JP3034106B2 - 窒化珪素質焼結体の製造方法 - Google Patents
窒化珪素質焼結体の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、室温から高温までの強
度特性に優れ、特に、自動車用部品やガスタービンエン
ジン用部品等に使用される窒化珪素質焼結体の製造方法
に関する。
度特性に優れ、特に、自動車用部品やガスタービンエン
ジン用部品等に使用される窒化珪素質焼結体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、窒化珪素質焼結体は、耐熱
性、耐熱衝撃性および耐酸化性に優れることからエンジ
ニアリングセラミックス、特にタ−ボロ−タ−等の熱機
関用として応用が進められている。この窒化珪素質焼結
体は、一般には窒化珪素に対してY2 O3 、Al2 O3
あるいはMgOなどの焼結助剤を添加することにより高
密度で高強度の特性が得られている。このような窒化珪
素質焼結体に対しては、さらにその使用条件が高温化す
るに際して、高温における強度および耐酸化性のさらな
る改善が求められている。かかる要求に対して、これま
で焼結助剤の検討や焼成条件等を改善する等各種の改良
が試みられている。
性、耐熱衝撃性および耐酸化性に優れることからエンジ
ニアリングセラミックス、特にタ−ボロ−タ−等の熱機
関用として応用が進められている。この窒化珪素質焼結
体は、一般には窒化珪素に対してY2 O3 、Al2 O3
あるいはMgOなどの焼結助剤を添加することにより高
密度で高強度の特性が得られている。このような窒化珪
素質焼結体に対しては、さらにその使用条件が高温化す
るに際して、高温における強度および耐酸化性のさらな
る改善が求められている。かかる要求に対して、これま
で焼結助剤の検討や焼成条件等を改善する等各種の改良
が試みられている。
【0003】その中で、従来より焼結助剤として用いら
れてきたAl2 O3 等の低融点酸化物が高温特性を劣化
させるという見地から、窒化珪素に対してY2 O3 等の
希土類元素および酸化珪素からなる単純な3元系の組成
からなる焼結体が提案されている。また、かかる焼結体
の粒界にSi3 N4 −RE2 O3 −SiO2 からなるY
AM相、アパタイト相、ワラストナイト相、シリコンオ
キシナイトライド相、ダイシリケート相等の結晶相を析
出させることにより粒界の高融点化および安定化を図る
ことが提案されている。
れてきたAl2 O3 等の低融点酸化物が高温特性を劣化
させるという見地から、窒化珪素に対してY2 O3 等の
希土類元素および酸化珪素からなる単純な3元系の組成
からなる焼結体が提案されている。また、かかる焼結体
の粒界にSi3 N4 −RE2 O3 −SiO2 からなるY
AM相、アパタイト相、ワラストナイト相、シリコンオ
キシナイトライド相、ダイシリケート相等の結晶相を析
出させることにより粒界の高融点化および安定化を図る
ことが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、粒界
を結晶化することにより、粒界が非晶質である場合に比
較して高温特性は改善されるものの、安定な結晶相の生
成を行うことができず、しかも、所定の結晶相が析出す
ると同時に結晶化に寄与しなかった成分により低融点の
粒界相が形成されてしまうために、結晶化による充分な
効果が得られていないのが現状であった。
を結晶化することにより、粒界が非晶質である場合に比
較して高温特性は改善されるものの、安定な結晶相の生
成を行うことができず、しかも、所定の結晶相が析出す
ると同時に結晶化に寄与しなかった成分により低融点の
粒界相が形成されてしまうために、結晶化による充分な
効果が得られていないのが現状であった。
【0005】そのために、かかる焼結体を実用化する実
用的には未だ不十分であり、さらなる強度の改良、およ
び耐酸化特性の改良が要求されている。
用的には未だ不十分であり、さらなる強度の改良、およ
び耐酸化特性の改良が要求されている。
【0006】よって、本発明は、特に耐酸化性の観点か
