JPH082965A - ジルコニア質焼結体及びその製造方法、並びに、粉砕用部品材料及び歯科矯正用ブラケット材料 - Google Patents

ジルコニア質焼結体及びその製造方法、並びに、粉砕用部品材料及び歯科矯正用ブラケット材料

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JPH082965A
JPH082965A JP8650995A JP8650995A JPH082965A JP H082965 A JPH082965 A JP H082965A JP 8650995 A JP8650995 A JP 8650995A JP 8650995 A JP8650995 A JP 8650995A JP H082965 A JPH082965 A JP H082965A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い破壊靱性特性を有し、機械的強度及び熱
安定性に優れた、ホウ素化合物を含有する希土類金属酸
化物安定化ジルコニア質焼結体及びその製造方法並びに
該ジルコニア質焼結体を用いて構成された粉砕用部品材
料及び歯科矯正用ブラケット材料を提供すること。 【構成】 ZrO2を主成分とし、Yb2O3,Er2O3,Ho2O3,Y
2O3,Dy2O3の1種又は2種以上の希土類金属酸化物(R2O
3)と、ホウ素化合物[又はホウ素化合物とAl2O3及び/
又はSiO2]とを含むジルコニア質焼結体であって、R2O3
/ZrO2(モル比)が1.3/98.7〜2/98未満、ホウ素成分が
B2O3に換算して0.05〜8モル%、[Al2O3が0.1〜5モル%
及び/又はSiO2が0.05〜1.5モル%]であるジルコニア
質焼結体。該ジルコニア質焼結体を用いて構成された粉
砕用部品材料及び歯科矯正用ブラケット材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジルコニア質焼結体及
びその製造方法、並びに、該ジルコニア質焼結体を用い
て構成された粉砕用部品材料及び歯科矯正用ブラケット
材料に関し、特に高い破壊靱性特性を有し、機械的強度
及び熱安定性に優れた、ホウ素化合物を含有する希土類
金属酸化物安定化ジルコニア質焼結体及びその製造方
法、並びに、該ジルコニア質焼結体を用いて構成された
粉砕用部品材料及び歯科矯正用ブラケット材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ジルコニア(ZrO2)質焼結体は、そ
の強靱性を応用したセラミックスハサミや医療用材料、
潤滑性を利用した金型押出し用ダイス、又は、断熱性、
熱膨張性の特性を利用した断熱型エンジン用部品、或い
は、酸素イオン導電性を応用した酸素センサや燃料電池
等の構成材料として幅広く使用されている。
【0003】中でも、希土類金属酸化物を安定化剤とし
たジルコニア質焼結体の破壊靱性特性は、他のセラミッ
クスに比べても特に優れたものであることが知られてお
り、この特性を利用した製品の開発も盛んに行われてい
る。例えばセラミックス材料や金属粉或いは食品関連な
どの混合や粉砕に利用される粉砕媒体(メディア)等の粉
砕用部品材料として注目されており、また、金属及び高
分子製などに比べ優れた審美性と高い強度及び靱性を有
する歯列矯正用ブラケット材料としても注目を集めてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、希土類金属
酸化物を安定化剤としたジルコニア質焼結体の破壊靱性
特性は、その安定化剤の量や焼結温度に比例して低下す
る傾向が見られる。例えば、安定化剤の量が2モル%未
満からなるジルコニア質焼結体は、優れた破壊靱性特性
を示すことが知られている。従って、上記傾向からみ
て、2モル%未満(以下単に「低モル」と略記する)の安
定化剤を含む原料を使用し、しかも、これを低温度で焼
結させることができれば、高い破壊靱性特性を有するジ
ルコニア質焼結体を得ることが可能となる。
【0005】しかしながら、低モルの安定化剤でジルコ
ニアを焼結させることは非常に困難であり、かつ、一般
に希土類金属酸化物を安定化剤としたジルコニア質焼結
体は、低温度域での長期エ−ジングに伴う劣化(ジルコ
ニア質焼結体の結晶相のうち常温では準安定相である正
方晶が安定相の単斜晶に移転し、この相転移に伴う体積
膨張が焼結体内に微小亀裂を発生させることによる)が
起こりやすい欠点を有している。特に、100〜300℃の水
中もしくは水蒸気中でのエ−ジングは、著しい劣化を生
じる原因となり、低モルで安定化させたジルコニア質焼
結体ほどこのような現象が起こりやすい。
【0006】従って、従来の技術では、高靱性特性を有
するジルコニア質焼結体を作製することは困難であると
いう問題があった。また、仮に作製されたジルコニア質
焼結体が高靱性なものであっても、この種の高靱性のジ
ルコニア質焼結体は、低温度域での熱安定性が悪く、製
品の信頼性を損ねてしまう欠点を有しており、そのた
め、その利用範囲が一部の限られたものになってしまう
という問題があった。
【0007】従来、強度や耐摩耗性に優れたジルコニア
質焼結体からなる粉砕用部品材料が提案されているが
(例えば特公平2−20587号公報参照)、従来のジルコニア
質焼結体は、100〜300℃付近で長時間にわたり放置され
ると著しい強度の低下が起こり、特に水中もしくは水蒸
