JPH0764631B2 - 耐熱水安定性に優れた高靭性ジルコニア焼結体 - Google Patents
耐熱水安定性に優れた高靭性ジルコニア焼結体Info
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- JPH0764631B2 JPH0764631B2 JP60059154A JP5915485A JPH0764631B2 JP H0764631 B2 JPH0764631 B2 JP H0764631B2 JP 60059154 A JP60059154 A JP 60059154A JP 5915485 A JP5915485 A JP 5915485A JP H0764631 B2 JPH0764631 B2 JP H0764631B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高靭性ジルコニア焼結体に関し、さらに詳し
くは、Y2O3及びCeO2を安定化剤として含む主として正方
晶より成るジルコニアとAl2O3とからなり、高強度で熱
安定性に優れ、特に、長時間の熱水中における経時劣化
が極めて少なく、耐熱水安定性を著しく改善した、耐久
性に優れた高靭性ジルコニア焼結体に関するものであ
る。
くは、Y2O3及びCeO2を安定化剤として含む主として正方
晶より成るジルコニアとAl2O3とからなり、高強度で熱
安定性に優れ、特に、長時間の熱水中における経時劣化
が極めて少なく、耐熱水安定性を著しく改善した、耐久
性に優れた高靭性ジルコニア焼結体に関するものであ
る。
ジルコニア焼結体は高温領域の立方晶から正方晶を経て
単斜晶に相移転をするがその際体積変化を伴い、特に正
方晶から単斜晶への相転移の体積変化が大きく、そのた
め、焼結体がこの体積変化により破壊してしまうという
欠点がある。この欠点を取り除くために、ZrO2にCaO、M
gO、Y2O3などを固溶させて、転移を起こさせないように
し、常温でも立方晶からなる安定化ジルコニア、あるい
は立方晶と単斜晶よりなる部分安定化ジルコニアが数多
く発表されている。また、準安定相である正方晶を常温
で焼結体内に存在させた部分安定化ジルコニアが高強度
を示すことが発表されている。
単斜晶に相移転をするがその際体積変化を伴い、特に正
方晶から単斜晶への相転移の体積変化が大きく、そのた
め、焼結体がこの体積変化により破壊してしまうという
欠点がある。この欠点を取り除くために、ZrO2にCaO、M
gO、Y2O3などを固溶させて、転移を起こさせないように
し、常温でも立方晶からなる安定化ジルコニア、あるい
は立方晶と単斜晶よりなる部分安定化ジルコニアが数多
く発表されている。また、準安定相である正方晶を常温
で焼結体内に存在させた部分安定化ジルコニアが高強度
を示すことが発表されている。
これは、一つには機械的な外部応力が加わった際に、準
安定な正方晶から室温安定相である単斜晶への相転移が
誘起され、応力が吸収されることによる。このようなジ
ルコニアの正方晶−単斜晶の相変態を利用した高靭性セ
ラミックについては異なる手法として、アルミナからな
る基質内に、マイクロクラックを内蔵させ、これにより
負荷がかかった場合に発生する応力を焼結体中に存在す
るマイクロクラックによって吸収する破壊靭性の高いセ
ラミック成形体の製法が開示されている。(特開昭52−
86413)また、マイクロクラックの内蔵と異なり、緻密
な非金属超硬物質を主体とする焼結体中に安定化剤を含
まない酸化ジルコニウムを50容量%まで内蔵させ、強度
を改善した焼結成形体が開示されている。(特開昭59−
24751)しかしこれら2つの例に含まれる酸化ジルコニ
ウムはいずれも安定化剤を全く含まないものであるた
め、靭性及び曲げ強さの点で著しく改善されたものの、
熱的には非常に不安定で焼結体の経時劣化は極めて大き
い。
安定な正方晶から室温安定相である単斜晶への相転移が
誘起され、応力が吸収されることによる。このようなジ
ルコニアの正方晶−単斜晶の相変態を利用した高靭性セ
ラミックについては異なる手法として、アルミナからな
る基質内に、マイクロクラックを内蔵させ、これにより
負荷がかかった場合に発生する応力を焼結体中に存在す
るマイクロクラックによって吸収する破壊靭性の高いセ
ラミック成形体の製法が開示されている。(特開昭52−
86413)また、マイクロクラックの内蔵と異なり、緻密
な非金属超硬物質を主体とする焼結体中に安定化剤を含
まない酸化ジルコニウムを50容量%まで内蔵させ、強度
を改善した焼結成形体が開示されている。(特開昭59−
24751)しかしこれら2つの例に含まれる酸化ジルコニ
ウムはいずれも安定化剤を全く含まないものであるた
め、靭性及び曲げ強さの点で著しく改善されたものの、
熱的には非常に不安定で焼結体の経時劣化は極めて大き
い。
これに対し、アルミナ、ムライト、スピネル、Si3N4、
イットリア、部分安定化ジルコニア等のセラミックマト
リックス中にセラミック埋め込み材料として安定化剤を
含まない単斜晶系あるいは正方晶系のジルコニアを5〜
50容量%まで含む成形体あるいは埋め込み材料として2
モル%のY2O3で安定化された主として正方晶系のジルコ
ニアを5〜30容量%まで含むセラミック成形体が開示さ
れている(特開昭59−64567)が前者はジルコニアに安
定化剤を含まないので強度の経時劣化が避けられず、後
者はジルコニアをイットリアで部分安定化したものであ
るため、熱的にはきわめて不安定であり、容易に経時劣
