JP2003195105A - 光ファイバ用フェルール及びその製造方法 - Google Patents

光ファイバ用フェルール及びその製造方法

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JP2003195105A
JP2003195105A JP2001394124A JP2001394124A JP2003195105A JP 2003195105 A JP2003195105 A JP 2003195105A JP 2001394124 A JP2001394124 A JP 2001394124A JP 2001394124 A JP2001394124 A JP 2001394124A JP 2003195105 A JP2003195105 A JP 2003195105A
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optical fiber
diameter hole
ferrule
wall
small diameter
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Kiyoto Hatasawa
清人 畠澤
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い固定強度を有する光ファイバ用フェルール
1を提供する。 【解決手段】小径孔2と大径孔3をテーパー部を介して
連続した長手方向の貫通孔を有する光ファイバ用フェル
ール1に於いて、前記小径孔2の内壁に複数の溝を網目
状4に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の光ファイバ
の先端部を挿着するために用いられる光ファイバ用フェ
ルール及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報伝達量及び速度の点から高速
・大容量通信手段として光ファイバを用いた光信号によ
る情報通信が広く行われつつある。これら情報伝達は、
通信網としての整備から情報機器間データ移送まで幅広
い応用展開が見込まれている。
【0003】これらの光ファイバを用いた情報伝達で
は、光ファイバ用フェルールに挿通保持された光ファイ
バの端面同士を接続する光コネクタが使用される。
【0004】かかる図6に示す光ファイバ用フェルール
1は、その軸方向に光ファイバ心線を貫通する小径孔2
及び前記光ファイバ心線を被覆層で覆った光ファイバを
挿通する大径孔3が形成され略円筒形状を有している。
【0005】また、前記小径孔2の内径は0.126m
m程度とされており、この光ファイバ用フェルールは、
いずれも細径の光ファイバを保持、接続する目的から、
サブミクロンの非常に高い寸法精度が要求される。
【0006】またこの前記小径孔の加工ならびにファイ
バ組込性能の向上を図る目的としてノズル型フェルール
が提案され、信頼性確保の上で前記小径孔の長さは6m
mが望ましいとされている(1996年電子情報通信学
会通信ソサイエティ大会論文誌B−989参照)。
【0007】さらに、複数本の光ファイバからなる多心
ファイバを挿入保持する光ファイバ用多心フェルール
は、一度に多量の情報を交換する接続器などに用いら
れ、図7に示すような、横一列に多数の光ファイバを挿
通する複数の小径孔2を有した構造や、より一層の小型
化のため、複数の行列に光ファイバを挿入した構造の光
ファイバ用多心フェルールが提案されている。
【0008】これらの光ファイバ用フェルール1や光フ
ァイバ多心フェルールの小径孔2に、光ファイバ心線を
保持するには、小径孔2の内壁と光ファイバとの間に間
隙を設け、接着剤を充填して行うか、もしくは小径孔2
と光ファイバとの間に接着剤を充填して行われ、光ファ
イバを強固に固定するため、小径孔2の内壁に凹凸を形
成することが提案されている(特開平7−239425
号公報参照)。
【0009】また、図8に示すように直径が0.1〜5
μmの気孔9を略均一に有するセラミックスを用いて光
ファイバ用フェルール1を形成することにより、小径孔
2の内壁に現れた気孔9によって内壁が平滑でなくな
り、この気孔に接着剤8が入り込むことによって光ファ
イバ6の固定強度を高めることが提案されている(特開
平11−52180号公報参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に
示す従来の光ファイバ用フェルール1では、小径孔2内
面の研削加工工数を削減するために小径孔2の寸法を短
くすることは、光ファイバの接着面積が少なくなり接着
保持力の低下する課題がある。
【0011】また、従来の光ファイバ用フェルール1の
ように、小径孔2の内壁に凹凸を形成する場合、金型に
溝を形成して製作するため、コストが高くなり、また小
径孔の内壁を同心円状に研磨する必要があるため、加工
時間が長くなって製造コストが高くなるという課題があ
る。また、図8に示す直径0.1〜5μmの気孔を略均
一に有するセラミックスからなる光ファイバ用フェルー
ル1では、小径孔2の内壁以外に光ファイバ用フェルー
ルの外周部や端面にも0.1〜5μmの気孔が存在する
ことから、機械的強度が低下し、この光ファイバ用フェ
ルール1をスリーブに挿入することによって、他の光フ
ァイバ用フェルール1と接続する際、大きな曲げモーメ
ントが生じ、破損しやすく、長期間の使用に供すること
ができないと課題があった。
【0012】本発明は、上述の欠点に鑑み案出されたも
ので、その目的は光ファイバ6を強固に固定するととも
に、高強度を有し長期間の使用に供することができる光
ファイバ用フェルール1を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記に鑑みて本発明は、
小径孔と大径孔をテーパー部を介して連続した長手方向
の貫通孔を有する光ファイバ用フェルールに於いて、前
記小径孔の内壁に複数の溝を網目状に形成したことを特
徴とする。
【0014】また、前記小径孔の長手方向の長さを1m
m〜3mm、かつ前記大径孔の直径を0.13mm〜0.
