JP2516503B2 - 紅花色素製剤及びそれにより着色した食品 - Google Patents

紅花色素製剤及びそれにより着色した食品

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な紅花色素製剤又
はそれにより着色した食品に関するもので、より詳細に
は耐熱性を付与した紅花色素製剤又はそれで着色するこ
とにより耐熱性を付与した食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び本発明が解決しようとする課題】従来
から紅花赤色素の抽出、精製に関して数多くの特許出願
があるが(例えば特開平2−145657、特開昭62
−53375、特公昭53−18216など)、食品を
対象とした紅花赤色素製剤及びこれを用いて着色した食
品に関する特許の出願例は殆ど見当たらない。
【0003】紅花赤色素を用いて食品を着色する場合、
食品を加熱処理する工程で退色が著しく、実用上使用に
耐えないという重大な欠点を有していた。本発明の色素
製剤及び食品は、かかる従来の欠点を解消したものであ
って、充分に鮮明な赤色を有する食品を提供しうるもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明でいう紅花赤色素
は、その成分がE10%=20〜25で表されるもので
あり、紅花中の黄色素を常法により除去した後、弱アル
カリ水又は弱アルカリ性物質を含んだ有機溶剤で抽出
し、弱酸性でそのまま粉末化するか又は弱酸性下でセル
ロース等に吸着させたものとか、更にそれからセルロー
スを分離したもの等である。アルミニウム塩類の具体例
としては、焼ミョウバン、焼アンモニウムミョウバン、
塩化アルミニウム等があり、カルシウム塩類としては塩
化カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウ
ム、クエン酸カルシウム、せん維素グリコール酸カルシ
ウム、動物の骨、貝殻、卵殻、リン灰石、リン酸カルシ
ウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。
【0005】有機酸としてはクエン酸、酒石酸、乳酸、
酢酸、フマール酸、リンゴ酸等があるが、色素製剤への
混入量は、紅花色素に対する量比よりも、それら色素製
剤を用いた食品のpHが5以下になるようにすれば良
い。
【0006】混合製剤を調整するには、アルミニウム塩
類,カルシウム塩類(以下これら二者を合わせて金属塩
類という)のうちの一種以上を紅花赤色素100部(重
量部,以下同じ)に対して10部以上、好ましくは20
部以上使用すると良い。さらには金属塩類に加えて有機
酸を混入することもできる尚、食品を着色するには必ず
しも予め色素,金属塩類及び有機酸を混入した形で使用
することを要せず、これら三成分をそれぞれにばらばら
で食品に混入しても良い。
【0007】
【作用及び効果】紅花赤色素に有機酸を加えて食品のp
Hが5以下程度になるようにすれば、加熱による退色が
防止される効果については、過去にそのような報告例は
ないが、本件発明者は、恐らくは有機酸による深色効果
が加熱による退色を補っているのではなかろうかと推定
している。但し、食品によってはその物性,組織,香味
等の上から、余りpHを下げることが出来ないものがあ
りその種食品については、有機酸添加効果は余り期待で
きないものとなる。
【0008】更に言うと、例えば実施例5,6に類似の
うどん,ソーメン,スパゲッティーのような食品の場
合、有機酸を一定以上加えると(pH4付近以下をさ
す)加水混合後、圧廷時、麺帯としてまとまらずぼろぼ
ろとなり、麺線として、仕上げることが難しくなる等の
欠点が出るし、又、中華麺の場合有機酸を加えすぎると
製麺性阻害と同時に中華麺としての食味,風味を損なう
欠点がある。一方カルシウム,アルミニウム塩類は有機
酸に比べて、大量に加えても食品の本来の機能を損なう
ことは少ないが大量添加でも影響なしとは言えない。例
えば、ミョウバン単独で10%添加すると製麺性,食味
とも悪影響が出る。しかし、例1の製剤を食品にミョウ
バンとして10%添加することは着色度合から考えてあ