化を生じるという欠点がある。この他に高靭性ジルコニ
ア焼結体としては各種の安定化剤を添加し、この量を特
定し、常温において主として正方晶からなる部分安定化
ジルコニアが多数報告されている。
イットリア、部分安定化ジルコニア等のセラミックマト
リックス中にセラミック埋め込み材料として安定化剤を
含まない単斜晶系あるいは正方晶系のジルコニアを5〜
50容量%まで含む成形体あるいは埋め込み材料として2
モル%のY2O3で安定化された主として正方晶系のジルコ
ニアを5〜30容量%まで含むセラミック成形体が開示さ
れている(特開昭59−64567)が前者はジルコニアに安
定化剤を含まないので強度の経時劣化が避けられず、後
者はジルコニアをイットリアで部分安定化したものであ
るため、熱的にはきわめて不安定であり、容易に経時劣
化を生じるという欠点がある。この他に高靭性ジルコニ
ア焼結体としては各種の安定化剤を添加し、この量を特
定し、常温において主として正方晶からなる部分安定化
ジルコニアが多数報告されている。
これら常温において主として正方晶からなる焼結体を得
るための安定化剤としては従来より主としてのY2O3が用
いられた特に高靭性、高強度を発現している。しかし、
この主として正方晶からなる部分安定化ジルコニアは、
高温相を低温域までもたらした結果生ずる準安定相であ
るため、その構造や性質が経時劣化をし、特に200℃な
いし400℃という比較的低温における加熱により単斜晶
へ相転移を起こし強度の経時劣化が極めて大きい。
るための安定化剤としては従来より主としてのY2O3が用
いられた特に高靭性、高強度を発現している。しかし、
この主として正方晶からなる部分安定化ジルコニアは、
高温相を低温域までもたらした結果生ずる準安定相であ
るため、その構造や性質が経時劣化をし、特に200℃な
いし400℃という比較的低温における加熱により単斜晶
へ相転移を起こし強度の経時劣化が極めて大きい。
この強度劣化は水分等の存在下では著しく促進される。
これに対し安定化剤を含む部分安定化ジルコニア焼結体
の経時変化が安定化剤の組成や焼結体の組織あるいは結
晶粒径に依存することから、安定化剤としてのY2O3量を
特定し、主として正方晶からなる焼結体を得、その焼結
体の製造過程において焼結粒度を制御することにより、
特定温度域における経時劣化が少ない高強度、高靭性の
焼結体が報告されている(特開昭56−134564)。しか
し、この発明では特定温度域における経時劣化が改善さ
れたとはいえ、イットリアで安定化されたZrO2は熱的に
きわめて不安定である上強度的にもまた不充分であり、
構造材としての用途は限られたものとなる。
これに対し安定化剤を含む部分安定化ジルコニア焼結体
の経時変化が安定化剤の組成や焼結体の組織あるいは結
晶粒径に依存することから、安定化剤としてのY2O3量を
特定し、主として正方晶からなる焼結体を得、その焼結
体の製造過程において焼結粒度を制御することにより、
特定温度域における経時劣化が少ない高強度、高靭性の
焼結体が報告されている(特開昭56−134564)。しか
し、この発明では特定温度域における経時劣化が改善さ
れたとはいえ、イットリアで安定化されたZrO2は熱的に
きわめて不安定である上強度的にもまた不充分であり、
構造材としての用途は限られたものとなる。
CeO2はZrO2の安定化剤の一つであるが、相平衡状態図よ
りCeO2−ZrO2系はY2O3−ZrO2系に比較して、幅広い高温
正方晶領域を有しており、CeO2−ZrO2系の焼結体におい
て、CeO2含量10〜12モル%で高い強度と、Y2O3系よりも
熱的に安定であることが発表されている(1983年窯業基
礎討論会1A6、10頁)。
りCeO2−ZrO2系はY2O3−ZrO2系に比較して、幅広い高温
正方晶領域を有しており、CeO2−ZrO2系の焼結体におい
て、CeO2含量10〜12モル%で高い強度と、Y2O3系よりも
熱的に安定であることが発表されている(1983年窯業基
礎討論会1A6、10頁)。
CeO2の添加量及び製造過程における仮焼温度等を制御す
ることにより正方晶の結晶粒子径及び焼結体の気孔率を
特定値以下にして機械的強度及び耐熱衝撃強度を改善し
た主として正方晶よりなるCeO2系ジルコニア質セラミッ
クスが報告されている(特開昭59−190265)。しかし、
これら安定化剤としてCeO2を含む系すなわちCeO2−ZrO2
系は熱的に安定なものの熱水中では極めて不安定で劣化
が著しくまたY2O3−ZrO2系に較べて強度がかなり劣って
おり、構造材としては不充分なものである。
ることにより正方晶の結晶粒子径及び焼結体の気孔率を
特定値以下にして機械的強度及び耐熱衝撃強度を改善し
た主として正方晶よりなるCeO2系ジルコニア質セラミッ
クスが報告されている(特開昭59−190265)。しかし、
これら安定化剤としてCeO2を含む系すなわちCeO2−ZrO2
系は熱的に安定なものの熱水中では極めて不安定で劣化
が著しくまたY2O3−ZrO2系に較べて強度がかなり劣って
おり、構造材としては不充分なものである。
一方、Y2O3−ZrO2系にCeO2を添加することによって、広
い組織範囲で正方晶のみからなる焼結体が得られ、CeO2
の同辞添加によって長時間の熱エージングによっても安
定で高靭性を発現する焼結体が得られることが明らかに
されている(198年5月窯業協会年会、124p463)。さら
には、部分安定化ジルコニアの熱水溶液での安定性に関
