JP3210824B2 - 光ファイバコネクタ用部材 - Google Patents

光ファイバコネクタ用部材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信等に使用され
る、光ファイバを接続する光ファイバコネクタ用部材に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、光ファイバ同士、あるいは光フ
ァイバと各種発光受光素子とを接続する場合に光コネク
タが用いられている。例えば光ファイバ同士を接続する
コネクタの場合、一対の光ファイバをそれぞれ中心に貫
通孔を有するフェルールに挿入・固定し、この一対のフ
ェルールをスリーブの両端より挿入して互いの端面を突
き合わせる構造となっている。
【0003】そして、上記フェルールやスリーブ等のコ
ネクタ用部材の材質としては、セラミックス、プラスチ
ック、金属、及びガラスが広く使われている。これらの
中で、プラスチックは繰り返し挿抜後に異常な摩耗を生
じ、また金属は精度良く作製することが困難であり、さ
らにガラスは強度が弱いという問題があるため、セラミ
ックスが一般的に用いられている。
【0004】セラミックス製の光ファイバコネクタ用部
材としては、アルミナとジルコニアの2種類があるが、
材料強度が高い点からジルコニア製のフェルールやスリ
ーブが広く使用されている(特開昭61−170709
号公報等参照)。このジルコニアセラミックスは、Zr
2 を主成分とし、安定化剤としてY2 3 、CaO、
MgO等を含有するものであり、Y2 3 の場合はジル
コニア全量に対して10モル%以下、特に1〜5モル%
の含有量で、CaOの場合は1〜9%程度の含有量とな
っている。
【0005】また、特公平6−72049号公報には、
CeO2 を3〜20%含み残部が実質的にZrO2 から
なるジルコニア焼結体で光コネクタ用部品を形成するこ
とが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の如き
2 3 、CaO、MgO、CeO2 の一種以上を安定
化剤として用いたジルコニア焼結体から成るフェルール
やスリーブ等の光コネクタ用部材は、100℃以上の高
温下で水蒸気の多い環境にさらされた場合、結晶相の相
変態(正方晶→単斜晶)が進み、相変態時に6%の体積
膨張が生じるため、製品にマイクロクラックが発生する
という不具合があった。そして、フェル−ルやスリーブ
にマイクロクラックが発生することにより焼結体の強度
劣化を生じ、コネクタを着脱する際にフェルールやスリ
ーブに無理な力が加わると破損しやすくなるという問題
点があった また、CeO2 のみを含むジルコニア焼結体は曲げ強度
が低いため、欠けや割れが生じやすいという問題点があ
った。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記に鑑みて本発明は、
光ファイバコネクタ用部材を、ZrO2 を主成分として
0.5〜4.0モル%のDy2 3 と2〜10モル%の
CeO2 とを合計6モル%以上含有するジルコニア焼結
体で形成したことを特徴とする。
【0008】また、本発明は、上記ジルコニア焼結体の
平均結晶粒径を1.0μm以下とし、曲げ強度100k
g/mm2 以上としたことを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明によれば、Dy2 3 −CeO2 を安定
化剤として用いることにより、ジルコニア焼結体の高温
での強度劣化を極めて小さくすることができるため、熱
水中等で使用しても破損の恐れがなく、信頼性の高い光
ファイバコネクタ用部材とできる。
【0010】
【実施例】以下本発明実施例を説明する。
【0011】図1に示すように、本発明の光ファイバコ
ネクタ用部材を成すフェルール1は、中央に貫通孔1a
を有する円筒状体であり、一方の端部に金具2を取り付
け、この金具2側より光ファイバー(不図示)を挿入し
て上記貫通孔1a内に固定するようになっている。ま
た、スリーブ3は、一部にスリット3aを有する円筒状
体で、両端部から上記フェルール1を挿入し、中央部で
両者を突き合わせて接続するようになっている。
【0012】そして、上記フェルール1及びスリーブ3
はいずれもジルコニア焼結体より形成されており、その
