JPH0672049B2 - ボンディングキャピラリおよび光コネクタ用部品 - Google Patents
ボンディングキャピラリおよび光コネクタ用部品Info
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- Wire Bonding (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明はLSIやICなどの半導体製造装置のワイヤボンデ
ィングに使用するボンディングキャピラリおよび光ファ
イバを接続する光コネクタ用部品に係り、特に高靭性で
過酷な使用環境にも充分耐え、寿命の長いボンディング
キャピラリおよび光コネクタ用部品に関する。
ィングに使用するボンディングキャピラリおよび光ファ
イバを接続する光コネクタ用部品に係り、特に高靭性で
過酷な使用環境にも充分耐え、寿命の長いボンディング
キャピラリおよび光コネクタ用部品に関する。
(従来の技術) 半導体製造装置のボンディングキャピラリや光ファイバ
を接続する光コネクタ用部品など、繰り返して荷重を受
ける精密部品には、特に機械的強度が優れた材料が使用
されている。以下半導体製造装置のボンディングキャピ
ラリおよび光コネクタ用部品を例にとって説明する。
を接続する光コネクタ用部品など、繰り返して荷重を受
ける精密部品には、特に機械的強度が優れた材料が使用
されている。以下半導体製造装置のボンディングキャピ
ラリおよび光コネクタ用部品を例にとって説明する。
電子部品として多用されているICは、通常、リードフレ
ーム、ICチップ、パッケージから構成されており、ICチ
ップとリードフレームとは直径が0.015mm〜0.1mm程度の
細い金(Au)ワイヤによってボンディングされている。
このワイヤボンディング工程は、Auワイヤをキャピラリ
(細管)の先端から送出しながら、キャピラリをリード
フレームとICの所定位置に交互に圧着させ、ワイヤをリ
ードフレームやICチップ上に融着させることにより行な
われる。このキャピラリの圧着は機械的かつ高速に行な
われるため、キャピラリはリードフレーム等に強く打ち
つけられる。またキャピラリは、リードフレームに打ち
つけられて瞬間的に約1000℃の高温度に達することがあ
る。したがって、キャピラリの所要特性として耐衝撃性
および耐熱性が要求される。
ーム、ICチップ、パッケージから構成されており、ICチ
ップとリードフレームとは直径が0.015mm〜0.1mm程度の
細い金(Au)ワイヤによってボンディングされている。
このワイヤボンディング工程は、Auワイヤをキャピラリ
(細管)の先端から送出しながら、キャピラリをリード
フレームとICの所定位置に交互に圧着させ、ワイヤをリ
ードフレームやICチップ上に融着させることにより行な
われる。このキャピラリの圧着は機械的かつ高速に行な
われるため、キャピラリはリードフレーム等に強く打ち
つけられる。またキャピラリは、リードフレームに打ち
つけられて瞬間的に約1000℃の高温度に達することがあ
る。したがって、キャピラリの所要特性として耐衝撃性
および耐熱性が要求される。
このキャピラリの材質としては、当初ガラスや超硬質材
を用いていたが、耐摩耗性等の点から、最近はアルミナ
(Al2O3)多結晶セラミック製のものや、アルミナを原料
にし、単結晶としたルビー、サファイアなどで形成した
ものが広く用いられてきた。
を用いていたが、耐摩耗性等の点から、最近はアルミナ
(Al2O3)多結晶セラミック製のものや、アルミナを原料
にし、単結晶としたルビー、サファイアなどで形成した
ものが広く用いられてきた。
特に低コストで経済的なアルミナ多結晶セラミック製キ
ャピラリが最も多く使用されていた。そのキャピラリ1
の先端部付近の外形は、第2図に示す如く、先端1aに向
って漸次先細りするような形状をなし、Au線2を先端に
送出する直径0.025mm〜0.1mm程度の細孔3を備えてい
る。
ャピラリが最も多く使用されていた。そのキャピラリ1
の先端部付近の外形は、第2図に示す如く、先端1aに向
って漸次先細りするような形状をなし、Au線2を先端に
送出する直径0.025mm〜0.1mm程度の細孔3を備えてい
る。
一方、光コネクタ部品を有する製品例としては、第3図
および第4図に示す光コネクタ10a,10bがある。第3図
に示す光コネクタ10aは、軸方向に内径0.1〜0.15mm程度
の細孔11aを穿設した光コネクタ用部品(フェルール)1
2aを、例えばステンレス鋼から成る筒状の支持体13a内
