以下、添付図面を参照して、本開示によるワーク搬送システムを実施するための形態を説明する。しかし、本開示はこの実施形態のみに限定されるものではない。
(ワーク搬送システム置の構成)
図1に示すように、ワーク搬送システム1は、コンベヤ部2と、アキューム装置3と、を備えている。ワーク搬送システム1は、例えば飲料の製造ラインにおいて、飲料が充填されるボトル等のワーク100を、前工程から後工程に搬送する。以下の説明において、ワーク搬送システム1で前工程から後工程に搬送するワーク100の流れ方向を搬送方向Dtと称する。搬送方向Dtにおいて、ワーク搬送システム1に対する前工程側が搬送方向Dtの上流側Dt1である。また、搬送方向Dtにおいて、ワーク搬送システム1に対する後工程側が搬送方向Dtの下流側Dt2である。ワーク搬送システム1は、通常時は、後に生じるコンベヤ部2上で複数のワーク100を搬送方向Dtに並べた状態で、上流側Dt1から下流側Dt2に向かって連続的に搬送する。ワーク搬送システム1は、搬送方向Dtの下流側Dt2の他の装置(不図示)が、何らかの原因で動作を停止した場合、搬送方向Dtの上流側Dt1から順次搬送されてくる複数のワーク100を、アキューム装置3にアキューム(一時的に貯留)させる。ワーク搬送システム1は、搬送方向Dtの下流側Dt2の他の装置の動作が再開された場合、アキューム装置3に貯留された複数のワーク100を、アキューム装置3から順次排出し、コンベヤ部2により下流側Dt2の他の装置に向けて搬送する。本実施形態において、ワーク搬送システム1は、二台のアキューム装置3を備えている。
(コンベヤ部の構成)
コンベヤ部2は、搬送コンベヤ21と、分岐コンベヤ22と、分配装置25と、合流装置26と、出口コンベヤ28と、を備えている。コンベヤ部2は、ワーク100の中心軸が鉛直方向Dvに延びるように起立させた状態(起立状態)のまま複数のワーク100を搬送する。
搬送コンベヤ21は、搬送方向Dtの上流側Dt1の他の装置から下流側Dt2の合流装置26に向かって延びている。搬送コンベヤ21は、複数のワーク100を搬送方向Dtに一列に整列した状態で、搬送方向Dtの上流側Dt1から下流側Dt2に向かって搬送する。本実施形態において、搬送コンベヤ21は、二台のアキューム装置3の間を通るように延びている。
分岐コンベヤ22は、搬送コンベヤ21に対して分岐するように分配装置25を介して接続されている。本実施形態において、分岐コンベヤ22は、二本配置されている。各分岐コンベヤ22は、搬送コンベヤ21から別々のアキューム装置3に向かって延びている。分岐コンベヤ22は、搬送コンベヤ21の途中からアキューム装置3に向かって、複数のワーク100を、搬送方向Dtの上流側Dt1から下流側Dt2に搬送する。
分配装置25は、搬送コンベヤ21と分岐コンベヤ22との接続部に配置されている。つまり、分配装置25は、搬送コンベヤ21の途中に配置されている。分配装置25は、搬送されてきたワーク100を搬送コンベヤ21及び分岐コンベヤ22の何れか一方に送る。具体的には、分配装置25は、搬送されてきたワーク100をそのまま搬送コンベヤ21で搬送させるか、何れかの分岐コンベヤ22で搬送させるかを選択して、ワーク100の分配先を切り替えている。本実施形態において、分岐コンベヤ22は二本配置されているので、分配装置25は、ワーク100を分岐コンベヤ22に分配する場合、二本の分岐コンベヤ22に対して順番にワーク100を分配する。分配装置25におけるワーク100の分配先は、ワーク搬送システム1の動作を制御する制御装置(図示無し)により制御される。分配装置25では、制御装置の制御により、ワーク搬送システム1に対して下流側Dt2の他の装置の動作状態に応じて、ワーク100の分配先が自動的に切り替えられる。具体的には、分配装置25は、アキューム装置3よりも搬送方向Dtの下流側Dt2に配置された他の装置が停止した場合、分岐コンベヤ22にワーク100を送る。また、分配装置25は、アキューム装置3よりも搬送方向Dtの下流側Dt2に配置された他の装置が稼働している場合、搬送コンベヤ21にそのままワーク100を送る。
合流装置26は、搬送コンベヤ21及び二台のアキューム装置3に対し、搬送方向Dtの下流側Dt2に配置されている。合流装置26は、搬送コンベヤ21を搬送されてきたワーク100と、アキューム装置3から排出されたワーク100とを合流させて、出口コンベヤ28に搬送している。本実施形態において、合流装置26は、後述するアキューム装置3の排出部側コンベヤ24の二本と、二本の排出部側コンベヤ24の間に配置された搬送コンベヤ21とに接続されている。図2に示すように、合流装置26は、下部コンベヤ261と、一対のガイドコンベヤ262と、を備えている。
下部コンベヤ261は、搬送されてくる複数のワーク100を鉛直方向Dv(搬送方向Dtに対して直交する方向であって、図2の紙面に直交する方向)の下方から支持する。下部コンベヤ261は、複数のワーク100を、搬送方向Dtの上流側Dt1から下流側Dt2に搬送する。搬送方向Dtにおける下部コンベヤ261の上流側Dt1の端部は、二本の排出部側コンベヤ24と、一本の搬送コンベヤ21とに接続されている。下部コンベヤ261は、複数の単位コンベヤ263を備えている。各単位コンベヤ263は、搬送方向Dtに延びている。複数の単位コンベヤ263は、鉛直方向Dv及び搬送方向Dtに直交する(交差する)幅方向Dwに並べて配置されている。複数の単位コンベヤ263は、ワーク100の搬送速度を個別に調整可能である。これにより、下部コンベヤ261では、搬送コンベヤ21で搬送されてくるワーク100と、排出部側コンベヤ24から送り出されるワーク100とを異なる搬送速度で搬送することが可能となっている。
ガイドコンベヤ262は、ワーク100を幅方向Dwから支持して搬送方向Dtの上流側Dt1から下流側Dt2に搬送する。ガイドコンベヤ262は、下部コンベヤ261に対して鉛直方向Dvの上方に配置されている。ガイドコンベヤ262は、鉛直方向Dvから見た際に、幅方向Dwの両側にそれぞれ配置されている。ガイドコンベヤ262は、鉛直方向Dvから見た際に、搬送方向Dtに対して交差するように傾斜して延びている。具体的には、一対のガイドコンベヤ262は、鉛直方向Dvから見た際に、搬送方向Dtの上流側Dt1から下流側Dt2に近づくにしたがって、下部コンベヤ261における幅方向Dwの中央に互いに近づくように傾斜して配置されている。各ガイドコンベヤ262は、搬送方向Dtの上流側Dt1の端部が、排出部側コンベヤ24に対し、幅方向Dwの外側に配置されている。
各ガイドコンベヤ262は、搬送方向Dtの上流側Dt1の端部に配置された上流側ローラ2621と、搬送方向Dtの下流側Dt2の端部に配置された下流側ローラ2622と、上流側ローラ2621と下流側ローラ2622との間に巻き回された無端状のベルト2623と、を備えている。上流側ローラ2621及び下流側ローラ2622は、下部コンベヤ261の上面に直交する回転軸周りに回転駆動される。無端状のベルト2623の外周面には、衝撃を吸収可能な複数のパッド2624が固定されている。複数のパッド2624は、ベルト2623の表面に対して搬送方向Dtに間隔を空けて配置されている。複数のパッド2624は、下部コンベヤ261上を起立状態で搬送されるワーク100の外側面に接触したときに、一定以上の摩擦力を生じる材料で形成されている。なお、ワーク100がベルト2623に接触する際の衝撃がワーク100に影響を与えない程度の場合には、ベルト2623に対してパッド2624は固定されていなくてもよい。
