JPH0665567B2 - 振動複数列部品供給機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は振動複数列部品供給機に関する。

〔従来の技術及びその問題点〕

従来、部品を整送して一個宛供給するのにいわゆるパー
ツフィーダが広く使用されている。このパーツフィーダ
はスパイラル状のトラックを備えたわん状容器を有し、
この容器にねじり振動が与えられることにより容器内の
部品はトラック上を上方へと移送されて行く。この移送
の過程でトラック上もしくはトラックに近接して設けら
れた整送手段により部品は整送され、整送状態にない部
品は容器の中央底部へ、もしくは下段のトラックへと落
下させられる。整送された部品は一個宛、容器から排出
されるのであるが、トラックが一つであると部品が一列
で一個宛しかパーツフィーダから後続の工程に供給され
ないので、作業能率が悪い。これに対処するために、一
つのわん状容器に複数列のトラックを備えたパーツフィ
ーダも開発されているが、それだけ多く曲線加工を施さ
なけれならないので、加工能率が悪いといった問題があ
る。またパーツフィーダではわん状容器に公知のねじり
振動を与えるのであるが、外周に近いトラックの方が振
巾が大きく、従って部品の移送速度が大きいので、複数
列のトラックを備える場合には、供給速度にアンバラン
スが生じ、全体として供給速度をそれほど向上させるこ
とができないといった問題もある。

本出願人は上述の点に鑑みてなされ、先に殆んど曲線加
工を施す必要がなく、しかも各列からほゞ等しい供給速
度で部品を供給することができる振動複数列部品供給機
を提供することを目的として直線的に延び、一方向に部
品を移送するように振動を受ける供給トラフ；この供給
トラフに近接し、前記一方向とは逆方向に部品を移送す
るように振動を受け、それぞれ整送手段及び非整送部品
排除用開口を備えた複数の整送トラックから成る部品整
送部；この部品整送部の下方に一体的に設けられ、前記
各開口及び前記供給トラフの供給端部と連通する部品受
部；前記供給トラフに近接し、前記部品整送部に一体的
に固定され、前記供給トラフの排出端部に隣接する位置
から前記部品整送部の前記各整送トラックの供給端へと
接続されるように放射状に延びる複数の分配トラックを
備えた部品分配部；を具備し、前記供給トラフの排出端
部から排出される部品は前記複数の分配トラックの始端
部に導かれ、前記部品整送部の複数の整送トラックに分
配され、これら整送トラックで移送中所定の整送状態に
ない部品は前記開口から落下して前記部品受部に至り、
前記供給トラフの供給端部に導かれると共に、前記各整
送トラック上で整送された部品は一個宛、該整送トラッ
クから排出されるようにしたことを要旨とする振動複数
列部品供給機を開発した。

以上の供給機では、供給トラフの始端部から部品分配部
の分配トラックの始端部に直接、部品を供給している。
部品を均一に分配トラックの始端部に導入することは難
しく、分配個数にむらができては供給機の利用効率が低
下する。特に、からみやすい部品にこの傾向が強い。

本出願人は上記問題に鑑みて更に、複数の分配トラック
にほゞ均等に部品を供給することができ、かつからみや
すい部品でもこれをほぐすようにして供給することがで
きる振動複数列部品供給機を提供することを目的として
直線的に延び、一方向に部品を移送するように振動を受
ける供給トラフ；この供給トラフに近接し、前記一方向
とは逆方向に部品を移送するように振動を受け、それぞ
れ整送手段及び非整送部品排除用開口を備えた複数の整
送トラックから成る部品整送部；この部品整送部の下方
に一体的に設けられ、前記各開口及び前記供給トラフの
供給端部と連通する部品受部；前記供給トラフに近接
し、前記部品整送部に一体的に固定され、前記供給トラ
フの排出端部側から前記部品整送部の前記各整送トラッ
クの供給端へと接続されるように放射状に延びる複数の
分配トラックを備えた部品分配部；を具備し、前記供給
トラフの排出端部から排出される部品は前記複数の分配
トラックの始端部に導かれ、前記部品整送部の複数の整
送トラックに分配され、これら整送トラックで移送中所
定の整送状態にない部品は前記開口から落下して前記部
品受部に至り、前記供給トラフの供給端部に導かれると
共に、前記各整送トラック上で整送された部品は一個
宛、該整送トラックから排出されるようにした振動複数
列部品供給機において、前記部品分配部の始端部に近接
して振動スパイラルエレベータを設け、前記供給トラフ
の排出端部から排出される部品を該振動スパイラルエレ
ベータのスパイラル状の移送トラックの下端部に導入
し、該移送トラックに沿ってねじり振動力により上方移
送して該移送トラックの上端部から前記部品分配部の始
端部に部品を供給するようにしたことを特徴とする振動
複数列部品供給機を提案した。