ら室温から高温まで自動車用部品やガスタービンエンジ
ン用部品等で使用されるに充分な強度特性、特に、室温
から1400℃の高温までの抗折強度に優れ、さらに低
温から高温までの耐酸化特性に優れた窒化珪素質焼結体
の製造方法を提供することを目的とするものである。
ら室温から高温まで自動車用部品やガスタービンエンジ
ン用部品等で使用されるに充分な強度特性、特に、室温
から1400℃の高温までの抗折強度に優れ、さらに低
温から高温までの耐酸化特性に優れた窒化珪素質焼結体
の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明者は、焼結体の
強度特性及び耐酸化特性を高めるためには、焼結体の組
成および窒化珪素相の粒界に存在する副相を制御するこ
とが重要であるという見地に基づき検討を重ねた結果、
窒化珪素70〜97モル%と、周期律表第3a族元素酸
化物および酸化珪素が合量で3〜30モル%で、且つ酸
化珪素の周期律表第3a族元素酸化物に対するモル比が
2以上の混合物を成形し、非酸化性雰囲気中に焼成した
後、前記焼結体の粒界に生成しているガラスの軟化温度
Tgと、RE2 Si2 O7 結晶への結晶化温度Tcの間
で一旦保持した後、前記結晶化温度Tcと、窒化珪素結
晶とRE2 Si2 O7 結晶の共晶温度Teの間で保持し
て、RE2 Si2 O7 結晶の生成を促進すると同時に焼
結体中の3重点における窒化珪素結晶と粒界の結晶相と
の間に存在するアモルファス層の生成を抑制し、その平
均厚みを5nm以下に制御することにより、室温から高
温まで優れた強度特性を有し、さらに低温から1400
℃まで優れた耐酸化特性を有する焼結体が得られること
を知見した。
強度特性及び耐酸化特性を高めるためには、焼結体の組
成および窒化珪素相の粒界に存在する副相を制御するこ
とが重要であるという見地に基づき検討を重ねた結果、
窒化珪素70〜97モル%と、周期律表第3a族元素酸
化物および酸化珪素が合量で3〜30モル%で、且つ酸
化珪素の周期律表第3a族元素酸化物に対するモル比が
2以上の混合物を成形し、非酸化性雰囲気中に焼成した
後、前記焼結体の粒界に生成しているガラスの軟化温度
Tgと、RE2 Si2 O7 結晶への結晶化温度Tcの間
で一旦保持した後、前記結晶化温度Tcと、窒化珪素結
晶とRE2 Si2 O7 結晶の共晶温度Teの間で保持し
て、RE2 Si2 O7 結晶の生成を促進すると同時に焼
結体中の3重点における窒化珪素結晶と粒界の結晶相と
の間に存在するアモルファス層の生成を抑制し、その平
均厚みを5nm以下に制御することにより、室温から高
温まで優れた強度特性を有し、さらに低温から1400
℃まで優れた耐酸化特性を有する焼結体が得られること
を知見した。
【0008】以下、本発明を詳述する。本発明の窒化珪
素質焼結体は、窒化珪素を主成分としこれに添加成分と
して、周期律表第3a族元素および過剰酸素を含むもの
である。ここで、過剰酸素とは焼結体中の全酸素量から
焼結体中の周期律表第3a族元素が化学量論的に酸化物
を形成した場合に元素に結合している酸素を除く残りの
酸素量であり、そのほとんどは窒化珪素原料に含まれる
酸素、あるいは、SiO2 等の添加として混入するもの
であり、本発明では全てSiO2 として存在するものと
して考慮する。
素質焼結体は、窒化珪素を主成分としこれに添加成分と
して、周期律表第3a族元素および過剰酸素を含むもの
である。ここで、過剰酸素とは焼結体中の全酸素量から
焼結体中の周期律表第3a族元素が化学量論的に酸化物
を形成した場合に元素に結合している酸素を除く残りの
酸素量であり、そのほとんどは窒化珪素原料に含まれる
酸素、あるいは、SiO2 等の添加として混入するもの
であり、本発明では全てSiO2 として存在するものと
して考慮する。
【0009】本発明の焼結体は、組織的には図1に示す
ように窒化珪素結晶相を主相とするものであり、そのほ
とんどはβ−Si3 N4 からなる。また、その主相の粒
界には周期律表第3a族元素および過剰の酸素(酸化珪