気中の環境下においては、その速度(強度の低下速度)も
非常に速いため、溶媒として水を用いるような湿式によ
る粉砕工程での使用、又は、粉砕用部品材料を水等で洗
浄した後に高温(200℃付近)にて乾燥工程を行う場合な
どにおいて、支障をきたすこととなる。
【0008】このような問題点を解決するものとして、
ホウ酸化合物(例えばB2O3)と、Al2O3及び/又はSiO2
を含むジルコニア質焼結体[但し、希土類金属酸化物が
2モル%以上含むもの]が特開平6−239662号公報等に提
案されている。このようなジルコニア質焼結体は、熱安
定性の向上は認められるものの、2モル%以上の希土類
金属酸化物を安定化剤としたジルコニア質焼結体である
ため、安定化剤の量が2モル%未満からなるジルコニア
質焼結体ほどの優れた破壊靱性特性を示さず、その破壊
靱性特性及び耐摩耗性など、すべての特性を満たせるよ
うなものではない。
【0009】一方、外観色調が歯に近く、しかも強度と
靱性に優れた材料として、ジルコニア質焼結体からなる
歯列矯正用ブラケット材料が、フランス特許第2,559,05
9号明細書、特開平2−21857号公報、特開平4−280864号
公報などにおいて提案されている。例えば特開平2−218
57号公報には、ジルコニア質焼結体としてY2O3などで部
分安定化された“いわゆる部分安定化ジルコニア”を歯
列矯正用ブラケット材料として用いることが記載されて
おり、また、特開平4−280864号公報には、色調が人の
歯に非常に近いものとして、酸化エルビウム、酸化プラ
セオジム、酸化鉄からなる色剤を含む部分安定化ジルコ
ニアを歯列矯正用ブラケット材料として用いることが記
載されている。
【0010】しかしながら、このような従来のジルコニ
ア質焼結体においても、100〜300℃付近で長時間にわた
り放置されると著しい強度の低下が起こり、特に水中も
しくは水蒸気中の環境下では、その速度(強度の低下速
度)も非常に速く、より低温域でも強度の低下が進行す
る。歯列矯正用ブラケット材料を含む医療用材料は、特
に高温(100〜300℃付近)で溶媒として水を用いるような
洗浄や滅菌消毒などを行うことが多いため、支障をきた
すこととなる。
【0011】このような問題点を解決するものとして、
ホウ素化合物(例えばB2O3)と、Al2O3及び/又はSiO2
を含むジルコニア質焼結体[但し、希土類金属酸化物が
2モル%以上含むもの]が特願平6−169453号等に提案さ
れている。このようなジルコニア質焼結体は、熱安定性
の向上は認められるものの、2モル%以上の希土類金属
酸化物を安定化剤としたジルコニア質焼結体であるた
め、安定化剤の量が2モル%未満からなるジルコニア質
焼結体ほどの優れた破壊靱性特性を示さず、その破壊靱
性特性など、すべての特性を満たせるようなものではな
い。
【0012】本発明は、前記欠点や問題点などに鑑み成
されたものであって、その目的とするところは、 ・第1に、低モルの希土類金属酸化物を安定化剤とし、
比較的低い温度にて焼結させることが可能で、かつ、熱
安定性及び破壊靱性特性に優れたジルコニア質焼結体及
びその製造方法を提供することにあり、 ・第2に、上記ジルコニア質焼結体及びその製造方法で
得られたジルコニア質焼結体を用いた粉砕用部品材料を
提供することにあり、 ・第3に、同じく上記ジルコニア質焼結体及びその製造
方法で得られたジルコニア質焼結体を用いた歯列矯正用
ブラケット材料を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係るジルコニア
質焼結体は、ZrO2を主成分とし、所定範囲の希土類金属
酸化物(R2O3)と、所定範囲のホウ素化合物(又は所定範
囲のホウ素化合物と、所定範囲のAl2O3及び/又はSiO2)
とを含む配合物を焼結してなることを特徴とし、これに
より熱安定性及び破壊靱性特性に優れたジルコニア質焼
結体を提供するものである。
【0014】また、本発明に係るジルコニア質焼結体の
製造方法は、所定の原料組成となるように、中和共沈
法、加水分解法、アルコキシド法などの化学合成法又は
酸化物混合法により原料配合物を調製し、これを所定温
度(500〜1200℃)で仮焼した後、解砕工程を経て得た所
定比表面積(化学合成法により得られたものの比表面積
は3m2/g以上、酸化物混合法により得られたものの比表
面積は10m2/g以上)の原料粉末を成形し、所定温度(130
0〜1650℃)で焼結することを特徴とし、これにより比較
的低い温度で焼結させることが可能であり、かつ、熱安
定性及び破壊靱性特性に優れたジルコニア質焼結体を得
ることができるものである。
【0015】更に、本発明に係る粉砕用部品材料及び歯
列矯正用ブラケット材料は、上記ジルコニア質焼結体及
び上記製造方法で得られたジルコニア質焼結体であっ
て、所定の物性値を有するジルコニア質焼結体を用いる
ことを特徴とする。
【0016】即ち、本発明に係るジルコニア質焼結体
は、「ZrO2を主成分とし、Yb2O3,Er2O3,Ho2O3,Y2O3
及びDy2O3よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の
希土類金属酸化物と、ホウ素化合物とを含むジルコニア
質焼結体であって、ホウ素成分の含有量が酸化ホウ素(B
2O3)に換算して0.05〜8モル%であり、かつ、上記希土
類金属酸化物(R2O3)とZrO2とのモル比(R2O3/ZrO2)が1.