然るにこの構成でも、なお分配トラックの構成や列数、
あるいは整列すべき部品の形状によっては、各分配トラ
ックに分配される部品の分配量に大きなむらが生じ、従
って後続する各整送トラックもしくは整列トラックから
整列して次工程に供給される部品の供給量が各トラック
でむらが生じてしまう。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明は上述の問題に鑑みてなされ、常に部品分配部の
複数の分配トラックに均一に部品を分配することができ
る振動複数列部品供給機を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

以上の目的は、直線的に延び、一方向に部品を移送する
ように振動を受けるトラフを有する返還用フィーダと、
該返還用フィーダに近接し、前記一方向とは逆方向に部
品を移送するように振動を受け、それぞれ整送手段及び
非整送部品排除用開口を備えた複数列の直線的で平行な
整列トラックから成る部品整送部、該部品接続部の下方
に一体的に設けられ、前記非整送部品排除用開口及び前
記返還用フィーダの供給端部と連通する排除部品受部、
及び前記複数列の整列トラックの上流側端部にそれぞれ
接続されるように放射状に延びる複数列の分配トラック
から成る部品分配部を有する整送トラフを備えた整送用
フィーダと、該整送用フィーダの上流側端部に近接して
配設されるスパイラル状の移送トラックを有し、その上
端部に部品排出口を備えた振動スパイラルエレベータと
を具備し、前記返還用フィーダのトラフの排出端部から
排出され、部品を前記振動スパイラルエレベータのスパ
イラル状の移送トラックの下端部に導入し、該移動トラ
ックに沿ってねじり振動力により上方移送して前記部品
排出口から、前記整送トラフ上の前記部品分配部の始端
部に供給するようにし、該部品分配部の分配トラックか
ら前記部品整送部の複数の整列トラックに分配され、こ
れら整列トラックで移送中に所定の整送状態にない部品
は前記非整送部品排除用開口から落下して前記排除部品
受部に至り、前記返還用フィーダのトラフの供給端部に
導かれると共に、前記各整列トラック上で整送された部
品は１個宛、該整列トラックから外方に排出されるよう
にした振動複数列部品供給機において、前記整送トラフ
の上流側端部に固定された取付台と、該取付台に直線的
に振動による部品の移送方向に延在する溝形状の部品移
送路を形成させたブロックと、該ブロックを前記部品移
送路の延在方向に直角方向に往復動させる往復駆動部と
から成る往復分配部を設け、前記振動スパイラルエレベ
ータの部品排出口から排出される部品を往復動している
前記ブロックの部品移送路に導き、これから前記部品分
配部の始端部に供給するようにしたことを特徴とする振
動複数列部品供給機によって達成される。

〔作用〕 放射状に延びる複数の分配トラックの各始端部に往復動
するブロックの部品移送路から部品が分配されるので、
各始端部に時間的には均一に供給することができる。よ
って下流型の複数の整列トラックから均一に整列された
部品が供給されることができる。

