JP2869867B2 - 新規な養毛料組成物 - Google Patents

新規な養毛料組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規な養毛料組成物に関する。さらに詳し
く言えば、本発明は、化学物質、4.4′−イソプロピリ
デンジチオ−ビス(2.6−ジ−t−ブチル−フエノー
ル)(一般名:プロブコール)を含有してなることを特
徴とする優れた養毛効果を有する養毛料組成物に関す
る。
[従来の技術] 近年、男性ホルモンの過剰に起因する性ホルモンのア
ンバランスが男性型脱毛症の原因であるとの説が立てら
れ、それに基づき男性ホルモン抑制剤を配合したことを
特徴とする養毛料が数多く出されている。例えば、特開
昭57−99516号公報には、4−アンドロステン−3オン
−17B−カルボン酸を含有せしめた養毛料が開示されて
おり、他にも同様に男性ホルモン抑制剤を配合したこと
を特徴とする、頭髪発毛、育毛料(特開昭58−62107号
参照)、発毛養毛剤(特開昭58−57308号参照)、若禿
および円形脱毛の発毛剤(特開昭58−162512号参照)等
が提案されている。また、5α−リダクターゼ阻害活性
作用を有する物質としてβ−グリチルレチン酸、コリン
作動作用による皮膚血管拡張作用を有する物質として塩
化カルプロニウム、血行促進作用を有する物質としてセ
ンブリ系・ニンニク系・トウガラシチンキ系・朝鮮ニン
ジン系等の物質、また、作用機序は明確でないが、ミニ
ササニキシを配合した各種の養毛料が市販されている。
しかしながら、これらの物質は好ましくない副作用が
あつたり、実質上の養毛効果が必らずしも得られなかつ
たり、実際に満足し得る養毛料は得られていないのが現
実であつた。更に、従来の養毛料としては、卵胞ホルモ
ンであるエチニルエストラジオールを配合したものや、
ペンタデカン酸トリグリセリドを配合したものが市販さ
れているが、このうち、二重盲検群間比較法等の学問的
方法により一応、養毛効果が認められているものとして
は、ペンタデカン酸トリグリセリド配合の養毛料がある
のみであった。
[発明の開示] 本発明者らは、養毛作用を有する物質について種々検
討したところ、4.4′−イソプロピリデンジチオ−ビス
(2.6−ジ−t−ブチル−フエノール)(一般名:プロ
ブコール)が優れた養毛効果を示すことを見い出した。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は、4.4′−イソプロピリデンジチ
オ−ビス(2.6−ジ−t−ブチル−フエノール)を含有
してなることを特徴とする養毛料組成物を提供するもの
である。
4.4′−イソプロピリデンジチオ−ビス(2.6−ジ−t
−ブチル−フエノール)(一般名:プロブコール)は、
下記の構造式を有し、米国ダウ・ケミカル社で研究開発
された医薬物質で、血清脂室、特に血清総コレステロー
ルを特異的に低下させ、長期使用に際し、安定した低下
とともに黄色腫の退縮効果を示す。
この化学物質については、動物実験で、動脈硬化の粥
種発生抑制作用および退縮効果、ヒトで冠動脈性心疾患
(CHD)の発症を低下させることが認められている。
本発明者らは、上記の化学物質、プロブコールを使用
し、養毛効果を研究したところ、驚くべきことには、プ
ロブコールを含有した組成物が優れた養毛効果を発現す
ることを見い出した。本発明はかかる知見に基づいてな
されたものである。
本発明を以下に詳細に説明する。
本発明にかかる新規な養毛料組成物は、プロブコール
を0.1〜20重量%好ましくは、1〜5重量%の濃度とな
るように含有せしめた外用製剤である。このプロブコー
ルの濃度については、後述する種々の試験結果によりプ
ロブコールの濃度が1%および5%の場合において有効
な効果を示すことが認められた。これは、調製可能濃度
(溶解可能濃度)に関連するものと考えられる。
本発明にかかる養毛料組成物は、常法に従つて、ヘア
ートニツク、ヘアーローシヨン、ヘアークリーム等の剤
型に調製することが可能である。
本発明に係る養毛料組成物の調製に用いる基剤成分と
しては、例えば水、エタノール等のアルコール類、マク
ロゴール(200〜20000)、グリセリン、プロピレングリ
コール等の多価アルコール類、流動パラフイン、高級脂
