JPH0676260B2 - 窒化珪素焼結体およびその製造法 - Google Patents

窒化珪素焼結体およびその製造法

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JPH0676260B2
JPH0676260B2 JP3080632A JP8063291A JPH0676260B2 JP H0676260 B2 JPH0676260 B2 JP H0676260B2 JP 3080632 A JP3080632 A JP 3080632A JP 8063291 A JP8063291 A JP 8063291A JP H0676260 B2 JPH0676260 B2 JP H0676260B2
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学 磯村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温および低温における
酸化がともに少なく高強度の窒化珪素焼結体およびその
製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、希土類酸化物を5モル%以下含
み、粒界結晶相がアパタイト構造の結晶(以下、H相と
記す)と希土類のダイシリケート(以下、S相と記す)
に、ウォラストナイト構造の結晶(以下、K相と記す)
またはカスピディン構造の結晶(以下、J相と記す)
に、およびメリライト(以下、M相と記す)に結晶化し
た高温高強度の窒化珪素焼結体が、それぞれ特開平1-56
368 号公報、特開平1-61357号公報および特開平1-61358
号公報において開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した窒化珪素焼結
体では、それぞれ高温での強度は高いものの低温での強
度が低下する場合があると考えられる。これは、我々の
研究によれば、高温高強度化には窒化珪素の粒界主結晶
がM、J、H相のような希土類酸化物のSiO2に対する比
が大きくかつ窒素を含む結晶相であるのが望ましいが、
上述した技術に示されたこれらの結晶を粒界相に有する
と、大気中800 〜1000℃で粒界相の選択酸化(以下、低
温酸化と記す)がおこり、その際他の結晶の析出により
体積膨張し、クラックを生じ機械的特性を損なう。最も
酸化が激しい温度は、粒界相の組成や結晶の種類により
多少異なるが900 ℃前後である。
【0004】一方、上述した各公報には記載がないが一
般的に粒界の主結晶相がRe2SiO5 (以下、L相と記す)
やRe2Si2O7であると低温酸化しないが、Re2SiO5 は安定
して粒界主結晶として生成させるのが難しく、Re2Si2O7
が主結晶として生成する粒界相組成では高温強度が発現
できない問題があった。さらに、大気中、1200℃以上の
高温下で熱処理し焼結体表面全体を酸化膜で覆う方法も
知られているが、焼結体の表面が荒れる等の問題があっ
た。
【0005】本発明の目的は上述した課題を解消して、
高温での高強度は維持したまま低温酸化を防止して低温
での強度をも発現させることのできる窒化珪素焼結体お
よびその製造法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の窒化珪素焼結体
は、粒界相が希土類元素化合物からなる窒化珪素焼結体
であって、焼結体表面の粒界相がJCPDS カードNo.21-14
58と同一のX線回折パターンの結晶に結晶化しており、
焼結体内部は希土類元素(Re)-Si-O-N からなる粒界相か
らなることを特徴とするものである。
【0007】また、本発明の窒化珪素焼結体の製造法
は、希土類元素(Re)-Si-O-N からなる粒界相を有する窒
化珪素焼結体を、酸化性雰囲気中700 〜1000℃で熱処理
した後、窒素以外の不活性雰囲気中900 〜1350℃で熱処
理することにより、焼結体表面の粒界相をJCPDS カード
No.21-1458と同一のX線回折パターンの結晶に結晶化す
ることを特徴とするものである。
【0008】
【作用】上述した窒化珪素焼結体の構成において、焼結
体内部は従来から高温高強度であるとして知られている
希土類元素(Re)-Si-O-N からなる粒界相を有する焼結体
のままとし、焼結体の表面の粒界相のみを改質してJCPD
S カードNo.21-1458と同一のX線回折パターンの結晶に
結晶化させているため、低温酸化の生じない高温高強度
の窒化珪素焼結体を得ることができる。ここで「JCPDS
カードNo.21-1458と同一のX線回折パターンの化合物」
とは、これと同一の結晶構造を有するという意味であ