組成はZrO2 を主成分とし、安定化剤として0.5〜
4.0モル%のDy2 3 と2〜10モル%のCeO2
とを含有すると共にDy2 3 とCeO2 の合計量が6
モル%以上である事を特徴としている。
【0013】ここで、安定化剤の量を上記範囲としたの
は、Dy2 3 が0.5モル%未満であれば、焼成時に
単斜晶相が50%以上生じてクラックが発生しやすくな
り、逆に4.0モル%を越えた場合には強度が顕著に低
下するためである。また、CeO2 が2モル%未満で
は、単斜晶相が50%以上生じて焼結時にクラックが発
生し、逆に10モル%を越えた場合は強度が低下するた
めである。さらに、Dy2 3 とCeO2 の合計量が6
モル%未満であると、高温条件下にて単斜晶量が50モ
ル%以上に増加するためであり、好ましくはDy2 3
とCeO2 の合計含有量は8〜10モル%の範囲が良
い。このように、本発明では、Dy2 3 とCeO2
両方を安定化剤として含有することを特徴とし、これに
より、特に高温での強度劣化を極めて小さくできるので
ある。
【0014】また、これら以外の成分として、例えばD
2 3 及びCeO2 の安定化剤の30重量%以内を、
他の安定化剤である希土類元素酸化物、CaO、MgO
等で置換しても良い。さらに、原料中の不純物や製造工
程中に混入する成分として、Al2 3 、SiO2 、F
2 3 、TiO2 等を合計で焼結体全体の3重量%ま
で含んでいても良い。また、ZrO2 原料中には分離が
困難なHfO2 を含有してもよい。
【0015】さらに、上記ジルコニア焼結体の結晶相は
主として正方晶相または、正方晶相と立方晶相の混合相
からなり、正方晶相が80モル%以上存在することが好
ましい。これは、正方晶相が80モル%未満では強度、
靱性が低くなるためである。
【0016】また、上記ジルコニア焼結体の平均結晶粒
径は1.0μm以下とし、好ましくは0.4μm以下が
良い。これは、結晶粒径がこの範囲内にあれば、単斜晶
相の析出が抑えられ、曲げ強度が100kg/mm2
上の高強度ジルコニア焼結体とできるためである。
【0017】以上のような本発明の光ファイバコネクタ
用部材を成すジルコニア焼結体の製造方法は以下の通り
である。まず原料として、上記組成となるように各種成
分を粉体混合しても良いが、好ましくは共沈法により予
め所定量のDy2 3 −CeO2 を含むZrO2 の共沈
原料を用意する。この原料粉末をプレス成形、押出成
形、射出成形等の手段によって所定形状に成形した後、
1410〜1500℃で焼成すれば良い。
【0018】実験例1 ここで、本発明のジルコニア焼結体からなるフェルール
と、比較例として従来のY2 3 系ジルコニア焼結体か
らなるフェルールを用意し、それぞれ比重、平均結晶粒
径、曲げ強度を測定した後、熱劣化テストを行い、テス
ト後の強度の変化を測定した。
【0019】なお、フェルールは外径2.5mm、貫通
孔の内径0.125mmで、長さ10.5mmの円筒形
状とした。また、熱劣化テストはジルコニアの相変態を
加速させて行うための評価テストで、高温、高湿、高圧
条件下にて実施した。実験条件は、エージング条件12
1℃、エージング圧力2気圧、エージング時間は100
時間、雰囲気は熱水中に設定した。さらに、曲げ強度は
JIS−R−1601の3点曲げ試験法から求め、10
個の平均値とした。
【0020】結果を表1に示す通り、CeO2 のみを含
むジルコニア焼結体からなる比較例(No.4)は曲げ
強度が42kg/mm2 と、光コネクタ用部材として用
いるには低すぎるため、熱劣化テストを行わなかった。
また、Y2 3 系ジルコニア焼結体からなる比較例(N
o.3)では初期強度は高いものの、熱劣化テスト後の
強度が初期強度の78.1%まで低下した。
【0021】これらに対し、本発明のフェルール(N
o.1,2)は、曲げ強度が100kg/mm2 以上と
高く、熱劣化テストの後でも初期強度の91〜96%と
高い強度を保っており、熱劣化が極めて少ないことがわ
かる。
【0022】
【表1】
【0023】次に表1のNo.1〜3について、熱劣化
テスト前後におけるジルコニアの結晶相の変化をX線回
折法にて求めた。
【0024】ジルコニア製フェルール中の単斜晶相の量
は、R.C.Carvie andP.S.Nicho
lsonaのJ.Am.Ceram.Soc.Vol.
