JP3650179B2 - 給紙カセット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は公共料金等の振り込みに使用するファンホールドタイプの用紙に印字を行うプリンタ装置に係り、特にこのような用紙を収納する給紙カセットに関する。
【0002】
【従来の技術】
電話代、電気代、水道代等の公共料金の振り込みには、所謂ファンホールドタイプの用紙を使用する。このファンホールドタイプの用紙は、通常、所定の長さに折り畳んだ状態でプリンタ装置に付属する用紙収納部に収納されている。
【0003】
図11は従来の用紙収納部の構成を説明する図である。用紙収納部1は上部が開放された箱形の形状であり、用紙収納部1内に所定の長さに折り畳んだ状態のファンホールドタイプの用紙2が収納されている。したがって、用紙収納部1内には複数段に折り畳まれた用紙2が収納され、不図示のプリンタ装置に給紙される。この時、同図に用紙2′として示すように、折り畳まれた用紙2は徐々に開きながらプリンタ装置に給紙される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来の用紙収納部1は上部が開放されている構成であり、大きな形状である。この為、設置型のプリンタ装置に限って使用され、携帯型のプリンタ装置では上述のような構成の用紙収納部1は使用されていなかった。したがって、従来、携帯型のプリンタ装置ではファンホールドタイプの用紙を使用することは無かった。この為、従来の携帯型のプリンタ装置において使用する用紙は、単票用紙やロール状の用紙であった。
【0005】
本発明の課題は、ファンホールドタイプの用紙を収納し、携帯型のプリンタ装置に給紙することができる給紙カセットを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成する為、所定の長さに折り畳まれた用紙を収納する給紙カセットにおいて、用紙搬出部近傍に設けられ、最上面に位置する用紙の先端を載置する用紙先端載置部を設けることにより達成できる。そして、前記用紙先端載置部は、例えばU字形の断面形状を有して構成されている。
【0007】
このように構成することにより、所定の長さに複数段折り畳まれた用紙の中の最上面(最上段)に位置する用紙を残りの用紙に対して分離できる。
また、前記用紙先端載置部には例えば用紙を搬送するピンチローラが設けられ、該ピンチローラは、例えば装置本体に取り付けられた搬送ローラに当接する構成である。また、このピンチローラには、前記搬送ローラに圧接する方向に付勢力が付与される。
【0008】
このように構成することで、ピンチローラと搬送ローラで最上面(最上段)に位置する用紙を給紙カセットから自動的に搬出し、正確にプリンタ装置に送り出すことができる。
【0009】
一方、本発明は上記目的を達成する為、所定の長さに折り畳まれた用紙を収納する給紙カセットにおいて、用紙搬出部から離れた位置であり、前記給紙カセットの上面に凸部を設け、用紙の搬送領域を広く構成することにより達成できる。
【0010】
このように構成することで、給紙カセットから用紙を搬出する際、用紙が給紙カセットの内壁面と摩擦することにより生じる所謂バックテンションを軽減し、用紙の搬出を精度良く行うものである。
【0011】
また、本発明は上記目的を達成する為、所定の長さに折り畳まれた用紙を収納する給紙カセットにおいて、用紙搬出部に対して対抗する角部にリブを形成することにより達成できる。
【0012】
このように構成することで、給紙カセット内の用紙はその角部をリブ上に当接し、例えば給紙カセットを逆さまにして使用しても用紙と給紙カセットの内壁が摩擦することがなく、給紙する用紙(この場合、最下面の用紙)に残りの用紙の重量がかかることがない。
【0013】
また、本発明は上記目的を達成する為、所定の長さに折り畳まれた用紙を収納する給紙カセットにおいて、用紙搬出部近傍であり、前記給紙カセットの上板の下面に凸部を設けた構成とすることにより達成できる。
【0014】
このように構成することで、使用する用紙が厚紙である場合でも給紙カセットの上板の下面に形成された凸部によって曲げられ、正確に1枚ずつ給紙する(排紙する)ことができる。
【0015】
さらに、本発明は上記目的を達成する為、所定の長さに折り畳まれた用紙を収納する給紙カセットにおいて、最下面に位置する用紙を保持する保持部材を設けた構成とすることにより達成できる。尚、前記保持部材は、前記給紙カセットの下板上に形成する構成である。
【0016】
このように構成することで、使用する用紙が2枚連なって給紙される(排紙される)ことが防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明を適用した一実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態の説明に使用する給紙カセットの斜視図である。尚、本実施形態で説明する給紙カセットは、近距離であれば持ち運びできる携帯型のプリンタ装置に装着して使用するものである。