し、Y2O3を2,3,4mol%固溶した(ZrO22Y,ZrO23Y,ZrO24Y
と略記)Y2O3−ZrO2系へ、CeO2を、ZrO22Yでは15wt%
(11.2mol%)以上、ZrO23YとZrO24Yでは10wt%(7.3mo
l%)以上添加することにより、熱水中での相転移を制
御できることが明らかにされている。(1985年1月窯業
基礎討論会1C 10 P88) しかし、Y2O3−CeO2−ZrO2系の焼結体は数mol%のCeO2
の添加により、熱安定性は改善されるものの、強度的に
不充分である上数mol%のCeO2の添加では熱水安定性は
ほとんど改善されず、容量に転移を生じ劣化してしまう
という重大な欠陥を有する。
い組織範囲で正方晶のみからなる焼結体が得られ、CeO2
の同辞添加によって長時間の熱エージングによっても安
定で高靭性を発現する焼結体が得られることが明らかに
されている(198年5月窯業協会年会、124p463)。さら
には、部分安定化ジルコニアの熱水溶液での安定性に関
し、Y2O3を2,3,4mol%固溶した(ZrO22Y,ZrO23Y,ZrO24Y
と略記)Y2O3−ZrO2系へ、CeO2を、ZrO22Yでは15wt%
(11.2mol%)以上、ZrO23YとZrO24Yでは10wt%(7.3mo
l%)以上添加することにより、熱水中での相転移を制
御できることが明らかにされている。(1985年1月窯業
基礎討論会1C 10 P88) しかし、Y2O3−CeO2−ZrO2系の焼結体は数mol%のCeO2
の添加により、熱安定性は改善されるものの、強度的に
不充分である上数mol%のCeO2の添加では熱水安定性は
ほとんど改善されず、容量に転移を生じ劣化してしまう
という重大な欠陥を有する。
このY2O3−CeO2−ZrO2系においてCeO2の添加量を増大さ
せることによって熱水安定性を改善することは可能であ
るが、多量のCeO2の添加より、焼結体の強度は著しく劣
ったものとなり、構造材としての用途は大幅に限定され
たものとなる。
せることによって熱水安定性を改善することは可能であ
るが、多量のCeO2の添加より、焼結体の強度は著しく劣
ったものとなり、構造材としての用途は大幅に限定され
たものとなる。
本発明は安定化剤としてY2O3および/またはCeO2を含む
すなわちY2O3−ZrO2系、CeO2−ZrO2系及びY2O3−CeO2−
ZrO2系の主として正方晶より成る部分安定化ジルコニア
焼結体の上記したような欠点を解決すべくなされたもの
であって、機械的特性を改善すると共に耐熱水性を飛躍
的に増大し、熱及び熱水による経時劣化の無い耐久性に
優れた焼結体を提供し、高靭性ジルコニア焼結体の性能
を向上し、その用途を拡大することを目的とするもので
ある。
すなわちY2O3−ZrO2系、CeO2−ZrO2系及びY2O3−CeO2−
ZrO2系の主として正方晶より成る部分安定化ジルコニア
焼結体の上記したような欠点を解決すべくなされたもの
であって、機械的特性を改善すると共に耐熱水性を飛躍
的に増大し、熱及び熱水による経時劣化の無い耐久性に
優れた焼結体を提供し、高靭性ジルコニア焼結体の性能
を向上し、その用途を拡大することを目的とするもので
ある。
本発明の高靭性ジルコニア焼結体は、Y2O3及びCeO2を安
定化剤として含む主として正方晶より成る部分安定化ジ
ルコニアに、Al2O3を3〜60内部重量%を含み、焼結体
の平均結晶粒子径が3μ以下であることを特徴とするも
のである。
定化剤として含む主として正方晶より成る部分安定化ジ
ルコニアに、Al2O3を3〜60内部重量%を含み、焼結体
の平均結晶粒子径が3μ以下であることを特徴とするも
のである。
この部分安定化ジルコニアは、これに含まれるY2O3,CeO
2が図面に示すように正三角形に交わる三軸にそれぞれZ
rO2、YO1.5、CeO2のmol%に表示した三角座標におい
て、 点I(ZrO289mol%、YO1.510mol%、CeO21mol%) 点J(ZrO288mol%、YO1.510mol%、CeO22mol%) 点K(ZrO287mol%、YO1.52mol%、CeO211mol%) 点L(ZrO293mol%、YO1.52mol%、CeO25mol%) 点M(ZrO293.5mol%、YO1.54mol%、CeO22.5mol%) で示された特定5組成点を結ぶ線で囲まれた範囲内の組
成にあることを特徴とするものである。
2が図面に示すように正三角形に交わる三軸にそれぞれZ
rO2、YO1.5、CeO2のmol%に表示した三角座標におい
て、 点I(ZrO289mol%、YO1.510mol%、CeO21mol%) 点J(ZrO288mol%、YO1.510mol%、CeO22mol%) 点K(ZrO287mol%、YO1.52mol%、CeO211mol%) 点L(ZrO293mol%、YO1.52mol%、CeO25mol%) 点M(ZrO293.5mol%、YO1.54mol%、CeO22.5mol%) で示された特定5組成点を結ぶ線で囲まれた範囲内の組
成にあることを特徴とするものである。
本発明の高靭性シルコニア焼結体は、従来のY2O3−ZrO2
系の部分安定化ジルコニア焼結体組成にCeO2成分とAl2O
3成分を新たに添加することにより、強度を改善すると
ともに、安定化性はもとより、特に劣化が激しいとされ
る熱水中において著しく高い安定性をしめす。これは、
アルミナの添加が焼結助剤的効果による欠陥の除去に役
立ち、正方晶の含有量を高い弾性率の上昇による破壊エ