素として存在すると考えられる)が存在するが、本発明
によれば、この粒界相が主としてRE2 Si2 O7 で表
される結晶からなることが重要である。この結晶相は、
焼結過程では、窒化珪素粒子との反応により低融点の液
相として存在し、焼結性を高めるが、冷却後そのまま、
粒界相にガラス相として残存すると高温強度を低下させ
てしまうと同時に耐酸化特性を劣化させてしまう。よっ
て、所定の冷却過程あるいは熱処理により上記結晶相を
析出させることにより、高温強度を高めると同時に耐酸
化特性を高めることができる。
ように窒化珪素結晶相を主相とするものであり、そのほ
とんどはβ−Si3 N4 からなる。また、その主相の粒
界には周期律表第3a族元素および過剰の酸素(酸化珪
素として存在すると考えられる)が存在するが、本発明
によれば、この粒界相が主としてRE2 Si2 O7 で表
される結晶からなることが重要である。この結晶相は、
焼結過程では、窒化珪素粒子との反応により低融点の液
相として存在し、焼結性を高めるが、冷却後そのまま、
粒界相にガラス相として残存すると高温強度を低下させ
てしまうと同時に耐酸化特性を劣化させてしまう。よっ
て、所定の冷却過程あるいは熱処理により上記結晶相を
析出させることにより、高温強度を高めると同時に耐酸
化特性を高めることができる。
【0010】また、上記結晶相を析出させるために焼結
体中の過剰酸素の酸化珪素換算量(SiO2 )の周期律
表第3a族元素(RE)の酸化物換算量(RE2 O3 )
に対するモル比率(SiO2 /RE2 O3 )が2.0以
上、特に2.0〜5.0であることが必要である。これ
は上記比率が2.0未満では、粒界相にRE2 Si2 O
7 以外にRE−Si−O−Nからなる微量のガラス層が
存在しやすく、高温強度を低下させると共に耐酸化特性
を劣化させる。また、完全に結晶化させてもRE10Si
2 O23N4 やRE10(SiO4 )6 N2 等で記述されて
いるアパタイト相や、RE4 Si2 O7 N2 で記述され
るYAM相が析出し、耐酸化特性を劣化させてしまうた
めである。
体中の過剰酸素の酸化珪素換算量(SiO2 )の周期律
表第3a族元素(RE)の酸化物換算量(RE2 O3 )
に対するモル比率(SiO2 /RE2 O3 )が2.0以
上、特に2.0〜5.0であることが必要である。これ
は上記比率が2.0未満では、粒界相にRE2 Si2 O
7 以外にRE−Si−O−Nからなる微量のガラス層が
存在しやすく、高温強度を低下させると共に耐酸化特性
を劣化させる。また、完全に結晶化させてもRE10Si
2 O23N4 やRE10(SiO4 )6 N2 等で記述されて
いるアパタイト相や、RE4 Si2 O7 N2 で記述され
るYAM相が析出し、耐酸化特性を劣化させてしまうた
めである。
【0011】本発明によれば、粒界に主としてRE2 S
i2 O7 結晶を析出させるが、モル比率(SiO2 /R
E2 O3 )が2.0以上で、およそ2.5以下では結晶
相はRE2 Si2 O7 結晶のみ析出するが、モル比率が
2.5より大きくなるとRE2 Si2 O7 結晶以外にわ
ずかにSi2 N2 Oが析出することがあるが、耐酸化性
の点からは、何ら問題ない。しかし、Si2 N2 Oを主
体とする結晶相が析出すると破壊靱性値が低下するとい
う問題が生じるためにモル比率は2.0〜2.5である
ことが望ましい。
i2 O7 結晶を析出させるが、モル比率(SiO2 /R
E2 O3 )が2.0以上で、およそ2.5以下では結晶
相はRE2 Si2 O7 結晶のみ析出するが、モル比率が
2.5より大きくなるとRE2 Si2 O7 結晶以外にわ
ずかにSi2 N2 Oが析出することがあるが、耐酸化性
の点からは、何ら問題ない。しかし、Si2 N2 Oを主
体とする結晶相が析出すると破壊靱性値が低下するとい
う問題が生じるためにモル比率は2.0〜2.5である
ことが望ましい。
【0012】また、高緻密化された焼結体中には、図1
に示すように3つの窒化珪素結晶粒子1により囲まれる
粒界部分2が存在し、これを通称3重点という。前記R