【0018】
同図において、給紙カセット3は箱型のカセットであり、樹脂や金属材料で構成されている。また、給紙カセット3は不図示のプリンタ装置に対し、同図に示す矢印方向に装着する。この為、給紙カセット3の同図に示す左側面3′の上部には用紙の排出部4が形成されている。
【0019】
また、図2、図3は給紙カセット3の断面図を示し、図2は図1のA−A′断面を示し、図3は図1のB−B′断面を示す。すなわち、図2は給紙カセット3の長手方向に平行に給紙カセット3のほぼ真ん中を切断した断面図であり、用紙の排出部4の下方には断面形状がU字形の用紙載置部5が形成されている。この用紙載置部5には同図に示すように、複数段に折り畳まれた用紙6の最上面(最上紙)6aの先端が載置している。一方、図3は給紙カセット3の長手方向に平行に給紙カセット3の側部を切断した断面図であり、用紙の排出部4の下方にはピンチローラ7が配設されている。このピンチローラ7は上述したU字形の用紙載置部5の一部を切断して配設した構成である。したがって、同図に示すようにU字形の用紙載置部5の一部5′が残った形状である。
【0020】
尚、同図に2点鎖線で示すフィードローラ8は、装置本体側に設けられたローラであり、給紙カセット3を装置本体に装着すると、同図に示すフィードローラ8の位置に給紙カセット3が設置される。そしてこの時、ピンチローラ7とフィードローラ8は当接する構成である。また、図3には図示しないが、この時ピンチローラ7上には(ピンチローラ7とフィードローラ8間には)、前述の複数段に折り畳まれた用紙6の最上面(最上紙)6aの先端が挟持されている。
【0021】
一方、図4は上述のピンチローラ7の単体の構成、及び給紙カセット3へのピンチローラ7の取り付け構成を説明する図である。尚、同図(a)はピンチローラ7の正面図であり、同図(b)はその側面図である。また、同図(c)はピンチローラ7を給紙カセット3に取り付ける状態を示す図であり、同図(d)はピンチローラ7を給紙カセット3に取り付けた後の状態を示す図である。
【0022】
同図(a)、(b)に示すように、ピンチローラ7はローラ7a、回転軸7b、フック7cで構成されている。また、フック7cは所定の弾性力を有する。この構成のピンチローラ7を給紙カセット3の先端に取り付ける。この場合、同図(c)に示すように、給紙カセット3の先端3aに設けられた突起3a′にピンチローラ7のフック7cを差し込み、フック7cが上記突起3a′を乗り越えることでピンチローラ7を給紙カセット3に固定する(図4の(d))。
【0023】
以上のように構成した給紙カセット3を使用することで、プリンタ装置に用紙6を確実に給送することができる。すなわち、上記構成の給紙カセット3を不図示の携帯型プリンタ装置に装着すると、図3に示したようにプリンタ装置本体側に設けられたフィードローラ8がピンチローラ7と当接し、用紙6の最上面(最上紙)6aの先端を両ローラで挟持する。尚、この時の給紙カセット3内の用紙6の状態を示す図が、図5(a)である。
【0024】
その後、不図示の制御信号に従ってフィードローラ8を回動すると、ピンチローラ7とフィードローラ8間に挟持されている最上面(最上紙)6aは排出部4方向に搬出され、不図示のプリンタ装置内に給送される。尚、この時の給紙カセット3内の用紙6の状態を示す図が、図5(b)である。また、プリンタ装置に送られた用紙6には、例えば電話代、電気代等の公共料金の振り込みに必要な印刷処理が行われる。
【0025】
このように、本実施形態によればファンホールドタイプの用紙を給紙カセット3に収納し、プリンタ装置に正確に給送できるので、携帯型のプリンタ装置においてもファンホールドタイプの用紙への印刷処理を行うことができる。
【0026】
尚、上述の構成では最上面(最上紙)6aを挟持するピンチローラ7とフィードローラ8の圧接力はフック7cの不勢力によるものであり、不安定であると考える場合、図6に示すようにピンチローラ7の回転軸7′にステンレスやリン青銅で構成するバネ等の弾性部材9を圧接する構成としてもよい。このように構成することで、ピンチローラ7とフィードローラ8は一定の圧力で圧接し、挟持した最上面(最上紙)6aをより安定してプリンタ装置に給送できる。
【0027】
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
図7は本発明の第2の実施形態を説明する図であり、給紙カセット10の上面に凸部10′が形成されている。この凸部10′は例えば同図に示すように、前述の実施形態の給紙カセット3と比べ高さDだけ高く形成されている。尚、用紙の排出部4近傍では上記凸部は形成されていない。また、給紙カセット10の他の構成は、前述の実施形態と同じであり、同一部材には同一の番号を付して構成上の説明を省略する。