ネルギーの増大に寄与し、高い強度を示すとともに、Zr
O3の粒界部分の強化と、CeO2成分の存在による安定性と
の相乗効果の結果、耐熱水性が著しく改善されるものと
考えられる。
系の部分安定化ジルコニア焼結体組成にCeO2成分とAl2O
3成分を新たに添加することにより、強度を改善すると
ともに、安定化性はもとより、特に劣化が激しいとされ
る熱水中において著しく高い安定性をしめす。これは、
アルミナの添加が焼結助剤的効果による欠陥の除去に役
立ち、正方晶の含有量を高い弾性率の上昇による破壊エ
ネルギーの増大に寄与し、高い強度を示すとともに、Zr
O3の粒界部分の強化と、CeO2成分の存在による安定性と
の相乗効果の結果、耐熱水性が著しく改善されるものと
考えられる。
本発明では、ジルコニアの安定化剤としてY2O3及びCeO2
を必要とする。また、Al2O3を3〜60内部重量%の範囲
で含む必要がある。Al2O3の添加量を限定した理由はAl2
O3が3内部重量%以下では耐熱水性が低くなり添加の効
果が少なく60内部重量%以上では、靭性あるいはZrO2の
含有量を低めるからである。本発明をより効果あるもの
とするためにはAl2O3の添加量を5〜50内部重量%の範
囲に選択するとよい。Y2O3、CeO2、ZrO2の三成分の配合
量は、図面に示すような三角座標において、I、J、
K、L、Mを結ぶ線で囲まれた範囲内であることが必要
である。この範囲内であると正方晶の安定性が高く耐熱
水性に優れ、範囲外になると大幅に耐熱水性が低下し、
また機械特性を劣ったものとなる。すなわちI点(Y
1.510mol%)よりもY1.5を多く含むと靭性が低下し、
M点(YO1.54mol%)よりもY1.5が少ない場合には、耐
熱水安定性が失われる。L点(YO1.52mol% CeO25mol
%)よりもY1.5、CeO2が少ない場合は、耐熱水安定性
が乏しくなる。またK点(YO1.52mol%、CeO211mol%)
よりもYO1.5およびCeO2が多い場合には充分な機械的強
度が得られない。
を必要とする。また、Al2O3を3〜60内部重量%の範囲
で含む必要がある。Al2O3の添加量を限定した理由はAl2
O3が3内部重量%以下では耐熱水性が低くなり添加の効
果が少なく60内部重量%以上では、靭性あるいはZrO2の
含有量を低めるからである。本発明をより効果あるもの
とするためにはAl2O3の添加量を5〜50内部重量%の範
囲に選択するとよい。Y2O3、CeO2、ZrO2の三成分の配合
量は、図面に示すような三角座標において、I、J、
K、L、Mを結ぶ線で囲まれた範囲内であることが必要
である。この範囲内であると正方晶の安定性が高く耐熱
水性に優れ、範囲外になると大幅に耐熱水性が低下し、
また機械特性を劣ったものとなる。すなわちI点(Y
1.510mol%)よりもY1.5を多く含むと靭性が低下し、
M点(YO1.54mol%)よりもY1.5が少ない場合には、耐
熱水安定性が失われる。L点(YO1.52mol% CeO25mol
%)よりもY1.5、CeO2が少ない場合は、耐熱水安定性
が乏しくなる。またK点(YO1.52mol%、CeO211mol%)
よりもYO1.5およびCeO2が多い場合には充分な機械的強
度が得られない。
本発明をより効果のあるものとするためには、上記三成
分の配合量を図面に示すような三角座標において、 点A(ZrO287.5mol%、YO1.512mol%、CeO20.5mol%) 点H(ZrO294.5mol%、YO1.54mol%、CeO21.5mol%) 点C(ZrO294.5mol%、YO1.52.5mol%、CeO23mol%) 点F(ZrO281mol%、YO1.50mol%、CeO29mol%) 点E(ZrO284.5mol%、YO1.50mol%、CeO215.5mol%) を結ぶ実線で囲まれる範囲内に選択するとよい。更に好
ましくは、上記三成分の配合量を図面に示すような三角
座標において、 点I(ZrO289mol%、YO1.510mol%、CeO21mol%) 点J(ZrO288mol%、YO1.510mol%、CeO22mol%) 点K(ZrO287mol%、YO1.52mol%、CeO211mol%) 点L(ZrO293mol%、YO1.52mol%、CeO25mol%) 点M(ZrO293.5mol%、YO1.54mol%、CeO22.5mol%) を結ぶ実線で囲まれる範囲内に選択するとよい。本発明
の組成の焼結体は、アルミナを含むために焼結体の硬度
も改善され、耐摩耗性にも優れたものとなる。
分の配合量を図面に示すような三角座標において、 点A(ZrO287.5mol%、YO1.512mol%、CeO20.5mol%) 点H(ZrO294.5mol%、YO1.54mol%、CeO21.5mol%) 点C(ZrO294.5mol%、YO1.52.5mol%、CeO23mol%) 点F(ZrO281mol%、YO1.50mol%、CeO29mol%) 点E(ZrO284.5mol%、YO1.50mol%、CeO215.5mol%) を結ぶ実線で囲まれる範囲内に選択するとよい。更に好
ましくは、上記三成分の配合量を図面に示すような三角
座標において、 点I(ZrO289mol%、YO1.510mol%、CeO21mol%) 点J(ZrO288mol%、YO1.510mol%、CeO22mol%) 点K(ZrO287mol%、YO1.52mol%、CeO211mol%) 点L(ZrO293mol%、YO1.52mol%、CeO25mol%) 点M(ZrO293.5mol%、YO1.54mol%、CeO22.5mol%) を結ぶ実線で囲まれる範囲内に選択するとよい。本発明