E2 Si2 O7 で表される結晶相は主としてこの3重点
に結晶相3として存在するが、その時、窒化珪素結晶粒
子1とRE2 Si2 O7 結晶3との界面はアモルファス
(非晶質)層4が存在していることがTEMの分析によ
りわかった。しかも、このアモルファス層の厚みtが大
きく焼結体の強度に影響を及ぼしており、アモルファス
層の平均厚みが5nmを越える場合は、高温強度を低下
させてしまうため、そのアモルファス層の平均厚みを5
nm以下に制御することが重要であることがわかった。
に示すように3つの窒化珪素結晶粒子1により囲まれる
粒界部分2が存在し、これを通称3重点という。前記R
E2 Si2 O7 で表される結晶相は主としてこの3重点
に結晶相3として存在するが、その時、窒化珪素結晶粒
子1とRE2 Si2 O7 結晶3との界面はアモルファス
(非晶質)層4が存在していることがTEMの分析によ
りわかった。しかも、このアモルファス層の厚みtが大
きく焼結体の強度に影響を及ぼしており、アモルファス
層の平均厚みが5nmを越える場合は、高温強度を低下
させてしまうため、そのアモルファス層の平均厚みを5
nm以下に制御することが重要であることがわかった。
【0013】なお、本発明に用いられる周期律表第3a
族元素としてはYやランタノイド元素が挙げられるが特
にYb,Er、Dyが好ましい。
族元素としてはYやランタノイド元素が挙げられるが特
にYb,Er、Dyが好ましい。
【0014】また、本発明の窒化珪素質焼結体によれ
ば、Al2 O3 、MgO、CaO等の低融点の金属酸化
物が存在すると粒界の結晶化が阻害されるとともに高温
強度を劣化させるためにこれらの酸化物は合量で0.5
重量%以下に制御することが望ましい。
ば、Al2 O3 、MgO、CaO等の低融点の金属酸化
物が存在すると粒界の結晶化が阻害されるとともに高温
強度を劣化させるためにこれらの酸化物は合量で0.5
重量%以下に制御することが望ましい。
【0015】次に、本発明に窒化珪素質焼結体を製造す
る方法について説明すると、まず、原料粉末として窒化
珪素粉末を主成分とし、添加成分として周期律表第3a
族元素酸化物粉末と酸化珪素粉末を添加する他に、また
は添加成分として周期律表第3a族元素酸化物と酸化珪
素からなる化合物粉末、または窒化珪素と周期律表第3
a族元素酸化物と酸化珪素とからなる化合物粉末を用い
ることもできる。
る方法について説明すると、まず、原料粉末として窒化
珪素粉末を主成分とし、添加成分として周期律表第3a
族元素酸化物粉末と酸化珪素粉末を添加する他に、また
は添加成分として周期律表第3a族元素酸化物と酸化珪
素からなる化合物粉末、または窒化珪素と周期律表第3
a族元素酸化物と酸化珪素とからなる化合物粉末を用い
ることもできる。
【0016】用いる窒化珪素粉末は、それ自体α−Si
3 N4 、β−Si3 N4 のいずれでもよく、それらの粒
径は0.4〜1.2μmが適当である。
3 N4 、β−Si3 N4 のいずれでもよく、それらの粒
径は0.4〜1.2μmが適当である。
【0017】本発明によれば、これらの粉末を用いて、
窒化珪素が70〜97モル%、周期律表第3a族元素酸
化物(RE2 O3 )、酸化珪素(SiO2 )の合計が3
〜30モル%で、SiO2 /RE2 O3 で表されるモル
比が2.0以上になるように調製、混合する。この時の
酸化珪素量(SiO2 )とは、窒化珪素粉末に含まれる
不純物酸素をSiO2 換算した量と添加する酸化珪素粉
末、または、珪素含有化合物の酸化珪素換算量との合量
である。
窒化珪素が70〜97モル%、周期律表第3a族元素酸
化物(RE2 O3 )、酸化珪素(SiO2 )の合計が3
〜30モル%で、SiO2 /RE2 O3 で表されるモル
比が2.0以上になるように調製、混合する。この時の
酸化珪素量(SiO2 )とは、窒化珪素粉末に含まれる
不純物酸素をSiO2 換算した量と添加する酸化珪素粉
末、または、珪素含有化合物の酸化珪素換算量との合量
である。
【0018】このようにして得られた混合粉末を公知の
