JP3602865B2 - 小麦粉およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、生めん類および乾めん類、手延べそうめん類に使用する小麦粉およびその製造方法に関するものである。詳しくは本発明は生めん類特にうどん、中華めん、ぎょうざの皮など、および乾めん類、手延べそうめん類において製造直後より経時的に起こる黒褐色の斑点(スペック)の発生や色調の低下などを抑制、防止する技術に関するものである。
【0002】
本発明でいう「うどん」とは、生めん類の表示に関する公正競争規約(全国生めん類公正取引協議会)にあるように、ひらめん、ひやむぎ、そうめん、その他名称のいかんを問わず小麦粉に水を加えてねり合わせた後、製めんしたもの及び製めんした後、ゆで又は蒸したものを意味する。
【0003】
本発明でいう「中華めん類」とは、生めん類の表示に関する公正競争規約(全国生めん類公正取引協議会)にあるように、小麦粉にかんすい、唐あく等を加えて練り合わせた後製めんしたもの又は製めんした後、ゆで、蒸し、もしくは油揚げしたもの及びこれらに準ずるものを意味する。
【0004】
本発明でいう「ぎょうざの皮」とは、生めん類の表示に関する公正競争規約(全国生めん類公正取引協議会)にあるように、小麦粉に水またはかんすい等を加えて練り合わせた後圧延し、ぎょうざ、わんたん、しゅうまい及び春巻の皮等に成形したものを意味する。
【0005】
本発明でいう「乾めん類」とは、日本農林規格品質表示基準にあるように、小麦粉、そば粉又は小麦粉若しくはそば粉に大麦粉、米粉、粉茶、卵等を加えたものに食塩、水等を加えて練り合わせた後、製めんし、乾燥したものを意味する。
【0006】
本発明でいう「手延べそうめん類」とは、日本農林規格品質表示基準にあるように、小麦粉を原料とし、これに食塩、水等を加えてねり合わせた後、食用植物油を塗布してよりをかけながら順次引き延ばして丸棒状のめんとし、乾燥したものを意味する。
【0007】
【従来の技術】
生めん類は、製造直後は明るい色調を呈しているが、生の状態で流通、保存する際に経時的に黒褐色の斑点(スペック)の発生や、退色による色調の低下等が見られ、乾めん類、手延べそうめん類においても製造直後から乾燥するまでの間に同様の色調低下がみられる。
このスペックの発生は小麦粉中に混入しているフスマに含まれる酵素(チロシナーゼ)に由来するといわれている(特開平5−260915号公報)。つまり、製粉工程においてほとんど除去されるが、わずかに残存し、挽砕工程で粉砕されることで小麦粉中に分散混入するフスマや、あるいはその周辺等に含まれるチロシナーゼによって、スペックの発生が引き起こされると考えられている。
【0008】
スペックの発生等の商品価値や品質の低下を防ぐためには一般にフスマの混入量の少ない(灰分の少ない)小麦粉を使用しているが、目的とする効果が充分なものとはいえない。また、小麦粉中に分散したチロシナーゼに対してチロシナーゼ阻害剤を作用させるという考えの下に、チロシナーゼ阻害剤を小麦粉に添加する方法が知られている(内野ら、Agric.Biol.Chem.,52,2609,1988)。
【0009】
上記従来法では、生めん類等のスペックの発生の抑制は、小麦粉の段階でチロシナーゼ阻害物質であるコウジ酸を添加することにより行う。しかし、小麦粉はその中にフスマ等が分散しているため、コウジ酸を比較的多量に添加しなければならない。コウジ酸は小麦粉に対して0.1%程度以上に添加されると、めんを黄色に着色してしまうため、比較的多量の添加はうどん等のような白さが要求されるめん類においては難点となっていた(特開昭63−157950号公報)。
【0010】
