JPH0676466B2 - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JPH0676466B2
JPH0676466B2 JP14751585A JP14751585A JPH0676466B2 JP H0676466 B2 JPH0676466 B2 JP H0676466B2 JP 14751585 A JP14751585 A JP 14751585A JP 14751585 A JP14751585 A JP 14751585A JP H0676466 B2 JPH0676466 B2 JP H0676466B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は特にゲルコート加工の用途において特異な性能
を発揮する熱硬化性樹脂組成物に関するものである。
従来の技術 不飽和ポリエステル樹脂系材料から得られる成形物にお
いて、主に外観および傷の付きにくさまたは目立ちにく
さを高める目的で、成形物表面にしばしばゲルコートが
施される。
このゲルコートと云うのは、先ず成形用の金型或は樹脂
型(以下、成形型と記す)の型面に成形物の表皮層を形
成すべき材料(ゲルコート用材料)をスプレー或はその
他の方式で通常0.1〜1mmの厚さに塗布し、その硬化また
は半硬化後に基体となるべき材料(基体用材料)をその
上に注入或は積層し、全体を硬化・一体化させると云う
工法によって形成される上記表皮層を意味する。この工
法自体は業界において公知であり、ごく一般的なもので
ある。即ちバスタブ、洗面ユニット等の住宅機器やベン
チ、ボート、その他の屋外用品等、所謂FRP製品や注型
品において、特に目に触れる部分の表面には、多くの場
合ゲルコート処理がなされ、その表面に前記の特性をも
たせるのに役立っている。
一般的に云って、ゲルコート用材料は基体用材料に比し
使用量が数%以下と少なく、従って高価な特殊材料でも
量的に充分に使用でき、また増量用充填剤や補強剤等を
敢て使用する必要がないし、実際、滑らかで光沢のある
表面を得ると云う明白な目的の為に、原則としてその様
な充填剤や補強剤は殆んど使用されない。これらのこと
が全て表面の耐傷・耐摩耗性の向上につながり、またゲ
ルコート自体の透明性が良好に保たれる結果、たとえ傷
がついてもそれが目立ちにくくなる。
一方、ゲルコートをせずに成形物表面の耐傷・耐摩耗性
を向上させようとする試みも従来数多くなされている
が、表面硬度の値そのものは別として、こと実用上の傷
および摩耗を問題とする限り、ゲルコート処理がやはり
最良との認識が現在では一般的であり、またそれが事実
と考えられる。それにゲルコートは普通の塗装等に比
し、耐久性が全く異なる。それと云うのも基体とゲルコ
ートが共硬化による分子間結合で一体化しているからで
あって、ゲルコート塗膜の厚いことがそれを更に補強し
ているのである。
ところがこのゲルコートにおいても問題点がないわけで
はなく、中でもやはり傷に関する問題がしばしば提起さ
れる。特にテーブルやカウンターの天板、流し台をはじ
めとする水廻わり家具の天板や水槽の如く荷酷な使用条
件下での外観美の永続性を要求されるものにおいては、
傷付き易いこと、またはそれに依って光沢が消失したり
汚れたりし易いこと等が可成り由由しい問題として取り
上げられ、その改良が希求されている。
このゲルコートの耐傷性の改良策としては、例えば樹脂
の架橋を高密度化するとか或はメラミン樹脂をブレンド
する(特開昭57-3992号公報)こと等により硬度を高め
る方法、微小繊維状物質による補強若しくはカップリン
グ剤等による化学的補強等の種種の試みがなされて来た
が、不飽和ポリエステル樹脂自体が元来傷付き易く摩耗
に弱い上に、硬さの向上に伴って脆さも増加する傾向が
あり、また補強剤を用いた場合にはそれが往往にして返
って傷や摩耗を助長する要因となるなど、或は効果が微
小であったりして、大きな成功が未だ見当らないのが実
情である。
発明が解決しようとする問題点 この発明は以上の情況のもとになされたものであって、