に嵌挿し、さらに上記細孔11aに直径0.1〜0.15mm程度の
光ファイバ14を挿通せしめて構成されている。また第4
図に示す光コネクタ10bは、軸方向に細孔11bを穿設した
光コネクタ用部品(フェルール)12bの一端部のみを支
持体13b内に嵌挿し、さらに上記細孔11bに光ファイバ14
を挿通せしめて構成される。上記光コネクタ用部品(フ
ェルール)12a,12bの構成材料としては、超硬材料やア
ルミナセラミックス等が使用されていた。
および第4図に示す光コネクタ10a,10bがある。第3図
に示す光コネクタ10aは、軸方向に内径0.1〜0.15mm程度
の細孔11aを穿設した光コネクタ用部品(フェルール)1
2aを、例えばステンレス鋼から成る筒状の支持体13a内
に嵌挿し、さらに上記細孔11aに直径0.1〜0.15mm程度の
光ファイバ14を挿通せしめて構成されている。また第4
図に示す光コネクタ10bは、軸方向に細孔11bを穿設した
光コネクタ用部品(フェルール)12bの一端部のみを支
持体13b内に嵌挿し、さらに上記細孔11bに光ファイバ14
を挿通せしめて構成される。上記光コネクタ用部品(フ
ェルール)12a,12bの構成材料としては、超硬材料やア
ルミナセラミックス等が使用されていた。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、前記ワイヤボンディング工程において
は、近年、ICチップの高集積化および小型化に伴い、ワ
イヤ自体も細くして高密度でワイヤボンディングするこ
とが求められている。したがって、キャピラリそのもの
も先端部付近の外径および孔径の小さなものが必要とさ
れている。従来、キャピラリの先端外径は200μm位で
あったが、現在では50μm程度の微細なキャピラリが求
められている。
は、近年、ICチップの高集積化および小型化に伴い、ワ
イヤ自体も細くして高密度でワイヤボンディングするこ
とが求められている。したがって、キャピラリそのもの
も先端部付近の外径および孔径の小さなものが必要とさ
れている。従来、キャピラリの先端外径は200μm位で
あったが、現在では50μm程度の微細なキャピラリが求
められている。
この要求に応えるため、従来キャピラリ材として用いら
れていたAl2O3系やセラミックスを用いて、形状は従来
と同様の形状にし、キャピラリ先端外径を50μmとした
キャピラリを製造した場合、次のような問題点が生ず
る。つまり、たしかに従来より外径の小さなキャピラリ
が得られるものの、Al2O3の強度不足に基づきキャピラ
リにクラックが発生したりして短期間内に使用に耐え得
なくなり、寿命が短いという問題点がある。
れていたAl2O3系やセラミックスを用いて、形状は従来
と同様の形状にし、キャピラリ先端外径を50μmとした
キャピラリを製造した場合、次のような問題点が生ず
る。つまり、たしかに従来より外径の小さなキャピラリ
が得られるものの、Al2O3の強度不足に基づきキャピラ
リにクラックが発生したりして短期間内に使用に耐え得
なくなり、寿命が短いという問題点がある。
一方、ルビーやサファイアはアルミナ多結晶セラミック
に比べて製造コストが高くなるという欠点がある。
に比べて製造コストが高くなるという欠点がある。
さらにより高い精度でのワイヤボンディングを行なうた
めにキャピラリの先端部の形状については、第2図に示
す円錐台形状のものから第1図に示すようなボトルネッ
ク形状のものが採用されつつある。すなわち、第1図に
示すキャピラリ4の先端部は加工歪を低減し、クラック
の発生を防止するために外表面を内側に湾曲させて形成
される。そのため先端部の外径は従来より大幅に小さく
なり、従来と同一の強度を確保するためには、より靱性
の高い材料で構成する必要がある。その要請に対応する
ものとして、部分安定化ジルコニア(ZrO2)で形成したキ
ャピラリも試用されている。しかしながら部分安定化ジ
ルコニアでボトルネック状に形成したものは成形加工時
または使用時にその先端部に欠けを生じ易く、寿命が短
いという欠点がある。
めにキャピラリの先端部の形状については、第2図に示
す円錐台形状のものから第1図に示すようなボトルネッ
ク形状のものが採用されつつある。すなわち、第1図に
示すキャピラリ4の先端部は加工歪を低減し、クラック
の発生を防止するために外表面を内側に湾曲させて形成
される。そのため先端部の外径は従来より大幅に小さく
なり、従来と同一の強度を確保するためには、より靱性
の高い材料で構成する必要がある。その要請に対応する
ものとして、部分安定化ジルコニア(ZrO2)で形成したキ
