JPH0665356U - 記録紙の堆積補助装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロール紙を用いる画像記録装置において、記
録紙のカールに起因して記録紙排出部で発生するスタッ
ク不良や記録紙ジャムの問題を有効に防止乃至軽減する
ことのできる記録紙の堆積補助装置を提案する。 【構成】 記録紙排出部１０の上に記録紙排出口８から
排出される記録紙Ｐoutを上から押える記録紙押え１７
を揺動自在に設けるようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、記録紙としてロール紙を用いる画像記録装置の記録紙排出部に装備 される記録紙の堆積補助装置に関するものである。

【０００２】

【従来技術とその課題】

例えばロール紙内蔵タイプのファクシミリ装置では、ロール紙から繰り出され て装置本体内で印字・切断された記録紙を、記録紙排出経路の終端に開口される 記録紙排出口から機外へ排出して、排出記録紙を記録紙排出口の出口側に設けら れた記録紙排出部や記録紙トレイの上に順次堆積させるようにした形式ものが一 般的である。

【０００３】 しかしながら、記録紙としてロール紙を用いるものでは、記録紙にカール癖を 帯び易く、記録紙のカールに起因して記録紙排出部に堆積される排出記録紙のス タック状態に乱れを生じたり、記録紙ジャムを起こしやすい問題が見られる。

【０００４】 図４は、一例として、装置本体内から上向きにＵターンされて記録紙排出口Ｅ から印字面を上向きにして排出される記録紙Ｐを、装置本体の上に設けられた記 録紙排出部Ｔにスタックさせる場合での記録紙排出状況を図示したものである。 この場合、記録紙排出口Ｅから排紙ローラＥＲとピンチローラＰＲとにニップさ れて記録紙排出部Ｔに排出される排出記録紙Ｐout が、図示実線で示すように 、排出順に堆積してフラットにスタックされるのが理想であるが、多くの場合、 排出記録紙Ｐout はロール紙に巻き取られていた際のカール癖に起因して、図示 二点鎖線で示すように下向きにカールし、著しくは記録紙排出部Ｔの上で丸ま ってしまう。また、例えば印字の黒率が高い排出記録紙Ｐout の場合には、上記 と逆に記録紙先端が図示破線のように上向きにカールして反り上がりを生じ、 その際、記録紙排出部Ｔの上に原稿マウント等の干渉物Ｍが設けられていると、 これに干渉して記録紙ジャム等を引き起こすことがある。

【０００５】 本考案は、かかる問題点に着目し、記録紙のカールに起因して記録紙排出部で 発生するスタック不良や記録紙ジャムの問題を有効に防止乃至軽減することので きる記録紙の堆積補助装置を提案するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案に基づく記録紙の堆積補助装置では、上記の目的を達成するための手段 として、記録紙排出部の上に、記録紙排出口から排出される記録紙を上から押え る記録紙押えを揺動自在に設けるようにしている。

【０００７】

【作用】

こうすれば、記録紙排出口から排出される記録紙を記録紙押えの下に潜らせて 記録紙排出部の上に排出させるようにすることができ、一旦記録紙押えの下を潜 らせることにより、カールに起因する記録紙先端の自由奔放な変形を拘束して、 排出記録紙を整然としたスタック状態に導くことができるものとなる。

【０００８】

【実施例】

図１は、本考案に係る記録紙の堆積補助装置を記録紙排出部の上に設けて構成 されたロール紙内蔵タイプのファクシミリ装置の概要を示している。

【０００９】 このファクシミリ装置には、装置本体１の後端部に設けられた記録紙収納ボッ クス２に、長尺記録紙（感熱紙）を紙管に捲回したロール紙Ｒが回転自在にセッ トされる。内蔵ロール紙Ｒからは、その前方に設けられたプラテンローラ３によ り記録紙Ｐが紙パス通路１３を通して繰り出され、プラテンローラ３の下面に圧 接されたサーマルヘッド４で印字される。続いて、サーマルヘッド４で印字され た印字済の記録紙Ｐは、紙パス通路１４を通して直後のカッターユニット５に導 通されて切断された後、印字・切断済の記録紙Ｐを外側ペーパーガイド１２ａ、 １５ａと内側ペーパーガイド１２ｂとの間に形成された湾曲した紙パス通路１５ に通して上向きにＵターンさせてから、その出口に設けた排紙ローラ６とピンチ ローラ７とにニップさせて記録紙排出口８より本体上面を蓋封する記録紙カバー ９に設けた記録紙排出部１０の上に印字面を上向きにして斜め上向きに排出させ るようにしている。

【００１０】 上記のファクシミリ装置において、サーマルヘッド４、カッターユニット５及 び紙パス通路１３、１４、１５の下側に配置されるペーパーガイド１２ａ等は、 装置本体１の側に取り付けられる一方、プラテンローラ３、排紙ローラ６、ピン チローラ７及び紙パス通路１３、１４、１５の上側に配置されるペーパーガイド １２ｂ等は、カッターユニット５と一体に形成されたものを除いて、記録紙カバ ー９の側に取り付けられている。

【００１１】 また、記録紙カバー９は、図示しないカバーフレームの後端部の両側をヒンジ 部１１で装置本体１に枢支して、記録紙収容ボックス２とその前方の記録紙排出 経路を覆って装置本体１の上に開閉自在に取り付けられており、前端部には後述 する送信部に繰り込まれる送信原稿をセットする原稿マウント部１６が設けられ る。そして、記録紙排出部１０と対面される原稿マウント部１６の内面には、記 録紙排出口８からカバー上の記録紙排出部１０に排出される記録紙Ｐを上から押 える記録紙押え１７が揺動自在に取り付けられている。