また、従来の方法においては小麦粉中に分散しているチロシナーゼに対してチロシナーゼ阻害剤を添加するため、効率が悪く、チロシナーゼ阻害剤であっても、システイン、グルタチオン、α−トコフェロール、アスコルビン酸等は多量に添加してもスペックの発生を抑制することはできなかった(内野ら、Agric.Biol.Chem.,52,2609,1988)。スペック抑制効果があるものは、コウジ酸やヒノキチオール(特開平5−260915号公報)といったほんの一部分のチロシナーゼ阻害剤に限られていた。
【0011】
一方、アスコルビン酸やシステイン、グルタチオン等の還元剤を調質工程で小麦に接触させることについては特許出願(特開平2−293054号公報)されている。しかし、そこでは還元剤が「調質される食用原料を天然のビタミン類およびカロテノイド、クロロフィル、キサントフィルならびに関連するリポキシダーゼ−リノレエート系を含む着色剤の化学的または光分解から守る」目的で、つまりカロチノイド色素等が分解することを守る目的で使用されており、チロシナーゼの作用によって引き起こされる黒褐色の斑点の形成であるスペックの発生等を防ぐ目的を示唆していない。
すなわち、本発明におけるチロシナーゼ阻害剤をフスマやその周辺に多く含まれるチロシナーゼに作用させることで生めん類等にみられるスペックの発生等の品質の低下を防ぐことのできる小麦粉を提供する技術とは目的が全く異なるものである。
【0012】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来よりスペック抑制作用が知られているチロシナーゼ阻害剤および、従来の技術ではスペック抑制作用がないとされていたチロシナーゼ阻害剤をフスマ中に含まれるチロシナーゼに効率よく接触させることにより、小麦粉中に含まれるチロシナーゼ阻害剤が少ない量であっても二次加工製品の品質の低下を抑制することに優れた小麦粉を提供することを目的とする。
【0013】
本発明は、小麦粉二次加工製品におけるスペックの発生を抑制し、退色による色調の低下を抑制することができる小麦粉を得ることを目的とする。
さらに詳細には本発明は、生めん類等に発生するスペックの発生を抑制し、退色による色調の低下を抑制することができる小麦粉の製造方法、並びに、スペックの発生を抑制し、退色による色調の低下を抑制することができる小麦粉を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明はスペック抑制作用が知られているチロシナーゼ阻害剤の添加方法を工夫することで、小麦粉に含まれる量が従来より少ない量であってもスペック抑制効果を示すことを発見したことに基づくものである。
すなわち本発明は、チロシナーゼ阻害剤を、製粉工程において挽砕前の小麦に添加することで、小麦の外側に多く存在するチロシナーゼに効率よく接触させることができる。この効率よい接触により、二次加工製品におけるスペックの発生を抑制し、退色による色調の低下を抑制することができる小麦粉を製造することを可能とする。
【0015】
本発明で使用するチロシナーゼ阻害剤としては、コウジ酸、システイン、グルタチオン、アスコルビン酸、ジチオスレイトール、フィチン酸、EDTA(エチレンジアミンイソ四酢酸)、イソニコチン酸ヒドラジド、パラアミノサリチル酸およびペプチドより選択される1種または2種以上の組み合わせが例示される。これらチロシナーゼ阻害剤は、塩の形で使用することもできる。特にコウジ酸、システインが好ましい。
【0016】
製粉工程において、挽砕する前の小麦に添加するチロシナーゼ阻害剤の量は、用いるチロシナーゼ阻害剤により異なる。挽砕後の小麦粉を用いて生めん等を製造した時に、無添加区の生めん等よりスペックの増加率を抑えることができる量以上、生めん等にチロシナーゼ阻害剤そのものによる着色の影響がでる添加量以下を目安とする。例えば、コウジ酸、システインにおいては小麦に対して10ppm以上から5000ppm以下の範囲である。さらに好ましくは50ppm以上から3500ppm以下の範囲である。