3/98.7〜2/98未満であり、得られる結晶粒子が主とし
て正方晶と単斜晶の混合相よりなることを特徴とするジ
ルコニア質焼結体。」(請求項1)、及び「ZrO2を主成分
とし、Yb2O3,Er2O3,Ho2O3,Y2O3及びDy2O3よりなる群
から選ばれる1種又は2種以上の希土類金属酸化物と、
ホウ素化合物と、Al2O3及び/又はSiO2とを含むジルコ
ニア質焼結体であって、ホウ素成分の含有量が酸化ホウ
素(B2O3)に換算して0.05〜8モル%、上記希土類金属酸
化物(R2O3)とZrO2とのモル比(R2O3/ZrO2)が1.3/98.7
〜2/98未満であり、かつ、Al2O3の含有量が0.1〜5モル
%及び/又はSiO2の含有量が0.05〜1.5モル%であり、
得られる結晶粒子が主として正方晶と単斜晶の混合相よ
りなることを特徴とするジルコニア質焼結体。」(請求
項2)を要旨とする。
【0017】また、本発明のジルコニア質焼結体の製造
方法は、「ZrO2を主成分とし、Yb2O3,Er2O3,Ho2O3,Y
2O3及びDy2O3よりなる群から選ばれる1種又は2種以上
の希土類金属酸化物(R2O3)と、ホウ素化合物[又は、ホ
ウ素化合物と、Al2O3及び/又はSiO2]とを含むジルコ
ニア質焼結体の製造方法であって、(1)原料組成とし
て、前記希土類金属酸化物(R2O3)とZrO2とのモル比(R2O
3/ZrO2)が1.3/98.7〜2/98未満、前記ホウ素化合物の
含有量が酸化ホウ素(B2O3)に換算して0.05〜8モル%と
なるように[又は、前記ホウ素化合物の含有量が酸化ホ
ウ素(B2O3)に換算して0.05〜8モル%と、前記Al2O3の含
有量が0.1〜5モル%及び/又は前記SiO2の含有量が0.05
〜1.5モル%となるように]、中和共沈法,加水分解
法,アルコキシド法などの化学合成法又は酸化物混合法
により原料配合物を調製する工程、(2)上記原料配合物
を500〜1200℃で仮焼する工程、(3)上記仮焼物を、比表
面積が化学合成法により得られたもので3m2/g以上、酸
化物混合法により得られたもので10m2/g以上となるよ
うに解砕する工程、(4)上記解砕粉を成形する工程、(5)
上記成形体を1300〜1650℃で焼結する工程、を含むこと
を特徴とするジルコニア質焼結体の製造方法。」(請求
項4)を要旨とする。
【0018】更に、本発明の上記ジルコニア質焼結体を
用いた粉砕用部品材料及び歯列矯正用ブラケット材料
は、 ・前記ジルコニア質焼結体又は前記方法によって得られ
たジルコニア質焼結体を用いて構成された粉砕用部品材
料及び歯列矯正用ブラケット材料であって、「このジル
コニア質焼結体の平均粒子径が2μm以下で、且つ、か
さ密度が5.8g/cm3以上であり、100〜300℃の温度にて
大気中、又は、水及び水蒸気中において、長時間使用し
ても焼結体の劣化が起こりにくいことを特徴とするジル
コニア質焼結体を用いた粉砕用部品材料。」(請求項
5)、及び、「このジルコニア質焼結体の審美性を高め
るために、色剤としてPr6O11を0.0001〜0.002モル%、E
r2O3を0.01〜0.2モル%を含み、更に該焼結体の平均粒
子径が2μm以下で、且つ、気孔率が1%以下であり、10
0〜300℃の温度にて大気中又は水及び水蒸気中において
長時間使用しても焼結体の劣化が起こりにくいことを特
徴とするジルコニア質焼結体を用いた歯科矯正用ブラケ
ット材料。」(請求項6)を要旨とする。
【0019】以下、本発明のジルコニア質焼結体及びそ
の製造方法、並びに、このジルコニア質焼結体を用いた
粉砕用部品材料及び歯科矯正用ブラケット材料につい
て、順に詳細に説明する。
【0020】まず、本発明に係るジルコニア質焼結体に
ついて詳細に説明する。本発明に係るジルコニア質焼結
体は、前記したとおり、ZrO2を主成分とし、Yb2O3,Er2
O3,Ho2O3,Y2O3及びDy2O3よりなる群から選ばれる1種
又は2種以上の希土類金属酸化物(本明細書で、この希
土類金属酸化物を“R2O3”と略記する)を安定化剤とし
て用いるものである。(なお、Tm2O3及びLu2O3を用いる
こともできるが、Tm2O3及びLu2O3は非常に高価であり、
ジルコニア製品とした場合、市場競争力で問題とな
る。)
【0021】また、ZrO2-R2O3に対し0.5モル%以下であ
れば、前記R2O3以外の希土類金属酸化物を含んでも良
く、これも本発明に包含されるものである。この場合、
ZrO2-R2O3に対し0.5モル%以下であれば、前記R2O3以外
の希土類金属酸化物を含んでも機械的強度に顕著な変化
は認められないが、0.5モル%以上含むと、機械的強度
の低下が見られるので好ましくない。
【0022】そして、この安定化剤(R2O3)の割合は、Zr
O2とのモル比(R2O3/ZrO2)が1.3/98.7〜2/98未満とす
ることを特徴とする。安定化剤(R2O3)とZrO2とのモル比
が1.3/98.7未満では、ZrO2の正方晶を常温で維持させ
ることができ難く、正方晶から単斜晶に転移する際に生
じる体積変化により亀裂を伴うので、所望の焼結体を得
ることが困難となる。要するに安定化剤としての効果が
少ないので、好ましくない(後記表1,2の“組成No.18”
と表4,6の“組成No.44”参照)。
【0023】一方、安定化剤(R2O3)とZrO2とのモル比が
2/98以上では、焼結性及び機械的強度の優れた焼結体
が得られるが、本発明で意図する高い破壊靱性特性を有
するジルコニア質焼結体とはなり難く、本発明の高靱性
ジルコニア質焼結体を得ることができないので、好まし
くない(後記表1,3の“組成No.20”と表4,6の“組成N
o.46”参照)。従って、本発明に係るジルコニア質焼結
体において、R2O3とZrO2とのモル比(R2O3/ZrO2)が1.3
/98.7〜2/98未満であるのが好ましく、より好ましい
範囲は、1.5/98.5〜2/98未満である。
【0024】更に、本発明に係るジルコニア質焼結体
は、該焼結体中にホウ素(B)成分を含有していることを
特徴とする。なお、このホウ素成分は、ジルコニア質焼
結体の熱安定化性を向上させ得る添加物である。しか
し、ホウ素(B)の量がB2O3に換算して0.05モル%未満で
は、その熱安定化性効果が見られず(後記表1,2の“組
成No.1,2”と表4,5の“組成No.27,28”参照)、逆に8
モル%を越えるものでは、かえって熱安定性を低下させ
る傾向が見れるので好ましくない(後記表1,2の“組成N
o.5”と表4,5の“組成No.31”参照)。従って、ホウ素
(B)の量は、B2O3に換算して0.05〜8モル%であり、好ま
しくは0.2〜5モル%である。
【0025】本発明において、ホウ素成分を添加する際
の添加物(ホウ素源)としては、ホウ素からなる化合物を
用いることができ、これを例示すれば、酸化ホウ素、窒
化ホウ素、炭化ホウ素、もしくは、Zr,Al,Si,Yb,E
r,Ho,Y又はDyと、ホウ素(B)との化合物を挙げること
ができる。
【0026】本発明に係るジルコニア質焼結体は、熱安
定性の更なる向上及び焼結性の向上などのため、Al2O3
及び/又はSiO2を添加することができる。Al2O3の量は
0.1〜5モル%(好ましくは0.3〜2モル%)、SiO2の量は0.