【００１２】 その他、図１において、２０と２１は、記録紙Ｐの繰出し、排出経路に設けた ペーパーセンサを示し、２２は原稿マウント部１６にセットされた送信原稿を繰 り込んで読取部に搬送する装置前端部の送信部を、２３は送信部２２の読取部に 臨んで本体１内に設けられる光学読取系を示す。２４は装置本体１の後端部に搭 載される電源部を示している。

【００１３】 図２と図３に、記録紙排出部１０の上に設けられる記録紙押え１７の詳細が図 示されている。記録紙押え１７は、この実施例の場合、透明プラスチック製の板 状部材からなり、その基端部の両側から突出させたピン軸１８を、原稿マウント １６の内面ボス部１６Ａに取り付けられたブラケット１９の軸通穴１９ａに挿支 させて、該ピン軸１８を支点に揺動自在に取り付けられている。なお、記録紙押 え１７の基端部には、ピン軸１８、１８を突出する両側面の近傍で長手方向に割 溝１７ａ、１７ａが切欠され、基端部の両側を指で挾着すると割溝１７ａ、１７ ａの外側片がピン軸１８、１８と共に幅方向で撓むようになっており、この拡縮 変形を利用して両側ブラケット１９、１９に対する記録紙押え１７の着脱がワン タッチで行えるようになっている。

【００１４】 この記録紙押え１７は、実施例の場合、基端部を記録紙排出口８の近傍部でブ ラケット１９、１９に枢支させ、先端部を記録紙排出口８から離れた原稿マウン ト１６の後端開口部２５から若干突出させて傾斜した記録紙排出部１０の上にフ リーに当接させる略横向きの姿勢で取り付けられている。

【００１５】 記録紙押え１７には、その下面を潜って排出されることになる記録紙Ｐout を スムーズに誘導すべく、長手方向で適当な屈曲形状が与えられている。即ち、記 録紙押え１７は、フラットな基端部１７Ａと、基端部１７Ａからやや上向きに屈 折された先端部１７Ｂと、先端部１７Ｂから上向きに急角度で立ち上がる先端屈 折部１７Ｃとを具備してなり、記録紙排出口８から排出される記録紙out は、一 般的には、まずその先端が記録紙排出方向を塞ぐように傾斜される基端部１７Ａ の下面に衝突し、次いで基端部１７Ａの内面にガイドされて記録紙排出部１０の 傾斜面（又はその上に堆積されている排出記録紙out ）１０Ａの上を通って記録 紙排出方向に対して緩やかな傾斜を有する先端部１７Ｂの下面に潜り込み、先端 屈折部１７Ｃの屈曲点近傍で形成される押えポイントを潜り抜けて記録紙排出部 １０の水平面１０Ｂに排出されることになる。

【００１６】 しかして、かかる記録紙押え１７を記録紙排出部１０の上に設けたものであれ ば、記録紙排出口８から排出される記録紙Ｐout を、該記録紙Ｐout を上から押 える記録紙押え１７の下に潜らせて記録紙排出部１０の上に排出させるようにす ることができる。そして、排出記録紙Ｐout を一旦記録紙押え１７の下を潜らせ るようにすれば、記録紙排出口８の出口付近で下向き或いは上向きのカールしよ うとする記録紙先端の自由奔放な変形を拘束することができるため、記録紙排出 部１０の上に堆積される排出記録紙Ｐout を、図２に二点鎖線で示す如く、整然 としたスタック状態に導くことができ、延いてはカール癖によりスタック状態の 乱れや記録紙ジャムを引き起こす問題を有効に防止乃至軽減することができるも のとなる。

【００１７】 本考案に係る記録紙の堆積補助装置は、記録紙としてロール紙を用いる画像記 録装置の記録紙排出部には一般的に適用でき、記録紙排出部には記録紙排出口に 別体品として挿着される記録紙トレイが含まれる。なお、記録紙排出部の上に揺 動自在に設けられる記録紙押えは、記録紙の円滑な排出動作を確保する上で、そ の形状、重量及び取付姿勢の調整が重要となるが、簡易には、プレート材に代え てフィルムを用いることもできる。

【００１８】

【考案の効果】

以上の如く、本考案による記録紙の堆積補助装置では、記録紙排出部の上に、 記録紙排出口から排出される記録紙を上から押える記録紙押えを揺動自在に設け るだけの簡易な工夫により、カールに起因する記録紙排出部での排出記録紙のス タック不良や記録紙ジャムの問題を有効に防止乃至軽減することができるものと なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】記録紙の堆積補助装置の実施例を示すファクシ
ミリ装置の断面概要図である。

【図２】図１の要部拡大図である。

【図３】記録紙押えとその取付ブラケットとの分解斜視
図である。

【図４】カールした記録紙の排出状況を示す記録紙排出
部の断面図である。

【符号の説明】

１ 装置本体 ２ 記録紙収納ボックス ３ プラテンローラ ４ サーマルヘッド ５ カッターユニット ６ 排紙ローラ ７ ピンチローラ ８ 記録紙排出口 ９ 記録紙カバー １０Ａ 傾斜面 １０Ｂ 水平面 １０ 記録紙排出部 １１ ヒンジ部 １２ａ、１２ｂ ペーパーガイド １３ 紙パス通路 １４ 紙パス通路 １５ 紙パス通路 １６ 原稿マウント １６Ａ 内面ボス部 １７ 記録紙押え １７ａ 割溝 １７Ａ 基端部 １７Ｂ 先端部 １７Ｃ 先端屈折部 １８ ピン軸 １９ ブラケット １９ａ 軸通穴 Ｐ 記録紙 Ｐout 排出記録紙 Ｒ ロール紙

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録紙排出部の上に、記録紙排出口から
   排出される記録紙を上から押える記録紙押えを揺動自在
   に設けたことを特徴とする記録紙の堆積補助装置。