の組成の焼結体は、アルミナを含むために焼結体の硬度
も改善され、耐摩耗性にも優れたものとなる。
本発明の組成を有するジルコニア焼結体は主として正方
晶より成る部分安定化ジルコニアであるので、高強度・
高靭性を示す。本来正方晶は準安定相であるため試料表
面の研削によって一部が単斜晶へ転移を生じ表面層の残
留圧縮応力により焼結体の強化に寄与する。この強化の
程度は研削による表面粗さと焼結体の粒径に依存してい
る。このため本発明による主として正方晶よりなる部分
安定化ジルコニアはX線回折による結晶相の測定におい
て鏡面状態で正方晶系を少なくとも50体積%以上含むジ
ルコニアをいう。正方晶系が50体積%以下になると、靭
性が低下するので正方晶系は50体積%以上含まれること
が必要である。
晶より成る部分安定化ジルコニアであるので、高強度・
高靭性を示す。本来正方晶は準安定相であるため試料表
面の研削によって一部が単斜晶へ転移を生じ表面層の残
留圧縮応力により焼結体の強化に寄与する。この強化の
程度は研削による表面粗さと焼結体の粒径に依存してい
る。このため本発明による主として正方晶よりなる部分
安定化ジルコニアはX線回折による結晶相の測定におい
て鏡面状態で正方晶系を少なくとも50体積%以上含むジ
ルコニアをいう。正方晶系が50体積%以下になると、靭
性が低下するので正方晶系は50体積%以上含まれること
が必要である。
本発明の焼結体は、焼結体の平均結晶粒子が3μm以下
であることが必要である。好ましくは2μm以下である
ことが良い。さらに好ましくは1μm以下で平均粒子径
が3μmを越えると熱水安定性、熱安定性が低下する。
平均粒子径は、鏡面に研摩した焼結体表面をエッチング
し、走査型電子顕微鏡により観察を行い、任意に引いた
線分を横切る50個以上の粒子の平均長を1とし、以下の
式により平均粒子径dを求める。
であることが必要である。好ましくは2μm以下である
ことが良い。さらに好ましくは1μm以下で平均粒子径
が3μmを越えると熱水安定性、熱安定性が低下する。
平均粒子径は、鏡面に研摩した焼結体表面をエッチング
し、走査型電子顕微鏡により観察を行い、任意に引いた
線分を横切る50個以上の粒子の平均長を1とし、以下の
式により平均粒子径dを求める。
本発明の高靭性ジルコニア焼結体は、180℃で10気圧の
水蒸気中に10時間保持した後の、焼結体表面の単斜晶量
が30体積%以下であることが必要である。好ましくは20
体積%以下であることが良い。更に好ましくは、10体積
%以下であることが良い。なぜならば、従来この水熱条
件下において、本発明の高靭性ジルコニア焼結体が示す
高い安定性および高強度を兼ね備えた部分安定化ジルコ
ニア焼結体は公表あるいは得られておらず、著しく耐熱
水安定性、耐熱安定に優れると見なし得るからである。
水蒸気中に10時間保持した後の、焼結体表面の単斜晶量
が30体積%以下であることが必要である。好ましくは20
体積%以下であることが良い。更に好ましくは、10体積
%以下であることが良い。なぜならば、従来この水熱条
件下において、本発明の高靭性ジルコニア焼結体が示す
高い安定性および高強度を兼ね備えた部分安定化ジルコ
ニア焼結体は公表あるいは得られておらず、著しく耐熱
水安定性、耐熱安定に優れると見なし得るからである。
本発明に安定化剤として使用されているCeO2はY2O3に比
べて廉価であり、そのうえ本発明の焼結体は従来のY2O3
−ZrO2系と比較すると、ジルコニアの一部をAl2O3と置
換したものであり、Al2O3はZrO2に比べてはるかに廉価
であることから、コスト的にも有利な高靭性セラミック
スとなる。
べて廉価であり、そのうえ本発明の焼結体は従来のY2O3
−ZrO2系と比較すると、ジルコニアの一部をAl2O3と置
換したものであり、Al2O3はZrO2に比べてはるかに廉価
であることから、コスト的にも有利な高靭性セラミック
スとなる。
以下に実施例により本発明を詳細に説明する。
(実施例1) 純度99.9%のオキシ塩化ジルコニウムの水溶液に、純度
99.9%の塩化イットリウムを加えて均一に混合した溶液
をアルカリで凝結させ、水酸化物の沈澱として、これを
脱水乾燥し、900℃にて仮焼し、YO1.5をそれぞれ0,2.5,
4,6,8,10,mol%を含む第1表に示す組成割合のイットリ
ア部分安定化ジルコニア粉末を得た。
99.9%の塩化イットリウムを加えて均一に混合した溶液
をアルカリで凝結させ、水酸化物の沈澱として、これを
脱水乾燥し、900℃にて仮焼し、YO1.5をそれぞれ0,2.5,
4,6,8,10,mol%を含む第1表に示す組成割合のイットリ
ア部分安定化ジルコニア粉末を得た。
この粉末は25m2/gの比表面積を示す。この粉末に純度9
9.9%のCeO2と平均粒径0.3μ純度99.9%のAl2O3を第1
表の割合になるように加え湿式混合乾燥させた粉末を1.
5ton/cm2の圧力で等方的に成形し、1400〜1650℃の温度
で大気中2時間焼成した。得られた焼結体の平均粒径粒
子径は全て3μm以下であった。また、比較例として、
Al2O3を全く含まない焼結体を同様に成形、焼成した試
料の結果を示した。
9.9%のCeO2と平均粒径0.3μ純度99.9%のAl2O3を第1
表の割合になるように加え湿式混合乾燥させた粉末を1.