6mmとしたことを特徴とする。
【0015】さらにまた、前記小径孔の内壁近傍の結晶
粒子は、内壁表面における平均長さが1μm以下、かつ
前記内壁に対して垂直方向の平均長さが1〜20μmで
あることを特徴とする。
【0016】さらに、セラミックス部材の所定位置にパ
ルスレーザを照射し、その溶融過程によって小径孔を形
成するとともに、該小径孔の内壁に溶融層を残すことに
よって網目状の溝を加工することを特徴とする。
【0017】本発明の光ファイバ用フェルールによれ
ば、小径孔を短くすることで小径孔内面の研削加工工数
の削減を図る事ができ、小径孔および大径孔により光フ
ァイバを保持することで強力に保持できる。
【0018】さらに小径孔内壁に溝を網目状に形成する
ことから、該光ファイバ用フェルールの小径孔に光ファ
イバを挿入保持する際、溝に接着剤が入り込み、アンカ
ー効果によって光ファイバを強力に接着できるものであ
る。
【0019】さらに、本発明の光ファイバ用フェルール
によれば、前記小径孔の内壁近傍の結晶粒子が内壁表面
での平均長さが1μm以下であり、かつ前記内壁に対し
て垂直方向の平均長さが1〜20μmであることから、
小径孔内壁の溝の深さ、溝間の距離を調整し、小径孔に
光ファイバ心線を保持する際、より高いアンカー効果を
得られるとともに、チッピング等が生じるのを防止する
ことができる。
【0020】さらにまた、本発明の光ファイバ用フェル
ールの製造方法によれば、セラミックス部材にパルスレ
ーザを照射し、その溶融過程により前記小径孔を形成す
るとともに、該孔内壁に溶融層を残すことによって網目
状の溝を加工して得られることから、小径孔を形成する
と同時にその内壁に網目状の溝を容易に形成することが
できる。また、小径孔の位置精度が高いため単心並びに
多心の光ファイバ用フェルールを容易に製造することが
できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明実施形態を図によっ
て説明する。
【0022】図1(a)は本発明の光ファイバ用フェル
ールの一実施形態を示す断面図であり、(b)は同図
(a)の光ファイバの小径孔の内壁を示す部分上面図で
あり、(c)は同図(b)の小径孔の内壁近傍の結晶粒
子を示す模式図である。
【0023】本発明の光ファイバ用フェルール1は、図
1(a)に示すように、その中心に光ファイバを挿通保
持する小径孔2が形成されており、さらにテーパー部を
介して光ファイバの保持面積を稼ぐための大径孔3が形
成されている。この光ファイバ用フェルール1を光ファ
イバコネクタとする場合には、図2に示すように、この
光ファイバ用フェルール1の後方をバックボディ5に保
持しておいて、大径孔3より小径孔2に光ファイバ6を
挿入して接着固定する。そして一対の光ファイバ用フェ
ルール1の先端面同士を当接させれば光ファイバコネク
タとすることができる。
【0024】小径孔2の長手寸法は、内面研削加工する
ため短い程加工代が少なくなり加工工数や加工砥石等の
消耗類の削減となり良いが、光ファイバの小径孔2に於
ける傾きを抑える関係上1mmから3mm程度が好まし
く、大径孔3は、接着剤による体積膨張による応力変化
と光ファイバ用フェルールの抗折強度からφ0.13m
mからφ0.6mm以下が好ましい。
【0025】本発明の光ファイバ用フェルール1は、ジ
ルコニア、アルミナ、ムライト、窒化珪素、炭化珪素、
窒化アルミなどの他、SiO2−Al23系、SiO2
23系の結晶化ガラス等のガラスセラミックス、及び
Al23を主成分としZrO2を混合したジルコニア分
散アルミナセラミックス、アルミナの結晶粒界に粒径が
ナノレベルの非常に微細なジルコニア粒子を分散させ、
粒界強度を飛躍的に向上させたジルコニア分散アルミナ
セラミックス、Al23を主成分としてAl 229
混合したセラミックス等の各種複合セラミックス等から
成り、これらの中でも耐候性、曲げ強度等がより優れた
部分安定化ジルコニアがより好ましい。
【0026】この部分安定化ジルコニアは、ZrO2
主成分とし、安定化剤としてY23、MgO、Ce
2、Dy23、CaO等を含有するものであり、耐候
性が優れ、高靭性、そして研磨しやすいため、長期間の
使用に供する高精度な光ファイバ用フェルールを得るこ
とができる。
【0027】ここで、本発明の光ファイバ用フェルール
1の小径孔2内壁には、図1(b)に示すように網目状
の溝4が形成されていることが重要である。
【0028】さらに、接着強度をさらに効果的に確保す
