JPH0672197A - 座席装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】運転者が長時間着座して運転操作をするような
場合でも、疲れにくく脊椎に負担を与えない安定した着
座感を得ることができるようにした座席装置を提供する
こと。 【構成】ソーラックス調節機構３０の中背調節部３３の
駆動手段３５によって、センタバック部１２が背面位置
より相対的に後ろに引っ込むよう変位させると、それに
連動して、上背調節部３１によりアッパバック部１１が
運転者の背中を相対的に前に出すよう変位するととも
に、尻調節部３７によりロアバック部１３が前進して、
運転者の尻を後方から保持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車の運転者の脊椎
に負担を与えないソーラックスサポート姿勢に調整可能
な座席装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】着席者の脊椎に負担を与えない安定した
着座感を与えるための座席の形状については従来多くの
研究がなされている。図７に示すように、直立している
ときの人Ｍの背中は腰の上後部が中に入ったいわゆるＳ
字形をしている。この姿勢を保つのが一番自然で背骨に
無理がかからないと考え、図８に示すように、座席１に
腰の後ろを前に押し込むように保持するランバーサポー
ト２を設けるものが一般的であり、しかも、それだけが
快適さを生み疲労も少ないものと信じられていた。

【０００３】そして、このような考え方を基本にしたう
えで、着席者の姿勢にできるだけの自由度を与えようと
して、例えば、特開昭５９−１６８８１６号公報，実開
昭６２−１５９７６４号公報などの各種の座席装置が提
案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発明者
らの研究によれば、このような従来の技術は、単に着座
しているだけの静的な観察に偏した理論であって、着座
している運転者が自動車を運転するような動的な状況に
対しては必ずしも適応できるものではないことが判明し
た。

【０００５】すなわち、運転者はハンドルホイールを掴
んで操作する関係上、図９において矢印で示すように上
体を起すのが一般的であり、そうすると運転者はいわゆ
る猫背になり、腰を固定したままで猫背になると腹部が
圧迫されて苦しいので、尻を前に出すいわゆる尻ずれ現
象が生じて、尻の後ろがシートバックから離れてしま
い、ランバーサポート２に対してはかえって体が強く当
りすぎて背骨を圧迫することになるという不具合があっ
た。

【０００６】このように、直立しているときの人Ｍの背
中をＳ字形に保とうとする前記理論では、運転者の場
合、かえって体が支持されず不安定になったり、従来か
らあるランバーサポートが逆効果になったりして、背骨
を自然な状態で支持し安定した着座感を得たうえで運転
をすることができず、長時間の運転では疲れやすいとい
う問題点があった。

【０００７】本発明は、このような従来の技術が有する
問題点に着目してなされたもので、運転者が長時間着座
して運転操作をするような場合でも、背骨に無理がかか
らず、安定した着座感があって疲れにくい座席装置を提
供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】発明者らの研究調査によ
れば、運転者が長時間にわたり運転姿勢を取るような場
合背中を丸め、尻を前に少しずらした姿勢が最も背骨に
無理がかからず自然であるという検証が得られている。
すなわち、着座感は人により相違するとともに、時間的
な要因もあり、最初に脊椎に負担がかからず快適でもそ
の快適性が持続するとは限らず、長時間の運転というこ
とを条件とした場合、前記旧理論では運転者は必ずしも
快適ではなく、不自然な姿勢が長時間続くことにより疲
労を蓄積するものである。

【０００９】そこで、運転者はどのような姿勢が自然で
背骨に無理がかからないかを研究した結果、着座者の脊
椎の曲線を示す図５に示すように、ヒップポイントＣが
図示した位置にある場合、上部では範囲Ａに示すように
上体を起して猫背になり、下部では範囲Ｂに示すように
尻を前に出しずらした状態が脊椎に負担がかからず快適
であり、この状態になるように人Ｍを図９のように保持
するのが最も疲労しにくい姿勢であるとの結論を得、こ
の状態をソーラックスサポート姿勢と呼ぶことにした。