先ず何よりも前記成形物におけるゲルコートの表面特
性、即ち傷および摩耗に関する前記の問題点を、材料面
から解決することを考える。その際材料の硬化特性およ
び硬化物即ち製品において実用上要求される種種の特性
が全て、少なくとも従来の水準に推持されることが望ま
れるに違いないが、本発明はこれらの点と更に経済性等
をも含めて、問題点を綜合的に解決しようとするもので
ある。
問題点を解決するための手段 本発明においては、ゲルコート用材料のベース樹脂とし
て特定の多官能性アクリル系単量体、不飽和ポリエステ
ルおよびモノビニル単量体からなる三元の混和系が前記
の問題点を解決する為に充てられる。この混和系におい
ては、多官能性アクリル系単量体が20〜75重量%の量で
含まれ、従来の不飽和ポリエステルとビニル系単量体か
ら専らまたは主としてなるものとは質的に大きく相異す
る。
此所で有用な多官能性アクリル系単量体とは、硬化した
ゲルコート表面における際立った耐傷・耐摩耗性および
良好な耐水性その他の諸特性を確実にするが如きもので
あるべきことは発明の趣旨からして言うに及ばないが、
更に上記単量体自体、その使用法からして低粘性を示す
必要があり、また何よりも併用される他の成分との共硬
化性に優れることにより高い生産性をもたらし得る様な
ものであること、易入手性および経済性において使用の
障害となるような問題点のないこと、等の条件を全て具
備しているものを指す。かかる規準に照して実用化し得
る化合物を同系統および異系統の単量体、多量体等の群
において探索した結果、脂肪族多価アルコール系ポリオ
ールまたは脂肪族アミン系ポリオールとアクリル酸,メ
タクリル酸またはこの両者からなる混合酸とのエステル
に相当するも多官能性アクリル系単量体の群中にそれを
見出し得た。但しこの明細書で脂肪族多価アルコール系
ポリオールとは、鎖式並びに環式脂肪族多価アルコール
自体、この種のアルコールの2〜4量体(縮合体)およ
びこれらの多価アルコール並びに多価アルコール多量体
のC24アルキレンオキシド付加物を意味し、また、脂
肪族アミン系ポリオールとは鎖式並び環式脂肪族モノア
ミンおよびポリアミン(アミノアルコールも含む)のC2
4アルキレンオキシド付加物を意味する。
本発明の実施において用いる多官能性アクリル系単量体
は上記の単量体群より選ばれた1種または2種以上から
なるものであるが、それは更に次の要件を満足するもの
でなければならない。即ち、2.5〜6.0のアクリル官能
性、90〜150のアクリル当量および200〜800の分子量を
何れも平均値として有すること。但し此所にアクリル官
能性とは、アクリロイル基とメタクリロイル基に関する
官能性(分子あたりの基数)であり、アクリル当量とは
この官能性で分子量を除した商であり、そして平均値は
数平均値である。
この定義によれば、アクリル官能性、アクリル当量およ
び分子量の夫夫の平均値,およびは、夫夫下記の
式によって与えられる。
=Σ(Wifi/Mi)/Σ(Wi/Mi) =Σ(Wi/fi)/Σ(Wi/Mi) =1/Σ(Wi/Mi) 但し、Wは重量分率、fはアクリル官能性、Mは分子量
を表わし、添字iは“第i番目の成分に関する”ことを
示す。
此所で上記三つの特性値(以下,およびで表わ
す)に関する前記の制約について説明すると、が2.5
未満の場合にはゲルコートの表面硬度等への寄与が殆ん
ど認められず、6.0を越えると粘度特性等の点および単
量体自身の製造において問題を生じる。次にも重要な
パラメタであって、それが90未満の場合には共硬化特
性、硬化物の強度特性、単量体自身の製造時点での問題
等からして好ましくなく、150を越えると硬化物の表面
強度(耐傷性等)の改良効果が少なくやはり好ましくな
い。に関しては、それが200未満では主として揮発
生、皮ふ刺戟性、硬化物特性等において、そして800を
越えると他成分との相溶性、粘度、経済性等において、
夫々何らかの問題を生じることから、前記の制約が課せ
られる。
以上に説明した多官能性アクリル系単量体と、モノビニ