5ton/cm2の圧力で等方的に成形し、1400〜1650℃の温度
で大気中2時間焼成した。得られた焼結体の平均粒径粒
子径は全て3μm以下であった。また、比較例として、
Al2O3を全く含まない焼結体を同様に成形、焼成した試
料の結果を示した。
得られた焼結体は、3×4×40mmに切断研摩加工し、結
晶相抗折強度、破壊靭性、熱水劣化試験後の焼結体表面
の結晶相及び抗折強度を測定した。なお、各物性の測定
方法として、抗折強度は、JIS規格に従い、3×4×40m
m試料片を用い、スパン30mm、クロスヘッド速度0.5mm/m
inの3点曲げにより10本の平均値を示した。破壊靭性
は、マイクロ・インデンテーション法により、荷重50kg
で圧痕を入れて測定を行い、K1C値は新原らの式を用い
た。結晶相の定量測定は、X線回折法により行った。す
なわち、ダイヤモンドペーストにて鏡面研摩した試料片
の単斜晶の(111)面と(111)面の積分強度IMと正方晶
の(111)面および立方晶の(111面)の積分強度IT、IC
より単斜晶量(体積%)は、 の式により決定した。
晶相抗折強度、破壊靭性、熱水劣化試験後の焼結体表面
の結晶相及び抗折強度を測定した。なお、各物性の測定
方法として、抗折強度は、JIS規格に従い、3×4×40m
m試料片を用い、スパン30mm、クロスヘッド速度0.5mm/m
inの3点曲げにより10本の平均値を示した。破壊靭性
は、マイクロ・インデンテーション法により、荷重50kg
で圧痕を入れて測定を行い、K1C値は新原らの式を用い
た。結晶相の定量測定は、X線回折法により行った。す
なわち、ダイヤモンドペーストにて鏡面研摩した試料片
の単斜晶の(111)面と(111)面の積分強度IMと正方晶
の(111)面および立方晶の(111面)の積分強度IT、IC
より単斜晶量(体積%)は、 の式により決定した。
次に焼結体を微粉砕し、X線回折により同条件で単斜晶
ZrOS2と立方晶ZrO2の積分強度IM *、IC *を求め
た。すなわち、この粉砕の過程で焼結体中に存在してい
た正方晶ZrO2は機械的応力によりすべて単斜晶ZrO2へ変
態すると考えられる。よって立方晶量(体積%)は、 により決定し、これより 次に正方晶量(体積%)を決定した。
ZrOS2と立方晶ZrO2の積分強度IM *、IC *を求め
た。すなわち、この粉砕の過程で焼結体中に存在してい
た正方晶ZrO2は機械的応力によりすべて単斜晶ZrO2へ変
態すると考えられる。よって立方晶量(体積%)は、 により決定し、これより 次に正方晶量(体積%)を決定した。
熱水劣化試験はオートクレーブを使用し、180℃(10気
圧)の水蒸気中で10時間保持した後、試料を取り出し、
物性を測定した。熱水劣化試験後の単斜晶量は試料表面
のX線回折により同様に上記(1)式より求めた。
圧)の水蒸気中で10時間保持した後、試料を取り出し、
物性を測定した。熱水劣化試験後の単斜晶量は試料表面
のX線回折により同様に上記(1)式より求めた。
第1表の試料No1、No.5〜23では、Al2O3の組成を25重量
%に固定し、YO1.5を0〜10モル%まで順次段階的に増
やしながらCeO2を種々のモル%で添加したものである。
試料No24〜31は、Al2O3を含まない本発明の組成外の比
較例である。第1表の結果より明らかな様に、本発明の
高靭性ジルコニア焼結体は、正方晶から単斜晶への転移
が大幅に抑制されており、熱水劣化試験後も、高い強度
を保持し、ほとんど劣化がないことが確認された。また
本発明の組成の範囲外となる比較例が単斜晶への転移が
抑制されず、強度が劣ることが判明した。
%に固定し、YO1.5を0〜10モル%まで順次段階的に増
やしながらCeO2を種々のモル%で添加したものである。
試料No24〜31は、Al2O3を含まない本発明の組成外の比
較例である。第1表の結果より明らかな様に、本発明の
高靭性ジルコニア焼結体は、正方晶から単斜晶への転移
が大幅に抑制されており、熱水劣化試験後も、高い強度
を保持し、ほとんど劣化がないことが確認された。また
本発明の組成の範囲外となる比較例が単斜晶への転移が
抑制されず、強度が劣ることが判明した。
(実施例2) 得られる粉末が第2表の割合になるように、純度99.9%
のオキシ塩化ジルコニウムの水溶液に、純度99.9%の塩
化イットリウム、純度99.9%の塩化セリウムを加え、均
一に混合した溶液をアルカリで凝結させ、水酸化物の沈
澱とし、これを脱水乾燥し、900℃にて仮焼して、部分
安定化ジルコニア粉末を得た。この粉末は、25m2/gの比
表面積を示す。この粉末に平均粒径0.3μm、純度99.9
%のAl2O3を第2表の割合が加え、湿式混合後乾燥させ
た粉末を1.5ton/cm2の圧力で等方的に成形し、1400〜16
50℃の温度で大気中2時間焼成した。得られた焼結体に
ついて実施例1と同様な測定を行った。第2表の試料No
32〜38は、YO1.5及びCeO2のモル%を固定し、Al2O3の重
量を順次段階的に増やしたものである。これより、Al2O
3の添加により、熱水劣化がほとんど無く、熱水劣化試
験後も高い強度を保持していることが確認された。ま
た、本発明の組成の範囲外となる比較例が熱劣化試験後
の強度が劣ることが判明した。
のオキシ塩化ジルコニウムの水溶液に、純度99.9%の塩
化イットリウム、純度99.9%の塩化セリウムを加え、均
一に混合した溶液をアルカリで凝結させ、水酸化物の沈
澱とし、これを脱水乾燥し、900℃にて仮焼して、部分
安定化ジルコニア粉末を得た。この粉末は、25m2/gの比
表面積を示す。この粉末に平均粒径0.3μm、純度99.9
%のAl2O3を第2表の割合が加え、湿式混合後乾燥させ
た粉末を1.5ton/cm2の圧力で等方的に成形し、1400〜16
50℃の温度で大気中2時間焼成した。得られた焼結体に
ついて実施例1と同様な測定を行った。第2表の試料No
32〜38は、YO1.5及びCeO2のモル%を固定し、Al2O3の重
量を順次段階的に増やしたものである。これより、Al2O
3の添加により、熱水劣化がほとんど無く、熱水劣化試
験後も高い強度を保持していることが確認された。ま