【0017】
本発明のチロシナーゼ阻害剤の添加方法は以下のとおりである。
チロシナーゼ阻害剤の溶液を用いて調質することでチロシナーゼ阻害剤を小麦に添加するか又は調質前、調質中、調質後にチロシナーゼ阻害剤を添加しても良い。好ましくはチロシナーゼ阻害剤の懸濁または溶解した溶液にて加水を行うことにより小麦とチロシナーゼ阻害剤が均一に混ぜられるように充分撹拌することで小麦にチロシナーゼ阻害剤を添加するか、または例えば粉末、顆粒、結晶等の状態で、またあるいは懸濁または溶解した溶液にてチロシナーゼ阻害剤を、小麦に加えた後調質を行ったり、小麦に加えながら調質を行ったり、調質後の小麦に加えたりして小麦とチロシナーゼ阻害剤が均一に混ざるように充分撹拌することで小麦にチロシナーゼ阻害剤を添加する。
【0018】
なお、通常製粉工程においては、特にpHの調整は行わないが、本発明方法によりチロシナーゼ阻害剤を添加することで小麦や小麦粉等にpHの影響が予想される場合はチロシナーゼ阻害剤を添加する際の懸濁または溶解した溶液等のpHを5〜9付近(好ましくはpH6〜8)に調整しても良い。
【0019】
挽砕前の小麦にチロシナーゼ阻害剤を添加することにより、小麦の外側のフスマやその周辺に多く含まれているチロシナーゼに効率良く接触させることで、生めん類等の小麦粉二次加工製品にみられるスペックの発生を抑制し、退色による色調低下の抑制が可能な小麦粉を提供することができる。
また、チロシナーゼ阻害剤をフスマやその周辺に多く含まれているチロシナーゼに効率よく接触させるため、チロシナーゼ阻害剤はフスマ等と同様に製粉工程においてほとんど除去され、わずかに残存したフスマと同じようにチロシナーゼ阻害剤が小麦粉中に分散するため、チロシナーゼ阻害剤の小麦粉中に含まれる量が従来よりも少ない量であっても、生めん類等の小麦粉二次加工製品にみられるスペックの発生を抑制し、退色による色調の低下を抑制することができる小麦粉を提供することが可能となった。
【0020】
例えば、従来の方法ではスペックの発生を抑制できなかったチロシナーゼ阻害剤であるシステインを、挽砕する前の小麦に添加してチロシナーゼに効率よく接触させることにより、スぺックの発生を抑制する成分として利用することが初めて可能となった。
また、それ自体が黄色に変色するため、うどん等のような白さが要求されるめん類に利用する上で難点が指摘されていたコウジ酸が、チロシナーゼに効率良く接触させることができ、従来よりも少ない量で利用可能となった。
また、従来の方法で必要とされたキレート剤等(特開昭63−157950号公報)をさらに添加しなくとも、うどん等のような白さが要求されるめん類にコウジ酸を利用することができるようになった。乾めん、手延べそうめん類においても、乾燥工程前の生めんの状態においておこるスペックの発生等の経時変化を抑制し、白さを保った製品を得ることが可能となった。
【0021】
【実施例】
本発明の詳細を実施例で説明する。本発明はそれら実施例によって何ら限定されるものではない。
【0022】
実施例1
小麦粉の調製
水71.5gにコウジ酸3g、1g、0.1g、0.01gをそれぞれ加え、pH調整のため各々に炭酸ナトリウム750mg、250mg、25mg、2.5mgを加えて4種類のコウジ酸溶液(pH7.2)を調整した。この各コウジ酸溶液にて小麦2kgを室温で調質し、それぞれをコウジ酸1500ppm添加区、コウジ酸500ppm添加区、コウジ酸50ppm添加区、コウジ酸5ppm添加区とした。
【0023】
システイン塩酸塩10g、1g、0.1g、0.01g、を1規定NaOH70.5g、0.1規定NaOH71.5g、0.01規定NaOH71.5g、0.001規定NaOH71.5gに溶解し、システイン溶液(pH6.9)を調整した。この各システイン溶液にて小麦2kgを室温で調質し、それぞれをシステイン3500ppm添加区、システイン350ppm添加区、システイン35ppm添加区、システイン3.5ppm添加区とした。