るための焼成肌の大径孔3を有する。
【0029】前記小径孔2の内壁に網目状の溝4を形成
しておくことから、小径孔2に光ファイバを保持する
際、前記溝4に接着剤が十分に入り込み、アンカー効果
が作用することと、大径孔3によって接着面積を確保す
る事により光ファイバを強固に保持することができる。
さらに、前記小径孔2の内壁近傍の結晶粒子は、図1
(c)に示すように内壁表面での平均長さAが1μm以
下、かつ前記内壁に対して垂直方向の平均長さBが1〜
20μmとしておくことが好ましい。前記小径孔2内壁
の溝4は、各溝4間の距離及び深さが、前記内壁近傍の
結晶粒子によって決まるため、結晶粒子の内壁表面での
平均長さAを1μm以下と小さくすることによって、溝
4間の距離及び小径孔2の表面粗さを小さくすることが
でき、内壁に対して垂直方向の平均長さBを1〜20μ
mとしておくことによって、溝4の深さを1〜20μm
として、小径孔2に光ファイバを保持する際、より高い
アンカー効果が得られ、光ファイバを強固に保持するこ
とができる。また、光ファイバ用フェルール1の先端面
を研磨する際、小径孔2にチッピングが生じることはな
く、強度の高い光ファイバ用フェルール1を得ることが
できる。
【0030】前記小径孔2の内壁近傍の結晶粒子を上述
のような形状にするためには、後述するように小径孔2
の内壁にパルスレーザ加工を施すことによって、小径孔
2の内壁近傍の結晶粒子を溶融させることによって得る
ことができる。
【0031】なお、前記小径孔内壁近傍の結晶粒子の形
状は、小径孔2の内壁近傍の断面写真及び内壁表面の写
真から測定する。内壁表面での平均長さは内壁表面の写
真に、任意に直線を引き、該直線上の結晶粒子の数より
大きさを算出するインターセプト法によって測定するこ
とができる。
【0032】なお、上述の実施形態では、単心の光ファ
イバ用フェルールを用いて説明したが、図3に示すよう
な複数の小径孔2を有する多心ファイバ用フェルールと
して用いることができ、また前述光ファイバ用フェルー
ル形状の他、図4に示すように大径孔3をテーパー状と
しても同様に用いる事ができ、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲であれば種々の変更は可能である。
【0033】ここで、本発明の光ファイバ用フェルール
1の製法を説明する。
【0034】まず、出発原料として例えばジルコニアを
主原料とした場合、ジルコニアの純度は95%以上、よ
り好ましくは98%以上とし、走査型電子顕微鏡(SE
M)により観察される一次平均粒径が0.01〜0.1
μm、より好ましくは0.04〜0.07μm、二次凝
集粒子の平均粒径が1〜4μmの粉末を選ぶとよい。こ
のジルコニアに安定化剤として、純度99%以上、好ま
しくは99.5%以上のイットリア粉末をジルコニア粉
末85〜99重量%、好ましくは90〜98重量%に対
して、1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%の割
合で混合する。
【0035】そして、前記組成を満足するように配合さ
れた混合粉末をボールミル等により十分混合粉砕した
後、バインダを添加し、混合後、必要に応じて造粒して
成形用原料を得る。バインダは20〜50体積%含有す
ることが好ましい。
【0036】次いで、前記成形用原料を例えばプレス金
型に充填してプレス成形しあらかじめ大径孔3を形成す
る金型構造を用いて図5に示すような成形体7を得る。
なお、前記プレス成形の他、射出成形、鋳込成形、冷間
静水圧成形、押出し成形、射出成形等の手法により成形
することができる。
【0037】得られた成形体を脱脂後、酸化雰囲気柱に
て1300〜1500℃の温度で、より好ましくは13
50〜1450℃で0.5〜3時間焼成することによ
り、ジルコニア焼結体を得ることができる。
【0038】しかる後、得られた焼結体の小径孔2にパ
ルスレーザを照射することで、小径孔2の寸法、真円度
を整えるとともに小径孔2の内壁表面を溶融させ網目状
の溝を形成する。
【0039】前記パルスレーザは、CO2レーザ、YA
Gレーザ等の穿孔可能な出力を有し、パルス発振できる
ものであれば使用することができる。特に、波長の短
さ、出力の高さ、コスト等からYAGレーザが好まし
く、前記パルスレーザを小径孔2に照射することで、小
径孔2の内壁近傍に溶融部が限定されテーパーのつかな
い孔を開けることができる。
【0040】また、前記パルスレーザを照射する際は、