た、本発明の組成の範囲外となる比較例が熱劣化試験後
の強度が劣ることが判明した。
(実施例3) 実施例1の方法により調製した焼結体を用い、300℃の
電気炉内に所定時間保持し、熱劣化試験を行ない、焼結
体試料表面の単斜晶量を測定し、第2図に示した。ま
た、オートクレーブを使用し、第2図に示した。また、
オートクレーブを使用し、180℃(10気圧)の水蒸気中
に所定時間保持し、熱水劣化試験を行ない、同様に焼結
体試料表面の単斜晶量を測定し、時間と単斜晶の関係を
第3図に示した。
電気炉内に所定時間保持し、熱劣化試験を行ない、焼結
体試料表面の単斜晶量を測定し、第2図に示した。ま
た、オートクレーブを使用し、第2図に示した。また、
オートクレーブを使用し、180℃(10気圧)の水蒸気中
に所定時間保持し、熱水劣化試験を行ない、同様に焼結
体試料表面の単斜晶量を測定し、時間と単斜晶の関係を
第3図に示した。
図中の試料番号のカッコは順に(YO1.5モル%,CeO2モル
%,Al2O3wt%)を示し、No.A、No.B、No.24、No.25は比
較例である。
%,Al2O3wt%)を示し、No.A、No.B、No.24、No.25は比
較例である。
NoAは、Y2O3のみによる共沈法を用いて調製した部分安
定化ジルコニア焼結体であり、No.Bは、Y2O3のみによる
共沈法を用いて調製したジルコニア粉末に0.3μmの純
度99.9%のアルミナを所定量加えた高靭性ジルコニア焼
結体であり、いずれも1500℃で2時間焼成したものであ
る。No.24、No.25は、本発明の焼成外のAl2O3を含まな
いY2O3−CeO2−ZrO2系の焼結体である。
定化ジルコニア焼結体であり、No.Bは、Y2O3のみによる
共沈法を用いて調製したジルコニア粉末に0.3μmの純
度99.9%のアルミナを所定量加えた高靭性ジルコニア焼
結体であり、いずれも1500℃で2時間焼成したものであ
る。No.24、No.25は、本発明の焼成外のAl2O3を含まな
いY2O3−CeO2−ZrO2系の焼結体である。
これより本発明の組成の高靭性ジルコニア焼結体は、比
較例に示したY2O3−ZrO2,Y2O3−CeO2−ZrO2系,Y2O3−Zr
O2−Al2O3系の各焼結体に比べて、熱及び熱水中におい
ても極めて優れた安定性を示すことが判明した。
較例に示したY2O3−ZrO2,Y2O3−CeO2−ZrO2系,Y2O3−Zr
O2−Al2O3系の各焼結体に比べて、熱及び熱水中におい
ても極めて優れた安定性を示すことが判明した。
なお、以上に示した本発明の高靭性ジルコニア焼結体の
実施例は、いずれも大気中で1400〜1650℃で数時間焼成
することにより所望の特性を得たものであるが、真空
中、N2、アルゴンガス等の不活性ガス中、炭素雰囲気
中、水素中、酸素中での雰囲気中での焼成,ホットプレ
ス,HIP等のセラミックスの焼成技術を用いることによっ
ても同様の結果が得られるものである。
実施例は、いずれも大気中で1400〜1650℃で数時間焼成
することにより所望の特性を得たものであるが、真空
中、N2、アルゴンガス等の不活性ガス中、炭素雰囲気
中、水素中、酸素中での雰囲気中での焼成,ホットプレ
ス,HIP等のセラミックスの焼成技術を用いることによっ
ても同様の結果が得られるものである。
本発明の高靭性ジルコニア焼結体は、従来のY2O3−ZrO2
系の部分安定化ジルコニア焼結体組成に、CeO2成分とAl
2O3成分を新たに添加することにより、強度を改善する
とともに、熱安定性はもとより、特に劣化が激しいとさ
れる熱水中において著しく高い安定性を示す。また、従
来のY2O3−ZrO2系の部分安定化ジルコニア焼結体と比べ
て安定化剤のCeO2,添加剤のAl2O3はそれぞれY2O3,ZrO2
に対して廉価であるのでコスト的にも有利な高靭性セラ
ミックスとなる。
系の部分安定化ジルコニア焼結体組成に、CeO2成分とAl
2O3成分を新たに添加することにより、強度を改善する
とともに、熱安定性はもとより、特に劣化が激しいとさ
れる熱水中において著しく高い安定性を示す。また、従
来のY2O3−ZrO2系の部分安定化ジルコニア焼結体と比べ
て安定化剤のCeO2,添加剤のAl2O3はそれぞれY2O3,ZrO2
に対して廉価であるのでコスト的にも有利な高靭性セラ
ミックスとなる。
このような高強度,高靭性と共に熱安定性、特に熱水安
定性をも満足しうる本発明の高靭性ジルコニアは、例え
ば、熱及び圧力を受ける熱可塑性樹脂やセラミックスの
射出成形機用の耐摩耗セラミックスウリュウ,真ちゅう
ロッドや銅管シェル等の熱間押出しダイスや、煮沸消毒
をくり返すような医療用ハサミ,メス等に最適であり、
切削工具,工業用カッター,ダイス,内燃機関,ポン
プ,人工骨,人工歯根,精密機械工具等への実用化とこ
の性能向上に大きく寄与するものである。
定性をも満足しうる本発明の高靭性ジルコニアは、例え
ば、熱及び圧力を受ける熱可塑性樹脂やセラミックスの
射出成形機用の耐摩耗セラミックスウリュウ,真ちゅう
ロッドや銅管シェル等の熱間押出しダイスや、煮沸消毒
をくり返すような医療用ハサミ,メス等に最適であり、
切削工具,工業用カッター,ダイス,内燃機関,ポン
プ,人工骨,人工歯根,精密機械工具等への実用化とこ
の性能向上に大きく寄与するものである。
第1図はZrO2,YO1.5,CeO2の組成範囲を示す三角座標、
第2図は実施例3の熱劣化試験の時間と単斜晶量との関
係を示した図、第3図は実施例3の熱水劣化試験の時間
と単斜晶量の関係を示した図である。
第2図は実施例3の熱劣化試験の時間と単斜晶量との関
係を示した図、第3図は実施例3の熱水劣化試験の時間
と単斜晶量の関係を示した図である。
Claims (1)
- 【請求項1】添付図面に示すように正三角形に交わる三
軸にそれぞれZrO2、YO1.5、CeO2のmol%に表示した三角
