を有する有機化合物をい
い、特に紡糸原液への溶解性の問題から、一般に重合体
と呼ばれるものは好ましくない。具体的には、シュウ
酸、マロン酸、こはく酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸
等の飽和脂肪族カルボン酸、マレイン酸、フマル酸等の
不飽和脂肪族カルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸
等の芳香族カルボン酸等が挙げられ、特にカルボキシル
基を2〜3個、水酸基を1〜2個有するものが好まし
く、このような多価有機酸としては、クエン酸、リンゴ
酸、酒石酸等が挙げられる。本発明においては、これら
の有機多価酸を単独でも、2種以上併用して用いてもよ
い。なお、本発明においては、得られるアルミナ繊維の
性質を大きく変えない範囲であれば、他の成分、例え
ば、珪素、カルシウム、マグネシウム等を含んでもよ
い。
【0007】本発明においてアルミナ繊維を製造するに
は、まず、塩基性アルミニウム塩と有機多価酸とを含む
紡糸原液を調製する。このような紡糸原液は、例えば塩
基性アルミニウム塩水溶液に撹拌しながら有機多価酸を
少量ずつ添加して混合した後、濃縮することによって得
ることができる。
【0008】このときの塩基性アルミニウム塩の濃度と
しては、80重量%以下が好ましく、特に50〜70重
量%が好ましい。また、有機多価酸の量としては、水溶
液中のアルミニウム量に対して0.1重量%以上であれ
ば十分効果が認められ、特に1〜5重量%が好ましい。
【0009】塩基性アルミニウム塩水溶液に有機多価酸
を添加する際には、有機多価酸が膨潤することを考慮し
て塩基性アルミニウム塩水溶液を撹拌しながら少量ずつ
添加することが好ましい。また、混合する際の温度とし
ては、特に限定されるものではなく、例えばクエン酸で
あれば常温(約10〜40℃)で十分均一な溶液とする
ことが可能である。
【0010】また、濃縮するときの圧力としては、特に
制限されるものではなく、常圧で行えばよく、濃縮する
ときの温度としては、80℃以下であることが好まし
く、特に40〜60℃で行うのが好ましい。このときの
温度が80℃を越えると、溶液表面からのゲル化の進行
が速くなり、固形分が析出する等安定な紡糸原液が得ら
れにくくなるために好ましくない。また、濃縮温度が低
いとゲル化の進行が遅くなるため、作業性を考慮すると
好ましくない。このようにして、1〜100ポイズ程
度、好ましくは1〜20ポイズ程度の粘度になるまで紡
糸原液を濃縮すればよい。特に、本発明においては、濃
縮の際に容器の壁面でフィルム状に固化してしまうこと
のない程安定な紡糸原液が得られる。
【0011】次に、本発明においては、このようして得
られた紡糸原液を紡糸する。そのためには、上記の紡糸
原液が優れた曳糸性を示すので、公知の紡糸方法、例え
ば紡糸口金から紡糸原液を空気中に押し出す乾式紡糸法
により繊維化して前駆体繊維(焼成する前の繊維を前駆
体繊維という)を得ることができる。このときに用いる
紡糸口金としては、内径0.1〜1mm、長さ1〜10
mm、長さと内径の比(L/D)が10以下の範囲のも
のが好ましい。また、吐出線速度としては、1〜5m/
min.であればよく、引き取り速度と吐出線速度との
比(紡糸ドラフト)としては、5〜15になるように引
き取り速度を設定すればよい。
【0012】また、本発明においては、紡糸した後,加
熱乾燥し、焼成するが、その加熱方法としては、目的に
応じて任意の方法で行うことが可能である。例えば弛緩
状態あるいは緊張状態の前駆体繊維を空気中又は窒素、
アルゴン等の不活性ガス中で加熱し有機成分を炭化させ
(加熱乾燥)、さらに酸化性雰囲気(酸素が含まれる雰
囲気)下、好ましくは空気中で加熱して炭化した有機成
分を燃焼し、除去するとともにアルミニウム化合物を酸
化アルミニウムに変換させる(焼成)。この酸化アルミ
ニウムはさらに真空中又は水素雰囲気下で焼成すること
も可能である。また、加熱、焼成条件は上述の方法に制
限されるものではなく、加熱、焼成を一段階で行うこと
も可能である。乾燥温度としては、有機成分が炭化する
温度以上であれば特に限定されるものではなく、80〜
250℃であることが好ましく、特に100〜200℃
であることが好ましい。さらに焼成温度としては、50
0〜1100℃であることが好ましく、特に700〜9
00℃であることが好ましい。焼成温度が1100℃よ
り高いと、α相のアルミナが析出し、比表面積が低下す
るために好ましくなく、また、500℃より低いと有機
成分が残留炭素として存在してしまうために好ましくな
い。焼成時間としては、有機成分が十分燃焼除去され、