〔実施例〕

以下、本発明の詳細につき図示した実施例に基づいて説
明する。

第１図において、整送用フィーダ(1)は一対の返還用フ
ィーダ(2)(3)の間に、これらフィーダ(2)(3)に近接して
配設されている。整送用フィーダ(1)の整送トラックＴ
上には上流側から往復分配(4)、部品分配部(5)及び部品
整送部(6)は形成されている。これらの詳細については
後述する。また返還用フィーダ(2)(3)のトラフ(7)(8)は
対照的であるが同一の構造を有し、断面形状は第８図に
示されている。

第３図に示されるように、整送用フィーダ(1)の整送ト
ラフＴの底部には板ばね取付ブロック(9)が固定され、
これは共通ベース(11)上に一体的に固定された補助ベー
ス(13)と前後一対の傾斜配設された板ばね(10)により結
合される。共通ベース(11)は、すなわち本供給機全体は
防振ゴム(12)により基盤上に支持される。補助ベース(1
3)上には電磁石(14)が固定され、これはコイル(15)を巻
装している。また電磁石(14)に対向するように板ばね取
付ブロック(9)には可動コア(16)が固定されている。以
上のようにして整送用フィーダ(1)の振動駆動部が構成
されるが、返還用フィーダ(2)(3)の振動駆動部について
は同一の構造であるので、一方の返還用フィーダ(2)に
ついてのみ説明すると、トラフ(7)の底部には板ばね取
付ブロック(17)が固定され、これは上述の共通ベース(1
1)上に前後一対の防振板ばね(25)を介して結合された補
助ベース(19)と前後一対の傾斜配設された板ばね(18)に
より結合される。補助ベース(19)上には電磁石(20)が固
定され、これはコイル(21)を巻装している。また電磁石
(20)に対向するように板ばね取付ブロック(17)には可動
コア(22)が固定されている。以上のようにして返還用フ
ィーダ(2)(3)の振動駆動部が構成される。

以上のように構成される振動駆動部の電磁石(14)(20)の
コイル(15)(21)に交流を通電すると、可動コア(16)(22)
と電磁石(14)(20)との間に交流吸引力が発生し、これに
より整送用フィーダ(1)の整送トラフＴは第３図に示す
ように矢印ａ方向に振動し、返還用フィーダ(2)(3)のト
ラフ(7)(8)は第２図に示すように矢印ｂ方向に振動す
る。これにより整送用フィーダ(1)の整送トラフＴ上の
部品は第１図において右方向に移送され、返還用フィー
ダ(2)(3)のトラフ(7)(8)内の部品は左方向に移送され
る。

本実施例によれば整送用フィーダ(1)の始端部に近接し
て振動スパイラルエレベータ(30)が配設されている。こ
の筒状の可動部(31)の内周壁にはスパイラル状の移送ト
ラック(32)が取り付けられており、底部外面には可動コ
ア(33)が固定されている。これはベース(34)と等角度間
隔で傾斜配設された複数の板ばね(35)により結合されて
いる。ベース(34)上にはコイル(36)を巻装させた電磁石
(37)が取り付けられている。スパイラルエレベータ(30)
全体は防振ゴム(38)により共通ベース(11)上に支持され
ている。コイル(36)に通電すると可動体(31)は第２図に
示す矢印ｃ方向にねじり振動を行ない部品は移送トラッ
ク(32)に沿って移送されるようになっている。

可動体(31)の下端部近くの周壁部には一対の第２図にそ
の一方が示される開口が形成され、これに連通して第１
図に示すように一対の受けシュート(39)(40)が固定され
ており、この直上方に上述の返還用トラフ(7)(8)の排出
端部(7a)(8a)が位置している。

第４図に明示するように移送トラック(32)の終端部に対
応する可動体(31)の周壁部には部品排出口(43)が形成さ
れ、これにガイドシュート(41)が固定されている。

ガイドシュート(41)の下方に位置して整送用フィーダ
(1)の整送トラフＴ上には本発明に係わる往復分配部(4)
が設けられているが、次にこの詳細につき第５図〜第７
図を参照して説明する。