【0024】
各コウジ酸添加区およびシステイン添加区は、それぞれビューラーのテストミル製粉機にて挽砕し、「再改訂版 小麦粉−その原料と加工品−(日本麦類研究会)」に示すとおり、3種類のブレーキ粉(1B、2B、3B)、3種類のミドリング粉(1M、2M、3M)および大フスマ、小フスマの計8フラクションに分けた。
それぞれの1Mフラクションにコウジ酸およびシステインが含まれている量を分析した結果、コウジ酸1500ppm添加区には15ppm、コウジ酸500ppm添加区には5ppm、コウジ酸50ppm添加区には0.5ppm、コウジ酸5ppm添加区には0.05ppmのコウジ酸が含まれており、また、システイン3500ppm添加区には30ppm、システイン350ppm添加区には3ppm、システイン35ppm添加区には0.3ppm、システイン3.5ppm添加区には0.03ppmのシステインが含まれていた。
【0025】
うどんの製造
1Mフラクションに対して34重量%の水および2重量%の食塩を加え、6分間練り合わせた後、製めん機にてうどんを製造した。
うどんの製造直後および10℃にて保存後2日目および5日目のスペックの発生量、色調、外観を評価した。コウジ酸添加区の結果を表1に、システインの結果を表2に示す。
比較例にはチロシナーゼ阻害剤を含まない水で同様に調質、挽砕・うどんの調製をした無添加区(比較例1)と、製めんする際に無添加区にコウジ酸を1000ppm添加したもの(比較例2)および製めんする際に無添加区にシステインを700ppm添加したもの(比較例3)を用いた。
結果を表3に示す。
【0026】
実施例において採用する評価法、スペックの測定法および色調の測定法は以下の方法で行った。
(1)評価法
10℃にて5日間保存し、2日後、5日後のスペックの数、表面色(明度、色相、彩度)、外観を評価した。
(2)スペックの測定法
スペックの数は1cm2あたりの数をルーペを用い、肉眼により測定した。
(3)色調の測定法
表面色の測定は、日本電色工業株式会社製SZ−Σ80型色差計を使用した。
Hunterの表色法によるL、a、bを測定し、表面色を明度(L)、色相
Lの値は大きいほど明るいことを示し、明度の尺度となる。
aの値は正のとき赤、負のとき緑を示し、
bの値は正のとき黄、負のとき青を示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
上記表1および表2に示すように本実施例においては、コウジ酸5ppm添加区(残存量:0.05ppm)およびシステイン3.5ppm添加区(残存量:0.03ppm)以外はいずれも比較例1と比べてスペックの発生量が抑制されており、比較例2、比較例3に見られるようなうどんとして不都合な点は何一つ認められなかった。
上記表3に示すとおり比較例2はスペックの発生量がやや少なくなるものの、添加したコウジ酸が黄色に着色するため、およそうどんとはかけ離れた色調を示した。比較例3はスペックの発生量の抑制効果はほとんど見られなかった。また、生地の白みが強く、うどんの形を維持するのが困難で、色調、外観ともうどんとはかけ離れたものとなった。
【0031】
ギョウザの皮の製造
実施例1と同様にコウジ酸添加区およびシステイン添加区を調製・挽砕した後、1Mフラクションに対して34重量%の水および1重量%の食塩を加え、6分間混合した後、製めん機にてギョウザの皮を製造し、実施例1と同様の方法でギョウザの皮を評価した。コウジ酸添加区の結果を表4に、システイン添加区の結果を表5に示す。
【0032】