アルミナが形成される時間であれば、特に限定されるも
のではなく、好ましい範囲としては1〜5時間である。
【0013】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、実施例中の溶液の粘度、紡糸原液の曳糸性
(長)及び比表面積の測定は次の方法により行った。 (a)溶液の粘度 東機産業(株)製B型回転粘度計を用いて測定した。 (b)紡糸原液の曳糸性(長) 紡糸原液の液面に直径10mmのテフロン棒を浸けた
後、毎分50cmのスピードで引き上げることにより得
られる繊維の長さを測定した。 (c)比表面積 不活性ガス(窒素ガス)雰囲気中、1Torr以下で、
かつ300℃で2時間前処理し、日本ベル社製のベルソ
ープ28を用いて77K(窒素の沸点)で測定した。
【0014】実施例1〜3、比較例1 塩基性塩化アルミニウム〔Al2 (OH)5 Cl・nH
2 0 Al12重量%、多木化学社製、商品名:タキバ
イン〕30gに室温で撹拌しながらクエン酸・1水和物
0.84g(実施例1)、0.42g(実施例2)又は
2.10g(実施例3)を、それぞれ除々に添加した
後、常圧で60℃で濃縮して紡糸原液を調製した。この
とき、紡糸原液は容器の壁面でフィルム状に固化してし
まうことはなかった。また、比較のため、クエン酸を添
加しなかった以外は上記と同様にして紡糸原液を調製し
た(比較例1)。このとき、紡糸原液は容器の壁面でフ
ィルム状に固化してしまうことがあった。得られた紡糸
原液のAl分はいずれも約15重量%であり、60℃に
おける粘度が約1ポイズであった。得られた紡糸原液の
曳糸性(長)を測定し、その結果を表1に示す。
【0015】次に、この紡糸原液を内径0.45mm、
長さ3mmの紡糸口金から吐出線速度3.6m/mi
n.、引き取り速度36m/min.となるように空気
中に押し出すことにより紡糸した後、120℃で12時
間乾燥させて前駆体繊維を得た。得られた前駆体繊維を
空気中、900℃で2時間焼成させてアルミナ繊維を得
た。得られたアルミナ繊維の結晶相はすべてγ相であっ
た。
【0016】
【表1】
【0017】表1から明らかなように、塩基性アルミニ
ウム塩と有機多価酸とを含む紡糸原液(実施例1〜3)
は、優れた曳糸性を有し、この紡糸原液を用いて高品質
のアルミナ繊維を容易に製造することができた。一方、
紡糸原液に有機多価酸を加えない(比較例1)と曳糸性
が低く、また紡糸原液の安定性も悪いため、得られた繊
維は品質の低いものであった。
【0018】実施例4、5 クエン酸の代わりにリンゴ酸(実施例4)又は酒石酸
(実施例5)を用いる以外は実施例1と同様にして紡糸
原液を得た。得られた紡糸原液のAl分はリンゴ酸を用
いた場合には18重量%であり、酒石酸を用いた場合に
は16重量%であり、60℃における粘度はともに約1
ポイズであった。得られた紡糸原液の曳糸性(長)を測
定したところ、いずれも50cm程度であった。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、曳糸性に優れ、かつ濃
縮の際に容器の壁面でフィルム状に固化してしまうこと
のない程安定な紡糸原液を用いて高品質のアルミナ繊維
を容易に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 爾文 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩基性アルミニウム塩と有機多価酸とを
    含む紡糸原液を紡糸した後、焼成することを特徴とする
    アルミナ繊維の製造方法。
JP20450696A 1996-08-02 1996-08-02 アルミナ繊維の製造方法 Pending JPH1053923A (ja)

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JP20450696A JPH1053923A (ja) 1996-08-02 1996-08-02 アルミナ繊維の製造方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102618968A (zh) * 2011-12-30 2012-08-01 洛阳理工学院 一种表面覆有陶瓷膜结构的铝纤维及其制备方法
CN102717088A (zh) * 2012-07-02 2012-10-10 王金华 一种铝纤维材料的制备方法
CN103160954A (zh) * 2011-12-13 2013-06-19 洛阳新巨能高热技术有限公司 一种氧化铝质多晶纤维的制备方法

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