往復分配部(4)は全体として整送トラフＴの上流側端部
に固定された取付台(60)の上に設けられている。この取
付台(60)に対して振動による移送方向に対し直角の方向
（第５図における矢印ｄ方向）に往復動自在なブロック
(70)が設けられている。取付台(60)の平板部(62)が複数
のねじ(63)により第４図乃至第７図では図示しないが、
第３図に図示される排除部品受部Ｒに固定される部材Ｑ
に固定されている。

第７図に明示されるように平板部(62)の上には直方形状
のガイドレール(64)が一体的に形成されている。又、こ
の側方には段差をおいて空気圧シリンダ(65)が固定され
ており、これから突出する駆動ロッド(66)の先端部には
ジョイント(67)を介して取付ねじ(68)が接続されてい
る。そしてジョイント(67)の移動範囲内に位置して凹所
(69)が形成されている。

次にブロック(70)の構成について説明すると、これには
一体的にガイド部(71)が形成され、更にこれには溝(71
a)が形成されている。この溝(71a)が固定側のレール(6
4)に第６図に明示されるように摺動自在に嵌合してい
る。従って、ブロック(70)はレール(64)に沿って往復動
することができる。又、ブロック(70)の中央部には溝(7
2)が形成されており、これは振動による移送方向に延び
その上流側端部は端壁板(100)によって閉塞されてい
る。更に、この端部に於いては溝(72)の両側に、これに
向って下向きに傾斜する一対の斜面(73a)(73b)が形成さ
れており、この上端部には断面Ｌ字形状の仕切り板(74
a)(74b)がねじによりブロック(70)に固定されている。

又、ブロック(70)の下面には更に突出部(75)が一体的に
形成されこれにねじ穴(75a)が設けられており、これに
第７図に明示されるシリンダ装置(65)の先端部のねじ(6
8)が螺着締付け固定されている。従ってシリンダ装置(6
5)の駆動ロッド(66)の往復動によりブロック(70)はレー
ル(64)に沿って往復動し得るようになっている。往復分
配部(4)は以上のように構成されるのであるが、第３図
から明らかなようにこの下流側に接続される部品分配部
(5)とは第４図に示すように一体化されて、この下流側
の部品整送部(6)に対し下向きに傾斜している。

次に振動スパイラルトラック(30)の後方に配設される制
御部(76)について説明する。

図示せずとも上述の往復分配部(4)におけるシリンダ装
置(65)にはフレキシブルな空気供給管が接続されており
これは制御部(76)へと接続されている。制御部(76)全体
はベース(11)に一体的に固定された取付板(77)に固定さ
れており、主として制御回路部(78)と電磁弁部(79)とか
らなっている。電磁弁部(79)は制御回路部(78)からの制
御信号を受けて開閉するようになっており、制御回路部
(78)に於いては上述の往復分配部(4)の往復速度を規定
するための駆動回路が内蔵されている。又、シリンダ装
置(65)から突出している駆動ロッド(66)の往復ストロー
クは制御部(76)において圧縮空気の給排速度によっても
制御可能であるが本実施例によればシリンダ装置(65)内
にはストロークを規定するためのストッパが設けられて
おり、これが図示せずとも外部から所望のストロークを
得るために例えばねじの回動調節によりストロークの大
きさを調節可能としているものとする。

次に整送トラフＴの上流側から順に各部について説明す
る。部品配分部(5)の両側には側壁部(46a)(46b)が固定
され、外方に移送部品が流出するのを防止している。

部品分配部(5)においては、多数の分配トラック(50)が
放射状に延びており、これらは上述の往復分配部(4)の
中央位置に対して対称的に形成されている。部品分配部
(5)の終端部近くでは各分配トラック(50)は直線的とな
っている。なお、これらの分配トラック(50)に導入され
なかった部品ｍは落下用開口(48a)(48b)を通って下方へ
の排除部品受部Ｒへと落下する。

次の部品整送部(6)は整送手段であり、かつ整列トラッ
クとしての狭路(52)と非整送部品排除用開口としての長
孔(51)とから成っているが、この詳細については本発明
の要旨とは関係がないので、その説明は省略する。