ャピラリも試用されている。しかしながら部分安定化ジ
ルコニアでボトルネック状に形成したものは成形加工時
または使用時にその先端部に欠けを生じ易く、寿命が短
いという欠点がある。
一方、超硬材料やアルミナセラミックスで形成した光コ
ネクタ用部品を使用した従来の光コネクタにおいては、
耐摩耗性や靱性が低いため、光コネクタを着脱する際に
作用する衝撃力や摺動作用によって摩耗が急激に進行し
たり、割れやかけが発生し易い難点があった。上記のよ
うな摩耗や割れの発生により、光コネクタ部品の接続端
面15a,15bにおいて、光ファイバ14の中心軸が所定位置
からずれていまうため、接続部において光伝送量が低下
する等の問題も生じていた。
ネクタ用部品を使用した従来の光コネクタにおいては、
耐摩耗性や靱性が低いため、光コネクタを着脱する際に
作用する衝撃力や摺動作用によって摩耗が急激に進行し
たり、割れやかけが発生し易い難点があった。上記のよ
うな摩耗や割れの発生により、光コネクタ部品の接続端
面15a,15bにおいて、光ファイバ14の中心軸が所定位置
からずれていまうため、接続部において光伝送量が低下
する等の問題も生じていた。
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので
あり、機械的強度および靱性が大きく、したがって先端
を細径にすることが可能であり、高密度のワイヤボンデ
ィングを可能とするワイヤボンディングキャピラリと、
割れや欠けの発生が少なく光伝送量の低下が少ない光コ
ネクタ用部品を提供することを目的とする。
あり、機械的強度および靱性が大きく、したがって先端
を細径にすることが可能であり、高密度のワイヤボンデ
ィングを可能とするワイヤボンディングキャピラリと、
割れや欠けの発生が少なく光伝送量の低下が少ない光コ
ネクタ用部品を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段と作用) 本願発明者等は上記目的を達成するため、種々のセラミ
ックス材に関し、調査研究を重ねた結果、重量%で酸化
セリウム(CeO2)を3.0〜20%含有し、残部が実質的に酸
化ジルコニウムから成る部品を形成したときに、高い靱
性有し、細径形状に形成した場合においても優れた強度
を有するボンディングキャピラリや光コネクタ用部品な
どの精密部品が得られた知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。
ックス材に関し、調査研究を重ねた結果、重量%で酸化
セリウム(CeO2)を3.0〜20%含有し、残部が実質的に酸
化ジルコニウムから成る部品を形成したときに、高い靱
性有し、細径形状に形成した場合においても優れた強度
を有するボンディングキャピラリや光コネクタ用部品な
どの精密部品が得られた知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。
すなわち本発明に係るボンディングキャピラリは、キャ
ピラリ本体の先端部に向って外径が急激に減少するよう
なボトルネック形状を有し、上記キャピラリ本体が、重
量パーセントで酸化セリウムを3.0%以上20%以下含有
し、残部が実質的に酸化ジルコニウムから成ることを特
徴とする。
ピラリ本体の先端部に向って外径が急激に減少するよう
なボトルネック形状を有し、上記キャピラリ本体が、重
量パーセントで酸化セリウムを3.0%以上20%以下含有
し、残部が実質的に酸化ジルコニウムから成ることを特
徴とする。
また本発明に係る光コネクタ用部品は、光ファイバを接
続する光コネクタ用部品において、重量パーセントで酸
化セリウムを3.0%以上20%以下含有し、残部が実質的
に酸化ジルコニウムから成ることを特徴とする。
続する光コネクタ用部品において、重量パーセントで酸
化セリウムを3.0%以上20%以下含有し、残部が実質的
に酸化ジルコニウムから成ることを特徴とする。
本発明の対象となるボンディングキャピラリや光コネク
タ用部品などの高靱性精密部品の原料として使用する酸
化セリウムおよび酸化ジルコニウムは粉末として一般に
市販されているものを利用することができる。また酸化
セリウムは3.0〜20重量%含有される。この酸化セリウ
ムは、酸化ジルコニウムを部分的に安定化させる安定化
剤として機能し、精密部品の靱性および強度を高める作
用を有する。しかし酸化セリウムの含有量が3.0%未満
では靱性および強度が不充分となる一方、含有量が20%
を超えると焼結が困難となるため、含有量は3.0〜20%