このような合流装置26において、下部コンベヤ261の送り速度は、ガイドコンベヤ262の送り速度よりも大きく設定されている。これにより、下部コンベヤ261上で搬送方向Dtの下流側Dt2に搬送されるワーク100に対し、ガイドコンベヤ262にワーク100が接触することで、ワーク100に対し、搬送方向Dtの上流側Dt1への後向きの摩擦力Fが発生する。この摩擦力Fによって、ワーク100を搬送方向Dtの上流側Dt1に押さえるような力が作用する。
出口コンベヤ28は、搬送コンベヤ21及びアキューム装置3に合流装置26を介して間接的に接続されている。具体的には、出口コンベヤ28は、合流装置26に対し、搬送方向Dtの下流側Dt2で連続するように配置されている。出口コンベヤ28は、合流装置26の下流側Dt2の端部に接続されている。出口コンベヤ28は、鉛直方向Dvから見た際に、合流装置26の幅方向Dwの両側に配置された一対のガイドコンベヤ262の下流側Dt2の端部同士の間から延びるように配置されている。出口コンベヤ28は、ワーク搬送システム1に対して下流側Dt2に配置された他の装置に向かって連続して延びている。
出口コンベヤ28におけるワーク100の搬送速度は、合流装置26よりも搬送方向Dtの上流側Dt1での搬送速度よりも大きい。具体的には、出口コンベヤ28の搬送速度は、搬送コンベヤ21、及び二本の排出部側コンベヤ24の搬送速度よりも大きい。これにより、合流装置26から出口コンベヤ28に受け渡されたワーク100は、搬送速度が上昇するので、合流装置26から出口コンベヤ28にワーク100が受け渡される部分で、ワーク100が滞留することが抑えられる。
(アキューム装置の構成)
アキューム装置3は、分岐コンベヤ22を搬送されてきたワーク100をアキューム可能とされている。アキューム装置3は、複数のワーク100を収容可能である。本実施形態では、アキューム装置3は、一つの分岐コンベヤ22に対して一つ配置されている。図1に示すように、アキューム装置3は、投入部側コンベヤ23と、排出部側コンベヤ24と、アキューム装置本体31と、を備えている。アキューム装置3では、ワーク100は、投入部側コンベヤ23、アキューム装置本体31、及び排出部側コンベヤ24の順で、一方向のみに搬送される。
図1及び図3に示すように、投入部側コンベヤ23は、分岐コンベヤ22の下流側Dt2の端部に接続されている。投入部側コンベヤ23は、後述するアキューム装置本体31の投入部32に繋がっている。投入部側コンベヤ23は、搬送コンベヤ21に対し、第一方向Dmに間隔をあけて配置されている。本実施形態において、第一方向Dmとは幅方向Dwである。投入部側コンベヤ23は、アキューム装置本体31及び搬送コンベヤ21に挟まれるように配置されている。投入部側コンベヤ23は、搬送コンベヤ21と平行に配置されている。本実施形態において、投入部側コンベヤ23は、アキューム装置本体31の投入部32に近い位置に配置されている。二台のアキューム装置本体31の計二本の投入部側コンベヤ23は、搬送コンベヤ21を挟んでその両側に配置された二台のアキューム装置本体31に対し、第一方向Dmにおいてさらに外側に配置されている。
投入部側コンベヤ23は、第一方向Dmに交差する第二方向Dsに延びている。本実施方向における第二方向Dsは、搬送方向Dtである。各投入部側コンベヤ23には、分岐コンベヤ22で搬送されてくる複数のワーク100が第二方向Dsに一列(単列)に整列した状態のまま搬送されてくる。投入部側コンベヤ23は、複数のワーク100の搬送速度を減速させる。投入部側コンベヤ23の搬送速度は、搬送コンベヤ21の搬送速度よりも小さい。投入部側コンベヤ23は、アキューム装置本体31に対して第一方向Dmで対向する位置で、複数のワーク100を整列させた状態で停止させる。なお、投入部側コンベヤ23は、アキューム装置本体31に対してワーク100を投入させるために、ワーク100を停止させる不図示のストッパ機構を備えていてもよい。このようにして、各投入部側コンベヤ23は、アキューム装置本体31に投入する複数のワーク100を搬送する。なお、投入部側コンベヤ23の搬送速度は、搬送コンベヤ21の搬送速度と同じであってもよい。
排出部側コンベヤ24は、出口コンベヤ28に合流装置26を介して接続されている。排出部側コンベヤ24は、後述するアキューム装置本体31の排出部33に繋がっている。排出部側コンベヤ24は、第一方向Dmにおいて、アキューム装置本体31を挟んで、投入部側コンベヤ23と反対の位置(搬送コンベヤ21に近い位置)に配置されている。排出部側コンベヤ24は、投入部側コンベヤ23と平行になるように第二方向Dsに延びている。排出部側コンベヤ24は、アキューム装置本体31から排出された複数のワーク100を第二方向Dsに一列(単列)に整列した状態のまま搬送する。排出部側コンベヤ24は、複数のワーク100を搬送方向Dtの下流側Dt2に向けて加速させて搬送する。排出部側コンベヤ24の搬送速度は、投入部側コンベヤ23の搬送速度よりも大きい。
図3~図5に示すように、アキューム装置本体31は、ワーク100を第一方向Dm、第二方向Ds、及び鉛直方向Dvに複数並べた状態でアキューム可能とされている。本実施形態のアキューム装置本体31は、略直方状に形成されている。アキューム装置本体31は、投入部32と、排出部33と、バケット40と、貯留コンベヤ34と、戻しコンベヤ35と、投入部側昇降機36と、排出部側昇降機37と、投入部側移載機38と、排出部側移載機39と、を備えている。
図3に示すように、投入部32は、アキューム装置本体31において、アキュームする複数のワーク100が整列した状態のまま投入される領域である。投入部32は、投入部側コンベヤ23を介して、分岐コンベヤ22に間接的に繋がっている。投入部32は、アキューム装置本体31において、投入部側コンベヤ23に近い第一方向Dmの側方かつ鉛直方向Dvの中央付近の領域である。投入部32では、第二方向Dsに一列に並んだ複数のワーク100が第一方向Dmに移動することで、複数のワーク100をアキューム装置本体31に対して投入部側コンベヤ23から一括して投入可能とされている。
排出部33は、アキューム装置本体31において、アキュームされていた複数のワーク100が整列した状態でそのまま排出される領域である。排出部33は、排出部側コンベヤ24及び合流装置26を介して、出口コンベヤ28に間接的に繋がっている。投入部32と排出部33とは、第一方向Dmにおいて互いに離れた位置に配置されている。具体的には、排出部33は、アキューム装置本体31において、投入部32に対して第一方向Dmの反対側に位置している。つまり、排出部33は、アキューム装置本体31において、排出部側コンベヤ24に近い第一方向Dmの側方かつ鉛直方向Dvの中央付近の領域である。排出部33では、アキューム装置本体31で第二方向Dsに並んだ状態でアキュームされていた複数のワーク100が第一方向Dmに移動することで、複数のワーク100をアキューム装置本体31から排出部側コンベヤ24に一括して排出可能とされている。
図3~図7に示すように、アキューム装置本体31は、バケット40を用い、複数のワーク100を収容する。バケット40は、複数のワーク100を、第二方向Dsに整列させた状態で収容可能なように、第二方向Dsに延びている。アキューム装置本体31では、複数のワーク100をバケット40に収容したまま、バケット40ごと収容する。
図4~図6に示すように、バケット40は、バケット底部41と、バケット壁部42と、脚部43と、を一体に有している。バケット底部41は、複数のワーク100を第二方向Dsに整列させた状態で鉛直方向Dvの下方からワーク100の底部を支持可能とされている。バケット底部41は、第二方向Dsに長い平板状に形成されている。バケット底部41は、第一方向Dmの投入部32から排出部33に向かうにしたがって、鉛直方向Dvの下方に向かうように傾斜している。