なお部品整送部(6)には最下流側にあり整列トラックの
一部としての供給トラック(53)が接続されている。

次に第８図及び第９図を参照して、排除部品受部Ｒか
ら、返還用トラフ(7)(8)への部品導入部分について説明
する。なお、この導入部分は両トラフ(7)(8)に関して同
一の構成であるので一方のトラフ(7)に関してのみ説明
する。

第９図にその形状が明示される案内ブロック(84)が返還
用トラフ(7)の供給端部である始端部に一体的に固定さ
れる。その垂直部(85)の上端には斜面(86)が形成され、
これはトラフ(7)内の移送面(27)と連設している。ま
た、この斜面(86)から排除部品受部Ｒの下方へと水平部
(87)が延びている。水平部(87)と排除部品受部Ｒとの間
には隙間Ｓが形成されるが、この大きさは整送トラフＴ
すなわち排除部品受部Ｒ及び返還用トラフ(7)が振動し
たときに相互に干渉し合わないような大きさである。

本発明の実施例は以上のように構成されるが、次にこの
作用について説明する。

使用に当っては、まず多量の部品ｍが振動スパイラルエ
レベータ(30)内に投入される。第２図、第３図に示す電
磁石(14)(20)(37)のコイル(15)(21)(36)に交流を通電す
ると可動コマ(16)(17)(33)との間に交番吸引力が発生
し、これにより整送トラフＴは矢印ａ方向に直線振動
し、返還用トラフ(7)(8)は矢印ｂ方向に直線振動する。
また振動スパイラルエレベータ(30)は矢印ｃ方向にねじ
り振動を行なう。振動スパイラルエレベータ(30)内では
部品ｍは第３図に明示される移動トラック(32)上を移送
され、終端部の移送面上に至ると、部品排出口(43)を通
って部品ｍはガイドシュート(41)に案内されて、往復分
配部(4)の溝(72)上に落下する。

次に往復分配部(4)の作用について説明する。

往復分配部(4)は第５図で矢印ｄで示すように、部品の
振動による移送方向に対し直角方向に所定のストローク
及び所定の周期で往復運動をしている。従って、振動ス
パイラルエレベータ(30)から排出された部品ｍは溝(72)
内に落下するのであるが、図示する位置ではブロック(7
0)が中心位置をとっている。即ち、溝(72)が振動スパイ
ラルエレベータ(30)のシュート(41)と整列した位置をと
っている。そしてこれを中心にして矢印ｄ方向に往復運
動をするのである。図示の如く整列しているときにはシ
ュート(41)からの分品ｍは溝(72)内にそのまゝ落下する
が、これから左か右に移動しているときには斜面(73a)
又は(73b)にも部品ｍが落下し、ここを滑落して溝(72)
内に導かれる。溝(72)内では整送トラフＴの振動を受け
て部品ｍは溝(72)内を移送され各分配トラック(50)の始
端部に導かれるのであるが、今ブロック(70)即ち溝(72)
が振動による移送方向とは直角方向、即ちトラック(50)
の各始端部に沿って往復運動をしているために、これら
複数の放射状に延びる分配トラック(50)は時間的に一様
な密度で部品ｍが（図示には散在的にしか示されていな
いが実際には更に高密度で部品ｍが存在しているものと
する）供給される。従来は、振動スパイラルエレベータ
(30)のシュート(41)から直接か、若しくは放射状ではな
くて振動による移送方向に平行して延びる複数のトラッ
クに部品が供給されていたが、この場合には放射状に延
びる複数の分配トラックの始端部の中央部に整列したシ
ュートから供給されるので中央部分のトラックについて
は高密度で供給されるが、両端部のトラックには希薄は
場合が多い。従って下流側の複数列の整列トラックに於
いては中央部の整列トラックでは高密度で部品が移送さ
れるが両端部に於いては希薄な状態で移送されることに
なる。従って次工程への各整列トラックからの供給率に
は大きなむらがあり種々の不都合を生じていたが、本実
施例によればブロック(70)が往復動することにより各分
配トラック(50)に均一に部品を供給することができる。
従って上述の従来のような欠点は除去することができ次
工程にはほゞ理想的に均一な分配供給をすることができ
る。