り得ない。従って、実質上の製剤添加量から考えると、
食味,風味に対し、カルシウム,アルミニウム製剤は影
響を与えない。又、酢酸を使った場合、特に味,香りが
淡泊な食品の場合、本来食品の持つ味,香りのバランス
を壊し、酢酸臭として出てくることもあり、人によって
は腐敗臭と感じる恐れすらある。更に、酢酸に限らず、
他の有機酸の場合でも一定限度を越えると酸臭と共に酸
味が表面に出てくることにより、食品本来の味を損なう
こともある。
【0009】従って、紅花赤色素の熱安定性を大幅に向
上させるために、アルミニウム塩との製剤の効果は第1
表で明白であるが、第3表,第5表で示したように塩化
カルシウムの場合カルシウムの持つ効果に、クエン酸を
加えることによりpHによる食品の組織破壊がない程度
に下げることができる。製剤中のカルシウムの量比が下
がっても、第4表で見られるようにL,a,b改良効果
はあるものの麺帯の色としては黄色になりやすい所のも
のを第5表で見られる通り、L,a,b改良効果と同時
に麺帯の色も赤と表現できる程度迄改良されることがわ
かる。又、第3表からも有機酸とカルシウム塩の併用効
果は明白である。
【0010】金属塩類の退色防止効果については、その
機作は詳らかでないが、いずれにしても効果を有し、か
つ有機酸と併用すると更にその効果は増大する。本発明
では紅花色素の耐熱性を向上させたものであるから食品
の加工に際して加熱条件が緩やかであればある程、紅花
色素が退色しないのは勿論のことであり、例えば麺、畜
肉練製品、ゼリー等については色調良好なものが得られ
る。高温加熱処理をするもの、例えばパン、焼菓子等に
ついては金属塩類の混入率を高くするとか有機酸を併用
するなどが必要となることがある。
【0011】
【実施例】
【例1】キク科ベニバナ(Carthamus tin
ctorius L、)の花に10倍量の水を入れ、2
時間撹拌して後脱水する。この脱水したものに更に10
倍量の水を加え、1時間撹拌し、脱水し黄色色素を除去
した後、弱アルカリ水で抽出し、pHを5付近に調整し
てからデキストリンを添加し、乾燥してE10%=20
〜25の粉末状の赤色色素を得た。その主成分はフラボ
ノイド系カルタミンである。この色素100部に対して
塩化アルミニウム粉末20部を加えた。この1部を水1
00部に溶解し、85℃、10分間加熱したが変色しな
かった。一方対照品として赤色色素のみを水に溶解した
ものを調整し、これを前記と同一条件で加熱処理した
所、明らかに退色が認められた。尚、上記両試料を色差
計(日本電色工業(株)製、以下も同じ)で調べたとこ
ろ、その結果は第1表の通りであった。
【0012】
【第1表】 但し、色差計における数値の表現法は、ハンターの表色
法によっており、Lは明度、色相はa、bで示される。
aで示されるのは+では赤、0で灰色、−で緑をそれぞ
れ表し、bが+のとき黄、0で灰色、−で青を示してい
る。
【0013】
【例2】例1に示した方法で得られた赤色色素100部
にクエン酸20部を加えた。この1部を水100部に溶
解したものと対照品として赤色色素のみからなるものと
をそれぞれ85℃、10分間加熱し、その退色状態を色
差計で調べた結果を第2表に示す。同表からわかるよう
に、本発明品においては色調の変化は少なく、対照品は
明らかに色調の変化が認められた。
【0014】
【第2表】
【0015】
【例3】例1に示した方法で得られた赤色色素100部
に塩化カルシウム10部とクエン酸10部とを加えたも
の1部を水100部に溶解したものと、対照品として赤
色色素のみからなるものを調製した。両品を85℃、1
0分間加熱してその退色状態を色差計で調べた。なお、
同時に本実施例色素と対照品の他に、下記各種の色素見
本を調製し、本実施例と同一条件で処理し、その退色状
態を調べた。その結果を第3表に示す。
【0016】各種色素見本の調製法 配合例A…赤色色素(以下、すべて例1において調製さ
れた赤色色素のことをいう)100部に塩化カルシウム
20部を加えたもの1部を水100部に溶解したもの。 配合例B…赤色色素100部に塩化カルシウム20部と
クエン酸10部を加えたものの1.08部を水100部
に溶解したもの(これで配合例Aと同一の色素含量%と
なる)。 配合例C…赤色色素100部に塩化カルシウム10部加