の範囲内に設定される。
タ用部品などの高靱性精密部品の原料として使用する酸
化セリウムおよび酸化ジルコニウムは粉末として一般に
市販されているものを利用することができる。また酸化
セリウムは3.0〜20重量%含有される。この酸化セリウ
ムは、酸化ジルコニウムを部分的に安定化させる安定化
剤として機能し、精密部品の靱性および強度を高める作
用を有する。しかし酸化セリウムの含有量が3.0%未満
では靱性および強度が不充分となる一方、含有量が20%
を超えると焼結が困難となるため、含有量は3.0〜20%
の範囲内に設定される。
次に本発明の目的とする特性を有するボンディングキャ
ピラリや光コネクタ用部品などの精密部品の製造工程に
ついて、前記のボンディングキャピラリを例にとり説明
する。
ピラリや光コネクタ用部品などの精密部品の製造工程に
ついて、前記のボンディングキャピラリを例にとり説明
する。
すなわち、まず酸化セリウムおよび酸化ジルコニウムの
各原料粉を上記組成となるように秤量しボールミル等で
混合する。原料粉は、いずれもその平均粒径が20〜200
Åのものを用いると焼結後に得られるセラミックスは緻
密で高硬度となるので好ましい。
各原料粉を上記組成となるように秤量しボールミル等で
混合する。原料粉は、いずれもその平均粒径が20〜200
Åのものを用いると焼結後に得られるセラミックスは緻
密で高硬度となるので好ましい。
得られた混合粉は室温下でプレス成形してグリーン成形
体に加工する。このグリーン成形体にとって加工上重要
なことは、この成形体には第1図に示すようにストレー
トな細孔5およびテーパ孔6を粗加工するので、この穿
孔加工時にキャピラリ本体を研削盤等にチャッキングで
きる程度の強度を備えていることである。通常、この強
度を確保するためには成形体の嵩密度を2.8〜4g/cm3に
設定すればよい。このためには加圧成形時のプレス圧を
700〜1000kg/cm2の範囲に設定することが好ましい。
体に加工する。このグリーン成形体にとって加工上重要
なことは、この成形体には第1図に示すようにストレー
トな細孔5およびテーパ孔6を粗加工するので、この穿
孔加工時にキャピラリ本体を研削盤等にチャッキングで
きる程度の強度を備えていることである。通常、この強
度を確保するためには成形体の嵩密度を2.8〜4g/cm3に
設定すればよい。このためには加圧成形時のプレス圧を
700〜1000kg/cm2の範囲に設定することが好ましい。
穿孔加工を終了した後、この成形体を所定条件下で焼結
する。このときの焼結条件によって、得られた焼結体の
機械的強度、硬度などの特性は大きく左右される。前述
した特性範囲を発現せしめるためには、例えば焼結温度
1400〜1600℃、焼結時間0.5〜4時間であればよい。
する。このときの焼結条件によって、得られた焼結体の
機械的強度、硬度などの特性は大きく左右される。前述
した特性範囲を発現せしめるためには、例えば焼結温度
1400〜1600℃、焼結時間0.5〜4時間であればよい。
また焼結して形成されたキャピラリは、第2図に示す如
き従来のキャピラリ1のように先端に向って外径が漸次
縮径するような形状ではなく、第1図に示すようにキャ
ピラリ4の外径が所定位置から急激に小さくなるような
形状、いわゆるボトルネック形状を有している。そのた
め、先端部の加工歪の発生が少なく、Au線などのボンデ
ィングワイヤの高精度な圧着が可能となる。
き従来のキャピラリ1のように先端に向って外径が漸次
縮径するような形状ではなく、第1図に示すようにキャ
ピラリ4の外径が所定位置から急激に小さくなるような
形状、いわゆるボトルネック形状を有している。そのた
め、先端部の加工歪の発生が少なく、Au線などのボンデ
ィングワイヤの高精度な圧着が可能となる。
また酸化セリウムの添加により、高靱性を有するセラミ
ツクス材が形成されるため、先端部をボトルネック形状
に微細に形成した場合においても、キャピラリにクラッ
クが発生することは少なく、長期間にわたって安定した
性能を保持することができる。
ツクス材が形成されるため、先端部をボトルネック形状
に微細に形成した場合においても、キャピラリにクラッ
クが発生することは少なく、長期間にわたって安定した
性能を保持することができる。
また、このキャピラリ4が高強度のセラミックスで構成
されるため、同一強度を得る場合には相対的に先端4aの
孔径および外径をさらに小さくすることが可能であり、
最終製品のより高密度化、小型化に充分対応することが
できる。
されるため、同一強度を得る場合には相対的に先端4aの