尚、ブロック(70)の往復動のストローク及びその周期は
上述したように制御部(76)又はシリンダ装置(65)に於い
て調節可能であるので実際にはこの調節により各整列ト
ラック(53)から均一に整列して次工程に供給できる。

尚又、本実施例では往復分配部(4)及びこれに接続され
る部品分配部(5)は第３図に示すように下流側の部品整
送部(6)に対し下向きに傾斜しているので、下流部分よ
りは大きな移送速度で移送されるのであるが、これは部
品分配部(5)に於いては分配トラック(50)は放射状に延
びているために、又、明示せずとも一般にこれら分配ト
ラック(50)の巾は部品の大きさに対しあまり大きな遊度
を持たせていないために、移送すべき方向に対しあまり
大きな速度成分を持たせることができないのであるが、
上述のような下向き傾斜になり大きな速度成分を保障す
ることができる。よって本実施例の振動部品供給機では
各整列トラックからは従来よりもより大きな供給効率で
しかも均一に次工程へと供給することができる。

往復分配部(4)の溝(72)から排出され分配トラック(50)
からはみ出した部品ｍは開口(48a)(48b)を通って下方の
排除部品受部Ｒへ落下する。分配トラック(50)は放射状
に広がっており、これら終端部では直線状となって次の
部品整送部(6)に至る。このトラック(52)では正しい姿
勢の部品ｍはそのまゝこゝを通過するが、それ以外の姿
勢の部品ｍはすべて開口(51)を通つて下方へ落下するよ
うになっている。これらは下方に一体的に、固定された
排除部品受部Ｒに受けられ、整送トラフＴと一体的な振
動により第１図乃至第３図において右方へと移送され第
８図及び第９図に示すような径路を経て、整送トラフＴ
の両側に配設された返還フィーダ(2)(3)のトラフ(7)(8)
の移送面(27)(28)に導びかれる。各部品ｍは移送面(27)
(28)を第１図乃至第３図において左方へと移送され各排
出端部(7a)(8a)から振動スパイラルエレベータ(30)に固
定されたガイドシュート(39)(40)へと落下する。ここか
ら可動体(31)の中央底部に導かれスパイラル状に巻装さ
れた移送トラック(32)の下端部へ移送され、ここをねじ
り振動により上方へと移送される。移送トラック(32)の
上端部に至った部品ｍは再び部品排出口(43)を通って且
つガイドシュート(41)を通って往復分配部(4)の溝(72)
へと導びかれる。以下同様な作用を繰返す。

整列されなかった部品ｍは整送トラックＴから下方の排
除部品受部Ｒに落下し返還トラフ(2)(3)を通って振動ス
パイラルエレベータ(32)に戻され、再び整送トラフＴに
供給されるのであるが振動スパイラルエレベータ(32)は
多数の部品ｍが常にストックされている事になり、これ
は徐々に減少して行くのであるが部品ｍはその形状から
からみやすい状態となりやすい場合には振動スパイラル
エレベータ(30)に導入された後、スパイラル状の移送ト
ラック(32)をねじり振動により移送されるうちにこのか
らみがほぐされ、ガイドシュート(41)から整送トラフＴ
の始端部に導入される時はからみは殆んど解かれてい
る。更に振動スパイラルエレベータ(30)内では部品ｍが
移送トラック(32)を上昇してくるのであるがこれをオー
バーフローぎみに部品排出口(43)に至らしめるようにし
ておくと、オーバーフローの部品ｍは下方へと落下しこ
の時からんでいた部品は更にそのほぐしを確実に行う事
ができる。

以上本発明の実施例について説明したが勿論本発明はこ
れに限定される事なく、本発明の技術的思想に基いて種
々の変形が可能である。

例えば以上の実施例では整送トラフＴの両側に返還用フ
ィーダ(2)及び(3)を解説したがこれにかえて片側だけに
返還用フィーダを設け、このフィーダのトラフから排出
される部品を受け、振動スパイラルエレベータから往復
分配部(4)の溝(72)に導くようにしてもよい。