バケット壁部42は、複数のワーク100を第二方向Dsに整列させた状態で第一方向Dmの排出部33側からワーク100の側部を支持可能とされている。バケット壁部42は、第一方向Dmにおける排出部33に近いバケット底部41の端部から鉛直方向Dvの上方に延びている。バケット壁部42は、第二方向Dsに長い平板状に形成されている。バケット壁部42は、鉛直方向Dvの上方に向かうにしたがって、排出部33に近づくように傾斜して延びている。また、バケット壁部42には、第二方向Dsに直線状に延びるスリット(開口部)44が形成されている。スリット44は、後述する第一プッシャ363が通過可能な大きさで形成されている。なお、スリット44は、第二方向Dsに直線状に延びた形状に限定されるものではなく、第二方向Dsに間隔を空けて形成された複数の孔として形成されていてもよい。
脚部43は、第一方向Dmにおいて、投入部32に近いバケット底部41の端部に形成されている。脚部43は、バケット底部41から鉛直方向Dvの下方に向かって突出するように延びている。つまり、脚部43は、バケット底部41に対して、バケット壁部42と第一方向Dm反対側の位置で、鉛直方向Dvの反対側に向かって延びている。
このようなバケット40は、バケット底部41とバケット壁部42とが形成する角部と、脚部43の先端とが後述する貯留コンベヤ34に接地することで、バケット底部41及びバケット壁部42が傾斜した姿勢が維持される。
図4及び図5に示すように、貯留コンベヤ34は、複数のワーク100を収容したバケット40を、複数搭載可能である。貯留コンベヤ34は、投入部32から排出部33に向かって、バケット40を移送可能である。貯留コンベヤ34は、複数のバケット40を、第一方向Dmに並べてまとめて搭載可能とされている。貯留コンベヤ34は、第一方向Dmに沿って延びている。貯留コンベヤ34は、第二方向Dsに間隔をあけて二本一対で配置されている。つまり、二本一対の貯留コンベヤ34は、バケット40の第二方向Dsの両端部を下方から支持する。本実施形態の貯留コンベヤ34は、第一ストッパ341と、第一コンベヤベルト342とを備えている。
第一ストッパ341は、第一方向Dmにおいて排出部33に向かうバケット40の移動を規制する。具体的には、第一ストッパ341は、第一方向Dmにおいて、第一ストッパ341が配置されている位置から先に進まないように、バケット40の進行を阻害している。第一ストッパ341は、第一方向Dmにおいて排出部33に寄った位置に配置されている。第一ストッパ341は、第一方向Dmにおける第一コンベヤベルト342の排出部33に近い端部の上方に配置されている。
第一コンベヤベルト342は、不図示の駆動源によって循環駆動されるフリーフローコンベヤ用の無端状のベルトである。第一コンベヤベルト342は、支持面(鉛直方向Dvの上方を向く面)に搭載したバケット40を投入部32から排出部33へと第一方向Dmに移動させる。第一コンベヤベルト342は、第一ストッパ341によってバケット40の排出部33へ向かう移動が規制された場合であっても、循環駆動を継続可能となっている。
戻しコンベヤ35は、ワーク100が全く搭載されていない空のバケット40を、複数搭載可能である。戻しコンベヤ35は、貯留コンベヤ34とは反対向きに、排出部33から投入部32に向かってバケット40を移送可能である。戻しコンベヤ35は、複数のバケット40を、第一方向Dmに並べて搭載可能とされている。戻しコンベヤ35は、貯留コンベヤ34に対して鉛直方向Dvに間隔を空けて配置されている。本実施形態の戻しコンベヤ35は、第二ストッパ351と、第二コンベヤベルト352とを備えている。
第二ストッパ351は、第一方向Dmにおいて投入部32に向かうバケット40の移動を規制する。具体的には、第二ストッパ351は、第一方向Dmにおいて第二ストッパ351が配置されている位置から先に進まないように、バケット40の進行を阻害している。第二ストッパ351は、第一方向Dmにおいて投入部32に寄った位置に配置されている。第二ストッパ351は、第一方向Dmにおける第二コンベヤベルト352の投入部32に近い端部の上方に配置されている。
第二コンベヤベルト352は、不図示の駆動源によって循環駆動されるフリーフローコンベヤ用の無端状のベルトである。第二コンベヤベルト352は、支持面(鉛直方向Dvの上方を向く面)に搭載したバケット40を排出部33から投入部32へと第一方向Dmに移動させる。つまり、第二コンベヤベルト352は、第一コンベヤベルト342とは反対向きに駆動されている。第二コンベヤベルト352は、第二ストッパ351によってバケット40の投入部32へ向かう移動が規制された場合であっても、循環駆動を継続可能となっている。
本実施形態において、貯留コンベヤ34は、戻しコンベヤ35に対して鉛直方向Dvの上部に配置されている。本実施形態において、一対の貯留コンベヤ34は、鉛直方向Dvに間隔を空けて、例えば三段が配置されている。戻しコンベヤ35は、鉛直方向Dvに間隔をあけて、例えば二段が設けられている。全ての戻しコンベヤ35は、全ての貯留コンベヤ34に対して鉛直方向Dvの下方に配置されている。戻しコンベヤ35の段数は、貯留コンベヤ34の段数よりも少ない。
なお、戻しコンベヤ35は必ずしも複数段配置されていることに限定されるものではない。貯留コンベヤ34及び戻しコンベヤ35のうちで少なくとも貯留コンベヤ34が複数段設置されていればよい。さらに、戻しコンベヤ35の段数は、貯留コンベヤ34の段数よりも少ないことに限定されるものではなく、同じ数であってもよい。
投入部側昇降機36は、アキューム装置本体31において、投入部32に面して配置されている。投入部側昇降機36は、貯留コンベヤ34及び戻しコンベヤ35の間で投入部32を通るように鉛直方向Dvにバケット40を昇降させる。本実施形態において、投入部側昇降機36は、鉛直方向Dvの上方に向かってのみにバケット40を搬送する。具体的には、投入部側昇降機36は、戻しコンベヤ35から受け取ったバケット40を、鉛直方向Dvの上方に移動させて貯留コンベヤ34に受け渡す。本実施形態の投入部側昇降機36は、第一リフターチェーン361と、第一支持板362と、第一プッシャ363と、第三プッシャ364とを備えている。
第一リフターチェーン361は、不図示の駆動源によって循環駆動される。第一リフターチェーン361は、第一方向Dmから見た際に、バケット40を第二方向Dsの外側から挟み込むように、第二方向Dsに間隔を空けて一対配置されている。
第一支持板362は、第一リフターチェーン361に対して、鉛直方向Dvに所定の間隔を空けて複数固定されている。第一支持板362は、第一リフターチェーン361の駆動に伴って、鉛直方向Dvに移動する。第一支持板362は、第二方向Dsにおけるバケット40の両端を鉛直方向Dvの下方から支持可能とされている。第一支持板362によってバケット40が支持されることで、投入部側昇降機36は、バケット40を鉛直方向Dvの上方に向かって搬送する。
第一プッシャ363は、各段の貯留コンベヤ34に対して鉛直方向Dvで対応する位置に配置されている。つまり、第一プッシャ363は、各段の貯留コンベヤ34に対して一組ずつ配置されている。第一プッシャ363は、第一支持板362で支持されたバケット40を、第一方向Dmにおいて排出部33に向かって押すことが可能とされている。バケット40は、第一プッシャ363によって押されること第一支持板362上から貯留コンベヤ34上に移動される。
第三プッシャ364は、各段の戻しコンベヤ35に対して鉛直方向Dvで対応する位置に配置されている。つまり、第三プッシャ364は、各段の戻しコンベヤ35に対して一組ずつ配置されている。第三プッシャ364は、第二コンベヤベルト352で支持された空のバケット40を、第一方向Dmにおいて投入部32に向かって押すことが可能とされている。バケット40は、第三プッシャ364によって押されること戻しコンベヤ35上から第一支持板362上に移動される。
