JP2020015577A - 供給装置 - Google Patents

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正憲 菅原
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Abstract

【課題】ボウル搬送路上において1列で搬送した搬送対象物を、ボウル搬送路上を移動する搬送対象物に作用する遠心力の影響を受けずに複数列の搬送路にバランス良く振り分け、各列の搬送路による搬送対象物の供給量を同等または略同等にすることが可能な供給装置を提供する。【解決手段】バッファ用リニア搬送路L3の終端に到達した搬送対象物Wを、ボウル搬送路B2の終端に連続する位置に設けた直線状に延伸する1列のバッファ用リニア搬送路L3の始端に搬送し、バッファ用リニア搬送路L3の終端を分岐点とする複数列のメインリニア搬送路L4に振り分ける供給装置Xとした。【選択図】図2

Description

本発明は、搬送対象物を所定方向に搬送しながら供給先に供給可能な供給装置に関するものである。
従来のパーツフィーダ(供給装置)は、搬送対象物を1列で搬送しながら姿勢や向きを揃えて所定の供給先まで供給するものであったが、近年、所定時間内に多量の搬送対象物(正方向ワーク)を供給したいという当該パーツフィーダの導入現場におけるニーズがある。
このようなニーズに応えるべく、搬送路を複数列(例えば2列)備えたパーツフィーダも案出されている。例えば、下記特許文献1には、ボウルフィーダの搬送用トラック(ボウル搬送路)上において振動搬送される搬送対象物を、いったん姿勢矯正用トラックの溝部に収容させて、その搬送姿勢を矯正させると共に、溝部の延長線上で、溝部の最下部よりもさらに下方に、分離壁部と、その両側に2本の溝部が設けられた分配用ブロックとを接続し、姿勢矯正用トラックを振動搬送される搬送対象物を分離壁部に衝突させて、いずれかの溝部に落下させて振り分ける構成が開示されている。
特開2003−34421号公報
しかしながら、特許文献1記載のパーツフィーダのように、ボウルフィーダのボウル搬送路を振動搬送中の搬送対象物を2本の溝部(搬送路)に振り分ける構成であれば、振り分けられた後の搬送対象物の搬送距離及び搬送速度が、相対的に内周側の搬送路に振り分けられるか、外周側の搬送路に振り分けられるかによって異なり、2列の搬送路の搬送能力にばらつきが生じる。すなわち、外側に設けた搬送路上の搬送対象物の方が内側に設けた搬送路上の搬送対象物よりも搬送速度が速いため、内外周の搬送路で供給量に差が出てしまい、溝部間(2列の搬送路間)の能力差を縮めることができない。加えて、ボウル搬送路上の搬送対象物はボウルの振動による遠心力でボウル搬送路の外周側に偏って搬送されるため、相対的に外周側の搬送路へ優先的に流れ込み易く、振り分け用の各搬送路による搬送対象物の供給量に差が生じ、均等に振り分けて供給することが困難である。さらにまた、微少サイズの搬送対象物は、ボウルの振動による遠心力によって振り分け時に姿勢が変化してしまい易いという問題がある。
そこで、ボウルフィーダのボウル搬送路の上流端から下流端までを1列に設定し、リニア搬送路の上流端に、ボウル搬送路の下流端に連続して分岐する2列のリニア搬送路を設けて、ボウル搬送路からリニア搬送路に到達した搬送対象物をその到達時点で2列のリニア搬送路に分配する構成が考えられる。
このような構成であれば、ボウル搬送路上に設けた内周側溝部と外周側溝部に分配する構成と比較して、「内外周」に起因する搬送速度の差を解消または低減することが可能であると考えられる。
しかしながら、ボウルの中心から外側に向かうにつれて搬送対象物に作用する遠心力(ボウルの振動による遠心力)は大きくなり、搬送対象物の搬送速度が上がる特性上、振動搬送されてボウル搬送路の終端に到達した搬送対象物をその到達時点で直ぐに2列に分岐しているリニア搬送路に分配する構成であれば、ボウル搬送路の終端に近付くほどボウルの中心から離れるため、振り分け時点(分配時点)において搬送対象物に作用する遠心力(ボウルの振動による遠心力)は、ボウル搬送路の中途部分を搬送中の搬送対象物に作用する遠心力よりも大きく、この遠心力の影響を受けて、2列に分岐しているリニア搬送路のうち一方のリニア搬送路には搬送対象物が流れ込み易く、他方のリニア搬送路に流れ込み難いという問題が生じ、2列のリニア搬送路による供給量に大きな差が生じ得る。