孔径および外径をさらに小さくすることが可能であり、
最終製品のより高密度化、小型化に充分対応することが
できる。
また上記CeO2およびZrO2から成る二元系セラミックス材
で形成した光コネクタ部品を備える光コネクタによれ
ば、特に高靱性のZrO2にCeO2を添加して靱性および強度
をさらに改善し耐摩耗性を向上せしめているため、光コ
ネクタの着脱時に作用する衝撃力や摺動作用によって、
摩耗が急速に進行したり、割れや欠けが発生することが
少ない。したがって、光ファイバの中心軸が接続部にお
いてずれるおそれも少なく、接続部における光伝送量の
損失が効果的に低減できる。
で形成した光コネクタ部品を備える光コネクタによれ
ば、特に高靱性のZrO2にCeO2を添加して靱性および強度
をさらに改善し耐摩耗性を向上せしめているため、光コ
ネクタの着脱時に作用する衝撃力や摺動作用によって、
摩耗が急速に進行したり、割れや欠けが発生することが
少ない。したがって、光ファイバの中心軸が接続部にお
いてずれるおそれも少なく、接続部における光伝送量の
損失が効果的に低減できる。
本発明は、上記のようにワイヤボンディングキャピラリ
や光コネクタ用部品の他に各種ワイヤガイドなど高靱性
を必要とする部品材料に適用される。しかしながらその
適用範囲は上記の部品に限らず、複雑な形状を有し肉薄
で欠けやクラックが発生し易い全ての精密部品に対して
同様に応用することができる。
や光コネクタ用部品の他に各種ワイヤガイドなど高靱性
を必要とする部品材料に適用される。しかしながらその
適用範囲は上記の部品に限らず、複雑な形状を有し肉薄
で欠けやクラックが発生し易い全ての精密部品に対して
同様に応用することができる。
(実施例) 次に本発明の実施例について添付図面を参照して、より
具体的に説明する。
具体的に説明する。
実施例1〜5 第1図に示すような形状を有し、キャピラリ先端の外径
が70μm、キャピラリ先端の孔径が25μm、外径が急激
に小さくなる前のキャピラリ本体の外径が300μm、ボ
トルネックの先端からの位置が400μm、テーパ孔6の
開度θcが18度、全長11mmのサイズを有するボンディン
グキャピラリを、第1表左欄に示すセラミックス組成の
ように酸化セリウムの含有量を3.5〜20.0%の範囲で変
化させ、残部が酸化ジルコニウム(ZrO2)から成る焼結体
で形成し実施例1〜5とした。
が70μm、キャピラリ先端の孔径が25μm、外径が急激
に小さくなる前のキャピラリ本体の外径が300μm、ボ
トルネックの先端からの位置が400μm、テーパ孔6の
開度θcが18度、全長11mmのサイズを有するボンディン
グキャピラリを、第1表左欄に示すセラミックス組成の
ように酸化セリウムの含有量を3.5〜20.0%の範囲で変
化させ、残部が酸化ジルコニウム(ZrO2)から成る焼結体
で形成し実施例1〜5とした。
得られた各ボンディングキャピラリの機械的強度を評価
するため、曲げ強さと破壊靱性を測定した。また、キャ
ピラリ自体の強度および寿命を調べるため、実際にキャ
ピラリ内にボンディングワイヤを入れて、ワイヤボンデ
ィングを行なって、ボンディングの可能な回数を測定し
た。以上の結果を第1表に示した。また、各実施例のボ
ンディングキャピラリを用いてワイヤボンディングを行
なって接合されたICチップとリードフレームの接合性を
調べたところ両者は良好に接合されていた。
するため、曲げ強さと破壊靱性を測定した。また、キャ
ピラリ自体の強度および寿命を調べるため、実際にキャ
ピラリ内にボンディングワイヤを入れて、ワイヤボンデ
ィングを行なって、ボンディングの可能な回数を測定し
た。以上の結果を第1表に示した。また、各実施例のボ
ンディングキャピラリを用いてワイヤボンディングを行
なって接合されたICチップとリードフレームの接合性を
調べたところ両者は良好に接合されていた。
比較例1〜2 一方、比較例1,2として、酸化セリウム含有量をそれぞ
れ2.0%、23.0%とし、残部を酸化ジルコニウムで調製
した粉末混合体を実施例1〜5と同一形状でかつ同一条
件でキャピラリ焼結体を形成し、同様に機械的特性およ
びボンディング回数を測定した。
れ2.0%、23.0%とし、残部を酸化ジルコニウムで調製
した粉末混合体を実施例1〜5と同一形状でかつ同一条
件でキャピラリ焼結体を形成し、同様に機械的特性およ
びボンディング回数を測定した。
比較例3 また比較例3として、酸化イットリウム(Y2O3)3重量
%、残部が酸化ジルコニウム(ZrO3)から成る焼結体で実
施例1〜5と同一形状および大きさを有するキャピラリ