アシストガスを溶融部が除去されない程度に微弱にする
ことが重要であり、レーザ照射時に内壁の溶融部が吹き
飛ばされず残留し、これらが固化することで内壁近傍の
結晶粒子が内壁に対して垂直方向に粒成長するため、前
記図1(c)のような内壁表面における平均長さAが1
μm以下、かつ前記内壁に対して垂直方向の平均長さB
が1〜20μmの形状となり、この溶融部の固化にとも
なう収縮によって生じる割れが網目状の溝4となり、各
溝4間の距離及び深さは前記小径孔2の内壁近傍の結晶
粒子とほぼ同じ値を有し、各溝4間の距離が1μm以
下、溝4の深さが1〜20μmとなる。
【0041】なお、前記パルスレーザによって小径孔2
を加工する際は、予め光ファイバ被覆部を挿通するため
の径の大きい大径孔3を形成した焼結体に、光ファイバ
心線部を挿通する径の小さい小径孔2をパルスレーザに
よって穿孔することによって、位置精度が高く、加工時
間、製造コストを小さくすることができる。
【0042】また、アシストガスによりレーザ照射部の
雰囲気が酸素雰囲気になっていることが好ましい。これ
によりレーザ照射による還元作用に伴うセラミックスの
変色を抑えることができる。
【0043】さらに、前記パルスレーザによって小径孔
2を形成した後、光ファイバ用フェルール1を熱処理し
てもよい。これによりレーザ加工による部分的な加熱・
冷却に伴う残留応力を解放し、光ファイバ用フェルール
1の強度、信頼性をより高めることができ、酸素欠陥等
による変色をなくすことができる。また、レーザを照射
することで小径孔2の周辺では熱膨張に伴う応力がかか
り、残留応力が生じることがある。特に、ジルコニアか
ら成る場合、熱伝導率が低いため、小径孔2の周辺では
他のセラミックスに比べ大きな応力が生じるとともにジ
ルコニアに酸素欠陥が生じて黒変してしまうことがあ
る。そのため、レーザ照射後、熱処理を行うことで応力
を解放したり、該黒変を解消することができる。この熱
処理の温度は材質によって異なるが、500〜1600
℃の温度範囲、好ましくは750〜1300℃の温度範
囲で熱処理することが好ましく、黒変を解消する場合は
酸素濃度を5〜100容量%の酸素雰囲気中で行うこと
が好ましい。なお、熱処理工程が焼成工程を兼ねていて
もよい。
【0044】以上のように得られた光ファイバ用フェル
ール1は、小径孔2の内壁に網目状の溝4を形成するこ
とから、光ファイバ6の固定強度をより高くすることが
でき、高精度で長期間の使用に供することができる。
【0045】
【実施例】図1(a)に示すような光ファイバ用フェル
ールを作製するため、先ず、アルミナを0.2重量%含
有した純度99%、一次平均粒径0.05μmのジルコ
ニア粉末、純度99.9%のイットリア粉末を97:3
のモル比で調合し、ボールミルによる混合を行って原料
粉末を得た。この原料粉末にバインダとしてメチルセル
ロースを混合粉末100重量%に対して4重量%加え、
二次凝集粒の平均粒径が2.5μmとなるように造粒す
る。
【0046】得られた造粒粉を超硬合金からなる大径孔
用コアピンφ0.13mm用とφ0.6mm用金型を用
いて長径方向に180MPaの圧力で加圧して円筒形の
成形体2種類を作製した。こうして得られた成形体を1
350〜1450℃で3時間焼成した。
【0047】また、前記イットリア添加ジルコニア粉体
100重量部に対して、バインダとしてパラフィンワッ
クス、ポリメタクリル酸イソブチル、エチレン酢酸ビニ
ル共重合体及びフタル酸ジオクチルを合計で13重量部
加えた射出成形用原料を作製する。この原料を用い、射
出成形により光ファイバ貫通孔を有したフェルール成形
体を作製した。さらに成形体を450℃で48時間脱脂
を行い、このようにして得られた成形体を1350〜1
450℃で3時間焼成した。
【0048】しかる後、得られた焼結体の外径を研磨加
工し、長さ10.5mm、外径2.5mmの円柱体を
得、次いで、YAGレーザによって長さ1mmと3mm
2種類の貫通孔の試料を用意した。
【0049】また、比較例として、射出成形により得た
成形体を焼成した後、ダイヤモンドペーストによって前
記同様な貫通孔を加工した試料(No.13)を用意し
た。
【0050】そして、固定強度の測定のため、エポキシ
接着剤であるエポテック353NDを貫通孔に充填した
後、シングルモード用の光ファイバを挿入し、接着剤を
固化させて接続した後、図2に示すように1対の光ファ
イバ用フェルールを光コネクタに組み込んで、長さ1.
