JPH0676299B2 - 養毛料 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、2,4−ジアミノ−６−ピペリジノ−ピリミジ
ン−３−オキサイドと後記のグリチルレチン酸系化合物
とを含有することを特徴とする養毛料に関する。

（従来の技術） 脱毛症には数多くの薬剤がその治療に応用されている。
即ち、頭皮の血行を促進したり、毛母細胞を活性化した
り、毛髪の栄養成分であるアミノ酸やビタミン類を配合
する例が多い。また、最近では、男性ホルモン過剰に起
因する性ホルモンのアンバランスが脱毛症の原因である
との説がたてられ、その理論に基づく抗男性ホルモン剤
を配合する養毛料が考案されている。

しかしながら、これらの養毛料によっては、充分な効果
は得られていないのが現状である。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明者は脱毛症の原因は性ホルモンのアンバランスの
みに起因するのではなくて、血行の不全や毛母細胞活性
の低下等も同時に原因として寄与していると考え、前記
の数多くの薬剤及びそれらの無数の組合せについて鋭意
研究した結果、2,4−ジアミノ−６−ピペリジノ−ピリ
ミジン−３−オキサイドと後記のグリチルレチン酸系化
合物とを含有した養毛料が、 （１） 著しく毛成長を促進すること、 （２） 生毛が剛毛化すること、 （３） 脱毛を予防すること、 （４） 皮脂の分泌を抑制すること、 （５） ふけの生成を抑制すること等を見出し、本発明
を完成した。

（問題点を解決するための手段） 即ち、本発明は、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸
エステル、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸塩から
なる群より選択された化合物（以下、グリチルレチン酸
系化合物という）の少なくとも一つと、2,4−ジアミノ
−６−ピペリジノ−ピリミジン−３−オキサイドとを含
有していることを特徴とする養毛料である。

2,4−ジアミノ−６−ピペリジノ−ピリミジン−３−オ
キサイドは公知の物質で（usp 3,461,461 usp 4,13
9,619），別名６−アミノ−1,2−ジヒドロ−１−ヒドロ
キシ−２−イミノ−４−ピペリジノピリミジンである。
以下、化合物Ａと略記する。

前記のグリチルレシン酸として18α−グリチルレチン
酸、18β−グリチルレチン酸が、グリチルレチン酸エス
テルとしては、例えばグリチルレチン酸ステアリル、グ
リチルレチン酸グリセリル、ステアリン酸グリチルレチ
ニル等が挙げられる。グリチルリチン酸としては18α−
グリチルリチン酸、18β−グリチルリチン酸が、またグ
リチルリチン酸塩としては、例えば18α−グリチルリチ
ン酸または18β−グリチルリチン酸のナトリウム塩、カ
リウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。

本発明の養毛料に配合される化合物Ａの配合量は、組成
物の全量重量に対して通常0.05〜５重量％である。

一方、前記のグリチルレチン酸系化合物の配合量は好ま
しくは0.03〜３重量％である。そして、化合物Ａとグリ
チルレチン酸系化合物とは10:1〜1:2の構成割合で含有
さていることが好ましい。

本発明の養毛料は、常法に従って、ヘアートニック、ヘ
アーローション、ヘアークリーム等の剤型に調整するこ
とが可能である。本発明の養毛料における基剤として
は、例えば水、エタノール等のアルコール類、グリセリ
ン等の多価アルコール類、流動パラフィン、高級脂肪酸
（ステアリン酸等）、脂肪酸グリセライド（グリセリン
モノステアレート等）、高級アルコール、動植物油、ワ
ックス類等の油性物質、界面活性剤（乳化剤、可溶化
剤）、殺菌剤、角質溶解剤等を適宜配合し得る。

（発明の効果） 本発明の養毛料は、ヒトまたは動物の皮膚に塗布すると
顕著良好な毛成長促進効果（養毛効果）を発揮し、かつ
長期保存しても安定であって、その商品価値は極めて高
い。また、ふけ、かゆみを抑制する効果にも優れた効果
を発揮する。

公知の育毛剤の中から、本発明の組み合わせが特に顕著
な効果を発揮するメカニズムについては、明確ではない
が、両化合物の効果が相補的・相乗的に増大したものと
考えられる。

（実施例） 以下、実施例、比較例の記載に基づいて本発明を詳説す
る。また、白色マウスに対する毛成長促進効果、ヒト頭
髪に対する毛成長促進効果等の試験方法を下記に示す。

（１） マウス毛成長促進効果試験方法 ddY系白色マウス（雄、６調齢、平均体重35g）の尾部よ
りの背部皮膚を電気バリカンで刈った後、脱毛クリーム
により完全に脱毛し、翌日より実施例及び比較例の各試
料を被験部皮膚に毎日朝夕２回、一匹当たり0.1mlを塗
布した。一試料に対して動物は一群10匹使用した。養毛
効果の判定は、第１表に示す判定基準による肉眼判定の
評価点と毛長、毛重量を比較例と比較することにより行
った。

実験開始後15日目に動物を屠殺し第１表に示す判定基準
により肉眼判定し、その評価点を合計し、一匹当たりの
平均評価点を求めた。さらに、被験部の皮膚を切除し、
直径12mmのパンチで、一定面積の皮膚を打ち抜いて、乾
燥後、毛の重量を測定し、その中の20本の毛の長さにつ
いても測定し、平均値を算出した。

（２） ヒト頭髪毛成長促進効果試験方法 所定人数の被試験者の頭部の耳の上5cmの位置の頭髪を
左右２ケ所を直径1cm剃毛した被験部位に試料を左側
に、対照例を右側と定めて毎日朝夕２回、約3ml塗布し
た。効果の判定は試験開始後28日目に、左右の被験部位
の毛髪各々20本ずつ剃毛し、左側の毛20本の長さの平均
値（Ｂ）を右側の毛20本の長さの平均値（Ａ）で除した
値を求めて評価した。（判定結果 被試験者10名の
（Ｂ）／（Ａ）の平均値） 以下に、実施例及び比較例の実験方法及び実験結果につ
いて示す。尚、以下に示す％とは重量％を意味する。

実施例１〜３、比較例１〜４ （１） 処方（ローション） （２） 試験 上記試料を用いてマウス毛成長促進試験を実施した。そ
の結果を第２表に示す。

第２表から明らかなように、実施例１〜３の毛長、毛重
量はともに比較例１〜４より大きく、また肉眼判定によ
る評価点も高い値を示し、本発明の毛成長促進効果が著
しい事が認められる。

実施例４〜５、比較例５〜６ （１） 処方 （２） 試験 本品の養毛効果を健康な男子10名により、前記試験方法
記載の「ヒト頭髪毛成長促進効果試験方法」により行な
った。結果を第３表に示す。

第３表から明らかな如く、本発明品の毛成長促進効果は
著しいことが判明した。また更に、頭髪において皮脂の
分泌とふけの生成を減少する事が認められた。

実施例５、比較例７〜８ （１） 処方 （２） 試験 本品の養毛効果を男性型脱毛症患者５名により、前記試
験方法で行なった。結果を第４表に示す。

第４表から明らかな如く、本発明品の毛成長促進効果は
著しいことが判明した。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】グリチルレチン酸、グリチルレチン酸エス
   テル、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸塩からなる
   群より選択された化合物の少なくとも一つと、2,4−ジ
   アミノ−６−ピペリジノ−ピリミジン−３−オキサイド
   とを含有していることを特徴とする養毛料。