【００１０】なお、図５に示す着座者の脊椎の曲線は、
最も一般的に使用される確率の高い角度のシートバック
の角度線Ｄの場合を示し、ハッチして示した範囲Ａ，Ｂ
はソーラックスサポート姿勢の範囲を示している。縦
軸，横軸の目盛りは５０mmである。この曲線はもっとも
使われやすいシートバックの角度での曲線を示してい
る。

【００１１】実際の使用状態では、シートバックの角度
は垂直から２０度〜４５度程度の範囲で使用され、図５
の状態よりシートバックが倒れた場合、ソーラックスサ
ポート姿勢の範囲は、上部ではより起き上がった状態に
なり、下部ではより突出した状態になり、図５の状態よ
りシートバックが起きた場合はこの逆となる。

【００１２】かかる結論に依り、前記目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、自動車の運転者の脊
椎に負担を与えないソーラックスサポート姿勢に調整可
能な座席装置であって、シートバック（１０）のクッシ
ョン体（１０ａ）は、運転者の背中の上部が当接するア
ッパバック部（１１）と、運転者の尻の後ろに対応した
ロアバック部（１３）と、前記アッパバック部（１１）
とロアバック部（１３）との間のセンタバック部（１
２）とから成り、前記クッション体（１０ａ）に内蔵さ
れるバックフレーム（２０）に、クッション体（１０
ａ）を変位させるソーラックス調節機構（３０）を設
け、該ソーラックス調節機構（３０）は、前記アッパバ
ック部（１１）の裏側に設けた上背調節部（３１）と、
前記センタバック部（１２）の裏側に設けた中背調節部
（３３）と、前記ロアバック部（１３）の裏側に設けた
尻調節部（３７）とより成り、前記上背調節部（３１）
は、前記バックフレーム（２０）に上部枢軸（２４）を
横設し、前記アッパバック部（１１）が運転者の背中を
背面位置より相対的に前に出すよう変位させ、該アッパ
バック部（１１）をソーラックスサポート姿勢にさせる
位置に傾動可能な上背サポートパネル（３２）を該上部
枢軸（２４）に枢着して成り、前記尻調節部（３７）
は、前記上部枢軸（２４）の下方に下部枢軸（２５）を
横設し、ソーラックスサポート姿勢を取るとき、前記ロ
アバック部（１３）を相対的に前に出すよう変位させ、
運転者の尻を後方から保持するよう傾動可能な尻サポー
トパネル（３８）（３８）を該下部枢軸（２５）に枢着
して成り、前記中背調節部（３３）は、前記上背サポー
トパネル（３２）の下端と前記尻サポートパネル（３
８）の上端とに、中背サポートパネル（３４）の上下端
を互いに回動可能に連結し、該中背サポートパネル（３
４）とバックフレーム（２０）との間に、中背サポート
パネル（３４）を前後方向に進退させて、前記上背サポ
ートパネル（３２）と尻サポートパネル（３８）とを連
動してソーラックスサポート姿勢に調整する駆動手段
（３５）を設けて成ることを特徴とする座席装置に存す
る。

【００１３】

【作用】自動車の運転者は、ソーラックス調節機構（３
０）を操作しシートバック（１０）を変位させてソーラ
ックスサポート姿勢に調整し、駆動手段（３５）により
中背サポートパネル（３４）を後退させた状態で支持
し、中背サポートパネル（３４）に連動する上背サポー
トパネル（３２）及び尻サポートパネル（３８）のそれ
ぞれの傾動を抑えて当該状態に保持し、長時間座っても
脊椎に負担を与えない安定した着座感を得ることができ
る。

【００１４】運転者の背中の略中央部が当接するセンタ
バック部（１２）の裏側に設けた中背調節部（３３）で
は、駆動手段（３５）により中背サポートパネル（３
４）の前後位置を後退させると、中背サポートパネル
（３４）により保持されたセンタバック部（１２）が相
対的にやや後に引っ込むよう変位する。

【００１５】センタバック部（１２）の後退とともに、
アッパバック部（１１）の裏側に設けた上背調節部（３
１）では、中背サポートパネル（３４）の上端に連結し
てある上背サポートパネル（３２）が上部枢軸（２４）
を中心にして、中背サポートパネル（３４）の後退に同
調して傾動し、アッパバック部（１１）が背面位置より
相対的に前に出るようクッション体（１０ａ）が変位
し、該クッション体（１０ａ）のアッパバック部（１
１）をソーラックスサポート姿勢にする。