成形方法、例えば、プレス成形、鋳込み成形、押出し成
形、射出成形、冷間静水圧成形などにより所望の形状に
成形した後、得られた成形体を公知の焼成方法、例え
ば、ホットプレス方法、常圧焼成、窒素ガス圧力焼成、
さらには、これらの焼成後のHIP焼成、および、ガラ
スシ−ルHIP焼成等で焼成し、緻密な焼結体を得る。
この時の焼成温度は、高温すぎると窒化珪素結晶が粒成
長し強度が低下するため、1900℃以下、特に、16
50〜1850℃の窒素ガス含有非酸化性雰囲気である
ことが望ましい。
成形方法、例えば、プレス成形、鋳込み成形、押出し成
形、射出成形、冷間静水圧成形などにより所望の形状に
成形した後、得られた成形体を公知の焼成方法、例え
ば、ホットプレス方法、常圧焼成、窒素ガス圧力焼成、
さらには、これらの焼成後のHIP焼成、および、ガラ
スシ−ルHIP焼成等で焼成し、緻密な焼結体を得る。
この時の焼成温度は、高温すぎると窒化珪素結晶が粒成
長し強度が低下するため、1900℃以下、特に、16
50〜1850℃の窒素ガス含有非酸化性雰囲気である
ことが望ましい。
【0019】次に、焼成終了後、冷却過程で熱処理を施
すか、または得られた焼結体を非酸化性雰囲気中で熱処
理する。この時、従来の熱処理方法では、焼結体中の前
記粒界3重点において、窒化珪素結晶とRE2 Si2 O
7 結晶界面に存在するアモルファス層が5nmを越えて
しまい高温強度の低下を招いてしまう。
すか、または得られた焼結体を非酸化性雰囲気中で熱処
理する。この時、従来の熱処理方法では、焼結体中の前
記粒界3重点において、窒化珪素結晶とRE2 Si2 O
7 結晶界面に存在するアモルファス層が5nmを越えて
しまい高温強度の低下を招いてしまう。
【0020】そこで、本発明によれば、熱処理方法とし
て、まず、焼結体の粒界に生成しているガラスの軟化温
度Tgと、窒化珪素とRE2 Si2 O7 への結晶化温度
Tcの間で一旦保持し、RE2 Si2 O7 の結晶核を発
生させる。その後、結晶化温度Tcと、窒化珪素結晶と
RE2 Si2 O7 結晶の共晶温度Teの間で保持しRE
2 Si2 O7 の結晶核を成長させて熱処理を行うことに
より、RE2 Si2 O7 結晶の生成を促進し、界面に存
在するアモルファス層の生成を抑制することができる。
て、まず、焼結体の粒界に生成しているガラスの軟化温
度Tgと、窒化珪素とRE2 Si2 O7 への結晶化温度
Tcの間で一旦保持し、RE2 Si2 O7 の結晶核を発
生させる。その後、結晶化温度Tcと、窒化珪素結晶と
RE2 Si2 O7 結晶の共晶温度Teの間で保持しRE
2 Si2 O7 の結晶核を成長させて熱処理を行うことに
より、RE2 Si2 O7 結晶の生成を促進し、界面に存
在するアモルファス層の生成を抑制することができる。
【0021】上記軟化温度Tg、結晶化温度Tcおよび
共晶温度Teを求める方法としては、前述した方法と同
様な方法で焼成した後、室温まで急冷し、粒界相がガラ
ス相である焼結体を作製し、この焼結体から薄片を切出
し、分析電子顕微鏡を用いてこの粒界相のガラス組成を
UTW−EDX法により求める。次にこのガラス組成と
同じ組成になるように調整した混合粉末を成形焼成後、
急冷し、ガラスを作製し、DTA法によりこのガラスの
軟化温度Tg、結晶化温度Tcを求めることができ、さ
らに、窒化珪素粉末とRE2 Si2 O7 粉末の混合粉末
を用いDTA法により両者のタイライン上の共晶温度T
eを求めることができる。
共晶温度Teを求める方法としては、前述した方法と同
様な方法で焼成した後、室温まで急冷し、粒界相がガラ
ス相である焼結体を作製し、この焼結体から薄片を切出
し、分析電子顕微鏡を用いてこの粒界相のガラス組成を
UTW−EDX法により求める。次にこのガラス組成と
同じ組成になるように調整した混合粉末を成形焼成後、
急冷し、ガラスを作製し、DTA法によりこのガラスの
軟化温度Tg、結晶化温度Tcを求めることができ、さ
らに、窒化珪素粉末とRE2 Si2 O7 粉末の混合粉末
を用いDTA法により両者のタイライン上の共晶温度T
eを求めることができる。