る。よって構成される希土類元素の種類により回折位置
および強度が若干異なることもあり得る。また、JCPDS
カードNo.21-1458と同一のX線回折パターンの結晶の一
例としては、Re2SiO5からなるL相の結晶がある。
【0009】また、上述した窒化珪素焼結体の製造法に
おいて、所定の窒化珪素焼結体を先ず酸化性雰囲気中70
0 〜1000℃で熱処理するのは、表面の粒界相に酸素を供
給するためである。酸素を供給していく過程で粒界結晶
は非晶質化し、その後酸化反応が進行しつつL相(Re2S
iO5 )の結晶化がはじまる。さらに酸化を続けると粒界
相が体積膨張しクラックを生じるため、酸素の供給は粒
界結晶が非晶質化する程度で止めておくのが良い。次
に、窒素以外の不活性雰囲気中900 〜1350℃で熱処理す
るのは、焼結体の表面にL相(Re2SiO5 )の結晶を生成
させるためである。窒素以外の不活性雰囲気中で熱処理
するのは、窒素中で熱処理すると窒素が焼結体に供給さ
れ低温酸化する結晶が生成してしまうためである。ま
た、熱処理温度を900 〜1350℃と限定するのは、900 ℃
未満であると結晶化に長時間を要し、1350℃を超えると
窒化珪素の分解が激しくなるためである。
【0010】
【実施例】以下、実際の例について説明する。実施例 表1に示す希土類酸化物を添加してなり、表1に示す(R
e)-Si-O-N からなる種々の粒界結晶相を有する窒化珪素
焼結体を準備し、表1に示す条件の大気中の熱処理およ
び不活性雰囲気中の熱処理を行い、本発明範囲内の試験
No.1-7と本発明範囲外の試験No.8-9の焼結体を得た。得
られた焼結体の粒界相の結晶相および大気中900 ℃×10
0hrsの酸化増量を測定するとともに、熱処理前の焼結体
の一部についても比較のため同様の条件下での酸化増量
を測定した。結果を表1に示す。
【0011】なお、粒界結晶相は、CuKα線によるX
線回折の結果からもとめたものであり、表1記載のJは
カスピディン構造の結晶、Hはアパタイト構造の結晶、
LはRe2SiO5 (Re:希土類元素でJCPDS カードNo.21-14
58と同一のX線回折パターンの化合物)の結晶、Mはメ
リライト構造の結晶である。粒界結晶相の割合は、β-
Si2N4 を除く粒界の各結晶の最強のピークであるJ相:
(131)面、H相:(211) 面、L相:(204) 面、M相:(12
1) 面の積分強度の合計値に対する割合とした。
【0012】
【表1】
【0013】表1の結果から、本発明範囲内の試験No.1
-7は、いずれ化の点で本発明を満たさない比較例試験N
o.8-9と比べて、酸化増量がなく低温酸化を起こしてい
ないことがわかる。また、本発明試験No.1-7の熱処理前
の結晶相と熱処理後の焼結体表面の結晶相とは異なり、
本発明における大気中での熱処理および不活性雰囲気中
での熱処理が表面のみにL相が形成できることがわか
る。
【0014】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、焼結体内部は従来から高温高強度であるとし
て知られている希土類元素(Re)-Si-O-N からなる粒界相
を有する焼結体のままとし、焼結体の表面の粒界相のみ
を改質してJCPDS カードNo.21-1458と同一のX線回折パ
ターンの結晶に結晶化させているため、低温酸化の生じ
ない高温高強度の窒化珪素焼結体を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒界相が希土類元素化合物からなる窒化
    珪素焼結体であって、焼結体表面の粒界相がJCPDS カー
    ドNo.21-1458と同一のX線回折パターンの結晶に結晶化
    しており、焼結体内部は希土類元素(Re)-Si-O-N からな
    る粒界相からなることを特徴とする窒化珪素焼結体。
  2. 【請求項2】 希土類元素(Re)-Si-O-N からなる粒界相
    を有する窒化珪素焼結体を、酸化性雰囲気中700 〜1000
    ℃で熱処理した後、窒素以外の不活性雰囲気中900 〜13
    50℃で熱処理することにより、焼結体表面の粒界相をJC
    PDS カードNo.21-1458と同一のX線回折パターンの結晶
    に結晶化することを特徴とする窒化珪素焼結体の製造
    法。
JP3080632A 1991-03-20 1991-03-20 窒化珪素焼結体およびその製造法 Expired - Lifetime JPH0676260B2 (ja)

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