【００１６】また、ロアバック部（１３）の裏側に設け
た尻調節部（３７）でも、中背サポートパネル（３４）
の下端に連結してある尻サポートパネル（３８）が下部
枢軸（２５）を中心にして、中背サポートパネル（３
４）の後退に同調して傾動し、尻に対応するクッション
体（１０ａ）のロアバック部（１３）を、センタバック
部（１２）の背面位置より相対的に前方に変位させ、運
転者の尻を後方から保持するソーラックスサポート姿勢
にする。

【００１７】シートバック（１０）のクッション体（１
０ａ）は、中背調節部（３３）の駆動手段（３５）を作
動させない限りその状態を保持する。従って、クッショ
ン体（１０ａ）が運転者の背面及び尻を保持し、運転者
はソーラックスサポート姿勢で快適に着座して自動車を
運転することができる。

【００１８】

【実施例】以下、図面に基づき本発明の各種実施例を説
明する。図１〜図３は本発明の第１実施例を示してい
る。図１に示すように、本実施例の座席装置１は、シー
トバック１０のクッション体１０ａに内蔵したバックフ
レーム２０にソーラックス調節機構３０を設け、かかる
ソーラックス調節機構３０によって、自動車の運転者の
脊椎に負担を与えない安定した着座感を与える図５及び
図６に示したソーラックスサポート姿勢に調整可能なも
のである。

【００１９】シートバック１０を構成するクッション体
１０ａは、運転者の背中の上部が当接するアッパバック
部１１と、運転者の尻の後ろに対応したロアバック部１
３と、アッパバック部１１とロアバック部１３との間の
センタバック部１２とから成る。クッション体１０ａ
は、例えばウレタンフォーム等から一体的に発泡成形さ
れたものである。クッション体１０ａに内蔵されるバッ
クフレーム２０は、両側のサイド部２１，２１と、両サ
イド部２１，２１の各上端間を結ぶアッパ部２３とから
成る。各サイド部２１の下端は、リクライニング装置を
構成するベースブラケット２８を介して、クッションフ
レーム４０の後端に固着されている。また、アッパ部２
３には、ヘッドレスト１４を支持する一対のステー部材
１５，１５を保持するためのホルダ部材２７，２７が固
着されている。

【００２０】各サイド部２１の上下端には、それぞれ支
持ブラケット２２，２２ａが一体的に設けられている。
両サイド部２１，２１の上端の支持ブラケット２２，２
２には、ソーラックス調節機構３０を構成する上部枢軸
２４が横設された状態に枢支されており、一方、両サイ
ド部２１，２１の下端の支持ブラケット２２ａ，２２ａ
には、同じくソーラックス調節機構３０を構成する下部
枢軸２５が同様に枢支されている。

【００２１】ソーラックス調節機構３０は、アッパバッ
ク部１１の裏側に設けた上背調節部３１と、センタバッ
ク部１２の裏側に位置するバックフレーム２０に設けた
中背調節部３３と、ロアバック部１３の裏側に設けた尻
調節部３７とにより構成されている。

【００２２】図２及び図３に示すように、上背調節部３
１は、バックフレーム２０に横設した上部枢軸２４と、
上部枢軸２４に上端縁を巻き込むようにして枢着した上
背サポートパネル３２とを具備して成る。

【００２３】上背サポートパネル３２は、上部枢軸２４
を回動中心として下端側が後方に傾動するように設けら
れており、上背サポートパネル３２の下端縁の両端には
中背調節部３３の中背サポートパネル３４の上端縁に相
互に回動可能に連結するための取付部３２ａ，３２ａが
設けられている。各取付部３２ａには上下方向に延びる
ガイド溝３２ｂが穿設されている。

【００２４】このような上背サポートパネル３２は、そ
の傾動とともに、クッション体１０ａのアッパバック部
１１をセンタバック部１２の背面より相対的に前方へ膨
出するよう変位させて、ソーラックスサポート姿勢にさ
せるものである。この場合、上背サポートパネル３２の
傾動角度の範囲は、図５及び図６に示したソーラックス
サポート姿勢を形成するように設定されることが好まし
い。