えたものの0.91部を水100部に溶解したもの。 配合例D…赤色色素100部にクエン酸10部加えたも
のの0.91部を水100部に溶解したもの。
【0017】
【第3表】
【0018】第3表から以下のことがわかる。 イ.例2において、クエン酸のみでも対照品より退色防
止効果があったが、クエン酸に代えて塩化カルシウムを
使用したもの(配合例A)は更に退色防止効果があっ
た。 ロ.塩化カルシウムとクエン酸とを併用したものは、塩
化カルシウムのみ使用したものより更に退色防止効果が
あった(配合例B:配合例A 又は 例3のもの:配合
例C)。
【0019】
【例4】強力小麦粉100部に例1の本発明色素又は対
照品色素1部を加え、これに砂糖6部、脱脂粉乳2部、
食塩2部、ショートニング4部、水75部、イースト1
部及びイーストフード0.1部を混合してなる2種のパ
ン生地を、自動製パン機にてパンを作り、焼成後のパン
の内層部の色調を調べた所、対照品は黄色であったのに
反し、本発明品は赤色であった。即ち、アルミニウム塩
を加えた色素で着色したパンは耐熱性があって退色しな
かった。
【0020】
【例5】小麦粉100部に例2の本発明色素又は対照品
としての色素1部を加え、麺用ミキサーに投入し、これ
に食塩水32部(食塩2部と水30部)を添加して10
分間ミキシングを行い、2種の麺生地を得た。この生地
を荒延べ1回、複合2回、圧延3回行い、最終厚み2m
mの麺帯を得、更に15cm×10cmの大きさに切断
し、真空包装を行った。この麺帯を100℃,15分間
蒸煮し、蒸煮前と蒸煮後の麺帯をそれぞれ色差計にて測
定したが第4表である。同表から分かるように、クエン
酸による耐熱効果が認められる。
【0021】
【第4表】
【0022】
【例6】小麦粉100部に例2及び例3の本発明色素又
は対照品色素1部を加え、麺用ミキサーに投入し、これ
に食塩水32部を(食塩2部と水30部)を添加して1
0分間ミキシングを行い、3種の麺生地を得た。この生
地を荒延べ1回、複合2回、圧延3回を行い、最終厚み
2mmの麺帯を得、更に15cm×10cmの大きさに
切断し、真空包装を行った。この麺帯を100℃、15
分間蒸煮し、蒸煮前と蒸煮後の麺帯をそれぞれ色素計に
て測定した。第5表はその結果を示しており、有機酸と
カルシウム塩(例3のもの)は有機酸のみ(例2のも
の)の添加品より紅花赤色素の耐熱性を増加させている
ことが解る。
【0023】
【第5表】
【0024】
【発明の効果】上記の各実施例から解るように本願製剤
及びそれで着色した食品は、理由は必ずしも明かではな
いが耐熱性に優れ、加熱殺菌、高温焙焼等の加熱処理を
施しても元の色調から殆ど変わらず、良好な色調を維持
し、食品の商品価値を損ずることがない。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紅花赤色素にアルミニウム塩類及びカルシ
    ウム塩類のうちから選択された1種以上を混合してなる
    ことを特徴とする紅花色素製剤。
  2. 【請求項2】紅花赤色素にアルミニウム塩類及びカルシ
    ウム塩類のうちから選択された1種以上と有機酸とを混
    合してなることを特徴とする紅花赤色素製剤。
  3. 【請求項3】紅花赤色素にアルミニウム塩類及びカルシ
    ウム塩類のうちから選択された1種以上を混合してなる
    もので着色したことを特徴とする食品。
  4. 【請求項4】紅花赤色素にアルミニウム塩類及びカルシ
    ウム塩類のうちから選択された1種以上と有機酸とを混
    合してなるもので着色したことを特徴とする食品。
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JPS5013299A (ja) * 1973-04-30 1975-02-12
JPS53226A (en) * 1976-06-24 1978-01-05 Shiseido Co Ltd Method of stable extraction and isolation of carthamin

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