05〜1.5モル%(好ましくは0.1〜0.5モル%)の範囲内に
あるものが好ましい。
【0027】Al2O3の量が0.1モル%未満、或いは、SiO2
の量が0.05モル%未満のものでは、それぞれの元素の添
加効果が見られない。一方、Al2O3が5モル%を超えて含
有されるジルコニア質焼結体では、Al2O3の量に比例し
て破壊靱性特性が低下するため好ましくない(後記表1,
2の“組成No.13”と表4,5の“組成No.39”参照)。ま
た、SiO2が1.5モル%を超えて含有されるようなジルコ
ニア質焼結体では、前記したホウ素の添加効果による熱
安定性が低下してしまう傾向があり、好ましくない(後
記表1,2の“組成No.15”と表4,5の“組成No.41”参
照)。
【0028】本発明に係るジルコニア質焼結体におい
て、Al2O3,SiO2の添加は、「B2O3-Al2O3-SiO2」の3成
分の添加のほか、上記の各添加範囲内であれば「B2O3-A
l2O3」又は「B2O3-SiO2」の2成分の添加においても添
加効果が得られる(後記表1,2の“組織No.6,7”と表
4,5の“組織No.32,33”参照)。これらの添加物(Al
源、Si源)は、これら添加成分(Al、Si)からなる酸化物
のほかに窒化物、炭化物又は水酸化物などの形で添加し
ても同様の効果が得られ、いずれも本発明に包含される
ものである。
【0029】次に、本発明に係るジルコニア質焼結体の
製造法について説明する。まず、中和共沈法、加水分解
法、アルコキシド法などの化学合成法又は酸化物混合法
を用い、ZrO2にR2O3及びホウ素化合物(更に必要に応じ
てAl2O3及び/又はSiO2)を前記所定原料組成になるよう
に調製する。次に、この原料粉を500〜1200℃の温度範
囲内で仮焼し、該仮焼粉を解砕した後成型し、1300〜16
50℃の温度範囲で焼結(本焼成)する。
【0030】本発明の製造方法において、500〜1200℃
での仮焼は、混合原料を出来る限り均一なものとするた
めであり、また、ZrO2の一部を相転移させておき、焼成
過程(本焼成工程)での焼結の促進を図るためのものであ
り、本発明の製造方法において重要な要件の1つであ
る。
【0031】ここで言う仮焼条件においての下限値:50
0℃は、仮焼によってZrO2の単斜晶の一部を正方晶に相
転移させることが可能な最低温度である。一般に、ZrO2
の単斜晶から正方晶への転移は、1170℃付近と言われて
いるが、ZrO2に安定化剤を加えることによりその転移温
度は低温側に移動し、例えばY2O3を安定化剤として用い
たものでは、800℃程度の温度で相転移が見られる。な
お、この温度は、安定化剤の種類或いは量により異なる
値となる。
【0032】一方、仮焼温度の上限値:1200℃は、仮焼
後の原料に見られる凝集粉が解砕工程により十分粉砕さ
れ得る最高温度であり、この温度を超えて仮焼を行った
ものでは、解砕後においても凝集粒が残留し、これが大
きな破壊点となり、ジルコニア質焼結体の強度の低下を
招くので好ましくない。従って、本発明の方法における
仮焼温度は500〜1200℃が好ましい。
【0033】仮焼を行った後の原料は、幾分か凝集して
いるため、解砕を必要とする。この際、解砕された原料
粉末の比表面積が化学合成法により得られたもので3m
2/g以上、酸化物混合法により得られたもので10m2
g以上になっていることが必要であり、好ましくは、化
学合成法により得られたもので8〜20m2/gの範囲、酸
化物混合法により得られたもので15〜30m2/gの範囲
にあるものが好ましい。
【0034】比表面積が化学合成法により得られたもの
で3m2/g未満、酸化物混合法により得られたもので10
2/g未満の原料粉末では、焼結性が悪く、緻密な焼
結体が得られ難いので好ましくない。なお、比表面積が
化学合成法により得られたもので3m2/g未満、酸化物
混合法により得られたもので10m2/g未満の原料粉末
を用いて緻密な焼結体を得るためには、本発明で示す13
00〜1650℃の温度範囲外で焼結(本焼成)する必要があ
り、この範囲外の焼結(本焼成)では、後記する問題点が
生じるので好ましくない。また、比表面積が大き過ぎる
ものでは、取り扱いが困難であるため、あまり好ましく
はなく、その上限は、化学合成法及び酸化物混合法とも
30m2/g程度である。
【0035】本発明の製造方法において、焼結(本焼成)
温度は、上記したように1300〜1650℃であることが好ま
しく、特に好ましくは1350〜1500℃である。焼結温度が
1300℃未満では、機械的特性の低いものしか得られず、
一方、1650℃を超えると、結晶粒の異常粒成長などが生
じ、このため高靱性な焼結体が得られないので好ましく
ない。
【0036】また、本発明の製造方法において、特に加
圧焼結処理によりジルコニア質焼結体を製造することに
より、より一層高強度なジルコニア質焼結体を製造する
ことができる。例えば、後述の実施例においてCIP成形
後の焼成により製造された強度130kgf/mm2以上のもの
は、HIP処理により150kgf/mm2以上の高強度な焼結体と
することができる。
【0037】次に、本発明に係る粉砕用部品材料につい
て説明する。本発明に係る粉砕用部品材料は、上記本発
明に係るジルコニア質焼結体及び上記本発明に係る製造
方法で得られたジルコニア質焼結体を用いるものであっ
て、所定の物性値を有するジルコニア質焼結体からなる
ことを特徴とする。即ち、ジルコニア質焼結体の平均粒
子径が2μm以下で、且つかさ密度が5.8g/cm3以上であ
り、しかも100〜300℃の温度にて大気中、又は、水及び
水蒸気中において、長時間使用しても焼結体の劣化が起
こりにくいジルコニア質焼結体を用いた粉砕用部品材料
である。
【0038】ジルコニア質焼結体の平均粒子径が2μm
を超えると、耐摩耗性及び熱安定性に欠けるため、好ま
しくなく、一方、かさ密度が5.8g/cm3未満では、例え
ば粉砕用メディアとして用いたときに現れる粉砕効率が
小さなものとなってしまうため、また、強度特性も低い
値となるため、好ましくない。また、大気中、又は、水
及び水蒸気中において、100〜300℃の温度範囲で劣化す
る焼結体では、その劣化に伴い耐摩耗性、粉砕効率、強
度特性などすべての面の特性が大きく低下し、そのた
め、例えば溶媒として水を用いるような湿式による粉砕
工程での使用、又は、粉砕用部品材料を水等で洗浄した
後に高温(200℃付近)にて乾燥工程を行う場合などに使
用し難くなるので、好ましくない。
【0039】次に、本発明に係る歯列矯正用ブラケット
材料について説明する。本発明に係る歯列矯正用ブラケ
ット材料は、前記本発明に係るジルコニア質焼結体及び
前記本発明に係る製造方法で得られたジルコニア質焼結
体を用いるものであって、このジルコニア質焼結体の審