本発明は、このような問題に着目してなされたものであって、主たる目的は、ボウル搬送路上において1列で搬送した搬送対象物を、ボウル搬送路上を移動する搬送対象物に作用する遠心力の影響を受けずに複数列の搬送路にバランス良く振り分け、各列の搬送路による搬送対象物の供給量を同等または略同等にすることが可能な供給装置を提供することにある。
すなわち本発明は、ボウルの内周面に形成されたボウル搬送路の終端に到達した搬送対象物を振動によって移動させながら複数列の直線状のリニア搬送路に振り分けて所定の供給先まで搬送可能な供給装置であり、ボウル搬送路の終端に所定方向に直線状に延伸する1列のバッファ用リニア搬送路を設け、当該バッファ用リニア搬送路の終端に到達した搬送対象物を、バッファ用リニア搬送路の終端を分岐点とする複数列のメインリニア搬送路に振り分けるように構成していることを特徴としている。ここで、搬送対象物としては、例えば微小サイズの電子部品(ワーク)等を挙げることができるが、本発明の供給装置によって搬送可能なものであれば特に限定されない。
このような本発明に係る供給装置であれば、ボウル搬送路の終端に連続する搬送路として、直線状に延伸するバッファ用リニア搬送路を適用し、このバッファ用リニア搬送路の終端まで振動によって移動させ搬送対象物を、バッファ用リニア搬送路の終端を分岐点とする複数列のメインリニア搬送路に振り分ける構成であるため、ボウル搬送路上に内周側溝部と外周側溝部を設けてこれらの溝部に分配する構成であれば生じ得る不具合、つまり、「内外周」に起因する搬送速度の差が生じる不具合を防止・抑制することができるとともに、ボウル搬送路の終端に到達した搬送対象物を直ぐに分岐しているリニア搬送路に分配する構成と比較して、振り分け時点(分配時点)において搬送対象物に作用する遠心力(ボウルの振動による遠心力)を軽減することができ、遠心力の影響を受けずに、複数列に分岐している各メインリニア搬送路にバランス良く搬送対象物を振り分けることが可能になり、各列のメインリニア搬送路による供給量に大きな差が生じる事態を解消または低減して、所定時間内に多量の(正方向)搬送対象物を供給することができる。
本発明において、少なくともバッファ用リニア搬送路の終端とメインリニア搬送路の始端を同一または略同一高さ位置に設定した場合には、搬送対象物を段差の無いまたは略無い搬送路上で振り分けることができる。その結果、例えばメインリニア搬送路の始端をバッファ用リニア搬送路の終端よりも低位に設定し、搬送対象物を落下させながら振り分ける構成と比較して、振り分け時に、落下に伴って搬送対象物の搬送姿勢が意図しない姿勢に変化したり、搬送速度が一時的に落ちるといった不具合の発生を回避することができ、搬送姿勢の変換や搬送速度の低下に起因する「搬送路上のワーク詰まり」の発生も回避して、各メインリニア搬送路による安定した供給状態、搬送能力を維持することできる。
本発明に係る供給装置は、メインリニア搬送路の列数は複数であればよく、好適な一例として、2列のメインリニア搬送路を備えた構成を挙げることができる。この場合、2列のメインリニア搬送路を相互に対称形状に設定すれば、メインリニア搬送路の形状の違いに起因する搬送能力のばらつきを防止・抑制することができる。
このような構成により、各列の搬送能力のばらつきを軽減することができ、搬送対象物の姿勢を崩すことなく、振り分けることができる。
本発明によれば、ボウル搬送路上において1列で搬送した搬送対象物を、ボウル搬送路の終端に連続する位置に設けたバッファ用リニア搬送路を経由して、複数列のメインリニア搬送路に振り分けるように構成しているため、各列のメインリニア搬送路による搬送対象物の供給量を同等または略同等にすることができ、所定時間内に多量の搬送対象物を所定の供給先に供給することが可能な供給装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る供給装置の平面模式図。 同実施形態に係るリニアフィーダの平面模式図。 図2の要部拡大図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る供給装置Xは、図1に示すように、ボウルB1の内周面に螺旋状の搬送路であるボウル搬送路B2が形成されたボウルフィーダBと、ボウル搬送路B2の終端に連続する位置に配置されるリニア搬送路L2を有するリニアフィーダLとを備え、搬送対象物Wを振動によってボウル搬送路B2、リニア搬送路L2の順に移動させながら所定の供給先に搬送可能なものである。