【0028】
本実施形態においても、上記構成の給紙カセット10を不図示の携帯型プリンタ装置に装着すると、プリンタ装置本体側に設けられたフィードローラがピンチローラと当接し、用紙6の最上面(最上紙)6aの先端を両ローラで挟持する。その後、制御信号に従ってフィードローラ8が回動すると、ピンチローラ7とフィードローラ8間に挟持された最上面(最上紙)6aは排出部4方向に搬出され、プリンタ装置に給送される。この時、給紙カセット10の上部は図7に示すように広く形成されているので、給紙カセット10から用紙を搬出する際、用紙6が丸まって搬送されても給紙カセット10の内壁と用紙6間の摩擦力が小さく、バックテンションを軽減することができる。
【0029】
したがって、給紙カセット10からの給紙の際、バックテンションが軽減されるので安定して用紙を送ることができ、プリンタ装置で行う印刷処理でも用紙に正確な印刷を行うことができる。
【0030】
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。
図8は本発明の第3の実施形態を説明する図であり、給紙カセット11の内壁の角部にリブを設けた構成である。すなわち、同図(a)に示すように、用紙の排出部4に対抗する内壁の角部12にリブ13を形成した構成である。尚、給紙カセット11の他の構成は、最初の実施形態と同じであり、同一部材には同一の番号を付して構成上の説明を省略する。
【0031】
本実施形態においても、上記構成の給紙カセット11を不図示の携帯型プリンタ装置に装着すると、プリンタ装置本体側に設けられたフィードローラがピンチローラと当接し、用紙6は両ローラで挟持され、フィードローラ8を回動すると、用紙6は排出部4からプリンタ装置に給送される。したがって、例えば同図(b)に示すように、給紙カセット11を逆さもにして使用したとしても、給紙カセット11内の用紙6はその角6′をリブ13上に当接し、用紙6と給紙カセット11の内壁間の摩擦を無くし、用紙6を安定して送ることができる。
【0032】
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。
図9は本発明の第4の実施形態を説明する図であり、給紙カセット15の底面15′には用紙押え部16が形成されている。用紙押え部16は、同図に示すように、給紙カセット15内に載置された用紙6の最低段(最低面)に位置する用紙6”の後端を保持する構成である。尚、本実施形態においても、上記構成の給紙カセット15を不図示の携帯型プリンタ装置に装着すると、プリンタ装置本体側に設けられたフィードローラがピンチローラと当接し、用紙6は両ローラで挟持され、フィードローラを回動すると、用紙6は排出部4からプリンタ装置に給送される。
【0033】
このように構成することで、用紙を給紙する際、確実に最低段(最低面)の用紙が用紙押え部16に保持され、複数段折り畳まれた用紙が給紙カセット15内で持ち上がることはない。したがって、本実施形態においても、用紙6を安定してプリンタ装置に送ることができる。
【0034】
次に、本発明の第5の実施形態を説明する。
図10は本発明の第5の実施形態を説明する図であり、給紙カセット18の用紙の排出部4の近傍上面には下方に延びた突出部19が形成され、この突出部19の下面に搬出される用紙が摺擦する構成である。尚、本実施形態においても、上記構成の給紙カセット18を不図示の携帯型プリンタ装置に装着すると、プリンタ装置本体側に設けられたフィードローラがピンチローラと当接し、用紙6は両ローラで挟持され、フィードローラを回動すると、用紙6は排出部4からプリンタ装置に給送される。
【0035】
上述のように構成することで、用紙を給紙する際、最上段(最上面)の用紙が上述の突出部19の下面に摺擦し、最上段(最上面)の用紙6′を若干内側に折り曲げながら(内側にしならせながら)排出部4に搬送するので2段目(2枚目)の用紙は、最上段(最上面)の用紙と確実に分離され、連なった状態でプリンタ装置に給紙されることがない。したがって、本実施形態においても確実な給紙を行うことができ、品質の優れた印刷を行うことができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、所定の長さに複数段折り畳まれた用紙をプリンタ装置に給紙することができ、携帯型のプリンタ装置においてもファンホールドタイプの用紙を使用することができる。
【0037】
また、給紙カセットの上面を凸形状にすることにより、給紙カセットから用紙を搬出する際の用紙と給紙カセットの内壁面と摩擦を軽減し、バックテンションを軽減して用紙の搬出を精度良く行うことができる。
【0038】