美性を高めるために、色剤としてPr6O11を0.0001〜0.00
2モル%、Er2O3を0.01〜0.2モル%を含み、更に該焼結
体の平均粒子径が2μm以下で、且つ、気孔率が1%以下
であり、しかも100〜300℃の温度にて大気中、又は、水
及び水蒸気中において長時間使用しても焼結体の劣化が
起こりにくい性質を有するジルコニア質焼結体を用いる
ことを特徴とする。
【0040】色剤として添加するPr6O11、Er2O3の量が
上記範囲外であって少ない場合、その色が白すぎるた
め、また、逆に多い場合はその色が歯より濃すぎるた
め、いずれも歯に接着したときにその外観色調の違いか
ら、見たときに違和感があり、審美上好ましくない。
【0041】本発明に係る歯列矯正用ブラケット材料を
構成するジルコニア質焼結体の平均粒子径が2μmを超
えると、熱安定性に欠けるため好ましくなく、一方、気
孔率が1%を超えると、光沢感のある審美性に欠けるた
め、また、強度特性も低い値となるため、好ましくな
い。また、大気中、又は、水及び水蒸気中において、10
0〜300℃の温度範囲で劣化する焼結体では、その劣化に
伴い審美性、強度特性などすべての面の特性が大きく低
下し、そのため、該焼結体からなる歯列矯正用ブラケッ
ト材料は、特に高温(100〜300℃付近)での水による洗浄
や滅菌消毒などを行うことができ難くなるため、好まし
くない。
【0042】本発明に係るジルコニア質焼結体(本発明
に係る粉砕用部品材料及び歯列矯正用ブラケット材料に
用いるジルコニア質焼結体を含む)は、その結晶粒子が
主として正方晶(T)と単斜晶(M)の混合相(T+M)よりなる
ことを特徴とする。本発明に係るジルコニア質焼結体で
は、安定剤(R2O3)が2モル%未満であるので、立方晶が
存在せず、その結晶粒子が主として正方晶(T)と単斜晶
(M)の混合相(T+M)になる。そして、このような混合相
(T+M)よりなるジルコニア質焼結体では、破壊靱性の向
上が期待でき、そのような傾向も認められる。
【0043】なお、ジルコニア質焼結体の結晶相の単斜
晶含有量は、焼結体表面を#600のダイアモンド砥石で
研削した後、1〜5μmのダイヤモンド粒により鏡面に仕
上げ、その表面のX線回折による強度比より、次の式
(1)〜(3)を用いて求めた。
【0044】
【数1】
【0045】
【数2】
【0046】
【数3】
【0047】また、ジルコニア質焼結体の平均粒子径の
測定は、上記したように鏡面に仕上げた焼結体の表面を
フッ化水素酸によりエッチング処理を行い、電子顕微鏡
写真で粒子を50個以上含むような一定面積(S)内に等し
い円の直径(d)を、式d=(4S/π)1/2により計算し
た。そして、直径(d)を同一試料の3カ所以上の視野に
ついて求めて、その平均粒子径とした。粒子数(n)は、
一定面積(S)に完全に含まれる粒子の数と一定面積の境
界線で切られる粒子の数の1/2との和とした(なお、該
測定法については、特公昭61−21184号公報参照)。
【0048】
【作用】本発明の特定組成のジルコニア質焼結体であれ
ば、中和共沈法、加水分解法、アルコキシド法などの化
学合成法のみでなく、比較的安価な酸化物混合法による
原料を用いても、熱安定性に優れ、高い破壊靱性特性を
有するジルコニア質焼結体を得ることができる。
【0049】本発明のホウ素化合物及び焼結助剤を含有
するR2O3安定化ジルコニア質焼結体を用いた粉砕用部品
材料によれば、即ち、本発明に規定される組成を有し、
平均粒子径、かさ密度を満足するジルコニア質焼結体を
用いた粉砕用部品材料によれば、従来にない高い破壊靱
性特性を有し、且つ、耐摩耗性、熱安定性に優れた粉砕
効率の良い粉砕用部品材料が提供される。
【0050】また、本発明のホウ素化合物及び焼結助剤
を含有するR2O3安定化ジルコニア質焼結体を用いた歯列
矯正用ブラケット材料によれば、即ち、本発明に規定さ
れる組成を有し、更に色剤としてPr6O11、Er2O3を含
み、平均粒子径、気孔率を満足するジルコニア質焼結体
を用いた歯列矯正用ブラケット材料によれば、装着時の
審美性に優れ、従来にない高い破壊靱性を有し、且つ、
熱安定性に優れた歯列矯正用ブラケット材料が提供され
る。
【0051】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、
本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を
越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0052】[実施例1(比較例を含む)]表1に示す
組成(組成No.1〜26)となるように酸化ジルコニウム(ZrO
2)、希土類金属酸化物(R2O3:安定化剤)、酸化ホウ素(B
2O3)、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化ケイ素(SiO2)
を秤量し、溶媒としてイオン交換水を用い、ゴムライニ
ングのボ−ルミルにてZrO2質ボ−ルを使用して混練した
後、乾燥を行った。
【0053】
【表1】
【0054】次に、表2及び表3に示す温度にて仮焼を
行い(ただし、表3の組成No.19中「仮焼温度:0℃」の
ものは仮焼せず)、得られた仮焼粉を上記混練時と同様
のボ−ルミルにて表2及び表3に示す比表面積となるよ
うに解砕し、アクリル系共重合樹脂を3重量%加えてス
プレ−造粒を行った。この造粒粉を1000kgf/cm2の圧力
でCIP成形し、表2及び表3に示す温度にて本焼成を
行った。
【0055】得られた各ジルコニア質焼結体について、
ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法(JIS R1601)
に基づいて測定した「3点曲げ強度」,「ビッカ−ス硬
さ(JIS R1610)」,IF法により求めた「破壊靱性値(JIS
R1607)」及び焼結体の「熱安定性」を表2及び表3に
示す。なお、焼結体の「熱安定性」は、焼結体をオ−ト
クレ−ブに入れ、200℃の熱水中にて200時間のエ−ジン
グテストを行った後、焼結体の劣化具合を観測して判断
した。
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】上記表2及び表3から、安定化剤(R2O3)と
ZrO2とのモル比が本発明の所定範囲内で、かつ、所定範
囲のホウ素化合物(又は所定範囲のホウ素化合物と、Al2
O3及び/又はSiO2)を含む実施例1では、高強度で高破
壊靱性値を示し、しかも熱安定性が良好なジルコニア質
焼結体が得られることが理解できる。
【0059】そして、本発明で規定する上記所定範囲の
1つでもはずれたもの、又は、ホウ素(B)成分を含まな
いものでは、本発明のジルコニア質焼結体を得ることは
できない。例えば、本発明で規定する「R2O3/ZrO2:1.