を製作し、同様に機械的特性およびワイヤボンディング
回数を測定した。
%、残部が酸化ジルコニウム(ZrO3)から成る焼結体で実
施例1〜5と同一形状および大きさを有するキャピラリ
を製作し、同様に機械的特性およびワイヤボンディング
回数を測定した。
比較例4 さらに比較例4として酸化マグネシウム(MgO)0.2重量
%、酸化珪素(SiO2)0.2重量%、残部が酸化アルミニウ
ム(Al2O3)から成るAl2O3系セラミックスを使用し、実施
例1〜5と同一形状および大きさを有するキャピラリを
製作し、同様に特性値を測定した。
%、酸化珪素(SiO2)0.2重量%、残部が酸化アルミニウ
ム(Al2O3)から成るAl2O3系セラミックスを使用し、実施
例1〜5と同一形状および大きさを有するキャピラリを
製作し、同様に特性値を測定した。
以上実施例1〜5および比較例1〜4の測定結果を下記
第1表に示す。
第1表に示す。
第1表に示す結果から明らかなように、本実施例1〜5
に示す酸化セリウム(CeO2)含有量の範囲においては比較
例3,4に示すY2O3を添加したセラミックスあるいは酸化
アルミニウム系のセラミックスで形成したキャピラリと
比べていずれも高い破壊靱性値が得られ、ボンディング
回数も飛躍的に増大する。
に示す酸化セリウム(CeO2)含有量の範囲においては比較
例3,4に示すY2O3を添加したセラミックスあるいは酸化
アルミニウム系のセラミックスで形成したキャピラリと
比べていずれも高い破壊靱性値が得られ、ボンディング
回数も飛躍的に増大する。
一方比較例1で示すように酸化セリウムが過少のものは
曲げ強さおよび破壊靱性値が比較的低くボンディング回
数も低くなり、また比較例2で示すように、過多のもの
は焼結性が悪いため強度も小さくAuワイヤの接続不良が
多発した。
曲げ強さおよび破壊靱性値が比較的低くボンディング回
数も低くなり、また比較例2で示すように、過多のもの
は焼結性が悪いため強度も小さくAuワイヤの接続不良が
多発した。
以上説明の通り、本発明に係るボンディングキャピラリ
等の高靱性精密部品によれば、破壊靱性値が従来品より
大幅に向上するため、微細形状に加工した場合において
も、欠けやクラックを発生せず、高精度な加工が可能と
なる。
等の高靱性精密部品によれば、破壊靱性値が従来品より
大幅に向上するため、微細形状に加工した場合において
も、欠けやクラックを発生せず、高精度な加工が可能と
なる。
特にこの高靱性精密部品をワイヤボンディングキャピラ
リとして使用した場合には、先端部へのAu線やリードフ
レーム粉の付着が少なく、また高温強度、耐熱衝撃性が
大きいためヒートショックによる欠け、摩耗が少なく、
長寿命化を図ることができるだけでなく、安定したワイ
ヤボンディングを行なうことができ、IC等の半導体部品
の品質を安定させることができる。さらにルビー、サフ
ァイアに比べてコストを低くできるなど多くの特徴を有
したキャピラリを提供することができる。
リとして使用した場合には、先端部へのAu線やリードフ
レーム粉の付着が少なく、また高温強度、耐熱衝撃性が
大きいためヒートショックによる欠け、摩耗が少なく、
長寿命化を図ることができるだけでなく、安定したワイ
ヤボンディングを行なうことができ、IC等の半導体部品
の品質を安定させることができる。さらにルビー、サフ
ァイアに比べてコストを低くできるなど多くの特徴を有
したキャピラリを提供することができる。
さらに本発明に係る光コネクタ用部品によれば、特に高
靱性のZrO2にCeO2を添加して強度および靱性を高めた焼
結体で形成しているため、摩耗や割れや欠けなどが発生
することが少ない。したがって、光ファイバの中心軸が
接続部においてずれるおそれも少なく、接続部における
光伝送量の損失も効果的に低減できる。
靱性のZrO2にCeO2を添加して強度および靱性を高めた焼
結体で形成しているため、摩耗や割れや欠けなどが発生
することが少ない。したがって、光ファイバの中心軸が
接続部においてずれるおそれも少なく、接続部における
光伝送量の損失も効果的に低減できる。
第1図は本発明に係る高靱性精密部品としてのキャピラ
リの一実施例を示す部分断面図、第2図は従来のキャピ
ラリの構造例を示す部分断面図、第3図は従来汎用の光
コネクタの構造例を示す断面図、第4図は従来の光コネ
クタの他の構造例を示す断面図である。 1……キャピラリ、1a……先端、2……Au線、3……細
孔、4……キャピラリ、4a……先端、5……細孔、6…
…テーパ孔、10a,10b……光コネクタ、11a,11b……細