肪酸(ステアリン酸等)、脂肪酸グリセライド(モノス
テアリン酸グリセリン、トリアセチン等)、高級アルコ
ール、ミリスチン酸イソプロピル、動植物油、ワツクス
類等の油性物質、界面活性剤(乳化剤、可溶化剤)等が
あげられるが、これら基剤に対し、さらに殺菌剤、角質
溶解剤等を適宜配合することができる。
以下に本発明を実験例ならびに試験例により、更に具
体的に説明する。
実験例、試験例に使用した本発明の実施例組成物およ
び比較例組成物の処方製剤は以下のとおりである。
比較例1 (プラセボ) ミリスチン酸イソプロピル 10g エタノールを加えて100mlとする。
実施例1 (1%プロブコール) プロブコール 1g ミリスチン酸イソプロピル 10g エタノールを加えて100mlとする。
比較例2 市販品(ペンタデカン酸トリグリセリド含有)を用い
た。
実施例2 (5%プロブコール) プロブコール 5g ミリスチン酸イソプロピル 10g エタノールを加えて100mlとする。
実施例3 (10%プロブコール) プロブコール 10g ミリスチン酸イソプロピル 10g エタノールを加えて100mlとする。
試験方法の詳細は次の通りである。
使用動物 6週齢(体重25.0〜30.0g)ddy系雄性マウスの腹部を
エバクリーム(エバクレームS:東京田辺)で剥毛したも
のを1群10〜11匹で用いた。
方 法 (1)腹部剥毛部に前記実施例および比較例で調製した
各薬剤を塗布した。
(2)薬剤の塗布は1日1回、1回0.1mlを16日間塗布
し、連日、発毛状態を、薬剤を塗布する前と比較し、判
定した。
(3)効果の判定はスコアー法、毛長法で行つた。
判定方法は次の通りである。
(A)スコアー法 効果の判定を育毛スコアーにて毎日行い、各群の平均
値、標準偏差を算出し、有意差検定(t検定)を行っ
た。
育毛スコアー:肉眼的に見て 0:正常な毛の0〜24%まで成長。
1: 〃 25〜49% 〃 。
2: 〃 50〜74% 〃 。
3: 〃 75〜100% 〃 。
また、不規則な毛の成長を示したマウスの育毛スコア
ーは面積比率で算出した。
(B)毛長法 効果の判定はスケールルーペにより毛長を測った。毛
長は剥毛部が発毛してきた動物の、平均的な部位から毛
抜きを用いて1匹につき20本位採取し、その中から無作
為に4本を適当に選び、計測した。
計測は、塗布後、4、8、12、16日について行つた。
前述の実施例および比較例の処方で調製した各製剤に
つき、前記の試験方法に基づき、前述の2種類の効果の
判定方法を用いて行つた試験結果を図1〜図8に示され
るが、図1〜図8は以下の試験結果を示すものである。
図1 実施例1と比較例1 スコアー法 図2 実施例1と比較例1 毛長法 図3 実施例1と比較例2 スコアー法 図4 実施例1と比較例2 毛長法 図5 実施例2と比較例1 スコアー法 図6 実施例2と比較例1 毛長法 図7 実施例3と比較例1 スコアー法 図8 実施例3と比較例1 毛長法 なお、各図中において平均値の有意差検定は、下記の
如く示されている。
***:0.1% ** :1% * :5% + :10% 図1〜図8に示された結果から明らかなように、本発
明に係る養毛料組成物については、有意な養毛効果が認
められた。
プロブコールは、安全性が高い物質であり、従来、内
服用医薬品として用いられている化学物質であるので、
安全性の点においては、全く問題は存在しないものであ
る。
【図面の簡単な説明】
図1〜図8は、いずれも、実施例と比較例により調製さ
れた組成物について、スコアー法と毛長法の比較試験を
行つた結果を示すグラフである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4.4′−イソプロピリデンジチオ−ビス
    (2.6−ジ−t−ブチル−フエノール)を含有してなる
    ことを特徴とする養毛料組成物。
  2. 【請求項2】前記の4.4′−イソプロピリデンジチオ−
    ビス(2.6−ジ−t−ブチル−フエノール)の含有量が
    養毛料組成物の総量に対して0.1〜20重量%である請求
    項1に記載の養毛料組成物。
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