3/98.7〜2/98未満」の範囲外である組成No.18(R2O3
ZrO2:1/99)の比較例では、安定化剤(Y2O3)が微量であ
るので焼結せず、同じく組成No.20(R2O3/ZrO2:2.5/9
7.5)の比較例では、破壊靱性値が7.10MPa√mと低く、所
望のジルコニア質焼結体を得ることができなかった。ま
た、本発明で規定するR2O3/ZrO2モル比の範囲内であっ
ても、ホウ素(B)成分を含まない組成No.1、2の比較例及
びホウ素(B)成分が本発明で規定する範囲を超えて添加
した組成No.5では、表2で明らかなように熱安定性が劣
るものであった。
【0060】さらに、安定化剤(R2O3)とZrO2とのモル比
が本発明の所定範囲内で、かつ、本発明に係る添加物
(ホウ素化合物、Al2O3及び/又はSiO2)がそれぞれ本発
明の所定範囲内となるように調製した原料配合物を用い
ても、仮焼条件において500〜1200℃の範囲外の条件下
にて行った場合、又は、原料の比表面積或いは本焼成条
件が本発明の所定範囲外のものでは、結果として、本発
明のジルコニア質焼結体は得られない。
【0061】例えば、仮焼条件として本発明で規定する
範囲(500〜1200℃)外の1400℃で仮焼した比較例及び仮
焼しなかった比較例(表3の組成No.19参照)では、前者
は曲げ強度が11.63Kgf/mm2と極端に低く、後者につ
いては低破壊靱性値(4.11MPa√m)のものが得られた。ま
た、原料の比表面積が本発明で規定する範囲(酸化物混
合法で10m2/g以上)外である6m2/gの原料を使用した
表2に示す組成No.9では、曲げ強度が低く、しかも熱安
定性の悪いものが得られた。
【0062】さらに、焼結(本焼成)条件として本発明で
規定する範囲(1300〜1650℃)外の1700℃で焼結した比較
例及び1200℃で焼結した比較例(表3の組成No.21参照)
では、前者の高温焼結したものは焼き台との反応が認め
られ、後者の低温焼結によるものでは曲げ強度が2.09kg
f/mm2と極端に低く、いずれも本発明で所望する高靱
性ジルコニア質焼結体が得られなかった。
【0063】[実施例2(比較例を含む)]表4に示す
組成(組成No.27〜47)となるように、中和共沈法で得ら
れたY2O3を1〜2.5モル%、又は、Yb2O3を1.8モル%含む
原料に、B2O3、Al2O3、SiO2を秤量し、溶媒としてイオ
ン交換水を用い、ゴムライニングのボ−ルミルにてZrO2
質ボ−ルを使用して混練した後、乾燥を行った。
【0064】
【表4】
【0065】次に、表5及び表6に示す温度にて仮焼を
行い(ただし、表6の組成No.45中「仮焼温度:0℃」の
ものは仮焼せず)、得られた仮焼粉を上記混練と同様の
ボ−ルミルにて表5、表6に示す比表面積となるように
解砕し、アクリル系共重合樹脂を3重量%加えてスプレ
−造粒を行った。この造粒粉を1000kgf/cm2の圧力でC
IP成形し、表5、表6に示す温度にて本焼成を行っ
た。
【0066】得られた各ジルコニア質焼結体について、
前記実施例1に示す評価方法による“3点曲げ強度”
“ビッカ−ス硬さ”“破壊靱性値”“熱安定性”の各特
性を検討した。その結果を表5及び表6に示す。
【0067】
【表5】
【0068】
【表6】
【0069】上記表5及び表6から、安定化剤(R2O3)と
ZrO2とのモル比が本発明の所定範囲内で、かつ、所定範
囲のホウ素化合物(又は所定範囲のホウ素化合物と、Al2
O3及び/又はSiO2)を含む実施例2では、高強度で高破
壊靱性値を示し、しかも熱安定性が良好なジルコニア質
焼結体が得られることが理解できる。
【0070】そして、本発明で規定する上記所定範囲の
1つでもはずれたもの、又は、ホウ素(B)成分を含まな
いものでは、本発明のジルコニア質焼結体を得ることが
できない。例えば、本発明で規定する「R2O3/ZrO2:1.
