JPH0665517A - イポメア色素による食品の着色方法 - Google Patents

イポメア色素による食品の着色方法

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JPH0665517A
JPH0665517A JP5159929A JP15992993A JPH0665517A JP H0665517 A JPH0665517 A JP H0665517A JP 5159929 A JP5159929 A JP 5159929A JP 15992993 A JP15992993 A JP 15992993A JP H0665517 A JPH0665517 A JP H0665517A
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英親 豊島
Norio Ishima
紀男 石間
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 イポメア色素フレークおよび/または粉末を
食品に加えることを特徴とする食品の着色方法。 【効果】 本発明によれば、フレーク状および/または
粉末状のイポメア色素を食品に加え、その際必要に応じ
てpHを適宜調整することにより、赤色乃至赤紫色から
緑色までの各種色調の食品が得られる。したがって、本
発明の方法は食品の着色に多くの利点があり、著しく広
範な応用が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イポメア色素による食
品の着色方法に関し、詳しくはイポメア色素フレークお
よび/または粉末を食品に加え、その際に必要に応じて
pHを2から13までの任意の値に調整して食品の色調
を赤色乃至赤紫色から緑色まで変化させる食品の着色方
法に関するものである。
【0002】本発明で用いるイポメア色素は、長期間に
わたる保存にも耐え、かつ利用しやすい形態であること
から、各種食品素材との混合、着色に利用できる。しか
も、天然色素であるので、食品としての安全性にも優れ
ている。
【0003】これまで食品の着色に使われている紫色系
色素は毒性の強い化学合成品が主流であり、使用上の問
題があるため、天然色素の開発が望まれていた。一方、
イポメアを食品に混合して製品のテクスチャー,風味を
変えるなどの利用方法はあるが、イポメア色素を安定化
した後、食品の着色を目的として添加して利用した例は
ない。また、従来の着色用色素は抽出,濃縮した液状品
である。本発明で用いる安定化したイポメア色素はpH
をアルカリ側にしても色調は比較的に安定であり、各種
色の製品が得られるので有利である。
【0004】尚、イポメアとは甘藷のことであり、従来
品種のベニハヤト,サツマヒカリ,高系14号,最近開
発された色素高含有イポメア,山川ムラサキなど、色素
を含むイポメアであれば本発明の方法に適用できる。以
後、本発明のイポメア色素を単にイポメア色素と呼称す
る。
【0005】
【従来の技術】これまで、アントシアン,クロロフィル
などの植物色素の利用の際には、これらを抽出,濃縮し
た後、各種食品素材に加えて利用してきたが、抽出した
色素は光,熱,pHなどに対して不安定であり、退色し
やすく、貯蔵が困難で利用し難いなどの不利な性質をも
っていた。この欠点を補うために、サイクロデキストリ
ンを加えて安定化した例もあるが、サイクロデキストリ
ンが高価なために、一般の食品素材としては使い難い。
【0006】さらに、安定性に乏しいことから、発現で
きる色にも限界があり、特にpHが中性以上になると急
速に褐変し、青,緑色を安定に保持するのは困難であ
り、赤色が主体であった。そのため、このような色素を
各種食品に利用することはできなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光,
熱,pHなどに対する安定性に優れた天然色素を用いて
食品を着色する方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】すなわち本発明は、イポメ
ア色素フレークおよび/または粉末を食品に加えること
を特徴とするイポメア色素による食品の着色方法であ
る。
【0009】本発明に用いるイポメア色素の製造方法に
ついて述べると、原料のイポメアは生または蒸煮して、
いわゆる乾燥イモの形態としてもよいが、この際、褐変
を抑えるためにpHを酸性側に調整することが望まし
い。工業的には原料→洗浄→蒸煮→剥離→ミンチ→混練
り→乾燥の工程が一般的であるが、本工程に限定される
ものではない。製品形態としては、各種形のフレーク,
各種粒度の顆粒,微粉末など目的に応じて各様に変える
ことができ、1〜2カ月保存では、特別の処置を必要と
しないが、長期保存には密封,冷暗所での保存が望まし
い。
【0010】イポメア色素による食品の着色方法は極め
て簡便であり、色付けしたい食品素材に混合するか、添
えておくだけでもよい。また、食品素材に限定されるこ
となく、発酵食品から野菜まで殆どの食品に利用でき
る。
【0011】次に、本発明に用いるイポメア色素の安定
性を調べるため、本発明者らは下記の実験を行った。イ
ポメア(品種:山川ムラサキ)を洗浄,蒸気処理,剥
離,洗浄,蒸煮,ミンチ,混練後、シングル型ドラムド
ライヤーで乾燥して、不定形のフレークに成型した。さ
らに微粉砕して、粉末試料について各種試験を行った。
尚、対照としては山川ムラサキから塩酸酸性アルコール
溶液で抽出した色素を用いた。
【0012】光安定性については、8,000Lxで20
日間、室温,pH3.5で光照射を行った結果、退色は
殆ど認められなかったが、対照の色素液の場合は退色が
著しかった。pHを4以上に調整して同様に試験した結
果では、安定性の差異は大きく、本発明で用いるイポメ
ア色素は高いpH領域でも安定であることを特徴として
いる。
【0013】熱安定性については、イポメア色素を沸騰
水浴中、20分間処理により行った結果、pH3では赤
色、4〜6では赤紫色で色調は安定しているが、対照は
4以上でやや黒味を帯びた色調になった。また、イポメ
ア色素はpH7では紫色、8では緑色であり、加熱処理