2mの光ファイバを有する1対のフェルールの突合せ部
をお互いに接触させるように対向接続した各試料12組
の光コネクタを用意した。これら光コネクタを湿度93
%の環境下で、65℃にて3時間、25℃にて1時間、
65℃にて3時間、−10℃で3時間と順に保持した
後、25℃に戻る温度サイクルの負荷を与え、1サイク
ル終了の度に各対向接続部の接続損失の変動量をモニタ
ーし、合計10サイクルを行いその最大値を接続損失の
変動量とした。
【0051】また、結晶粒子の平均長さ、結晶粒径につ
いては、各試料を貫通孔の軸方向に対して垂直、及び平
行に切断し、SEM観察によって測定した。結晶粒子の
平均長さ及び粒径については、インターセプト法を用い
て測定した。
【0052】
【表1】
【0053】表1から明らかなように、レーザ照射を行
わなかったために、貫通孔の内壁に網目状の溝が形成さ
れていない試料(No.13)は、接続損失変動量が
0.3dB以上と3倍以上大きくなっていることが判っ
た。
【0054】これに対し、貫通孔の内壁に網目状の溝が
形成されている本発明の試料(No.1〜12)は、接
続損失変動量がすべての試料で0.1dB以下と非常に
小さいことが判った。
【0055】
【発明の効果】本発明の光ファイバ用フェルールによれ
ば、小径孔と大径孔をテーパー部を介して連続した長手
方向の貫通孔を有したことにより光ファイバの保持面積
を確保する事により信頼性が得られた、さらに小径孔の
内壁に複数の溝を網目状に形成したことから、該光ファ
イバ用フェルールの貫通孔に光ファイバを挿入保持する
際、溝に接着剤が入り込み、アンカー効果と内径の異な
る貫通孔によって接着面積を増やせることのより光ファ
イバを強力に接着できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の光ファイバ用フェルールの一
実施形態を示す断面図、(b)は同図(a)の小径孔の
内壁表面を示す拡大図、(c)は同図(a)の小径孔の
内壁近傍の結晶粒子を示す模式図である。
【図2】本発明の光ファイバ用フェルールを用いた光コ
ネクタを示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明の光ファイバ用フェルールの製造方法を
説明する断面図である。
【図6】従来の光ファイバ用フェルールを示す断面図で
ある。
【図7】従来の多芯光ファイバ用フェルールを示す断面
図である。
【図8】従来の光ファイバ用フェルールの小径孔の内壁
近傍を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1:光ファイバ用フェルール 2:小径孔 3:大径孔 4:溝 5:バックボディ 6:光ファイバ 7:成形体 8:接着剤 9:気孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】小径孔と大径孔がテーパー部を介して連続
    した長手方向の貫通孔を有する光ファイバ用フェルール
    において、前記小径孔の内壁に複数の溝を網目状に形成
    したことを特徴とする光ファイバ用フェルール。
  2. 【請求項2】前記小径孔の長手方向の長さが1mm〜3
    mm、かつ前記大径孔の直径が0.13mm〜0.6mm
    であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ用
    フェルール。
  3. 【請求項3】前記小径孔の内壁近傍の結晶粒子は、内壁
    表面における平均長さが1μm以下、かつ前記内壁に対
    して垂直方向の平均長さが1〜20μmであることを特
    徴とする請求項1又は2記載の光ファイバ用フェルー
    ル。
  4. 【請求項4】セラミックス製フェルールの所定位置にパ
    ルスレーザを照射し、その溶融過程によって前記小径孔
    を形成するとともに、該小径孔の内壁に溶融層を残すこ
    とによって網目状の溝を加工することを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載の光ファイバ用フェルール
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005338517A (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Kyocera Corp 光コネクタ用フェルール及び成形コアピン
JP2010107717A (ja) * 2008-10-30 2010-05-13 Yazaki Corp フェルール

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