比較例にはチロシナーゼ阻害剤を含まない水で同様に調質、挽砕・ギョウザの皮の製造をした無添加区(比較例4)と、ギョウザの皮を製造する際に無添加区にコウジ酸を1000ppm添加したもの(比較例5)およびギョウザの皮を製造する際に無添加区にシステインを700ppm添加したもの(比較例6)を用いた。比較例の結果を表6に示す。
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】
上記表4および表5に示すように本実施例においては、コウジ酸5ppm添加区(残存量:0.05ppm)およびシステイン3.5ppm添加区(残存量:0.03ppm)以外はいずれも比較例4と比べてスペックの発生量が抑制されており、比較例5、比較例6に見られるようなギョウザの皮として不都合な点は何一つ認められなかった。
上記表6に示すとおり比較例5はスペックの発生量がやや少なくなるものの、添加したコウジ酸が黄色に着色するため、およそギョウザの皮とはかけ離れた色調を示した。比較例6はスペックの発生量の抑制効果はほとんど見られなかった。また、生地の白みが強く、ギョウザの皮の形を維持するのが困難で、色調、外観ともギョウザの皮とはかけ離れたものとなった。
【0037】
実施例3
中華めんの製造
実施例1と同様にコウジ酸添加区およびシステイン添加区を調質・挽砕した後、1Mフラクションに対して32重量%の水および1重量%の食塩、1重量%のかんぷんを加え、6分間練り合わせた後、製めん機にて中華めんを製造し、実施例1と同様の方法で中華めんの評価を行った。コウジ酸添加区の結果を表7に
システイン添加区の結果を表8に示す。
比較例にはチロシナーゼ阻害剤を含まない水で同様に調質、挽砕・中華めんの調製をした無添加区(比較例4)を用いた。比較例の結果を表9に示す。
【0038】
【表7】
【0039】
【表8】
【0040】
【表9】
【0041】
表7〜表9に示すとおり、コウジ酸5ppm添加区(残存量:0.05ppm)およびシステイン3.5ppm添加区(残存量:0.03ppm)以外はいずれも比較例7と比べてスペックの発生量が抑制されており、色調の低下も改善された。
【0042】
製粉方法の違いによる影響
本実施例においては、テストミル製粉機を用いた。一般に挽砕方法などの製粉方法の違いにより、フスマの混入度合いの異なる小麦粉が得られるが、挽砕方法等の違いにかかわらず、本発明の効果は達成される。
【0043】
【発明の効果】
挽砕前の小麦にチロシナーゼ阻害剤を添加することによりチロシナーゼ阻害剤をフスマやその周辺に含まれるチロシナーゼに効率よく接触させることにより従来スペック抑制作用がなかったチロシナーゼ阻害剤をスペック抑制剤として利用することができる。また、小麦粉中に含まれるチロシナーゼ阻害剤が従来よりもさらに少ない量であってもスペックの発生が抑制される小麦粉を提供することができる。それにより、チロシナーゼ阻害剤を小麦粉に添加してめん類を製造する場合に問題とされていたチロシナーゼ阻害剤自体による着色の影響を引き起こすことなく、スペックの発生等の色調の低下が抑制された生めん類、乾めん類、手延べそうめん類を提供することができる。
本発明により得られた小麦粉は、めん類に限定されることはなく、「食品工業総合事典(日本食品工業会編)」に示されているように小麦粉に水を加えて捏ね上げた生地(ドウ、ペースト、バッター等)全てに利用可能である。
Claims (3)
- 麺類製造用小麦粉の製造方法であって、原料小麦を製粉する工程である原料小麦を挽砕する前の工程でチロシナーゼ阻害剤としてコウジ酸、および/または、システインを添加することを特徴とする方法。
- 原料小麦を挽砕する前の工程が調質工程である請求項1記載の麺類製造用小麦粉の製造方法。
- 請求項1または請求項2記載の方法により製造された麺類製造用小麦粉。
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