排出部側昇降機37は、アキューム装置本体31において、排出部33に面して配置されている。排出部側昇降機37は、貯留コンベヤ34及び戻しコンベヤ35の間で排出部33を通るように鉛直方向Dvにバケット40を昇降させる。本実施形態において、排出部側昇降機37は、鉛直方向Dvの下方に向かってのみにバケット40を搬送する。つまり、排出部側昇降機37は、鉛直方向Dvにおいて、投入部側昇降機36と反対向きにバケット40を搬送する。具体的には、排出部側昇降機37は、貯留コンベヤ34から受け取ったバケット40を、鉛直方向Dvの下方に移動させて戻しコンベヤ35に受け渡す。本実施形態の排出部側昇降機37は、第二リフターチェーン371と、第二支持板372と、第二プッシャ373と、第四プッシャ374とを備えている。
第二リフターチェーン371は、不図示の駆動源によって循環駆動される。第二リフターチェーン371は、第一リフターチェーン361と反対向きに駆動されている。第二リフターチェーン371は、第一方向Dmから見た際に、バケット40を第二方向Dsの外側から挟み込むように、第二方向Dsに間隔を空けて一対配置されている。つまり。第二リフターチェーン371は、第一方向Dmから見た際に、第一リフターチェーン361と重なる位置に配置されている。
第二支持板372は、第二リフターチェーン371に対して、鉛直方向Dvに所定の間隔を空けて複数固定されている。第二支持板372は、第二リフターチェーン371の駆動に伴って、鉛直方向Dvに移動する。第二支持板372は、第二方向Dsにおけるバケット40の両端を鉛直方向Dvの下方から支持可能とされている。第二支持板372によってバケット40が支持されることで、排出部側昇降機37は、バケット40を鉛直方向Dvの下方に向かって搬送する。
第二プッシャ373は、各段の戻しコンベヤ35に対して鉛直方向Dvで対応する位置に配置されている。つまり、第二プッシャ373は、各段の戻しコンベヤ35に対して一組ずつ配置されている。第二プッシャ373は、第二支持板372で支持されたバケット40を、第一方向Dmにおいて投入部32に向かって押すことが可能とされている。バケット40は、第二プッシャ373によって押されること第二支持板372上から戻しコンベヤ35上に移動される。
第四プッシャ374は、各段の貯留コンベヤ34に対して鉛直方向Dvで対応する位置に配置されている。つまり、第四プッシャ374は、各段の貯留コンベヤ34に対して一組ずつ配置されている。第四プッシャ374は、第一コンベヤベルト342で支持されたバケット40を、第一方向Dmにおいて排出部33に向かって押すことが可能とされている。バケット40は、第四プッシャ374によって押されること貯留コンベヤ34上から第二支持板372上に移動される。
投入部側移載機38は、第一方向Dmにおいて、投入部側コンベヤ23を挟んでアキューム装置本体31と反対側に配置されている。投入部側移載機38は、投入部側コンベヤ23から、投入部側昇降機36に保持されたバケット40に、複数のワーク100を整列させた状態のまま一括して移載する。具体的には、投入部側移載機38は、投入部側コンベヤ23で第二方向Dsに一列に整列した状態の複数のワーク100を、第一方向Dmの排出部33に向かって押し出して移動させる。その際、投入部側移載機38は、投入部側コンベヤ23上で中心軸が鉛直方向Dvに延びるように起立した姿勢(直立姿勢)の複数のワーク100を、第一方向Dmに押圧して中心軸が鉛直方向Dv及び第一方向Dmに対して傾斜するように倒す。図5に示すように、本実施形態の投入部側移載機38は、投入部側プッシャ381と、投入部側電動シリンダー383とを備えている。
図3に示すように、投入部側プッシャ381は、複数の投入部側電動シリンダー383に連結されるように、第二方向Dsに延びる板状に形成されている。投入部側プッシャ381は、第一方向Dmに直交する面を形成している。投入部側プッシャ381は、複数の投入部側電動シリンダー383によって、投入部側コンベヤ23上のワーク100に対して、第一方向Dmに進退される。
図5に示すように、排出部側移載機39は、第一方向Dmにおいて、排出部側コンベヤ24を挟んでアキューム装置本体31と反対側に配置されている。排出部側移載機39は、バケット40から排出部側コンベヤ24に複数のワーク100を整列させた状態のまま一括して移載する。具体的には、排出部側移載機39は、貯留コンベヤ34上を搬送されてきたバケット40に第二方向Dsに一列に整列した状態で収容された複数のワーク100を、第一方向Dmの投入部32に向かって押し出して移動させる。その際、排出部側移載機39は、バケット40に傾斜した状態で収容された複数のワーク100を、第一方向Dmに押圧して中心軸が鉛直方向Dvに延びるように起立させる。本実施形態の排出部側移載機39は、排出部側プッシャ(プッシャ)391と、受け部材392と、排出部側電動シリンダー393と、受け部材電動シリンダー394とを備えている。
図3に示すように、排出部側プッシャ391は、複数の排出部側電動シリンダー393に連結されるように、第二方向Dsに延びる板状に形成されている。排出部側プッシャ391は、スリット44と通過可能な大きさで形成されている。排出部側プッシャ391は、第一方向Dmに直交する面を形成している。排出部側プッシャ391は、複数の排出部側電動シリンダー393によって、第一方向Dmにおいて貯留コンベヤ34の端部に配置されたバケット40に収容されたワーク100に対して、スリット44を通過するように第一方向Dmに進退される。これにより、排出部側プッシャ391は、スリット44を通して、バケット40に傾斜した状態で収容された複数のワーク100を、第一方向Dmの投入部32側に押圧する。受け部材392は、第一方向Dmにおいて、排出部側コンベヤ24を挟んで排出部側プッシャ391の反対側に配置されている。受け部材392は、排出部側プッシャ391で押圧された複数のワーク100を受けることが可能とされている。本実施形態の受け部材392は、受け部材電動シリンダー394に連結されるように、第二方向Dsに延びる板状に形成されている。受け部材392は、板状で、第一方向Dmに直交する面を形成している。受け部材392は、排出部側プッシャ391の形状に対応して、第二方向Dsに延びている。受け部材392は、排出部側プッシャ391に連動して、第一方向Dmに進退される。受け部材392は、複数の受け部材電動シリンダー394によって、排出部側プッシャ391に向かって移動される。その結果、受け部材392は、排出部側プッシャ391と共に、第一方向Dmでワーク100を挟み込むことで、ワーク100を第一方向Dmに移動不能な状態で排出部側コンベヤ24にワーク100を移動させる。
(ワーク搬送システムの動作の説明)
次に、上記したようなワーク搬送システム1でワーク100を搬送するときの動作について説明する。まず、ワーク搬送システム1に対して搬送方向Dtの下流側Dt2に配置された他の装置が停止せずに正常に稼働している場合について説明する。この場合、ワーク搬送システム1では、搬送コンベヤ21を搬送されてきたワーク100は、図9に示すように、分配装置25で、分岐コンベヤ22に振り分けられることなく、そのまま搬送コンベヤ21で搬送される。分岐コンベヤ22を通過した複数のワーク100は、搬送コンベヤ21によって合流装置26に送られる。合流装置26に送られたワーク100は、下部コンベヤ261上を出口コンベヤ28に向かって搬送されていく。この場合、複数のワーク100は、アキューム装置3を通らずに出口コンベヤ28に搬送されていく。