ボウルフィーダBは、電子部品等の搬送対象物W(例えば図3(b)に模式的に示すワークW等)を螺旋状の搬送路(ボウル搬送路B2)上において振動により移動させながら所定の搬送先(供給先)に搬送する装置である。本実施形態に係るボウルフィーダBは、収容した搬送対象物Wを整列させながら搬送するボウルB1と、ボウルB1に振動を発生させる加振源(図示省略)とを備え、加振源によりボウルB1に対して振動を発生させることによって、ボウルB1内に収容された搬送対象物Wをボウル搬送路B2に沿って移動させることができる。
ボウルB1は、底面に形成され多数の搬送対象物Wを貯留可能な平面視略円形の貯留部B3と、貯留部B3の周縁部における所定部分を始端として内周壁に沿って登り傾斜の螺旋状に形成したボウル搬送路B2(トラックとも称される)とを備えた鉢状のものである。なお、図1ではボウル搬送路B2に関する詳細な記載を省略しているが、一般的に知られているボウル搬送路を適用することができる。
貯留部B3は、中心側を径方向外側よりも高くなるように設定された上向き面を有し、ボウルB1の振動や貯留部B3内に収容されている搬送対象物Wの自重によって搬送対象物Wを径方向外側へ移動させるものである。貯留部B3の上向き面上において径方向外側へ移動した搬送対象物Wは、ボウル搬送路B2の始端に到達し、そのままボウル搬送路B2の始端を通過してボウル搬送路B2に沿って移動する。
ボウル搬送路B2は、始端が貯留部B3に連続しており、上向き面であるボウル搬送面を例えば径方向外側に向けて下方に傾斜させた平坦な面に設定したものである。そして、振動によって搬送対象物Wが受ける搬送力のうち径方向外側へ向かう力とボウル搬送面の傾斜によって、搬送対象物WはボウルB1の内周壁に接しながら下流側(ボウル搬送路B2の終端側)に向けて搬送される。本実施形態では、このようなボウル搬送路B2の所定箇所に整列手段(図示省略)を設け、整列手段によって所定姿勢である搬送対象物Wのみを搬送方向下流側に搬送し、所定姿勢ではない搬送対象物Wを貯留部B3へ戻す(落下させる)ように構成している。以上のような構成により、本実施形態のボウルフィーダBは、整列させた搬送対象物WをリニアフィーダLに搬送(供給)できる。
リニアフィーダLは、図2に示すように、直線状をなす長尺の供給トラフL1(搬送台またはシュートとも称される)に振動を与えることで、供給トラフL1上に設定されたリニア搬送路L2に沿って搬送対象物Wを搬送方向下流側へ供給可能なものである。本実施形態におけるリニアフィーダLにおいて、供給トラフL1を振動させて供給トラフL1上の搬送対象物Wを搬送方向下流側へ搬送する具体的な構成は特に限定されず、例えば、加振源から与えられる加振力によって、供給トラフL1が接続された可動部と固定部とを相互に連結する板バネ(駆動用バネ)を直接または間接的に起振させることで、可動部及び固定部が互いに逆方向に振動し、これによって可動部に接続されている供給トラフL1が長手方向に振動し、搬送対象物Wを搬送方向に沿って下流側へ搬送する構成を挙げることができる。なお、図1では、供給トラフL1を可動部に固定するボルト等の固定具は一部省略している。
本実施形態のリニア搬送路L2は、図2及び図3(図3(a)、(b)はそれぞれ図2の要部拡大模式図、図2におけるa−a線断面模式図である)に示すように、ボウル搬送路B2の終端に連続する位置に配置される直線状の1列のバッファ用リニア搬送路L3と、バッファ用リニア搬送路L3の終端を分岐点とする2列のメインリニア搬送路L4とを有する。バッファ用リニア搬送路L3は、始端がボウル搬送路B2の終端に連続し、リニアフィーダLの長手方向に沿って一直線状に延伸する凹溝によって形成されたものである。そして、本実施形態のリニア搬送路L2は、バッファ用リニア搬送路L3の終端から2列状に分岐するメインリニア搬送路L4を備えている。各列のメインリニア搬送路L4は、バッファ用リニア搬送路L3の終端に連続する分岐点を始端とし、共通の始端から搬送方向下流側に向かって漸次互いに離間する所定角度で延伸する上流側メインリニア搬送路L41と、上流側メインリニア搬送路L41の終端からリニアフィーダLの長手方向に沿って一直線状に延伸する下流側メインリニア搬送路L42とからなる。したがって、本実施形態のリニア搬送路L2は、平面視V状をなす2列の上流側メインリニア搬送路L41と、各上流側メインリニア搬送路L41の終端からリニアフィーダLの排出端に向かって延伸する相互に平行な2列の下流側メインリニア搬送路L42とを備えたものである。