ル単量体、および不飽和ポリエステルの三成分からなる
本発明の基本組成物に対して通常、後述の揺変剤、硬化
剤等の夫々必要少量を添加してゲルコート用材料が調製
されるが、その基本組成物を構成する上記三成分が下記
の相対量で存在する場合に本発明の究極目標が達成され
る。即ち重量に基き、多官能性アクリル系単量体20〜75
%,不飽和ポリエステル10〜50%,モノビニル単量体10
〜50%。多官能性アクリル系単量体が20%未満では本発
明の最大の目的であるゲルコート表面の耐傷性の改善が
不充分にしか果せず、75%を越えるとゲルコートにおけ
る平滑さ、艶等が劣り、美麗さの保持が困難になる。
このように量的にも一番重要な多官能性アクリル系単量
体として如何なる種類のものを選ぶか、その種類或はそ
の組合せこれなりと、決めた時点で本発明の効果も定ま
ると云って過言でない。
以上に述べた方策乃至思想に基いて本発明を実施するこ
とによって、所期の目的に到達することができる。しか
し乍ら、其所に一つの困難さが存在する。その困難さと
言うのは、空気中の酸素の影響と思われるゲルコート塗
膜の硬化障害に帰因する諸現象であって、その主たるも
のはこの塗膜における硬化の遅延現象と製品になった時
点でのゲルコート不良、つまり凹凸、艶の消失、諸物性
の低下等である。そしてこの現象は、不幸にして従来の
不飽和ポリエステル樹脂を基礎とする材料よりも本発明
に基く材料において特に顕著である。従ってこの空気に
触れている塗膜の硬化性、所謂「空気硬化性」を改良す
ることが重要な問題になる。
従来より空気硬化性の改良策として種々提案されている
中で実用化されているのは硬化剤系の改良、ワックス類
の少量添加等の方法であるが、このような方法を本発明
の場合に適用してもあまり大きな効果が得られないし、
往往ゲルコート層に大小のクラックを生じると云う別な
問題も発生する。また、トランスファー成形,射出成形
等における如く閉じた成形型を用いる場合にはキャビテ
ィ内の排気または不活性ガスによる置換が或る程度の効
果を奏するが、その効果は不安定で再現性に乏しく、か
つやはりクラックが生じやすく、問題点に対する完全な
解決策とはなり得ない。
そこで種々検討した結果、遂に一つの有効な手段を見出
すに到った。即ち不飽和ポリエステル成分として、その
うちの少なくとも一部分がその分子の主鎖に含まれる芳
香環に結合した臭素を含有し、そしてその臭素の量が多
官能性アクリル系単量体、不飽和ポリエステルおよびモ
ノビニル単量体の総量に基き0.5〜6重量%、特に好ま
しくは1〜4重量%となるように組成および量の選択を
行なったものを使用することによって、硬化特性、製品
品質共に満足すべき結果の得られることがわかった。
尚、上記の有価臭素は当該技術分野で識られる如く、例
えば下記の状態で含まれ得る。
これらは臭素ラジカルの芳香環への置換型結合の例であ
るが、付加型結合様式の場合もあり得る。
比較的少量の臭素の存在によってかかる劇的効果が発生
するのは、後の実施例に示す如く、従来の不飽和ポリエ
ステル樹脂系の場合等においては認められず、全く予期
し得なかったことである。この現象の根拠についてはま
だ手掛りを得ていないが、一種の内部触媒効果によるの
ではないかと推定される。
作用 特定の多官能性アクリル系単量体、不飽和ポリエステル
およびモノビニル単量体を適当な比率で含む樹脂−単量
体組成物によって、ゲルコートの表面特性、特に耐傷
性、耐摩耗性が大巾に改良される。然しその実施におい
て、上記組成物の空気硬化性の悪いことに依る防害作用
が回避し難く発生する。本発明はこの問題点を、分子鎖
中の芳香環に結合した形の臭素を一定の相対的基準量で
含有する不飽和ポリエステルを使用することにより克服
し、ゲルコート表皮付き成形物の生産性、歩留および製
品品質の大巾向上に途を拓いたものである。
実施例 本発明の実施にあたり、好適な多官能性アクリル系単量
体は以下に例示する単量体の群中より、前記の基準に適
うように選出される; ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレング
リコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジア
クリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ート、プロピレンオキシド変性グリセリントリアクリレ
ート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパン
トリアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、プロピレンオキシド変性
ジグリセリンペンタアクリレート、プロピレンオキシド
変性ジグリセリンヘキサアクリレート、プロピレンオキ
シド変性ソルビトールヘキサアクリレート、プロピレン
オキシド変性エチレンジアミンテトラアクリレート、エ
チレンオキシド変性ジエチレントリアミンペンタアクリ
レートおよび以上のアクリレート類に対応するメタクリ
レート類並びに同一分子内にアクリロイル基とメタクリ
ロイル基の両方の基を有するアクリレートメタクリレー
ト類など。
これらのうちの幾つかのものは、明らかに単独では本発
明の選定基準には適合せず、他のものとの併用を要す
る。
上記の例中、実用的にはアクリル官能性が3またはそれ
より大のものが重要であって、特に3官能性のトリメチ
ロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリアアクリレート等が含まれる場合に好ましい結果
が得られる。
尚、上記のプロピレンオキシド変性およびエチレンオキ
シド変性と云うのは、前記のアルキレンオキシド付加物
に相当する分子構造の表現であり、一般に所謂1モル変
性品が好ましく、例えば上記プロピレンオキシド変性ト
リメチロールプロパントリアクリレートに対しては次式
が充てられる。
C2H5‐C(CH2‐OC3H6‐OCO-−CH=CH23 次に本発明で対象とする不飽和ポリエステルについて説
明すると、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸また
はその無水物および場合により、と云うよりもむしろ通
常使用される飽和ジカルボン酸またはその無水物から主
としてなる多塩基酸成分とグリコールを主成分とする、
または専らグリコールよりなる多価アルコール成分との
ポリエステル化反応により得られる普通のポリエステル
がまず挙げられる。このポリエステルをビニル系単量体
(本発明においても使用する)に溶解したものが衆知の
不飽和ポリエステル樹脂であるが、本発明の実施におい
てこの溶液形態のものを使用し得ることは勿論であり、
また一般的に云ってその方が便利である。衆知事項に属
する故詳細は割愛するが、所謂オルソフタル酸系、イソ
フタル酸系、テレフタル酸系、ビスフェノール系等の芳
香族系統の不飽和ポリエステルを使用するのが、本発明
の場合にも有利である。最終製品の耐薬品性を重視する
場合には、ビスフェノール系不飽和ポリエステルが適し
ている。
本発明の実施においては既述の如く、臭素を含有する不
飽和ポリエステルを使用するが、その際、臭素不含の不
飽和ポリエステルと臭素含有率の高い不飽和ポリエステ
ルとのブレンドの形式によってもよいし、臭素含有率の
より低い不飽和ポリエステルを1種類のみ使用すると云
う方法によってもよく、両者間に効果に関する大きな差
異はないと考えられる。また実用性から言えば、ポリエ
ステル主鎖中のジカルボン酸単位に臭素を有するもの、
即ち前掲の2式中第一番目の式に示す如き結合様式のも
のが効果および経済性の両面で勝っている。そしてその
場合には1〜4重量%(前記必須3成分を基準にして)
の臭素含有率で通常充分に目的が達成され得る。
残る第三の必須成分、モノビニル単量体としてはスチレ
ン、クロルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系単
量体により代表される芳香族モノビニル単量体、メチル