また、給紙カセット内の角部にリブを形成し、例えば給紙カセットを逆さまにした場合でも用紙と給紙カセットの内壁との摩擦をなくし、確実な給紙を行うことができる。
【0039】
また、給紙カセットの用紙排出部近傍の上面を下方に凸形状にすることにより、使用する用紙が厚紙である時でも、用紙を若干折り曲げ、正確に1枚ずつ給紙することができる。
【0040】
また、本発明は最下面に位置する用紙を保持する保持部材を設けた構成することにより、給紙カセット内で用紙が持ち上がることを防止できる。
さらに、上述の効果からプリンタ装置に用紙を精度よく正確に送ることができ、プリンタ装置による印刷も正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の給紙カセットの斜視図である。
【図2】図1のA−A′断面図である。
【図3】図1のB−B′断面図を示す。
【図4】(a)はピンチローラの正面図である。
(b)はピンチローラの側面図である。
(c)はピンチローラを給紙カセットに取り付ける状態を示す図である。
(d)はピンチローラを給紙カセットに取り付けた後の状態を示す図である。
【図5】(a)、(b)は給紙カセット内の用紙の状態を示す図である。
【図6】ピンチローラの回転軸にステンレスやリン青銅で構成するバネ等の弾性部材を圧接する構成である。
【図7】第2の実施形態を説明する図である。
【図8】第3の実施形態を説明する図である。
【図9】第4の実施形態を説明する図である。
【図10】第5の実施形態を説明する図である。
【図11】従来の用紙収納部の構成を説明する図である。
【符号の説明】
3 給紙カセット
3a′ 突起
4 用紙の排出部
5 用紙載置部
6 用紙
6a 最上面(最上紙)
7 ピンチローラ
7a ローラ
7b 回転軸
7c フック
7′ 回転軸
8 ピンチローラ
10、11、15、18 給紙カセット
12 角部
13 リブ
16 用紙押え部
19 突出部
Claims (10)
- 所定の長さに折り畳まれた用紙を収納する給紙カセットにおいて、
用紙搬出部近傍に設けられ、最上面に位置する用紙の先端を載置する用紙先端載置部を設けたことを特徴とする給紙カセット。 - 前記用紙先端載置部は、U字形の断面形状を有することを特徴とする請求項1記載の給紙カセット。
- 前記用紙先端載置部には用紙を搬送するピンチローラが設けられていることを特徴とする請求項1記載の給紙カセット。
- 前記ピンチローラは、装置本体に取り付けられた搬送ローラに当接する位置に設けられていることを特徴とする請求項3記載の給紙カセット。
- 前記ピンチローラは、前記搬送ローラに圧接する方向に付勢されていることを特徴とする請求項3記載の給紙カセット。
- 所定の長さに折り畳まれた用紙を収納する給紙カセットにおいて、
用紙搬出部から離れた位置であり、前記給紙カセットの上面に凸部を設け、用紙の搬送領域を広くしたことを特徴とする給紙カセット。 - 所定の長さに折り畳まれた用紙を収納する給紙カセットにおいて、
用紙搬出部に対して対抗する角部にリブを形成したことを特徴とする給紙カセット。 - 所定の長さに折り畳まれた用紙を収納する給紙カセットにおいて、
用紙搬出部近傍であり、前記給紙カセットの上板の下面に凸部を設けたことを特徴とする給紙カセット。 - 所定の長さに折り畳まれた用紙を収納する給紙カセットにおいて、
最下面に位置する用紙を保持する保持部材を設けたことを特徴とする給紙カセット。 - 前記保持部材は、前記給紙カセットの下板上に形成されていることを特徴とする請求項9記載の給紙カセット。
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JP24480895A JP3650179B2 (ja) | 1995-09-22 | 1995-09-22 | 給紙カセット |
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JP24480895A JP3650179B2 (ja) | 1995-09-22 | 1995-09-22 | 給紙カセット |
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JP24480895A Expired - Fee Related JP3650179B2 (ja) | 1995-09-22 | 1995-09-22 | 給紙カセット |
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1995
- 1995-09-22 JP JP24480895A patent/JP3650179B2/ja not_active Expired - Fee Related
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