本実施形態では、2列のメインリニア搬送路L4が供給トラフL1の長手方向中心線LCに関して対称となる形状に設定するとともに、供給トラフL1の長手方向中心線LCとバッファ用リニア搬送路L3の長方向中心線とを相互に一致させている。なお、図3(b)に示すように、本実施形態の供給装置Xでは、2列のメインリニア搬送路L4の底面全体または一部を、バッファ用リニア搬送路L3の底面よりも低い位置に設定している。
本実施形態の供給装置Xは、振動搬送中の搬送対象物Wに対してその搬送姿勢を所定の姿勢に矯正する姿勢矯正手段や、所定の搬送姿勢ではない搬送対象物Wを選別してバッファ用リニア搬送路L3上から排除する選別手段をバッファ用リニア搬送路L3に設けず、メインリニア搬送路L4の所定箇所に姿勢変更手段及び選別手段を設けている。
次に、本実施形態に係る供給装置Xの作用について説明する。
ボウルフィーダBを構成するボウルB1の貯留部B3に供給された多数の搬送対象物Wは、ボウルB1の振動によってボウル搬送路B2上を振動搬送される。ボウル搬送路B2上を振動搬送される搬送対象物Wは、ボウル搬送路B2の所定位置に設けた幅狭部や姿勢矯正部(何れも図示省略)を通過することで、搬送姿勢が矯正されて一定の姿勢となり、1列に整列された状態でボウル搬送路B2の終端に到達し、ボウル搬送路B2の終端に段差無く連続するリニア搬送路L2の始端L2a、具体的にはバッファ用リニア搬送路L3の始端に搬送される。
ボウル搬送路B2の終端からリニア搬送路L2のうちバッファ用リニア搬送路L3の始端に到達した時点の搬送対象物Wには、ボウル搬送路B2上での振動搬送による遠心力が作用している。本実施形態の供給装置Xは、リニア搬送路L2に到達した搬送対象物Wを直ぐに2列のメインリニア搬送路L4に振り分けずに、遠心力が作用する方向とは異なる方向に一直線状に延伸するバッファ用リニア搬送路L3上を振動搬送させる。これにより、搬送対象物Wに作用していた遠心力(ボウル搬送路B2上での振動搬送による遠心力)を低減することができる。
そして、本実施形態の供給装置Xは、バッファ用リニア搬送路L3の終端に到達した搬送対象物Wを、バッファ用リニア搬送路L3の終端から分岐する2列のメインリニア搬送路L4に振り分ける。本実施形態では、バッファ用リニア搬送路L3の終端に設けた分岐壁L5(2列のメインリニア搬送路L4の始端同士によって仕切られる壁、図3(b)参照)の両側、すなわち2列のメインリニア搬送路L4に搬送対象物Wを振り分けることができる。リニアフィーダL上では同じ周波数、振幅で駆動されているため、各列のメインリニア搬送路L4には同一の振動が与えられる。
各メインリニア搬送路L4に振り分けられた搬送対象物Wは、メインリニア搬送路L4の終端に向かって振動搬送され、上流側メインリニア搬送路L41及び下流側メインリニア搬送路L42をこの順に通過する。なお、下流側メインリニア搬送路L42上に姿勢矯正手段及び選別手段を設け、正規の搬送姿勢とは異なる搬送姿勢の搬送対象物Wを選別してリニア搬送路L2外に排出する一方、正規の搬送姿勢にある搬送対象物Wが各メインリニア搬送路L4の終端に到達するように構成し、このような搬送対象物Wを各メインリニア搬送路L4の終端から所定の供給先に供給することができる。
複数列の搬送路を有する従来の供給装置では、ボウル搬送路上に内周側溝部と外周側溝部を設け、これらの溝部に分配する構成、すなわち、ボウルフィーダ側で振り分けて、その後リニアフィーダ側に搬送される構成であった。これは、加工性の点でボウルフィーダのボウルがリニアフィーダの供給トラフよりも有利であった点や、リニア搬送路には選別手段等の付加的要素を設けるため、振り分けるならなるべく上流側が好ましい点を考慮した構成であった。しかしながら、上述のように、ボウル搬送路上で搬送対象物を振り分ける構成であれば遠心力の影響を大きく受け、「内外周」に起因する搬送速度の差が生じたり、搬送姿勢が変わり易く、落下し易いという問題があった。このような問題は、搬送対象物のサイズが微小であるほど、また軽量であるほど顕著になる。