【００２５】図２及び図３に示すように、尻調節部３７
は、バックフレーム２０に横設した下部枢軸２５と、下
部枢軸２５に下端縁を巻き込むようにして枢着した尻サ
ポートパネル３８とを具備して成る。

【００２６】尻サポートパネル３８は、下部枢軸２５を
回動中心として上端側が後方に傾動可能に設けられてお
り、尻サポートパネル３８の上端縁の両端には中背調節
部３３の中背サポートパネル３４の下端縁に相互に回動
可能に連結するための取付部３８ａ，３８ａが設けられ
ている。各取付部３８ａには上下方向に延びるガイド溝
３８ｂが穿設されている。

【００２７】このような尻サポートパネル３８は、その
傾動とともに、クッション体１０ａのロアバック部１１
をセンタバック部１２の背面より相対的に前方へ膨出す
るよう変位させて、ソーラックスサポート姿勢にさせる
ものである。この場合、尻サポートパネル３８の傾動角
度の範囲は、上背サポートパネル３２と同様に図５及び
図６に示したソーラックスサポート姿勢を形成するよう
に設定されることが好ましい。

【００２８】上背調節部３１と尻調節部３７との間に設
けられた中背調節部３３は、センタバック部１２の裏側
に配した中背サポートパネル３４と、中背サポートパネ
ル３４とバックフレーム２０との間に介装した駆動手段
であるエアーマット３５とを具備して成る。

【００２９】中背サポートパネル３４の上下端縁には、
それぞれ枢軸部材３６，３６が固設されている。中背サ
ポートパネル３４の上端に固設した枢軸部材３６の両端
は、上背サポートパネル３２の下端縁に設けた取付部３
２ａのガイド溝３２ｂに、相対的に回動かつ移動可能に
嵌合している。

【００３０】一方、中背サポートパネル３４の下端に固
設した枢軸部材３６の両端は、それぞれ尻サポートパネ
ル３８の上端縁に設けられた取付部３８ａのガイド溝３
８ｂに相対的に回動しつつ移動可能に嵌合している。こ
のようにして、中背サポートパネル３４の上下端は、上
背サポートパネル３２の下端と、尻サポートパネル３８
の上端とに互いに回動可能に連結されている。

【００３１】図２に示すように、駆動手段であるエアー
マット３５は、前後方向に蛇腹状に伸縮可能に形成され
ており、その内部に空気を封入すると、前後方向に延び
るように膨らみ、その膨らみ具合により、中背サポート
パネル３４を前後方向に進退させて、それにより、図３
に示すように、上背サポートパネル３２と尻サポートパ
ネル３８とを連動してソーラックスサポート姿勢に調整
するものである。

【００３２】エアーマット３５の正面側は、中背サポー
トパネル３４の裏面に当接しており、エアーマット３５
の裏面側は、バックフレーム２０の両サイド部２１，２
１間に架設された背面パネル（図示せず）に止着されて
いる。なお、エアーマット３５には、図示省略したが空
気圧を調整するための空気封入兼排出口が設けられてい
る。

【００３３】また、図２及び図３に示すように、バック
フレーム２０のサイド部２１の上側の支持ブラケット２
２には、ソーラックスセンサ５０が設けられている。ソ
ーラックスセンサ５０は、アッパバック部１１がソーラ
ックスサポート姿勢を形作る範囲に移動したことを、上
背サポートパネル３２の傾動位置を検出することにより
検知するセンサであり、具体的には、それぞれ例えばリ
ミットスイッチを使用することができる。

【００３４】次に第１実施例の作用を説明する。図１に
示すように、自動車の運転者は、着座した際にソーラッ
クス調節機構３０を操作し、シートバック１０のクッシ
ョン体１０ａを変位させてソーラックスサポート姿勢に
調整することができる。すなわち、ソーラックス調節機
構３０を構成する中背調節部３３のエアーマット３５に
より中背サポートパネル３４を後退させた状態で支持
し、中背サポートパネル３４に連動する上背サポートパ
ネル３２及び尻サポートパネル３８のそれぞれの傾動を
抑えて当該状態に保持し、長時間座っても脊椎に負担を
与えない安定した着座感を得ることができる。