55,No.6,p.303−305(1972)に記
載されたX線回折法により求めた。即ち、数1により単
斜晶相の量(モル%)を求めた。
【0025】
【数1】
【0026】結果を表2に示す通り、比較例であるN
o.3は熱劣化テスト後で単斜晶相が86モル%増加し
たのに対し、本発明実施例であるNo.1,2では、熱
劣化テスト前後で単斜晶相量が6〜8モルしか増加しな
かった。
【0027】なお、以上の実験例では比較例としてY2
3 系ジルコニアとCeO2 系ジルコニアを示したが、
この他にMgO系ジルコニア、CaO系ジルコニアにつ
いても同様の実験を行ったところ、いずれも初期強度が
低く、しかも熱劣化テスト後の強度変化が大きく、単斜
晶相の増加も大きかった。
【0028】したがって、本発明のジルコニア製フェル
ールは、安定化剤としてDy2 3とCeO2 を両方含
んでいることにより、正方晶から単斜晶への相変態が生
じにくく、そのために熱劣化特性が優れていることがわ
かる。
【0029】
【表2】
【0030】実験例2 次に、本発明及び比較例のジルコニア製フェルールの破
壊試験を行った。
【0031】本発明実施例として、表1、2中No.1
のジルコニア製フェルールと、比較例ろしてNo.のジ
ルコニア製フェルールをそれぞれ用意した。いずれもフ
ェルールの外径は2.5mmとし、図2に示すようにフ
ェルール1の一端を金具2に圧入して金具から先端まで
の長さを8mmとし、フェルール1が水平方向となるよ
うに金具2を支持台4で保持し、フェルール1の先端か
ら1.5mmの点に鉛直方向に荷重5を加え、フェルー
ル1が破断した時の破壊荷重を求めた。
【0032】それぞれ、初期の破壊荷重と、前記実験例
1と同様の熱劣化テストを行った後の破壊荷重を求め
た。結果は表3に示す通りである。
【0033】この結果からも明らかなように、本発明の
ジルコニア製フェルールは熱劣化テスト後の曲げ強度の
劣化が極めて小さいことがわかる。
【0034】なお、以上の実験例では、光ファイバコネ
クタ用部材を成すフェルールについてのみ述べてきた
が、スリーブであっても同様であることは言うまでもな
い。
【0035】
【表3】
【0036】実験例3 さらに、表1、2中のNo.1の組成を持った本発明の
Dy2 3 −CeO2系ジルコニア焼結体において、焼
成温度を変化させて平均結晶粒径の異なるものを用意
し、それぞれ曲げ強度を測定した。結果は表4に示すよ
うに、平均結晶粒径を1.0μm以下とすれば曲げ強度
を100kg/mm2 以上とでき、光ファイバコネクタ
用部材として好適に使用できることがわかる。また、よ
り好適には平均結晶粒径を0.4μm以下として曲げ強
度を110kg/mm2 以上としたものが良い。
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】このように、本発明によれば光ファイバ
コネクタ用部材を、ZrO2 を主成分として0.5〜
4.0モル%のDy2 3 及び2〜10モル%のCeO
2 を合計量6モル%以上含有するジルコニア焼結体で構
成したことによって、高い曲げ強度を有し、高温での強
度劣化を極めて小さくし、格段に対熱劣化性を改善する
ことができる。したがって、光ファイバコネクタを熱水
下で使用する際に、フェルールやスリーブ等のコネクタ
の欠け、破損の恐れが少なくなり、信頼性の高い光ファ
イバコネクタ用部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバコネクタ用部材であるフェ
ルールとスリーブを示す図である。
【図2】本発明の光ファイバコネクタ用フェルールの破
壊試験方法を説明するための図である。
【符号の説明】 1:フェルール 2:金具 3:スリーブ 4:支持台 5:荷重
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/36 C04B 35/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ファイバを接続するために用いる部材で
    あって、ZrO2を主成分として0.5〜4.0モル%
    のDy23と2〜10モル%のCeO2とを合計6モル
    %以上含有し、Al 2 3 、SiO 2 、Fe 2 3 、TiO 2
    等の不純物含有量が3重量%以下であり、かつ平均結晶
    粒径が0.4μm以下のジルコニア焼結体から成ること
    を特徴とする光ファイバコネクタ用部材。
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