孔、12a,12b……光コネクタ部品(フェルール)、13a,1
3b……支持体、14……光ファイバ、15a,15b……接続端
面、θc……テーパ孔の開度。
リの一実施例を示す部分断面図、第2図は従来のキャピ
ラリの構造例を示す部分断面図、第3図は従来汎用の光
コネクタの構造例を示す断面図、第4図は従来の光コネ
クタの他の構造例を示す断面図である。 1……キャピラリ、1a……先端、2……Au線、3……細
孔、4……キャピラリ、4a……先端、5……細孔、6…
…テーパ孔、10a,10b……光コネクタ、11a,11b……細
孔、12a,12b……光コネクタ部品(フェルール)、13a,1
3b……支持体、14……光ファイバ、15a,15b……接続端
面、θc……テーパ孔の開度。
Claims (2)
- 【請求項1】キャピラリ本体の先端部に向って外径が急
激に減少するようなボトルネック形状を有し、上記キャ
ピラリ本体が、重量パーセントで酸化セリウムを3.0%
以上20%以下含有し、残部が実質的に酸化ジルコニウム
から成ることを特徴とするボンディングキャピラリ。 - 【請求項2】光ファイバを接続する光コネクタ用部品に
おいて、重量パーセントで酸化セリウムを3.0%以上20
%以下含有し、残部が実質的に酸化ジルコニウムから成
ることを特徴とする光コネクタ用部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2269223A JPH0672049B2 (ja) | 1990-10-05 | 1990-10-05 | ボンディングキャピラリおよび光コネクタ用部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2269223A JPH0672049B2 (ja) | 1990-10-05 | 1990-10-05 | ボンディングキャピラリおよび光コネクタ用部品 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7242984A Division JP2774782B2 (ja) | 1995-09-21 | 1995-09-21 | 光コネクタ用部品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04144962A JPH04144962A (ja) | 1992-05-19 |
JPH0672049B2 true JPH0672049B2 (ja) | 1994-09-14 |
Family
ID=17469380
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2269223A Expired - Lifetime JPH0672049B2 (ja) | 1990-10-05 | 1990-10-05 | ボンディングキャピラリおよび光コネクタ用部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0672049B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59152266A (ja) * | 1983-02-18 | 1984-08-30 | 東芝モノフラツクス株式会社 | ジルコニア質耐火物 |
JPS59162173A (ja) * | 1983-03-07 | 1984-09-13 | 東ソー株式会社 | ジルコニア焼結体 |
JPS61170709A (ja) * | 1985-01-25 | 1986-08-01 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 光フアイバコネクタ |
JPS6276527A (ja) * | 1985-09-30 | 1987-04-08 | Toshiba Corp | ワイヤボンデイングキヤピラリ |
-
1990
- 1990-10-05 JP JP2269223A patent/JPH0672049B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
「ファインセラミックス事典」技報堂出版(1987−4−30)P.215,230 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04144962A (ja) | 1992-05-19 |
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