3/98.7〜2/98未満」の範囲外である組成No.44(R2O3
ZrO2:1/99)の比較例では、安定化剤(Y2O3)が微量であ
るので焼結せず、同じく組成No.46(R2O3/ZrO2:2.5/9
7.5)の比較例では、破壊靱性値が7.01MPa√mと低く、所
望のジルコニア質焼結体が得ることができなかった。ま
た、本発明で規定するR2O3/ZrO2モル比の範囲内であっ
ても、ホウ素(B)成分を含まない組成No.27、28の比較例
及びホウ素(B)成分が本発明で規定する範囲を超えて添
加した組成No.31では、表5で明らかなように熱安定性
が劣るものであった。
【0071】さらに、安定化剤(R2O3)とZrO2とのモル比
が本発明の所定範囲内で、かつ、本発明に係る添加物
(ホウ素化合物、Al2O3及び/又はSiO2)がそれぞれ本発
明の所定範囲内となるように調製した原料配合物を用い
ても、仮焼条件において500〜1200℃の範囲外の条件下
にて行った場合、又は、原料の比表面積或いは本焼成条
件が本発明の所定範囲外のものでは、結果として、本発
明のジルコニア質焼結体が得られない。
【0072】例えば仮焼条件として本発明で規定する範
囲(500〜1200℃)外の1400℃で仮焼した比較例及び仮焼
しなかった比較例(表6の組成No.45参照)では、前者は
曲げ強度が20.39kgf/mm2と極端に低く、後者について
は低破壊靱性値(5.21MPa√m)のものが得られた。また、
原料の比表面積が本発明で規定する範囲(化学合成法で3
m2/g以上)外である2m2/gの原料を使用した表6に示す
組成No.45では、曲げ強度が低く、しかも熱安定性の悪
いものが得られた。
【0073】さらに、焼結(本焼成)条件として本発明で
規定する範囲(1300〜1650℃)外の1700℃で焼結した比較
例及び1200℃で焼結した比較例(表6の組成No.47参照)
では、前者の高温焼結したものは焼き台との反応が認め
られ、後者の低温焼結によるものでは曲げ強度が8.72kg
f/mm2と極端に低く、いずれも本発明で所望するジルコ
ニア質焼結体が得られなかった。
【0074】[実施例3(比較例を含む)]前記実施例
1の方法に従って作製した原料(表1の組成No.2,9,20
のもので、仮焼温度:1000℃、比表面積:10m2/gのも
の)を用い、焼結後に直径1/2インチのボ−ル形状にな
るように成形した。これを1500℃にて焼成を行い、粉砕
用メディアを作製した。
【0075】得られた粉砕用メディアを使用して摩耗テ
ストを行った。摩耗テストは、2リットルアルミナ質ボ
−ルミルポットを用い、試料メディア3.6kgと800ccの水
及び電融アルミナ粉末(#325)を入れ、回転数100rpmで4
8時間回転させ、テスト前後のメディア重量の減少量を
測定した。この減少量より使用した粉砕用メディアの摩
耗率を求め、また、熱水テストを行った後の、即ち、オ
−トクレ−ブに入れ、200℃の熱水中にて200時間のエ−
ジングテストを行った後の摩耗率を求め、その結果を表
7に示した。
【0076】
【表7】
【0077】表7の結果より明らかなように、本発明の
ジルコニア質焼結体(組成No.9)を用いた粉砕用部品材料
(粉砕用メディア)は、耐摩耗率が小さく、かつ、熱安定
性に優れており、特に熱水テストを行った後において
も、摩耗率の変化が極めて小さいことが認められた。
【0078】[実施例4(比較例を含む)]前記実施例
1の方法に従って作製した原料(表1の組成No.2,9,20
のもので、仮焼温度:1000℃、比表面積:10m2/gのも
の)を使用し、この原料に、表8に示す組成となるよう
に、色剤としてのPr6O11及びEr2O3を秤量し、溶媒とし
てイオン交換水を用い、ゴムライニングのボ−ルミルに
てZrO2質ボ−ルを使用して混練した後、乾燥を行った。
【0079】これを出発原料として、射出成形用コンパ
ウンドを作製するため、樹脂とワックスを添加して加熱
ニ−ダ−により加熱混練し、更に、射出成形機内への安
定供給のためにペレット化した。次いで、目的とする
“歯列矯正用ブラケットの所定形状を設計している金型
を保持する射出成形機”に上記コンパウンド(ペレット)
を投入、成形した。この成形体を約350℃の温度でコン
パウンド中の樹脂分を分解、散逸させ、続いて1500℃に
て焼結させた。
【0080】得られた歯列矯正用ブラケツトの表面を研
磨し、前記実施例1と同様の方法により“ビッカ−ス硬
さ(JIS R1610)”“破壊靱性値(JIS R1607)”を測定し、
また、“熱安定性”を評価した。更に、“3点曲げ強
度”についても測定し、それらの結果を表8に示す。な
お、“3点曲げ強度”は、ファインセラミックスの曲げ
強さ試験方法(JIS R1601)に基づいた試験片形状になる
ように、歯列矯正用ブラケット形状の時と同じ条件に
て、射出成形して作製したものを用いた。
【0081】
【表8】
【0082】表8から明らかなように、本発明のジルコ
ニア質歯列矯正用ブラケツトは、実施例1と同様、焼結
体の特性として、3点曲げ強度、ビッカ−ス硬さ及び破
壊靱性値とも、ジルコニアセラミックスとしては市販材
料と比較しても優れた値を示し、熱安定性の点に関して
も、ブラケツトの表面は何ら変質することのないことが
確認され、滅菌条件或いは通常口腔内の使用条件を考慮
するならば、全く問題のないことが示唆された。また、
Pr6O11、Er2O3の添加量が本発明で規定する量よりも少
ない場合は、その色が白すぎ(白っぽい淡黄色を呈す
る)、逆に多い場合は、その色が歯より濃すぎるため(茶
系象牙色を呈する)、いずれも歯に接着したときにその
外観色調の違いから、見たときに違和感があり、審美上
好ましくないものであった。
【0083】
【発明の効果】本発明に係るジルコニア質焼結体は、Zr
O2を主成分とし、所定範囲の希土類金属酸化物(R2O3)と
所定範囲のホウ素化合物(又は所定範囲のホウ素化合物
と、所定範囲のAl2O3及び/又はSiO2)とを含むことを特
徴とし、これにより熱安定性及び破壊靱性特性に優れた
ジルコニア質焼結体を提供することができる。
【0084】また、本発明に係るジルコニア質焼結体の
製造方法は、所定の原料組成となるように化学合成法又
は酸化物混合法により原料配合物を調製し、これを所定
温度(500〜1200℃)で仮焼した後、解砕工程を経て得た
所定比表面積(化学合成法により得られたもので3m2/g
以上、酸化物混合法により得られたもので10m2/g以上)
の原料粉末を成形し、所定温度(1300〜1650℃)で焼結す
ることを特徴とし、このように本発明の方法によれば、
比較的低い温度で焼結させることが可能であり、しかも