〔発明の効果〕 本発明の振動複数列部品供給機によれば、振動スパイラ
ルエレベータの部品排出口からの部品をほゞ均一にして
分配トラックに供給することが出来、従来より一段と整
列効率を向上させる事が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例による振動複数列部品供給機の
平面図、第２図は同部分破断側面図、第３図は同供給機
の第１図におけるIII−III線方向断面側面図、第４図は
同要部の拡大斜視図、第５図は同供給機における往復分
配部の正面図、第６図は同側面図、第７図は同分解斜視
図、第８図は第１図におけるVIII−VIII線方向拡大断面
図、及び第９図は同供給機における返還用トラフの始端
部及び整送トラフ部の部品排除部の部分拡大斜視図であ
る。 なお図において、 Ｔ……整送トラフ (2)(3)……返還用フィーダ (4)……往復分配部 (5)……部品分配部 (6)……部品整送部 (7)(8)……返還用トラフ (30)……振動スパイラルエレベータ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】直線的に延び、一方向に部品を移送するよ
   うに振動を受けるトラフを有する返還用フィーダと、該
   返還用フィーダに近接し、前記一方向とは逆方向に部品
   を移送するように振動を受け、それぞれ整送手段及び非
   整送部品排除用開口を備えた複数列の直線的で平行な整
   列トラックから成る部品整送部、該部品整送部の下方に
   一体的に設けられ、前記非整送部品排除用開口及び前記
   返還用フィーダの供給端部と連通する排除部品受部、及
   び前記複数列の整列トラックの上流側端部にそれぞれ接
   続されるように放射状に延びる複数列の分配トラックか
   ら成る部品分配部を有する整送トラフを備えた整送用フ
   ィーダと、該整送用フィーダの上流側端部に近接して配
   設されるスパイラル状の移送トラックを有し、その上端
   部に部品排出口を備えた振動スパイラルエレベータとを
   具備し、前記返還用フィーダのトラフの排出端部から排
   出され、部品を前記振動スパイラルエレベータのスパイ
   ラル状の移送トラックの下端部に導入し、該移送トラッ
   クに沿ってねじり振動力により上方移送して前記部品排
   出口から、前記整送トラフ上の前記部品分配部の始端部
   に供給するようにし、該部品分配部の分配トラックから
   前記部品整送部の複数の整列トラックに分配され、これ
   ら整列トラックで移送中に所定の整送状態にない部品は
   前記非整送部品排除用開口から落下して前記排除部品受
   部に至り、前記返還用フィーダのトラフの供給端部に導
   かれると共に、前記各整列トラック上で整送された部品
   は１個宛、該整列トラックから外方に排出されるように
   した振動複数列部品供給機において、前記整送トラフの
   上流側端部に固定された取付台と、該取付台に直線的に
   振動による部品の移送方向に延在する溝形状の部品移送
   路を形成させたブロックと、該ブロックを前記部品移送
   路の延在方向に直角方向に往復動させる往復駆動部とか
   ら成る往復分配部を設け、前記振動スパイラルエレベー
   タの部品排出口から排出される部品を往復動している前
   記ブロックの部品移送路に導き、これから前記部品分配
   部の始端部に供給するようにしたことを特徴とする振動
   複数列部品供給機。
2. 【請求項２】前記ブロックで前記部品移送路の上流側端
   部の両側には該部品移送路に向かって下向きに傾斜する
   ガイド面が形成され、前記振動スパイラルエレベータの
   部品排出口から排出された部品で前記ガイド面に落下し
   た部品はここを滑落して前記部品移送路内に導入される
   ようにした請求項(1)に記載の振動複数列部品供給機。
3. 【請求項３】前記部品移送路及び前記部品分配部は振動
   による部品の移送方向に向かって下向きに傾斜している
   請求項(1)に記載の振動複数列部品供給機。
4. 【請求項４】前記ブロックの往復動のストローク又は往
   復速度を調節可能とした請求項(1)に記載の振動複数列
   部品供給機。