次に、ワーク搬送システム1に対して搬送方向Dtの下流側Dt2に配置された他の装置が、何らかの原因で停止している場合について説明する。この場合、ワーク搬送システム1では、搬送コンベヤ21を搬送されてきたワーク100は、図1に示すように、分配装置25で分岐コンベヤ22に振り分けられる。つまり、分配装置25に対して下流側Dt2の搬送コンベヤ21の領域にはワーク100は全く送られない。分配装置25は、二本の分岐コンベヤ22に対して順番にワーク100を分配する。分配装置25は、例えば、バケット40に収容されるワーク100の数ごとに、一方の分岐コンベヤ22と、他方の分岐コンベヤ22との間で、交互にワーク100を分配するようにしてもよい。
分岐コンベヤ22に分配されたワーク100は、分岐コンベヤ22上で搬送方向Dtである第二方向Dsに一列に並んだ状態のまま、図1中の矢印M1のように、分岐コンベヤ22から投入部側コンベヤ23に搬送されていく。このようにして、分岐コンベヤ22からワーク100がアキューム装置3に投入される。
アキューム装置3では、図5に示すように、投入部側コンベヤ23によって、第二方向Dsに整列させた状態で投入部32まで複数のワーク100が減速された状態で搬送されてくる。投入部32で停止した複数のワーク100が、投入部側移載機38によってバケット40に移載される。図7に示すように、投入部側移載機38では、投入部側電動シリンダー383によって、投入部側プッシャ381を第一方向Dmに移動させる。これにより、投入部側コンベヤ23上で整列した状態の複数のワーク100が、投入部側プッシャ381によって押されて、投入部側昇降機36に保持されたバケット40に一括して移載される。このとき、バケット40は、バケット底部41が傾斜しているので、図7中の矢印M2のように、バケット40に移載された複数のワーク100は、鉛直方向Dvの下方から上方に向かって排出部33に近づくように傾いた状態となる。バケット40に収容された複数のワーク100は、バケット底部41とバケット壁部42とによっても下方から支持されることで、傾斜した状態で安定的に支持される。このようにして、アキューム装置本体31の投入部32で、複数のワーク100がバケット40に収容される。
バケット40に投入部32から複数のワーク100が投入されると、第一リフターチェーン361が駆動される。その結果、第一支持板362に支持されたバケット40は、図5中の矢印M3のように、投入部側昇降機36によって、鉛直方向Dvの上方に搬送される。投入部側昇降機36は、バケット40を所定の段の貯留コンベヤ34まで上昇させる。その後、図5中の矢印M4のように、第一プッシャ363により、第一支持板362で支持したバケット40を、排出部33に向かって第一方向Dmに押して第一コンベヤベルト342上に移載する。このようにして、バケット40を、投入部側昇降機36で第一コンベヤベルト342の投入部32に近い端部上に搭載する。
貯留コンベヤ34では、第一コンベヤベルト342上に搭載されたバケット40を、投入部32から排出部33に向かって第一方向Dmに順次移送する。第一コンベヤベルト342上に搭載されたバケット40は、第一コンベヤベルト342の排出部33に近い端部まで搬送される。上記のような動作を順次繰り返すことで、貯留コンベヤ34には、ワーク100が収容された複数のバケット40が順次搭載される。これにより、先に搭載されたバケット40は、第一コンベヤベルト342上を第一方向Dmにおいて排出部33に向かって搬送される。その後、第一コンベヤベルト342上にバケット40が順次搭載されることで、初期に搭載されたバケット40は、第一コンベヤベルト342の排出部33に近い端部まで搬送される。第一コンベヤベルト342の排出部33に近い端部まで搬送されたバケット40は、第一ストッパ341と接触する。これにより、バケット40は、第一方向Dmにおいて、第一ストッパ341よりも先に移動不能とされる。その結果、貯留コンベヤ34では、ワーク100を載せたバケット40が、第一コンベヤベルト342上に第一方向Dmに並んで搭載される。
また、一つの段の貯留コンベヤ34で、バケット40が、所定数に達して満載状態となった場合、その後に投入されるバケット40は、投入部側昇降機36によって、他の段の貯留コンベヤ34に搭載される。これにより、アキューム装置3には多数のワーク100がアキュームされる。
次に、多数のワーク100がアキューム装置3にアキュームされた状態で、ワーク搬送システム1に対して搬送方向Dtの下流側Dt2に配置された他の装置の停止が解除され、稼働が再開された場合について説明する。この場合、ワーク搬送システム1は、アキューム装置3に貯留された複数のバケット40から、順次ワーク100を払い出す。ここで、バケット40は、複数のバケット40の中で先に収容されたバケット40から順に払い出される。
これには、第一ストッパ341が解放される。その後、第四プッシャ374によって、ワーク100が載ったバケット40が押される。その結果、図5中の矢印M5のように、第一コンベヤベルト342上のバケット40は、押し出されるように移動されて排出部側昇降機37に送られる。排出部側昇降機37では、バケット40は、第二支持板372上で支持される。このようにして、排出部側昇降機37では、貯留コンベヤ34からバケット40を受け取る。第二支持板372上にバケット40が受け渡されると、第二リフターチェーン371が駆動される。その結果、第二支持板372に支持されたバケット40は、図5中の矢印M6のように、排出部側昇降機37によって、鉛直方向Dvの下方に搬送される。排出部側昇降機37は、バケット40を排出部側コンベヤ24と同じ高さの排出部33まで下降させる。
排出部33では、排出部側電動シリンダー393によって、排出部側プッシャ391を第一方向Dmに移動させる。排出部側プッシャ391は、スリット44を通って、バケット40に傾斜した状態で収容された複数のワーク100を、第一方向Dmにおいて投入部に向かって一括して押し出す。その結果、図8中の矢印M7のように、複数のワーク100は、排出部側プッシャ391に押圧されて、起立させられるように姿勢が変化させられる。姿勢が変化させるとともに、受け部材電動シリンダー394によって、排出部側プッシャ391に近づけるように、受け部材392が第一方向Dmに移動される。これにより、複数のワーク100は、排出部側プッシャ391と受け部材392との間に起立した姿勢で挟み込まれた状態となる。この状態のまま、複数のワーク100は、排出部側コンベヤ24上に移動される。その結果、複数のワーク100は、排出部側コンベヤ24上に中心軸が鉛直方向Dvに延びるように安定した姿勢で起立される。
このようにして、バケット40に収容されていた複数のワーク100は、排出部33から排出部側コンベヤ24上に排出される。また、複数のワーク100は、バケット40から一括して排出部側コンベヤ24上に排出される。その結果、アキューム装置3にアキュームされている複数のワーク100の中で先に収容されたワーク100から順に排出部側コンベヤ24上に排出される。排出部側コンベヤ24では、複数のワーク100は、搬送方向Dtの下流側Dt2に向かって加速され、図1中の矢印M8のように、合流装置26へと排出される。
一方、排出部33にて複数のワーク100を排出し、空となったバケット40は、図5中の矢印M9のように、排出部側昇降機37によって、鉛直方向Dvの下方に搬送される。排出部側昇降機37では、空のバケット40の第二支持板372により支持した状態で、鉛直方向Dvの下方に向かって搬送する。排出部側昇降機37では、バケット40を所定の段の戻しコンベヤ35の高さまで下降させたら、図5中の矢印M10のように、第二プッシャ373によってバケット壁部42を第一方向Dmにおいて投入部32に向かって押して、空のバケット40を第二コンベヤベルト352上に移載する。このようにして、バケット40を、排出部側昇降機37で第二コンベヤベルト352の排出部33に近い端部上に搭載する。