【0022】本発明者等の実験によれば、各種の窒化珪
素とRE2 Si2 O7 から構成されるガラスの軟化温度
Tgは約950前後、結晶化温度Tcは1100℃前後
である。また、共晶温度Teは1550℃前後の温度で
ある。したがって、熱処理温度として、一段目の温度を
1050℃近辺に設定し、二段目の温度を1400℃前
後に設定することが好ましい。
素とRE2 Si2 O7 から構成されるガラスの軟化温度
Tgは約950前後、結晶化温度Tcは1100℃前後
である。また、共晶温度Teは1550℃前後の温度で
ある。したがって、熱処理温度として、一段目の温度を
1050℃近辺に設定し、二段目の温度を1400℃前
後に設定することが好ましい。
【0023】
【作用】窒化珪素質焼結体の特性を決定する大きな要因
として、焼結体中に粒界の組成および組織が挙げられ
る。高温において高強度であるためには粒界が結晶化し
ていることが重要であるが、一般的には、粒界のガラス
層を完全に結晶化することは難しい。粒界に多量にアモ
ルファス層が存在すると高温強度の劣化につながるとと
もに、アモルファス層中に窒素が固溶しているために焼
結体の耐酸化性も低下する。
として、焼結体中に粒界の組成および組織が挙げられ
る。高温において高強度であるためには粒界が結晶化し
ていることが重要であるが、一般的には、粒界のガラス
層を完全に結晶化することは難しい。粒界に多量にアモ
ルファス層が存在すると高温強度の劣化につながるとと
もに、アモルファス層中に窒素が固溶しているために焼
結体の耐酸化性も低下する。
【0024】本発明によれば、この粒界相にRE2 Si
2 O7 で表される結晶相を析出させ、しかも特定の熱処
理により焼結体の3重点の窒化珪素結晶とRE2 Si2
O7 結晶相との間に存在するアモルファス層の生成を抑
制することができる。これにより、室温から高温におけ
る強度劣化を小さくすることができるとともに室温から
高温までの優れた耐酸化性を付与することができる。
2 O7 で表される結晶相を析出させ、しかも特定の熱処
理により焼結体の3重点の窒化珪素結晶とRE2 Si2
O7 結晶相との間に存在するアモルファス層の生成を抑
制することができる。これにより、室温から高温におけ
る強度劣化を小さくすることができるとともに室温から
高温までの優れた耐酸化性を付与することができる。
【0025】
【実施例】原料粉末として窒化珪素粉末(BET比表面
積8m2/g、α率98%、酸素量1.2重量%)と各
種の周期律表第3a族元素酸化物粉末、酸化珪素粉末、
または、一部、周期律表第3a族元素酸化物と酸化珪素
粉末から合成したRE2 Si2 O7 粉末を用いて(試料
No.20)表1に示す組成になるように調合後、1t/
cm2 で金型成形した。
積8m2/g、α率98%、酸素量1.2重量%)と各
種の周期律表第3a族元素酸化物粉末、酸化珪素粉末、
または、一部、周期律表第3a族元素酸化物と酸化珪素
粉末から合成したRE2 Si2 O7 粉末を用いて(試料
No.20)表1に示す組成になるように調合後、1t/
cm2 で金型成形した。
【0026】表中、試料No.1〜No.11の成形体につ
いては炭化珪素質の匣鉢に入れて、組成変動を少なくす
るために、雰囲気を制御し10気圧あるいは50気圧の
窒素ガス気流中、1850℃、4時間の条件で焼成し
た。さらに一部の試料は表1に示す条件で冷却中に熱処
理を実施した。さらに一部の試料については常圧にて窒
素ガス気流中、表1に示す条件で熱処理を実施し焼結体
を得た。
いては炭化珪素質の匣鉢に入れて、組成変動を少なくす
るために、雰囲気を制御し10気圧あるいは50気圧の
窒素ガス気流中、1850℃、4時間の条件で焼成し
た。さらに一部の試料は表1に示す条件で冷却中に熱処
理を実施した。さらに一部の試料については常圧にて窒
素ガス気流中、表1に示す条件で熱処理を実施し焼結体
を得た。
【0027】なお、No.5については焼成後の冷却過程
で熱処理し、その他は一旦室温まで冷却した後昇温して
熱処理した。
で熱処理し、その他は一旦室温まで冷却した後昇温して