一方、本実施形態に係る供給装置Xは、リニアフィーダL上で複数列に振り分ける構成、具体的には、ボウル搬送路B2の終端に連続するリニア搬送路L2として、直線状に延伸するバッファ用リニア搬送路L3と、バッファ用リニア搬送路L3の終端から分岐する2列のメインリニア搬送路L4とを有するものを適用し、ボウル搬送路B2の終端からバッファ用リニア搬送路L3の始端に到達した搬送対象物Wをバッファ用リニア搬送路L3の終端まで振動によって移動させてから各列のメインリニア搬送路L4に振り分ける構成であるため、ボウル搬送路B2上に内周側溝部と外周側溝部を設けてこれらの溝部に分配する構成であれば生じ得る不具合を解消できるのみならず、ボウル搬送路B2の終端に到達した搬送対象物Wを直ぐに分岐しているリニア搬送路L2に分配する構成と比較して、振り分け時点(分配時点)において搬送対象物Wに作用する遠心力(ボウルB1の振動による遠心力)を軽減することができ、遠心力の影響を受けずに、2列に分岐している各メインリニア搬送路L4に搬送対象物Wを均等または略均等に振り分けることが可能になり、各列のメインリニア搬送路L4による供給量に大きな差が生じる事態を解消または低減して、所定時間内に多量の正規姿勢にある搬送対象物Wを供給することができる。
特に、本実施形態に係る供給装置Xでは、2列のメインリニア搬送路L4をリニアフィーダL(供給トラフL1)の長手方向に沿った中心線LCに対して相互に対称となる形状に設定しているため、2列のメインリニア搬送路L4の形状が対称形状ではないことに起因して各メインリニア搬送路L4の搬送能力にばらつきが生じることを防止・抑制することができ、各メインリニア搬送路L4における搬送対象物Wの搬送距離及び搬送速度を同じにすることが可能である。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、バッファ用リニア搬送路の終端から分岐するメインリニア搬送路の列数は2以上であればよく、例えば4列のメインリニア搬送路がバッファ用リニア搬送路の終端から分岐している構成を採用することができる。
バッファ用リニア搬送路の距離(バッファ用リニア搬送路上における搬送対象物の搬送距離)は、ボウル搬送路での遠心力を低減する効果がある距離であればよく、リニアフィーダの全長等に応じて適宜設定・変更することができる。
また、バッファ用リニア搬送路の終端とメインリニア搬送路の始端を同一または略同一高さ位置に設定した構成を採用してもよい。このような構成であれば、バッファ用リニア搬送路の終端からメインリニア搬送路の始端に到達した搬送対象物を段差の無いリニア搬送路上で2列のメインリニア搬送路になだらかに振り分けることができる。このように、バッファ用リニア搬送路の底面(溝の底)と、メインリニア搬送路の底面(溝の底)を同一高さ位置に設定した構成であれば、メインリニア搬送路の始端をバッファ用リニア搬送路の終端よりも低位に設定し、搬送対象物を落下させながら振り分ける構成と比較して、搬送対象物の姿勢を崩すことなく、また搬送速度の低下を招来することなく振り分けることができ、搬送姿勢の意図しない変化や搬送速度の低下に起因する「搬送路上のワーク詰まり」の発生も回避して、各メインリニア搬送路による安定した供給状態を維持することができ、搬送能力の向上に寄与する。
また、本発明の供給装置で搬送可能な搬送対象物は電子部品に限定されず、搬送対象物の重量やサイズに応じてボウル搬送路やリニア搬送路の寸法も適宜設定・変更可能である。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
B2…ボウル搬送路
L2…リニア搬送路
L3…バッファ用リニア搬送路
L4…メインリニア搬送路
W…搬送対象物
X…供給装置

Claims (4)

  1. ボウルの内周面に形成されたボウル搬送路の終端に到達した搬送対象物を振動によって移動させながら複数列の直線状のリニア搬送路に振り分けて所定の供給先まで搬送可能な供給装置であり、
    前記ボウル搬送路の終端に所定方向に直線状に延伸する1列のバッファ用リニア搬送路を設け、当該バッファ用リニア搬送路の終端に到達した前記搬送対象物を、前記バッファ用リニア搬送路の終端を分岐点とする前記複数列のメインリニア搬送路に振り分けるように構成していることを特徴とする供給装置。
  2. 前記メインリニア搬送路が2列である請求項1に記載の供給装置。
  3. 前記2列のメインリニア搬送路が相互に対称形状である請求項2に記載の供給装置。
  4. 少なくとも前記バッファ用リニア搬送路の終端と前記メインリニア搬送路の始端が同一または略同一の高さ位置である請求項1乃至3の何れかに記載の供給装置。
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