【００３５】図２に示すように、ソーラックス調整前
は、ソーラックス調節機構３０の中上背調節部３３で
は、エアーマット３５は空気が充分に封入されて膨らん
だ状態にあり、その空気圧により、中背サポートパネル
３４を前方へ押出すようにして保持している。この場
合、クッション体１０ａのアッパバック部１１と、セン
タバック部１２と、ロアバック部１３のそれぞれの背面
はほぼ同一平面上にあり、かかる背面の傾きは、図５に
示す角度線Ｄの傾きと一致している。

【００３６】図２に示した状態のシートバック２０をソ
ーラックスサポート姿勢に調整するには、まず、中背調
節部３３を構成するエアーマット３５から空気を排出し
つつしぼます。それにより、図３に示すように、エアー
マット３５によって前方に押出されていた中背サポート
パネル３４が後退し、中背サポートパネル３４により保
持されたセンタバック部１２が相対的にやや後に引っ込
むよう変位する。

【００３７】センタバック部１２の後退とともに、アッ
パバック部１１の裏側に設けた上背調節部３１では、中
背サポートパネル３４の上端に連結してある上背サポー
トパネル３２が上部枢軸２４を中心にして、中背サポー
トパネル３４の後退に同調して傾動する。このとき、中
背サポートパネル３４の上端に固設した枢軸部材３６の
両端は、上背サポートパネル３２の下端縁に設けた取付
部３２ａのガイド溝３２ｂ内を移動しつつ相対的に回動
する。

【００３８】それにより、図３に示すように、アッパバ
ック部１１がセンタバック部１２の背面位置より相対的
に前方に膨出するように変位して、クッション体１０ａ
のアッパバック部１１がソーラックスサポート姿勢にな
る。しかも、この際、ソーラックスサポート姿勢を形づ
くる位置にアッパバック部１１が移動したときには、上
背サポートパネル３２がソーラックスセンサ５０の検出
範囲に揺動しており、ソーラックスセンサ５０から信号
が出力されるので、この信号に基づき運転者等に適当な
表示を行なえば、運転者等はソーラックス姿勢になって
いることを客観的に判断することができる。それによ
り、運転者の不慣れや錯覚等によりソーラックスサポー
ト姿勢に調整されないといった不具合が排除され、確実
にソーラックスサポート姿勢への調整が行なわれる。

【００３９】また、ロアバック部１３の裏側に設けた尻
調節部３７でも、中背サポートパネル３４の下端に連結
してある尻サポートパネル３８が下部枢軸２５を中心に
して、中背サポートパネル３４の後退に同調して傾動す
る。このとき、中背サポートパネル３４の下端に固設し
た枢軸部材３６の両端は、尻サポートパネル３８の上端
縁に設けた取付部３８ａのガイド溝３８ｂ内を移動しつ
つ相対的に回動する。

【００４０】それにより、図３に示すように、尻に対応
するクッション体１０ａのロアバック部１３が、センタ
バック部１２の背面位置より相対的に前方に膨出するよ
うに変位して、運転者の尻を後方から保持するソーラッ
クスサポート姿勢となる。

【００４１】ソーラックスサポート姿勢に調整されたシ
ートバック１０のクッション体１０ａは、中背調節部３
３のエアーマット３５に空気を封入しない限りその状態
を保持する。従って、クッション体１０ａが運転者の背
面及び尻を適切に保持し、運転者はソーラックスサポー
ト姿勢で快適に着座して自動車を運転することができ
る。

【００４２】図４は本発明の第２実施例を示している。
本実施例では、中背調節部３３の駆動手段３５ａを、電
動モータ３５ｂと、バックフレーム２０に回転可能に支
持されたスクリュー部材３５ｄと、スクリュー部材３５
ｄに相対的に回転可能に螺合し、中背サポートパネル３
４に固設されたナット部材３５ｅと、電動モータ３５ｂ
の回転力を減速してスクリュー部材３５ｄに伝達するギ
ア装置３５ｃとから構成したものである。それにより、
電動によって簡易に、シートバック１０をソーラックス
サポート姿勢に調節することができる。なお、第１実施
例と同種の部位については同一符号を付して重複した説
明を省略する。