熱処理した。
【0028】試料No.14〜No.20の成形体について
は、シ−ルHIP法にて焼結体を作製した。具体的に
は、まず、焼成に先立ち、前述した方法で得た成形体に
対して、焼成工程においてシ−ルHIP材であるガラス
等との反応を防止することを目的として、BN粉末等の
ガラスと濡れ性の悪い粉末をスラリ−化して成形体に塗
布するか、または上記スラリ−をスプレ−塗布する。次
に、BNが塗布された成形体をガラス製カプセルに封入
し、HIP法にて1700℃、1時間の条件で焼結体を
作製した。一部の試料については常圧にて窒素ガス気流
中表1に示す条件で熱処理を実施し焼結体を得た。
は、シ−ルHIP法にて焼結体を作製した。具体的に
は、まず、焼成に先立ち、前述した方法で得た成形体に
対して、焼成工程においてシ−ルHIP材であるガラス
等との反応を防止することを目的として、BN粉末等の
ガラスと濡れ性の悪い粉末をスラリ−化して成形体に塗
布するか、または上記スラリ−をスプレ−塗布する。次
に、BNが塗布された成形体をガラス製カプセルに封入
し、HIP法にて1700℃、1時間の条件で焼結体を
作製した。一部の試料については常圧にて窒素ガス気流
中表1に示す条件で熱処理を実施し焼結体を得た。
【0029】得られた焼結体をJIS−R1601にて
指定されている形状まで研磨し試料を作製した。この試
料についてアルキメデス法に基づく比重測定、JIS−
R1601に基づく室温および1000℃での4点曲げ
抗折強度試験を実施した。また、試料を900℃空気
中、または1400℃空気中に100時間暴露し、重量
増加量と試料の表面積から単位表面積当たりの重量変化
を求めた。焼結体組成は、試料を粉砕し、酸素量は最終
的にCO2 に変換して赤外線吸収法で定量し、窒素量は
熱伝導度測定により、珪素、周期律表第3a族元素は発
光分光分析により求めた。また、焼結体中の粒界3重点
における、窒化珪素結晶とRE2 Si2 O7 結晶界面に
存在するアモルファス層の平均厚みは、焼結体から薄片
を切出し、アトムシニング後、透過電子顕微鏡を用いて
測定した。結果は表2に示した。
指定されている形状まで研磨し試料を作製した。この試
料についてアルキメデス法に基づく比重測定、JIS−
R1601に基づく室温および1000℃での4点曲げ
抗折強度試験を実施した。また、試料を900℃空気
中、または1400℃空気中に100時間暴露し、重量
増加量と試料の表面積から単位表面積当たりの重量変化
を求めた。焼結体組成は、試料を粉砕し、酸素量は最終
的にCO2 に変換して赤外線吸収法で定量し、窒素量は
熱伝導度測定により、珪素、周期律表第3a族元素は発
光分光分析により求めた。また、焼結体中の粒界3重点
における、窒化珪素結晶とRE2 Si2 O7 結晶界面に
存在するアモルファス層の平均厚みは、焼結体から薄片
を切出し、アトムシニング後、透過電子顕微鏡を用いて
測定した。結果は表2に示した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】表1および表2の結果によると、SiO2
/RE2O3 のモル比が2未満の試料No.1は緻密化不
足であり、これを焼成温度を上昇させ緻密化させたNo.
12、No.13では、粒界はYAM相が主として析出し
たが、いずれも強度及び耐酸化特性に劣っていた。同様
にSiO2 /RE2 O3 が2未満の試料No.2、No.
3、No.14、No.15は、粒界にYAMあるいはアパ
タイト相の析出が認められたが、いずれも耐酸化性に劣
るものであった。組成上、SiO2 /RE2 O3 が2以
上でも粒界相にRE2 Si2 O7 に結晶化していない試
料No.4、No.7、No.16の試料は高温強度が劣化し
ていた。粒界相にRE2 Si2 O7 が析出していても粒
界3重点における窒化ケイ素結晶とRE2 Si2O7 結
晶間のアモルファス相の厚みが8nmのNo.8の試料
は高温強度が劣化していた。
/RE2O3 のモル比が2未満の試料No.1は緻密化不
足であり、これを焼成温度を上昇させ緻密化させたNo.