メタクリレート、エチルアクリレート、アクリルアミド
等のアクリル系単量体、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリルのようなニトリル系単量体、ビニルピリジン、
ビニルピロリドンの好き異節環式モノビニル単量体、酢
酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル系単量体およ
びビニルイソブチルエーテル、ビニルイソアミルエーテ
ル等のビニルエーテル系単量体等が代表的なものであっ
て、これらのうちから適宜1種類または2種類以上を選
んで用いることができる。それらのうち反応性、硬化物
の強度特性や耐薬品性に及ぼす影響、等の点で芳香族モ
ノビニル単量体が好ましく、就中通常の用途において、
そして経済的にも、スチレンが特に好ましい。
以上に述べた本発明にとって必須の3成分中、多官能性
アクリル系単量体の役割に就いては詳しく説明した。残
る2成分中、不飽和ポリエステルの役割はと言えば、硬
化特性の改善、最終製品に対する靱性および耐熱性の付
与等であり、モノビニル単量体のそれは、その流動特性
によるゲルコート用材料の塗布作業性の改善、硬化速度
の調節、最終製品に対する外観および耐水・耐薬品性の
改善等であって、どちらの成分の不足も本発明の実施に
おいて致命的障害をもたらす。
以下、更に具体的な例示を以て説明するが、各成分の量
に係わる部および%は重量基準である。
(i)ゲルコート用材料の調製 下記第1表に記載の多官能性アクリル系単量体50部、第
2表に記載の不飽和ポリエステル樹脂45部およびスチレ
ン5部からなるベース樹脂(本発明の基本的態様)100
部、過酸化ベンゾイル(硬化剤)1部、ナフテン酸コバ
ルト(コバルト6%、硬化促進剤)0.35部、ステアリン
酸亜鉛(離型剤)3部及び微粒子状無水シリカ(揺変
剤)3.3〜4.5部からなるゲルコート用材料を調製した。
これらは全て真空脱泡後1日を経過した時点で約65ポイ
ズの粘度を温度25℃において示すように、揺変剤の量を
上記の範囲内で調節したものである。
(ii)基体用材料の調製 高反応タイプの加熱成形用イソフタル酸系不飽和ポリエ
ステル樹脂60%、ポリスチレンの30%スチレン溶液(低
収縮剤)30%および追加のスチレン10%を含む樹脂溶液
100部に対し、水酸化アルミニウム200部と硬化剤並びに
離型剤の所要量を配合することにより、粘度55ポイズ
(25℃)の基体用材料を調製した。
(iii)ゲルコート用材料の評価 キャビティ内寸350×250×8.5(単位mm)のクロムメッ
キした金型(温度100℃)のキャビティ内面に前記ゲル
コート用材料をスプレー塗布して直ちに型を閉じ、所定
の時間(各表に「オープンタイム」として示す)が経過
した後前記の基体用材料を金型に射出充填し、全体を硬
化一体化させることによりゲルコート表皮付き成形物を
取得した。その際基体用材料のストック温度40℃、射出
圧8kg/cm2、キュアー時間15分とし、射出時間は12秒で
あった。
ゲルコートの特性を評価する為に、バーコル934−1硬
さ(JIS K6911−1979)、スチールウール材〔日本スチ
ールウール社のソープパッドNo.1-014(商品名)〕によ
る磨き試験(3kg×100往復)、耐水性(100℃×48時
間)、耐アルカリ性(5%荷性ソーダ水溶液40℃×48時
間の各試験および目視による)判定を行なった。
結果を第3〜5表に示すが、先ず表中の目視判定に係わ
る結果の表示記号を説明すると、表面状態(平滑さと光
沢)のAは良好、Cは不良、Bはその中間の状態を示
す。ソープパッド磨き試験のAは傷が殆んど目立たない
ことを示し、以下B,Cの順に傷の発生状態が著しくなる
ことを示す。一般的に云って、C評価のものはすりガラ
ス状を呈する。クラックについてはミクロ(或はヘヤ
ー)クラックをも含め、Aはその発生がないことを、そ
してCは著しいことを表わし、耐アルカリ性において
は、Aは表面状態が殆んど変化しないことを、またCは