【００４３】なお、上記実施例では、ソーラックスサポ
ート姿勢への調整を確実なものとするために、上述のソ
ーラックスセンサ５０を設けたが、この代りにあるいは
この構成とともに、装置表面の適所にアッパバック部１
１やロアバック部１３の好ましい角度範囲を示す目盛り
又は指示線等を形成してもよい。

【００４４】

【発明の効果】本発明に係る座席装置によれば、ソーラ
ックス調節機構によって、センタバック部を背面位置よ
り相対的に後ろ引っ込むように変位させると、それに連
動して、アッパバック部が運転者の背中を相対的に前に
出すよう変位するとともに、ロアバック部が前進して運
転者の尻を後方から保持するから、自動車の運転者が長
時間座っても疲労が蓄積しないソーラックスサポート姿
勢に簡易に調整することができ、運転者はソーラックス
サポート姿勢で脊椎に負担を与えることなく安定した状
態で着座して自動車を運転することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係る座席装置を示す斜視
図である。

【図２】本発明の第１実施例に係る座席装置を示す側面
図である。

【図３】本発明の第１実施例に係る座席装置を示す作用
説明図である。

【図４】本発明の第２実施例に係る座席装置を示す要部
側面図である。

【図５】ソーラックスサポート姿勢を説明するための図
である。

【図６】ソーラックスサポート姿勢を説明するための図
である。

【図７】直立姿勢における人体の脊椎の状態を説明する
ための図である。

【図８】従来の座席装置におけるサポート姿勢を説明す
るための図である。

【図９】従来の座席装置におけるサポート姿勢を説明す
るための図である。

【符号の説明】

１…座席装置 １０…シートバック １０ａ…クッション体 １１…アッパバック部 １２…センタバック部 １３…ロアバック部 ２０…バックフレーム ２４…上部枢軸 ２５…下部枢軸 ３０…ソーラックス調節機構 ３１…上背調節部 ３２…上背サポートパネル ３３…中背調節部 ３４…中背サポートパネル ３５…エアーマット（駆動手段） ３７…尻調節部 ３８…尻サポートパネル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】自動車の脊椎に負担を与えないソーラック
   スサポート姿勢に調整可能な座席装置であって、 シートバックのクッション体は、運転者の背中の上部が
   当接するアッパバック部と、運転者の尻の後ろに対応し
   たロアバック部と、前記アッパバック部とロアバック部
   との間のセンタバック部とから成り、 前記クッション体に内蔵されるバックフレームに、クッ
   ション体を変位させるソーラックス調節機構を設け、該
   ソーラックス調節機構は、前記アッパバック部の裏側に
   設けた上背調節部と、前記センタバック部の裏側に設け
   た中背調節部と、前記ロアバック部の裏側に設けた尻調
   節部とより成り、 前記上背調節部は、前記バックフレームに上部枢軸を横
   設し、前記アッパバック部が運転者の背中を背面位置よ
   り相対的に前に出すよう変位させ、該アッパバック部を
   ソーラックスサポート姿勢にさせる位置に傾動可能な上
   背サポートパネルを該上部枢軸に枢着して成り、 前記尻調節部は、前記上部枢軸の下方に下部枢軸を横設
   し、ソーラックスサポート姿勢を取るとき、前記ロアバ
   ック部を相対的に前に出すよう変位させ、運転者の尻を
   後方から保持するよう傾動可能な尻サポートパネルを該
   下部枢軸に枢着して成り、 前記中背調節部は、前記上背サポートパネルの下端と前
   記尻サポートパネルの上端とに、中背サポートパネルの
   上下端を互いに回動可能に連結し、該中背サポートパネ
   ルとバックフレームとの間に、中背サポートパネルを前
   後方向に進退させて、前記上背サポートパネルと尻サポ
   ートパネルとを連動してソーラックスサポート姿勢に調
   整する駆動手段を設けて成ることを特徴とする座席装
   置。