化学合成法による製造のみでなく、比較的安価な製造方
法である酸化物混合法を用いても、従来にない高靱性
で、かつ、熱安定性に優れたジルコニア質焼結体を製造
することができる効果が生じる。
【0085】そして、本発明によれば、高靱性、潤滑
性、断熱性、熱膨張特性、酸素イオン導電性等の様々な
特性を備え、これら各特性を利用して工業的に幅広い応
用分野が望まれているジルコニア質焼結体を提供するこ
とができ、しかも熱安定性に優れ、著しく高靱性なジル
コニア質焼結体を安価に提供することが可能であり、そ
の工業的有用性は極めて大である。
【0086】更に、本発明に係る組成を有するジルコニ
ア質焼結体を用いた粉砕用部品材料によれば、高強度、
強靱性で且つ耐摩耗性、熱安定性に優れ、しかも粉砕効
率の良い粉砕用部品材料が提供される。このような本発
明の粉砕用部品材料は、乾式又は湿式で、セラミック
ス、金属、有機高分子などの粒子を微粉砕する各種粉砕
装置に使用される内張材、メディア等の粉砕用部品材料
として工業的に極めて有用である。
【0087】また、本発明に係る組成を有するジルコニ
ア質焼結体を用いた歯列矯正用ブラケット材料によれ
ば、高強度、高硬さ、高靱性で、しかも装着時の審美性
に優れ、且つ、熱安定性に優れた歯列矯正用プラケット
材料を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B02C 17/20 17/22

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ZrO2を主成分とし、Yb2O3,Er2O3,Ho2O
    3,Y2O3及びDy2O3よりなる群から選ばれる1種又は2種
    以上の希土類金属酸化物と、ホウ素化合物とを含むジル
    コニア質焼結体であって、ホウ素成分の含有量が酸化ホ
    ウ素(B2O3)に換算して0.05〜8モル%であり、かつ、上
    記希土類金属酸化物(R2O3)とZrO2とのモル比(R2O3/ZrO
    2)が1.3/98.7〜2/98未満であり、得られる結晶粒子が
    主として正方晶と単斜晶の混合相よりなることを特徴と
    するジルコニア質焼結体。
  2. 【請求項2】 ZrO2を主成分とし、Yb2O3,Er2O3,Ho2O
    3,Y2O3及びDy2O3よりなる群から選ばれる1種又は2種
    以上の希土類金属酸化物と、ホウ素化合物と、Al2O3
    び/又はSiO2とを含むジルコニア質焼結体であって、ホ
    ウ素成分の含有量が酸化ホウ素(B2O3)に換算して0.05〜
    8モル%、上記希土類金属酸化物(R2O3)とZrO2とのモル
    比(R2O3/ZrO2)が1.3/98.7〜2/98未満であり、かつ、
    Al2O3の含有量が0.1〜5モル%及び/又はSiO2の含有量
    が0.05〜1.5モル%であり、得られる結晶粒子が主とし
    て正方晶と単斜晶の混合相よりなることを特徴とするジ
    ルコニア質焼結体。
  3. 【請求項3】 前記ホウ素化合物が、酸化ホウ素,窒化
    ホウ素,炭化ホウ素、もしくは、請求項1又は2に示さ
    れる元素(Zr,Al,Si,Yb,Er,Ho,Y,Dy)とホウ素(B)
    との化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載
    のジルコニア質焼結体。
  4. 【請求項4】 ZrO2を主成分とし、Yb2O3,Er2O3,Ho2O
    3,Y2O3及びDy2O3よりなる群から選ばれる1種又は2種
    以上の希土類金属酸化物(R2O3)と、ホウ素化合物[又
    は、ホウ素化合物とAl2O3及び/又はSiO2]とを含むジ
    ルコニア質焼結体の製造方法であって、(1)原料組成と
    して、前記希土類金属酸化物(R2O3)とZrO2とのモル比(R
    2O3/ZrO2)が1.3/98.7〜2/98未満、前記ホウ素化合物
    の含有量が酸化ホウ素(B2O3)に換算して0.05〜8モル%
    となるように[又は、前記ホウ素化合物の含有量が酸化
    ホウ素(B2O3)に換算して0.05〜8モル%と、前記Al2O3
    含有量が0.1〜5モル%及び/又は前記SiO2の含有量が0.
    05〜1.5モル%となるように]、中和共沈法,加水分解
    法,アルコキシド法などの化学合成法又は酸化物混合法
    により原料配合物を調製する工程、(2)上記原料配合物
    を500〜1200℃で仮焼する工程、(3)上記仮焼物を、比表
    面積が化学合成法により得られたもので3m2/g以上、酸
    化物混合法により得られたもので10m2/g以上となるよ
    うに解砕する工程、(4)上記解砕粉を成形する工程、(5)
    上記成形体を1300〜1650℃で焼結する工程、を含むこと
    を特徴とするジルコニア質焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2又は3に記載のジルコニア
    質焼結体、又は、請求項4に記載の方法によって得られ
    たジルコニア質焼結体を用いて構成された粉砕用部品材
    料であって、該焼結体の平均粒子径が2μm以下で、且
    つ、かさ密度が5.8g/cm3以上であり、100〜300℃の温
    度にて大気中、又は、水及び水蒸気中において長時間使
    用しても焼結体の劣化が起こりにくいことを特徴とする
    請求項1、2又は3に記載のジルコニア質焼結体、又
    は、請求項4に記載の方法によって得られたジルコニア
    質焼結体を用いた粉砕用部品材料。
  6. 【請求項6】 請求項1、2又は3に記載のジルコニア
    質焼結体、又は、請求項4に記載の方法によって得られ
    たジルコニア質焼結体を用いて構成された歯科矯正用ブ
    ラケット材料であって、該焼結体の審美性を高めるため
    に、色剤として、Pr6O11を0.0001〜0.002モル%、Er2O3
    を0.01〜0.2モル%を含み、更に該焼結体の平均粒子径
    が2μm以下で、且つ、気孔率が1%以下であり、100〜3
    00℃の温度にて大気中、又は、水及び水蒸気中において
    長時間使用しても焼結体の劣化が起こりにくいことを特
    徴とする請求項1、2又は3に記載のジルコニア質焼結
    体、又は、請求項4に記載の方法によって得られたジル
    コニア質焼結体を用いた歯科矯正用ブラケット材料。
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