著しい艶むら乃至表面の粗化を夫々表わし、そして何れ
の場合にもBはAとCの中間的状態を表わす。また、耐
水性、耐アルカリ性における硬さ低下は前記バーコル硬
さの低下値を意味する。
表のデータより、実施例として示した本発明に基く材料
が比較例として示した本発明の範囲外の組成物からなる
材料に比して優れた性能を示し、既述の目的に適ったも
のであることがわかる。特に述べた如く不飽和ポリエス
テルとして臭素を含有するものを使用することによっ
て、材料の硬化特性と製品品質の両方が飛躍的に向上す
ることがわかる(オープンタイムが半分以下に短縮され
る)。
本発明組成物は説明した必須成分以外に例示した硬化
剤、離型剤、揺変剤等は勿論のこと、当該技術分野にお
ける他の慣用の配合剤、例えば耐候剤、補強剤、シラン
カップリング剤、難燃剤、低収縮剤、充填剤、本発明の
範囲外の反応性オリゴマーや単量体等を夫々必要に応
じ、但し本発明の目的を損わない範囲において、含有す
ることが出来る。また例えば不飽和ポリエステルの組合
せの仕様によって組成物の高性能化を図るとか、その他
これに類する種類の改変、修正等をこの発明の範囲内に
おいて行ない得ることは言う迄もない。
本発明組成物はその用途をゲルコート加工にのみ限定さ
れるものではない。例えばプレート、フィルム、シート
およびより複雑な形状の成形物の駆体等を形成する為の
材料として、或は別の目的の為に、その特性を広く利用
することが出来る。
発明の効果 硬化性樹脂材料からの成形物におけるゲルコート皮膜の
耐傷性並びに耐摩耗性の改善は従来より強く望まれてい
た課題であるが、本発明によってそれが材料面から達成
され得るようになった。しかもその上、この種の被覆組
成物に起こりがちな空気中の配素分子による硬化障害と
それによる製品品質への悪影響を克服し得たことによっ
て、これまでにない優れた製品の生産を高い能率、歩
留、安定性および容易さを以て遂行し得る途が拓けた。
本発明に基く樹脂材料が高温高速成形法に適したもので
ある点も見逃せない。
本発明の実施は、従来法に比し、左程大きな経済的犠牲
を伴うことなく、従って本発明は効果および実用性の両
面において価値あるものと考えられる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂肪族多価アルコール系ポリオールまたは
    脂肪族アミン系ポリオールとアクリル酸,メタクリル酸
    またはこの両者からなる混合酸とのエステルの少なくと
    も1種である多官能性アクリル系単量体と、不飽和ポリ
    エステルと、モノビニル単量体との3者を必須成分とし
    て含み、前記多官能性アクリル系単量体が2.5〜6.0のア
    クリル官能性、90〜150のアクリル当量および200〜800
    の分子量を何れも平均値として有し、更に、前記不飽和
    ポリエステルの少なくとも一部分がその分子の主鎖に含
    まれる芳香環に結合した臭素を、前記3種の必須成分の
    総量に基き0.5〜6.0重量%となる相対量で、含有するこ
    とを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】下記の重量基準相対量,即ち 多官能性アクリル系単量体 20〜75% 不飽和ポリエステル 10〜50% モノビニル単量体 10〜50% をこの3成分の総量を基準(100%)として含む特許請
    求の範囲第1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】揺変剤を更に含むことを特徴とする特許請
    求の範囲第1項または第2項に記載の熱硬化性樹脂組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008172956A (ja) * 2007-01-12 2008-07-24 Sanwa Tekki Corp 電線上の飛来物除去装置

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