戻しコンベヤ35では、第二コンベヤベルト352上に搭載された空のバケット40を、排出部33から投入部32に向かって第一方向Dmに順次移送する。上記のような動作を順次繰り返すことで、戻しコンベヤ35には、複数の空のバケット40が順次搭載される。これにより、バケット40は、第二コンベヤベルト352上を第一方向Dmにおいて投入部32に向かって搬送される。その後、第二コンベヤベルト352上にバケット40が順次搭載されることで、初期に搭載されたバケット40は、第二コンベヤベルト352の投入部32に近い端部まで搬送される。第二コンベヤベルト352の投入部32に近い端部まで搬送されたバケット40は、第二ストッパ351と接触する。これにより、バケット40は、第一方向Dmにおいて、第二ストッパ351よりも先に移動不能とされる。その結果、戻しコンベヤ35では、空のバケット40が、第二コンベヤベルト352上に第一方向Dmに並んで搭載される。
第二ストッパ351と接触した状態の空のバケット40は、必要に応じて、投入部側昇降機36に払い出される。具体的には、第二ストッパ351が解放される。その後、第三プッシャ364によって、バケット40が押される。その結果、第二コンベヤベルト352上のバケット40は、押し出されるように移動されて投入部側昇降機36に送られる。投入部側昇降機36では、バケット40は、第一支持板362上で支持される。第一支持板362に支持された空のバケット40は、投入部32まで上昇され、新たに投入される複数のワーク100が収容される。
また、一つの段の戻しコンベヤ35で、バケット40が、所定数に達して満載状態となった場合、その後に投入される空のバケット40は、排出部側昇降機37によって、他の段の戻しコンベヤ35に搭載される。
さらに、すべての段の戻しコンベヤ35で、空のバケット40が、所定数に達して満載状態となった場合、第二コンベヤベルト352の投入部32に近い端部から、空のバケット40を、投入部側昇降機36によって、上段側で空きのある第一コンベヤベルト342に搬送し、第二コンベヤベルト352上に保管するようにしてもよい。
上記のようにして排出部側コンベヤ24から排出されたワーク100は、合流装置26に送られる。図2に示すように、合流装置26では、排出部側コンベヤ24から排出された複数のワーク100が、一列に並んだ状態を維持したまま、下部コンベヤ261上を搬送方向Dtの上流側Dt1から下流側Dt2に送られる。このとき、複数のワーク100は、ガイドコンベヤ262によって幅方向Dwの中央部に向かって案内される。その結果、下部コンベヤ261上のワーク100は、合流装置26の下流側Dt2の端部まで移動した時点で、幅方向Dwの中央部に寄った位置まで移動している。この状態で、複数のワーク100は、出口コンベヤ28に送られる。出口コンベヤ28によって、複数のワーク100は、ワーク搬送システム1に対して搬送方向Dtの下流側Dt2に配置された他の装置に向かって搬送されていく。
(作用効果)
上記構成のワーク搬送システム1では、搬送コンベヤ21から分岐する分岐コンベヤ22を介してワーク100がアキューム装置3に投入される。つまり、ワーク100をアキュームする際には、搬送コンベヤ21ではなく分岐コンベヤ22が利用される。そのため、アキュームが必要な場合には、搬送コンベヤ21を使用することなく、分岐コンベヤ22でワーク100をアキューム装置3まで送ってアキュームした後に、出口コンベヤ28まで搬送できる。さらに、アキュームの必要が無い場合には、搬送コンベヤ21でワーク100をアキュームすることなく出口コンベヤ28まで搬送することができる。したがって、搬送コンベヤ21におけるワーク100の搬送を妨げることなく、ワーク100をアキュームすることができる。このように、ワーク100を効率良く搬送しながら、必要時にはワーク100を一時的に貯留することができる。
また、分配装置25によって、搬送されてきたワーク100を分岐コンベヤ22に送るか、搬送コンベヤ21にそのまま搬送させるか振り分けることができる。したがって、アキュームの必要性に応じて、ワーク100を効果的に搬送することができる。
また、分配装置25は、下流側Dt2に配置された他の装置が停止した場合、分岐コンベヤ22にワーク100を送る。これにより、アキューム装置3で複数のワーク100をアキュームすることができる。したがって、下流側Dt2に配置された他の装置が停止した場合に、搬送コンベヤ21上に複数のワーク100が滞ってしまうことを抑えることができる。さらに、分配装置25は、下流側Dt2に配置された他の装置が停止していない場合、アキューム装置3にワーク100を送ることなく、そのまま搬送コンベヤ21によって出口コンベヤ28までワーク100を搬送することができる。したがって、アキュームが必要ない場合に、下流側Dt2にワーク100を効率良く搬送することができる。
また、アキューム装置3から排出されるワーク100は、合流装置26を経て出口コンベヤ28に送られる。また、アキューム装置3に送られずに、搬送コンベヤ21を搬送されてきたワーク100も、合流装置26を経て出口コンベヤ28に送られる。したがって、アキュームされたワーク100もアキュームされていないワーク100も、最終的に同じ出口コンベヤ28に搬送することができる。したがって、アキュームされたワーク100もアキュームされていないワーク100も、搬送先を変更することなく搬送することができる。
また、合流装置26は、下部コンベヤ261によって、鉛直方向Dvの下方からワーク100を支持しつつ、ガイドコンベヤ262によって、ワーク100を幅方向Dwから支持して、搬送方向Dtの上流側Dt1から下流側Dt2にワーク100を送っている。したがって、ワーク100は、鉛直方向Dvの下方及び幅方向Dwの二つの方向から支持された状態で、出口コンベヤ28に向かって搬送される向きを変化させられる。そのため、合流装置26の下流側Dt2に配置された一つの出口コンベヤ28に向かって、ワーク100を安定した姿勢で搬送しながら、搬送する向きを変更することができる。これにより、排出部側コンベヤ24を送られてきたワーク100を出口コンベヤ28に向かって、円滑に案内できる。
また、下部コンベヤ261の送り速度は、ガイドコンベヤ262の送り速度よりも大きい。これにより、下部コンベヤ261上で搬送方向Dtの下流側Dt2に搬送されるワーク100に対し、ガイドコンベヤ262にワーク100が接触することで、摩擦力Fが生じる。この摩擦力Fによって、ワーク100を搬送方向Dtの上流側Dt1に押さえるような力が作用する。これにより、搬送方向Dtの下流側Dt2に一列で搬送される複数のワーク100の配列が乱されることが抑えられる。したがって、ワーク100をより安定した姿勢で、出口コンベヤ28に向かって円滑に案内できる。
また、ワーク搬送システム1は、アキューム装置3を複数組(本実施形態では二つ)備えることで、ワーク100の貯留量が増える。さらに、一つのアキューム装置3に対して、一つの分岐コンベヤ22が対応するように配置されている。そのため、また、搬送コンベヤ21を挟んだ一方の側のアキューム装置3と他方の側のアキューム装置3とに別々の分岐コンベヤ22を利用してワーク100を搬送することができる。したがって、別のアキューム装置3のアキューム状態によらず、それぞれのアキューム装置3に効率良くワーク100を搬送することができる。これにより、複数のアキューム装置3を効果的に使用でき、アキューム効率を向上させることができる。
また、上記構成のアキューム装置3では、投入部側コンベヤ23から投入されたワーク100が投入部32でバケット40に一列に整列した状態のまま投入される。ワーク100が一列に整列した状態で収容されているバケット40は、投入部側昇降機36で貯留コンベヤ34に搭載される。貯留コンベヤ34は、複数のバケット40を搭載しつつ、バケット40を第一方向Dmにおいて投入部32から排出部33に向かって順次移送する。バケット40を排出部33から排出する場合、貯留コンベヤ34上から排出部側昇降機37に受け渡されたバケット40が、排出部側昇降機37で排出部33まで移動される。バケット40に一列に整列した状態で収容されていた複数のワーク100は、排出部33から整列した状態でそのまま排出される。このようにして、アキューム装置3では、アキューム装置本体31に、複数のワーク100をアキュームすることができる。
また、収容していた複数のワーク100を排出し、空となったバケット40は、排出部側昇降機37によって、戻しコンベヤ35に搬送される。搬送された空のバケット40は、戻しコンベヤ35によって、第一方向Dmにおいて排出部33から投入部32に向かってに順次移送される。その後、空のバケット40は、投入部側昇降機36により、投入部32に搬送され、新たに投入される複数のワーク100が収容される。このようにして、アキューム装置3では、複数のバケット40を循環させるように移動させながら複数のワーク100をアキュームすることができる。
さらに、アキュームされる際に、アキューム装置本体31では、複数のバケット40のそれぞれに、複数のワーク100を整列させたまま収容することができる。そのため、投入部32におけるワーク100の投入と、排出部33におけるワーク100の排出とを同時に並行して別のバケット40に対してそれぞれ行うことができる。また、バケット40に整列した状態で収容された複数のワーク100は、排出部33において、整列した状態のままバケット40から排出される。つまり、アキューム装置本体31に対して、いわゆる先入れ先出しを実現することができる。その結果、ワーク100の搬送順序を管理し、ワーク100のトレーサビリティを向上させることができる。これにより、ワーク100を効率良くアキュームしつつ、アキュームした順に排出することができる。
また、投入部側コンベヤ23によって、第二方向Dsに整列させた状態で搬送されてきた複数のワーク100は、投入部側移載機38によってバケット40にそのまま移載される。これにより、投入部32で、複数のワーク100を搬送されてきた順に整列させた状態のままバケット40に収容することができる。また、排出部側移載機39により、排出部側昇降機37によって貯留コンベヤ34から排出部33に搬送されたバケット40から、複数のワーク100を整列させた状態のまま排出部側コンベヤ24に移載することができる。これにより、複数のワーク100は、バケット40に収容された状態のまま、排出部側コンベヤ24に搬出されていく。したがって、投入部側コンベヤ23を搬送されてきた順に、排出部側コンベヤ24にワーク100を効率良く排出することができる。
また、バケット40は、バケット底部41によりワーク100の底部を支持しつつ、バケット壁部42により排出部33側のワーク100の側部を支持している。そのため、第一コンベヤベルト342上を排出部33に向かって、バケット40でワーク100を搬送中に、ワーク100が倒れてしまうことが抑えられる。
また、バケット40では、バケット底部41がバケット壁部42に対して鉛直方向Dvの上方及び第一方向Dmの投入部32に向かって延びるように傾斜している。そのため、バケット40では、複数のワーク100は、その頂部が底部に対しては排出部33に向かうように傾斜した状態で収容される。その結果、貯留コンベヤ34における搬送先である排出部33にワーク100を搬送する際に、ワーク100を安定させることができる。これにより、第一コンベヤベルト342上を排出部33に向かって搬送中に、ワーク100が倒れてしまうことが抑えられる。
また、投入部側移載機38では、投入部側コンベヤ23上の複数のワーク100は、投入部側プッシャ381によって排出部33に向かって傾動させてバケット40に投入される。これにより、複数のワーク100をバケット40内に倒れ込むように収容とさせることができる。したがって、ワーク100をバケット壁部42によって支持させた状態とすることが高い精度でできる。
また、排出部側移載機39では、バケット40に傾斜した状態で収容された複数のワーク100を押圧して起立させて、排出部側コンベヤ24に移載させている。そのため、傾斜した状態でアキュームされていた複数のワーク100を起立させた状態で、アキューム装置3から排出することができる。
また、排出部側プッシャ391が、バケット壁部42に形成されたスリット44を通って複数のワーク100を第一方向Dmに押圧している。これにより、傾斜したワーク100を支持するバケット壁部42によって阻害されることなく、複数のワーク100をバケット40から円滑に起立させて排出することができる。
また、複数のワーク100を排出部側プッシャ391で起立させるときに、起立してくる複数のワーク100を受け部材392で受けている。そして、排出部側プッシャ391と受け部材392とでワーク100を挟み込んで、排出部側コンベヤ24に移送している。これにより、排出部側コンベヤ24に移載された際に、複数のワーク100がそのまま反対側に倒れてしまうことを防いで、ワーク100を安定して移送できる。
また、貯留コンベヤ34が鉛直方向Dvに間隔を空けて複数段設置されている。これにより、アキューム装置本体31に収容する複数のワーク100が収容されたバケット40の数を増やすことができる。さらに、戻しコンベヤ35も鉛直方向Dvに間隔を空けて複数段設置されている。これにより、アキューム装置本体31に収容される空のバケット40の数を増やすことができる。そして、戻しコンベヤ35の段数が貯留コンベヤ34の段数よりも少ない。戻しコンベヤ35の段数を抑えることで、アキューム容量を低減させることなく、アキューム装置本体31の大型化を抑えることができる。
また、アキューム装置3では、投入部32と排出部33とが第一方向Dmに互いに離れて配置されている。そのため、アキューム装置3へのワーク100の投入とアキューム装置3からのワーク100の排出とが互いに阻害されることが無い。つまり、ワーク100の投入及び排出を同時に行うことができ、効率良くワーク100を投入及び排出することができる。
(その他の変形例)
なお、上記実施形態において、アキューム装置3を二台備えるようにしたが、これに限らない。アキューム装置3は、一台のみ、あるいは三台以上を並列して配置されるように備えていても良い。
また、複数のアキューム装置3を設置する際の設置位置は、本実施形態の二台のアキューム装置3のように、搬送コンベヤ21を挟んで幅方向の外側(搬送コンベヤ21に対して遠い位置)に投入部側コンベヤ23が配置されるような設置位置であることに限定されるものではない。各投入部側コンベヤ23を、アキューム装置3に対して搬送コンベヤ21に対して近い位置に配置してもよい。この場合、排出部側コンベヤ24は、搬送コンベヤ21を挟んで幅方向の外側に配置されてもよい。また、投入部側コンベヤ23及び排出部側コンベヤ24の配置が、全てのアキューム装置3で同じあってもよい。
また、複数のアキューム装置3に対するワーク100の投入や排出は、一つのアキューム装置3に対して全てのワーク100を投入や排出された後に、別のアキューム装置3に切り変えられてもよい。また、一つのアキューム装置3の一つのバケット40のワーク100が投入や排出された後に、別のアキューム装置3の一つのバケット40に切り変えられてもよい。つまり、複数のアキューム装置3に対するワーク100の投入や排出は、一方のみで重点的に行われてもよく、交互に行われてもよい。
また、貯留コンベヤ34は、第二方向Dsに離れて複数配置される構造に限定されるものではない。貯留コンベヤ34は、例えば、第二方向Dsに大きく広がるように延びる幅広の一つのコンベヤであってもよい。
また、第一コンベヤベルト342や第二コンベヤベルト352は、循環駆動可能であれば、無端状のベルトであることに限定されるものではない。第一コンベヤベルト342や第二コンベヤベルト352は、例えば、チェーンコンベヤであってもよい。
また、受け部材392は、本実施形態のように、第一方向Dmに進退する構造に限定されるものではない。受け部材392は、複数のワーク100を受けることが可能な構造であれば、移動不能な状態で固定された構造であってもよい。
また、アキューム装置3の構造は、本実施形態のような多段でワーク100をアキュームする構造に限定されるものではない。例えば、アキューム装置3は、アキュームコンベヤを適用した構造であってもよい。
<付記>
実施形態に記載のワーク搬送システム1は、例えば以下のように把握される。
(1)第1の態様に係るワーク搬送システム1は、複数のワーク100を搬送方向Dtの上流側Dt1から下流側Dt2に向かって搬送する搬送コンベヤ21と、前記搬送コンベヤ21に対して分岐するように接続された分岐コンベヤ22と、前記分岐コンベヤ22に接続されて、前記分岐コンベヤ22を搬送された複数の前記ワーク100をアキューム可能なアキューム装置3と、前記搬送コンベヤ21及び前記アキューム装置3に接続されて、前記アキューム装置3から排出された複数の前記ワーク100、及び前記搬送コンベヤ21で搬送された複数の前記ワーク100を、前記搬送方向Dtの下流側Dt2に搬送する出口コンベヤ28と、を備える。
このワーク搬送システム1では、搬送コンベヤ21から分岐する分岐コンベヤ22を介してワーク100がアキューム装置3に投入される。つまり、ワーク100をアキュームする際には、搬送コンベヤ21ではなく分岐コンベヤ22が利用される。そのため、アキュームが必要な場合には、搬送コンベヤ21を使用することなく、分岐コンベヤ22でワーク100をアキューム装置3まで送ってアキュームした後に、出口コンベヤ28まで搬送できる。さらに、アキュームの必要が無い場合には、搬送コンベヤ21でワーク100をアキュームすることなく出口コンベヤ28まで搬送することができる。したがって、搬送コンベヤ21におけるワーク100の搬送を妨げることなく、ワーク100をアキュームすることができる。このように、ワーク100を効率良く搬送しながら、必要時にはワーク100を一時的に貯留することができる。
(2)第2の態様に係るワーク搬送システム1は、(1)のワーク搬送システム1であって、前記搬送コンベヤ21と前記分岐コンベヤ22との接続部に配置され、搬送されてきた前記ワーク100を前記搬送コンベヤ21及び前記分岐コンベヤ22の一方に送る分配装置25をさらに備えていてもよい。
これにより、搬送されてきたワーク100を分岐コンベヤ22に送るか、搬送コンベヤ21にそのまま搬送させるか振り分けることができる。したがって、アキュームの必要性に応じて、ワーク100を効果的に搬送することができる。
(3)第3の態様に係るワーク搬送システム1は、(2)のワーク搬送システム1であって、前記分配装置25は、前記アキューム装置3よりも前記搬送方向Dtの下流側Dt2に配置された他の装置が停止した場合、前記分岐コンベヤ22に前記ワーク100を送り、前記アキューム装置3よりも前記搬送方向Dtの下流側Dt2に配置された他の装置が稼働している場合、前記搬送コンベヤ21に前記ワーク100を送ってもよい。
これにより、下流側Dt2に配置された他の装置が停止した場合に、搬送コンベヤ21上に複数のワーク100が滞ってしまうことを抑えることができる。さらに、アキュームが必要ない場合に、下流側Dt2にワーク100を効率良く搬送することができる。
(4)第4の態様に係るワーク搬送システム1は、(1)から(3)の何れか一つのワーク搬送システム1であって、前記アキューム装置3の下流側Dt2に配置され、前記アキューム装置3から排出された複数の前記ワーク100、及び前記搬送コンベヤ21で搬送された複数の前記ワーク100を合流させて前記出口コンベヤ28に搬送する合流装置26をさらに備えていてもよい。
これにより、アキューム装置3から排出されるワーク100は、合流装置26を経て出口コンベヤ28に送られる。また、アキューム装置3に送られずに、搬送コンベヤ21を搬送されてきたワーク100も、合流装置26を経て出口コンベヤ28に送られる。したがって、アキュームされたワーク100もアキュームされていないワーク100も、最終的に同じ出口コンベヤ28に搬送することができる。したがって、アキュームされたワーク100もアキュームされていないワーク100も、搬送先を変更することなく搬送することができる。
(5)第5の態様に係るワーク搬送システム1は、(4)のワーク搬送システム1であって、前記合流装置26は、前記ワーク100を鉛直方向Dvの下方から支持し、前記搬送方向Dtの上流側Dt1から下流側Dt2に前記ワーク100を搬送する下部コンベヤ261と、前記ワーク100を前記鉛直方向Dv及び前記搬送方向Dtと交差する幅方向Dwから支持して前記搬送方向Dtの上流側Dt1から下流側Dt2に前記ワーク100を搬送し、前記鉛直方向Dvから見た際に、前記搬送方向Dtに対して交差するように傾斜して延びているガイドコンベヤ262と、を備えていてもよい。
これにより、下部コンベヤ261によって、鉛直方向Dvの下方からワーク100を支持しつつ、ガイドコンベヤ262によって、ワーク100を幅方向Dwから支持して、搬送方向Dtの上流側Dt1から下流側Dt2にワーク100を送っている。したがって、ワーク100は、鉛直方向Dvの下方及び幅方向Dwの二つの方向から支持された状態で、出口コンベヤ28に向かって搬送される向きを変化させられる。そのため、合流装置26の下流側Dt2に配置された一つの出口コンベヤ28に向かって、ワーク100を安定した姿勢で搬送しながら、搬送する向きを変更することができる。これにより、アキューム装置3から送られてきたワーク100を出口コンベヤ28に向かって、円滑に案内できる。
(6)第6の態様に係るワーク搬送システム1は、(5)のワーク搬送システム1であって、前記下部コンベヤの送り速度は、前記ガイドコンベヤの送り速度よりも大きくてもよい。
これにより、下部コンベヤ261上で搬送方向Dtの下流側Dt2に搬送されるワーク100に対し、ガイドコンベヤ262にワーク100が接触することで、摩擦力Fが生じる。この摩擦力Fによって、ワーク100を搬送方向Dtの上流側Dt1に押さえるような力が作用する。これにより、搬送方向Dtの下流側Dt2に搬送される複数のワーク100の配列が乱されることが抑えられる。したがって、ワーク100をより安定した姿勢で、出口コンベヤ28に向かって円滑に案内できる。
(7)第7の態様に係るワーク搬送システム1は、(1)から(6)のいずれか一つのワーク搬送システム1であって、前記アキューム装置3は、前記分岐コンベヤ22に繋がって前記ワーク100が投入される投入部32と、前記出口コンベヤ28に繋がって前記ワーク100が排出される排出部33とが互いに離れた位置に配置されていてもよい。
これにより、アキューム装置3へのワーク100の投入とアキューム装置3からのワーク100の排出とが互いに阻害されることが無い。つまり、ワーク100の投入及び排出を同時に行うことができ、効率良くワーク100を投入及び排出することができる。