により退色するが、その程度は対照の色素に比較して著
しく遅く、イポメア色素のデンプン質食品素材への添加
で緑色を安定に保持することもできる。
【0014】鉄イオンを200ppm濃度に添加した結
果、対照の色素の安定化に改善が見られ、熱安定性は高
くなるが、本発明で用いるイポメア色素での安定性改善
効果は対照に比較して大きくはない。しかし、鉄イオン
添加した対照の色素と本発明のイポメア色素との比較で
も後者の方が安定性に優れる。このことから、イポメア
全体をフレークまたは粉末にすると、その中に少量含ま
れる鉄イオンが色素の安定化に関与していることも考え
られ、さらに安定化に及ぼす効果が鉄イオンのみではそ
れ程大きくないことから、その他の成分、例えばデンプ
ンなどが大きく関与しているものと予想される。
【0015】したがって、植物に含まれる色素を抽出し
た後、デンプン,サイクロデキストリン,植物ガムなど
の各種多糖,それらの分解物および/または色素を安定
化する金属,金属イオンを添加し、混練り、熱処理など
により混合して安定性の高い色素製品を生産することも
可能である。しかし、生産コストの点から、本発明で用
いるイポメア色素は有利であり、イモ臭に影響されない
食品には広く利用できる。
【0016】尚、以上の知見から色素の安定化について
は、原料を甘藷に限ったものではなく、例えばムラサキ
大根,ムラサキトウモロコシなど色素を含む植物体であ
れば何れでも、フレークおよび/または粉末状にして本
発明に適用できるものと予想される。
【0017】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、これらに限定されるものではない。 製造例1 イポメア(品種:山川ムラサキ)を洗浄、pH6.0,蒸
気処理は8kg/cm2の蒸気圧で40秒間,剥離,洗浄,蒸
煮は1.1〜1.2kg、ミンチ, 混練後、シングル型ドラム
ドライヤーで乾燥して、不定形のフレークに成型した。
さらに、微粉砕して粉末状製品を製造した。本製品の色
の安定性は高く、室温,空気中に1カ月放置しても殆ど
退色は認められなかった。なお、アスコルビン酸を少量
(1%以下)加えることにより一層安定性が向上する。
【0018】製造例2 生イモ(品種:山川ムラサキ)を約5mmの厚さに切
り、pH3の酢に5分間浸漬し、水切りした後、70℃
で熱風乾燥して乾燥フレークを製造した。本製品の色の
安定性は高く、室温,空気中に1カ月放置しても殆ど退
色は認められなかった。
【0019】実施例1 製造例1により調製した粉末イポメア色素を以下のよう
に添加してパンを製造した。 (原料配合重量比) 小麦粉 100 ショートニング 4 砂糖 5 イースト 2 食塩 2 水 63または適正量 イポメア色素粉末添加量0〜12.5%(小麦粉に対し
て)を加え、pH5.2, 200℃,20分間の条件で常
法によりパンを製造した。
【0020】その結果、イポメア色素粉末は10%以下
の添加量ではパンの一般的品質には全く影響せず、パン
の色は5%以上の添加で内層が薄紫色になり、添加量を
増大させることにより紫色になった。したがって、パン
の色付けには5〜10%の添加が望ましい。
【0021】実施例2 製造例1により調製したイポメア色素粉末を以下のよう
に添加して麺(中華麺)を製造し、pH12.5,100
℃で5分間ゆでた。 (原料配合重量比) 小麦粉 100 水 適正量 炭酸ソーダ 0.5 炭酸カリウム 0.5 イポメア色素粉末添加量 0〜5%(小麦粉に対し
て)
【0022】その結果、イポメア色素粉末の添加量が多
くなるにしたがって、黄緑色から緑色にすることができ
た。通常、アントシアニン系色素はアルカリ性では不安
定であり、速やかに退色するが、以上のようにして製造
した麺生地中では安定であり、ゆでても退色は認められ
なかった。しかし、イポメア色素の添加量が増大するに
したがって食感が変わるので、添加量は5%以下が望ま
しい。
【0023】実施例3 蕪を漬ける際に酢を添加してpHを3に調整した後、食
塩とイポメア色素フレークを適当量加え、2〜4日加圧
して、赤色の蕪の漬物を製造した。
【0024】実施例4 蒲鉾製造の際に、馬鈴薯デンプンの約半量の5〜10%
をイポメア色素粉末に代えてpHを3〜7に調整して、
常法に準ずることにより、赤色〜緑色の蒲鉾を製造する
ことができた。
【0025】実施例5 ウイロウの製造の際に、製造例1により調製したイポメ
ア色素粉末を下記の如く添加した。 (原料配合重量比) 米粉 13 デンプン 3 蔗糖 25 水 59 イポメア色素粉末添加量 0〜5(デンプンの代わ
りに)
【0026】その結果、イポメア色素粉末の添加量が多
くなるにしたがって、薄紫色から紫色になる。さらに、
クエン酸を0.1〜0.2%に加えた後、イポメア色素を添
加して薄桃色から赤紫色までの色調をもつウイロウを製
造することができた。イポメア色素粉末を添加した製品
は、従来品に比較して粘性が僅かに抑えられ、さっぱり
した食感をもっている。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、フレーク状および/ま
たは粉末状のイポメア色素を食品に加え、その際必要に
応じてpHを適宜調整することにより、赤色乃至赤紫色
から緑色までの各種色調の食品が得られる。したがっ
て、本発明の方法は食品の着色に多くの利点があり、著
しく広範な応用が可能である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イポメア色素フレークおよび/または粉
    末を食品に加えることを特徴とするイポメア色素による
    食品の着色方法。
  2. 【請求項2】 pHを2から13までの任意の値に調整
    したイポメア色素を食品に加えて食品の色調を赤色乃至
    赤紫色から緑色まで変化させる請求項1記載の方法。
JP5159929A 1989-07-20 1993-05-14 イポメア色素による食品の着色方法 Expired - Lifetime JPH0762114B2 (ja)

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