12、No.13では、粒界はYAM相が主として析出し
たが、いずれも強度及び耐酸化特性に劣っていた。同様
にSiO2 /RE2 O3 が2未満の試料No.2、No.
3、No.14、No.15は、粒界にYAMあるいはアパ
タイト相の析出が認められたが、いずれも耐酸化性に劣
るものであった。組成上、SiO2 /RE2 O3 が2以
上でも粒界相にRE2 Si2 O7 に結晶化していない試
料No.4、No.7、No.16の試料は高温強度が劣化し
ていた。粒界相にRE2 Si2 O7 が析出していても粒
界3重点における窒化ケイ素結晶とRE2 Si2O7 結
晶間のアモルファス相の厚みが8nmのNo.8の試料
は高温強度が劣化していた。
【0033】また、周期律表第3a族元素酸化物と酸化
珪素の合計量が3モル%より少ない試料No.21では緻
密化されず、10モル%を越えた試料No.22では強度
が低いものであった。
珪素の合計量が3モル%より少ない試料No.21では緻
密化されず、10モル%を越えた試料No.22では強度
が低いものであった。
【0034】これらの比較例に対し、その他の試料は、
いずれも粒界にRE2 Si2 O7 、あるいはRE2 Si
2 O7 とわずかにSi2 N2 Oの析出が認められ、また
粒界のアモルファス層の厚みが5nm以下であり、いず
れも優れた抗折強度、耐酸化特性を示していた。
いずれも粒界にRE2 Si2 O7 、あるいはRE2 Si
2 O7 とわずかにSi2 N2 Oの析出が認められ、また
粒界のアモルファス層の厚みが5nm以下であり、いず
れも優れた抗折強度、耐酸化特性を示していた。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
粒界に特定の結晶相を析出させるとともに、粒界のアモ
ルファス層を薄くすることにより、室温から高温におけ
る強度劣化を小さくすることができるとともに室温から
高温までの優れた耐酸化性を付与することができる。
粒界に特定の結晶相を析出させるとともに、粒界のアモ
ルファス層を薄くすることにより、室温から高温におけ
る強度劣化を小さくすることができるとともに室温から
高温までの優れた耐酸化性を付与することができる。
【図1】本発明の焼結体の組織を説明するための図であ
る。
る。
1 窒化珪素結晶粒子 2 粒界3重点 3 RE2 Si2 O7 結晶相 4 アモルファス層
Claims (1)
- 【請求項1】窒化珪素70〜97モル%と、周期律表第
3a族元素酸化物および酸化珪素が合量で3〜30モル
%で、且つ酸化珪素の周期律表第3a族元素酸化物に対
するモル比が2以上の組成からなる成形体を非酸化性雰
囲気中で焼成した後、前記焼結体の粒界に生成している
ガラスの軟化温度Tgと、RE2 Si2 O7 結晶への結
晶化温度Tcの間で一旦保持した後、前記結晶化温度T
cと、窒化珪素結晶とRE2 Si2 O7 結晶の共晶温度
Teの間で保持することを特徴とする窒化珪素質焼結体
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3315073A JP3034106B2 (ja) | 1991-11-29 | 1991-11-29 | 窒化珪素質焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3315073A JP3034106B2 (ja) | 1991-11-29 | 1991-11-29 | 窒化珪素質焼結体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05148027A JPH05148027A (ja) | 1993-06-15 |
JP3034106B2 true JP3034106B2 (ja) | 2000-04-17 |
Family
ID=18061095
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3315073A Expired - Fee Related JP3034106B2 (ja) | 1991-11-29 | 1991-11-29 | 窒化珪素質焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3034106B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH092878A (ja) * | 1995-02-08 | 1997-01-07 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 窒化ケイ素系焼結体及びその製造方法 |
JP3810236B2 (ja) * | 1999-09-27 | 2006-08-16 | 京セラ株式会社 | 窒化珪素質焼結体及びその製造方法 |
-
1991
- 1991-11-29 JP JP3315073A patent/JP3034106B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05148027A (ja) | 1993-06-15 |
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---|---|---|---|
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