座標において、 点I(ZrO289mol%、YO1.510mol%、CeO21mol%) 点J(ZrO288mol%、YO1.510mol%、CeO22mol%) 点K(ZrO287mol%、YO1.52mol%、CeO211mol%) 点L(ZrO293mol%、YO1.52mol%、CeO25mol%) 点M(ZrO293.5mol%、YO1.54mol%、CeO22.5mol%) で示された特定5組成点を結ぶ線で囲まれた範囲内の組
成になる主として正方晶より成る部分安定化ジルコニア
にAl2O3を3〜60内部重量%を含む焼結体で平均結晶粒
子径が3μm以下であり、180℃(10気圧)水蒸気中に1
0時間保持後の単斜晶量が30体積%以下であることを特
徴とする耐熱水安定性に優れた高靭性ジルコニア焼結
体。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60059154A JPH0764631B2 (ja) | 1985-03-22 | 1985-03-22 | 耐熱水安定性に優れた高靭性ジルコニア焼結体 |
DE3610041A DE3610041C2 (de) | 1985-03-22 | 1986-03-21 | Keramik auf Zirkoniumdioxidbasis mit Aluminiumoxid, Spinell, Mullit oder Spinell und Mullit und mit verbesserter hydrothermaler und thermischer Stabilität |
FR868604074A FR2579199B1 (fr) | 1985-03-22 | 1986-03-21 | Ceramique a base de zircone |
US06/842,496 US4820666A (en) | 1985-03-22 | 1986-03-21 | Zirconia base ceramics |
GB08607255A GB2174690B (en) | 1985-03-22 | 1986-03-24 | Zirconia base ceramics |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60059154A JPH0764631B2 (ja) | 1985-03-22 | 1985-03-22 | 耐熱水安定性に優れた高靭性ジルコニア焼結体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61219756A JPS61219756A (ja) | 1986-09-30 |
JPH0764631B2 true JPH0764631B2 (ja) | 1995-07-12 |
Family
ID=13105150
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60059154A Expired - Fee Related JPH0764631B2 (ja) | 1985-03-22 | 1985-03-22 | 耐熱水安定性に優れた高靭性ジルコニア焼結体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0764631B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6984261B2 (en) * | 2003-02-05 | 2006-01-10 | 3M Innovative Properties Company | Use of ceramics in dental and orthodontic applications |
FR2946337B1 (fr) * | 2009-06-03 | 2011-08-05 | Saint Gobain Ct Recherches | Produit fritte a base d'alumine et de zircone |
US8927446B2 (en) | 2009-06-30 | 2015-01-06 | Aktiebolaget Skf | Zirconia-alumina ceramic materials |
DE102012101741A1 (de) | 2012-03-01 | 2013-09-05 | Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. | Keramischer Sinterformkörper aus Y2O3-stabilisiertem Zirkonoxid und Verfahren zur Herstellung eines keramischen Sinterformkörpers aus Y2O3-stabilisiertem Zirkonoxid |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5832066A (ja) * | 1981-08-13 | 1983-02-24 | 日本特殊陶業株式会社 | 高靭性ジルコニア焼結体 |
JPS59162173A (ja) * | 1983-03-07 | 1984-09-13 | 東ソー株式会社 | ジルコニア焼結体 |
JPS6060980A (ja) * | 1983-06-16 | 1985-04-08 | マツクス−プランク−ゲゼルシヤフト・ツ−ル・フエルデルング・デル・ヴイツセンシヤフテン・エ−・フアウ | 二酸化ジルコニウム(ZrO2)からなるセラミツク成形体及びその製造法 |
JPS6177665A (ja) * | 1984-09-22 | 1986-04-21 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | 高靭性ジルコニア焼結体 |
-
1985
- 1985-03-22 JP JP60059154A patent/JPH0764631B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61219756A (ja) | 1986-09-30 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |